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raf WORLD - (2020/02/24 (月) 22:16:08) の編集履歴(バックアップ)


raf WORLD

【らふ わーるど】

ジャンル 2Dアクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 2MbitROMカートリッジ
発売・開発元 サンソフト
発売日 1990年8月10日
定価 5,500円
判定 良作


ストーリー

 宇宙暦373年……人類は宇宙に新天地を求めた。JAYの父は優秀な技術者であり、生活圏を得るために宇宙コロニーを建造するシリウス・プロジェクトの中心人物であった。しかし、突然の爆発事故により父は帰らぬ人となってしまう。唯一の肉親を失い途方にくれていたJAYは、父の机から一枚のディスクを発見する。「何者かがシリウス・プロジェクトへの妨害工作を行なっている。もしも私に何かあった時は、シリウスプロジェクトを頼む!」JAYは父の望みをかなえるため、父の敵を撃つため。単身姿の見えない敵へ戦いを挑むのであった。


概要

  • ライフ制の横スクロール2Dアクション。武器は射撃武器で、『ロックマン』に『魂斗羅』の要素を加えたゲームと言ったところ。
  • 本来は映画「ターミネーター」のファミコンソフトとして開発されており、国外のゲーム雑誌に実写取り組みのシュワルツェネッガーのスクリーンショットが掲載されていた。ところが、映画のライセンスを管理するCreative Licensing Corporation(CLC)の創設者であるRand Marlis氏は完成したゲームソフトのデモを見て、サンソフトから『ターミネーター』のライセンスを引き上げてしまった。その理由は「ゲームに現代の世界やサラ・コナーが登場せず、未来の世界でスカイネット率いるターミネーターの軍隊と戦うカイル・リースを主人公としたものになってしまっていたから」とのこと。開発にあたった日本のチームに対し、サンソフト・オブ・アメリカ側からは情報提供がなかったとされており、この結果を招いた一因と考えられている。こうした経緯でオリジナルタイトルとなったため、一部の敵キャラデザインや、BGMにその名残がある。

システム

  • ライフ・残機・コンテニュー制。コンテニューは3回あり、それ以降はゲームオーバーでタイトル画面に戻る。
    • ライフ回復はステージクリアによる全回復と、敵が落とすライフアイテム(回復量1.5目盛り)しかない。
    • 残機とコンテニューは増えることがない。(ただしコンテニューは下記の方法で増やすことは出来る)
  • 武器選択システム。最初主人公はハンドガンとショットガンを装備しているが、中ボスを倒すと新たに武器が順次追加されていく。
    • ハンドガン以外の武器は使用のたびエネルギーが減少。エネルギーは一括で管理され、敵を倒すと回復アイテムを入手できる(回復量3目盛り)。
    • 武器の変更はスタート画面中にセレクトボタンを押して変更、順に武器が変更されていく。
  • ジャンプ中の空中制御は出来ないが、方向転換は可能(同メーカーの『アトランチスの謎』とほぼ同じ挙動)。

長所

  • 本作を知る人が最も良く語るのは「BGMが素晴らしい」である。
    • とてもファミコンの音源とは思えないクオリティ。その音の抜けの良さや厚みから拡張音源を使用していると思われがちだが、実は内蔵音源だけで構成されており、拡張音源非対応のシャープファミコンテレビC1でも遊ぶ事ができる。
  • 典型的な覚えゲーなのだが、ただ敵を覚えるだけではなく、様々なテクニック(先置き弾による瞬殺・スクロールでの敵出現調整など)を使用するようになっており、とてもやり応えがある。
    • 敵の配置が実に巧みで、パッと見ではわからない面白さがある。
  • 末期FC作品なだけあってグラフィックレベルは高い。
  • 効果的な武器使用で難易度が抑えられるバランスになっており、多少歯ごたえはあるものの遊びやすい難易度になってる。
  • 敵の固さが程よく、敵を倒してる感をきちんと出しながらテンポ良く進めるようになっている。
    • ただ、最終ステージの5面は敵が居ない強制スクロール面のため、この爽快感が失われている。

短所

  • 見た目のインパクトに欠ける。
    • BGMの質も高くゲームの出来もいいのだが、実際に触ってみないと面白さが伝わりづらい。
  • 全部で5面しかなく1周END。物足りない感がある。
  • ライフ回復アイテムのドロップ率も回復量も低いため、1ダメージの重みがかなり大きい。
    • 逆に、武器回復アイテムは良くドロップする上に回復量も多いため、特殊武器を使用して極力ダメージを受けないよう攻略するゲームとなっている。
    • ただし、良く落ちるとは言え、むやみやたらに特殊武器を連射してるとすぐゲージが空になるので、考えて武器を使っていく必要がある。
  • ボスを倒すと自機の動きが止まってボスの爆発が始まるのだが、このとき「自機の当たり判定」も「ボスが倒す前に発射した弾」も消えてないので、弾に当たってしまうことがある。
    • これで死んでしまうとまたボスを最初からやり直すハメになるので、当たらないタイミングで倒す、倒した瞬間伏せるなどの注意が必要である。

総評

目新しさが全くなく地味ではあるが、グラフィックやBGM、やり応えなど高いレベルでまとまっており、ファミコンの隠れた名作である。特にBGMは一部で人気が高く、サンソフトの底力を感じさせる作品である。



余談

  • 2019年にゲーム関連資料の保存を目的としたグループGaming Alexandriaによって本作が『ターミネーター』として開発されていたころのPVが発掘された。(動画)
    • 当時はその後MindscapeやLJNといったメーカーから海外向けにターミネーターのゲームが多数発売されたがどれも評判はあまりよくなかった。(『ターミネーター2』)
  • 説明書には4ページにわたって、オープニングの曲の楽譜が掲載されている。
  • PS『メモリアル☆シリーズ サンソフト Vol.5』に今作が収録されている。(へべれけと同時収録。)
  • タイトル画面でBボタンを33回押し、スタートボタンを押すとコンテニューを増やしたり、サウンドテストができる。クオリティの高いBGMを自由に聞けるのもうれしいところ。ちなみにファンファーレ系の短い曲は未収録。
  • 海外にも発売されていて英名は「Journey to Silius」である。
    • 海外版では主人公のグラフィックが違うが、内容的には同じである。欧州版は英名こそ同一だが主人公は日本版のもの。なお、海外版のグラフィックは日本で使われる予定だったようだ。
    • 海外版ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online(NES Online)?で本作が2019年12月12日に配信された。
+ 参考動画