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シムシティー - (2015/08/06 (木) 21:21:20) の編集履歴(バックアップ)


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シムシティー

【しむしてぃー】

ジャンル シミュレーション
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対応機種 スーパーファミコン
メディア 4MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 任天堂、インテリジェントシステムズ
発売日 1991年4月26日
定価 7,700円
配信 Wiiバーチャルコンソール
2006年12月26日/900Wiiポイント
判定 良作
シムシティシリーズリンク


概要

市長となって街を発展させるのが目的の、「箱庭ゲーム」のはしりと言える作品。
大元はMacintoshやFM TOWNS、X68k等で発売されたゲームだが、本項目では大幅なアレンジとバージョンアップが加えられ、最もヒットしたSFC版を解説する。

システム

  • プレイヤーの目的は、「市長となって街を開発し、発展させること」である。そのために住民から税金を徴収し、得た資金を使って区画整理や施設建設、警察・消防機関への予算振り分けなどを行う。
    • 本作には「何も無い土地から都市作りをするモード」と「実在の都市をモデルケースにした七編のシナリオ」が収録されている。前者では50万人オーバーのメガロポリス達成が目標となり、達成した後も(自分でやめない限り)ゲームは続く。後者では都市ごとにテーマが定められ(例…公害と都市のスラム化が問題となっているアメリカのデトロイド)、期限内に問題を解決しつつ、ある程度都市を発展させることが目的となる。
      • シナリオモードの難易度はピンからキリまであり、ラスベガスが舞台となるシナリオの難易度は高い(UFOが頻繁に現れ、破壊活動を行うため)。一方でリオデジャネイロ(洪水による被害の回復が目的)は完全放置でもクリアできてしまったりする。
      • 実は、ラスベガスは終盤以外の時期に一定以上人口が増えるとUFOが出現するというカラクリなので、これに気付けば格段に難易度が下がる。
      • ラスベガスの設定自体(災害とは違う回避不可能な存在が破壊活動を行う)、PC版のハンブルグ(ナチス・ドイツ領ゆえに連合軍が空襲を行う)の焼き直しではあるのだが。
  • 都市には治安・地価・公害・通電・交通などさまざまなステータス値が存在しており、市長の采配しだいで数値は刻々と変化する。高い水準を保てれば市長の支持率が上がり、悪化すれば支持率が悪くなる。シナリオモードでは期限を迎えて人口10万人以上かつ支持率50%以上でないとゲームオーバーとなり、未クリアになってしまう。
    • そのため、「警察機構の強化による犯罪予防」、「クリーンな環境」、「綿密な通電」、「渋滞がなく潤滑な交通」などを意識する必要がある。いずれも大都市には必要不可欠な要素である。
  • ゲームということもあってか実際の行政とはややかけ離れているものの、市長気分を味わうには十分。
    • 都市が発展すると、建物はその様相に合わせて姿を変える。地価が低い建物はグラフィックもしょぼく許容人口も少ないのだが、発展していくと段々ゴージャスになっていき、それに比例して人口も増加する。
    • PC版や後のナンバリングタイトル作品と違い、ゲーム性が強い。「50万人都市達成は並大抵ではできません」と説明書に記載されている。
    • 「メガロポリス達成」はあくまでゲームの目標のひとつであるにすぎない。自分の好きなように街を作る、というのも一興。例えば工場が無い街を作ったり、郊外に巨大な道路でサーキットを模したコースを作ったり、文字や絵を描いたりするなど。
  • 実質、ゲームクリアの概念は存在しない。借金を返せなくならない限りゲームオーバーになることもない。災害を起こして街を破壊しようが、公共機関の維持費をゼロにして犯罪だらけにしたり交通機関をボロボロにしようが、リコールされることはない。
    • ただし、収入源を失った状態で資金が尽きてしまうと何もできなくなり、事実上の「詰み」状態にはなる。

SFC版のアレンジ要素

  • オリジナルキャラクター「Dr.ライト」の存在。
    • モデルはご存知シムシティの生みの親、ウィル・ライト氏。要所で現れ、プレイヤーに助言をしてくれる。助言はあまり役に立たないが、妙にコミカルであるため、彼が出てくると何故か嬉しい。
    • このDr.ライトは同じく任天堂製のシムシティである「シムシティー64」にも登場。キャラの版権は任天堂にあるようで、大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでも『X』からアシストフィギュアとして登場している。
  • 街の規模によってBGMが変化する。
    • 最初の頃はのどかなBGMだが、徐々に都会的になっていく。街の成長を感じさせる工夫である。
  • 「プレゼント」の存在。
    • ゲーム中ある条件を達成するとDr.ライトから「プレゼント」が贈られ、特別な施設を建設できるようになる。その効果も周りの地価を上げたり、特別収入を出るなど多岐にわたり、都市発展に不可欠な存在である。続編のシムシティ2000で本家に逆輸入されたほどの名アレンジ。
    • プレゼントの中にはマリオ像(ご丁寧に自由の女神像をマネしている)があったり、シナリオモードで出現する怪獣がクッパだったりと、いかにも任天堂らしいニヤリとさせられる味付けも。
      • プレゼントの中に「銀行」がある。10000ドルの融資が受けられるというプレゼントだが、借金が返せないとゲームオーバーになる。シナリオモード以外でゲームオーバーになる手段はこれのみだったりする。
        ちなみに名称は「ピーチ銀行」であり、姿こそ無いがマリオシリーズのピーチ姫を連想させる。
  • 災害キャラの変更
    • 公害を発生させまくると現れる「怪獣」だが、SFCではこれをマリオシリーズの悪役「クッパ」に変更された。クッパは時間が経たないと消えないためマリオに邪魔されず好き勝手破壊しまくれる悪の限りを尽くせる数少ない作品となった。

短所

  • 規模が大きくなるとSFCにも関わらず処理落ちし、セーブに長い時間がかかるようになる。また、データをロードした後は一時的に電力が供給されなくなっている*1ため、時間経過を停止させないと一時的にではあるが街が衰退する。
    • これらの欠点は次回作『シムシティ2000』(製作会社は異なるが)で更に悪化する。
  • 50万人都市を目指す場合は攻略本に沿ったセオリー通りの街作りが求められる。その結果、無個性な都市になりがちである。
    • 「最初から」モードでは1000ものマップが選べるが、いずれも「大きな川が流れている陸地」か「四方を水域で囲まれている島」で、シナリオモードのような個性は皆無。また、50万人都市を目指すとなると当然それだけの土地面積が必要となるため、マップもおのずと陸地が多めのもの(マップ61・マップ137・マップ728等)に限定される。
    • そもそもロード時間の関係で、全てのマップを確認するだけでも膨大な時間がかかってしまう。
  • シナリオモードは期限を迎えた場合その場で終了となり、クリアしても引き続きプレーすることはできない。
  • またシナリオモードではいかなる場合でもプレゼントはもらえない。
    • 最後の隠しシナリオは期限なし、水域もなしの完全フリーマップだが、プレゼントによる発展ができない為に結局は普通のマップより成長が困難である。
  • 鉄道が単なる道路の上位版であるなどまだリアリティが低い部分も多い。
    • そのため資金繰りが安定してくると、交通渋滞や公害問題に対する最終的な解決策は「道路の部分も全て鉄道で敷き直す」の一択になりやすくある。

余談

  • 本作は別会社がMSXで製作、発売する予定であったが、開発が難航したことで中止となった。
  • 発売から20年近く経ってからデバッグモードが発見されている。ここでは災害の発生を完全にオフにすることもできる。
  • Wiiのバーチャルコンソールでは配信されているが、WiiUでは未だに配信されていない。
    WiiU発売前に大地震・メルトダウン・洪水といった災害が現実の日本で起きてしまった為、これ以上の展開は難しいのかも知れない。