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The Last of Us - (2023/01/13 (金) 16:00:17) の編集履歴(バックアップ)



The Last of Us

【らすとおぶあす】

ジャンル サバイバルアクション
対応機種 プレイステーション3
発売元 Sony Computer Entertainment
開発元 Naughty Dog
発売日 2013年6月20日
定価 (ディスク) 5,695円+税
(ダウンロード) 4,900円+税
プレイ人数 1人(オンライン時2~8人)
通信機能 PlayStation Network対応
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
判定 良作
The Last of Usシリーズ
The Last of Us / The Last of Us Part II
SIEワールドワイド・スタジオ作品

概要

クラッシュ・バンディクー』シリーズや『アンチャーテッド』シリーズを手掛けたNaughty Dogの作品において、初めてCERO:Z(18歳以上のみ対象)のタイトル。
当初は詳細な内容は発表せず、登場するキャラクター達がどういった関係でどういった世界観なのかは曖昧のままで進められた。
なぜなら、このゲームが映画そのものであるかのような演出を前面に押し出しているという事もあり、ネタバレは極力抑えていたからだと思われる。

そして発売後は完全新規IPの作品でありながら700万以上の売上を挙げ、遂にはThe Elder Scrolls V: Skyrim』を越えて歴代ゲーム史上最多のGOTYを獲得する程までに高い評価を得た。


ストーリー

ある日、強力な細菌によって世界的な感染(パンデミック)が発生。
原因不明、出所不明の細菌によって人間は凶暴化。
世界は荒廃し、人類は絶滅の危機に瀕していた。
以降社会的にも腐敗した世界に生き残った人々は、今だ衰えない細菌への恐怖、貧困から来る絶望に襲われ、生きる目的すらも失いかけていた。


特徴

  • システム
    基本システムは一般的なTPSであり、同社のタイトルで言えば『アンチャーテッド』シリーズにかなり近い。
    Lボタンで構えてRボタンで銃撃、右スティックでカメラ操作、左スティックで移動、方向キーで武器変更と、ここらはアンチャと変わりない。
    ただしステルス要素/サバイバル要素の関係上、『アンチャーテッド』と比較して操作の快適性やプレイヤーの強さが意図的に抑えられている。
    例えば、ステルスキルや格闘キルにかなりの時間が掛かる他、回避行動(ローリング)のシステムが導入されていない。
    視界も同作と比べてかなり狭くされており、また「HPの自動回復」というTPSではごく一般的なシステムも搭載されていない。
    その反面、『アンチャーテッド』には存在しなかった「その場で180度ターン」や「ダッシュ」等のシステムが導入されている。
    これは敵を倒す事に重きを置いたアンチャと、隠れる・生き残る事に重きを置いた本作の差だと言えよう。
  • サバイバル要素
    本作の最大の特徴の1つ。本作は文明が崩壊しかけた世界観であるため、全編を通じて入手できる物資は極めて少ない。
    所持弾薬は10発に満たず、入手量も1度に数発ほど。格闘武器にも全て耐久力が設けられており、連続した使用はできない。
    • そのため、布・アルコール・刃物・テープ等の素材を利用し、ハンドメイドの武器アイテムを作って場を切り抜ける必要がある。
      例えば、布+アルコールでHPを回復する「治療キット」を作成でき、また同じ素材で多数の敵を焼き払う「火炎瓶」を作成できる。
      火薬+砂糖で敵の目を眩ませる「煙幕」となり、刃物+テープで敵の1撃キル&ドアの解錠に利用できる「使い捨てナイフ」となる。
    • また、より現実的なシチュエーションを強調するため、工作用インベントリメニューを開いている間もゲーム内の時間は進行している。
      限られた時間の中で、限られた物資を柔軟に使い分ける事が生き残る鍵なのである。
    • 特に上位の難易度では物資が極端に少なくなるため、いかに節約するかが重要となる。
  • ステルス要素
    本作のもう1つの最大の特徴。『アンチャーテッド』のステルスシステムをより発展させたもの。
    荒廃した世界観であるが故、敵は徒党を組んで行動している。こちらは常に少人数での行動なので、そのまま戦っては著しく不利となる。
    そのため、背後から静かに敵をキルする、見つからずに敵をやり過ごす等の隠密行動で、上手く状況を切り抜ける必要がある。
    • 勿論、このステルス要素自体にもリスクがある。死体を他の敵が発見すれば警戒されるし、ステルスキルの動作が長いので見つかる危険性もある。
      隠れて倒すか、そのまま撃ち合うか、隠れてやり過ごすか、状況に応じた行動の切り替えが大切なのである。

  • 本作を語る上で重要なのが「音」の要素。
    一般的なTPSには大抵存在する銃器の消音装置が無い。発砲すれば当然周りに銃声を聞かれ、多くの敵を引き付けてしまう結果にもなる。
    また、見つからない位置に隠れていたとしても、落ちているビン等を蹴って物音を立ててしまうと、同じく敵に気取られ警戒されてしまう。
    逆に、レンガや空き瓶を壁に投げ、わざと物音を鳴らして敵を誘導する事も可能。本作を攻略する上で欠かせない重要テクニックである。
  • 聞き耳システム
    先述の通り本作はかなり視界が限定されたものになっているが、それを補うものとして、周りの音を視覚化するシステムがある。
    聞き耳はボタンを押している間、一定周囲以内で発生した音を壁越しでもシルエットとして見えるようにさせるもので、敵の数や位置を事前に把握できる。
    • 当然ながら、音を殺して待ち伏せしている他生存者/感染者を感知することはできない。
    • また、上位の難易度ではこの聞き耳システムそのものが使用できない。
  • 丁寧に作られた人間ドラマ
    本作の最大の評価点とも言えるのが、キャラクターが繰り広げる葛藤と挫折。
    映画等では別段珍しくもない終末観を感じさせる設定だが、その設定であるが故のキャラクターそれぞれの考え方が丁寧かつ深く作りこまれている。
    比較的珍しくない設定や世界観でありながら、それを感じさせない描写・感情移入しやすい描写を随所に盛り込み、衝撃のラストへと続く。
    正に映画さながら、もしくは映画以上のクオリティと言っても過言ではないだろう。

マルチプレイ

  • 本編に登場したハンター・ファイアフライ陣営に分かれ、互いの陣営を維持する為の物資確保が目的。
    • ゲームモードは「資源争奪戦」と「生き残り戦」。後に「金庫強奪戦」が追加。
    • 陣営のメンバーが全滅するとゲームオーバーとなる。最終日まで生存できればその陣営ではクリア扱いになり、もう一つの陣営に変える事ができる。
      • 1日はオンラインで一回戦う事で経過する。最終日は12週の7日目なので、全部クリアするには1週=7日で最低でも84回戦う必要がある。
    • 物資確保の為に相手陣営と戦い相手メンバーを倒したり、「ミッション」と言うプレイ中に行う事の出来る課題をクリアしていったりする。
      敵を倒す毎に手に入る物資を使いストアでアイテムを購入し、武器を整える事が基本のスタイルとなる。
    • なお、マルチプレイでは感染者は出現せず、完全に人対人のプレイとなる。
  • カスタマイズ
    • 見た目は勿論、エンブレムや身につけてる装備、アクション動作等を設定出来る。他にも武器やアビリティを設定する事も出来るので、自分のスタイルに合わせてカスタマイズする事が重要になる。
  • 戦闘中のシステムの変更点
    • 他のTPSゲームと似たようなシステムの為、自陣営はマークが表示されるが相手陣営は表示されないので聞き耳がかなり重要になる。しかし聞き耳はシングルプレイ時と違い強化出来ない上、使用時間が限られており一定時間使用したら暫く使えなくなる。聞き耳をどの場面で使用するかも重要になって来る。

評価点

  • 美麗グラフィックと表現力
    • キャラクターの表情や自然の描写など、流石はNaughty Dogといったところか。
    • いわゆるキャラの(創られたうえでの)ブレが感じられない。本当にいち存在としてキャラクターが出来上がっており、故にプレイヤーが感情移入しやすい。
    • 登場するインフェクテッドもありきたりなデザインのものではなく、冬虫夏草をモデルにした個性的なデザインになっており、既視感を感じさせない。
    • 特に終盤「ソルトレイクシティ」で現れるとある動物が登場するシーンは正に素晴らしいの一言、感動すら覚えるだろう。
  • ストーリー
    • 本作の最大の評価点。主人公であるジョエルとエリー、サブキャラクターであるテス・ヘンリー・サム達一人一人に個性があり、非常に感情移入しやすくプレイヤーの心に訴えかけてくる。
    • ジョエルとエリーの二人は、最初は互いに嫌悪すら感じるほどの仲であるが、物語が進むに連れ、ともに相手を無意識の内に信頼し、大切に思うようになってゆく。その「過程」こそが非常に練り込まれており見どころなのである。
      • 終盤の舞台である「医療施設」は、クライマックスのシチュエーションを意図的に20年前と同じに作ってあり、改めてNaughty Dogの演出の上手さが窺える。
    • 中盤のヘンリーとサムの結末は衝撃の一言。雷に打たれたかのような感覚に陥る事だろう。
    • 世界観も見事であり、病原菌の蔓延から数年経ち、政府も機能しなくなり、各独立した自警団や自治体が統治する中で、物資や資源も枯渇*1して争いが絶えない。こうして徐々に滅亡していく人類を極めてリアルに描いている。
  • 品質
    • SCEファーストタイトルの定番である裏読みロードを採用。ゲーム開始時に1~2分ほどのローディングが入るが、以降ゲームクリアまで挟む事はない。
      • ムービーからプレイ画面への変化も、一秒ほどの暗転で切り替わるだけで冒頭以外ロードらしいロード時間がなく、クリアまで一気にプレイ可能。
    • アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』の時点で「MLAA」「安定したフレームレート」「ティアリングの無さ」「ジャギの無さ」という高い品質だったが、本作ではそれらに加え更に「ネイティブフルハイビジョン」を追加、極めて高品質なプレイ環境を提供してくれている。
      • ちなみに、『砂漠に眠るアトランティス』でNaughty Dogは「PS3の性能を使い切った」と発言していた。ユーザーからは「と言いながらどうせ次で超えてくるんだろ」と言われていたが、案の定であった*2
  • バトル
  • 緊迫感が凄まじいステルスアクション
    • 思わずプレイしている自分も小声になるぐらい、緊迫感を感じられる。
    • 聞き耳で位置を把握していたとしても、敵が複数人となれば、一人を処理しても他が攻撃してくる。如何に1人ずつ気付かれないように倒すかの思考が問われる。
      • 最高難易度であるサバイバルだと聞き耳システムが使えなくなる他、落ちている物資も極端に減ってしまう。正に一歩一歩が生死を分ける。
    • 子供が父親の背中を見て育つように、エリーもジョエルの行動を元に成長していく。積極的に敵を倒してゲームを進めるとエリーもそのような行動を取るようになり、逆に隠れて進む・隠れて敵を倒すようなやり方でゲームを進めると、彼女もステルスに重きを置くようになっていく。
    • 他の生存者はこちらと同じようにグループを形成し、物資を求めて日々を生きている。当然こちらと出会えば敵対し、自分のテリトリーや物資を守り、あるいは奪うために襲い掛かってくる。適度にアフォな調整をされていた『アンチャーテッド』と違い、本作の敵はリボルバーの空撃ち音を聞きつけたり、体力が減ると命乞いをする等、かなり人間臭く作られている。
    • 上記の「ジョエルの行動の学習」は、エリーだけでなく敵についても同様である。プレイヤーの戦闘の切り抜け方に応じて敵の構成やポジションも変化するため、例え周回プレイでも気が抜けない。
  • 銃アクションとしてもかなりクオリティが高い
    • 四方八方から来る敵に対して、ビル、店、家屋を利用して対応する自由度の高い戦略を取ることができる。
    • 一般的なゲームでは回復がポーズになることが多いが、本作はならず回復も敵のいない場所でやるというオリジナリティあるデザインとなっている。これによりプレイヤーの没入感が向上して、退廃的な世界観とマッチしていると評価される。
  • サバイバル要素
    • 資源を集めるサバイバル要素も本作の魅力。銃弾、素材、回復など様々な物を過去の建物から収集し、敵への対処に備えるのだが、安直に備品を使いすぎたり、捜索を疎かにすると後々困るなどゲームデザインと世界観が見事にマッチしている。 退廃的な世界を探索する というゲームデザインだけで評価できる面白さがある。
    • 中にはチラシ、メモ、漫画など戦略と直接関係のないものもあり、収集のサブ要素としてゲームを楽しませてくれる。

賛否両論点

  • プレイヤー以外の同行キャラクターにライフは無く、基本的に無敵*3
    • 難易度調整とも捉えられるが、武装した仲間と一緒に居る場面では、発見されても逃げ回って味方に敵を倒してもらう事も可能*4
    • また、プレイヤーが発見されて攻撃モードに移行するまで敵は同行キャラクターに一切反応しない。発生頻度は少ないが、ステルス中は同行キャラクターが敵の眼前を徘徊しようが敵は一切反応しないため、緊張感に欠けたり違和感が生じる事がある。
      • 同行キャラクターに対し指示を出すことは出来ず、AIによる完全オートとなっている。なのに同行キャラクターも敵に発見されてしまうようでは理不尽な仕様となってしまう。実際にそのような仕様で不評を買った他社作品もあるため、ゲームとしては正しいのだが。
  • ステルスキルで倒した敵を発見されると他の敵が警戒するようになるが、それを回避する手段が殆ど無い。
    • 別にこちらの位置がばれたり、増援を呼ばれる訳ではないが、ステルスアクションとしては死体を目に付かない所に運ぶくらいはしたかったところ。
    • しかし、敵の殺害前におびき寄せたり、拘束中に移動できたりできるので、予め戦略を練る楽しさが存在する。
  • 戦闘の難易度が高い。
    • うっかりステルスに失敗し、敵に囲まれてしまうと、非常に厳しい戦いを強いられる。
    • ステルスの緊張感と表裏一体であり、そういうゲームデザインといえばそれまでだが、シューターの苦手なプレイヤーにとっては進めるのが難しい。
    • 一部の敵の即死攻撃など、あからさまな初見殺しも多い。
  • 非戦闘時の移動が遅い。
    • 戦闘時はダッシュが可能だが、非戦闘時は小走り程度の移動速度になる。雰囲気を重視してのことだろうが、物資や貴重アイテムの回収には時間がかかってしまう。
  • エンディング
    • エンディングは決してハッピーエンドではないが、それ故にプレイヤーが深く考察でき、考えさせられるものになって読後感が良いと言われる。
    • 一方で人によっては何も解決していない打ち切りエンドと評させることもある。

問題点

  • 本作の基本は「敵を倒すかやり過ごすかして先へ進む」であるため、プレイ内容自体のメリハリはあまりなく、ゲームとしてはやや淡白な印象を受ける。
    • 派手な演出やドンパチの『アンチャーテッド』シリーズとは真逆の方向性であるため、あくまでコンセプトとも言える。
  • 魅力的な世界観の反面、行動やシチュエーションに疑問の残るポイントがある。
    • 「他生存者と感染者との三つ巴の乱戦」という、あって然るべきであろうシチュエーションがない。
      • 感染者はプレイヤー(側の人間)にとっても他生存者にとっても脅威の存在であるため、これがない事が実に惜しまれる。なお、DLCの追加ストーリーではこのシチュエーションがいくつか存在しており、不満に答えた形となっている。
      • 本編でもイベント上のものであるが他生存者が感染者と争っているシーンや、感染者の存在を危惧するセリフ等は存在するため、戦闘に直接絡まないだけで完全に表現されていない訳ではない。
  • 仕切り直しが困難。
    • 生存者は一度ダッシュで視界を切って隠れれば仕切り直しも可能だが、感染者は一度プレイヤーを発見すれば高速で追い縋る。隠れる場所が無いエリアでは振り切れないので、武力行使で撃退する必要がある。ただし、スタートボタンからのリスタートがいつでも可能なので、ゲームをプレイする上で困る事はない。
    • 仮に見つかって弾や体力を無駄にしたからといっても、配置アイテム等は状況に応じて増減するので、ある程度のバランスは一貫して保たれている。その為、「仕切り直し」自体の存在意義は薄い。貴重アイテムの取り忘れ程度か。
  • コレクトアイテムの収集に手間が掛かる。
    • 本作はチャプター等の選択が出来ない。ファイアフライのタグや各種メモなどのコレクトアイテムを取り損ねた場合、コンプリートには初めからプレイして、一度の周回で集めなければいけない。ストーリー中に一度進むと引き返せないポイントが多いため、うっかり忘れた時のリカバリーも効きづらい。
    • 木に引っかかっている物など攻略情報無しでは見つける事が困難なものもあり、位置やシーンを確認しながら淡々と取得していく作業になりがち。コレクトアイテムとは得てしてそういう物ではあるが、後戻りがほぼ効かない本作ではより顕著に現れてしまう。
    • 一度クリアした難易度は強化段階を保持したまま、いわゆる強くてニューゲームでプレイ出来るため、周回は多少楽ではある。が、ストーリーにも重きが置かれている本作の長所が裏目に出て、どうしても時間が掛かってしまう。
  • 多少のバグ
    • ゲーム進行に影響する重大なバグではないが、表示上のバグ*5が多く報告されている。
    • 再現性もバラバラで、バグが出た人もいれば今日までバグが出たことないという人もいる。パッチでかなり改善された。
  • 規制
    • 日本版では死体破損などの一部規制があり、ストーリーに一部理解しにくい場面がある。

総評

昨今のビジュアル重視という悪いほうにも傾いてしまうことがある要素をトコトン追求して、ゲームらしからぬ高いクオリティの脚本を完成させた本作。
プレイ部分もぬかりなく、非常にわかりやすい緊迫感を与えるようになっており、ライトゲーマーでも耐えられる作りになっている。
一筋縄ではいかないキャラクター達の思いは、プレイしている人に訴えかけるかの如く重く圧し掛かり、ラストへと進める様はまさしく映画であり、「映画的なゲーム」で成功した数少ない作品のひとつと言ってもいい。
ただし、良くも悪くもストーリーありきのゲームとなっている部分もあり、若干人を選ぶかもしれない。


余談

  • 本作ではイースターエッグ、所謂「制作スタッフが仕込むちょっとした小ネタ」が多く、探してみるのも面白い。
    • ジョエルのシャツのボタンに「Naughty Dog」の刻印がある、アメリカにおけるポピュラーなボードゲームのパロディ「ストライフ」や、同社の作品である『ジャック×ダクスター』『砂漠に眠るアトランティス』のホビー用品、制作スタッフの名前や顔写真、本作屈指の見どころであるとある動物がゲーム開始から最後まで仕込まれている等、恐ろしく大量のイースターエッグが至る所にちりばめられている。
      • ゲーム内で多数入手できる「生存者の遺品」や、レコードのジャケット等にも細かい元ネタがあり、制作スタッフの遊び心が窺える。
      • しかし、ここまで豊富のイースターエッグを仕込んでおきながら、同社の代表作の1つであるクラッシュ・バンディクー』のイースターエッグが一切存在しないあたりに、SCE(現SIE)やNaughty Dog内におけるクラッシュシリーズの複雑な立ち位置が見て取れる。
    • ちなみに他社作品が元ネタのイースターエッグもあり、その一つが海外版トロフィーの1つ「Master of Unlocking」である。
      • これは初代『BIOHAZARD?』で、バリーがジルにキーピックを渡した際の台詞が元ネタになっている。何故こんな何でもないようなシーンを元ネタにしようと思った…気付く方も気付く方だが。
      • なお、国内版では無難に「鍵職人」と訳されており、気付く人はまずいない。
  • エリーのキャラクターデザインは、俳優のエレン・ペイジ氏(現在はエリオット・ペイジ氏)をモデルにしている事を製作者が認めている。しかし許可を取っていなかった為、本人はネット上での質疑応答で苦言を呈している。
    • この影響により、続編の『Part II』ではエリーのフェイスモデルが変更されている。なお、上記の発言は氏が『BEYOND: Two Souls』に出演経験があることを踏まえての発言である。
  • 人気漫画『FAIRY TAIL』の作者であり生粋のゲーマーとしても知られる漫画家の真島ヒロ氏だが、本作発売前のインタビューにて真島氏によって描かれたジョエルとエリーのイラストが公式で公開されていた。それがこちら。

その後の展開

  • 2020年6月19日にPS4で続編『The Last of Us Part II』が発売された。本作の5年後を舞台に、19歳になったエリーの「復讐の旅」を描く。
    • しかし、この『Part II』がゲーム史に残るであろう論争を巻き起こすこととなる…。
  • 本作のリメイク版である『The Last of Us Part I』が、2022年9月2日にPS5、2023年3月28日にWin(Steam/Epic Games Store)で発売された。
    • なお、発売前日には国内のゲームニュースサイト『電ファミニコゲーマー』において、開発スタッフに公式インタビューが行われた。

The Last of Us Remastered

ジャンル サバイバルアクション
対応機種 プレイステーション4
発売元 Sony Computer Entertainment
開発元 Naughty Dog
発売日 (通常版)2014年8月21日
(廉価版)2018年7月26日
定価 (ディスク) 5,900円+税
(ダウンロード) 4,900円+税
廉価版 1,990円+税
プレイ人数 1人(オンライン時2~8人)
通信機能 PlayStation Network対応
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
判定 良作
SIEワールドワイド・スタジオ作品

概要・特徴

2014年夏にPS4タイトルとして発売された完全版。主要DLCが予め収録されている他、1080p/60fpsに対応しており、快適性が劇的に向上している。
キャラモデリングやテクスチャもほぼ作り直されており、ただでさえ綺麗だったグラフィックがより一層向上、PS4作品としても見劣りしないものとなった。
その他、ディレクターと英語版主演キャストによるコメンタリーの収録と、臨場感溢れる写真を取れるフォトモード機能を搭載している。
PS3版の完全上位互換である他、後にハイダイナミックレンジにも対応したので、PS4を所持している場合はこちらを選択するとよい。
余談だが、本作はPS3のSPUに完全完璧に特化して作っていた為、PS4への移植作業は言葉では表現し尽くせないほどの地獄であったという。