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ゼルダの伝説 スカイウォードソード - (2014/08/21 (木) 18:20:08) の編集履歴(バックアップ)


ゼルダの伝説 スカイウォードソード

【ぜるだのでんせつ すかいうぉーどそーど】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 Wii
発売・開発元 任天堂
発売日 通常版/ゼルダ25周年パック:2011年11月23日
Wiiリモコンプラスセット:2012年1月31日
定価 通常版:6,800円
ゼルダ25周年パック:8,800円
Wiiリモコンプラスセット:8,800円
周辺機器 要Wiiリモコンプラス(orWiiモーションプラス)
プレイ人数 1人
分類 良作
ゼルダの伝説シリーズ関連リンク


概要

ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』に続く、Wii版ゼルダの2作目。
ただし、トワイライトプリンセスが元々ゲームキューブ向けに開発されていたのに対して、本作は当初からWii向けに開発されている。
開発期間は実に5年にも及び、キャッチコピーに『濃密ゼルダ』とあるように、ゲームのボリュームだけでなく遊びそのものの密度に重点が置かれている。そして長い時を経てついに日の目を見ることとなった本作は、ファンの期待を裏切らない良作として発売された。

特徴

システム

  • 過去のゼルダのシステム等を引き継いでいる面が随所で見られながらも、アイテムの強化やダッシュなどのアクションの追加など、非常に快適なプレイを可能にしたシステムが追加された。
  • ポーチアイテム
    • 本作は「ポーチ」というアイテム欄に、ビンや盾、各所持数を追加するバクダン袋や矢筒などのアイテム、持っているだけで効果の発揮するメダルを入れる事になる。
    • 初期は4つまで入れる事が可能。最終的には8つになるが、当然ポーチが増えても全てのアイテムを持ち運べるわけではない。相棒のファイからポーチアイテムが現在の状況にあっているかアドバイスをもらうこともできるので、何を持っていくか迷った時はこのアドバイスを参考にしよう。
    • バクダン等の消耗品の所持数を増やすか、予備の盾を持っていくか、メダルで強化するか、ビンを持って薬を多めに持っていくか等、プレイヤーに合わせたスタイルを選択することも可能。
  • ダンジョンの謎解きに使う弓矢やクローショットなどのアイテムと、薬など冒険の補助に使われるアイテムが分けられたことにより、アイテムを探す手間などがなくなった。
    • メダルはハートが出やすくなったり、虫の居場所がマップに表示されるようになったりなど、便利な効果を持っている。
  • 新アイテム"ビートル"
    • 遠隔操作をすることが出来、直接行けない場所の偵察が可能になった。飛行距離もかなり長く、非常に離れた場所のアイテムを手に入れたり、スイッチを押すこともでき、何をすればいいのか分からなくなったときに隅々まで探索することが出来るようになった。強化すれば飛行距離、移動速度が上昇し、さらに快適な探索が可能になる。
  • ダウジング
    • 相棒ファイの能力で、対象がどこにあるのか、大まかな距離と方向を知ることが出来る。これにより、ゼルダの居場所や、冒険を進めるためのキーアイテムやハートなどのアイテムを探すことが出来るようになる。

Wiiリモコンのフル活用

  • Wiiモーションプラスを用いた直感的な操作に特化しているのが特徴。剣による攻撃は、振った方向により縦・横・斜め・突きを自由に繰り出すことができる。
    さらにリモコンを縦にしたままにして剣を掲げ、しばらくするとスカイウォードが使用できる。
    • このスカイウォードは旧ゼルダにおけるソードビームのようなもので、攻撃は勿論謎解きにも使用する。これを使いこなすか否かで本作の難易度は大きく変わる(後述)。
    • 本作は防御する敵が多いが、例えば敵が上を防御していれば下から振り上げるなど、防御のスキを狙うような形でリモコンを振り分ける必要もある。逆に言うなら、今までのように適当に剣を振っているだけでは敵を倒すこともままならない。これによって敵の動きを見極める重要さが増しており、より臨場感のある戦闘を楽しめる。はじめのうちは思うように敵を斬ることが出来ず、歯がゆい思いをするかもしれないが、だんだん慣れてくると自分自身がまるでリンクになったかのように、自由自在に剣を振ることが出来るようになり、自分の腕の上達を感じることが出来る。
  • また弓矢やパチンコで狙いをつけるにもWiiリモコンを使用する他、マップの各所にある綱を渡る際のバランス取りや水中を泳ぐ際の方向変換など、様々な部分でWiiリモコンを使う。むしろWiiリモコンを使わない操作の方が少ない。
    • 特にヌンチャクにより「引き絞る動作」を疑似的にできるようになった弓矢の評価は高い(しかも従来と同じボタンでの引き絞りもでき、ヌンチャクを使えば瞬時に構えが完了するという凝った設計)。
  • ちなみに剣をWiiリモコンで振る仕様のため、本作のリンクは最初から右利きになっている。
  • 精密な動作が要求されるためか、Wiiモーションプラスの着用、またはWiiリモコンプラスが必須となっている。
    • このおかげで全体的なレスポンスは非常に良好で、落ち着いて操作すれば前作のように誤入力が起こることは極めて少ない。また、使用中にWiiリモコンの動きにズレが生じてきた場合は十時キーの下でいつでも補正できる。
  • ちなみにWiiモーションプラスの補正を除いて、ゲーム中にセンサーバーが使われる機会も一切ない。

テンポのよさ

  • アイテム選択時にはゲームがポーズされず動作したまま選択する事になる。Bボタンを押しっぱなしにするとアイテム画面が表示され、Bボタンを離した時にWiiリモコンを傾けている方向に応じてアイテムを切り替える仕組みとなっている。
    • アイテム画面がどの配置になっているのかを覚えておけば、あらかじめWiiリモコンを傾けておき、素早くアイテムを切り替える事も可能。慣れれば慣れるほどスムーズに操作が出来るようになり、剣の操作同様に自分の腕の上達を実感できる。
    • ゲーム進行中にアイテムを選択する事になるので、選んでいる間に攻撃を受ける場合もある。前作までは薬を飲む際にはゲームが停止していたが、今作では薬を飲む際にもゲームが停止せず移動しながら飲むことができる。ピンチで薬を飲みたい時も、そのため敵から逃げて安全な場所に逃げてから飲むなど、素早い判断力が要求され緊張感も増している。
  • 2ボタンを押す事によって、いつでも操作のヘルプが呼び出せる。
    • ヘルプもゲームが停止せず表示され、リンクのそのときの状況(何も持っていないとき、剣や各種アイテムを出しているとき、泳いでいるときなど)に応じて随時内容が変化し、操作のヒントを教えてくれる。

有機的に関連した収集要素

  • 今までのゼルダでは、お宝を集めてもルピーをもらうこと以外にあまり使い道がなく、虫にしてもただ集めるだけといった向きが強かった。
    • だが、今作ではお宝はアイテムの強化に、虫は薬の強化に使うため、それぞれ集めることで非常に冒険に役立つようになった。
    • また、ルピーに交換しても、アイテムの強化、ポーチアイテムの購入に莫大な額のルピーが必要になるため、収集要素が無駄になることなく、冒険につながるようになった。

濃密なゲームボリューム

  • キャッチコピーにもあるように、本作は非常に濃密。公式曰くプレイ時間は70~100時間にも及ぶ。さらに虫やお宝の収集、各地におかれた女神キューブや感謝のかけら集め、ミニゲームなどのやり込み・寄り道要素も満載。
    • 女神キューブとは大地の各地に置かれたキューブで、これにスカイウォードをあてると対応した空にある宝箱が開くようになる。宝箱の中には冒険に役立つ便利なアイテムや多額のルピーが入っている。
    • 感謝のかけらは、人に感謝されたときに出るもので、集めると同様に役立つアイテムがもらえる。
    • どちらも集めるのは大変だが、ゲームが進むとダウジングによってどこにあるか知ることが出来、収集の手助けになる
  • ミニゲームはシリーズ恒例の弓矢を用いた射的の他にも、ルピーの掘り当てやトロッコレース等バラエティに富んでいる。

伝説の始まり

  • 今作の世界にはまだ「ハイラル」という言葉すら存在しない。マスターソードの誕生までのエピソード等が描かれ、テレビCMでは「ゼルダの伝説、はじまりの物語」とされているように、現時点で今作がシリーズ通して時系列的に最初の物語となる。
    • シナリオは従来のゼルダシリーズを踏襲した極めて王道的な作風で、期待を裏切らない出来である。
      • 伏線の張り方等も絶妙で、何度もよく目にしていたアレが実は…という仕掛けも多い。
    • 『時のオカリナ』や『風のタクト』等の歴代ゼルダを知っていると感慨深い要素も仕込まれている。

魅力的なキャラクター

  • 今作のゼルダは姫ではなく、リンクと幼馴染で同級生というかなり近しい関係であり、ゼルダ個人に関する描写も多いため、「助けたい」という気持ちをより強くさせる。
  • 敵のボスであり作中幾度と無く戦うことになるギラヒムも、その独特の台詞回しや行動・動作がかなり印象的。ファンは彼を本当に「ギラヒム様」と呼んで親しんでいる。
    PV映像や作中の台詞から、「こいつはガチだ!!」と思った人もいたとか。
  • 本作のパートナーキャラのポジションである、剣の精霊ファイ。人造生命体らしく機械的な思考・台詞が特徴だが、駄洒落を交えた解説をしたりリンクの行いに注意や苦言を行ったりするなど、印象的な部分も多い。
    • そして彼女は出会う人物・敵全てに解説を行ってくれる。中には思わず笑ってしまうものも。
  • 他にもドラえもんで言うジャイアンにあたるポジションキャラのバドを始め、どのキャラクターもそれぞれの魅力にあふれている。ゲームやイベントを進めるに連れて彼らの意外な一面も見られたりすることも。特にバドは初登場シーンからは考えられないほど非常にカッコよくなる。
  • また風のタクト以降ちょくちょく出演している「テリー」や、ムジュラ以降シリーズの定番ネタとなりつつある「手」などファンをニヤリとさせるキャラも登場する。

高難易度

  • これまでのゼルダシリーズはどちらかというと低難易度化の傾向にあったが、本作はそれらに喝を入れるかのように高い難易度になっている。そのため旧作と同じ感覚でプレイすると痛い目に遭う。
  • ただの雑魚敵も適当に剣を振れば倒せるような相手ではなく、生意気にもこちらの攻撃を防御してきたり、特定の切り方でないとダメージを与えられない敵ばかり。さらに攻撃するタイミングを間違えると逆にこちらがダメージを受けてしまう。剣の振り方やアイテムの使い分け、時には無視するなどの戦略も必要。
    • 例として挙がるのがスタルチュラ。「時オカ」から出ている巨大なクモで、腹部が弱点……なのだが、倒すにはまずひっくり返すか剣撃で向きを変えてから腹部を斬らなければ倒せない。地上にいる時はともかく、宙にぶら下がっている場合は攻撃するなどして向きを変えなければならない。初プレイ時は高確率でこいつを相手に突っかかる。
    • それでも、相手の動きを見極め、相手の隙に乗じて攻撃すれば気持ちよく斬ることが出来る。前述の通り慣れてくると自由自在に斬ることが出来るようになるので、苦戦させられた敵を思うがままになぶることが出来るようになる。回転斬りなどがヒットするとかなり吹っ飛んだりするので、爽快感もある。
    • さらに……
+ 序盤のネタバレ含む
  • なんと最初のダンジョンのボスがいきなり前述のギラヒムである。最初だから手加減を…等ということは無く(それでもかなり弱化はされているが)割と本気でプレイヤーを潰しに来る。ここまでで操作方やテクニックをしっかり身につけていないと何度も地に伏すリンクを見る羽目になる。
  • 「がんばりゲージ」の導入。これは所謂スタミナゲージで、ダッシュしたり重いものを持ち上げたり、ツタなどにしがみついていると消費する。なくなるとリンクはヘロヘロになってしまい、動きが鈍くなり一部の動作も行えなくなってしまう。これによりツタや崖の移動時に常に落下の危険性が伴う等の緊迫感が加わった。
    • ダッシュが可能になり、遠いところへも短時間でたどり着けるようになり非常に快適なプレイが可能になった。また、壁にダッシュすると、壁をけってよじ登るという”かけあがり”というアクションが追加された。これにより、今までブロックがなければ上ることが出来なかった壁にも登れるようになり、よりリンクの挙動がリアルになった。普段の移動の他にも、大きな盾を構える敵に向かってダッシュし、その盾を駆け上がって後ろに回り、隙だらけの背面を斬りつけるなど、戦闘にも重要。
    • ダッシュが出来るようになったので、敵と戦ってピンチになったら全力で逃げ出すなど、幅広い戦略をとれるようになった。
    • ツタの移動時にも、リモコンを振れば飛び移ることが出来るようになり、移動が非常に快適に。ゲージは減るものの、がんばりの実というアイテムをとれば瞬時に回復する。ゲージが減り続ける場面ではちゃんと設置されているので、よっぽど無理をしなければ落下するようなことはない。
      • がんばりゲージの減少を遅くする薬もあり、この薬を強化すればがんばりゲージが一切減らなくなり、ダッシュし続けることもできる。
  • これまで盾は無敵の存在で、防御すればほとんどの攻撃を防ぐことができたが、本作では盾までもが消耗品扱いになっている。耐久度が設定されており、ダメージを受けすぎると壊れる。
    • この仕様のために今までありがちだった「盾で防御しつつゆっくり攻撃のチャンスを伺う」といったことができなくなっている。
      • また、今作では金属製の盾にも弱点が設定された。*1
    • 壊れた場合は当然新しいのを買い直さなければならないし、何よりこれから向かう先の地形特性に合わせて持ち替える必要もある。一応ゲージが減らない無敵の盾も存在しているが、入手条件はかなりシビア。
    • 盾は強化して壊れにくくしたり、壊れる前ならジャンク屋や薬で盾を修理することもできる。また、敵の攻撃を受ける際にヌンチャクをタイミングよく振る「盾アタック」が決まれば盾の耐久ゲージは減らず、さらに敵を怯ませる事もできる。
    • 盾アタックはほとんどの敵に有効なため、積極的に狙うようにしよう。
  • アイテム選択画面を開いても時間が止まらない。装備変更や回復アイテムを選ぶ間も常に状況は変わる為、悠長に選択画面を見ている暇はない。
    • また、薬を飲む際も一時停止しないので隙ができる。その代わり飲みながら歩けるようになったが。
  • 試練として、「サイレン」が登場。ここは「リンクの心の試練」という設定で、「しずく」というアイテムを15個入手するのが目的。
    • ここには剣はおろか一切のアイテムを持ち込むことができず、さらに雑魚敵は倒せない上に攻撃を喰らうとまた最初から集め直し。しずくを1個入手する度に敵の動きは止まるが、その時間も限られている。その間見つからないように進まなければならない。全てのしずくを入手して指定の場所まで戻ればクリアとなる。
    • ただ目の前のしずくを闇雲に取るのではなく、取りやすいものは後回しにするなどの戦略も必要。「急がば回れ」「短気は損気」ではあるが、時には敵に見つかるのを覚悟して、次のしずくまでノンストップで走るという一見無茶な選択も必要とされる場合もある。
  • 本編を一度クリアすると出現する「辛口モード」。雑魚を倒してもハートが出てこずハート花も存在しない、受けるダメージが2倍になっているなど、文字通りの高難易度になっている。敵の攻撃をしっかり見切る戦略、スカイウォードを用いて遠距離からダメージを受けずに倒すというテクニックが重要になってくる。
    • 一応あるアイテムを持っているとハートが出てくるようになるが、このモードではハートが出てこようがこまいが凶悪であることには変わりはない。回復アイテムはあくまでも気休め程度に考え、そもそも敵の攻撃を受けないことを前提としたプレイが必須となる。辛口の名は伊達ではない。

グラフィック

  • 今作のグラフィックは淡い色合いの水彩画風でキャラクターはリアルとアニメを足して割ったようなハーフトゥーンという技法が使われている
    • これは「開発初期はキャラクターも水彩画風にしていたがこれでは背景に埋もれて見えづらくなってしまったため」と公式ホームページの社長が訊くで説明している

問題点

  • 致命的な進行不能バグ
    後半、ある特定の順序で進めてしまうと後のイベントが発生しなくなり、そのまま進行不能となる。
    • これに対して任天堂は謝罪と本作のデータを入れたSDカードを送ることで修正をするという対処がされた。
      修復プログラムもWiiチャンネルとして配信。ネットに接続している人は、自宅での修復も可能である。
    • 回避不能というわけでは無いが発生条件がやや気づきにくいため、犠牲者となったプレイヤーも多い。
  • リモコン操作に頼りきりなせいで生じた、一部の操作性の劣悪さ。
    • 今作は前作に比べてかなりリモコン操作が練られており、特に地上では道具の使い勝手も含めて極めて快適(おそらくWiiのアクションアドベンチャー随一)なのだが、ごく一部の操作性がピンポイントで大きく悪いのが玉にキズであり、しかもそれがWiiリモコンの性能のせいではなくわざわざ特定場面だけ別操作にしために起こったせいという部分が大きいのが非常に惜しい。
    • 早い話が、水中の操作性がすこぶる悪い。今作では水中に入るといきなり「進行を司る操作がスティックからリモコンの傾きに変わる」(要するにロフトバードの扱いと水中の操作は同質)…のだが、お分かりの通りこのゲームはリモコンの傾きを普段地上では剣や道具の操作に使っている。つまり高台からジャンプして水中に落ちたりなどすると、エイミング(標準)操作がいきなりリンク自体の操作に切り替えられてしまうのである。これは明らかにゲームテンポを阻害している。
      • ロフトバードが似た操作なので深く考えないで導入したと思われるが、ロフトバードは自分から空へ飛び立って任意的に起こす動作であり演出も長めで心の準備ができる「ミニゲーム的要素」であるのに対し、水中へドボンするのはプレイヤーが「やりたくてやっているわけではない」事が多い。たとえばダンジョンの探索などで不意に水中に落ち、いきなり操作体系が変わるのは煩わしいことこの上ない。なんでこんな仕様にしてわざわざフィールドの快適さを削いだのか甚だ疑問である。
      • 今作で最も評価が低い場面が、水没したフィールドの探索パートと言われているあたり、問題点は浮彫り。
    • 水中ほどではないが剣の突き動作もやや出しにくい(ただこちらはいきなり操作体系が変わると言ったものではないので大きな問題はなく、そもそも突きが出しにくいという意見にも異論が結構ある)。
  • グラフィック・アートデザインが中途半端であり、志向がいまいち見えてこない。
    • 今作のグラフィックデザインは基本的には『時のオカリナ』から始まった「リアルゼルダ」を踏襲しており『トワプリ』と同じ等身でキャラクターが描かれている。・・・・のだが、テクスチャーなどが『風のタクト』にやや寄ったようなアニメ調の雰囲気も持っており、早い話トワプリと風タクの折衷のような感触になっている。温かみがあるなど評価する意見もあればどっちつかずでパッとしないなどの反対意見もある。
  • ダンジョンや地域が少ない。基本的には同じ地域を何度もプレイすることになる。
    • これは社長が訊くでも触れている。その分密度重視でボリュームそのものはあるのだが、同じ所を行き来することになるのでプレイしている内に飽きがくる。
    • しかしながら、地形は非常に複雑で、とても作りこまれているため、ちょっとやそっとでは探索しきれるものではなく、迷ってしまうこともしばしば。何度も訪れる間にも新しい場所など、新しい発見もあり、通いつめてその地形を覚えるほどスムーズに冒険を進めることが出来る。地形は冒険を進めて再び訪れた時には火山の噴火などによって大きく変化することもあり、非常にバラエティに富んでいて、丁寧な作りこみを感じることが出来る。
    • ダンジョンの数にしても、4つしかなかったムジュラの仮面よりは多いし、丁寧に作りこまれていて、ボリュームの少なさを感じることはない。
  • お宝と虫を入手した時の演出がゲームを起動するたびに入ってしまうので煩わしい。
    • ついでに言うならその時敵などに注目していた場合は注目が解除されてしまう。そのため場合によっては敵に背を向けてしまう結果となり、いらぬダメージを受けるハメになることも。
  • 内容とは直接関係ないが、Wiiリモコンプラス、或いはWiiモーションプラスが必須の内容である事を積極的に宣伝・アピールしなかった事、Wiiリモコンプラス同梱セットを限定販売とした姿勢。
    • メモリー拡張パック専用だった『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』と同様、別売の周辺機器必須の作りでありながら、何故かその事に関する宣伝とアピールが積極的に行われなかった。この為、通常版を買ったがリモコンプラス、或いはモーションプラスが無くて遊べないと悲鳴を挙げるユーザーが一部で発生した。パッケージ表面に必須である注意書きが記されていない事も拍車をかけた。*2
    • リモコンプラス同梱セットを限定販売した姿勢にも一部で疑問の声が上がった。その後、2012年1月31日からWiiリモコンプラス(シロ)を同梱した新セットの販売を開始している。
      • 但し、限定販売の同梱セットのwiiリモコンプラスはゼルダバージョンの限定カラーであったことを追記しておく。
  • これも本来ゲームの評価として与えるべきものでは無いが、公式サイトに発売前から過剰なネタバレ要素が含まれていた点。
    + 若干ネタバレ要素あり
    • 公式サイトでは発売前よりワールドマップ全体とほぼ全てのエリア・ダンジョン名及び映像が公開されていた。ダンジョンについては、5つめと7つめを除いた全てのダンジョンが公開されていた。(現在も当時のまま公開されている)
      • ゼルダの醍醐味は「冒険」である。特にエリアが比較的少なくワールド全体が狭いこのゲームにおいて、それら及びその終着点であるダンジョンや景観をほぼ全て事前に明かしてしまうのは、確実にプレイヤーの期待や楽しみを損ねることとなる。
      • その上で問題となるのが公開されていなかった終盤部分。このゲームの内容を3部に分けるならば、序盤・中盤についての行動範囲とダンジョン名については(公式サイト上では)5つめを除き全て公開されてしまっている。つまり事前に公式情報に目を通していたプレイヤーはここからがいよいよ未知の領域となるわけだが、これが(風のタクトのそれ程ではないものの)非常に異質で作業的なものとなっており、ダンジョンもラストダンジョンを除き登場しないため、従来のゼルダらしい冒険に相当する部分はほぼ全て公式情報のネタバレ範囲内ということになる。これにより事前に公式情報に目を通すか通さないかではプレイ後の印象が大幅に変わり得る。
    • 「社長が訊く」では『"濃密"な作り込みゆえ"濃密"な情報が印象を損ねることはないので安心して欲しい』と随所で強調されているが、本当にその通りであろうか?

総評

5年の歳月をかけて作られた期待の新ゼルダ。その出来はファンの期待を裏切らない素晴らしいものとなっている。
今までの低難易度志向によりゼルダから離れていたプレイヤーも振り向かせることに成功したと言えるだろう。

『ファミ通』のクロスレビューでは史上16作品目となる40点満点を獲得しており、ゼルダシリーズでは3回目となる。