「ペルソナ2 罰」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ペルソナ2 罰 - (2014/06/19 (木) 13:14:43) の編集履歴(バックアップ)


ペルソナ2 罰

【ぺるそなつー ばつ】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション
発売元 アトラス
開発元 アトラス第一開発部
発売日 2000年6月29日
定価 通常版:6,800円(税別)
DXパック:9,800円(税別)
廉価版 アトラスベストコレクション:2001年11月22日/2,940円
分類 良作
女神転生シリーズリンク

ストーリー

主人公「天野舞耶」は、ティーン向け情報誌の編集部に勤める編集者である。
幼い頃から憧れた職業に就き、上司と反目したりしながらも、それなりに充実した日々を送っていた彼女の日常は、
一人の少年との出会いにより崩れだす。
少年の名は周防達哉。
舞耶は、名前すら知らないはずのその少年に、なぜか以前から知っていたかのようなデジャ・ヴュを憶え、 胸を騒がせる。そんなある日、彼女は、近頃街を震撼させる連続猟奇殺人にまつわる「JOKER呪い(まじない)」の噂を取材するよう命じられ、七姉妹学園(ななしまいがくえん)を訪れる。
そこで待ち受けていたのは、JOKERを名乗る噂の殺人鬼の襲撃と彼女を救った「デジャ・ヴュの少年」との再開、そして、ペルソナと呼ばれる別人格の発動だった。
「<向こう側>を思い出せ」
・・・謎の言葉を残し消え去るJOKERと「全てを忘れろ」と言い残して立ち去ったデジャ・ヴュの少年の影を追い、運命の車輪は再び音をたてて回り始める。

全てを知っている・・・・・・

いや、何も知らない・・・・・・?

錯綜する記憶の糸を辿る先に待つものは、
大いなる罰か?それとも・・・・・・
(説明書より)

概要

  • アトラスの人気RPGシリーズの第2弾の続編で、実質第3弾。また異聞録から2罪までのシリーズ完結編である。
  • 前作「罪」のパラレルストーリーとなっており、主人公は「罪」のヒロインだった「天野舞耶」。パーティメンバーも「罪」に登場していたキャラである。本作だけでも完結するストーリーだが、実際には前作とは重要なつながりがあり、実質連作と言える。
    • ちなみに主人公の名前は「天野舞耶」で固定であり変更できない。
  • ペルソナ2最大の特徴「噂」をはじめ、システムは基本「罪」のものを踏襲している。
  • 「罪」のセーブデータから、いくつかの要素を引き継いでゲームを始めることが可能。
  • プロデューサーの岡田耕始氏とキャラクターデザインの金子一馬氏のインタビューやプロモーションムービーを収録したファンディスクが付属している。(べスト版、PSP版には付属していない )

特徴

  • 前作はジュブナイル色が強かったのに対し、今作はほぼ全員が社会人でアダルトな雰囲気になっており、パーティメンバーの平均年齢もシリーズの中で最も高い。
    • 罪ではサブキャラとして出ていながらも深く関わり合う事は無かったキャラが罰では仲間となる。これにより罪では知る事の無かったこれまでの人生や悩みなど意外な一面が見られる。
    • BGMもテーマ曲をはじめアダルトな空気にあわせたものになっている。
  • システムも根本は前作を基準とし、メニューの改善、フィールド会話の豊富さで演出を変更している。
  • 前作でもあった伝説の武器をはじめ、素材を持ち込むことで武器を作成してもらえる店が登場。ただし、深刻なバグがあるので気をつけないといけない。

評価点

  • 前作からのシステム改善
  • 戦闘面
    • 前作でかなり便利な技(即死効果の合体魔法)や理不尽な技が大幅に見直され、極端な技が少なくなったため前作とは違った感覚でプレイできる。
      • だからといってヌルくはなく、難易度自体は程よいバランスである。
    • ボタン一つで合体魔法が発動可能
      • パーティーが今装備しているペルソナから発動可能な合体魔法をボタン1つで設定可能で、前作のようにいちいち魔法を1人1人指定して行動順番を変更する必要がなくなった。
      • このシステムは、前作のリメイク版「PERSONA2 罪」にも更に快適な形で導入された。
      • 「罪」で非常に使いにくかった一部の合体魔法を使いやすく改善した。また、合体魔法に伝説・伝承ネタが多く追加されバラエティーが増えた。
    • エフェクトカット設定が可能
      • ペルソナ発動などの演出を省略して戦闘できるモードで、作業部分の消化が楽になった。時間制限のあるマップもこちらにするとクリアしやすくなる。
    • 悪魔とのコンタクト
      • 各キャラ基本コマンドが1つになった代わりに、罪では空気ぎみだった「掛け合い」の組み合わせがより豊富になった。
      • 反動で、低人数の時はやれることが加速度的に減少する。
  • ゲームの中盤に1作目「女神異聞録ペルソナ」に登場したキャラが仲間になる。ただし、初期ペルソナは異聞録のそれと同様であり、本編ではかつての上位ペルソナは使えない。
    • 異聞録をプレイしたファンには嬉しい要素で、2人のうちどちらを仲間にするかでシナリオが変化する。
    • それぞれのルートでは、終盤別々の最上級ペルソナのマテリアルカードが入手できるようになっている。周回しても解禁状態は維持されるので、周回すれば両方揃えられる。
  • 音楽
    • 前作と同じくゲーム中の曲は土屋憲一、田崎寿子、黒川真毅の三人によって作曲された。
    • 前作とは違うアダルトチックな音楽は、地味ながら演出を彩る。
    • バトルは「ボス戦闘」「EX最終戦闘」など静かながら戦闘を盛り上げる良曲が揃っている。
  • ストーリー
    • 序盤で異聞録から出ていた名物キャラがあっけなく死亡したり*1と、全体的には暗めである。
    • ただし、前作で死亡してしまった(または悲惨な扱いを受けた)キャラの大半が生存していたり救われており、ストーリー展開も罪での鬱要素がある程度昇華されるため、全てが暗いわけではない。
  • 2周目、EXダンジョン
    • 一部を引き継いでゲームを最初からプレイする2周目で、分岐するシナリオを楽しめる。さらに両方の分岐をクリアするとおまけゲーム的な扱いで、本編とは切り離された内容になっているEXダンジョンを攻略できる(こちらも本編からの引き継ぎ可能)。
    • 中盤参加・離脱する異聞録キャラ二人も参加可能であり、上位ペルソナもここで使用可能となる(要条件)。なお、他にもEXダンジョン専用のペルソナが存在する。
    • クリアまでの時間で、各キャラらしさを前面に出した「留守番電話」が解禁される。留守番電話という日常要素に、明らかに不釣合な人たちのセリフが入るのはかなり珍妙である。
      • 最高ランクでクリアするにはサブ要素は無視して進める必要があるので、楽しむかランクを重視するかを最初に決めるといい。
    • EXダンジョンの最深部では、意外なキャラが襲いかかってくる。前作・今作でラスボスを瞬殺した人を踏みにじるような特性を有しているので注意。

問題点

  • 前作と合体魔法のレシピが大きく変化したので戸惑いやすい。
    • 特に精霊召喚系は大幅に組み合わせが減らされたため、それを主体に使われていたペルソナは一気に使いどころが減ってしまった。
    • 前作とのセーブデータを連動した場合、前作で使った合体魔法のレシピのみ開示された状態で始められるので、この問題は少し軽減する。
  • アトラスゲーの伝統か主人公は基本しゃべらない為、前作をプレイしているとあれだけ饒舌だった舞耶が無口に、そして前作主人公で無口だった達哉がしゃべりまくるために違和感を感じるプレイヤーも多い。
    • 実際は無口なキャラクターになったわけではなく、しゃべっているシーンでも言葉が表示されずジェスチャーなどで表現するという過去のシリーズ作品と同様の演出をおこなっているためそうみえる。実際選択肢や戦闘中の台詞を聞いてみれば全く変わっていないハイテンションなキャラクターである。
    • 選択肢次第ではいささかネガティブにならなくもないが、ストーリーにはあまり影響はない。
  • コンタクトが掛け合い中心になったため、組み合わせのパターンがつかめない間の難易度が高い。
    • 今作はパーティの参入・離脱が割と多く、そのたびに使用できるコンタクトが変化する。一人でできることが大幅に減っているので、特定のタイミングでないと興味・喜びを上げられない場合すらある。
  • EXダンジョンの出現条件が「南条ルートを通ってエンディング」と「エリールートを通ってエンディング」を達成する事で、分岐しているシナリオがごく一部なので二週目はほぼやり直している状態になる。
    • ラストダンジョンでのやり取りによって話も若干変化し、エンディングも少し変化があるが、それもごく一部である。ストーリーとしては重要なポイントであるが、別段マルチエンドと言う程話が大きく変更する訳でもなく、会話が変化する程度である。そのため二週目の途中でダレてしまいやすい。
      • ただし選択肢によっては戦うボスのパラメータがアップすると言う変化はあるので、もう少し強いボスと戦いたいと考えたなら、使えるかもしれない。
  • ただでさえ難易度が高いFOOLの入手条件が悪化している。その上FOOLのペルソナが増えているため、コンプリートに必要な枚数が増えている。
    • 前作の条件に加え、「一度も悲しみ・喜びが上昇してはいけない」という制限が追加された(確率自体は変化なし)。的確に相手悪魔の反応を把握していないと満足に入手できない。
    • 面倒ではあるが確実に入手する方法があるので、周回しておけばある程度は集まる(コンプリートには不足)。

総評

  • 前作のデータ読み込みもあるが単体でも問題なく遊べ、またやりこみ要素も豊富である。
    • ただやはり前作罪とはかなり密接な関わりを持つので、できることなら罪からプレイするのをおすすめする。

その後

  • 今作でシリーズは一度完結したため、続編「ペルソナ3」からはスタッフも変わり大幅な方向転換が図られ、新規ファンが多数開拓された。
  • 2012年5月17日に、前作罪と同様にPSPで移植版が発売した。

余談

  • 前作『ペルソナ2罪』が「ナチス・ドイツ」の登場というシナリオ展開をしたがゆえに、海外では前作が発売されなかった*2
    • 前述の通り今作は罪と密接な関わりがあるので、海外ユーザーはシナリオを十分に楽しめたとは言いがたかった。
    • 前作の移植・リメイクである『PERSONA2罪』がようやく海外での正式な発売となった。
    • なお罰に関してはリメイクではなく、PS版オリジナルを英訳したものがそのままアーカイブで配信されている。

リメイク版『PERSONA2 罰』

【ぺるそなつー ばつ】

対応機種 プレイステーション・ポータブル

発売元 アトラス (インデックス)
開発元 スティング
発売日 2012年5月17日
定価 パッケージ版:6,279円
ダウンロード版:4,980円
分類 良作

概要(リメイク)

ペルソナ2罰のPSPリメイク版。
前作のリメイク版で寄せられた意見をもとに、改悪点を修正した作品。

オリジナル版からの追加・変更点

  • イメージカラーが赤から白に変更。メニュー画面もデフォルトでは白を基調にしたものに変更された。
  • アディッショナルシナリオ追加。
    • 前作罪の主人公、周防達哉を主人公としたシナリオが追加され、舞耶達と合流するまでどのような行動をしていたのかが描かれている。
    • 基本達哉一人でのプレイになる為、罪のデータコンバートが無いとかなりの難易度となる。
    • 脚本はオリジナル版のシナリオライターである里見直が担当。10年前のゲームながら、当時のキャラのイメージを壊さずしっかりとしたシナリオを書き上げている。
      • 他にも、一作目のリメイクでは削除されていたボス戦闘曲「死線」のアレンジが流れたり、デビルサマナーシリーズの悪魔が登場するなどファンサービスも多い。
    • しかしこのアディッショナルシナリオは南条ルート基準であるためそちらでないと全てのシナリオがプレイ出来ず、完全な行動の補完かと言うとそうでもない点ではある。ちなみに、最終話ではFOOLのカードが入手できる。
    • また今回は前作で追加されたシアターが削除されており、クエストの自作も出来ないので、ベルベットルームでシナリオを選ぶ必要がある。
      • その分の空いた容量により、データの高速読み取りが可能になったと言われている。
    • またアディッショナルシナリオも含め、全体的にクトゥルー神話系の話が色濃い。
    • 異聞録の時点からクトゥルー神話系のキャラクターがボス等として登場していたが、罰では使うペルソナ、雑魚、ボス、キーワード等に登場する数はかなり増えており、特に今回のアディッショナルシナリオでは、"銀の鍵"を持った人物の手引きにより、人間の深層心理における"カダス・マンダラ"というダンジョンを攻略する事になる場面がある等、かなり意識してクトゥルー神話の話を盛り込んでいる
  • BGMアレンジ
    • 前作の小西利樹がメインでアレンジを担当。オプションで随時切り替え可能。戦闘曲は全体的にギターを用いたアレンジが行われている。
    • オープニングも小西氏が作曲しており、前作のリメイクと異なり原作のオープニングのアレンジになっている。
    • ただ戦闘終了の演出はPSPでは再現が厳しいのか、「戦闘リザルト」という新曲に切り替わる形になっている。

前作リメイク版からの改善点

  • ロード時間高速化
    • メディアインストールを行っていても戦闘前に2~3秒のロードがあった前作リメイクから大幅に改善し、ほぼ一瞬で画面が切り替わる。
    • 戦闘中も演出を簡略化し、高速戦闘モードにする「シンプル」にした場合、敵キャラを含めても3秒もかからず一ターンを終わらせる程早くなっている。
      • 但し、あまりにも早いため任意の場所で行動の入力を入れ直す等の操作はタイミングが取りずらくなったという弊害もある。
  • 戦闘システム修正
    • 前作の大きな改悪点の1つだった戦闘システムは好評だった合体魔法の設定を除いて全てオリジナル版と同様のものに戻された。
      • キーレスポンスも非常によくなり、そこにショートカットキーを導入し、コマンド入力もさくさく行える。
    • またコマンド入力、キャンセルのサウンドエフェクトもオリジナル版と同様のものに戻されている。
    • 悪魔との交渉時に上昇した感情の色に足元が光る演出と、契約悪魔の足下に紋章が浮かぶポイントも復活している。それでいて前作で追加された感情グラフも導入されているので分かりやすくなった。
  • 難易度の調整
    • 前作ではハードでも簡単にクリア出来る難易度だったものが一転、ハードは『ダンジョンで移動するとSPが回復する効果が無くなる』『雑魚敵との逃走が不可』『被ダメージ大幅上昇』といった調整がなされ、何の装備も無い序盤に適当に進むと、即ゲームオーバーになりかねないアトラスらしい高難易度になっている。
    • こちらも戦闘中以外なら好きに難易度を変更出来るので、ダンジョン攻略時以外の噂をバラまく為に固有敵に会う時等は難易度を下げるといった任意の変更も楽に行える。

総評(リメイク)

前作リメイクの改善だけでなく、オリジナル版と比較しても快適になった部分が多く、移植・リメイクの質は十分高まったと言える。