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スーパーロボット大戦α外伝 - (2015/01/15 (木) 20:54:04) の編集履歴(バックアップ)


スーパーロボット大戦α外伝

【すーぱーろぼっとたいせんあるふぁがいでん】

ジャンル シミュレーションRPG

限定版
対応機種 プレイステーション
発売元 バンプレスト
開発元 バンプレソフト
発売日 2001年3月29日
定価 通常版:6,980円 / 限定版:9,800円
廉価版ほか PS one Books:2002年12月5日/2,800円
PREMIUM EDITION(初代・第2次とのセット):2005年5月28日/9,240円
配信 ゲームアーカイブス:2011年12月21日/1,500円
分類 良作
スーパーロボット大戦シリーズ
αシリーズ :α&forDC / α外伝 / 第2次α / 第3次α


概要

スーパーロボット大戦α』に続く、通称「αシリーズ」の2作目。前作『α』の好評を受け、3部作構想のはずが急遽開発される事となったPS最後のスパロボ。
『α』のシステムを引き継ぎつつ、数々の新システムや意欲的な試みを導入。『α』と共に現在まで続くスパロボの基礎を築いた。
『戦闘メカ ザブングル』『機動新世紀ガンダムX』『∀(ターンエー)ガンダム』『銀河旋風ブライガー』の4作品がシリーズ初参戦。

+ 参戦作品一覧(バンプレストオリジナルは除く)
参戦済み 超獣機神ダンクーガ
機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
機動戦士Zガンダム
機動戦士ガンダムZZ
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
Z-MSV(機体のみ)
M-MSV(機体のみ)
CCA-MSV(機体のみ)*1
機動戦士Vガンダム
新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
無敵鋼人ダイターン3
マジンガーZ
グレートマジンガー
劇場版マジンガーシリーズ(機体のみ)
ゲッターロボ
ゲッターロボG
真・ゲッターロボ(原作漫画版)
超電磁ロボ コン・バトラーV
超電磁マシーン ボルテスV
勇者ライディーン
超時空要塞マクロス
超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
マクロスプラス
超機大戦SRX
魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
初参戦 銀河旋風ブライガー
戦闘メカ ザブングル
機動新世紀ガンダムX
∀ガンダム
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン(機体のみ)*2

特徴・評価点

システム

前作をベースに追加、改良が施されている。

  • COMPACT2で実装された援護攻撃・援護防御を据え置きスパロボで初採用。より戦略性が増すこととなった。
    • 対応する技能を持ったユニットと隣接した状態で戦闘をすると、支援を受けられるシステム。攻略上非常に重要だが、これらの技能はいわゆる脇役パイロットの方が覚えやすいため、運用の幅が広がった。
      • ただし援護攻撃に使う武器は自動で決まってしまうため、雑魚相手に必殺武器をぶっ放してしまいプレイヤーを悩ませる事も(後述)。
      • この問題点は以後のシリーズで解決されていくことになる。
  • ユニットの能力値「運動性」が、敵の攻撃を回避する時だけ影響し、自分の攻撃の命中率には影響しないようになった。
    • これにより、運動性が低いスーパーロボット系も、雑魚程度なら少し工夫するだけで精神コマンドに頼らずに攻撃を当てられるようになった。
  • 特殊能力「指揮」が新登場
    • 「指揮」を持っているユニットの周辺では命中率・回避率が上昇。上記の援護システムと合わせ、SRPGらしい陣形を組む面白さを強調している。一方で、援護防御や指揮官技能の存在は難易度の上昇にも一役買っている。その代わり、前作に比べて削除された特殊能力も少なくない。
  • パイロット能力値「反応」と、特定のレベルに達する事で全パイロットが自動習得する「二回行動」の廃止。
    • それに代わり、新たなパイロット能力値「防御」を導入。
  • パイロット毎に上昇する能力値が異なる新システム「成長タイプ」が追加された。
    • 「格闘系・万能」「射撃系・回避」など、数種類のタイプのいずれかに分類され、タイプによって上昇する能力値が異なる上に「レベルいくつになったら急成長する」という設定もなされている。この新システムと、前作『α』から受け継いだ「技能ポイント」システムが相まって、パイロットごとに異なる個性ある成長を見せることになった。
      • 初導入であったためかキャラ間の格差が激しく、バランスの粗さが目立った(後述)。
  • 改造の仕様が大幅に変更され、機体改造は上昇値が一律でなくなり基の値の○%となった。また、武器の改造はこれまでの個別方式から一括改造方式に変更された。
    • 固定値でなくなったことで長所を伸ばす機体改造がよりしやすくなった。
    • これまでは複数の武器を持っていても特定の武器しか使わないのが普通だったが、様々な武器を使い分ける楽しみが増えた。
    • 量産型など低性能な機体ほど、武器や機体改造の費用対効果が高い傾向にある。そういった機体はパーツスロットも多いため、同じ資金をかけた場合に主人公機を超える強力機体に化けることも。
      • ただしこの仕様変更には不満もあった(後述)。
  • 前作では隠し扱いで変動条件も不明瞭だった熟練度システムは大幅に改善された。
    • 選択肢による変動は廃止され、各ステージ毎に決められた条件を満たすことでのみ上がる仕様に変更。自分が獲得した熟練度もメニューに表示されるようになった。
      • 獲得熟練度によって、難易度が「易」「普」「難」の3つに自動的に変化。
      • 前作で明示されなかった熟練度によるステージ変化(敵の数やステータス値、撤退条件、クリア後のボーナス、入手できる機体、最終ステージへと至る最後のルート分岐の条件など)が視認できる難易度をもとに決められるため、確認しやすくなった。
  • 新システム「バザー」と、そこで用いる通貨「ブルーストーン」の採用
    • ブルーストーンは『戦闘メカ ザブングル』劇中に登場する鉱石で、一種の通貨として用いられている。
      本作でも舞台が惑星ゾラに移行してからは、敵の撃破時やマップ上のコンテナなどからブルーストーンを得られる。そしてインターミッションの「バザー」コマンドから、強化パーツや機体を売買できるのだ。
    • 売買できる機体は『ザブングル』のウォーカーマシンと、一部のモビルスーツ、モビルアーマー。いずれも弱小~中堅クラスの性能だが、機体改造によっては一線級に化ける機体も。
    • さらに機体を高度に改造してから売却すると、隠し強化パーツがもらえることもある。
    • ただし強化パーツの売買が、ある悪質なバグの引き金となる場合もあった。詳しくは後述。
  • 最近のスパロボでは定番である「クリアしたデータの引き継ぎ」を、不完全ながら初めて採用。
    • 正確にはクリアデータの引継ぎではなく、周回プレイの開始時に、前の周のクリア難易度に応じた一定額のボーナス資金がもらえるというもの。周回プレイのモチベーションを高める効果があった。

ゲームバランス

かなり易しい難易度だった前作に対し、難易度調整が行われシミュレーションゲームとしてのやり応えは増している。なお、「易」ルートであればそこまで深く考え込まずともクリアは可能。一方「難」ルートは旧シリーズ並みの難易度を誇り、幅広いプレイヤーに対応できるようになった。

  • ダメージ計算式が変化し、敵味方共に与ダメージが大きく減少した。前作終盤では数万のダメージが飛び交っていたが、本作では「熱血(ダメージ2倍)」を用いても10000超えがいいところ。
    • そのため上記の援護システムを活用する必要があり、戦略性が増している。またその極みが「大地の守護神」のゼンガーであり、倒すにはスパロボ史上最高のやりこみと戦略が必要となる。寺田Pからの究極の挑戦状である。
    • 全体的なダメージ減少傾向のため、従来はあまり硬いという印象がなかった超電磁系やゲッター系などのユニットもザコの攻撃にはかなり耐えてくれる。ただしそれでもボス級の攻撃は激しく、食らうとかなりの大ダメージに。
  • 精神コマンドについても、前作よりも弱めに設定されている。
    • 前作の非常に強力な精神コマンドは軒並み廃止、弱体化され習得者も限られるようになった。
      • 具体的に魂(攻撃力3倍→2.5倍 習得者は主役級のみ)、戦慄(敵全員の気力10ダウン→5ダウン 習得者は1人のみ)が代表的。
    • 逆に使いやすい方に修正されたものもあり、精神コマンド間の使い勝手の差は無くす方向の調整がされている。
    • 全体的に味方のSPが低めになっており、精神コマンドの使いどころを選ばなくてはいけなくなった。
  • 敵CPUの思考力向上。フロスト兄弟等名有りパイロットの多くは、こちらの攻撃によって回避や防御を選択するようになった。詳しくは後述。
  • 終盤のボスユニットが一定ダメージ毎に精神コマンドを発動するようになった。詳しくは後述

戦闘アニメ・演出

  • グラフィックの質は前作からの大きな進歩はないが、戦闘アニメは大幅にパワーアップしている。
    • 本作から新規登場したユニットの中でも、コミカルな動きを見せる『ザブングル』のウォーカーマシンや、細かい演出の光る『∀ガンダム』に登場するMS、『魔装機神』などオリジナル機体の派手な演出は特筆すべきもので、これらのユニットは攻撃を外した際に特殊な動きをするなど芸も細かい。
      • 特に人気が高いのは、後述するオリジナル機のスレードゲルミル、本作唯一の二段カットイン付き でロリコン垂涎モノ のディアブロ、入手が難しい隠しユニットのHi-νガンダムなど。
    • 既存ユニットでも『マクロスプラス』、『ガンダムW』系の機体、マジンカイザーや真・ゲッターロボなどの一部武器、そしてマジンガーZ、ダイターン3はデフォルトポーズから、ほぼ全武器に渡るまで、見事に作り直されている。
      • 特に、美少女型ロボットであるヴァルシオーネRはPSとは思えないほどヌルヌル動く。これはヴァルシオーネ好きのスタッフによる暴走だったらしく(『α』でも片鱗が見える)、それに引きずられて全体的に戦闘アニメがパワーアップしたらしい。
    • また、ガンダム系の大口径ビーム兵器の演出が変更されている。一定して太いビームから、発射からだんだん太くなり、撃ち終わった後は粒子がほのかに残る演出となった。
    • 他に前作から大きく変わった点として、スーパー系敵メカを中心にある程度の敵ユニットの戦闘アニメーションがよく動くようになった。特に顕著なのがゲッターロボのメカザウルスで、今作で所属勢力である恐竜帝国が初めて参戦したためか非常に気合いが入っている。ノッシノッシと歩く様などは大きな進歩と呼べる。
    • 戦闘アニメ開始時に、ユニットが枠外から登場するようになった。
  • 戦闘台詞パターンの増加。前作にいた多数のキャラの戦闘台詞が新たに収録され、因縁の相手(例:カミーユ→ジェリド)に攻撃する時や攻撃された時に相手を名指しで呼ぶもの、他に自機名を呼ぶもの、合体ロボット(コンバトラー等)でのパイロット同士の掛け合いもの等、戦闘台詞のバラエティが豊かになった。これも戦闘アニメの演出をより豊かにするのに大きな役割を果たしている、と言えよう。後のシリーズにもしっかりと受け継がれた。
    • この要素がおおむね好評であったことと、ハードが進化していったこともあり、演出重視の姿勢は後のシリーズでも続けられていくことになった。
  • ただハードの性能を限界まで引き出しているためか、場合によっては処理落ちを起こしてしまうのが難点。
    • また、ハードの型番によっては一部戦闘アニメの音声の末尾が途切れてしまう場合がある。

ストーリー

  • 序盤では『α』直後の地球圏での権力争いが行われるが、その後、舞台は『ザブングル』『ガンダムX』『∀ガンダム』などの新規参戦作品の世界観を主軸にした荒廃した地球・惑星ゾラ(ザブングルの舞台)へと移動する。
    • スパロボ全体から見ても本作は宇宙に行く場面が非常に少なく、それまでにはなかった大胆なクロスオーバーと外宇宙を見据えたスケールの大きい展開が特徴のαとは対極的。しかし物語が進むにつれ前作との関係が明らかになっていく構造や仲間同士のやり取りに重点をおくなど、より緻密な展開になっている。
  • リアル系が「X」「∀」らの原作再現を主としたストーリーなのに対し、スーパー系はゲッター・マジンガーを中心にチーム同士やロボットとの絆を描いた独自の展開を見せるシナリオが主体。中でも甲児、鉄也、ゲッターチームら常連でありながらもシナリオ的には目立つ事の少なかったスーパー系にスポットが当てられることで、本作は良い意味で暑苦しく泥臭い「スーパーロボット」大戦の名に相応しい出来となっている。
    • 特に旧シリーズでは「甲児のためにグレートを持ってきた」と言われるほど冷遇されてきた剣鉄也が、本作ではストーリーの要所で主役的な活躍を見せ、ファンを増やした。同じく過去のシリーズでは単純な上位機体としての域を出なかった真・ゲッターロボやマジンカイザーも、本作ではドラマ的にも重要な意味合いを持つ機体として登場する。
  • これまでのシリーズでは、火力不足や、最強武器がビーム兵器の為に終盤になると二軍落ちすることが多かった『Zガンダム』だが、本作では終盤で強化イベント(隠し)があり、発生させると機体性能の大幅な向上と同時に強力な武装である『突撃』が手に入る。また、本作のみ、強化後のBGMが「水の星に愛をこめて」に変わる。
    • これにより、最終MAPまでの運用も十二分に可能となった。また、以後のシリーズでも強化イベントが入っている事が多々ある。
  • また、本作を語るのに欠かせないのが敵として登場するオリジナルキャラであるゼンガー・ゾンボルト。
    • 搭乗機体のスレードゲルミルと共に圧倒的なインパクトを誇り、プレイヤーに強烈な印象を与えた。また、その単純明快な造形から多くのファンを獲得し、『第2次α』では何と主人公の一人に抜擢された。
  • 人気の高い魔装機神シリーズから多数の機体が参戦。その数敵味方合わせて10体以上とファンを喜ばせた。
    • ジャオーム、ディアブロ、ノルス・レイが久しぶりの登場。戦闘グラフィックも気合が入っており(一部入りすぎとも言えるが)評価が高い。
  • 最初期から長きにわたって参戦しているゲッターロボ(TV版)のまともな原作再現が初めて行われた。
    • 敵勢力の恐竜帝国が初めてシリーズに登場し、それまで弱小ユニットでしか無かったメカザウルスも全体的に強まった。敵キャラクターのイベントも見逃せなくなっている。
    • なお本来αシリーズは外伝の予定のない3部作構想で、地底勢力は第2次αに登場させる構想だったとのこと。

BGM

  • スーパーロボット大戦シリーズとしては初めて、タイトル画面とスタッフロールで流れる歌詞付きの主題歌としてOP、EDテーマが採用された。
    • 歌手はこの先もスパロボと大きな関わりを持つことになるJAM Project。本作品のOP曲「鋼の救世主」は、今なお人気が高い。

賛否両論点

技能ポイントの仕様変更

  • 技量・SPを除く全能力が成長可能になったが、各能力の上昇限界が+50までになった。
    • 前作はパイロット成長における技能ポイントが大きく、常に一軍で戦い続けてきたパイロットとベンチウォーマーでは、技能ポイントが原因で能力差が生じたが、本作ではそれほど極端ではなくなった。
    • 防御・回避の技能ポイント獲得が厳しい。こちらの被害が大きいほど獲得ポイントが増える使用のため、こちらが強いとポイントを獲得するのが難しい。回避は相手の命中が0から4%だと1、5から25%だと2と、二倍も成長速度が違い、防御はダメージを受けなければ成長すらできない(回避は上昇する)。
  • 以後のスパロボでは技能ポイントは廃止され、PPもしくはBPというポイントを任意に振り分けて成長させるシステムが採用されている。どうやらあまり良いシステムではないと判断されたようだ。

主人公の不在

  • 第4次以降定番となっていたオリジナル主人公の登場だが、本作はそれがない久しぶりのスパロボである。
    • プレイヤーの分身として、版権作品のキャラクターとして肩を並べる主人公に愛着を持っていた層からは、本作の大きな欠点としてこの点がよく挙げられる。
    • 一方、前作では主人公がシナリオ上重要なキーパーソンであり、目立ちすぎと批判されたこともあってその反動であるとも言える。
      • 実際、インタビュー等で寺田Pがそういうニュアンスの発言をしている。
    • 『第3次α』のインタビューによると、主人公なしでα外伝とCOMPACTを作ったところ、バンプレストオリジナルの主人公&機体を要望する意見がビックリするくらい多く寄せられたため、以降は基本的に主人公を入れることになったとのこと。

最終分岐の条件

  • 従来のスパロボでは、エンディングへと至る最終分岐は累計総ターン数による場合が多かったが、前作からは熟練度(難易度)によって分岐する。
    • 総ターン数を気にかける必要がなくなり「早解き」の必然性が低下。どれだけターンを費やしても一向に構わなくなった。
      • 早解き一辺倒の攻略ではなく、状況に応じた多様な戦略が取れるようになっている。
    • ただしマップによって、早解きが作戦目的や熟練度獲得条件となっている場合はある。

スーパー系、多人数乗り、マップ兵器優遇のユニットバランス

  • 味方の最大SPが低下し、好きなだけ精神コマンドを使いまくれるゲームバランスでは無くなったため、複数人数分の精神コマンドを駆使できる多人数乗りスーパー系ユニットが強力かつ有用となっている。
    • 更に精神コマンド「期待」(SP50回復)や、消費パーツ「ドンキーのパン」(SP全回復)が、 全サブパイロット にも適用されるため、余計に有利に。
  • ただし、後半の援護防御陣形を組む相手へはリアル系のマップ兵器所持ユニットが大きく幅を利かせることになる。
    • そのマップ兵器所持で多人数乗りのユニットは二人乗りになるのが終盤で、マップ兵器の火力の低いアイアン・ギアー。制限が非常に厳しいガンダムDX+Gファルコン。そして特例のウッソ+ハロのみ。
    • そのため、マップ兵器要員として一人乗り機体も有用となっている。だがそちらも火力と範囲が段違いで優秀なΖΖ、ウィングゼロカスタム、月光蝶追加後の∀(易ルートのみ試作2号機)がとびぬけすぎている。せっかく参戦した魔装機神系ユニットはそちらの火力が非常に低いため、この方面では活躍しにくい。
  • 反面、通常戦闘においては、囮こそできるものの前作ほどの万能感はなくなった。特にνガンダムやウイングガンダムゼロカスタムなどは前作に比べて大幅に弱体化しており、ファンを落胆させた。
    • 本作では地上での戦闘がかなり多く、最強武器の地形対応が全体的に悪いガンダム系にとって大きな逆風となっている。*3
    • 防塵装置が追加されたことで地上適応は前作より容易になった。ただし強化パーツスロットを要求するためスロットの多い機体がより優遇される結果になっている。
    • パイロットも含めてみれば、回避こそ後述の仕様で主役級ニュータイプ達は高いものの、「魂」の弱体化、援護を覚えないため、囮役としては優秀だが攻め手としては弱体化している。
    • その点で高レベルの援護や「必中」、もしくは「奇襲」(複合効果の中に必中がある)を覚えるサブキャラが、ニュータイプ達が苦手とする高回避ユニット相手や集団戦闘が得意という形で新たな出番を得ている。またガンダム作品以外のキャラであれば、主役級でも援護を高レベルで覚えられる。それでも、スーパー系主人公のほとんどが「必中」を初期から持ち、早期に援護をレベル1までだが覚える点が辛いが…。
  • 新規、復帰組では、魔装機神系ユニットは後半に追加される武器が強力で、最終火力はスーパー系をも上回るが、そのスーパー系が「覚醒」と「熱血」を覚えるキャラが別々に搭乗しているため、実質的な火力面では勝てていない点が辛い。マップ兵器の威力も前述の通り。
  • ガンダムX系ユニットは後述の通り、主役機が後半、およびディバイダーを除いては月便りである点が辛いが、武装のディバイダーの総合性能は全ユニット中最高クラス。月さえあれば、気力とターン経過だけで連射可能なサテライトキャノンももちろん強力。
  • ∀系ユニットは、∀の性能は最初こそ弱いがシナリオと共に向上し、最終的には月光蝶を習得。戦艦では後半のソレイユも非常に強力。パイロット達の技能もしくは、精神も優秀。
  • ザブングル系ユニットはWMが買えるなどの要素もあるが、ザブングル、ウォーカーギャリア、隠しのブラッカリィ以外の性能は微妙。ガッツ、底力と援護を交えた戦闘が得意で、二人乗りでの精神の組み合わせも面白い。
  • ブライガーは上記の多人数乗りスーパー系なので、言わずもがな強力。多少耐久が低い代わりに、武装が非常に優秀で距離を選ばない。

難易度「難」のラストMAP

  • MAP名、ボス共に旧シリーズ第三次の隠しマップと同じ
    • αシリーズで魔装機神のシナリオを展開した結果であり、後にOGシリーズでも同じ展開があった。
    • 版権作品が別タイトルで同じ展開を繰り返す事はスパロボシリーズでは良くある事ではあり、魔装機神も半ば版権作品に近い。
      • とはいえ、オリジナル作品には違いなく、最終マップで同じ事を繰り返した事で、「またかよ」と思われてしまった。
    • αシリーズでは以後、魔装機神系のキャラは登場しなくなり新シリーズのスパロボとしての道を本格的に歩んでいくこととなった。

問題点

バグ

本作はバグが非常に多く、突貫工事的な制作を思わされるものがある。

  • 各強化パーツの所時数が1種類あたり9個に達すると、大小様々なバグが発生し、ついには36話で確実にフリーズが発生して続行不可能となる
    • 何より厄介なのは『バグの原因発生と、バグの表面化との間に、何マップ分にも及ぶタイムラグがある』事。もう絶対にクリアできない状態になったセーブデータで長期間のプレイができてしまうので、気付いたら時すでに遅し、という最悪のケースが生じる事も珍しくない。
    • 更に輪をかけて厄介なのが、先述の「バザー」で強化パーツを容易に増やせるという点である。「ブースター」(移動力+1)などの安価かつ有用なパーツをバザーで買いまくった挙句、不可避なフリーズにハマってしまったプレイヤーも多い。
    • 至って普通のプレイの範疇でも十分発生する可能性があり、発生から表面化までに時間が掛かり、最終的に詰み、気付いた時にはもう遅い…という極めて危険且つ致命的なバグであり、プレイヤーに大打撃を与えた。
      • パーツはバザーで売却できるため、わかっていれば回避は容易である。しかしこんな単純な事でここまで致命的なバグが発生するとは誰も思わず、またバグの表面化までにタイムラグがある事から、自力で原因を断定するのは極めて難しかった。問い合わせるなり何処からか情報を仕入れないと察知しにくいため、やはり非常に厄介であると言えよう。
  • ゲームを進めると自軍のユニットリストに敵の戦艦である「グレタ・ガリー」が追加される。
    • しかし追加されるだけで使用はできず、しかも最後まで居座り続ける。改造も可能だが資金を損するだけで意味は無い。
    • 原作にはアイアン・ギアーが大破した際、同型艦であるグレタ・ガリーを鹵獲して2代目アイアン・ギアーとする展開がある。しかしデータ管理上わざわざグレタ・ガリーを入れる必要はない。100%発生するバグでありデバッグの不十分さが伺える。
  • 一部のバルキリーの武装は形態毎に最大弾数が異なっており、残弾数が別形態ではマイナスに到達するほど使用した後、マイナスになる形態に変形すると、逆に残弾数が120発を超える。
    • これはVF-11のガンポッドは後に修正されたが、Sバルキリー柿崎機の反応弾は修正されていない。
  • 29話でミリアを変形機能のない機体に乗せていると、強制出撃時に必ずフリーズする。デフォルトの専用バルキリーなどに乗せていれば大丈夫*4
  • 宇宙ルート35話で、目的地周辺5マスにラーカイラムを入れて増援を出させると、勝利条件達成時に100%必ずフリーズする。
    • また、それとは別に敵の増援を出現させすぎたり、敵を全滅させたりしてもフリーズする。獲得資金が多い敵ばかりなので、できる限り倒しておきたいと考えるプレイヤーの多くが引っ掛かった。
  • 機体・パイロットの地形適応が反映されていない。反映されるのは武器の地形適性だけである。
    • 自軍に関しては機体・パイロットが地形適正に関係なく使えるので怪我の功名と言えなくもない。
    • 敵側も適応Bのでも適応Aの回避・命中となっているため、本来想定されていたものとは多少別のゲームバランスになっている。
  • ニュータイプ・強化人間・カテゴリーF等の回避補正が本来の効果の2倍になっている。
    • こちらも想定されたゲームバランスを大きく崩す要因となってしまっている。詳しくは後述。
  • 成長タイプが「万能系・大器晩成型」がどうも正常に設定されていない。
    • 同じく晩成の「格闘or射撃系・大器晩成型」(あるレベル以降、能力の上昇率が伸び、最終的に「格闘or射撃系・万能型」より一回り下の高い能力になる)と比べると、SPだけは非常に伸びるが、他の能力はその伸び幅があまりに小さいためSPのみが優秀という、まるで別の成長具合となっており、バグあるいは設定ミスではないかと言われている。
    • 当てはまるのはオリジナルの「リュウセイ」「ミオ」「プレシア」、ガンダムXの「サラ」、∀ガンダムの「ロラン」、ザブングルの「チル」、そして能力の関係ないVガンダムの「ハロ」となる。
    • 支援精神が豊富なプレシア、サラ、基本的にサブパイロットであるチル、サブパイロット固定のハロは「精神ポイント重視型」(SP以外の能力は低めだが、SPは伸びる)の互換のようなものなのでむしろ優秀なのだが、問題はリュウセイ、ミオ、ロラン。
      • 彼らは精神が完全に戦闘用で、前線で戦うのがメインのキャラでありながら、戦闘に必要なステータス値が最後まで低い。
      • リュウセイは前作で最強クラスの合体ロボに乗る一撃必殺の攻撃要員だが、本作では合体前の単体ロボに搭乗するためこれといった必殺技を持たず、しかも本人のステータス値も低いという弱体化が目立つ。
        もっともステータス値こそ低いが、機体の回避性能の優秀さ、念動力補正、ガッツの発動から味方最高クラスの回避能力を持っておりクリティカル率も高められる。武器も低燃費の物が多く反撃や援護で暴れられるので、前作とは別ベクトルの強さを備えており、最前線でも十分戦える。
      • ミオは遠距離攻撃が弱くガッツを活かして近距離必殺武器を使用していく機体であるため、能力の低さが辛い。レア精神の「脱力」が使用可能な辺り支援機的な設定をしたのかもしれないが、どうにも中途半端。おまけに搭乗機のザムジードがHP回復(小)を持ってる為、ガッツ状態を維持し続けるのが難しいのもネック。
      • ロランは乗機の∀ガンダムが優秀なのでそれに合わせた能力なのかもしれないが、問題は∀ガンダムが乗り換え対応機体である事。そのためイベントが起こるマップ以外では他の優秀なパイロットに割り当てた方が有効であり、本人は放置されるケースも少なくない*5。ただし精神ラインナップが優秀でSPも豊富なため、精神コマンド多用の戦い方をすれば、決して使えないパイロットではない。
  • 本作は製作期間が比較的短く、前作からのシステム流用も多い事から、このような多数のバグを抱える事になってしまったと思われる
    • また、いずれもバグも中盤~終盤までプレイしないと発生・確認しにくく、また100%確実に発生するものも存在する事から、テストプレイやデバッグをしてないものと思われる。
    • なお、廉価版やPREMIUM EDITION、PSN配信版ではいくつかのバグが修正されている。
      • 有志による検証では、パーツバグ、宇宙35話フリーズバグ、バザー値段バグ、グレタ・ガリーバグ、VF-11ガンポッドバグ、ギャロップ消失バグは改善されている。

システムの粗

  • 改造関連
    • 改造による機体性能の上昇が倍率を掛ける仕様になったため、元の能力値が極端に低い機体は改造を施しても殆ど成長しない*6
      • 弱い機体ほど強化パーツの余裕が多いため、パーツで補えるため、そちらに任せるという手もある。
    • 全武器一括改造になった事とあわせて、武器改造の費用対効果が前作よりも圧倒的に低くなった。このため爽快感がない、前作のような個別方式の方が良いという否定的な意見も出た。
    • 元が弱い機体ほど機体への愛(改造資金)で改造効率が良くなるのはともかく、最終的に主役機を超える性能になるのには難色を示すプレイヤーも。
      • 特にガンブラスターとトーラスの性能は凄まじく、改造費が安く・攻撃力がそこそこあり・継戦能力も高く・パーツスロット4つ・飛行可能・更に多くのパイロットが乗り換え可能…と全く隙が無い。弱点はマップ兵器がなく、主武装がビーム兵器であり、攻撃力が(強力ではあるが)頭打ちになる事ぐらいか。
      • この現象はPSハードでの次回作『IMPACT』でも発生している。しかしこちらは改造段階が多い故に改造費用がかなり高く、またパーツ売買システムがない事から機体性能のフォローも難しくなっているため安易にはできなくなっている。ただし、資金、パーツがそろった最終段階の強さは本作以上。
  • 命中関連
    • 運動性の仕様変更は、スーパー系や戦艦系にとっての評価点・改善点となった一方で、別の問題点も生まれた。
    • 運動性の強化で命中率を能動的に補強できなくなったため、一部の高回避を持つボス敵が非常に大きな壁となった。
    • 具体的には、能力値が高い上に特殊技能「カテゴリーF」を備え、更に頻繁に防御・回避を行うフロスト兄弟が代表格。また難ルートのラスボスも該当する。
    • 精神コマンド「必中」があるのならそれを使えばいいのだが、割を食ったのは「必中」を持たないリアル系パイロット達。「集中」では命中率上昇が追いつかず、それらが売りのボス相手には非常に苦戦することに。「相性の存在」または「ボスの強さの表現」という意味では正しいかもしれないが、不満は多く出た。
    • ただし、今回「命中率が上昇する強化パーツ」が前作よりも非常に入手しやすいため、こちらと集中を併用すればいくらか改善できる、が存在が地味、もしくは複合効果の一部なため、考慮に入れられることは少ない。
    • 結果として、「仕様変更したのはいいが調整不足」といわれている。回避を敵の強さとして生かすのはいささかストレス性が高すぎた点と、補強はちゃんとできるが、それが目立たなかったことが難点か。次回作では特殊技能の補正(後述)がほぼ従来通りに戻ったことや、バランスや精神コマンドが整備され、あまり命中率に悩まされる事はなくなった。
  • 動作関連
    • マップ上では何故か軽度の処理落ちが常時発生しており、カーソル移動・ユニット移動・精神コマンドのエフェクト等がのっそりしている。
    • また、本作では簡易戦闘アニメの演出が強化されたせいで長くなっており、それに上記の処理落ちが加わるせいで非常にテンポが悪い。
    • コンティニュー時のロード時間も長くなっており、テンポの良さやストレスの有無の面では前作『α』から大きく劣化したと言える。
  • ボスユニットの行動
    • 本作ではより戦略性を深めるため、ボスユニット等がこちらの攻撃によって回避や防御を選択する仕様になっている。
      • ダメージと敵HPを計算し、援護や精神コマンドを駆使して撤退ボスを倒そうとするも、防御・回避を選択されたせいで…という事態が頻発する。
      • 戦略の練り直しになる他、セーブ・リセット・ロードへの依存も強まり、更には上記の通りロード時間が長い…という悪循環に悩まされがち。結果、意欲的な試みではあったものの、ゲームとしての面白さには繋がらなかった。
    • 本作では(主に終盤の)ボスの強さを演出するためか、一定ダメージを与える度に精神コマンドを発動するようになっている。
      • これ自体は『α』にも見られた要素だが、『α』は最終ステージのボス2体のみであり、使用する精神コマンドも「ド根性」のみであった。
      • また、戦法次第は「ド根性」の使用を無視し、一撃での撃破も可能だった。無論入念な手間と準備が必要であり、決して簡単ではないが。
      • しかし本作では「ド根性」どころか「熱血」や「鉄壁」といった、多数の精神コマンドを大量に使ってくる。しかも1度や2度でない。
      • 「普」ルート最終ボスを例にすると、HP80%以下で「熱血」「必中」「閃き」を、HP60%以下で「熱血」「必中」「閃き」「根性」「気合」を、HP50%以下で「魂」「集中」「鉄壁」「気合x3」を、HP40%以下で「魂」「必中」「閃き」「ド根性」「鉄壁」「覚醒」「気合x2」「補給」を、と怒涛の勢いで使用してくる。しかもボスどころか取り巻きの中ボスですら(軽度ながら)使用してくる。勿論これは「普」ルートでの話であり、「難」ルートだと精神ラッシュ回数や使用する敵の数が増大する。
      • 特に「必中」や「鉄壁」等の持続系コマンドが非常に厄介であり、「ひらめき」がほぼ必須になるか、ターン経過による効果の解除を待つ必要がある。ボスユニットは大抵「HP回復30%」を備えており、それに「根性」「ド根性」が加わるため、これまで与えたダメージが大幅に消えてしまう。前述の与ダメージ減少により「大ダメージによる精神コマンドラッシュの無視」も非常に難しい。
      • ただし、一番厄介な「鉄壁」を使用させずに撃破することは、ゴール(ラスト手前の大ボス)以外には通常プレイでも可能。ひらめき持ちのボスキラーメンバーを選抜するなどの計画を楽しむユーザーも少数ながらいる。
      • 恐らくHPを16ビット以内(65536以内)に抑えつつ、それ以上の耐久力を実現させるため、もしくは前作の「一撃で倒せる」という声を受けての調整だと思われるが、今度は逆に「難しすぎる」「ウザすぎる」「理不尽」という声が上がってしまった。前作は手軽な難易度とテンポの良さで大量の新規ユーザーを獲得していたため当然であろう。
    • 不評だったせいか、どちらの仕様も以降の作品では殆ど採用されなかった。
      • 前者は「特定イベント・状況で出現する敵のみ防御や回避を行う」という、従来通りの仕様に戻された。
      • 後者は精神コマンドラッシュではなく、状態異常効果・HPの多さ・攻撃力や命中率の高さ等でボスの強さを演出するようになったが、これにも賛否が分かれた。なお、それらのボスの中にも精神コマンドを使うものはいるが、攻撃系精神がほとんどで、ド根性などの使用は1度程度になっている。
  • 技能補正関連
    • 「ニュータイプ以外は人にあらず」と言われた『F』を反省し、前作では回避命中補正を得られる技能の効果が低くされていた。
    • ニュータイプ(以下NT)を例にすると、『F』のNT補正は命中・回避共にLv9で+43%だったのに対し、前作のNT補正はLv9で+30%である。
    • しかし本作ではこのNT補正がやたらと高く設定されており、Lv9の命中補正は前作を超える+35%、回避補正のLv9に至っては『F』をも遥かに超える+70%もの超強烈な補正を得られる。
    • 普通にプレイしていて最大Lvまで上がり切る事はあまりないが、それでもあまりに高過ぎる。前作における最大補正の+30%は、本作におけるLv4である。
    • 上記のフロスト兄弟が鬼のように高い回避率を持っているのはこれが原因である。前作のように命中補正と回避補正が同数値なら、NT持ちパイロットに相手をさせる事で対処できたが、本作では命中補正と回避補正の間で2倍もの差があるためこのような事になってしまった。
      • ただし、回避+運動性が限界以上になった時に赤い警告は出るものの、実はレベル制の技能補正の分も限界に影響されるため、見た目は問題なくても限界に引っかかっている状態になるという罠もある。
      • また敵側の機体は限界のパラメータが味方に比べると低めであり、実はその回避補正をフルに活かすことができないという一面もある。
    • また、これは自軍でもNTと非NTで大きな格差が生まれてしまったという事でもある。『F』で散々指摘されていたNT格差を再燃させてしまったのは情けないと言わざるを得ない。一応、前述の技能や精神などで主役級ニュータイプと他との調整もされているが、それでも回避が圧倒的すぎる。
    • なお、各種媒体にはどちらも「最大で+35%」と書かれているため、この高すぎる回避補正はバグである可能性が高い。
    • そもそも前作から引き続き存在する、ガッツ(HP1/4以下で命中・回避・クリティカル率共に+50%される)の存在もあり、命中回避に関してのバランスは技能に依存しすぎており、大雑把すぎる点が目立つ。
  • ダメージ計算式に組み込まれた「距離補正」の存在。
    • 射撃武器を撃った後に距離が遠ければ威力も減衰するだろう、という事なのかもしれないが…。
    • 「武器の最大射程と攻撃距離の差が大きいほどダメージが高くなる」ため、多少攻撃力が低くても射程が長い武器を接近して使ったほうが強いという、やや直感に反するおかしな結果になる。後の作品では廃止されている。
    • 例えば、本作では射程1のビームサーベルで斬りつけるよりも、最大射程4のビームライフルを隣接して撃ったほうが有効というケースが頻出する。最大射程が8以上の武器を隣接状態で撃つと20%以上の高い補正がかかる。
    • その為、ウォーカーギャリアのICBM投げ(フル改造で威力5600、射程1~8。かつ主人公のジロンが『魂』もち)を隣接して放つととんでもない威力になる。
    • この「距離補正」は敵に対しても機能する。一例としてラスボスの最強武器の射程は12という破格の数値を誇る為、並のユニットでは到底耐えられない火力を持つ。
    • ただしファンネル類やマップ兵器にはこの距離補正がかからない。
  • 援護関連
    • 援護の参加キャラ、使用武器が自動選択であり、援護攻撃時に想定外の強力な武器を参照されることが多々ある。
      • これでも「相手の現在HPと自分の残EN、弾薬を考慮している」のだが、「援護を受ける側の攻撃命中を考慮していない」であるため、無駄に強力な武器を使いがち。燃費の悪いユニットはなかなか困ったことになる。
      • また、ガンダムX系ユニットに援護させようとすると、使える場合は必ずといっていいほどサテライトキャノン系の武器が参照されてしまうので、配置も考えなくてはならない。
    • 難易度が高いと、ボスが援護防御用ユニットを大量導入してくる。そして、そちらを狙うとボスがかばうなど、非常に手間がかかる。
      • 援護防御を崩す手段もあるにはあるがマップ兵器のみ。つまりマップ兵器を持つユニットの強さの比重が、難易度が高いと恐ろしく上がってしまう。スーパーロボット大戦シリーズ共通の問題ではあるが、やはりマップ兵器がこの点でも強力すぎる。
      • なお後のシリーズでは、「コンボ」「ダブルアタック」「直撃」などのマップ兵器以外による、援護防御突破手段が設けられている。
  • その他
    • 前作で強力だった機体が弱体化された。これ自体は当然の処置だが、かなり極端な弱体化をされており、「他を使った方がマシ」とまで言われた。
      • その筆頭が、前作でボスキラーとして大活躍したダンクーガ。HP・EN・運動性いずれも主役スーパーロボット系で最も低く、また燃費が致命的なまでに悪化し、そこまでして撃った必殺技の攻撃力は野生化ありきでも微妙。さらに武器改造費用もトップクラスの高さである。精神コマンドも熱血・気合の習得者が減った(『α』では4人全員が習得できた)ため「開幕直後から最大火力が撃てる」という運用方法までも剥奪されてしまった。ただし、分離状態での強さがダメージバランスや改造連動などの要素で格段に上昇したため、別の強さも得た他、有用な支援系精神コマンドも覚えるのが救いか。シナリオ上の影も薄く、『第3次α』の中断メッセージでネタにされたほど。
      • νガンダムは機体性能控えめ、メイン武器の地形適応が低い上に距離補正も掛からない、武器改造費は高めとあまりにも使い辛い。*7到底実用に耐えられるものではなく、これまで本機の割を食っていたゼータや、比較的入手条件が緩いキュベレイやガンブラスターに乗り変えた方がよい(なお換装でHWS装着型、別機体でHi-νガンダムも登場し、そちらはある程度は強い)。
      • ウイングガンダムゼロ・トールギスIIIも大きく下方修正され、特に燃費が超悪化。「ENをフル改造しても主武装を4発しか撃てない」というあまりに酷い調整を受けた*8。ウイングゼロはマップ兵器があるためまだいいものの、トールギスIIIは倉庫送りにされ、ゼクスは先述のトーラスに乗せられる事が多い。
      • 一方で、前作でも強かったデスサイズヘルカスタムは、メイン武装の射程が5(前作は3)、武器使用制限なし、クリティカル+40%とさらに強化されている。ただし、メインパイロットのデュオが魂を覚えなくなった。
      • さらに、ガッツ持ちリアル系であり、前作で凄まじい強さを誇ったイサム、フォッカーの2人は2回行動の廃止でそちらの早期習得の利点こそなくなったものの、微妙なマップ兵器がなくなっただけの弱体化にとどまっている。フォッカーに至っては指揮を持つためより重要性が増したと言っていいが、バルキリー系パイロットは柿崎を除き「ひらめき」を持たないため、命中の高い、もしくは「必中」使用後の敵ボス相手が苦手という形でバランスがとられている。
    • ガンダムX・ガンダムDXのサテライトキャノンは、ゲームバランスの兼ね合いで独自のシステムが搭載されている。
      • その中で最も問題点とされているのが「月が出ていないとサテライトキャノンを撃てない」という点。
      • 「難」ルートでは月が出ているマップが激減するため、月がないとサテライトキャノンを撃てないこの2機は、隠し武器を入手しないと攻撃力が大幅に低下してしまう。
      • ガンダムXはディバイダーに換装できるため使っていけるものの、隠し武器を入手してないガンダムDXは「難」ルートだとほぼ戦力外となってしまう。
      • 加えて、難易度「普」だと最終MAP後半で月がでてないので、ここでも戦力外となってしまう。

シナリオの問題

  • 外伝という作品の性質上、前作をやってるかその元になった原作を知らないと理解困難な展開がある。
    特に、本作のストーリーの大前提となっている「イージス計画」が前作のクライマックス(前作参戦の『トップをねらえ!』の太陽系絶対防衛戦をベースにした展開)に由来する物なので、これを理解できないと導入部からいきなり躓くことになる。一応、オープニングの字幕や序盤のキャラの会話で説明はされるのだが。
  • 『ザブングル』『∀ガンダム』がいい感じに原作再現されている一方で、『ブライガー』『ガンダムX』はやや不遇。
    • 『ガンダムX』はDVEが豊富に用意されており、シナリオ上でもよく目立つ。
      • しかし原作のアルタネイティヴ社や宇宙革命軍が存在しないため、キャラクター数や原作再現は上2つに比べると控えめ。
      • 真に問題点なのは原作再現より機体である。原作勢力が存在しないため敵機体が非常に少なく、なんとライバルのフロスト兄弟ですら後継機が用意されていない。開発期間や世界観との兼ね合いもあるだろうが、原作におけるライバルがこのような扱いを受けるのは流石に見過ごせない問題である。
    • 同様に『ブライガー』もDVEが多く、シナリオ上での活躍の機会は多いが、原作再現は著しく少ない。
      • 登場キャラクターは僅か10人以下であり、登場機体に至ってはブライガー・雑魚・ボスの3機しかいない。「新しい銀河の創造」という壮大な計画を持っており、原作ではそれを成功させるというとんでもない悪役であるカーメン=カーメンも序盤で顔見せをした以降は終盤まで登場せず、その終盤も2回しか戦う機会がないというあんまりな扱いである。
      • 最終決戦も「突然上空から現れていきなり始まる」というものであり、作中ですら「都合のいい展開(意訳)」と言われる始末。内容も突然現れて目的をべらべら喋った後、ボーナスステージのような戦い*9を経て終了…と凄まじいやっつけ感が漂う。折角のDVEも全く盛り上がらない。
  • 前作で散々思わせぶりな言動をとり、ストーリー上の重要要素と思われた『ジャイアント・ロボ』関係のキャラや設定がすべて未登場。
    • これは版権の問題があったようで、続編では本来敵のボス、ビッグファイアに当たるであろうキャラがオリジナルキャラに変わっている。
  • 同じく最大の脅威と描かれていた宇宙怪獣やゼ・バルマリィ関係も今回はノータッチ。
    • こちらは『第2次α』以降でストーリー展開されたが、前作で未解決の問題が外伝とはいえ丸々スルーされたので、気にしていたプレイヤーは相変わらず疑問が残ったままに。
      • ただし、本作で中途半端にネタを振るような事はなかったので、作品内で変なしこりを残す結果にはなっていない。
  • 『魔装機神』も本作を最後に退場。その後の展開にもやもや感が残った。
    • この背景には版権の問題が存在していた。この後も形を変えながらも同様の問題が起こっており、さまざまな権利関係が交錯するこのシリーズ特有の問題点といえる。

図鑑登録の不便さ

本作では前作αと異なり、ユニットが図鑑登録されるためにはそのユニットが実際にMAPに出なければならない。
そのため、バザーで売ってる弱小ユニットなども「登録の為に出撃」→「クイックセーブして登録」→「再度インターミッションにて準備」としなければならない。

  • 序盤に易ルートでリュウセイの乗る「量産型グルンガスト弐式」は、敵として登場したものが戦闘MAPにいても登録されず、序盤の2回、後半の選択ルート中でしか登録できない。(普、難ルートの2機の方は難ルートに行けば加入する。)
  • こうした仕様の為、登録率100%にするのはなかなか不便。
    • それでも初期の分岐で後半に影響する要素がほぼないため、熟練度による登場分岐直前のセーブを活用して熟練度を調整すれば、最短2周で図鑑100%が達成可能。シナリオも短めなので隠し要素が多めのスパロボとしてはかなり達成しやすい部類に入る。もちろん、そのためにはMAPに出さなければいけないが・・
    • スパロボの図鑑は一部ユニット・キャラが登録されない(『α』、『第3次α』等)不具合がよくあり、その後パーセント表示は廃止されてしまった。

総評

「援護システム」「武器の一括改造」「二回行動の廃止」など、現在まで受け継がれる多くのシステムを据え置き機ハードで採用した初のスパロボである。スパロボの歴史における、ひとつのターニングポイントと言ってもいいだろう。
魅力的なシナリオやド派手な戦闘アニメも素晴らしく、特に後者は前作に驚かされたプレイヤーですらも感動させたほど。

しかし簡易戦闘アニメのテンポの悪さやロード時間の長さ、練り込み不足の新システム等、決して無視できない問題点が多数存在するのも事実である。
特にゲームプレイ・ゲームバランスに多大な影響を与えるバグの存在は決して擁護できるものではなく、完成度はむしろ低いと言える。
戦術的な思考が要求される高難度も、やり応えを求めるユーザーからは一定の評価を得たが、それさえも一部はバグの存在によって成り立ったものではある。
また、なまじ前作が優しめの難易度で大量の新規ユーザーを獲得していただけに、その難易度も好みが別れるところである。

魅力的な多数の評価点があるが、それと同等かそれ以上に問題点も多い一長一短な作品と言える。今からプレイするのならば、バグ情報だけでもネット等を通じて押さえておく事を薦める。予習として前作『α』からプレイするのもいいだろう。


余談

  • 後にOGシリーズでは本作のゼンガーを元にしたキャラクター「ウォーダン・ユミル」が登場し、ゼンガーVSゼンガーという非常に濃い組み合わせも生まれた。