【さいれん】
ジャンル | ホラーアドベンチャー | |
対応機種 | プレイステーション2 | |
発売・開発元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント | |
発売日 | 2003年11月6日 | |
定価 | 6,090円 | |
配信 | PS2アーカイブス:2012年8月7日/1,200円 | |
分類 | 良作 | |
SIRENシリーズ:SIREN - SIREN2 - SIREN:NT |
三方を山に囲まれ、外界との接触を拒むかのように存在する内陸の寒村、羽生蛇(はにゅうだ)村。独特の土着信仰や伝承を持つこの村が物語の舞台となる。
1976年8月2日深夜。大規模な土砂災害が発生し、村に甚大な被害をもたらす。 災害から27年後、2003年。夏休みを利用し、村に関する都市伝説を確かめるべく東京からやってきた高校生「須田恭也」や、自らの学説を裏付ける為に村の秘祭の調査をしにきた民俗学者「竹内多聞」らが村を訪れる。
8月3日午前0時、村の四方を囲うように出現した赤い海からサイレンの音が鳴り響き、羽生蛇村は外界から隔離された異界と化す。異界化に伴って現れる異形、赤い水の影響によって人が変貌した存在「屍人」。 人々は状況的に、そして精神的に追い詰められながらも、人として生きるために絶望的な戦いに身を投じていく。
これは人でありたいと願い、人として生きたいと祈る人々の群像劇である。
SIRENは昭和78年(作中では「昭和」の年号が続いている設定)の日本を舞台に、土着的・民俗的なモチーフを題材とした3Dアクションホラーゲームである。
一種のテレパシーのように敵が見ている映像を盗み見る、「視界ジャック」というシステムを特徴としている。
難解なストーリー構成や謎をあえて残したまま終わるエンディング、また近年の和製ゲームの中でも群を抜いた難易度などは賛否両論あるものの、ホラーゲームには珍しい日本的テーマや独特のストーリー、挑戦的なシステムなどから一部で熱狂的な人気を集めた。
「怖すぎて放送中止になったCM」(*1)でご存知の方も多いであろう。
+ | 「怖すぎて放送中止になったCM」 |
ディレクターは外山圭一郎氏でシナリオライターは佐藤直子氏。 このコンビは『SIREN』の前に『サイレントヒル』を手掛けた。コンセプトが少し似ているのも頷ける。
+ | ネタバレ注意 |
+ | 顔の裏(ホラー苦手な方は注意!) |
高すぎる難易度とシナリオ展開は人を選ぶと言え、初心者にお勧めするには厳しい一作かもしれない。
しかし、コアなホラーゲーマーにはシナリオにマッチした絶望的な難易度と斬新なシステムの数々、高い質のグラフィック・演出がとても魅力的に映る作品である。
何よりもキャッチコピー通りの「どうあがいても、絶望」な展開と和製ホラーの恐怖演出をしっかりと押しだしているのがにくい所である。
やりこんでいくたびに得られる情報がどんどん増えていき、シナリオの緻密さにぐいぐいと引き込まれていくホラーゲーム史上に残る傑作と言えよう。