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ゼノサーガI・II - (2020/12/25 (金) 22:30:15) の編集履歴(バックアップ)
ゼノサーガI・II
【ぜのさーが わんつー】
ジャンル
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コンピュータRPG
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対応機種
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ニンテンドーDS
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発売元
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ナムコ
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開発元
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モノリスソフト トムクリエイト
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発売日
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2006年3月30日
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定価
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5,229円(税込)
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判定
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良作
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ゼノシリーズリンク
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概要
タイトル通り、PS2で発売されたゼノサーガシリーズの『エピソードI』と『エピソードII』の2本を1本の物語に纏めた作品。全20章で構成されている。
本作品は旧ナムコが販売した最後のコンシューマーゲームソフトである。
変更点・追加システム
基本システムはエピソードIを基準にし、様々な点が追加、修正されている。
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シナリオは完全に再構築され、両エピソードはエピソードIでの主人公「シオン」の視点に一本化されている。PS2版でその他のキャラの視点でプレイした物語は「サイドストーリー」として別枠扱いとなっている。
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PS2版は『I』は原作者の高橋哲哉氏が『ゼノギアス』に続いて自ら手掛けていたが、『II』では原案・監修の立場に退き、米坂典彦氏がシナリオを担当していた。対して本作はアニメ版ゼノサーガの脚本を担当した竹田裕一郎氏がシナリオの再構築・執筆を行っている。
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特に批判の多かった『II』の物語は大幅な改良が加えられており、実質的に別作品といえるほどの内容になっている。
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ミニゲームの追加。一度体験すれば好きな時に再プレイできる他、高得点を取れば景品も貰える。尚、これらのミニゲームは全てタッチペンを用いる。
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DSというハードのため、PS2版のように3DCG画面ではなく、クオータービューの2Dドット画面で移動する。そのためマップはPS2版に比べて全体的に規模が小さくなっている。
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戦闘への突入方法がPS2版ではシンボルエンカウント方式だが、今作はランダムエンカウント方式になった
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陣形システムの追加。戦闘時に各キャラを特定の位置に配置することにより、なんらかの効果を得られる。中には特定のキャラがいなければ発動しない陣形も。ゲームを進めるに連れて新たなフォーメーションを教えてもらえる。ちなみにES戦(ロボ戦)時も有効。
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『II』のシナリオ突入後もKOS-MOS以外は『I』のデザインのまま
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色々な意味でプレイヤーを騒がせたM.O.M.O.の変身は無くなっている。
評価点
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突っ込みどころの多かった『II』の大幅な改良。
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今作にて初めて明かされる重要な情報も多く、見事な補完がなされている。これは原案者である高橋氏とライターの竹田氏との綿密なやりとりによってなされた改善であろう。
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また『I』の部分も「特徴の薄かったキャラクターの描写の追加」「『II』に登場するキャラの一部先行登場」などの変更が行われている。
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全体的にキャラの心理描写が増えているなど、「ムービーで見せる」ゲームから昔ながらの「テキストで読ませる」ゲームになった事で、ドラマチックな演出と引き換えにプレイヤーに理解し易い作りになっている。
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『II』で撤廃されてしまった用語集が復活。更にはテキスト内で本作の造語や専門用語の意味をその場で検索、閲覧できるようになった。
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専門用語が多いストーリーのため、その場で調べられるのは大きく、複雑な設定が理解しやすくなっている。
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PS2版でナレーションで片付けられた中盤部分はバッサリとカットされ再構成された。唐突な時間経過とその間の出来事は1つの事件を除き全てカット。その事件は前回のイベント直後に発生するように変更され、そのままその足で次の地へ向かうようになった。引き換えにE.S.ディナの登場が唐突になってしまったが。
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PS2版ではラストダンジョン~エンディングの流れがほぼイベントのみで、ラスボスもイベントバトルのようなものだったが、本作ではラストダンジョン、ラスボス共にその役割に恥じないものに改められている。
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ラストダンジョンはPS2版と違って全員で参加し、雑魚敵とのエンカウントもするし中ボスもいる。そしてラスボスは最終決戦に相応しい強敵となっている。
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尚、本作のシナリオは高橋氏の原案を尊重したものである。高橋氏本人がシナリオを書いていた『I』に比べ、『II』はPS2版がどれほど弄繰り回されていたのか、本作と照らし合わせるとよく判る。
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主人公シオンも『II』以降の不快な性格ではなくなり、最後まで技術士官として、真っ当な人間として描かれている。ヒステリックな行動を取る場合でも、それに関する心理描写はしっかり描かれているため違和感を感じづらい。
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戦闘も『I』や『ゼノギアス』と同じボタンの組み合わせで必殺技を繰り出すシステムでとっつきやすい。
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2DRPGになった関係上、必殺技演出はシンプルになったがその分スピーディーで『I』の問題点だったテンポの悪さも解消されている。戦闘テンポはシリーズ中でも『III』と並ぶ快適さ。
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また陣形の効果は数多く戦闘自体はなかなか光る要素も多い。
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尚、『II』からの仲間キャラであるジンの必殺技をコマンド入力で出せるのは本作のみである。
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音楽はアニメ版の作曲担当であった山下康介氏が作曲。
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DS音源のためややチープに感じるかもしれないが、完成度自体は高い。雰囲気にもマッチしている。
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携帯機のためほとんどどこでもセーブすることが可能。
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グラフィックの鑑賞など本編の寄り道以外のオマケは充実している。
難点
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スペックの問題で、ボイスは掛け声くらいしか収録されていない。エンディングにも主題歌は無し。
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難易度はあまり高くない。
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レベルも比較的サクサクあがり、必殺技のショートカットコマンドも強化が容易なのですぐできるようになる。無料回復ポイントも多い。そのためあまり苦戦することがなく、硬派なプレイヤーは物足りない部分もあり、せっかくの戦闘システムを歯ごたえのある形で楽しめない。
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イベントスロットのボーナスが経験値倍率増加になった上、コンボを応用すると4倍や10倍にもなり得るため、これをボス戦で活用すると一気にレベルが上がってヌルゲー化してしまう。
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ただ逆に言えばストーリーをサクサク進められるため、物語のおさらいをしたいプレイヤーには利点とも言える。また、必殺技強化を縛るなどすれば少し解消できる。
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ES戦時の攻撃モーションが、誰を乗せていてもあまり変化を感じない。
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変更点でも触れられているが、マップはスケール感が無くなり閉鎖的。そのせいかビジュアル的には壮大さが感じられない。
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ミニゲームは(据え置きと比べるのは酷だが)PS2と比べあまり良い出来ではない。あくまでもオマケ的な扱いと考えるのがいいだろう。
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サイドストーリーの最後のエピソードがあまりにしょうもない。
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詳細
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脇役視点で進むのだが、ひたすら擬音が乱舞した挙句「最後なのにこんなんでいいのか?」というメタ発言で締めくくられる。一種のコメディシナリオなのだが、これが読めるようになるタイミングが「最終決戦手前」というシリアスなときなので余計に批判が強い。
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上記の通りPS2版でシオン以外を操作していたシーンはサイドストーリーにまとめられた。その為、小惑星プレロマ、U-TIC戦艦、エルザ内での戦闘と言った『I』の物語前半のダンジョンやイベントの多くが削除され、新たに追加された要素を加味しても(『I』部分に関して言えば)ボリュームダウンしている。
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また、エピソード1終盤の二つのダンジョンが合体して登場する為、これもまたPS2版に比べると物足りない印象と言える。元々その二つのダンジョンは一つであったが、PS2版では演出やゲーム性を重視して敢えて分けていた。
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『I』の搭乗ロボットであるA.G.W.Sに乗れなくなった。従って、ロボットバトルを楽しめるのはE.Sが登場する『II』のシナリオに入ってからである。
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尤も、PS2版の『I』でもA.G.W.Sの重要性は低く、乗らずともクリアは十分可能だったが。
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また、本編の名物とも言える「エルデカイザー」は登場しない。ハカセとスコットクンは登場するものの、サブイベントで関わって来る事も無い。
総評
ストーリーを含め、あまりのお粗末さから酷評を浴びる事となった『II』部分が丸々作り直されたため、ストーリーの出来は非常によくなった。
PS2の『III』は(マシになったとはいえ)残念ながらお世辞にも出来が良いとは言えず、シリーズ全体のストーリー補完もキッチリできていないため「これ(DS版I・II)の続編のIII、もしくは、『ゼノブレイド』のシステムを使った三部作の集合作品を作ってほしい」とするファンの声も多い。
据え置き機から携帯機になりグラフィックなどのハード的制約が増えたが、内容は劣化するどころか不満点や遊びやすさなどが大幅に改善された作品である。
『I』に関して言えばその制約故に劣ってしまっている部分も少なくないが、それでも総合的にはゼノサーガの重厚なストーリーを快適且つ判り易く楽しめる良作と言えるだろう。
余談
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本作のシナリオを担当した竹田氏は後年の『ゼノブレイド』シリーズにも参加しており、再び脚本を執筆するようになった高橋氏とのコンビの手腕がそちらでより一層発揮される事になる。
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シナリオの評価が良いとは言えない『ゼノブレイドクロス』の例もあるが、『II』のような酷評されるような出来の作品は無く、いずれの作品も安定感のあるシナリオとなっている。