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ケツイ デスレーベル - (2016/07/06 (水) 06:18:30) の編集履歴(バックアップ)


ケツイ デスレーベル

【けつい ですれーべる】

ジャンル 弾幕シューティング
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 アリカ
開発元 ケイブ
アリカ
発売日 2008年10月23日
定価 5,800円(税5%込)
プレイ人数 1~8人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ケイブ弾幕系STGリンク?


概要

ケイブの人気弾幕STG『ケツイ~絆地獄たち~』初の家庭用タイトル。

当時、アリカは『ケツイ』をPS2へ移植しようと考えていたが、完全再現できない部分があるため不可能と判断されお蔵入り状態だった。
そこでボス戦だけに的を絞ってDSに移植という搦手を用いて発売されたのが本作である。

特徴

前述の通り、本作は『ケツイ』における中ボス、ボス戦のみに的を絞って移植されている。

  • ゲームにはシングルプレイと多人数でプレイ出来るマルチプレイ、リプレイを残せるリプレイモードが用意されている。
  • シングルプレイには複数の難易度コースが用意されており、基本的にはコースごとに指定されたボスを順番に全て撃破し、新たなコースを解放していくという構成。
    • クリア/ゲームオーバーのどちらかまでプレイしきると初期残機がコースごとに最大20まで追加され、その周回で満たした条件により後述する「EVACリポート」のパネルが解放される。
    • 登場するボスは原作の登場順とは関係なく、終盤のボスの後に1面のボスが登場するなどの変則的編成にアレンジされている。1度遭遇したボスはトレーニングで何度でも再戦可能。
    • 初期出現しているコースは3つ。そのうち一つはACの真ボス「光翼型近接支援残酷戦闘機エヴァッカニア・ドゥーム」のバリエーションと連戦する「DOOM MODE」として攻略ルートから独立している。
  • マルチプレイは、1VS1の「VSモード」と最大8人で協力プレイする「絆モード」の2つが用意されている。
    • 「VSモード」は後述するEXTRAコースを易化したような専用ステージで稼いだ倍率を競う。倍率差を示すゲージが5秒間振りきれると決着、ステージ完走しても決着しなかった場合エヴァッカニア・ドゥーム戦のサドンデスになる。
    • 「絆モード」では画面下部にゲージが表示され、このゲージがなくなるとランダムで選ばれた次のプレイヤーに交代していく、というリレー形式のシステムになる。またノーミス時間によってボムが支給される。
  • 攻略内容がACと大幅に違う事もあり、基本システムも変更されている。
    • ACでは道中で稼いだ倍率チップを保った状態でボスを速攻するのが重要だったが、今作では道中がないためボスにショットを当てると倍率チップが出現する。
      近づくほど高いチップが出現する点はAC同様だが、所謂「着火」*1はないため、いかにしてボスの近くをキープし続けるかが重要となる。
    • オートボムが搭載。発動すると所持しているボムを全て消費して1回分撃墜を回避し、一定時間敵弾にスローがかかる。オプションからON/OFFの切り替えも可能。
    • ボムの効果が「敵弾を消して倍率チップに変換する」という稼ぎ用のシステムになった。これに伴いボムはステージごとに最大まで補充される。ノーミスでクリアするとボーナスでもう1発追加される。
    • ACではAタイプとBタイプで当たり判定の大きさが若干違ったが、今作では同じ大きさになっている。
  • 珍しくおまけ要素も搭載。
    • 「EVACリポート」は前述の通り、ゲームプレイで条件を満たすとパネルが解放されていく。パネルを全て揃えると各ボスのデザイン画が完成し「おしえて! IKDさん!!」の内容が解禁されていく。
    • 「おしえて! IKDさん!!」はメインプログラマーの池田恒基氏本人によるゲームの解説やACのプレイ動画を参照できる。主人公たちとの貴重な会話シーンも見れる。

評価点

  • ボス戦のみに的を絞ったおかげで弾幕は若干アレンジされつつも再現されている。
    • 難易度が低いとさほど弾も出ないが、最終的にはやっぱりAC相当の弾幕が展開される
    • 最高難易度クリアで登場する*2「EXTRA」では、まさかのAC版のSTAGE5がまるごとプレイ可能。敵配置が別物になっているものの、AC版の雰囲気を味わうには十分な内容に仕上がっている。
      • 例えば中ボス後の道路のあたりはスカイフィッシュ(雑魚戦闘機)ではなく大量の陸戦車が現れる等、ゲームとして違和感無く面白いアレンジが効いている。たまにやたら移動速度が速い戦車も混じっており、「チョロQ地帯」なんて呼ぶ人もいるそうな。
  • ハード性能の影響もあり、難易度は全体的に下方修正がかかっており初心者でも手軽にプレイ可能。
    • ボムの使用を推奨するシステムやオートボム、またEVACリポートの長期間解除*3といった救済も多く初心者にもかなり優しめ、弾幕STGの入門としても良いと思われる。
    • とは言っても難易度曲線などを考慮すれば十分バランスは取れており、中・上級者でも楽しめる内容に仕上がっている。
  • 「おしえて! IKDさん!!」がなかなか面白い。
    • 今作そのものだけでなく、AC原作版の攻略情報まで教えてもらえるため意外とためになる。
      文章だけでなく、イラストや実際のプレイムービーまで見せてくれるため非常に分かりやすい。
    • ちなみにユウマが初心者向け解説、スティールが上級者向け解説、アリスがAC版解説、エヴァンズマンが暴露話担当。
  • 地味に笑えるネタ要素。
    • ファンアイテム的な立ち位置ということもあってか、昨今のケイブらしいバカゲー的な要素も含む。例えば……
      • 「おしえて! IKDさん!!」で登場する池田氏は実写取り込み。地味にポーズのパターンも多いので爆笑必至。「おしえて!IKDさん!!」タイトル画面でエヴァッカニアの代わりに、たまに池田氏が登場することもある。
      • 「アリスに信頼を寄せている」「愛人が男性である」という裏設定通り、アリスを狙うロイド・エヴァンズマン(知らない人に解説すると、アリスとはパッケージやポスターにも登場している主人公の男キャラでありつまりそういう事である)。
        そしてそのエヴァンズマンの事情を知らず、根掘り葉掘り兄のことを聞かれ顔面蒼白するユウマ
      • AC版の知られざる不具合や仕様を暴露しようとして、池田氏にボコボコにされるエヴァンズマン。(ちなみにエヴァンズマンが暴露しようとした話は全て割と有名で、ネットで調べれば出てくるレベル。)
    • やたら多いエヴァッカニア・ドゥームのバリエーション。
      • DOOM MODE限定の「光翼試作型」「光翼型試作支援機」「光翼型近接支援残酷戦闘機」「光翼重装迎撃型残酷戦闘機」など。本作には約半数のコースに合わせこれらの機種が幅広い難易度に対応している。
      • 本作のコンセプトの1つに「気軽にドゥーム様と戦える」というものがあり、実際ゲーム開始直後にバトルへ直行可能(おまけにDOOM MODEコースは体験版にも搭載)。それでいいのか真ボス。
    • ちなみに原作は至極硬派なミリタリーものだったが、それ相応に濃い裏設定・ネタ要素(特にエヴァンズマン関連)があったのも事実。それをケイブファン向けにはっちゃけさせちゃったのが今作である。

問題点

  • やはりDSの画面では弾が見づらく、この点で無駄に難易度が上がっている。
    • 画面の大きさの問題で画面外にパーツが出ていたりする事が多いため、全パーツを剥がして撃破などが困難なケースがよくある。
    • 現在ならLLシリーズを使用する事で多少は改善可能。
  • ボムの仕様が変更されたため、AC版とは違った感覚でのプレイを要求される点はやや不評。
    • 緊急回避用ではなくスコア稼ぎ用であり、特に制限となる条件が存在しないため、ACとは真逆で積極的に使っていった方が得になっている。
  • トレーニングでは唯一エヴァッカニア・ドゥーム系列と戦えない。
    • かなり手軽にその一部に実戦を挑めるとはいえ、この点は惜しまれている。

総評

数少ない、というかほぼ唯一のDSで遊べる弾幕STG。家庭用ハードで『ケツイ』を遊べる最初のタイトルでもあり好評を博した。
「ケイブの弾幕を手軽に楽しむ」一点に関しては携帯機ということもあり最も優れている作品といえる。
加えてディープなファン要素もあり、STGライトプレイヤーからディープなケイブファンまで幅広く楽しめる一作である。

余談

  • 需要に反して生産数が少なかった。
    • ソフト全てにスペシャル攻略DVDが付属するためと思われる。現在はプレミアがついており中古でも定価以上、新品だと1万円越えということが多い(2014年1月現在)。
  • 後にXbox360とPS3向けに原作の移植版が発売された。
    • 収録されている資料や「おしえて! IKDさん!!」の存在から本作は現在はファンアイテム的な位置になっている。
  • 公式サイトでは「ガンナー」と表記されていたエヴァンズマンとユウマが、「おしえて!IKDさん」では「オペレーター」と名乗っている。