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ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド - (2022/04/12 (火) 17:16:05) の編集履歴(バックアップ)



ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド

【ぺるそなふぉー じ あるてぃまっくす うるとらすーぷれっくすほーるど】

ジャンル 対戦型格闘ゲーム
対応機種 アーケード
メディア Taito Type X2(NESiCAxLive)
発売元 アトラス(インデックス)
開発元 アトラス
アークシステムワークス
稼働開始日 2013年11月28日
プレイ人数 オフライン:1~2人
判定 なし
女神転生シリーズリンク

概要

  • ペルソナ4 ジ・アルティメット・イン・マヨナカアリーナ』(P4U)の続編にあたる。通称『P4U2』。
    • 続編ということもあり、前作に登場したキャラはもちろん、『ペルソナ3』ファンには嬉しい「岳羽ゆかり」「伊織順平」、オリジナルキャラとして「皆月翔」が追加された。
    • シナリオも前作からの流れを汲んでおり、前作では解決しなかった物語の真相が解き明かされる...はずだった。
  • システム面においては各種技の調整や追加、『シャドウモード』『Sホールド』などの新要素も追加されている。
  • 2015年1月15日にアーケード版の大幅アップデートが行われた。
    • 家庭用追加キャラクター「久慈川りせ」「天田乾」「足立透」「マリー」「マーガレット」の逆移植実装。
    • キャラ別のバランス調整が入り、前verで強すぎた・弱すぎた点をある程度修正しつつ全キャラに新たな戦法が与えられている。
    • シャドウモードのマイルド化、対戦時のSホールドシステムの削除、ボコスカアタックの自動連打など基本システムにも大きく手が入った。

追加キャラクター

  • 岳羽ゆかり
    • ペルソナはイシス。原作同様、弓と風属性の技を主に使う遠距離タイプ。
    • 直斗や雪子と同様に飛び道具を使った遠距離戦を得意とする。本体は直線的な軌道の飛び道具(弓矢)、ペルソナは設置型の飛び道具(竜巻)と役割が異なっており、本体の矢をペルソナの竜巻に当てると矢が相手をサーチして発射されるというギミックもある。
    • 体力・単発火力は低く近距離での選択肢も少ないので立ち回りでダメージを稼がないと火力負けしがちな点が弱点。またコンボ難易度はP4U最難クラス。
      • 上手くコンボに移行できれば火力はかなり高かったり、覚醒SPスキルの「マハガルーラ」から強制的に択を迫れたり尖った強みも持つ。
      • 立ち回り主体のキャラとしては小技や逆ギレが優秀で近距離の防御面も悪くはないが、打撃も弾も攻撃範囲が少々限定的。
  • 伊織順平
    • ペルソナはトリスメギストス。原作のまま両手剣だと鳴上と被ると判断されたからか野球少年だったという設定がフィーチャーされ、見た目・技ともに野球を強く意識したキャラクターとなった。
    • ペルソナによる遠距離攻撃と本体のバットによる近~中距離攻撃で連携していくというバランスの取れたキャラだが、全体的に技の性能がやや控え目な代わりに奇襲的な性質の技が多く、荒らし戦法を得意としている。
    • 特徴的なのは格闘ゲームとしては前代未聞な独自能力「野球システム」。バットによる攻撃を当てるとヒットでランナー出塁、SPスキルを当てるとホームランとなるなど攻撃を当てると野球よろしく得点が加算されていく。
      • ただし攻撃を空振りでストライク、相手の攻撃を被弾するとアウト(3アウトで走者リセット)となる。
      • 10点獲得するとスキル「勝利の雄叫び」が自動で発動。バットによる攻撃の打撃判定のうち一部の部位にクリーンヒット判定が付きコンボが伸ばしやすくなる(=攻撃力アップ&硬直増加)、HP・SPゲージが自動で回復するなど大きく強化される。
      • さらに得点はラウンドを跨ぐため、ラウンド設定が長い場合(3ラウンド先取制など)は、強化状態を長く持ち越して戦うことが出来る。
  • 皆月翔
    • P4U2オリジナルキャラクター。ペルソナは持っておらずC技は強力な打撃、D技は独自の回避アクションとなる。
    • 攻撃方法は剣を用いた二刀流。遠距離攻撃ではナイフを投げる。
      • 超高性能な移動技「高速移動」や高速移動から相互に派生できる「崩月斬」各種による奇襲や崩しが最大の特徴。
    • ペルソナがない代わりに、リーチ・スピード・平均火力・ラッシュ力・ガード崩しと攻めに関する能力が超高水準で纏まっている。
      反面体力は少なく、最大火力も伸び悩みがちなので事故りやすい。
    • 贅沢な悩みだがゲージ技が全体的に優秀すぎる故に使い所が悩ましい。固め崩し・切り返し・立ち回りに加え2.00ではコンボ面でも使い道が増えた。
    • コンパチキャラのミナヅキと比べると体力が少なく中~遠距離でやれることも少ない分、近距離で相手に強みを押し付けやすくガン攻めが強力。
  • ミナヅキショウ
    • 皆月翔と外見や武器は同じだが、口調や表情が異なり「ツキヨミ」のペルソナを持っている。
    • 皆月と同じく二刀流。ただし遠距離からの攻撃にペルソナが使用でき、奇襲などの戦法にも長ける。
      • 皆月に比べどのレンジでも立ち回れるが、近距離で迫れる択が少なく相手の動きを待つ必要が生じる。
    • 総じてハイスペックでまとまっている万能なキャラだが、ガードを固めてる相手を崩す性能がやや低い。
      • コマンド投げを持つもののダメージは低く、幻惑系の技も慣れるとそれほど早くはないため対応されやすい。
      • しかし打撃で始動した場合の火力は高く、ゲージ使用時やボコスカ始動時などは皆月を軽く上回り全キャラトップクラス。

前作からのシステム変更・追加点

  • 新スキルの追加
    • 全キャラに一個以上のスキル・SPスキルが追加され、キャラの動きの幅が広がっている。既存の技にもほとんどに調整が加わっている。
    • 完二の「イノセントタック」や直斗の「ベノンザッパー」、美鶴の「テンタラフー」といった原作再現度をより高めたものも多い。
  • A連打コンボの変更
    • 前作から登場した全キャラのノーマルタイプでは、A連打コンボの内容が変更された。旧A連打コンボはシャドウキャラのA連打コンボへと変化。
      • 他の通常技の性能変更もあったため、大幅にコンボ変更・開発が行われたキャラも多い。
  • 起き攻め関連の見直し
    • 前作で問題になっていた、鳴上・千枝による「D起き攻め(相手の起き上がりに合わせてDボタンでペルソナを出す戦法)」が弱体化。
    • シャドウラビリスの大屠殺ループ等対処を知らなければ一方的にハメられる起き攻めもやりにくくなっている。
  • ペルソナゲージの変更
    • 前作ではペルソナゲージは全キャラ統一であったが、今作からキャラ毎にゲージ総量が違う固有仕様になった。
    • 基本的にペルソナに多く依存するキャラほどペルソナカードが多く、逆に依存度が少ないキャラはカードが少ない。
      • カードが少ないキャラはすぐにペルソナブレイクされるので一見不利だが、回復までの時間も少なくて済む。カードが多い場合はブレイクされにくい分、ブレイク後回復に時間がかかるものがほとんど。
  • ガードキャンセルクイックエスケープの追加
    • ガードキャンセルアタックのクイックエスケープ(QE)版。SP50消費。
    • 固めに対しての新たな選択肢。読みきられれば痛い反撃を負うが通常のガードキャンセルよりかは対処されにくい。
      • 当初は旨味が少なかったが、バージョンアップで被fc判定削除&移動距離増加とリスクが低下。
  • ミニジャンプの仕様追加
    • 通常技をミニジャンプでキャンセル可能に。固めやコンボ面で活用できるようになった。
    • ただし、ミニジャンプ後に出す技は強制的に上段判定(しゃがみガード可能)となる。
  • 「被フェイタルカウンター(FC)属性」の設定追加
    • 一部の技に「どんな攻撃を受けてもFCが成立する」という属性が付与された。このため、迂闊に対応技を空振りしてしまうと、大ダメージを負うリスクが増大した。
  • ボコスカアタックFCの発生に必要なヒット数の増加
    • 以前は16ヒットで成立していたが、今回から18ヒットに増加した。威力は増加したが連打数が増えたため難易度が上昇。
      • ただし、ver.1.10からC〆のみ何ヒットでもFC判定になった。D〆は18ヒットから変更なし。
      • ver2.00からはボタン押しっぱなしでFC成立の18hitまでなら自動的に連打してくれるようになった。それ以上を望むなら手動連打で。
  • 新要素「S(スープレックス)ホールドシステム」
    • Aボタンを押し続けることで、ゲージが出現する。ゲージが溜まった状態でボタンを離すと、対応する技がコマンド入力なしで発動するというもの。
    • ゲージには数段階あり、段階によって出せる技が違う。(SPスキル、覚醒スキルなど)
    • 無理に使う要素ではないが、通常のコマンド技とは少し性能が違う場合もある。立ち回りによっては使い分ける事で強みを発揮できる。
    • ver2.00では一人用モードでのみ使用可能に。キャラごとに有用度が違いすぎたせいだろうか。
  • 新要素「シャドウタイプ」
    • 大半のプレイアブルキャラに、「シャドウ化したもう一人の自分」という設定を引き出すもう一つのモードが追加されている。いわゆる裏・EXキャラ。
      • P4の面々は主にゲームやアニメで登場したシャドウと同じ性格のものが登場。鳴上やP3キャラといった原作ではシャドウが登場していないキャラのシャドウタイプも負の部分を全面に押し出し、原作に出ても違和感のないシャドウになっている。
      • キャラの立ち姿にそこまでの差異はないが、ボイスや演出面は大きく変化する。P4キャラシャドウタイプの演出は原作ファンなら思わず笑ってしまうような場面も多い。
    • 性能的には後述のシャドウ暴走システムにより一回のチャンスで試合をひっくり返す事に特化したハイリスク・ハイリターンなモード。
    • ただし、シャドウラビリス、皆月、ミナヅキ、エリザベス、そして2.00追加キャラの足立、マリー、マーガレットにはシャドウタイプは追加されていない。
    • 固有要素「シャドウ暴走システム」
      • シャドウタイプ選択時に使えるシステム。シャドウ暴走が使える状態(後述)中にABD同時押しで発動。
      • 発動後はSPゲージが自動的に減少してゆき、0になるまでSPスキル・スキルブースト・ワンモアキャンセル・ガードキャンセルの消費ゲージが大幅に減少。キャンセルも必殺技>必殺技>必殺技…など特殊なキャンセルがかけられるようになり*1、通常ならゲージやキャンセルの問題で繋がらない連携も可能となる。
      • ver2.00ではバーストゲージが満タンの時に発動可能、かつ現在あるSPゲージがそのまま効果時間となる。バーストはリバーサルバースト(青バースト)のみ使用可能。
      • ver1.xxではバーストゲージが存在せずSPゲージが100%の時に発動可能。バーストは一切使用不可だが、残りゲージを次のラウンドに持ち越すことが可能だった。
    • シャドウ版A連打コンボの違い
      • 総差し替えになったノーマル版とは違い、シャドウ版のA連打コンボは前作から登場していたキャラは前作『P4U』と同様のコンボとなっている。
      • またノーマル版よりもゲージ回収率が増加している。これはシャドウ暴走などによるゲージへの依存度が高い為の措置である。
      • ただし、A連打以外の通常技やスキルのほうが性能が若干変わっているため、前作でA連打の途中から繋がったコンボが必ずしも繋がるとは限らない点は注意。
    • その他の違い
      • 攻撃力(技のダメージ)が常にノーマルタイプの0.8倍。
      • 覚醒が発生しない。
        当初はこの差がノーマルとの大きな格差を生み出していたが、バージョンアップで体力が増加、覚醒SPスキルをSP50で使えるなど、常時覚醒状態に等しい調整がなされた。
      • 一撃必殺技が使用不可能。
  • アーケードモード、スコアアタックで難易度選択が可能に
    • SAFETY/EASY/NORMAL/HARD/RISKYの5種類から選べる。
  • トレーニングモードの追加
    • 前作のアーケード版で熱望されていたトレーニングモードが実装。
    • 立ち、しゃがみ、ジャンプなどの指定のほか、被カウンターなどの設定も可能。様々なシチュエーションでの練習が可能となった。
  • 新モード「ゴールデンアリーナモード」
    • キャラクターを育成し、ダンジョンの最下層にいる強力なボスを倒すモード。
    • 難易度はNORMAL(大浴場コース)、HARD(ボイドコース)、RISKY(改造ラボコース)、ULTIMATE(天上楽土コース)がある。
      • BLAZBLUEシリーズで言うアビスモードのようなものであり、天上楽土コースはある意味アーク格ゲー恒例のなんでもありな超強化がされた敵が登場する。スキルも相まって下手すると一撃で終わる、もしくはダメージ量<回復量の状態になり終わらないなど…。
    • 敵を倒すとレベルアップし、ステータス振り分けを行える。
      • 「力」「魔」「耐」「技」「運」の5種類があり、好きなステータスに3ポイント割り振り可能。
    • レベルに応じてスキルを4つまで習得可能。また、ボスからスキルを取得することもできる。
      • スキルはHP自動回復やステータス強化、バッドステータス付与など様々。
    • 余談ではあるが、このステータス画面は『ペルソナ4』のステータス振り分け画面を模している。ファンには嬉しい仕様。
  • 演出面での追加
    • ステージの追加
      • P3から「タルタロス エントランスホール」「タルタロス 屋上」が追加。
      • P4から「商店街」「鮫川河川敷」「ジュネス屋上」が追加。
    • BGMの追加・変更
      • P3からボス戦闘曲、P4から各ダンジョンBGM(シャドウ)が追加。
      • キャラセレクトのBGMがElectronica In Velvet Roomに、一撃必殺技のBGMがTime to make historyに変更。
    • ボイス追加
      • 全キャラのボイス追加(新技やシャドウタイプ用など)、勝利台詞も新録されたものに変更された。

評価点

  • 前作から引き継がれる完成度の高さ
    • 初心者でも入りやすく、上位プレイヤーも飽きさせない奥深さは相変わらず健在。
    • 全体的なキャラバランスは前作より良くはなっている。一部尖った部分も見えるがそこはまた後述。
  • SPスキルやスキルブーストの種類増加
    • やれる事が少なかった前作に比べ、種類が増えた事で派生コンボの種類も増え、奥深さを増した。
  • 原作ファンに嬉しい仕様の数々
    • P3キャラ追加、P4組シャドウタイプの再現率や台詞ボイス・ステージの増加、ゴールデンアリーナモードのステータス画面など、シリーズファンには嬉しい原作再現仕様が多い。

賛否両論点

  • 皆月とミナヅキについて
    • 皆月はペルソナによる攻撃が無い代わりにCボタンも本体による攻撃となっているのだが、その攻撃内容は固有モーションではなく他のアクションからの使い回し*2
      • 性能自体は差別化がきちんとされており、ユーザーからはそれぞれ好評を得てはいるが、前作のラビリス・シャドウラビリスのような歴然とした違いというよりは、苦し紛れに2キャラに分けているという印象を受ける。
      • 一応家庭用にてキャラとしての二者の存在についてはきちんと説明がついた*3
  • 前作に比べ全体的に暗い雰囲気
    • メインカラーがP4の黄色からP3のような水色に変化したことに加え、追加されたステージもおどろおどろしい色合いのものが多いのもあいまって、全体的に暗い印象を与えやすくなっている。対人戦ではそんな中で前作同様の明るいBGMが流れる様はギャップが大きい。
      • 前作のステージ自体は引き続き全て収録されており、ver1.02からは対人戦にて一定確率で出現するようになったが、出現確率は低確率であり基本的に暗い印象であることは変わらない。
      • ver2.00からは内部設定でイベントモードとなっている時のみキャラクター選択後にステージ選択が可能となった。しかし家庭用版と違いBGM選択はできないため、ステージの雰囲気にミスマッチなBGMが流れることはやはりある。
    • シナリオも一部を除いて前回より暗い内容が多く、前作やP4のポップなイメージを好む人には違和感を与えるかもしれない。
  • 事前に勉強しておかないと対処できない要素の増加
    • 元々覚えておくべき知識が多めなゲームだった事に加え、今作ではSBで特殊な性能に変化する技なども増え、相手の性能をしっかり把握していないと簡単に分からん殺しされてしまうような事態が増えた。
    • 格ゲーにおいてはそういった要素自体は良くある事なのだが、本作ではそれにしても数が多いため、初心者向けというコンセプトからは遠ざかってしまっている感はある。
    • 逆ギレアクション、QE等の「反撃・回避に使いやすい代わりに読まれると大ダメージ確定」な無敵技をボタンだけで簡単に出せるが故の一面もある。
      • ジャンプキャンセル、着地キャンセルやペルソナ技を絡めることで相手の反撃を空振りさせる「釣り」連携に初心者かひっかかりやすいのである。
        また、無敵技を簡単に出せる分ダウン受け身やジャンプは他のゲームに比べ逃げる手段としては若干使いにくい仕様になっている。
      • 釣りに引っかからないためには、システムやキャラ性能をしっかり理解した上で対戦を重ねて「反撃してはいけない瞬間」を一つ一つ学んで行く必要が有る。
    • 理不尽に思えるかもしれないが、あまり防御側のリスクが少ないと「リスクを負って大技で反撃に出る」「反撃を読んで対処する」「対処を読んで逃げる・小技を通す」などの攻防の読み合いが成立しなくなってしまうので難しい所である。システム的に防御側か強くなると今度は初心者が攻めてもチャンスを掴めなくなり、それこそ上級者との格差が決定的になってしまう。
      • 初心者でも簡単に反撃できるが安易な反撃は読まれやすい、良くも悪くも 『簡単操作で奥深い』 P4Uの象徴的一面。

問題点

  • シナリオが前作アーケード版同様の幕切れ
    • またしても事件は解決しない上に、前作より更にぶつ切りEDとなってしまっている。前作は黒幕を匂わせるとはいえ目の前の事件解決までこぎつけたが、今作は犯人を倒したと思ったら犯人の思惑通りの結果というもっとすっきりしない展開。
      • 前作も開発社であるアーク社の『BLAZBLUE』が比較に出されたが、本作はさらにブレイブルーのアーケードモードの終わり方に近くなった。*4
      • おそらく家庭用版にちゃんとしたシナリオは用意されると思われるが、プレイヤー側からしたら「またか」と落胆する声は多かった。
    • 原作のペルソナ4の重要人物なのだが、出てくるだけ出ておいて戦闘には参加しないキャラもいたりする。
      • プレイアブル参戦の伏線なのかもしれないが、謎のシナリオにさらに謎を残す結果となった。なお見立て通り、家庭用にてDLC参戦が決定した。
  • 前作からそれほど改善されていないバランス
    • 上方修正が入った完二、下方修正が入り丸くなった千枝など、まともな調整が入っている部分はあるものの、一方で相変わらず強いアイギスや鳴上、前作下位キャラであった中更に弱体化したエリザベスやラビリス*5など首を傾げる部分も多い。
      • それどころか鳴上は前作の時点で最強候補のキャラだったにも関わらず何故か大幅な強化調整が入っており、崩しもコンボも前作以上の尖ったキャラになってしまい「前作のほうがまだマシだった」などの意見も散見される。アイギスも一定時間限定のモードにより苛烈な攻め能力を持つというコンセプト維持はわかるが、なぜか逆ギレアクションをフォローできる無敵行動を複数新たに手に入れておりこの手のキャラによくある「攻め最強だが守りに入ると脆い」という要素が少なく固有ゲージ管理以外には欠点らしい欠点がない。
    • その他にも「ゲージを追加払っているから」では済まされない性能のSB版(覚醒)SPスキル*6があるという中、陽介の「SB版スクカジャ」*7やラビリスの「SB版ブルータルインパクト」*8のように全くと言っていいほど価値(ゲージに見合った価値、ではなく存在価値)のない技がある等、疑問視される追加技が多い。(VerUPで「ある程度」は緩和された)
  • シャドウタイプについての問題点
    • 初版の稼働当初はコンボが開発されていないという点に加えて、バーストが使えない・覚醒が無いため体力が少ないなどの数々の問題点から低評価を受け続けていたが、バージョンアップごとに上方修正が加わった結果、基本的にノーマル以上の強さを発揮しているという評価を受けるようになった。
    • Ver2.00では「ラウンド開始直後に試合終了」ということは無くなったが、A連打コンボ以外には実質性能は変わらないことから、シャドウ暴走によるコンボの作り方が概ね完成してきたことや、「リバーサルバースト使用可能」「シャドウ暴走中は相手はリバーサルバースト使用不可」「SPゲージが100無くても(バーストゲージが溜まっていれば)使用できる」などの追加要素がさらなる追い風となり基礎システムとして強くなってしまっている。
      • 攻撃面特化と言いつつも、バージョンアップによって防御面の性能も整ってきた*9ことも大きい。特にゲージ効率の増加により基礎火力の低さや防御性能をノーマルキャラよりもSPスキルやガードキャンセル行動を多い回数撃てることから補う事ができ、暴走を使わずバーストに回して問題ないキャラさえいるなど、多くのキャラがノーマルよりシャドウのほうが強いと評されている。*10ここに基礎スペックが違うキャラにほぼ共通の強システムを搭載してしまったことによる歪さが表れている。
    • 上記要素により弱点のほぼ全てを克服してしまったため事実上シャドウ側には欠点がない。強いて言えば「A連コンボが弱くなるキャラがいる」「倒し切り体力の判断がされやすい」程度。
      • 一部ノーマルにも強みを持つキャラはいる*11が、システムとして強いため基本的にはシャドウを選ぶ方が良いとされている。*12
      • 特に目立つキャラを挙げれば2A始動などからバーストを防ぎつつ7000オーバーのコンボをどこでも安定して叩き出す千枝、長いリーチを持ちかつA技ですら刺されば7000オーバーの火力を安定して叩き出すさせる美鶴、ゲージ回収が速いことで欠点の火力や防御面を補いつつ様々な始動から自身の勝ちパターンに通じる行動へ移行しやすくなっている雪子・直斗・ゆかりなど。
      • 逆にそれらキャラの存在により真田明彦・ラビリスなどは自身もシャドウタイプの恩恵はあるのだが、特定状況の高火力と同等以上の内容を別段準備もなく行ってしまうため、キャラ特性上の制限を受けているだけのキャラのようになってしまっている。*13
    • 本作にはシャドウタイプ自体を持たないキャラも1/4程いるのだが上位勢からの評価で所謂強キャラと評されているのは基本的にシャドウキャラ*14である。そのためガチ対戦、特に大会においてはシャドウばかり登場することもありステージやBGMも暗く、キャラゲーとしてどうなのかという意見も存在する。
    • 条件さえ整えば「一回触られただけでラウンドor試合終了」という攻撃面に特化した特徴からいわゆる「クソゲー」*15と評されることもあり、賛否両論が激しい。
  • 新要素が目立たない・または手抜き臭いような仕様
    • シャドウタイプ、Sホールドシステムともに使いづらく、戦闘が以前から劇的に変化するということはなかった。
    • ボコスカアタックも連打数が増え、初心者でなくても最大までヒットさせることが難しくなり、ただ面倒くさいだけの改悪という声も大きい*16
      • 要望が多かったためかVerUPでボタンホールドによるヒット数増加に変更されている。
    • 初心者でも簡単にスキルが出せるという触れ込みのSホールドシステムだが、びっくりするほど溜め時間が長く、実用性に欠ける*17
      • 最終的には「一人用でしか発動しない」というかなり残念な仕様となった。連打コンボのように対戦でも役に立つシステムにするためのアイデアはさすがに絞り出せなかった模様。
    • 既存キャラや新キャラのモーション使い回しも多く、新キャラに至ってはキャラクターボイスの使い回しも散見される。
  • バランス崩壊級のバグが多発する作りの粗さ
    • 前作は永久キルラッシュや同技解除などの問題点があったが、本作では「アイギスのオルギアゲージの減り方が非常に少ない*18」「陽介がスクカジャを使うとそのラウンド中永久にゲージがほとんど溜まらなくなる」「ある技を特定の当て方をすることで即死級のダメージを弾き出す」「エリザベスで相手キャラを消滅させる」「乱入対戦なのにCPUが勝手に操作し始めた」など深刻なバグが多発。その都度修正パッチが当てられることとなった。
    • これらのバグは現在では再現不可能。興味がある方はインターネットにアップロードされている動画を見てみよう。

総評

モードの追加や難度の追加など、格ゲープレイヤーに向けた追加調整が多く、前作と同様、格闘ゲームとしては高い完成度は維持されている作品になっている。
ただ、シナリオ面や一部キャラの調整問題、バグ問題も相まって前作ほどの盛り上がりは起きていない。
バージョンアップを重ね調整不足感やバグは幾分改善されたが、新たに突出したキャラ、新たに発生したバグも存在する。


ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド (家庭用)

【ぺるそなふぉー じ あるてぃまっくす うるとらすーぷれっくすほーるど】

ジャンル 対戦型格闘ゲーム
対応機種 プレイステーション3
メディア BD-ROM 1枚
発売元 アトラス
開発元 アトラス
アークシステムワークス
発売日 2014年8月28日
プレイ人数 オフライン:1~2人
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
判定 なし

概要(家庭用)

  • アーケードで展開していた同タイトルの家庭用バージョン。
    • 今作もPS3/Xbox360のマルチ展開だったが日本ではPS3版のみの発売となった。
  • 格闘ゲーム部分はキャラ追加以外にアーケード版と変更は無い。
  • 2015年1月15日にアーケード版で行われた行われた大型アップデートは適用されておらず最終的に家庭用ではアップデートが放棄された。

追加・変更点

アーケード版→家庭用

  • 2人+DLC3人の計5キャラがプレイアブルキャラとして追加。
  • 大ボリュームのストーリーモード追加。
    • 「P-1グランプリ編完結」を銘打っており、P4U一連の事件にしっかりと決着が付く。
  • アーケード版のゴールデンアリーナモードをほぼそのまま移植。
  • ナビキャラが大幅追加。前作では一部のプレイヤーキャラのみだったが、本作ではほとんどのプレイヤーキャラ*19がナビキャラとしても登場する。
    • ただし使用にはDLCでの購入を前提としており、ゲーム内のみでの解禁には多大な労力が必要。

前作家庭用→本作

  • ストーリーモードはキャラ別シナリオからP4チーム・P3チームの勢力別シナリオ二本立てに。
  • オンライン対戦は『BBCP』で好評だった「ロビー」「プレイヤーカラー」「バッド/グッドプレイヤーリスト」などが追加。
  • 入門向けのレッスン(チュートリアル)モード、チャレンジモード等も前作家庭用より続投。

評価点(家庭用)

  • シナリオ内容も世界レベルの異変へとスケールアップ
    • 前作がP4におけるキャラ単位のシナリオとすれば、本作は最終決戦。
      • 舞台も、P4の街を舞台にP3のダンジョンを思い出させる異変という合わせ技でかなり深刻な事態となっている。
  • プレイアブルキャラの大幅追加
    • 家庭用追加キャラとして「天田乾&コロマル」「久慈川りせ」の二名、1キャラ800円のDLCとして「足立透」「マリー」「マーガレット」と5名ものキャラが追加された。
    • キャラの強さとしては5キャラとも中の上~準強くらいのおいしい位置に収まっており、操作も難しい部類では無い。というか鳴上と陽介とミナヅキが既に強すぎ、アイギスとゆかりが強いが難しすぎ
    • DLCの3キャラはシャドウモード非搭載。
      + 詳しい性能
      • 天田乾&コロマル
        • P3より3年の時を経て中学二年生となった天田がペルソナ能力犬のコロマルを引き連れ飛び入り参戦。
          • 相変わらずの生意気な言動は共に戦った仲間なのに「子供らしい生活を」と戦力に加えてくれなかった不満も有る様子。
        • 横の差し合いに長ける天田に加え、突進力のあるコロマルに独立して技を出させる事ができる所謂同時操作キャラ。
          • 天田とコロマルで交互に攻撃を繰り出す反撃しにくく抜けづらい強力な固めがウリ。ただしガードを固めた相手を崩すには工夫を要する。
          • 地上と空中から同時攻撃を仕掛けたり、コロマルが牽制しつつ天田はメディラマで回復などシンプルながら対処しづらい立ち回りも強力。
        • ペルソナゲージとは別に「コロマルの体力ゲージ」があり、コロマルが攻撃を受けすぎてこれが尽きると一定時間コロマルがダウンする。
        • コロマルに異常なほど小回りが効き、本来天田の反撃確定な行動にフォローを掛けれるなどシャドウラビリスに似たルールブレイク気味な戦術が取れる割に、コロマルがダウンしても復活が早い&天田本体は防御面でさほど困らないので追加キャラの中では特に強キャラとして評価が高い。
        • ちなみにC技とD技はコロマルに割り当てられているので、彼らのペルソナ「カーラ・ネミ」「ケルベロス」は一部の必殺技でしか姿を見られない。
      • 久慈川りせ
        • 後方支援特化だったペルソナ「ヒミコ」を攻撃形態に転じ、マイクスタンド片手に参戦。完二と同様にマイクスタンドを投げ飛ばしては何処かから新しいのを取り出す。
          • 前回(P4U)で支援すらできなかった負い目やエリザベスの叱咤により攻撃形態を得た。鱗状のシールドと針のようなビット*20を用いて攻撃を行う。
        • 殴りながら弾を放つ遠近両用の通常技と前動作が長い代わりに広範囲に攻撃できる設置系飛び道具、当てると次に放つ技が相手を追尾するようになる「アナライズ」が特徴。
          • 遅れて弾が発生する特性を活かした近距離の波状攻撃、設置技の「ROCK☆YOU」やアナライズをコンボに組み込んでからの起き攻めがかなりねちっこい。
        • 対応しづらい挙動とカバー範囲が広い飛び道具で立ち回りつつ、機を見て近づいて一気に非常に展開の速いラッシュをかけるオラオラ志向な勝ち筋。
        • 覚醒SPスキルの『りせちー・オンステージ』は何の誇張も無く音ゲー。SB版を生当て&パーフェクト達成で6割減る。*21---なお、パーフェクト時のダメージ数字が「4649」「5963」などの語呂合わせになっている。
        • 欠点は逆ギレアクションの隙が非常に大きい点。当て身タイプなのでフォローも難しく*22、最悪の場合見てから相手の一撃必殺技が確定する。
      • 足立透(初回特典orDLC)
        • P4U一連の事件の犯人である皆月翔がとある理由により招待した客。プレイアブルキャラ中唯一の「大人の人間」。
          • スタッフの愛を感じるモーションの作り込みによる本体のダサさ&キチカッコいいペルソナ(?)&オシャレなコンボは原作ファン必見。
        • 性能は「ピーキーすぎるオールマイティ」。いちいち強い癖が有るものの攻防共に必要な技が揃っているので、技の性能やセオリーを熟知し使いこなせれば一気に安定感を持つキャラ。
        • 癖の強さ故に対応型の戦法を取ることはやや不得手で、どちらかといえば自分から戦局を動かしていくタイプ。
          • 制圧力が高い優秀なペルソナ技を振り回して相手を黙らせつつ、コマンド投げを絡めた固め崩しやバステ付与、自己強化技で勝負をかけていく。
          • 全体的に見極め考えるべき事が多く大人の対応力が試されるが、バステやゲージが揃ってからの攻めはこのゲーム屈指の大人気なさを誇る。
        • 立ち回りをほぼペルソナに依存するのにペルソナゲージは4枚と標準なためペルソナブレイクを引き起こしやすいのが欠点。
      • マリー(DLC)
        • P4G(P4本編のVITA移植版+α)の追加ヒロインが参戦。蠢くバックとナマモノと素で出せる雷や雷雲とポエムを操る。
          • 主人公とは別に動き超常的な力を以って街を護っていたため参戦できなかったらしい。U2本編でも登場はするが戦うシーンは無い。
          • 本来ペルソナを使わないキャラだが、彼女とのコミュで主人公に解禁される「カグヤ」をP4Uでは自分のペルソナとして使っている。
        • 主に近~中距離戦を得意としており、読まれて出始めから対処されなければ一方的に攻められる技群。
        • 空中から相手を固めつつ着地できるジャンプC、全方位に判定が出てフォローもしやすい逆ギレなどつい頼りたくなる性能の技が多い。
          • 一方で固有システムの「天候」により性能が変わる必殺技や隙が大きい割に制圧力に欠ける設置技など、強みがアンバランスで各技の噛み合わせが悪く、いまいち勝ち筋がハッキリしない。使い方次第で相手の意表を突ける長所にも、自分の癖を読まれやすい短所にも成り得る。
      • マーガレット(DLC)
        • 特に目的も無く、楽しそうなので参戦してみたというベルベットルームの住人。対戦相手の底力を試すような言動が目立つ。
        • 原作でワイルド能力持ちだった鳴上やアイギスを差し置いて、初の複数ペルソナ使いとして参戦。ペルソナは「マーガレットセレクション」と称した4体で「クーフーリン」「ヨシツネ」「アルダー」「ルシフェル*23」と美男子戦士と美男子マッチョ揃い。
          • これらのペルソナは唯一『女神転生』シリーズからデザインを流用された所謂「金子悪魔」であり、女神転生からのゲスト参戦という側面もある。
          • 複数のペルソナと言っても挙動は他キャラと変わらない。違うペルソナの技を続けて出す際に専用エフェクトを挟むくらいだが、次々ペルソナが入れ替わるコンボは実に美しく派手。
        • 性能は一言でいえば「遠距離寄りの不器用万能」。リーチが長く強力な技を多彩に揃えるが、どの技にも相応の隙が有り小技と呼べる技がジャンプAくらいしかない。
          • ガード時ジャンプキャンセルが効く技も一切無く、近~中距離のあらゆる状況で双方かなり割りきった読み合いを強いられる。
        • 複数ペルソナ使いという設定は脅威の「ペルソナゲージ8枚」という形でも表現されており、試合中にペルソナブレイクで困る事はほぼ無い。しかもブレイクしても回復が速い。
        • ちなみに妹のエリザベスとは武器が辞書とカードで共通しているが、打撃が手技主体のエリザベスと足技や体当たり主体のマーガレットで地味に差別化されている。
    • 尚、この五名は後にアーケード版にもアップデートで追加された。
  • 最大32人の乱戦が可能なマッチング「ロビー」が追加
    • 32人まで入れる広場に2人座れる対戦台が16台有り、1P側2P側どちらかに座る事で相手を待ったり既に座っている相手に挑んだりできるマッチング。対戦後は広場に戻り、負けた側が台から立ち上がる。再度座る事で再戦したり、移動して別の台に移ったり、チャットで打ち合わせしたりできる。
      • 早い話が擬似ゲーセン。向かい合った格ゲー筐体に100円入れて挑むアレである。連勝している人やレアキャラ使いの後ろには行列ができている可能性がある。
    • ロビーは一つのエリアに広場が12個有り、エリアはプレイスタイル別に10に分かれている。
      • プレイスタイルは「初心者用」や「気軽に楽しく」「ガンガン対戦」から、「ボスキャラ使用可能」や「海外の人と」等も。でも前者3つの広場くらいしか使われていない。
    • 初心者専用ロビーとして「5.テレビの中の世界」エリアがある…が、初心者かどうかは自己申告制なのでカオスである。後述。
    • 使われいない広場に集合を呼びかける事で、2chのP4UスレやしたらばP4U板のキャラスレ、Twitter等コミュニティ内の対戦会も簡単に行える。
      • 逆に言えば、普段使われていない下の方の広場に人が集まっていたらほぼ確実にどこかの対戦会が行われている。心当たりがなければ避けた方が良い。
  • オンライン対戦で必ず変動する指標「プレイヤーカラー」の導入
    • PSR、段位*24はそのままにさらに追加された。マッチングに関わる場面ではオンラインネームの横に必ず表示される。
      • 前作でプレイヤー自身の強さを表す「段位」が既に有ったが、これがアバウトになりランクマ以外でも変動するようになった物と考えて差し支えない。
    • ランクマ・プレマ・ロビーの全ての勝敗で変動するので、前作で問題になったランクマを避ける・サブアカウントを使う等による強さの詐称が非常に難しくなった。
      • 段位やPSRのように0から加算されていくのでは無く、未判定状態の「白色」から始まり最初の十数戦の勝敗で最初の色が決まる。
    • 水色~青は負けが込んでいて、黄緑が真ん中で、赤に近いほど勝っている。色が近い同士でしか変動しないので格上・格下相手に連戦しても変わりにくい。
      • 橙色や赤色は強い部類のプレイヤーという事なので、明らかに格上のプレイヤーに挑まれても対戦を断る大義名分となる。勿論負ける覚悟で対戦するのも自由。胸を借りるつもりで自ら挑んで行っても良い。逆に断われても泣かない。
  • その他より快適になったオンライン環境
    • ランクマッチの待ち受けにおいて、相手を待ちつつタイトルメニューから一部のモードで遊べるようになった。
      • 以前はエントリー後待つか選ぶかトレモするかの三択だったが、今作ではランキングや対戦履歴を眺めたりオプションを弄ったりBGMを鑑賞したりも可能。
    • 「グッドプレイヤー」「バッドプレイヤー」とプレイヤーを評価し色分けできるようになった。評価は共有されず個人的なもの。
      • 「切断」や「意図的なラグ」などを利用する悪質なプレイヤーとの再戦を避けたり、戦って楽しかった相手をライバル認定して探しやすくしたりできる。
    • Pカード(名刺+対戦履歴)に保存できる情報が増え、自由な一言コメントや相手キャラごとの勝率などが参照できるようになった。
      • 自分や同キャラ使い、苦手な相手の履歴を見比べてみると意外な発見も多い。
    • 「初心者ロビー」や「プレイヤーカラー」による腕前に合ったプレイヤーとのマッチングシステムも搭載。
      • 良く問題になる初心者狩りをなくし切れてはいないが、従来に比べかなり初心者に優しい環境が作られている。

良好なDLC要素

  • DLCはキャラ(3人)、ナビやBGMの追加、ロビーで使えるアバター、キャラクターの追加カラー、メガネ、前作シナリオ等、種類は多様。
    • 対戦バランスに関するDLCキャラ3人だが、値段は1人800円と追加プレイアブルキャラとしては標準的。むしろ最初からりせと天田が使え、DLCキャラの追加カラー・メガネが最初から開放されている為、DLCとしてはかなり良心的である。
      • 加えて、有料キャラだからといってあからさまに強くされておらず、寧ろ所々に強くなり過ぎないよう気を使った調整*25が見られる。
    • BGM、アバター、カラー、メガネは完全にお遊び要素なので、一番DLCとしてふさわしい要素と言える。
      • ちなみにアバター、カラー、メガネはオンライン対戦でも相手側に反映されるが、BGMはデータが大きいためか相手も購入していないと反映されない。
      • BGMについてはアレンジBGMや発売時期が近かった『ペルソナQ』のBGM等も配信されている。
    • 前作シナリオ(ニューカマー版パッケージ特典or1500円)は前作のストーリーモードが丸々遊べる、P4U2からの新規プレイヤー向けDLC。
      • 前作を買う手間やプレイする手間を考えれば、ストーリーだけをしっかりとP4U2に持ってきたのは正解だろう。ストーリー目当てでもP4U2+前作シナリオDLCで済む。
    • 前作で買ったDLCはP4U2でも使う事ができる。前作で陽介ナビを購入しているとU2でも最初から陽介ナビが開放されているといった具合。
      • ただしあくまで前作分のみで、メガネやカラーの全キャラセットを購入していても当然ながらU2の新キャラ6人のものは開放されない。

賛否両論点

  • ストーリーモード
    • 相変わらずかなりのボリュームが有る。また今回は主役をキャラでなくチームから選ぶ形となった。
    • 最初に選べるのは鳴上悠(P4主人公)を中心にする「Episode P4」、P4編をクリアするとラビリスを中心とする「Episode P3」が解禁。
      • DLCキャラの足立透を購入している場合は「Episode Adachi」がP3編と同時に解禁される。
    • 前作は選択キャラ毎に大筋の展開が同じでマンネリ&パラレル祭りだったのだが、大筋を二つに分ける事で前作よりシナリオとして纏まった。
      • ただしP4編とP3編は両チームの立ち位置がすげ変わる*26パラレルシナリオであり、一つのシナリオの別側面といった形ではない。
    • 同じ形式の『BBCP』で惜しまれた一部キャラの完全空気化も無く、全キャラそれなりに見せ場が有る点も良点。
    • また挿入されるスチルが多めで、単純にノベルゲームとしても作りこまれている。
  • しかし一方でシナリオ一本化の弊害が起こってしまった
    • P3/P4にそれぞれまとめた事により、それぞれの主役(鳴上/ラビリス)以外の活躍が少な目。
    • そもそも格ゲーのストーリーは自分の好きなキャラが主人公のストーリーが楽しめる群雄劇が醍醐味の一つであり今回の一本化のストーリーを求めているのか?、という意見もある。
    • ただし原作がRPGなので一本化したストーリーの方がファンに合っているという意見もある。
  • とあるキャラの持ち上げ
    • P4U2に限った話ではなく原作のアニメ版や追加移植版にも見られる傾向であるが、原作ではそれほど描写が無かったとあるキャラが「主人公のライバル」としての地位を確立している。
    • かなり個性的で人気は高く、主人公と対になる部分も多いキャラではあるのだが、原作では「屁理屈と正当化が得意技の小悪党」程度の扱いだったため困惑しているファンも多い。
    • そもそも、「救いようのない悪人でありながら、どこか人間臭さが感じられる」と言うキャラだったのだが、今作では完全に「ダークヒーロー」となってしまっている。
    • また、ヒロインの一人に関しても「ゴリ押しがすぎる」と言う意見がある。もっともこの意見は、本作発売後に放映されたアニメ版(第2作)での悪評が本作に飛び火した、と言う面が大きく、必ずしもゲームだけの問題ではない。
  • ナビの追加は前作に引き続き条件による解放かDLC(一人400円)
    • ナビはゲーム内でも条件達成で開放可能だが、条件は「該当キャラでスコアタックモードの最高難度を全コースクリア」とかなりの時間と根気と腕がいる。
      • ナビは一人用モードの「ゴールデンアリーナモード」でそれぞれ違った特性で支援してくれる特性がついたため、開放(購入)していると有利。
    • 前作でもそうだったが、「魅力的な要素の入手条件を厳しくして課金を迫っている」といった意見から、「達成感があるし、どうしても欲しければDLCとして入手できるのでこれでいい」といった意見まで様々。

問題点

シナリオ面

  • シナリオ規模に比べてやってる内容が地味。
    • 上記の通り、事件自体はかなり深刻な状況に陥っているのだが、格ゲーという事もあって実際にやる事はタイマン勝負ばかり。
      しかも主に戦うのが「前回の事件のデータを元に敵が作ったシャドウ版偽キャラ」という実質雑魚ばかり。
    • 既に敵の罠にかかった状態からシナリオが始まり、とにかく目前の敵を倒しながらラスボスの行為を止める事に終始する為、事件の謎等も少ない。
    • 前作で決着がつかなかった敵との決着でもある為、とにかく目的地へ向かって突き進み、不可視の壁で遮られたらそこにいるキャラを倒して先へ進む、と、やる事も前作と変わっていない。
  • 敵キャラの描写不足
    • 前作のラビリスのような過去編シナリオが無い為、前作に比べるとどうにも印象が弱い。
      • 出自、とあるキャラや勢力との関係性、犯行に至るまでの経緯は台詞上で明かされるのみ。
    • とはいえ、その境遇、思想は「絆」をテーマにするシリーズの悪役としては十分で、歴代の悪役に無かった味も有る。
    • 対して前作から存在が示唆されていた「協力者」の正体は意外性が高い。その本性が見られるシーンで「お前かよ!?」となる事請け合いである。正体に関する伏線はほぼ無いのでポッと出感は否めないが。
    • P4U2の漫画版において過去編シナリオが追加されそれでようやく出自、関連性、犯行に至るまでの経緯が大まかにわかるようになった。 そのため皆月を深く知りたい方は漫画版を見るのをおススメする
  • 一部キャラクターの不参加
    • せっかくのP3とP4のコラボゲームなのに肝心のP3主人公が参戦していない。
      • P3/P4に続くシナリオである為、P3やP3FESのEDからすれば彼が参戦することは不可能だが、お祭りゲー的側面もあるだけに、シナリオに関わらない形でもいいから参戦してほしいという声は多い。
      • 同様に荒垣真次郎、P3女主人公を望む声も。これはシナリオでP3で死亡したキャラが偽物という形で登場したため、余計に思いが高まった可能性がある。

その他

  • 初心者ロビーの不備
    • せっかく設けられた「初心者ロビー」だが、解説と初心者マークが有るだけで入室制限は一切無く誰でも自由に出入りし対戦できる為、初心者向けのロビーとして機能し切れていない。
      • その為、初心者ロビーで何千戦も経験しているプレイヤーや、サブキャラの練習をしている高段位プレイヤー等も常駐してしまっている。
  • DLCの一部残念な点
    • 「Burn My Dread」「Heaven」「Time To Make History」といった人気の高い既存曲がデフォ曲ではなくDLCになった点は残念な声が聞かれる。

総評

前作の好評、アーケード版の稼働(と度重なるバランス調整)から満を持して発売されたP4U完結編。
対戦ツールとしても、P4・P3のシリーズ作品としても、前作より大幅に強化・改良され正統進化した作品と言えるだろう。
シナリオ面では少々無難で対戦バランス面では相変わらず尖った部分もあるものの、原作ファンならば万人にオススメしたいタイトルである。


余談

  • 上記「皆月翔」と「ミナヅキショウ」は公式のプレイヤーズギルドで「皆月」「ショウ」と区分けされていたが、口頭だと結局同じなためどちらの事なのかわかりにくい。
    • 「漢字」「カタカナ」と表現するユーザーもいるが今度は「完二」と被りやすいので概ね「表みなづき」「裏みなづき」と呼ばれている。呼び名としては若干長い。
  • 「ラビリス」にはほぼ別キャラ性能ではあるが前作から「シャドウラビリス」がいる上で「ラビリスのシャドウ版キャラ」が追加されたため、「ラビリス」「ラビリスシャドウ」「シャドウラビリス」が同居しており非常に紛らわしい。*27
  • セガによるアトラス買収により、現在タイトル画面にクレジットされる著作権表記はセガ名義となっている。
    • そのため、セガ製品としては珍しく、自社システムではなくNECiCAxLive上で動作するセガ製品となっている。
  • 前述にも書いたが漫画版が発売されている全4巻。漫画版では説明不足な所も描かれているため見るのも一興。
  • 2015年1月にアーケード版のアップデートが行われ、本作で追加された5キャラの輸入と同時に大幅なバランス調整が行われたものの家庭用PS3版への対応は行われなかった。
  • 2022年3月17日にPS4/Nintendo Switch/Steamにてリマスター版が発売された。
    • PS3版で配信されたDLCから一部楽曲及び称号開放を除いたものを収録し、バージョンもアーケード版の最新ver2.50に準拠している。これにより7年越しで最終Verを家庭用で遊べるようになった。
    • PS4版とsteam版は2022年夏にアップデートでロールバックネットコードに対応予定。