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jubeat saucer fulfill - (2014/07/20 (日) 17:26:13) の編集履歴(バックアップ)


jubeat saucer fulfill

【ゆびーと そーさー ふるふぃる】

ジャンル 音楽ゲーム
対応機種 アーケード
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
稼動開始日 2014年3月3日
ポイント 新モード追加
BEMANIシリーズプレイ料金の値上げの先鋭
jubeatシリーズリンク


概要

音楽シミュレーションゲーム『BEMANIシリーズ』の人気作jubeatの6作目(各APPENDも含めれば9作目)。
2014年2月6日放送のBEMANI生放送(仮)にて新バージョンを出す事を発表、2月15日開催のJAEPOにてタイトル公開。そして3月3日に異例のスピード稼働を果たした。jubeatシリーズとしては初めて一切のロケテストをせずに稼働を開始した。
前作saucerで大いに賛否両論を呼んだ入れ替え制度が廃止される事が予め発表されておりユーザーの期待度は高かったが、ある理由によりそれも手放しに喜べない状態となってしまった。

特徴

  • 本作はsaucerの名を冠してはいるが、アップデートによる変更点は非常に多岐に渡り、新バージョンと呼んで差し支えない。
  • 白を基調にしていた全作から一変、本作では黒を基調にしたデザインとなった。
  • システムBGMも一新され、作曲担当は泉陸奥彦氏・ショッチョー氏からSota Fujimori氏へバトンタッチされた。システムボイスも男性から女性に変更。
  • 前述の通りsaucerで存在した楽曲入れ替えは廃止された。
    • ディレクターのまっする氏はsaucer当時入れ替え制度について「いずれ分かってもらえる時が来る」と語っていたが、結局来なかったものとなった。
  • 本作からの大きな変更点としてゲーム開始時に4つのモードを選択するようになった。プレイ料金については工場出荷時の設定料金の半額を記載する。ほとんどの店舗はこの設定だと思ってよい。
    • LIGHT3
      • 100円。コインでのプレイで3TUNES遊べる。
      • 旧曲の解禁や、後述するfullfil搭載の新機能の幾つかの利用が不可。
      • 過去作通りの金額設定だが、 EXTREME譜面を遊べなくなる
    • LIGHT5
      • 200円。コインでのプレイで5TUNES遊べる。
      • LIGHT3より金額に対するプレイ曲数が減るが、EXTREME譜面もプレイ可能。
      • ただしLIGHT3同様、旧曲の解禁やfullfil搭載の一部新機能が利用できない。
    • STANDARD
      • 120PASELIで3TUNESか、200PASELIで5TUNESかの選択。
      • 全難易度で遊べる事に加え、ゲーム終了時にIIDXやポップンのように各判定数が表示されるようになる。
      • 後述のコーヒー豆・ミルクもLIGHTより少し多めに貰える。
    • COURSE
      • 180PASELI、もしくは200円。本作からの完全新規追加要素。コースごとに決められた5曲をノルマ付きでプレーするモード。
      • 1コースごとにBRONZE、SILVER、GOLDの3種類のノルマが存在し、このうち最低位であるBRONZEは1曲ごとに達成しなければCOURSE FAILEDとなってしまい、その時点でプレイが終了してしまう。
      • 5曲全て、連続でBRONZEのノルマを達成していればコースクリア。上位であるSILVERやGOLDの条件をクリアすればそれに応じたストーンを獲得できる。いわばノルマ達成の証である。ストーンを集める事で解禁できる隠し曲も存在する。
      • コースの中には判定が厳しくなるHARDモードが存在している。
      • 公式に上級者向けの腕試しモードとしてCOURSEモードを提供しており、Lv1のコースですら初めたての人ではとてもBRONZEノルマクリアすらおぼつかないだろう。
      • ちなみにコースの楽曲のほとんどが隠し曲であるが、大会と違い解禁していなくてもコースを遊べる。
  • 楽曲解禁はbistro saucerに代わってsaucer macchiatoというシステムとなる。
    • プレイに応じてコーヒー豆とミルクを手に入れ、コーヒーのラテアートを作るというもの。
    • まずは楽曲ごとにコーヒー豆が必要なのでこれを集める→豆が必要分集まったら今度はミルクを使いラテアートを作っていく仕組み。豆が集まっていない状態だとミルクは破棄されるので注意。
    • 豆はACHIEVEMENT対象曲に選ばれた曲を遊ぶ事で獲得できる。ミルクは通常のプレイや大会参加などで入手出来る。
    • 描かれるラテアートは、解禁する曲をイメージしたアートになっている。
    • 旧曲解禁にはSide Menuとして別に豆とミルクを集める必要があるが、このSideMenuはLIGHTモード(COURSEモード以外のコインプレイ全て)では利用できない。
      • シリーズ作によって分けられたグループから選んで解禁していく。

評価点

  • コースモードという更なるやりこみ要素の追加。
    • jubeatは初代からsaucerまでこの手の新モードは全く追加されていなかったが、本作でこの状況を打破する事となった。
    • 特にHARDモードは話題を呼び、トップランカーさえも苦戦させる程の猛威を振るう事となった。
      • STANDARDでもHARDモードを選択出来るようにしてほしい、という声も多い。
      • jubeat稼働初期の「初心者をひきつける」コンセプトからは乖離するが、現状はこのコースモードでしか実装されていないため批判は少ない。
    • コースモードにもマッチングは搭載されている。特に1曲目で同じコースをプレイしている人とマッチングした場合、大抵5曲ずっとマッチングし続ける事になるので妙な一体感が生まれるだろう。
  • 入れ替え制度は廃されたが、定期的な楽曲追加は継続している。また、移植曲の収録も行っている。
    • 流石に前作よりはペースダウンしたが、途中楽曲追加がほとんど無かったcopious以前と比べれば十分な頻度での追加が行なわれている。
  • 楽曲の増加によるマッチング率の低下をコースモードやACHIEVEMENT対象曲で楽曲を絞ったり、マッチングランダム*1を優遇するなりの措置を行ない、多少の軽減をしている。
  • これまではシリーズが変わるたびに所持していた称号、使用中のマーカー・背景などは全てリセットされてしまっていたが、本作ではそのまま引き継がれるようになった。
    • ただし設定中の称号だけは「初めまして」に戻される。スタッフによると「再度お気に入りの称号を探してみてください!」とのこと。手に入れた称号・称号パーツ自体は消えていないのでまた付け直せば良い。
  • STANDARDモード限定で、楽曲のプレイ結果を画像化できる「TUNE POST」機能の搭載。5月28日のアップデートにて追加。
    • 使用するにはeAMUSEMENTへの登録が必須の為やや面倒だが、直接プレイ結果をe-AMUSEMENTソーシャルを通してTwitterなどに投稿できるようになり便利に。
    • 自分のカードネーム、スコアはもちろん、ミュージックバーや付けていた称号なども載る。
    • マッチング相手の名前も載るのだが名前を伏せる事も出来る為、見ず知らずのプレイヤーを晒さずに済む。
    • カスタマイズも非常に充実している。フレームのデザインが数種類存在し、更に自分の気持ちを簡易的に示せるスタンプ機能が搭載。
      • スタンプはjubeatに登場した様々なキャラクターが用意されており、しかもそれぞれ喜怒哀楽の様々な表情がある。イラストはほとんどが書き下ろしだが、中には突如jubeat公式サイト上に出現した謎の漫画のスタンプまで・・・。
  • 前作同様、eAMUSEMENTの機能は全て無料で利用可能。前述のTUNE POSTも無料。
  • copious、saucerと新作稼働の度に大量の楽曲が削除されてしまっていたが、本作では版権曲4曲のみに留まった。

問題点

料金に関する問題点

本作以降のBEMANIシリーズでは、実質的なプレイ料金の値上げが敢行された。

+ BEMANIシリーズの値上げ事情

コナミは消費税増税の関係から他のBEMANIシリーズを含めたe-AMUSEMENT対応作品でもPASELI料金の値上げを実施している。
BEMANIシリーズの一部機種やクイズマジックアカデミーなどのシリーズ外の他機種では、コインプレイは今まで通りの仕様にし、PASELIプレイは料金が高い代わりに何らかの優遇措置を付加する事で増税に対応していることが多い。
しかしjubeatなどの半数以上のBEMANIシリーズの場合、逆にコインによるプレイにマイナス要素を付けてしまった事が大きく批判されている。
PASELIは対応していない店舗もまだまだ多く、ホームゲーセンがPASELI非対応であるプレイヤーにとっては辛い状況となってしまった。
店舗によっては従来の料金になっていたりすることもあるため、店舗側の裁量が問われる、とも言える。

  • その中でも本作では前述のとおり、100円だけでのプレイではEXTREME譜面を一切遊ぶことが出来なくなっている。これが特に多くのプレイヤーの批判を呼んだ。
  • さらにSTANDARDモードは前作のコインプレイに近い仕様となっており、高くなった割にはあまり進歩がない。
    • 前作のPASELIプレイ、ではない理由は、それまで1~5TUNE*2まで選択できたPASELIプレイでの曲数選択が3曲または5曲以外選べなくなってしまったことによる。元々3曲か5曲で遊ぶプレイヤーが多かったために批判の声は大きくないが、解禁目的のデイリーボーナス目当てで毎日気軽に1TUNEだけ遊ぶ事が出来なくなった等、自由度は減った。
  • クレジットプレイだと「PASELIを使うともっとサービスが充実します(意訳)」という表示が必ず出る。PASELIを登録しても起こるし飛ばせないため順番待ちの際にも不便。
  • 一方で、200円払えば一部機能や楽曲解禁に制限はかかるがPASELI/5TUNEプレイとほぼ同様にプレイでき、遊べるモードに制限がない。これはGITADORA OverDriveなどにはない評価点である。
  • アップデートで、設置店にPASELIが入金できる台があるかどうかが分かるようになった。

楽曲解禁に関する問題点

  • saucer macchiatoでの解禁が異様に重い。かつて批判を呼んだcopious並に解禁に必要なクレジットが増加している。
    • とにかくミルクが貯まらない。一日に何回遊んでも雀の涙程しか獲得出来ない。代わりにコーヒー豆はバンバン余り続ける。
    • 毎日一回目のプレイに大きめのボーナスが付く為、毎日少しずつプレイすれば解禁までの料金は抑えられるがそれでも重い。しかもあまりに省プレーを続けすぎると今度はコーヒー豆不足に陥ってしまう為、ミルクが無駄になる。
    • STANDARDモードで5曲プレイした時にもらえるミルクは一回目のプレイボーナスを加味しない場合、大体400~800mlくらい。最終楽曲に必要なミルクの量は33000ml…きつい。
    • 加えて本作は1回ごとのプレイ料金も増加しているのである。経済力のある社会人ならまだしも、学生にとってはかなり苦しいものがある。
  • さらにsaucer macchiatoでの解禁は完全に一本道。好きな曲から解禁できないのだ。前作のbistro saucerは4曲から選択できたのだが・・・。
  • saucer macchiatoで解禁できる楽曲は全11曲だが、そのうち3曲が移植、1曲がRyu☆氏のアルバムからの収録となる為、新曲は7曲のみとやや少ない。
    • といっても楽曲のクオリティはいずれも非常に高い。既にサウンドトラックも発売しているので興味がある人はいっそのことそちらで楽しんでしまうのも手か。
  • 伝導システムの大幅な劣化、旧曲及び伝導解禁にPASELIがほぼ必須
    • 旧曲を解禁するためのSide Menuに使うミルクはSTANDARDモードかCOURSEモードをプレイする以外に手に入らない。
      • COURSEモードはコインでもプレイできるが、上級プレイヤー御用達であるこれを曲解禁のために繰り返し遊ぶのは現実的とはいえないだろう。
      • …と言うか、他機種では基本的に旧曲は通常解禁されている為、いい加減通常解禁にして欲しいと言う声も。*3
    • さらに伝導システムもSTANDARDモード専用、つまりPASELI限定になってしまった。
      • 本作はcopious以来となる上級プレイヤーからの伝導楽曲として、COURSEモードのとあるコースでGOLDストーンを獲得すると解禁される楽曲が存在する*4
        一握りのトップランカーを除いたプレイヤーは例によって伝導で解禁を目指す事になるが、PASELI対応店舗が近場に無いプレイヤーはどうあがこうがその楽曲はもう解禁出来なくなってしまった。
    • 旧曲も旧曲で、本作では毎週不規則に選ばれた7曲しか伝導できなくなってしまっている*5*6
      もちろん店内マッチングを駆使しない場合はランダムセレクトに頼ることになる。よって旧曲はたとえLIGHTプレイで伝導できたとしてもsaucer無印と比べると圧倒的に解禁しにくくなってしまったといえる。
  • 前作から続投のスミスゼミナール
    • 2013年12月から始まったイベント。プレイしたTUNE数や特定の楽曲の成績に応じてメダルを手に入れ、一定数に達するとボーカロイドの曲が解禁される。全4曲。解禁していく度に必要なメダル数が増えていく。
      • 「1日毎に課題をクリアして解禁」という形をとっているので、1日に1曲までしか解禁できない。解禁できる曲も1日毎にローテーションしていくので、決まった曜日にしかプレイできない人は無駄に日にちを費やすことになる。
      • 特定の曲で成績が良くなくても6TUNEごとにメダルがもらえるが、TUNE数は日にちをまたいで引き継がれない。そのため5TUNEプレイして日にちをまたいだ場合、メダルを取るためにはまた改めて6TUNEプレイしなければならない。
      • そもそもこのイベントはホームページ上で行われているイベントなので、筐体でプレイするだけでは曲を解禁できない。条件を満たした上でホームページに行き、解禁作業を別途行う必要がある。この解禁作業を行う曲も1日毎にローテーションしていくので、条件を満たしていたのに解禁作業を行っていなかったので筐体でプレイできない日にちを過ごすといったこともありうる。

その他の問題点

  • 先述通りHARDモードはCOURSEの一部でしか遊ぶことが出来ない。STANDARDでもHARDモードを選択出来れば・・・という声は多い。
  • 削除された版権曲は4曲のみだったが、稼働時に新たに追加された版権曲も5曲のみ。しかもそのうち1曲は隠し曲。
    • 版権料との兼ね合い上これは仕方ない部分もある。ただ、版権曲のチョイスには定評があったjubeatだけに少し残念である。
    • 曲は少しずつではあるが追加されている。ロックバンドの「HaKU」とのコラボレーションは特に話題を呼んだ。
    • 5月からはU.M.Uとのタイアップにより、ご当地アイドルの楽曲が大量に追加されたりもしたが圧倒的に女性ボーカル曲に偏ってしまっている。
  • 本作も、難易度の調整が一切行われていない。
    • 3作(3作前の調整も1曲のみだった為ほぼ4作)連続で調整が全くない。
  • グループ機能の存在意義が薄い。
    • 前作では条件を満たすと食材を入手(楽曲解禁を促進)する事が出来たが、今作はそれがない。
    • fulfill稼働開始時からComing Soonのままのコンテンツがあるので、とりあえず今後に期待か。
+ アップデートで改善された問題点
  • 楽曲をバージョン順にソートした時、本作からの新曲もsaucerカテゴリにまとめられてしまっている。saucerでの追加曲が膨大だった事もあり、目当ての楽曲を見つけづらい。
    • 5月26日のアップデートでsaucer fulfillカテゴリが新設され、分かりやすくなった。

総評

saucerの一番の不満点だった入れ替え制度を廃止し、コースモードの追加などjubeat本来の面白さを突き詰めていく形で順当に進化したはずの本作だったが、どうしてもプレイ料金増加が足を引っ張っている状況である。
プレイ料金を高くするなら高くするで、利益に影響の出ない範囲で値段相応のサービスを提供していれば良かったのだが、肝心のSTANDARDモードにあまり変化が見られなかったが為に余計に料金増加&コインプレイの劣化・冷遇という事実だけが目立ってしまっている。
過剰なコインプレイへの冷遇と曲解禁のハードルの高さからか、前作saucerで減らした客を更に減らす結果となっている。

反面、コースモードを十分に楽しむことのできる実力者からの評判はそこそこに高い。
コースモードは、他BEMANIシリーズよりも「最高難易度曲のクリア」というハードルが格段に低いjubeatシリーズを物足りないと感じていたプレイヤーからの要望に見事応えたと言えるだろう。

余談

  • 課金要素として本作の楽曲解禁を促進してくれる「 すごいうし 」というキャラクターが存在するのだが、その何とも言えないネーミングセンスで一部話題を呼んだ。
    • エイプリルフールにはこのすごいうしとVENUS*7が公式サイトをジャックするなど、スタッフの悪ふざけにも一役買っている。
    • 前述のTUNE POSTのスタンプでも使用可能。