「シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール - (2015/06/12 (金) 00:00:17) の編集履歴(バックアップ)


シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール

【しあとりずむ ふぁいなるふぁんたじー かーてんこーる】

ジャンル シアターリズムアクション
対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 インディーズ・ゼロ
発売日 2014年4月24日
定価 5,800円(税別)
分類 良作
ファイナルファンタジーシリーズリンク


概要

本作発売の2年前に生まれたFFシリーズのリズムゲーム『シアトリズム ファイナルファンタジー』の続編兼完全版。
当初はiOS版の配信をもって開発を終えるはずだったが、ユーザーの高い評価と続編への強い希望により本作が開発されることとなった。
ボリューム増量以外にも多くのシステム変更が行われ、より遊びやすくより長く楽しめるようになった。

特徴

基本的な遊び方やシステムは前作のページを参照。

  • ミュージックセレクト
    • 好きな曲を選んで遊ぶモード。
    • 楽曲が大幅に増えたためより遊びやすくなるための機能が追加された。
      • 最初から全難易度で遊べるようになった。
      • 本日のオススメ曲がランダムで設定されるように。選ばれた曲を遊ぶとリズポが通常の1.5倍が手に入る。
      • ソート機能が追加。タイトル順、曲名順、MS順にソートできるようになった。
      • お気に入り機能が追加。お気に入りマーク(ハートマーク)をつけた曲だけをリストアップできる。ボタン(タッチ)ひとつで決定解除可能。
      • クイックスタート機能が追加。1曲のみ登録でき、登録した曲をセーブデータ選択画面で遊ぶことができるようになる。
  • クエストメドレー
    • 前作の「シリーズモード」と「カオス神殿」を組み合わせたようなモード。
    • 混沌の地図に記されたステージ(楽曲)をクリアしていき最後に待ち受けるボスを倒せばクリア。
    • 1ステージ進むごとにクリアした時に得られる経験値が1.1倍→1.3倍→1.5倍と増えていく。
    • 途中には分岐点や中ボス、鍵のかかったステージが存在する。
    • 混沌の地図は長さに応じてショート、ミドル、ロングクエストに分かれる、ボスが落とすアイテムの価値によってノーマル、レア、プレミアに分かれる。
    • 混沌の地図はすれ違い通信によって交換でき、受け取ったクエストの全容とボスが落とすアイテムをある程度わかった状態で攻略できる。
  • バーサスバトル
    • 他のパーティと対戦するモード。BMS形式の曲を選びスコアの高いほうが勝ちとなる。
    • 対戦形式は他のプレイヤーとオンラインで対戦するインターネット対戦、ローカルプレイ機能を利用し近くの人と対戦するローカル対戦、CPUと対戦するCPU対戦の3つ。
      • CPU対戦はブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4クラスに分かれておりそれぞれ16位からスタートし勝ち上がっていく。クラスが上がるほど曲の難易度が上がり、順位が上がるほど相手も強くなっていく。
    • 対戦中にうまく操作したり敵を倒す度にEXゲージがたまり、満タンになるとEXバーストがランダムで発動する。
      • EXバーストは相手の演奏を邪魔する効果を発揮する。各レーンのスピードがバラバラになる、トリガーの種類が直前までわからなくなるといったものなど様々。
    • 対戦後、勝者はコレカを2枚、敗者は1枚手に入れる。またインターネット対戦では対戦後自動的に互いのプロフィールカードとそれに付属した混沌の地図を手に入れる。
  • コレカクリスタリウム
    • 前作では単なる収集要素だったコレカに成長要素を加えたもの。
    • 手持ちのコレカを最大8枚まで同時に消費しキャラクターの能力値を底上げする。
      • 消費するコレカの組み合わせ(作品、性別など)によって成功率、クリティカル率が上がる。
    • 上がる能力が高く種類も多いかわりに成功率が極端に低いカード、能力は上がらないかわりに成功率を大幅に上げるカードなどのカードもある。
    • ちなみに本作の能力の限界値はHPは9999、HP以外は255...と見せかけて999。デフォルトではどのキャラでも255までしか上がらないため、限界まで上げるには相当数のコレカが必要になる。
    • コレカは曲をプレイしたり敵を倒して手に入れるだけでなく、コンフィグ画面でパスワードを入力することでも手に入る。
      • しかしこのパスワード、FFシリーズのネタ名鑑になっている。名(迷)ゼリフを入れてみれば大抵当たるだろう。
  • 操作方法
    • タッチペンでの操作に加えてボタンでの操作に対応した。
    • これを受けて、成績にはプレイ結果に加えてその時の操作方法も記録されるようになった。
      • タッチペン操作のみのタッチスタイル、ボタン操作のみのボタンスタイル、両方を使ったハイブリッドスタイル、Lボタンとスライドパッドのみを使用したワンハンドスタイルの4つに分けて記録される。
  • DLC
    • 前作は曲だけの配信だったが、本作はキャラクターの配信も行うようになった。
      • 値段は楽曲・キャラは共にひとつ150円。
      • キャラクターはあくまでシリーズキャラを配信するだけであり、極端に強いキャラ・ゲームバランスを変えるキャラを配信しているわけではない(中にはオルランドゥのような強力なキャラも居るが、ゲームバランスを壊すほどではない)。
    • また同じくスクウェア・エニックスの『サガ』シリーズ25周年を記念して、『ロマンシング サ・ガ』シリーズの曲がDLCで配信された。
      • 楽曲は発売から2ヶ月後に4曲配信。全て専用の背景である。
    • 発売日の2014年4月から同年8月まで「1st Performance」と称し、実に50曲もの追加楽曲+7体の追加キャラが配信された。
    • さらに発売から半年が経った2014年11月から2015年3月まで「2nd Performance」と称して新たに累計50曲が追加。
      「1st」分と合わせると、DLC楽曲だけで実に総勢100曲となった。
      「2nd」ではFFシリーズだけでなく、シリーズ外の作品からの楽曲が多くセレクトされている。
      • 前述のサガシリーズ以外からも参加しており、「これじゃあ『シアトリズム スクウェア・エニックス』じゃないか!」と言う人も。
      • ほぼ全て専用の背景であり、原作の名シーンを再現したり、固有の敵キャラが存在する曲もあるなど非常に力が入っている。
+ 追加曲作品一覧

評価点

  • 全221曲(+DLC 100曲)という大ボリューム
    • ゲーム単体だけでも、221曲663譜面という家庭用の音楽ゲームとしては尋常ではない曲数が収録されている。
      • 内容が違うので単純な比較はできないが、同じ3DSで発売された『初音ミク Project mirai 2』が47曲、『太鼓の達人 どんとかつの時空大冒険』が63曲であることを見るとどれほど多いかがわかるだろう。
    • 特にFF13までのナンバリングタイトルからはそれぞれ10曲前後収録されており、名曲と呼ばれる曲は全て収録されていると言っても過言ではないだろう。
    • またそれぞれの譜面をフルチェインしようとしたり、クリティカルバーを埋めようと思うと、そうそう簡単に終われない。
    • 発売後のDLCも継続的に配信されており、曲数は増すばかりである。
  • 全77人(+DLC 7体)の登場キャラクター
    • 前作から大幅に登場キャラが増えており、FF4~FF13からはそれぞれ4人以上参加しているので各ナンバリングのキャラだけでパーティを組むことも可能になっている。
    • それぞれに異なった能力値・アビリティが備わっているため、完全な上位互換・下位互換のキャラは存在しない。
    • また本作では自由に覚えさせられるアビリティが増え、コレカクリスタリウムによって好きなキャラをどこまでも育てられるので、どのようなキャラでも満足に遊ぶことができる。
  • 誰でも楽しめる対戦プレイ
    • 相手を邪魔するEXバーストの存在により、多少の実力差があっても逆転できる要素が常に有る。
    • しかし譜面そのものが変化するわけではないので完全に譜面を記憶していれば必ず勝てる…という実力と運のバランスが絶妙で、初心者も上級者も楽しめるものになっている。
      • 互いに邪魔を無くし己の実力のみで勝敗を決したいという人は、究極の譜面に限りEXバーストなしで対戦することもできる。
    • また対戦後にはコレカが勝者敗者ともにもらえ、相手の混沌の地図も無償で手に入るというメリットがあるので切断されにくい。
  • 大幅に増えたやりこみ要素
    • 前述した曲をひと通り遊ぶだけでも相当な時間をやりこむになる。
    • クエストメドレーはアイテム・経験値集め双方でなんども遊ぶことになる。
      • 実際にプレイするステージもゲーム内のEMSを除いた全ての曲(DLCの曲を含む)からマップが構成されるので、前作のように同じ曲ばかりやらされることもなくなった。
    • コレカクリスタリウムによりお気に入りのキャラをどこまでも強くすることが可能になった。
      • 戦士キャラを魔法キャラに変えたり、好きなキャラのステータスマックスを目指したり、敵をより多く倒すための最適解を探すのも自由。
    • リズポも前作の9999から、桁が2つ上がり999999まで上がるようになった。
      • 一定量ごとにクリスタルのかけら・通り名・アイテムがもらえるのでモチベーションを保ちやすい。
    • 実績もそれに従って増量。全譜面のクリティカルバー埋め、というものもある。
  • 音楽プレーヤーとして
    • ミュージックプレーヤーモードでは収録曲を鑑賞することができる。
    • 本作ではDLCで購入したものも聞くことができる。
    • ただ聞けるだけでなく、ランダム再生可、並べ替え可、お気に入り登録可とやたら高機能。
    • イヤホン端子にイヤホンを当てたままにしていると、スリープモードにしてもそのまま音楽が再生される。
    • 221曲を1本で聞けることを考えると、CD代わりに買うのも悪くないかもしれない。
  • 細かな調整点
    • すっぴんボーナス削除
      • 前作ではすっぴん(アビリティ・アイテムを何も装備していない状態)でないと最高点である9999999点を取れなかったため、スコアを狙う場合アビリティやアイテムが完全な死に要素となっていた。
      • 本作ではそれが削除されたため、アビリティやアイテムを自由に装備させたままスコアを狙うことができる。
    • フィーチャーゾーン関連
      • 譜面中にフィーチャーゾーンと呼ばれる箇所があり、そこでの成績によってMSごとの効果が発動する。
      • BMSなら召喚獣を召喚し敵に大ダメージ。FMSならチョコボを召喚し移動速度大幅アップ。EMSでは成功すればEXムービーに突入するが、失敗するとそこで曲が終わる。
      • 前作では成績が悪いとBMSとFMSでは召喚に失敗し、召喚なしの譜面に分岐する。また、すっぴんだとそもそもフィーチャーゾーンに突入せず、こちらも召喚なしの譜面に分岐する。
      • 本作ではすっぴんでもフィーチャーゾーンに突入するようになり、召喚も失敗することがなくなり分岐が削除された*1
      • そのため、前作では召喚成功とすっぴんの最低2回はプレイしないとクリティカルバーが埋まらなかったが、今作では1回目のプレイでクリティカルバーを埋めることができるようになった。
      • また、前作ではフィーチャーゾーンに突入すると、その間トリガーが銀一色になりタッチトリガーやスライドトリガーの区別がつきにくかったが、今作ではトリガーの縁と中央のみが銀色になり元のトリガーの色が見えるようになった*2
    • 背景の演出
      • 曲の増加にしたがって背景の数も増えた。
      • さすがに全曲に専用の背景があるわけではないが、同じ背景でも曲にあった演出がなされている(「マトーヤの洞窟」であれば後ろで動くほうきが床を掃いている、「その扉の向こうに」であれば城内から飛び立つ小鳥の群れが追加されるなど)。
      • また船や飛空艇など乗り物に乗っている際の曲では、譜面が奥から流れてくるようなより臨場感のある視点でのプレイになった。
    • タッチ成功音の変更
      • タイミングよく操作できた時の音を、FFシリーズで実際に使われていたSEに変更できるようになった。
      • FF7のパーティでFF7のSEを使って原作再現したり、デフォルトのものより短いキー音にしてよりプレイしやすくすることもできる。
  • FF以外の曲もDLCで遊べるようになったこと
    • FFシリーズほど作品の出る頻度が多くないサガシリーズや聖剣伝説シリーズはもちろん,単発である『クロノ・トリガー』『すばらしきこのせかい』『ニーア レプリカント?』などのスクエ二が誇る名作の曲もDLCで遊べるようになった。
    • 『シアトリズム スクウェア・エニックス』のようなものが出てこない限り,これらの作品の楽曲を遊べるのは本作ぐらいなものだろう。

賛否両論点

  • 曲の長さが全体的に長くなった
    • 前作では曲の長さを音楽ゲームの標準と言われる2分前後におさめるためか、中途半端なところで始まる・終わる長い曲が多かった。
    • 本作ではそういった曲のために収録されている曲全体の長さを長くし、中途半端なところで終わらないようにした。
      • このおかげで「The Extreme」や「妖星乱舞」などの長い曲は曲の良さを存分に楽しみながらプレイできる。
    • しかしそれに合わせた結果か、ファミコン時代のループの短い曲は同じ部分を何度も聞かされることになった。
      • 一部の曲は1回の内に4ループするものもある。
      • 譜面はループごとに変わるものの、さすがにループの短いものを4回も聞かされれば飽きてくるものだろう。
      • DLC追加曲であるFF2のチョコボのテーマはなんと10ループもする。時間調整の為とはいえ、さすがにこれはどうかと言われている。
    • また収録時間が長くなるということは、それだけプレイに集中しなければならない時間も増えるということでもある。
      • 特にひどいのは「片翼の天使」である。サビ(?)が終わるところまで収録されており、1回で4分間もプレイし続けることになる。DLCの「再臨:片翼の天使 ~Advent:One-Winged Angel~」に至っては6分もある。
    • 曲をあますところなくプレイしたい人と、音楽ゲームとしてのテンポを重視したい人で評価が別れる部分である。
  • 作品間の扱いの格差
    • もはやFFオールスターゲームではおなじみになっている作品間の格差は本作にも存在する。
    • とは言え、本作は今までに発売されてきたFF関連作品の中から年代・ハードを問わずほぼまんべんなく参加しており、曲も各ナンバリングから大量に収録されているためそれほど批判に上がることはない。
      • むしろ「公式が存在を忘れている」と揶揄されていた『FFUSA』、FFの名を冠さない『チョコダン時忘れ』などまで収録されているため評価されることも多い*3
    • 本作でよくやり玉に上がるのはキャラクターである。
      • FF1・2・3からのキャラ追加がない。
        パーティが自分の分身であるFF1・3はともかく、何人ものパーティメンバーを持つFF2からはいくらでも追加キャラを出せると思うのだが…。
      • DLCで既に7人配信されているが、そのうちの3人がFF7関連作品のキャラクターである。
      • そしてFF7関連キャラ以上に批判されているのが「アーロン2nd」。10本編に登場する若いころのアーロン…と称されているが、何故か目に傷があり、実際にはKH2版準拠のデザイン(実はiOS版TFFのデザインのアーロンの流用)。つまり、通常版との外見の違いがサングラスの有無くらいしかない。10のファンからも、既にいるアーロンよりも他のキャラを配信して欲しいという意見が多い。
      • 「リュック2nd」のみが存在していて無印が居ないリュックも謎。その表記から、当初はDLCで普通のリュックが配信されるのではという噂もあったが、結局配信されることは無かった。
    • 曲に関してはDLC曲の追加は28曲中FF7ACの3曲程度なので特定タイトルが優遇されすぎという声は少ないが、不遇タイトルファンからは不満の声も。
      • FF1・3等の一曲も追加されないタイトルファンはもちろん、「もうひとつの月」のみ追加のFF4ファンからは「他にもっと人気の曲があるだろう」と言われている。

問題点

  • 前作のEMS全削除
    • 200曲もの初期曲追加の為か、前作に収録されていたEMSは全て削除された。
      • 代わりにFF1~13全てを統括したメドレーEMSが追加されており、前作EMSムービーも使われている。
    • もともと譜面が急に早くなったり判定が妙に厳しかったりと評判の良いものではなかったが、ムービー自体は各作品を振り返るのに良い出来でもあり、せめてムービーだけでも残して欲しかったという声も大きい。
      • 容量確保が目的だとしたら、そのムービーが一番容量を食ってしまう部分ではあるが・・・。
  • 音量調整
    • 本作ではタッチ成功音を各トリガーごとに音量調整できる。
    • しかし肝心のゲーム内BGMの音量や各種SEの音量は調整できない。
    • これで音量バランスが問題なかったらよかったのだが、曲をプレイ中の音量が少し小さめなため、それに合わせるとメニューに戻った時大きく感じてしまう。
  • 発売前からFFシリーズ以外でもDLC楽曲が収録される事が発表されていたが、実際の配信は発売から2ヶ月も後になってしまった。
    • ロマサガシリーズの中でも人気の戦闘曲が発表されていた為に期待していたユーザーも多かったが、さすがに2ヶ月は待たせすぎである。
      • ロマサガ曲目当てに買ったが配信前にやりつくした、飽きた、というプレイヤーも。
  • 持っていないDLCキャラを対戦相手に使われた場合、黒い影のシルエットのみで台詞も表示されない。
    • DLしないとデータ自体が存在しないせいだと思われるが、対戦相手のキャラ表示すらないのはやはり寂しい。

総評

開発陣が「今までシアトリズムを遊んでくれた人への感謝の気持ちをこめた」と言った通り、家庭用音楽ゲーム史上類を見ない大ボリュームとなった。
豊富なやりこみ要素と飽きさせないシステムのおかげで、100時間たっても遊び尽くせ無いいつまでも遊べるゲームと言えるだろう。
多くのFFから多数の楽曲が収録されているが、FFは1作しか遊んだことのないという人にも胸を張ってオススメできる作品である。
このゲームを遊んで今までプレイしたことのない他のFFに手を出してみるのも良いだろう。