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ドラゴンボール 大魔王復活 - (2011/09/30 (金) 06:08:18) の編集履歴(バックアップ)


ドラゴンボール 大魔王復活

【どらごんぼーる だいまおうふっかつ】

ジャンル アドベンチャーRPG
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 バンダイ
発売日 1988年8月12日
定価 5,800円
ポイント 初期DBゲーの方向性を定めた即死ADV
ドラゴンボールゲームリンク

概要

  • 超有名人気漫画『ドラゴンボール』のゲーム化第2作目。アクションゲームだった前作『神龍の謎』とは違い、コマンドを選択して探索を行うアドベンチャーパートと、手持ちのカードを使用して敵と戦い経験値を得るRPGパートで構成されている。
  • シナリオはピッコロ大魔王編をベースに本作独自のアレンジを加えた半オリジナル。復活したピッコロ大魔王の手先に修行仲間のクリリンを殺された悟空が、打倒大魔王を目的に旅に出るというストーリーである。

システム

  • プレイヤーは手札としてカードを5枚持っていて、全体マップにおける移動や敵との戦闘で使用する。
    • カードには星(1~7。見た目は劇中アイテムの「ドラゴンボール」を模したもの)、漢字(拳・蹴・必など)、漢数字(一~九)が記載されている。
    • 消費した分は5枚になるまで随時補充される。次に配られるカードの強さは完全ランダム。
  • ADVパートではコマンドを選択して情報を集め、フラグを立ててイベントをこなす。
    • その場所でのイベントをすべてこなすと次の目的地が提示され、特定の場所から全体マップへ移行できるようになる。
    • コマンドの中には、選択すると即座にゲームオーバーになってしまうブービートラップが混じっているので注意。
  • 敵の重要拠点が3Dダンジョン風になっているなど、ADVパートでは場合によってマッピングやメモ推奨。特定の場所には敵も出る(戦闘システムは後述)。
    • 序盤で訪れるジングル村は、屋外を移動するたびに寒さで体力が減ってしまう厳しい仕様。ここでゲームオーバーになり、本作におけるマッピングの重要性を知る人も多い。
  • 全体マップはすごろく状になっていて、手持ちのカードを消費して「星の数だけ」マス目を移動する。
    • 次の目的地に到着すると、出目の余りは切り捨てでADVパートに移行する。
  • カードを消費して1回移動すると、カードめくりが始まる。ここでは伏せられたカードを選択し、そのカードに従って、雑魚敵と戦ったりアイテムを入手したりといったイベントが起こる。
    • 前述の通りADVパートでは固定敵との戦闘があるため、事前にある程度悟空のレベルを上げたり、体力回復アイテムを集めたりしておきたい。
  • 敵との戦闘は、1対1で行うカードバトル。最初に使用するカードの枚数を1~5から指定(敵が枚数を指定してくる事もある)し、出す順番を決めたら、1枚ずつ開示し合う。星の数を比較して攻守を決定し、星の多い方がカード中央に記載された漢字に応じた技で相手を攻撃。これをいずれかのHPがなくなるまで繰り返す。
    • カード下部の漢数字は防御力兼回避率。数字が高いほど被ダメージが小さい。
    • 「必」は必殺技の使用を意味し、伏せられたカードを選択して高威力の技を放つ。必殺技の種類は悟空のレベルに応じて増える。
    • 悟空側は少し優遇措置付き。
      • カードを開示する前に、道中で手に入れた「仲間カード」を使用して星や漢数字を増やす事ができる(中には減ってしまうものもあるが)。
      • 悟空が出した星1は敵の星7に勝つことができる。
  • コンティニューはパスワード制。再開すると全体マップから始まり、手持ちのカードはランダムで配り直される。

評価点

  • 戦闘のテンポが良い。
    • カードを選んで出して、比較して、攻撃権を得たほうが攻撃、以下繰り返し。と、とてもルールが判りやすい。
    • グラフィックは漫画風のコマ送りで描写され、スピード感を損なわずにDBのバトルシーンの臨場感を表現している。
  • 戦闘シーンの作画は原作に忠実で、再現度はなかなかのもの。この点はキャラゲーとしてポイントが高い。
  • メッセージウィンドウやカードの装飾などは細やかで、雰囲気が良い。
  • 「足かめはめ波」などのレア技も

問題点

  • 即死選択肢の中に、初見では気付けないようなものが多い。ADVパートでは、ゲームオーバーになるとパートの最初からやり直し。
    • 中には原作を知っていれば回避できる場合もあり、原作の小ネタを押さえていると言えない事もない?
  • 小道具としてカードを用いてはいるが、戦略的な要素は特にない。
    • 「お互いのカードを伏せた状態で常に1枚ずつ使用、ツモは完全ランダム」というルールの戦闘は、通常のRPGと少し違う形態のようでいて、結局は悟空のレベルが勝敗を分けるごく普通のシステムである。弱カードの使い道も特に無く、とにかく出して運を天に任せるしかない。
  • 画面レイアウトの関係で、ADVパートのグラフィックウィンドウが小さい。

総評

独特の迫力とスピード感を持つ原作のゲーム化は、FCのスペックでは至難の業だったものと思われる……前作の出来から察するに(その出来があまりにもアレすぎたのは、また別の話だが)。
本作ではアクションゲーム路線から一時離れ、マンガという演出技法の持つ特徴を活かす方向に転換したところ、戦闘シーンのアニメーションはそこいらのRPGより遥かに見栄えがする。同系のシステムで続編が制作された事からも、路線変更は成功したと言っていいだろう。
しかし、ADVシーンにおける悟空は、苦境にあってなお決して折れなかった原作の姿がウソのように、あっけなく死んでしまう。それは「強さ」を魅力とする原作キャラの扱いとしてどうなんだ。
いらんところが難しい当時のADVゲームの悪癖が発現していなければ、「ちょっと趣向の変わったまあまあ面白いキャラゲーRPG」であれた。とはいえ、恐らく今ほどのインパクトは出なかった。どちらがいいとは一概に言えないところである。