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SIMPLE DSシリーズ Vol.45 THE 密室からの脱出2 - (2015/01/04 (日) 00:10:19) の編集履歴(バックアップ)


SIMPLE DSシリーズ Vol.45 THE 密室からの脱出2

【しんぷる でぃーえすしりーず ぼりゅーむ ふぉーてぃーふぁいぶ ざ みっしつからのだっしゅつ つー】

ジャンル 脱出アドベンチャー

対応機種 ニンテンドーDS
Wii U(Wii Uダウンロードソフト)
メディア 【DS】DSカード(容量不明)
【WiiU】ダウンロード専売ソフト
発売元 D3パブリッシャー
開発元 インテンス
発売日 【DS】2008年11月27日
【WiiU】2014年8月6日
定価 【DS】2,800円
【WiiU】1,000円(税込)
レーティング 【DS】CERO:A(全年齢対象)
【WiiU】CERO:B(12才以上対象)
判定 なし
ポイント スライドアクションがよりメインに
ルート分岐がかなり多彩で、エンディングも多い
脱出の舞台はかなり色とりどりなラインナップ
何故か演出面は劣化
SIMPLEシリーズリンク

概要

『SIMPLE DSシリーズ Vol.42 THE 廃屋病棟 〜呪われた病院からの脱出〜』を経て製作された『SIMPLE DSシリーズ Vol.27 THE 密室からの脱出 ~THE推理番外編~』の続編。
本作は『THE 推理』からは完全に独立し、本格的なシリーズ化が今回から始まっている。
システム面はほぼ変わらず、ゲーム画面をクリックして脱出のための手がかりを探すという内容になっている。
本作ではスライドアクションがよりメインとして確立。ただタッチするだけではない遊びも追加された。
番外編を完全に脱したことで、ストーリー面はやや無茶な空気も見え隠れしつつあるが、本作でより独自の色を掴んだと言っても良いだろう。

2014年には本作もTHE推理番外編に続いてWiiU版としてアップコンバート版が発売された。

ストーリーは、記憶喪失となった主人公が、自分の記憶を取り戻すため、謎の女性「ケイ」とともに謎を探るというもの。

WiiU版の変更点

  • タイトルを『@SIMPLE DLシリーズ for Wii U Vol.2 THE 密室からの脱出2 〜消された19の記憶〜』へと変更。
  • ゲームパッド向けにテキストを変更。これに伴い、操作説明を行う「ケイ」の台詞は特に変更された。
  • 映像をアップコンバート。
  • Miiverseに対応。

評価点

  • 謎解きのパターン増加による難易度の上昇。
    • クリックメインだった前作と比較して、ボタンを押しっぱなしで物事をどうにかするというスライドが増えたのは一番大きい。
    • また、パズルゲーム風の爆弾解除作業など、ミニゲーム的要素も増加した。
  • ストーリー性の独自性を確立。
    • 内容は濃いとは言えず、シンプルシリーズらしくぶっ飛んだ内容も多いが、本作でより作風は安定化した感はある。
    • さらに本作は分岐が多く、最初のルートをクリアした後で別のルートのエンドを見たり、隠しアイテムを手に入れることで新たなエスケープミッションが追加される。
      • ただしラストに関してはシンプルシリーズにはありがちな無駄な壮大感を出そうとして少し滑っている感じは否めない。
  • さらに多彩となった舞台。
    • 前作は元のステージをある程度流用した「裏ステージ」が多かったが、本作ではストーリー分岐後はほとんどが異なる内容となっている。
    • ゲームセンターに閉じ込められたかと思いきや、ゲームそのもの(しかも某配管工風)からの脱出を求められたり、果ては宇宙まで舞台となる。
    • もちろんネタ的なものばかりではなく、遺跡や廃坑など、まともな舞台も存在する。

問題点

  • 相変わらず操作方法などのヒントが薄い。
    • 序盤で一応「ケイ」がひと通り説明してくれるのだが、基本的なことしか教えてくれず、最初のステージは謎の内容も簡素なため、後の例外や応用の参考になりにくい。
    • 一々「何もない」と表示されるのも相変わらずで、一部のテキストはすぐには消せず前作と同じく足止めされることもしばしば。
    • クリック反応の悪さもやはり目立つうえ、本作はよりクリックしづらいように意地悪な形で隠しているものも増えている。
  • 前作に輪をかけて主人公のテンションがおかしいことが多い。
    • 本作の主人公は記憶喪失なのにも関わらず、考えることやテンションがおかしい時がしばしばある。
      • 廃坑でトロッコに乗るシーンがあり、最初こそ怯えるのだが、二度目にはまるでジェットコースターにでも乗っているかのようなテンションで騒ぎ始める。
      • ちなみにそのトロッコは途中で鉄路が途切れ、投げ出された先の線路まで飛び移るというアクロバティックな芸当を見せる。どう考えても映像的には無理がありすぎる。
      • 記憶喪失とは思えないほど、物事を見て感じることもおかしい。遺跡ステージで遺跡に落ちた際はインディ・ジョーンズ風の帽子を手に入れる*1のだが、それをわざわざ被って遺跡探索を行う(そのステージのみだが)。ロープアクションシーンはかなりシュールである。
    • ちなみに主人公と唯一繋がりを持つ女性であるケイも稀におかしく、飛行機の登場中、彼女がハイジャック犯を倒した後、自分が飛行機を操縦すると言い出すのだが、操縦知識がなんとゲーム。しかも普通のゲームコントローラを意識している。
  • パズル装置などはゲーム性を広げた反面、一つ一つの難易度が高く挫折しやすい。
    • 爆弾解除パズルはLv3まで存在し、制限時間は30分とかなり長い。つまりそれだけ時間をかけないと解けない難易度ということである。
    • 炭鉱ステージの歯車もなかなか難しく、ちゃんと計算出来る頭を持っていないと厳しい。
  • 演出の劣化。
    • 前作ではクリアするとクリアBGMが鳴ったが、本作ではステージBGMがそのまま継続して流れるだけで、クリアした気になれない。
    • スライド操作の際、一部のオブジェクトは動かした後で音が鳴るので違和感がある。

総評

前作と代わり映えはないが、方向性をより本格的に決めたのは本作であると言える。
どこかシュールな世界観や、それに準じたやや強引なストーリー展開は本作が方向性を決定づけたと言って良い。
しかし脱出ゲームとしての安定感は健在で、調べる、イジる、考えるを繰り返していればちゃんと答えは導き出るゲームである。
ただし一部のミニゲーム的な仕掛けの難易度は実に高く、時間制限もあるためかなり難しい。
特に爆弾解除パズルは最初の難関で、一部のプレイヤーはここで挫折してしまうだろうというほど法則を見極めないと難しい(パズルゲームが得意ならすぐ解けるはずである)。