「ザ・グレイトバトルV」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
ザ・グレイトバトルV - (2015/05/19 (火) 21:53:14) の編集履歴(バックアップ)
ザ・グレイトバトルV
【ざ ぐれいとばとる ふぁいぶ】
ジャンル
|
アクションゲーム
|
|
対応機種
|
スーパーファミコン
|
メディア
|
12MbitROMカートリッジ
|
発売元
|
バンプレスト
|
開発元
|
さんえる
|
発売日
|
1995年12月22日
|
価格
|
9,800円(税抜)
|
プレイ人数
|
1~2人
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
4人のキャラを自由に扱えないガッカリキャラゲー シューティングパートがいかんせん苦痛 BGM・世界観やストーリーの空気は良質 SFC最終作にして、ロア最後のグレイトバトル出演
|
コンパチヒーローシリーズリンク
|
概要
『ザ・グレイトバトルIV』の続編。前作同様横スクロールアクションゲームとなっている。
SF的な世界観だった前作から一転、西部劇的な世界観を主軸とした作品となっている。なお、SFCとしては本作が最終作となる。
バトルフォース・ニューコンパチネイションなどの単語は出てくるが、前作との繋がりは薄め。
本作でのプレイアブルキャラはシリーズオリジナル主人公である『ロア』に加え、『ゴッドガンダム(ゴッド)』、『仮面ライダーBLACK RX(RX)』『ウルトラマン(マン)』の4名。
キャラクターはそれぞれ西部劇風味にアレンジされており、西部劇ということもあってシューティング面も取り入れられている。というかステージ1はいきなりシューティング面である。
いろいろとシリーズ的には斬新な要素を取り入れた本作であるが、評価は他シリーズと比べても低く、シリーズ人気の凋落著しいものとなった。
明らかに他作品と比べるといくつもクオリティが劣る作品であるが、ただクソゲーと切り捨てるには惜しい部分もある。
ゲーム内容こそ今一つだが、ビジュアル・サウンド面はシリーズを重ねたことで大分成熟しており、世界観はよく表現出来ていると言える。
次作品となる『ザ・グレイトバトルVI』は本作と違い評価できる部分も薄く、名実ともにクソゲーとなってしまったことを鑑みれば、本作はまだ楽しめるゲームにはなっている。
ストーリー
「惑星ガルシア」から宇宙船が脱出した。保護した乗組員の話から、彼等の帰郷「惑星ガルシア」に、とてつもない危機が起こっていることが明らかとなった。
「惑星ガルシア」では、その星でしか取れない特殊な石「ガルバストーン」があり、その不思議な力を狙った他星の開拓者達が数多く襲来。強奪を繰り返す開拓者と住民との激しい争いに発展していたのだ。
そんな混乱に乗じて突如現れた謎の男、「ダダ」が「惑星ガルシア」を侵略。支配者となった彼は、逆らう者達を処刑してまわっていた。
事の次第を聞きつけたバトルフォースは、「戦士ロア」をガルシアに派遣、その星で活躍するヒーロー達と協力し、ダダの野望を打ち砕くために奔走する。
特徴
アクションパートとシューティングパート
-
横スクロールのアクションパートと、シューティングパートが存在する。
-
アクションパートはスタンダードなアクションゲームで、ジャンプ、アタック、チャージアタック、タックルを駆使して進めていく。
-
シューティングパートは画面奥に登場する敵を撃ち、回避行動で弾を避けたりしながら戦う。
4人のプレイアブルキャラ
-
それぞれ性能は大きく異なり、出来ることもまるで違う。ロア以外のパートナーを最初に3名の中から選ぶが、途中でパートナーキャラがイベントで交代され、最終的には全てを一度は使用することになる。2Pプレイだと片方のキャラをおんぶすることが可能で、上のプレイヤーが攻撃に専念出来る。
-
戦士ロア
-
主人公であり、唯一最後まで離脱することがないキャラ。性格は真面目で誠実。
-
武器はアクションパートがブーメラン、シューティングパートがマシンガン。
-
シューティングパートでは連射力の高いマシンガンでお世話になるが、本作の大半を占めるアクションパートにおいて、ブーメランが飛び道具なのに射程が短いという難のあるキャラ。
-
チャージ攻撃では上に乗ることがブーメランを放つ。移動面では役に立つこともあるが、上に乗ることを前提としているため前に飛ぶまでラグがあり、戦闘では使いづらい。
-
シューティングパートでは手数で攻められるので使いやすい反面、回避運動の後の隙が大きいのが難点。
-
ゴッドガンダム(ゴッド)
-
流れ者。本作の主要キャラと尽く因縁がある。西部劇なのに「オレのこぶしにかけてダダをたおす!」と堂々と言い出す熱血漢。見ての通り世界観に不釣合い。
-
武器はアクションではゴッドフィンガー、シューティングパートではバズーカ。
-
アクションパートのゴッドフィンガーは射程が短く、地上でのチャージだとその場でゴッドフィンガーを2連打するのみ。どちらも射程が短すぎるため恐ろしく使い勝手が悪い。
-
しかし空中でチャージを放つとゴッドフィンガーを両手で交互に放ちながらダッシュ攻撃を行う。無敵判定があり、途中でジャンプキャンセルが可能(実質二段ジャンプ)と空中制御は随一。
-
彼固有の能力はジャンプキャンセルのみで、肝心のジャンプ力は低いなど欠点も多い。
-
シューティングパートのバズーカは威力こそ高いが連射が利かないので当てづらい。ただし回避運動はゴッドフィンガーで高速移動するので相手によってはバズーカが有効なことも。
-
彼を最初に選ぶとゴッド→RX→マン→ゴッドとなる。
-
仮面ライダーBLACK RX(RX)
-
開拓者の一人。明るく陽気な性格で、時にはいきり立つゴッドを宥めるなど兄貴分的なキャラ。
-
アクションパートでは鞭とキック。シューティングパートでは二丁拳銃を用いる。
-
性能的には攻撃面において多芸であり、アクションでもシューティングでも使いやすい。
-
アクションパートの鞭は方向ごとの打ち分けが可能で、チャージ攻撃もサマーソルトとRXキックの二つを持つなど、移動面・対空面共に優秀。
-
移動に使えるライダーキックは地上に落ちていく、無敵判定が短い、ジャンプキャンセル不可と、空中制御ではゴッドに劣る。
-
シューティング面では二丁拳銃で戦う。連射力はロアに劣るものの決して低くはなく、RXがいればロアはあまり使う必要性がなくなるほど安定している。
-
特殊能力として、金の輪っかに鞭を引っ掛けてぶら下がることが可能。
-
彼を最初に選ぶとRX→マン→ゴッド→RXとなる。
-
ウルトラマン(マン)
-
保安官。ロア以上に礼儀正しい正義の人。彼を最初のパートナーに選ぶと行儀の良いストーリー展開が見られる。
-
アクションパートでは光線技、シューティングパートではショットガンを扱う。
-
射程限界がない飛び道具をアクションでも使える唯一のキャラ。スラッシュ光線は斬撃のような光線を前方に飛ばし、チャージのウルトラアタック光線は誘導性のある光線を多数放つ。
-
シューティングパートでは連射力のないショットガンとなるが、それでもゴッドよりは十分連射が効く方で、火力も出るので使いやすい。
-
特殊能力としては、唯一壁張り付きが可能。
-
彼を最初に選ぶとマン→ゴッド→RX→マンとなる。
-
その他の主なキャラ。
-
ドクターキサブロー:前作にも登場したバトルフォースの科学者。ロアとの会話シーンのみの出演。
-
ノーベルガンダム:本作のヒロイン。ステージ1でザク神父に処刑されかけているところをロア達に救われる。気の強い性格で、ゴッドとはよく口喧嘩になる。
-
モハル:ノーベルの友人の人間。牧場を経営している。ダダに騙されて開拓者を追い出すための作戦に利用される。
-
ダダ:本作の大ボス。惑星ガルシアを強引に支配下に置き、非道の限りを尽くしている悪党。シューティングパートで戦闘することになる。顔ごとに攻撃方法が異なる。本作最大の宿敵。
-
マスターガンダム:ゴッドとノーベルの幼馴染。宇宙海賊や荒くれ者を集めて良からぬことを企んでいる。本作では師弟関係ではなく、対等な目線でゴッドと対峙する。一人称も「オレ」。
問題点
-
自由にキャラクターを選べない。
-
最初にパートナーを選択するが、ゲームを進めていくと、やがてロアのパートナーキャラクターを強制的に変更させられてしまう。
-
それぞれ能力特化部分が異なるにも関わらず、自由にキャラを選んで進めないのは不便なことこのうえない。
-
ちなみに選んだキャラによってステージ構成も若干異なり、戦うボスの順番も変わっていく。
-
シューティングパートの気だるさ。
-
アクションパートとは別ゲーになるばかりでなく、それぞれのキャラで武器の使いやすさが大きく異なるうえ、雑魚はともかく主要な敵は総じて固いので時間がやたらかかる。
-
時間制限のあるノーベル救出戦、車両を全て破壊されるとミスとなる列車防衛戦など、プレイヤーの動揺を誘ってくる。
-
更にデビルガンダム戦は鬼畜の一言。頭部だけを狙えればすぐに終わるのだが、苛烈な攻撃がそれを決して許してくれない。
-
それ抑えるために高耐久の肩を破壊、腕を破壊しないといけないため時間がかかる。しかしそれによって頭部だけになった所を狙う他、安定した攻略方法はない。
-
ちなみに肩を攻撃してしばらく放置すると再生する演出があるが、あくまでこれは演出に過ぎない。しつこく攻撃しているとちゃんと壊れる。
-
ステージをいくつか使いまわしている。
-
ダダの隠しアジトを探し当てるため、現場百遍といったところなのだがバリエーションに欠ける。
-
ストーリー的にゴッドガンダムがやや優遇気味。
-
本作のヒロインであるノーベル、まともに会話があるライバルキャラであるマスターなどの因縁はゴッドに固まっている。よってゴッドを最初に選ばないとノーベルのヒロインらしさは薄れ、ライバルであるマスターの最期も感動が薄れる。
-
もっとも、他のキャラもそれぞれ良いシナリオは存在し、感動的な場面が用意されている。ただライバルやヒロインとの因縁がゴッドに比べると薄くなるため、やはり密度の差は否めない。
-
特にRXは他の二名と違い、モブキャラとの関係性はあるもののライバル的な敵に欠ける。マンは本作の大ボスであるダダと浅からぬ関係にある。
-
戦闘面での格差。
-
アクションパートにおけるロアがとにかく使いにくい。射程がとにかく短いブーメランがネックなうえ、チャージ攻撃では先の通りブーメランが進むまでラグがあるので攻撃が当てにくい。
-
ゴッドはアクションで使いやすいとよく言われるが、実はご自慢の空中制御はRX=ライダーキック、マン=壁張り付きで代用出来る部分も多く、むしろ戦闘だけで見るとアクション・シューティングともに汎用性において劣り気味。シューティングパートでは特に扱いにくい。
-
ただし空中ゴッドフィンガーはどこでもジャンプキャンセルで二段ジャンプが可能なため、移動面に限れば汎用性はナンバー1。また、チャージ攻撃の無敵判定とジャンプキャンセルを利用すると、通り過ぎるボスを相手(グフなど)に強さを発揮出来る。
-
RXはゴッドだけでなくロアのお株もかなり奪ってしまっている。彼の通常攻撃である鞭はあらゆる方向に向けることが出来るため、かなり使い勝手が良い。シューティング面でもロアがいらないくらいに使いやすく強い。
-
マンはアクションでもシューティングでも案外隙がないものの、移動技がないので移動には若干の扱いづらさがある。ただ戦闘面では最も敵を倒しやすいのでマンルートは初心者向けだったりする。
評価点
-
グラフィック、サウンドなどの質がかなり高い。
-
当時としてはかなり頑張っている方であり、多くのシリーズを重ねてきたことでキャラクター・背景ともにそのドット絵のクオリティは最高潮までにあがっている。
-
次作の『VI』が安直なCGを利用して一気にクオリティダウンしたのを見れば、本作のクオリティは正にシリーズ最高レベルの一つと言って良い。
-
嫌われ者ではあるが、デビルガンダムのドット絵の描き込みは特に秀逸で、破壊されていく様が非常に細かく描かれている。
-
ちなみに、中には次作品を思わせるポリゴン映像のように描かれたものもある。
-
世界観にあったウエスタン風のBGMも高評価。特に最初のシューティング面と、初代グレイトバトルのラストステージのBGMをアレンジしたホテル面などは評価が高い。
-
キャラデザのアレンジはなかなか秀逸。
-
前作ではSFに不釣合いな「ZO」を上手く落としこんでいたが、本作もまた西部劇に不釣合いなゴッドを「西部の放浪者」という設定にすることで原作っぽいネタを拾いつつデザインされた。
-
BLACK RXは、後に偶然ではあるがオリジナルの演者である倉田てつを氏がウエスタンな雰囲気のステーキハウスのオーナーとなったため、今ではある意味それを彷彿とさせる格好となった。それを抜きにしてもまるで似合ってないということはない。
-
マンは、当時から何かとウルトラマンが様々な格好することがしばしばあったことから元より違和感が薄く、保安官という服装も似合っている。
-
2Dアクションゲームとしての質自体の完成度はそこまで低くはない。
-
キャラが自由に変えられない変わりにステージギミックに頼るようになったのは賛否が分かれるが、全体的に爽快感自体はある。
-
前作が銃火器メインだったのに対し、本作はマン以外近接戦闘がメインとなったことで、前作のアクションシューティングとは違った別の魅力は出せている。
-
一部は相手を踏むこともでき、スタンダードなアクションゲームの肝自体は備えていると言える。
-
シナリオ・世界観の雰囲気はよく出来ている。
-
あくまでこの当時のSFCゲームのキャラゲーとして見たうえで、内容のクオリティは高い方で、ウエスタンな空気はよく表現出来ている。
-
それぞれキャラごとにシナリオも異なるので、シナリオを重視するのであれば周回プレイの苦も軽減されることだろう。
総評
ゲーム性的にはこれまでより大きく劣った面を見せた本作。
ただしグラフィックやBGMではこれまで以上のものを作り上げており、雰囲気もコンパチヒーローシリーズらしさをしっかり出している。
コンパチキャラゲーとしての出来は決して悪くはなく、ゲームも一部詰まりやすい場所を除けばプレイ出来ないほど悪いものではない。
ただ、やはりキャラクターを強制的に入れ替えて進まなくてはいけないという要素は必要だったのかどうか非常に疑問な内容ではあった。
『VI』の致命的なお粗末さを鑑みれば、少なくとも本作はクソゲー・ダメゲーと罵られるほど不出来なものではないと断言出来る。