【ひーろーばんく】
ジャンル | マネーバトルRPG | |
対応機種 | ニンテンドー3DS | |
メディア | 3DSカード/ダウンロードソフト | |
発売元 | セガ | |
開発元 |
デジタルワークスエンターテイメント バレット |
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発売日 | 2014年3月20日 | |
定価 |
パッケージ:5,550円 ダウンロード:4,900円(共に税5%込) |
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プレイ人数 | 1~2人 | |
セーブデータ | 1個 | |
レーティング | CERO: A(全年齢対象) | |
判定 | バカゲー | |
ポイント |
金が全ての少年向けシナリオ 札束で張り倒すようなえげつないゲーム性 バランスは大味 |
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ヒーローバンクシリーズ 1 - 2 - アーケード |
セガが打ち出した少年向けヒーローゲーム。漫画・アニメと大々的にコラボレーションし売り出された。
一見正統派ヒーローものに見えるが、そこはセガらしく出来上がったのは何やら異様な雰囲気を発する作品だった。
一言でテーマを言えば「
金が全てのヒーロー
」である。
ちなみに『金』のインパクトに隠れがちだが、「働く人は誰もがヒーロー」のキャッチコピーなど『職業』も題材にしている。
製作総指揮は『龍が如くシリーズ』で有名な名越稔洋が務めている。
ある日、とつぜん100億円の借金をすることになってしまった小学5年生の豪勝カイト! その借金は、「ヒーローバトル」の大会で勝利し、賞金を稼いでかえさなければならない!! ネットからダウンロードしたデータ「ヒーロー着」を身につけて戦う新時代のサイバースポーツ、それが「ヒーローバトル」!! カイトは「ヒーローバトル」で勝利し、100億円の借金を返すことができるのか!? バトルとお金をめぐる、熱きドラマが今、はじまる!
(公式サイトより)
+ | ヒーローバトルやヒーロー着の詳細(長くなるので収納) |
基本的には「前時代な少年向けRPG」と言ったところで、あまり語る点はないのだが、セガらしく妙なところに多数のこだわりが感じられる。
ゲーム自体の出来は「特に言うべき点もない佳作」なのだが、特異なまでの「金」へのこだわりが一種異様な雰囲気を発しており、単なる小学生向けゲームとは一線を画すものがある。
ゲームバランスを犠牲にしてまで「金を稼ぐこと」に執着したその姿勢は、自虐とも皮肉とも単なるギャグともとれる笑いどころと言える。
同じく「お金稼ぎ」をテーマとしたRPG作品に、ゼルダシリーズの脇役チンクルを主人公としたスピンオフ作品『もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド』があるが、ファンタジー世界ではなく現代的な世界観の中で、その上、小学生を主人公とした作品でこうも現実的かつ生々しい作風を徹底した作品を作り上げたセンスには恐れ入るところ。
名越氏肝いりの企画ということもあり、アニメ・玩具・アーケードゲームなど様々なクロスメディア展開が行われたが、不幸にも同時期に展開された『妖怪ウォッチ』の社会現象的ヒットに見事に呑み込まれてしまい、セールス的には芳しい評価は得られなかった。
とはいえ、売り上げがどうであろうと革新的すぎるゲームシステムや人を選ぶ作風を貫き通した本作もまた、同社の他作品の例に違わず「セガらしい作品」であると言えるだろう。