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C1-CIRCUIT - (2021/02/26 (金) 04:11:22) の編集履歴(バックアップ)


C1-CIRCUIT

【しーわん さーきっと】

ジャンル レース imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
対応機種 プレイステーション
発売元 インベックス
発売日 1996年10月4日
定価 5,800円(税別)
判定 クソゲー
ポイント 10年に一度級のクソゲー
PS初の首都高再現
未完成同然で市場に出荷
妙な企業タイアップ
史上最低の操作性
所謂MIDI丸出しの音楽
全方位に渡って悉く水準未満
妙に細かいパーツ類
謎に包まれた没データ


概要

詳細不明なメーカー、インベックスが世に送り出したPS初の「首都高を再現した」レースゲーム。
あまり車に詳しくない人のために一応書いておくと、「C1」とは首都高速都心環状線の路線番号・通称である。「C」は英語で「環状」を意味する"Circular"の略から。
4企業2団体、「八重洲出版(自動車雑誌を中心に発売する出版社)」「AUTOLOOK M's PROMOTION」「BLITZ」「ブリヂストン」「キングジム」「ユニコ(かつてのelfブランドのエンジンオイルの輸入代理店)」からの協賛・協力を得て、宣伝広告のパイプラインを確保した事もウリとされていたが…。

その出来は、伝説のクソゲー、10年に一度のクソゲーとも並ぶ程の核地雷であった


特徴(と言うか問題点)

メニュー画面

  • オープニングの時点で既に地雷臭が凄まじい。兎に角BGMも無く、ただただ効果音が適当に鳴っているようなムービーが寂しく映し出される。ただ幸いボタンを押せば飛ばす事は出来る。
  • そしてタイトル画面。ここも背景がぽつんとC1の図のような画像が表示されている程度の物である。
    • そこからボタンを押してセレクト画面に行くと…何と無音である。
    • そこで新規にゲームを始めるかデータをロードするかを選択し、新規にゲームを始める場合は名前を入力して開始させる…が。
      • 入力音も「ポッ」と妙に間抜けな音である。押しても意味が無いボタンを押すと、今度は耳障りな電子音が鳴る。
  • 最初の内はポイントも無く、レースをして稼ぐ必要があるので、車種を選択していざスタート。しかし…。

レース中

  • 余りにもレースゲームらしかぬ上、素人が所謂MIDIで作った事が丸わかりな音楽の中でレースは始まる。
    • エンジン音や接触音はそこそこ良いのだが、それ以外の箇所は水準に達しているかどうかが怪しい。グラフィックも平面的で、車もタイヤの動きが雑だったり、ブレーキランプが機能しない等もあり、良くない。
  • 挙動も悪く、特にドリフトした時の制御はかなり難しい。アクセルオフしてグリップで走った方が確実である。
    • 壁や一般車に接触した時、速度に応じてぶつかった方向とは逆の方向へゆっくり大きく跳ね返ると言うゲームとして見てもリアルとして見ても不自然極まりない挙動を示す。
  • 芝公園付近1箇所だけ画面が暫く赤くなる箇所がある。作りかけとしか言いようが無く、プレイの邪魔でしかなくなってしまっている。
    • 但し、実際の都心環状線にも同じ地点にオービスがあるのでそれのフラッシュを再現しようとしたのだろう。
  • ATのシフトダウンのタイミングが狂っており、例えばドリフトした後に回転数がかなり落ちてもシフトダウンしない致命的な所も。その為このゲームはMTでやった方がミスをした時のリカバリが容易である。

チューニング

  • 晴れてレースに勝ち、140ポイント前後手に入れていざチューニング。
    • しかしチューニングパーツはそれに対して異常に安く、安くて3ポイント、平均して10ポイント前後、ごく一部高くても40ポイント位と、2、3回もレースすればあっと言う間にフルチューン出来る程にヌルい。
      • パーツを酷使し続けると、レース中にエンジンブローという形で強制終了してしまうため、パーツ管理を怠らないことが重要となる…が、ゲーム全体の出来を鑑みれば、管理の面倒さが勝っているだけの要素なのはいうまでもない。ブローした時の「TROUBLE」という文字が背景が真っ赤に染まった中で粗く拡大表示される演出は、地味ながらもホラーである。
  • 所有しているパーツは1ページにまとめて表示される為、非常に見辛い。
    • パーツや車のステータス等は妙に細かく、車好きには一見の価値はある…のかもしれない。
  • 車の値段の概念も無く、パーツの売却価格も購入価格と全く一緒でポイントは溜まる一方である。
    • パーツを売る選択肢が「SALE」となっているが、間違いでは無いとは言え、物を売る意味では「SELL」の方が一般的だろう。
    • 因みにシナリオの英語表記を「SCINARIO」と間違えている。正しくは「SCENARIO」

その他

  • BGMは10曲程あり設定で変える事が出来るのだが…。
    • 全て上記の所謂MIDI丸出し音源かつ音質も悪い為、とても褒められた物では無い。一部そこそこ悪くない曲もあるが、それでも良曲とは言えない出来である。
    • やり方も説明書に書いているとは言え「SOUND TEST」から変更すると言う表記的に紛らわしい物。
    • 内蔵音源でも問題無いレベルなのにBGMはCD-DA規格で収録されている。ここでも技術面での未熟さが窺える。
      言い換えればCDプレイヤーでも音楽が聴けると言う意味でもあるが…。
  • エンディングを迎えても2周目等も無く、ただリセットボタンを押すだけである。

評価点?

ゲームとしての評価点は無いに等しいが、強いて挙げるとすれば、以下の通りである。

  • レースゲーでは珍しいAE92型レビンを模した車が登場している。他のゲームでは『KAIDO -峠の伝説-』程度しか収録の実績がなく、ある意味本作独自の要素かもしれない。
  • 実在企業とタイアップしているだけあり、一部パーツは実名である…が、こんなゲームに実名で出してしまってはイメージダウンになってしまうのでは無いだろうか。
    • ただし、タイアップによって「このゲームは信用できる」ものとして実際に手に取り、爆死したユーザーも散見された模様であり、そうした意味でも被害者の生産に繋がってしまった程度には機能した模様。
  • 一応都心環状線を初めて再現したレースゲームである。
    • 比較対象として挙げられがちな『首都高バトルシリーズ』では1999年6月24日に発売された『首都高バトル』まで実現せず、それ以前は首都高をモチーフとした架空コースを登場させていた。今作発売より前の1996年5月3日に発売された『首都高バトル DRIFT KING 土屋圭市&坂東正明』でも、実際の首都高をモチーフにしたコースが登場していた。
      • 上述のオービスも、ゲーム自体の完成度を差し置いて法定速度以下で走行した場合だと光らないなど、部分的に芸の細かいところも確認されている。ただし、C1自体の再現は、ビル群もちゃんと再現している等、当時としては頑張った方かもしれないが、それでも細かい描写に欠けていたり、平面的なテクスチャ等、未完成感は拭えず、良いレベルとは言えない。

総評

グラフィック、音楽、システム等、どれをとっても水準を大きく下回る未完成に相応しい出来である。宣伝やC1の再現等で力尽きてしまったとしか思えないと言わざるを得ないだろう。

ゲーム自体極めて限定的にしか知られていないものの、誇張抜きに10年に一度のクソゲーレベルと言っても過言では無く、車好きは勿論の事、単純にゲームとして楽しみたい人やクソゲーハンターでも購入する事は激しくオススメ出来ない。
もし当時からKOTYがあれば大賞も確実だっただろう。それほどなまでに劣悪極まりない完成度である。

そして何より「プレイステーション」と言う名の大海原にこのような核地雷クラスの凄まじいクソゲーもある事を再認識してくれる、それがこのゲームの存在意義かもしれない。


余談

  • 八重洲出版とタイアップしているだけあり、当時同社から出版されていたCARBOYでは大作と同じ扱いとして積極的に取り上げられていた。同じ雑誌内で隠し車種が存在していることが紹介されている…が、実際に改造で存在を確認した事例はあるものの、肝心の正規での出現条件は未だ判明していない。
  • 検索しても詳細が一切不明なだけに、これ以外で同社が手掛けたゲームは確認出来ない。
  • 現在インベックスのあった番地を検索に掛けると、全く無関係であるだろう建物が建っている事が確認出来る。恐らく倒産した模様。