本項では以下を扱います。

  • 『湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE』
  • 『湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 2』

湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE

【わんがんみっどないと まきしまむちゅーん】

湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 2

【わんがんみっどないと まきしまむちゅーん つー】

ジャンル レースゲーム
筐体1台
対応機種 アーケード
使用基板 Chihiro
記録媒体 横向き磁気カード
発売・開発元 ナムコ
開発協力 ポリゴンマジック
プレー人数 1 1〜2人
2 1〜4人
稼動開始日 1 2004年7月6日
2 2005年4月21日
判定 全作 賛否両論
ゲームバランスが不安定
ポイント 共通 ゲームエンジンが生み出した優良挙動
所々に点在する『無印湾岸R』の面影
単純明快なチューニングシステム
豪華作曲陣古代祐三トランス初挑戦作
極悪非道の無敗システムと無敗特典
後発と異なり引き継ぎイコールリセット
単純ながら貢ぎゲー要素は健在
湾岸ミッドナイトシリーズ


概要

楠みちはる原作のカーバトル漫画『湾岸ミッドナイト』を題材としたレースゲームで『湾岸ミッドナイトR』の後継作にあたる。『1』のロケテスト時は『湾岸ミッドナイト MAXI BOOST』と、現在とは異なるタイトルであり、作成したチューニングカードは本稼働した『1』に引き継ぐことが可能だった。

公称は『2』の公式Q&Aで言及されている『湾岸マキシ』。この段階ではまだ『WMMT』なる略称は確立していなかった。

ゲーム自体の挙動、ストーリーモード、ドレスアップ、コースの造形、BGM等、基本的な部分においては及第点。独自開発のゲームエンジン「ENMA」やシンプルなチューニングシステムを起因とした300km/hオーバーを実現できる内容により、他のどのレースゲームよりも爽快感を得られるものとして好評を博した。


筐体説明

ドライブ筐体

  • 『湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE』のために新規設計された筐体。黒と赤が基調でシングル筐体のみ。この筐体の基本設計は同社が2005年12月8日に稼働開始した『マリオカート アーケードグランプリ』に流用された。
    • 「270度大口径ハンドル」「アルミニウム製6速Hゲートシフト」「シートスライド機能付きシート」「モニタ横とシートに内蔵された4スピーカー」「低音域強調用の足元ウーファー1つ」が大きな特徴。このうち「Hゲートシフト」「スライド機能付きシート」の2点については『湾岸マキシ』のために新規開発されたものとなっている。
    • ボタン類は乱入切替に使う丸くて赤いボタン、視点切替に使う長方形の緑のボタンの計2つのみ。データ保存に必要な磁気カード排出口はコイン投入口上部に装備されている。

チューニングカード

  • 現在の途中経過を記録するための記録媒体。汎用リライタブル(書き換え)磁気カード「re-writable card(リライトカード)」を採用しておりカードの柄は横向きに印刷されている。カードの柄は複数あり使用済みになったとしてもコレクションとして楽しむことができる。中には通常の半数しか生産されていないレアな物も。
    • 印字される内容は「名前」「車種」「現在付けている称号」「馬力」「ストーリーモードのクリア状況」の5点。『1』のみ50プレーで『2』以降は60プレーで更新となった。このプレー回数に達したら強制的にゲームオーバーとなり、次回プレー時に新しいカードに更新をしてデータを引き継がなくてはならない。
    • ゲームの仕様上、カードはドライブ筐体から直接購入したものを使用する。外部のカードベンダーから購入するなどでドライブ筐体外で予め用意した未使用のカードを使う際は、直接挿入するのではなく店員を呼んでカードリーダーを開ける必要がある。
      • 磁気カードの印字方式はカードの印字部に約180℃の高温を急速に与え、常温へ急速冷却すると発色・150℃程にすると消滅する「ロイコ染料」を使用している。また単なる磁気カードとしては、セガの『頭文字D Arcade Stage』『Club Kart』をはじめ、他社の代替品などを使うことも可能である。そのためカードリーダーが故障していない限りは理論上現在でも磁気カードにデータを保存することが可能である。

印字される内容

  • 【名前】カードネーム。
  • 【車種】現在の車種。
  • 【称号】現在つけている称号。『2』より称号の前にランクが印字されるようになった。
  • 【馬力】セッティング時に設定したした馬力。
  • 【クリア】ストーリーモードのクリア状況。無敗の場合は白抜きの「⚪︎」が印字。有敗の場合は黒塗りの「⚫︎」が印字。

なお、クリアー状況は以下のように印字される。

C級
B級
A級
超A級

廃車カード

  • 『2』から実装。20話以上クリアしているデータの入ったカードを60プレー分使い切ると、そのカードが廃車カードになる。2回まで使用可能で使い切ると使用済みとなる。60プレー分使い切った段階で20話までクリアしていない場合は廃車カードが発生せずにそのまま使用済みとなる。
    • 内容はゲーム開始時に廃車カードを差し込むと、廃車カードと同じ車種20話クリア分の無敗データからプレー出来るというもの。ランクもN級からではなくC7級から開始となる。他は新規作成した時と同じである。
    • 『3』以降と異なり、ボディカラーの変更も不可能で、有敗カードの廃車カードの場合は有敗状況も引き継ぐ仕様であるため、特に『3』以降から始めたプレイヤーは要注意。

使用基板

  • 調達経緯は不明ながらもセガとマイクロソフトで共同開発したXboxベース基板「Chihiro」が採用されており、ソフトはGD-ROM(1GB)で提供されている。

ゲーム内容

BGM

  • 作曲は全て古代祐三によるもので、『1』独自のシステム音源4曲、レース中に14曲が収録されている。因みに『1』の音源は稼働後に発売されたOSTとは異なる音源となっている。
    • 『2』ではシステム音源4曲が新曲となり、7曲のレースBGMと3曲の10人抜き専用BGMが追加された。一方で「Stream Of Tears (More Tranced Remix)」「Beyond The Horizon」「Speed Fanatic」「Acid Runner」の4曲が削除された。こちらも『1』の音源についてはOSTとは異なるものとなっている。
      • 「Holy Land Anthem」サントラ初回盤に付属しているカードを使用した時のみで選択可能。曲的には『2』のエンディング曲「Last Utopia」の続きである。

ランクシステム

  • 『2』から実装。「どれだけやり込んだのか」を測るシステム。時折誤解されがちだが実力指数を示していると言うわけではないため注意。降格と言う概念自体が無く、条件を満たせばどんどん上がり続けていく。この段階ではランクが表記される欄が独立されておらず『1』で称号が記載されていた欄に「◯n級 (※称号)」と言った形で記載される。
    • ランクは「N級」「C級」「B級」「A級」「S級」「SS級」「SSS級(鳥S)」の順に昇級する。N級とSSS級以外は、空手の級位よろしく「7から順番に1が最も高い」順に昇級する(例:C7級→C6級)。最終的には計35回レベルアップの条件をこなす必要がる。『2』に限り『3』以降と異なり数字は7段階である。
      • 階級の表現は『1』にもあるが、あくまでストーリーモードの難易度を示している点からも要所の話数をクリアーした際に獲得できる称号として登場するのにとどまり、「概念としての」ランクシステム自体は存在しなかった。

称号システム

  • ゲームの進行に全く干渉しないながらも『1』から現在に至るまで採用され続けられている。公式では「プレイヤーの性格を表す」と定義されている。最初は無条件で「湾岸の新人」固定である。
    • 『首都高バトルシリーズ』の通り名とは異なり、自分の好きな称号を装着する。付け替え式であるため、新たに称号を手に入れ装着した際には古い称号を破棄される。これらは保存できないためよく考えて付け替えること。
    • 『1』のみ、「ストーリーモードの進捗状況」「タイムアタックの結果」「乱入対戦の戦績」に応じて、対応した称号が手に入るものとなっているため、実質現在で言うランクシステムに近いものとなっており、全体的に質素であった。
    • 『2』よりランクシステムが導入されたことにより一新。「プレイヤーの性格を表す」と銘打たれたものとなっており、総数が2,000を優に超える数に増量した。主に「ストーリーモードのクリアー話数」「乱入対戦の撃墜星の獲得状況」「10人抜きのクリアー状況」「タイムアタックで特定の条件を満たす」ことで入手できる。中には回りくどい条件を経ないと入手できないものもある。

オーラ

  • 走行距離5,001kmに達すると、はじめて車の周りに垂直にオーラが発生するようになる。アトラクトにおけるユーザー情報や乱入対戦開始時に表示される。以後は5,000kmごとにオーラが大きくなり、最大300,001kmまで大きくなる仕様である。

ゲームモード

タイムアタック以外のモードにて、コースの走行距離次第でレース開始時に「260秒(=4分20秒)」「300秒(5分)」「400秒(=6分40秒)」「500秒(=8分20秒)」「800秒(=13分20秒)」と、レースゲームにしては明らかに多い制限時間が与えられる。

これらはあくまで「故意による遅延プレーの利益的被害軽減」的な意味合いが強く、タイムアタックモード以外にチェックポイントも無い。

また、乱入対戦モード以外ではレース中にコースを逆走すると3秒分のカウントダウンが始まり、ゼロとなるとリタイアとする設定も可能である。デフォルトではオフになっているため、カードを使用していない時にリタイアすることができない点には注意。


ストーリーモード

概要

  • 『湾岸マキシシリーズ』のメインモードで、ゲームの基本となるチューニングはこのモードで行う。プレイヤーが一人の走り屋となって原作を再現したシーンに居合わせた形となり、ライバル達を追従して物語を体験していく。内容は原作に沿った形でストーリーを進行させると言うものであり、プレイヤー自身がストーリーに干渉するような描写も。
  • 勝敗に応じてチューニングポイントが貯まり、満タンになる度にチューニングを1目盛り分行うことができる。負けた場合でも勝利時から半分を引いた分のチューニングポイントが貰える。
  • クリアー済の話をもう一度クリアしても、一切のチューニングポイントが貰えない。さらにタイムアップになった場合やクリア済の話を再度選んだ上で負けた場合も有敗扱いになるので要注意。また、『3』以降と異なり逆走リタイアした場合は有敗となるため、特に『3』以降から始めたプレイヤーは要注意。
    • アザーカーの配置が一定なのは1周目のみである点には注意。2周目からはアザーカーの動きもランダムになり、周回を重ねる度にアザーカーの配置もトリッキーになる。それによって1周目より難易度がアップする。『2』ではこれに加えて箱根にも少数ながらアザーカーが出現するようになる。道幅が広い程アザーカーが全車線を埋め尽くすような配置が登場しやすくなる、狭いC1でトラック2台がギリギリ千鳥状に並走、コーナー途中や出口にレコードラインを塞ぐようなアザーカーが出現するなど、周回を重ねていけばトリッキーな配列が頻発することもあり得る。擦り抜けやアクオフを積極的に活用してやり過ごそう。

頭上のマーカーなど

  • ライバルカーの車両上には必ず「Rマーク」の付いたマーカーが付いており、『3』以降で2台以上走行している際には矢印に色分けがされる。基本的にはピンクであり、
    • レースと無関係なライバルカーと言う概念もあり、こちらは「Rマークの付いていない矢印だけのマーカー」で表示される。このマーカーの車については抜かさなくても良いが、そもそも一度追い抜かれると物理的に抜き返さない速度で走行するため、前に出ること自体がやり込みの領域となる。

『1』のストーリー

  • 『1』は全20話で全編にわたり「ライバル総集編」となっている。周回ごとに走行ルートが変わり概ね走行距離が長くなる。『2』の40話までにも言えることだが、5の倍数の話は最初の4話を全てクリアーしなければ選べず、20の倍数の話はそれ以外の話を全てクリアーしなければ選択できない。
    • 内訳は「各登場人物と原作に沿ったような形でバトルする」ものであり、原作コミックの名台詞や名シーンを意識したものとなっている。あくまで登場人物がそうしたアクションをとるだけのオリジナルストーリーであるため、原作通りの展開ではない点に注意すること。

『2』のストーリー

  • 『2』は全80話に。1話〜20話は『1』を踏襲した「総集編」、21話〜40話は登場ライバルの変わった「総集編」、41話以降は5話毎の「前後編」で構成された「特別編」となる。41話~50話の「悪魔のZ 復活編」、51~60話の「モンスターマシン編」、61話~70話の「R200CLUB編」、71話~80話の「幻のFC編」で構成される。
    • 41話以降からは1周目に限り1話ずつクリアーしないと先に進めない。
話数 題目
『1』の内容
第1〜5話 初級 C級
第6〜10話 中級 B級
第11〜15話 上級 A級
第16〜20話 超上級 超A級
『2』の内容
第1〜20話 ライバル総集編
第21〜40話
第41〜50話 悪魔のZ復活編
第61〜70話 R200CLUB編
第71〜80話 幻のFC編
+ ネタバレ注意!

『1』の場合

  • 3周目の第10話と第20話は『パックマンシリーズ』のキャラクターに差し替えられた話が展開される。
    • 3周目第10話は「R200CLUB」が「PAC765CLUB(全てカローラ)」なる「アオスケ/ピンキー/グスタ」に差し替えられたストーリーが展開される。
    • 3周目第20話は「ブラックバード/悪魔のZ」が「ハイエース2台」「アカベエ/パックマン」に差し替えストーリーが展開される。

『2』の場合

  • 第25話と35話は『太鼓の達人シリーズ』のキャラクターに差し替えられた話、いわゆる「湾岸太鼓ナイト」が展開される。あくまでセリフの微変更に加えて車種とキャラが差し替えられただけで、走行ルートは第5話と15話と何も変わらない。
    • 第25話は「秋川レイナ→和田どん子(ハイエース)」と「悪魔のZ→和田どん(カローラ)」となり、第35話は「後藤元→和田かつ(カローラ)」「友也→お面小僧(ハイエース)」となる。海外版は引き続き『パックマン』となり、「秋川レイナ→ピンキー」「朝倉アキオ→パックマン」「後藤元→アカベイ」「友也→アオスケ」となる。

チューニングシステム

  • ストーリーモードでのみ獲得可能な、クルマのチューニングに必要なポイントを貯め、進行状況に応じたチューニングを行っていく。
  • 1周目までに600馬力/Bまでの20目盛り分の「基本チューニング」、2周目までに800馬力までの10目盛り分の「追加チューニング」、そして3周目までに800馬力までの4目盛り分の「北見チューニング」を行う。
    • 『2』からは更に2+2の計4目盛り分が追加された。
    • チューニングレベル21以上で可能なセッティングも600馬力~現在の最高馬力までの割り振り式で「グリップ寄り←HG(ハイグリップ)、G(グリップ)、B(バランス)、D(ドリフト)、DG(デンジャラス)→ドリフト寄り」とシンプル。
      • セッティングの機会もレース毎に調整出来る為、セッティングが合わなかった際の再設定&再プレーも非常にやりやすい。
    • 公式では、『2』の未来研通信にて開発者が「箱根はパワー寄りにした方が早く走れる(実際はバランス寄りだが)」というこの仕様の存在を示唆する発言をした事がある程度くらいにしか名言されていないものの、ハンドリング寄りにやれば扱いやすいが壁接触のリスクが大きい。逆にパワー寄りにやれば滑りやすくなるが、壁接触のリスクが少なくなる。これに関わる称号もある。
話数 勝利時 敗北時 チューン内容
『1』の内容
1周目 満杯 1/2 基本チューニング
2周目 1/5 1/10 追加チューニング
3周目 北見チューニング
『2』の内容
1〜20話 満杯 1/2 基本チューニング
21〜30話 1/2 1/4 追加チューニング
31〜40話 北見チューニング
80話クリアー
【有敗】ゲージ+1
【無敗】ゲージ+2

セッティング

  • 基本チューニング中を含めて例外無く「パワー寄りにすれば加速力・最高速が上昇する代わりにグリップ力が低下して滑りやすくなる」「ハンドリング寄りにすればグリップ力が上昇してクイックレスポンスになる代わりに加速力・最高速が低下する」と言った形となっている。
    • パワー寄りにセッティングすれば、カーブで失速したり壁に接触した場合でも加速力の高さでリカバリーしていくことが可能であるが、滑りやすく応答性が鈍ってしまうためそれを想定した先読みが求められる。
    • ハンドリング寄りにセッティングすれば、グリップ力が高くなるため応答性が向上して扱いやすくなるが、加速力が低下するため失速しないよう終始ミスをしない走りを心掛けなければならない。
項目 略称 加速・最高速 グリップ力
デンジャラス DG 上昇 低下
ドリフト D
バランス B
グリップ G
ハイグリップ HG 低下 上昇

ドレスアップ

  • 本作には「(概念としての)ドレスアップ」が実装されておらず、代わりに「ハンドリングチューン」で同等の措置が(実質強制的に)行われる。
    • エアロ1種とホイール10種用意されている。それぞれ基本チューン中のハンドリングチューンでそれぞれ装着。50プレー毎の更新時のみ付け替え可能。
      • 「日産・フェアレディZ(S30)」に限り「ミッドナイトブルー」は「悪魔のZエアロ」、それ以外のボディカラーは「カーボンボンネット付きエアロ」と差異がある。
      • 「トヨタ・セルシオ」に限り、ハンドリングチューンで「クリアテール」「エアサスコントローラー」「ガラスフルスモーク」「ゴールドエンブレム」「スピードショップマッハのステッカー」の各ハンドリングチューンが外見にも反映される。その他ハンドリングチューンでドレスアップが施される。

10人抜き

概要

  • 『2』から実装。時間内に原作キャラとの1vs1のバトルを10回繰り返して勝ち抜くモードである。最後のライバルの番に差し掛かると、それが登場した際、一回転する演出が入る所も特徴。
    • 選べるコースは「C1内回り」「C1外回り」「新環状左回り」「新環状右回り(LONG)」「箱根(往復)」の5コース全てとなる。
    • 1人抜く度に残り時間が20秒程増えるが、全体的に制限時間が短めであるので早期決着が重要と言える。
    • とりあえず制限時間内にクリアすれば「達成」となり、金のクリアプレートを獲得できる。それなりに成果が全レベル共通で3分以内で達成出来れば「秒殺」となり金のクリアプレートの上に王冠が付く。
    • レベルはLv10までありそれぞれで適正馬力が割り振られている。この割り振り基準は『3』の分身対戦に引き継がれた。
    • コースごとにレベル10までの全レベルを秒殺したらランクアップした。つまり全コース秒殺クリアが出来れば一気に12レベル分も上昇した。
レベル 名称
レベル一覧
レベル1 300馬力級
レベル2 350馬力級
レベル3 400馬力級
レベル4 450馬力級
レベル5 500馬力級
レベル6 550馬力級
レベル7 600馬力級
レベル8 650馬力級
レベル9 700馬力級
レベル10 無差別級
+ 全Lv「秒殺」で制覇すると…?

Lv?

  • 全レベルを秒殺で達成すると、Lv10の右隣に新たに出現するレベルである。制覇したコースのみ選択可能。
    • その名も「28人抜き」。内容は「『2』に登場する湾岸ミッドナイトのライバル全員と戦う」というもの。クリアしても何も特典が無い上、走行距離しか記録されないので注意。
      • 1クレで6分以上と非常に長くプレー出来、完走した時の走行距離も40kmほどと非常に多いゆえに基本的には上級者が乱入待ちをする時によく利用されていた模様。

タイムアタック

概要

  • それぞれのコースで完走時のタイムを競うモード。このモードのみセクション通過ごとに制限時間が加算される。やり込み要素自体が用意されておらず、どんなに好成績を出そうがやり込んでも報酬は全く発生しない。オフラインとしてアトラクト画面で表示される筐体内ランキングも存在する。
    • これとは別に、ホームページからパスワードを入力して保存するインターネットランキングとして車種別ランキングと総合ランキングが存在する。

首都高一周

  • 追加料金を支払えば10分前後走る首都高一周をプレーする事が可能。追加料金は店舗設定で変更することができるため、無料~4クレジットと様々である。工場出荷設定では、大型筐体の標準設定の200円1プレーに合わせた4クレジットである。連続で4回選択して完走すると称号「ナラシ運転」が獲得出来る。
    • 因みに他の項目と目に見えるほどに独立しており、ゲーム内でも注意書きがあるが首都高一周走行中に乱入されると追加料金が無効になってしまうので要注意。これは選んだ瞬間にクレジットが消費されるためである。

スペシャルマシンタイムアタック

  • カード使用時のみ選択可能。モード選択後に現在使用している車種を使用するか、現在使用している車両とは別の車種でタイムアタックできる。使用している間は強制的に「乱入拒否」となり、乱入切り替えを押しても乱入歓迎にできない上、通常のランキングとは別に集計された。
    • 『1』ではセッティング自体ができず、ハンドリング重視の「秋川レイナ仕様R32」、バランス重視の「悪魔のZ」、加速・最高速重視の「ブラックバード」が選べた。『2』では有敗問わず最初から815馬力状態でどの車もセッティングが出来るようになった。

乱入対戦

概要

  • 『1』は2人、『2』で最大4人で対戦可能な店舗内対戦モード。撃墜星はここで稼ぐ。このモードでの走行次第でドライビングスタイルが変化し、振り方次第でオーラの色が変化する。誰かが「乱入歓迎」にしている時に他の台から乱入すると、された側は「挑戦者参上!!」と言う表示と共にゲームが中断され、乱入対戦に移行。
    • 乱入されたく無い場合はモード選択の前に出る選択肢で「乱入拒否」を選べば良い。車種選択後に乱入歓迎台に対して乱入しない場合も「乱入拒否」になる。
    • 時間帯・曲選択で参加者全員がブレーキを踏むと、スローカーブーストが無くなる。
      • なお、ブーストが掛かっている状態ではスピードメーターと実際の速度は必ずしも一致しない。
    • 乱入切替ボタンを押すとパッシングをする。効果は特に無いものの40回パッシングすれば称号「パッシング野郎」が手に入る。
      • なお、かつては「加速力が一時的に上昇する」と言われていたが、後年になって有志による検証が行われた結果、特に効果がないと結論がつけられた。
  • 店舗設定で勝ち残り設定をオフにする事が可能で、その場合はモード終了後に「参加者全員の」ゲームが無条件で強制終了する。この場合はコンティニューが一切できない。

撃墜星

  • 乱入対戦で対戦相手に勝利した時、参加者に応じて獲得できる。
+ 獲得出来る撃墜星の数
項目 2人 3人 4人
1位 1撃墜 2撃墜 3撃墜
2位 無し 1撃墜 2撃墜
3位 - 無し 1撃墜
4位 - - 無し
  • 撃墜星の単位は「撃墜」である。2,001撃墜以上で最下位になると撃墜星が1つ減ってしまう。

ドライビングスタイル

  • 自分の走行スタイルをある程度可視化する要素。乱入対戦の走行状況に応じて変化し、オーラの色に影響する。あくまで乱入対戦のプレー状況だけ
    • 『1』の乱入対戦スタイルは「ラフ」「スムーズ」のみ実装。『2』で「クール」「ワイルド」が追加され、現在の4方向となっな。
スムーズ
クール ワイルド
ラフ

同時対戦モード

  • 現行作の「イベントモード」に相当するモード。筐体設定でオンにすると同時対戦モードとなる。この状態では通常プレーが不能となる。
    • コンティニューは一切できず、勝敗関係なく無条件でゲームオーバーとなる。

パイロンゲーム

  • 同時対戦モードの待ち時間のみでプレーできるモード。内容は『レイブレーサー』のボーナスゲームをと瓜二つな見た目をしたミニゲームとなっており、そちらとの差異は「常に横方向からラジコンを操縦した視点でのプレー」「パイロンと自車以外のグラフィックは真っ黒の背景と最低限の状況テロップのみ」「挙動は通常時と変わらない」となっており、ゲーム画面の見た目はさながらデバッグモードを連想するものとなっている。
    • このゲームでの成果は特に記録されず、その後のレース結果などにも一切干渉しないため、あくまで「待ち時間の暇つぶし」を想定したものとなっている。

収録車種・コース

収録車種

+ 収録車種一覧

以下は、『2』稼働開始までに原作に登場した人物の登場車種についてのみを取り扱う。

初出 メーカー 車種 駆動方式 初期馬力 過給方式 備考
1 ゲンバラ 3.8rs 5速RR 300馬力 ターボ
rsr 5速RR 300馬力 ターボ
2 マツダ RX-8 Type S (SE3P) 6速FR 250馬力 自然吸気
1 RX-7 TypeR BATHURST (FD3S) 5速FR 280馬力 ツインターボ
SAVANNA RX-7 GT-X (FC3S) 5速FR 205馬力 ツインターボ
2 EUNOS Cosmo TYPE-S (JCESE) 4速FR 280馬力 ツインターボ
1 三菱 LANCER Evolution VIII MR GSR (CT9A) 6速4WD 280馬力 ターボ
LANCER Evolution VI GSR (CP9A) 6速4WD 280馬力 ターボ
2 LANCER Evolution III GSR (CE9A) 5速4WD 270馬力 ターボ
1 GTO TWIN TURBO (Z16A) 6速4WD 280馬力 ターボ
1 日産 SKYLINE GT-R V-SpecII (BNR34) 6速4WD 280馬力 ツインターボ
SKYLINE GT-R V-Spec (BNR33) 5速4WD 280馬力 ツインターボ
SKYLINE GT-R (BNR32) 5速4WD 280馬力 ツインターボ
FAIRLADY Z Version S (Z33) 6速FR 280馬力 自然吸気
2 Fairlady Z 300ZX (Z32) 5速FR 280馬力 ツインターボ
1 Fairlady Z (S30) 5速FR 130馬力 自然吸気
Silvia Spec-R (S15) 6速FR 250馬力 ターボ
1 スバル IMPREZA WRX STi (GDB) 6速4WD 280馬力 ターボ
Impreza WRX STi Version VI (GC8) 5速4WD 280馬力 ターボ
LEGACY B4 (BL5) 5速4WD 280馬力 ターボ
2 ALCYONE SVX Version L (CXD) 4速4WD 240馬力 自然吸気
1 トヨタ Supra RZ (JZA80) 6速FR 280馬力 ツインターボ
2 SUPRA 2.5GT TWIN turbo R (JZA70) 5速FR 280馬力 ツインターボ
1 MR2 GT-S (SW20) 5速MR 245馬力 ターボ
CHASER Tourer V (JZX100) 5速FR 280馬力 ターボ
+ 隠し車種一覧
初出 出現コマンド メーカー 車種 駆動方式 初期馬力 過給方式 備考
1 Fairlady Z (S30)に
6-4-3
日産 FAIRLADY Z 300ZX (Z31) 5速FR 230馬力 ツインターボ
1 CHASER Tourer V (JZX100)に
6-4-3
トヨタ CELSIOR (UCF10) 4速FR 260馬力 自然吸気
2 SUPRA 2.5GT TWIN turbo R (JZA70)に
4-1-2-6
COROLLA SEDAN G (NZE121) 5速4WD 110馬力 自然吸気
MR2 GT-S (SW20)に
322-322-322
HIACE WAGON (KZH100G) 4速FR 130馬力 自然吸気
+ 未収録車種の事情

原作未搭乗の車種とライセンス絡みの事情

  • 以下の車両は原作と異なる形で登場している。

フェラーリ車(イシダヨシアキ)

  • 「イシダヨシアキのフェラーリ・テスタロッサ」がフェラーリ社の許諾を得ていないために、稼働当時既に登場済み人物でありながら『2』までは登場すらしていない。フェラーリはライセンス許諾の権利料金が他メーカーよりも非常に高く、かつホンダ同様にアザーカーが登場するゲームへの許可自体が厳しい為の措置だと思われる。
    • 尚、現時点でフェラーリが実名登場している国産アーケードレースゲームはいずれもセガによるタイトルで、全車種フェラーリの『F355チャレンジ』シリーズと『アウトラン2』、フェラーリ以外の車種も収録されている作品では『スカッドレース』と『ル・マン24』が該当する。

ポルシェ車(島達也など)

  • パッと見てわかりにくいが「島達也のブラックバード(ポルシェ911)」もメーカー許諾が降りなかった故に「ゲンバラ・3.8rs」別車種に差し替えられていた。
    • ポルシェの場合はゲームでのライセンス使用権がエレクトロニック・アーツ(EA)の『ニード・フォー・スピード』シリーズによって2016年まで長らく独占されていたためである。で、本シリーズではポルシェ車をベースにチューニングを行い新車として販売しているメーカー、「ゲンバラ」と「RUF」がそれぞれ『1』から『3DX+』まで、
      • 『ニード・フォー・スピード』以外の家庭用レースゲームにポルシェが収録されたのは、同じEAの「リアルレーシングシリーズ」の他、マイクロソフトの「Forzaシリーズ(『1』Horizonを除く)」にEAのライセンス失効の直前に有料DLCとして登場した程度であった。

ホンダ車(友也)

  • 日本史に名を残す自動車メーカーであり、原作でもメインキャラクターの搭乗車種としても登場していながら、ゲーム中では一切その名を見せなかったがこれには理由がある。ちなみに『2』開発までの段階では「岸田ユウジ」はそもそも原作コミックでも登場すらしておらず「友也のホンダ・インテグラタイプR(DC2)」が登場しているものの、今作は「R32」に乗り換えた後のみの登場となっている。
    • ホンダの場合は「本シリーズの舞台が高速道路」でなおかつ「レースに参加しない一般車役のアザーカーが登場している」為か収録されていない。一説では過去に阪神高速環状にてシビック乗りの暴走族が問題視された時、関連会社である無限が警察から家宅捜査を受けた事があり、それ以降は他社よりも一段と厳しい姿勢を取るようになったと言われている。その厳しさは群を抜いており、ゲームのみならず『ジャイロゼッター』と言った玩具に対しても許諾しなかったほど。

収録コース

  • 収録コースは「首都高速エリア」に加えて『2』で「箱根エリア」が追加された。いずれも原作に登場するロケーションである。
    • システム・ゲームエンジンやルートの都合上、全体的に道幅が広くする形でデフォルメされており、アザーカーと壁を擦り抜ける事が容易となっている。
初出 コース名 全長
1 C1内回り 13.7km
C1外回り 13.8km
新環状左回り 17.4km
新環状右回り 22.8km
2 箱根往路 7.3km
箱根復路 7.6km
1 首都高一周 59.8km

【C1(1号都心環状線)】

  • 『1』から絶大な人気を誇る、通称「C1」。都心部を駆け抜ける環状線で高馬力なほど露骨に高難度化する狭めなコース。
    • 神田橋の激しいアップダウンや銀座の橋脚には要注意だが、東京タワーや皇居の桜等の名所も多い。

【新環状(9号新環状・台場線)】

  • 「9号新環状」と台場線。タイムアタックでの台場線は左回りのみ経由し、右回りは大井分岐から横羽線を経由する。
    タイムアタックでは『3DX+』のみ右回り・大井Uターン経由、『2』『3DX+』のみ台場線経由の右回りショートコースが走行可能。

【箱根(芦ノ湖スカイライン)】

  • 『2』初出。原作にも登場している峠コース。「芦ノ湖スカイライン」の一部区間を走行する。
    • 峠なので他のコースとは勝手が違い、このコースのみアザーカーが出現せず、ギアレシオが加速寄りになっている他、ハンドルを大きく切らないと曲がれない急コーナーが多い。
      • 店舗設定で乱入対戦に限り復路スタートで往復する「箱根往復」も選択可能となる。のちに『3DX』『3DX+』でのタイムアタックの箱根がこれに変更されている。

【首都高一周】

  • 首都高を全区間走行する。プレーする際には追加料金が必要だが、店舗設定次第で追加料金なしにも設定することが可能。完走に12分以上(と工場出荷設定の1プレー2クレジット計算における2プレー分)を要するためか工場出荷設定では4クレジットとなっている。ゲーム内でも注意書きがあるが首都高一周走行中に乱入されると追加料金が無効になってしまうので要注意。これは選んだ瞬間にクレジットが消費されるからである。
    • 『2』店舗設定で乱入対戦でも追加料金無しで選択可能にすることも可能である。この場合制限時間が999秒(16分39秒)となる。 当時は12分の壁を誰も破ることは出来なかったが、最高馬力の840馬力への向上・旋回力アップによるドリフト時のアングルが浅めになったことが要因となり、遂に『6』で12分の壁が破られた。

Webサイト

概要

  • 『3DX+』までは筺体自体がオンラインに接続されていなかったため、「筺体側で確認できるパスワードをプレイヤー自身が専用フォームに入力して登録する」と言う方式を採っている。そのためカードデータ確認画面に表示されるパスワードをメモに書き写すなどで改めてサイトのフォームに入力しなければならない。
    • 面倒な場合は確認画面からパスワードをカードに印字するように設定することも可能である。

インターネットランキング

  • 各コースのタイムアタックで叩き出したタイムを競うランキング。

走行距離ランキング

  • それぞれのプレイヤーによる走行距離を競う。

評価点

ゲームシステム

物理エンジン「ENMA」が生み出した優良挙動

  • 『湾岸マキシシリーズ』最大の評価点にして、現在に至るまでその評判を不動のものにしている、いわば土台というべき特筆点である。レースゲームにおける「操縦性」「挙動」は根本的な面白さに直接影響する点であり、まさにこの部分の完成度が秀逸と言うことである。「ホバークラフトみたいで重量感を感じ取れない」と言った批判もあるにはあるものの、これだけで後述の目に余る数多くの問題点を踏まえてもなお、一見さん同士の初期馬力による乱入対戦のみならず、車種や遊び方を変えて継続したくなるほどの、プレイヤーを引き付ける高い魅力を輝かせている。
    • 全体的に爽快感と賭け引きを両立した操作性となっており、ゲームとして見たら他に類を見ないレベルの楽しさ。高速で簡単にドリフトする爽快感を狙っている。具体的に言えばアクセル踏みっ放しでハンドルを切っても安定したコーナーリングが可能で、それなりのカーブはアクセルオフ等で速度を調整→急なカーブはきちんと減速しないと曲がれない程度の難しさである。それでも慣れれば誰でもMTで十分走れるレベルになれるぐらいに扱い易いという、「現実では起こりうるシビアな挙動を徹底的に無くし、誰でも超高速でコースをかっ飛ばす楽しさを感じられる挙動」となっている。もっともドリフト中は相応の速度で減速しているのでしなくて良い箇所ではグリップ走法で走るべきである。
      • ちなみに「ENMA」の正式名は「Enhanced Machine」。このゲームのために開発された独自のゲームエンジンであり、現在でもシリーズを重ねる度に改良されている。後年シリーズの開発スタッフが手掛けた『マキシマムヒート』にも流用されるほどであり、ゲームエンジンとしての評価の高さが窺える。

ストーリーモードの原作再現度の高さ

  • ストーリーモードの区切りは基本的に5話であり、前後編などで区切りを跨いでも最大10話と、非常に纏まっている。それでいながら仕様上の制約の中でも最大限原作の魅力を堪能できるように調整されている。原作で描かれた各バトルの再現はもちろん、元々はバトル描写の無い日常場面での重要シーンも取り込んでおり、原作を知っていなくても楽しめるようになっている。
    • 走っている途中に劇中キャラが様々な台詞を喋る形式を採っており、原作漫画から引用された名台詞も効果的に活用されている。他のアードゲームのレースゲータイトルでは(当時)実現していないような、ライバルカーによるエンジンブローなどによる途中離脱という演出や、通り過ぎる乱入車演出も再現度向上に一役買っている。
    • 但し会話部分は声が一切なく、前身作の『湾岸R』と同様、画面上での文字表示となっている。走っている途中に画面に現れるので気が散るとの意見も引き続きあり、ネタ要素として画面の約4分の1を覆うほどの長台詞を連発する「(『3DX+』までの)ガっちゃん」戦も前身作から相変わらずである…。
    • 車もストーリーに深く関わるキャラクターのものはおおむね忠実に再現されているが、脇役キャラのマシンは差し替えられていることが多い(例:雰囲気組)

原作再現ストーリー

  • 『2』より後半40話に原作の流れに沿ったストーリーが追加された。
    • ご丁寧に「悪魔のZ復活編」では主要登場人物3名の顔グラフィックが初期デザインのものとなっており、原作再現に対する意気込みが見えてくる。

わかりやすいチューニングシステム

  • 『1』において「アーケードゲーム初!劇的なパワーアップが可能なチューニングシステム!」と謳われていた通り、当時の最大馬力からして800馬力と通常ではまず考えられないほどのモアパワーへと引き上げることができることが特長と喧伝された。事実、どんな車種も最終的には300km/hオーバーも当たり前に出せるようになり、そう言った意味でも「チューニングを施した」という行為と、更なる爽快感を実感のしやすいものとして好評を博した。
    • また、最大出力が爆発的に増加する一方で、システムはシンプルである点も見逃せない。まずチューニング自体「パワー」と「ハンドリング」から1目盛分選択する、たったこれだけであり、ストーリーモード後半で行われるチューニングを進めていけば追加でセッティングも行えるようになるが、これも単にハンドルを左右に振って割振りをするだけで完了する。ストーリーモードで行うことも含め「小難しい事を考えず簡単により速くて曲がる車を作れる」というアーケードにぴったりのシステムと言えるだろう。
      • 当時の競合機種では条件が複雑で捻りを要したり、そもそも予め専門知識を詳細に身につけておかないとそもそも楽しめない、逆に呆気なくチューニングが完了してしまう、そもそも実装されていないようなものが乱立していた。そんな中で「ストーリーモードで一定の勝利・完走数に応じて手に入るチューニングポイントを満タンにして一目盛分のチューニングを行う権利を実行する」と言った形でこの煩わしさを解消した。
    • 後の競合作品にあたる『頭文字D ARCADE STAGE 4』や『バトルギア4』に見られるような「パワーチューニングを優先すると加速がもたついてしまう」意地悪な仕様も存在しないために、プレイヤーの好みの順番でチューニングを進める事も可能である点も特筆点である。一応、ゲーム中では基本チューニング中に一方に偏ってチューンをすると、片方のチューンも促される様に配慮されてもいる。『3DX+』までは大田リカコから促されるものとなっており、無視してそのままパワーチューニングも可能。

原作キャラと向き合うチューニング

  • チューニングは「メニュー毎に割り当てられた登場人物とマンツーマン」と言う形で行われる。この演出も簡易的ながらも「原作漫画を意識している」と言えるほどに効果的な演出となっている。どんなチューニング内容か原作キャラから説明されるのもニヤリとさせる要素だろう。チューニングを担当するキャラは車種毎に変わる。
    • 「自然吸気エンジン」「スーパーチャージャー搭載車」は最初のパワーチューニングで強制的にボルトオンターボ化されるため、ターボ嫌いの人は要注意。これについては「湾岸を走るにはターボは無くてはならない存在です。」と理由が説明されている。自然吸気のまま600馬力とか800馬力を出そうとすると6リッターV型12気筒レベルの大型エンジンが必要になってしまうので仕方ないと言えば仕方ないが。
    • セルシオに至ってはハンドリングチューンが一部を除いてどう見てもドレスアップとなっており、しかもグラフィック上でもきちんと反映される。ついでに説明文も良い意味でふざけており、担当キャラも「ガっちゃん(佐々木元)」に。これも味のある原作再現である。またチューニングメニューなだけに組み合わせが固定とはいえ『2』までで実質のドレスアップができる唯一の車種と言える。

スリリングな10人抜き

  • シリーズにしては珍しく「制限時間内で10人のライバルを追い抜く」と言う短期決戦型のものとなっており、全体的に昔ながらのアーケードゲームらしさを醸し出すかの内容となっている。残り時間が機能するほど少なく、追い抜く前にこちらに進路を寄せるような挙動を示してくるため「ライバルカーをかわしながらオーバーテイク」するテクニックを試されるという意味ではハラハラドキドキ。
    • 手軽にCPUと追い抜きを意識した対戦ができることに加えてリタイアしても問題ない内容であるため、このモード内での解禁要素において上級者の乱入待ちによく利用されると言った需要も生み出した。

演出面

緻密だがデフォルメも丁寧なコース造形

  • 『1』の筐体アトラクトでも総延長距離と制作風景を交えながら大々的に宣伝されていた通り、全体的なコースモチーフの再現度が高く、細かな点にも抜かりなく手の込んだ完成度を誇る。とはいえ、そのまま再現すると道幅が狭くなり追い越しが困難になるためか、全体的に道幅が広くなるようデフォルメもされており、さながらゲーム性と造形の完成度を高い次元で両立することを実現している。
    • 都市高速道路ならば、ビルが彩る街並みやジャンクション、一定速度以上で通過すると赤くフラッシュするオービス、通ると振動が発生する道路の連結部や凹凸、各種交通機関とのすれ違い、パロディ看板等の小ネタ等ギミックも盛り沢山。
    • 箱根はゲームエンジンに基づく最小曲線都合の問題により、直角コーナーがS字クランクになるなど相当なデフォルメが施されているものの、基本的に芦ノ湖スカイラインに忠実になるように。

優れた音響面とグラフィック

  • スタート時やゴール直前のカウントダウン音をはじめ、効果音を中心に『無印湾岸R』からの流用も結構な数にのぼるが、それらの出来は総じて良質。

古代祐三による秀逸なBGM

  • BGMは全て前身から引き続き、業界では言わずと知られたゲーム音楽のカリスマである古代祐三が作曲したトランス系の曲は中々の名曲揃い。劇伴のみならず単体のBGMとして見た場合でも秀逸。以後のシリーズ作の高評価ぶりからも、日本ファルコム時代からのバロック系の作曲を専門とするアーティストから『湾岸』のイメージそのものまで刷新することとなった。
    • まるで心音の様な独特の一定のリズムを刻む楽曲群は走行中でのローリングスタートと非常に良い相性であり、自他共に認める脳内物質を刺激していく。中でも悪魔のZが出現する時の楽曲はボス登場時の演出の盛り上がりもあり、真剣勝負の幕開け、またそのボスに勝ててしまう事の虚しさも表現されていて非常にテンションが上がる。他の曲もタイトルの「ミッドナイト」にかけられ、これまでナイトストライカーで称された「夜のドライブでかけるのは危険」のお株を奪っている。
      • このような豪華作曲者による曲提供が行えた秘訣として、二代目プロデューサーの小林景氏とは高校時代のクラスメートであり、「高校一年生の時、私の席のすぐ後ろがコバヤシ君だった」頃から付き合いが長く、前田前総合プロデューサーからの熱心なオファーを経て実現したとのこと。『1』当時の本人曰くトランスの作曲は初であり、作曲に取り掛かる前にあらゆるトランスの曲を聴き込んだという徹底ぶり。そこから生まれた楽曲の評判からカリスマの矜持を見せつけた。

賛否両論点

収録車種の少なさ

  • 『1』の収録車種が「19+4車種」と、同時期に稼働したレースゲームと言う観点で見ても少ない。『2』で追加された車種も6車種と少なかったものの、これで「25+4車種」とようやく中の下程度の収録車種数にはなった。
    • ラインナップ選定もこれまた微妙。車種毎の欠番がかなり悪目立ちする点は問題視されており、なかでもMR-Sや2代目ロードスター、ランサーエボリューションのIVやVIIが無い点は人気車種で知名度も高いために批判点として槍玉に挙げられやすい。

平等に高難易度のストーリーモード

  • ストーリーモードのライバルは、プレイヤーがスタート前に加速して先に進んだ後は『バトルギア』よろしく常に一定のペースを維持して走行する仕様である。これだけで一気に50m以上もアドバンテージを付けられてしまうばかりか、第1話などの序盤のライバルですら例外なくそうであるため、総じてこちらが壁ペナしただけでも簡単に引き離されやすく中々追い付けない。逆にライバルカーをアザーカーにハメればこちらがミスをしない限りは中々追い抜けるほどのアドバンテージに縮められることも無くなる、と言うことでもある。
    • 特にハンドリングチューンを優先して進め過ぎてしまったり、ゴール地点に合わせたセッティングを怠った際は完全に悲惨な状況に陥ってしまいかねない。序盤からしてこのような調子でライバルはハイペースに走行するため、慣れないうちは無敗どころか難所でつまずいた結果として負け続けて先に進めず詰んでしまうことも冗談抜きにザラである。自信がない場合は終始「Bになるようチューニング・セッティング」「720馬力/B」、あるいはゴール地点が直線の場合は「Dになるようセッティング」で進めることを推奨。
    • ただ、『3』以降のように「Rマークの付いていないライバル」「ブローなどで途中脱落するライバル」を含めて「目に見えて胡散臭い露骨なブーストが掛かる」ような不自然な仕様が存在しないため、中上級者を中心に「歯応えのある難易度」として歓迎されていた…要するに無敗の仕様を鑑みれば「2周目以降でそうしておけば間違いなく歓迎される難易度」と言えた。
      • 一応、テストスイッチ設定で5段階の難易度が調整できるが、そもそもテストスイッチなのでプレイヤー自らが任意で調整できるわけではない。更に最低難易度設定でも十分な難しさを誇るため、これよりも簡単にする手段は一切無い点でも難易度を上げてしまったことは確かだろう。

多彩ではある称号システム

  • 多岐に渡りすぎる入手条件や台無しにした仕様は別として、ゲームをプレーする過程で手に入る称号群自体は、原作を忠実に沿ったものから、日本全国各地の地名や名所にまつわるもの、バラエティ豊かである。
    • ストーリーモードを一定話数進める、分身撃破トロフィーや撃墜星を一定数獲得、特定のゲームモードのチャプタークリアーなど、進行状況に応じた段階ものなどをはじめとした初歩的でありがちなものはもちろんのこと、一方に偏らせて基本チューニングを行う、ドレスアップパーツを一切装備せずにストーリーモードを1周する、箱根を左車線のみ走って完走、大激突音を一定数鳴らすと言った捻ったアクションを取る、抜かせないライバルカーを抜かして勝利、などの実力を要するもの、果ては特定地点で逆走リタイア、メニュー画面を周回させるなどの特殊な条件を満たしてクリアーなど、数えきれないほどの称号を誇る。その数は『2』の段階からして2,000種類以上に誇ると公称するほど。
  • 称号自体は面白いものであり良点でもある。普通にプレーしたら入手出来るものから、特定地点でリタイア、相当な実力ややり込みを要する、等余りに難解な条件を満たして入手出来るネタものまで様々。

車線規制システム

  • 『2』の「第41話以降のストーリーモード」「10人抜き」「乱入対戦」においてのみ登場するギミックである。道路工事と言う設定で仮設ガードレールを用いた車線減少が行われるというもので、ストーリーモードのみ固定ポイント上に配置されていた。ただし10人抜きや乱入対戦でも出現する可能性のあるポイント自体は決まっており、そこからランダムで出現するか否かと言った形が採られている。
    • 1車線だけ規制されるならわかるレベルではあるが、「シケイン状の長いS字クランク」と言う大幅な減速を強いられるばかりか、素人目で見ても見るからに大袈裟としか思えない車線規制も存在した。また、あくまで仮設ガードレール「だけ」が敷かれるというものであり、設定に反して工事機器類などが設置されている描写は特に見受けられない点も疑問符と言わざるを得ない。
      • ストーリーモードに関しては、ランダム要素でないのも相まって難易度を不当に上げていると言われても仕方ないとも言えるだろう。しかし10人抜きや乱入対戦においては、特に新環状湾岸線区間の単調になりがちな展開を打破する対策としても効果が高い。よって一種の盛り上げ要素と評価する声もあり、こちらに限っては高く評価された。

基板性能と思われる弊害

  • GD-ROM1枚で提供されているが故の容量不足や基板性能上の制約などの弊害が随所で見受けられる。
    • 湾岸ミッドナイト』なのにもかかわらず、原作の中でも重要な舞台として扱われる「湾岸線」「横羽線」が収録されていない。
      • 代わりというべきか、新環状の直線区間を湾岸線、大井Uターンから芝浦方面へと向かう道路を横羽線としている。
    • アザーカーとして登場していた車種のうち、「三菱・パジェロ」が前作から引き継がれず収録されていない。
    • 『無印湾岸R』の曲が収録されていない。「Blackbird's Theme」のように島達也が登場していなかった
    • 『2』ではBGMの音質自体が下がったのみならず、レースBGMのうち4曲も削除された。
      • 削除されたレースBGM4曲は「Stream Of Tears (More Tranced Remix)」「Beyond The Horizon」「Speed Fanatic」「Acid Runner」である。

問題点

システム面

本シリーズには汎用的に使えるゲーム内通貨と言う概念がそもそも存在せず、それぞれのモードで特典を獲得していく方式を採っているが、結果としてプレーに無駄が生じる仕様となってしまった。

当時は磁気カードに一つの車種しか登録できなかったため、そうした欠陥が見えにくかったが、続編でもこの仕様は続投されてしまっており、これが『4』以降で目立った階級詐欺問題などに発展する顛末となってしまうことに。

貢ぎゲー

  • 今でこそ「貢ぎゲー」の代名詞として(未プレイヤーも含めて)悪名を轟かせていることで知られているが、特段やり込み要素がさほど実装されていなかった『1』の段階からしてそれなりの貢ぎを要求される。
    • 当時は乱入対戦の「背景」と言った「獲得に貢ぎを要する上アトラクトなどに表示される機能」や「多数のドレスアップパーツ」をはじめとした「需要に対して量も多く要求クレ数が莫大」なやり込み要素が無かったため、総じて全貌が分かりにくいものだったが、フルチューンに要する最低クレ数や称号獲得条件など、やはり十分貢ぎゲーとしての片鱗を垣間見えるものだった。
      • そして『2』になってからランクシステムが採用されたことにより一気に貢ぎゲーぶりが加速。そのクレジット数は大まかにまとめても、ゲーム自体をまともに進めるために必須であるフルチューンだけでも80と非常に多く、ランクに至っては1人だけでも条件達成可能な手段だけで進めたとしても3,600クレジットを要する。
+ 特典獲得に必要なクレジット数
特典 最低クレ数 条件 個数・段階 備考
フルチューン 80 ストーリー80話無敗クリアー 30+2段階 有敗だとフルチューン不可
フルチューン(有敗) 500前後 走行距離5,001km達成 「Ver.B」より実装
10人抜き制覇 50 10レベル秒殺制覇 5コース
ランク 3,600 昇格条件達成 36段階
オーラ 25,000前後 走行距離5,001kmごと 60段階 300,000kmまでオーラが大きくなる。
  • 上記の表の通り、全体的に多額の出費を強いる仕様となっている。これほどの要求をされるゲームは、下手な「貢ぎゲー」と非難されるゲームや、社会問題になっているMMORPGやソシャゲの廃課金でも早々多くないだろう。
    • 後述の問題点で個々のモード別の内訳を解説するが、実力や課金などで時間短縮を行うことは一切できず、結果的に膨大な要求条件のツケは、目に余るほど無駄になるプレー時間と言う形で、ゲームの仕様の面でも悪影響を及ぼしてしまっている。

極端な走行距離を要求するオーラ

  • 走行距離5,001kmから車の周りに垂直にオーラが発生する。ところが、大体1ゲームで走る走行距離は12km前後が相場である。更にストーリーを1周しても929km程度と到底届かない距離であるので相当やり込まないと出現すらしない代物である。
    • 5,001kmの時点ではまだそこまで出ていないレベルであり、10,001kmからようやく出ている事を実感する事が出来るレベルになる。
      • 本作ではどんな進行状況でも5,001kmさえ到達できれば1段階大きくなる仕様であるため、条件が厳格化した『4』以降よりは断然マシではあるものの、それでも莫大なクレジットを投入しなければならないことには変わりない。

極悪な貢ぎを要するランクシステム

  • 最初のうちはまだしも、ある程度ゲームが進んで以降はこれまた厳しい条件のせいで、ランク上げがクレジットも時間も掛かる事になってしまっている。現行作より条件は実力を要し且つ単純なものが多いものの、時間が掛かる作業であることに変わりない。普通にストーリーを進めただけではB5級辺りが相場だろう。
    • ゼロから始めたゲーセンに朝から晩までぶっ通しで作業しても3ヶ月も掛かってしまう。間違っても一度でもストーリー1周目で逆走リタイア含めて敗北したことのある有敗カードで進めないようにすること
    • ただし、2周目以降でもストーリーモードを1周さえすればランクは必ず上がるため、乱入対戦ができない環境であっても45周すれば鳥Sになることは可能である。それでも3,600クレを要するため、この時点で凶悪な貢ぎ要素として君臨していたことに変わりはない。
  • 乱入対戦の撃墜星については、そもそも『1』では『2』に引き継げないため文字通りのお飾りと化しており、『2』でも特に数を集める以上の褒美などは「ランクが上がる」程度とどちらかと言えば自己満足に近く、ソロプレーしかできない環境を考慮すれば普通にストーリーモードや10人抜きを進めた方がランク上げの効率が良かったため、必ずしも通らなければならない貢ぎゲー要素とは言えるほど凶悪なものとは言い難かった。

痒い所で面倒なチューニングシステム

  • 基本チューニングの段階からして「パワー」「ハンドリング」の10段階ずつあり、それだけでも計20クレジットを要する。それなのにもかかわらず、他のモードではチューニングポイントが貯められないためチューニング自体ができない。
    • 『1』の段階ですらチューニングを完了するためには最低でもストーリーを3周しなければならない、つまり60クレ掛かるということである。『2』では800馬力までのチューニングならば40クレに減ったものの、それなりのクレジットを要する点もさることながらも作業感が拭えないものとなっている。
    • 『2』以降とはチューニングメニューが異なるとはいえ、地味ながらも800馬力までのチューニングを完了するまでに必要な最低クレジット数が多いのはこの『1』の60クレである。『2』以降はどんなにストーリーモードの改修が行われようと40クレから変わらず推移している。

痒いところに手が届かないセッティング

  • 一度チューニングすると二度とノーマルの状態、いわゆる「初期馬力」状態へセッティングを振ることができない。
    • ゲーム的にはチューニングしないとまず負けるゲームバランスであるため初期馬力のままゲームを進めると言ったやり込みは『3』以降とは異なり実質不可能である点からも一見無意味そうに見えるが、ゲームセンターに来る一見さんと乱入対戦する際に「相手がノーマル・もしくはチューニングが完了していないがために勝負にならない」状態を回避不能と言う意味であるため、アーケードゲームとしては非常に大きな問題点と言える。

最終的に飽きやすくなる10人抜き

  • 根本のルールとは別に、モード内隠しモードに到達するまでが作業ゲーに陥りやすく飽きやすい。順番にプレーする必要がないとは言えレベル1から10まで無駄にレベル分けがなされおり、しかもクリア状況はレベルごとに記録されるため、例えば「フルチューン後にいきなりレベル10を秒殺」しても下位レベルが秒殺クリアしたことにならず未プレーのままということである。
    • いくらゲームルールの基盤が面白くても、『3』以降も含めて走行距離と10人抜きの進捗状況以外のの報酬も無い以上は、必然的にランク上げのため「だけ」に回数だけを重ねていくプレースタイルに固定されると言うことであるため、最終的にはやることがなくなってしまう欠陥が露呈しやすい。この影響でモード内隠しモード以外を繰り返しプレーするプレーヤーは皆無に等しかった。結局『3』でも改善が見られないまま『4』で廃止となってしまった。

報酬ゼロのタイムアタック

  • タイムアタックはプレーしても走行距離以外の報酬は一切無し。「コースごとに設定された評価タイム制度」と言ったやり込み要素が実装されていないせいか、どんなに良いタイムを叩き出して店内ランキングに載せることができたとしてもランクが上がることは絶対に無い。
    • 競合他社製品ではタイムアタックでもゲーム内通貨を貰えたり、専用特典が貰える等と言った事が見受けられるが、『湾岸マキシシリーズ』に関してはシリーズを通してそうしたコンテンツは文字通り一切無し。そのため、文字通りタイムアタックを行うこと以外には、専ら上級者によるライン取りの練習や車種の性能確認のために使われるくらいなのが現状である。全国上位の記録を残せば、プレイヤーから評価されることがまだ救いか。

厄介も甚だしい称号システム

  • シリーズを通して「一度獲得した称号を保存する事が出来ない付替式」「次作に引継ぐ事が出来ない(原則「湾岸の新人」へリセット)」と言う仕様で一貫しているため、間違えて付け替えた際に付け直すにはもう一度称号獲得条件を満たさなければならず、一度しか手に入れられない称号については二度と取り返せなくなってしまう。
    • 引き継ぎ不能の件については『4』の開発者曰く「プログラムの関係で断念した」との事だが、その割に『5』以降ではそれに近い機能が追加されている。
    • 厄介なことにこれを良いこととばかりに同時取得不可能・周回限定称号な称号も多数存在する。 前述のチューニングに関する称号や第1話で抜かさないでも良いライバルに勝利した時に手に入る称号等が該当。有敗にならないと手に入らない称号も。
    • 逆に入手条件が比較的緩く何度も入手可能な日頃から乱入対戦をプレーするユーザーからすれば(相手から一方的にぶつけられるなどで)ガリ合戦にもつれ込むことは必然であるため「壊し屋」を、連続プレーをするなら「連荘キング」をその度に獲得するなど、非常に図々しい。

ストーリーモード

取り返しの付かない有敗の仕様

  • 更に追い討ちを掛けるように有敗の仕様が極悪。ただでさえ勝つこと自体が十分な難易度なのに一度でも負ければ最後、次の周で無敗を達成しようがどんなに周回を重ねようが走行距離を稼ごうがいかなる手段を用いても二度と無敗になることができなくなってしまう。逆に一度無敗を達成したらその後どんなに負けようが無敗は維持される。
    • ならば逆走リタイアをすれば良いのでは、と思うかもしれないが、『2』までは逆走リタイアすると敗北扱いとなり有敗へ一直線である。やり直し不可の一発勝負、ゲームセンターのゲームを全く考慮していない仕様でもあるため。
    • 『1』の段階ではカードの印字が「●」になる以上のデメリットは無かったが、『2』で問題が表面化。無敗特典が導入されたのだが、それがよりにもよって「815馬力へのチューニング(有敗なら810馬力)」と言うゲームバランスに直接支障をきたすものであった。流石にこればかりは問題視されたのか、ROMアップデートの「Ver.B」にて「走行距離5,000kmに到達すれば815馬力へチューニング可能」と言った形で修正された。それでも到達するためには約400クレジットほど必要と一筋縄ではいかない条件であるため根本的解決になっているとは言い難い。
      • 後に『3』が稼働した際、『2』の無敗カードを引き継ぐとここでしか手に入らない「レース用メーター」が手に入ると言う形で一気に問題視されることとなった。これは「無条件で820馬力までチューンできるのならば『2』で使用した無敗カードの価値が無くなってしまう」と言うユーザーからの(言い掛かりに等しい)意見を取り入れた結果であるのだが…。

細かいながらも鼻に付く仕様

  • ロールゲージは初期ボディカラーに依存しているのにもかかわらず、後から変更することができない。
    • 車種ごとにブローオフバルブの音が異なっており、全3種類用意されているのにもかかわらず、後から音を変更する機能が実装されていない。

エアロパーツ・ホイール

  • 『2』までのエアロパーツは「エアロセット1種類」だけと非常に少なく、ホイールも『1』で10種類、『2』で15種類とこれまた少なめ。ゲームシステムの都合も考えられるだろうが、ドレスアップをする楽しみは低いのは明白で、せいぜい「自分の車を戦闘状態に持って行った」と言う達成感を実感できる程度しか味わえないだろう。
    • 着脱するだけでも「ハンドリングチューンのエアロセット装着」をカード更新時だけで行うと言うまわりくどいものである。さらに『1』ではホイールについてはノーマルのままにすることができず、逆にノーマルへ戻すこともこれまたできなかった。
      • 当然、「トヨタ・セルシオ」にも同様のことが言える。さらにこの車種に至っては事実上ハンドリングチューンがドレスアップとイコールであるため、装着されるパーツは完全に固定された挙句にノーマル状態の見た目に戻すことも不可能である。つまり、クリアテールや目立つステッカーなどと言った、いかにもVIP仕様な装飾と否応なしに最後まで付き合わなければならないと言うことである………これについてはストーリーモードの原作再現的な意味では矛盾しているように見えるため賛否両論と言えるか。

ボディカラーの不備

  • ホイールカラーを選択する機能はあるのにもかかわらず、ボディカラーを後から変更する機能は一切無い。今作の段階でも「ボディカラーでグレードが変わる車種」が実装されているため、特にそうした車種を使いたいユーザーからすれば実質1色しか選択できないと言うことである。
    • この時点でも称号獲得条件にボディカラーが直接絡んでいたり、廃車カードのボディカラー固定仕様の件をはじめ、変更不可による弊害が発生しているため、せめて更新時などでも変更できる措置は取るべきだったと言える。

登場人物仕様のパーツ類無し

  • ゲームシステムの都合上と思われるが、原作の登場人物と同じ見た目にできるエアロパーツが全く用意されていない。『頭文字D ARCADE STAGEシリーズ』ではナンバー以外は再現可能なだけに、原作があるゲームで原作通りの仕様が出来ない点は非常に大きな問題と言える。
    • 一応主役である朝倉アキオが搭乗する「フェアレディZ(S30)」に限り、ミッドナイトブルーを選択した時に限り似たエアロを装備できるが、あくまで「似た」エアロなので細部が違ったりドレスアップで獲得できないホイールがある。逆も然りでミッドナイトブルー選択時に通常のエアロが装着できないということでもある。

乱入対戦

基本システムからして致命的

  • 特に2人までしか対戦できない『1』ではまだ表面化してはいなかったものの、「対戦格闘のようだ」と揶揄される根本的な問題はこの段階で抱えていた。
    • 以後もこれと言った対策や改善が施されることは無く、ひいては後年になり悪質プレイヤーによる粘着プレーや喧嘩、果ては警察が出動するほどの暴力事件に巻き込まれると言った問題の温床と化す形で問題点が露呈する顛末となってしまった。

ハメ技上等のゲームバランス

  • 総じてラフプレー上等のゲームバランスとなっており、事前了承の上で行われるのは問題無いが、中には一般プレイヤー達を標的にチームプレーを無許可で仕掛ける嫌がらせを行う悪質プレイヤーが蔓延っている所も有り、下記の乱入仕様と合わせてこのモードの大問題となっている。
    • 故意に車をぶつける(ガリ)・幅寄せ(ペナガリ)・わざとブレーキを踏んで後続車を行かせない等の妨害が非常に容易・有利に行える為、「壁や分離帯や路肩に嵌められる」等をされて、全く追いつけなくなる事がザラに発生する。これらがローリスクで出来てしまう点を悪用し、4人対戦では1人が先行して残り2人が1人を故意に妨害し続けるチームプレーが行われる事もやはりザラに起こっている。
      • もちろん闇雲にぶつけ合いすれば却って自滅に繋がる等、適当にやれば良いと言う訳では無い。実力と距離があれば何とかカバー出来るかもしれないが、事実如何にぶつけ合いを駆使して抜かしたり進路妨害する、及びそれを阻止すると言う駆け引きも重要になっているのもまた事実。とは言え何事にも限度はあり、一般的には理不尽と言わざるを得ないことに変わりなく、フェアプレーやライン取り重視な対戦をする機会を狭める等、プレースタイルの偏りを起こしてしまっている。そのため、ハメられた後はその車に対して先頭車に近づくまでは相当強いブーストが掛ったり、ぶつけられた側の車はその間は有利になる補正等があれば、ぶつけ合いを嫌うユーザーにもまた違った評価を得られたかもしれない。

トラブルを招きやすい危険な仕様

  • 「乱入対戦中は乱入拒否に出来ない」点は「乱入対戦」のコンセプトを否定することに繋がるため、「乱入対戦中に限り馬力の高い方」と言った救済措置が全く無いため、馬力差のあるプレイヤーとの対戦ではその時点で勝負にならなくなってしまう。
    • さらに乱入歓迎さえすればモード選択画面からレース終了まで「いつでも」乱入されるのに、乱入歓迎or拒否の設定がレース中でしか出来ない。そのため「身内だけで対戦していたら赤の他人が乱入」「一見さん同士が対戦→悪質プレイヤーがスタンバイ→一見さんに悪質プレイヤーが乱入→選択中の一見さんが巻き込まれる」と言った問題が横行し続けている。
      • レース開始前のローディング画面で対戦者全員が乱入切替ボタンを押しっ放しにすると対戦中でも乱入拒否に出来る点が唯一の救いと言えるか。

融通の利かないサービスクレジット

  • 乱入対戦で1位になったプレイヤーはもう1プレー分のサービスクレジットとなるのだが、これは任意ではなく強制である。そのため「負けた腹いせに悪質なプレイヤーに粘着される」危険と完全に隣り合わせである。そうでなくとも「急な用事に対応できない」「自分の都合の良いタイミングでゲームを終わらせることができない」と言う意味でも非常に痛手な制約と化している。
    • また、この仕様に気付かないプレイヤーによる(無自覚な)捨てゲーも発生しやすい点も問題である。
      • 筐体設定の「勝ち残り設定オフ」でこれを回避する事は出来るのだが、そもそも店舗側でそのように設定しなければ無関係なことであるため、根本的対策になっているとは到底言えないだろう。そればかりか1位になった時のメリットが無くなってしまい、ゲーム的にはその分損してしまうのは言うまでも無いだろう。

不公平極まりない撃墜星

  • 『2』で最大4人対戦が実装されるようなったものの、撃墜星は「対戦した人数で獲得出来る撃墜星が変わる」仕様が採用されてしまった。つまり同じ1位であっても「2人で対戦した時は1人に勝利したので1つ・4人で対戦した時は3人に勝利したので3つ」と言った形で入手できる個数が変動してしまう。
    • 当然筐体数の少ない地方で効率よく稼ぐのならば、市外のみならず県外に遠征してまで4台店舗に出向かなければならないと言うことであり、更なる地域格差を招いてしまっている。悪質な場合、撃墜星を効率良く稼ぎたいプレーヤー(原則1人)の自演によって4台全ての筐体を占拠したり、チューニングの進行状況問わずストーリーモードやタイムアタックをプレーしているソロプレイヤーを締め出す事態が現在に至るまで問題になってしまっている。
      • にもかかわらずこの仕様は現在でも続投されてしまったままである。一応、撃墜星自体が「撃墜したプレイヤー」と定義されていることを鑑みれば「対戦人数に依存する仕様」も頷けるものがあるかもしれない。とは言え格差どころか犯罪も絡む迷惑行為に発展している事例が多発している以上は擁護不能である。よって「対戦人数に関係無く「順位のみで」獲得撃墜星が変動する」方式だったらこんな事は発生しなくなるのは火を見るより明らかと言わざるを得ない。

車種絡み

ライバルカー専用車種

  • コウちゃんの「マツダ・RX-7 GT-X(FC3S)前期」と、マサキの「マツダ・アンフィニニRX-7 TypeR(FD3S)」がプレイヤーでは使用できない。

バランスブレイカー車種「御三家」の存在

  • 『1』から現在で言う「厨車」に該当する車種は既に存在していた。主に「SKYLINE GT-R (BNR32)」「LANCER Evolution VIII MR GSR(CT9A)」「Impreza WRX STi (GDB-C)」の3車種が該当し、当然使用するプレイヤーの母数も多数であったため、いつしか「御三家」と呼ばれるようになった。
    • 勿論欠点も無い訳では無いが、それを補う程の「初心者にも扱い易く、上級者が使えば鬼に金棒」と言う言葉が相応しい突出した扱いやすさが特徴である。対人戦は先行逃げ切りなどを駆使したりブーストを活かしてどうにか立て直せるチャンスはあるものの、タイムアタックの格差は当時から悪目立ちしていた。
      • 車種によってはメーカー側の企業イメージ戦略の都合上、ゲーム中においても強めの設定にせざるを得ないという、ライセンス契約上での事情が関わっているとされている為やむを得ないとの意見もある。

公私混同の「アルシオーネSVX(CXD)」

  • 『2』で初出となった車種である。この車種は端的に「制作スタッフの好みで収録された車種」であり、前田和宏前総合プロデューサーが『2』で当車種の収録を強く要望し、実車開発チームも交えて実際に採用となった。この一連のいきさつは後の『5DX+』公式サイトの未来研通信最終回で判明したことである。
    • 『2』の段階では4速車特有の加速力の悪さゆえに最弱クラスの性能であったものの、現行同様に「最高速重視寄り」の性能を有していたことと、乱入対戦におけるワンメイク戦で1位になった際に入手できる称号が『★マエダ★公認』であることは当時から健在。当時は車種性能の低さから「スタッフのお遊び」で済まされた程度だった。実車を純粋に好んでいるユーザーからすれば疑問符の付くものとも言うが。
    • ところが以後はこれに味を占めたのか、『3』以降で毎作でテコ入れがなされ、『4』以降に至っては4速車種の弱点である「加速力の低さ」も解消されることに。結果、湾岸線西行きのタイムアタックランキングをR35と競うまでとなるほどの、やりすぎと言えるほどのテコ入れが施されることに。
      • 当車種はスポーツカーというよりも長距離走行に向けたグランドツーリングカーと呼ぶべき車種であり、制作スタッフの好みで恣意的に性能が上げられたことは確かと言える。更にワンメイク称号は続投されてしまったため、最終的には「職権乱用だ」として批判されることとなった。

お粗末なナンバープレート

  • 自車のナンバープレートのグラフィックそのものの完成度は高画質で忠実に再現出来ており綺麗なのだが、ナンバープレートに記載されている情報が「ノーマルの排気量(S30Zだけは悪魔のZの排気量)」だけとなっており、他の所在地や平仮名表記については一切記載されていない。またこの数字は後から変更することが出来ない。
    • 原作の段階からして「悪魔のZの「横浜33 て 53-68」」をはじめナンバープレートという概念自体が存在するのにもかかわらず、ライバルカーは悪魔のZも含めて全て「76-51」で統一されており、さらに画像そのものも取り込み画像をそのまま使ったせいか低画質で読みづらく、原作再現どころか手抜きと取られても仕方のない代物となってしまっている。

記録関係

カード無しプレーの制約

  • 総じてカード無しの一見さんや、ウリである要素をお試しでプレーをしたい層に対して冷徹な仕様が目立つ。
    • 専用のフルチューン車を扱える「スペシャルマシンタイムアタック」がカード使用時のみにしか選択できない仕様もあるため、カード無しではノーマル状態でしか走行できない。当然セッティング機能も使えないため、カード未使用では「チューニングするとどういった挙動になるのか」「セッティングのやり方」と言った感覚を掴むこともままならない。
    • 今作以前の記録媒体を採用していないアーケードゲームでも、『ワインディングヒート』よろしく「チューン車種の選択可・セッティング機能」を実装したタイトルは複数確認されているため、せめてカード未使用時はセッティング時に「ノーマル仕様」「フルチューン仕様」で選択できるようにすればよかったのではないだろうか。

余りにも中途半端な廃車カード

  • 廃車カードの仕様があまりにも微妙すぎるため、当初から使用者が少なかった。内容自体が「ストーリーモード20話クリアとその分のチューニングとランク」条件を満たしたどの車でも変わらない。更に『3』以降と異なり「ボディカラー選択不可・有敗も引き継ぐ」という仕様であるため、益々これを使うメリットが見えてこないため、実質完全なる死に機能だった。
    • せめて「無条件無敗」「40話までクリアーしたカードから発生した廃車カードは40話までクリアー(と進行状況)」と言った融通の利くものだったらまだ使用するユーザーが増えたのではないだろうか。
    • また、「バックアップ用途にも」と謳われているものの、インターネットサービス非対応ゆえに紛失した際のバックアップサービスは行われていない。ちなみに当時の段階からして磁気カードを使用したアーケードゲームのサービスで「カード同士の引き継ぎ」を実現しているケースは(インターネットを介してとはいえ)存在しており、コナミの「e-amusement」がその代表格と言える。

『1』から『2』への引き継ぎ関連

  • 『2』への引き継ぎに限り完全の状態で引き継がれる項目が「カードネーム」「使用車種」「走行距離」だけであり、肝心の「ストーリーモードの進行状況」は1周20話までの分しか引き継がれない。さらに「撃墜星」などのその他プレー状況は一切引き継がれないため、後発とは異なりプレーした分だけ無駄になってしまっていた。

コピーカード問題

  • 「コピカ」と略される。シリーズを取り巻く裏の問題として、同じカードネームと車種の組み合わせばかりが並ぶ形でインターネットランキング荒らし。『3DX+』まではインターネットランキング荒らしも兼ねて脅威になっていた。
    • 『4』以降になってからはバナパス化によりサーバーに保存される形で複製自体が不可能になったことに加えて、2013年10月24日には『3DX+』からの引き継ぎサービス自体が終了したため、新たにコピカを作成すること自体が無意味な行為となり一応の沈静化を見せた。
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事の顛末

  • そもそもコピーカードは本来「データが破損した際に復旧するためにコピーされたデータが書き込まれたチューニングカード」を指すものだが、基本的にはこの機能を悪用して「故意にカードの抜き差しを強引に行ない人為的にコピーカードを作成された」チューニングカードを指す。本作ではバックアップデータが常に作成・保存されるため、コンティニュー画面でカードを無理矢理抜き取り予め用意した磁気カードを差し込んで作成する行為が『3』以降と比べて容易に行えてしまった。
    • 撃墜星そのものが『1』から『2』へ引き継げない仕様に加えて『3』から『3DX』を経て作成難易度が段階的に上昇したのもあるため、『1』で作成されたコピカは皆無に等しく、ほとんどが『2』で作成されたものとなる。
      • 無論、無理矢理引き抜く為にカードリーダーのエラーが当然発生するため、再起動しなければプレー自体が出来なくなるため、絶対にやらないように。

需要

  • 本作は上記の通り、フルチューンをするだけでも相応以上のプレー回数をこなさなければならない上、無敗要素もゲームプレーに支障をきたすものだった。なによりプレー中に常に表示される撃墜星やランクと言った射幸心を煽る貢ぎゲー要素が採用されているため、フルチューンまでの手間を抑えたいプレイヤーのみならず単に見栄えのために調達するプレイヤーも続出した。
    • 有名どころでは「どらえもん」のCNが付いたカードである。そのほかにも複数のコピカも続々出没していった。最悪はリーダーの故障となる為に「どらえもん」のCNが付いたカードは使用禁止、また使用すると出入り禁止をとる店も現れた。その他の詳細はゲーム本編と無関係な事情が多分に絡むため、各自調べていただきたい。

その他

大き過ぎる大激突音

  • 主に壁に垂直に近い形でぶつかったり橋脚やトラックに衝突した際には、他のどの接触音とも似ても似つかぬいかにもな衝突音が鳴るのだが、この音がこれまた他のどの効果音よりも大音量で重厚に響いてしまう。
    • しかもこの音はストーリーモードの要所をクリアーした時にも立て続けに鳴るため、全編にわたり必然的に心臓に悪くなる代物となってしまっている。BGMと異なり効果音の音量を調整する機能は実装されていないため、この爆音は回避不能である。

リタイアの仕様

  • デフォルトではオフになっているため、カードを使用していない時はリタイアすることができない。
    • ストーリーモードのリタイアの仕様を鑑みれば一見無意味そうに見えるが、「一見さんの乱入対戦後や捨てゲーしたプレイヤーがタイムアップになる前に筐体から去ったり、「タイムアタックで壁ペナをやらかした」「急用で席を開けなければならなくなった」ため、タイムアップを待っている場合でないシチュエーションにリタイアは有用であるため、そうした意味でも無自覚な迷惑行為の発生源となってしまったり捨てゲーによる筐体占拠に繋がりかねない。
      • ストーリーモードでリタイアすると無条件で負け扱いとなってしまう。無敗達成の難易度とは無関係に、迂闊にストーリーモードを選んでしまったり、それこそ急用や体調不良でゲームセンターから退店しなければならない不測の事態に全く対応できないと言うことでもある。

大雑把な「リタイア」と判定される基準

  • リタイアの手段は「逆走を3秒以上継続する」であるのだが、この「逆走」と判定される基準があくまで「自車が後ろ向きに一定速度以上で動いている」点だけであり「自車が進行方向と反対方向を向いている」点については一切考慮されない。そのため「合流地点などでライバルカーとぶつかり盛大に吹っ飛んだ勢いで逆走と判定されてリタイア」と言った事故が起こってしまう仕様となってしまっている。
    • ただし当時はそうした現象に遭遇する場面が(リタイアのできない)乱入対戦くらいであまり取り上げられなかったものの、後発でもこの仕様が続投されてしまったため問題が一気に浮上してしまった。
      • 逆に進行方向と逆に向いていても一定速度以上出していない場合だとリタイアできなくなってしまうため、タイムアタックにおけるやり直しの手間が掛かる意味でもストレスになりやすい。そうした意味でも『バトルギア』などと同様に、「一定時間ボタン同時押し」でもリタイアが出来ればタイムアタックのリトライが容易に出来たのではないだろうか。

総評

非常に軽快な挙動、わかりやすい基本システム、コースの完成度、ストーリーモードの再現度の高さなど、短い納期や看板頼りに陥りやすい心理ゆえにクソゲー率がどうしても上がってしまうキャラゲーの中では異例と言えるほどの内容であり、レースゲームとしての完成度は間違いなく良作レベルである。

一方で鼻につく問題点も悪目立ちしていた。今となっては代名詞とも言える「車種間バランス」「貢ぎゲー要素」も「御三家」や『2』の「ランクシステム」を筆頭に既に存在しており、ある程度やりこんでいくうちにその深淵が否応なしに見えてくることは当時から健在だった。更にはチューニングに必須のストーリーモードの難易度も『3』以降と比べ物にならないほど高難易度であり、挙句「リタイアでも有敗・有敗になると二度と無敗になれない」と言うアーケードゲームとしてあるまじき一発勝負的な仕様が実装されている点もやり直す手間もひっくるめて大問題である。

総じて「とっつきやすくゲーム自体は良作レベル」だが「やり込むためのハードルが極めて高い」点は後発作と変わらないが、初期2作はこれに加えて「一通り最後までやり通すだけでも途端にハードルが跳ね上がる」ゲームバランスと言える。

現在は『1』から『2』への引き継ぎが実質リセットであることに加えて『3DX+』から『4』への引き継ぎサービスが終了して久しいため、理論上カードリーダーが故障しない限りは磁気カードが使えたとしてもレース用タコメーター目的での無敗達成などはある種の自己満足の域である。それでも『3』で廃止になったスペシャルマシンを使ってタイムアタックをしたり、当時のストーリーモードの高難易度ぶりに挑戦するユーザーならば、まだ基板が故障しておらず絶滅しないうちに是非とも手に取っていただきたい。


海外版

  • ゲンバラが収録されていないため、島達也のブラックバードが「日産・フェアレディZ(Z33)」に差し替えられている。
    • しかし内部データとしては削除されずに残っている為、海外版でも日本版の廃車カードから「ゲンバラ」が作れてしまうバグがあった。

余談

サブタイトル

  • 『1』のロケテ時における仮題サブタイトル「MAXI BOOST」は商標登録(登録4780301)されており、後に同社が発売したアーケードゲーム『機動戦士ガンダム EXTREME VS. MAXI BOOST』に流用された。

サウンドトラック

  • 『2』稼働直前の2005年4月6日に『1』『2』のサウンドトラックが発売された。初回限定特典として『2』で使える「スペシャルプレミアムカード」が付属した。この限定カードは「この初回特典カードのためだけのプレゼント」として『2』のエンディング曲「Last Utopia」をアレンジした「Holy Land Anthem」がレース中BGMとして使用できるようになる、と言うものである。トラック番号は00となる。
    • 特に「Beyond The Horizon」などをはじめ、全体的に音源こそ聴き比べればすぐわかるレベルにアーケード版と異なるものの、2014年発売の10周年記念OST(リマスター版)や音楽配信サービスの音源(再リマスター版)でもこのOST版の音源をベースにしているため、古代祐三視点で見れば「完全版音源」として扱われている模様。
      • 『3』以降については「アーケード版とほぼ大差ない音源を収録している」との通り、OSTへの収録の際に手直しされる箇所は「聴き苦しいと判断された箇所の修正」「リマスタリング」程度とよく聞かなければ気にならないレベルとなっている。『3DX+』のゲーム側で一部の音源が差し替えられるケースがあるものの、しっかりと聴いてやっと気付くレベルの差異である。
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最終更新:2024年01月06日 20:29