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ハリー・ポッターと秘密の部屋 (PS2) - (2016/04/05 (火) 12:29:28) の編集履歴(バックアップ)
ハリー・ポッターと秘密の部屋
【はりー・ぽったーとひみつのへや】
ジャンル
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魔法アクションアドベンチャー
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対応機種
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プレイステーション2
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メディア
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CD-ROM
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発売元
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エレクトロニック・アーツ ワーナー・ブラザース
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開発元
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エレクトロニック・アーツ Eurocom
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発売日
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2002年11月23日
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定価
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6,800円(税別)
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セーブデータ
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3個
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判定
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なし
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ポイント
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美しいグラフィックとサウンド 手軽な謎解きアクションは好評 「ホグワーツでハリーを待つ恐怖(いろんな意味で)」 「ロコモーター・モルティス!」
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概要
J.K.ローリング作の大ヒットファンタジー小説『ハリー・ポッター』シリーズの2作目『ハリーポッターと秘密の部屋』のゲーム化作品。
本作はPS、GC、GBA、Win版に派生しているが、本記事ではPS2版の情報を中心に記述する。
あらすじ
「ハリー・ポッターがホグワーツに戻れば…死ぬほどの危険が待っている」
ホグワーツ魔法魔術学校の2年生になったハリーに屋敷しもべ妖精ドビーはこう警告するが、ハリーは無視して新学期を迎える。それからというもののハリーの身の回りには不可解な事件が起きていく。
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特徴
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本作の主人公ハリー・ポッター3人称視点で操作。冒険の舞台である3Dのポリゴンマップは美しく広大。
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左スティックで移動、右スティックでカメラ調整、△□○ボタンに覚えた呪文を装備させ、謎解きも含めた作りの深いアクションでピンチを乗り越える。さらに原作にはない冒険を楽しむことが出来る。
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総合的に見た難易度は低めであり、子供を対象に設計されている。
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基本として、ハリーの体力ゲージが0になるとリスタート地点からやり直せる。
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原作シナリオの要点は概ね再現され、強引なカットもないので話の筋は通ってはいるが、ゲーム性を見出そうと改変している場面が多い。
評価点
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主にホグワーツの外では、危険な生物を倒したりかいくぐる等、原作にない演出が非常に多いにもかかわらず、世界観を維持したまま実際に冒険している気分に浸れる。
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完全再現とまではいかないものの、ロナルド・ウィーズリーの実家やダイアゴン横丁をはじめとし、ホグワーツの校舎や周囲の禁じられた森やクィディッチスタジアムなどが美しい3Dグラフィックで描かれている。ホグワーツの隠し場所の多さは良く再現しており探索の自由度は高い。探し回ると様々な発見に出会える。
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暴れ柳周辺、禁じられた森、また授業呪文の修得本を隠すダンジョンはクリアすると挑戦できないものの、ハリーのアクションに加えて頭を使った魔法使用が必要となりやりごたえがある。
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全編フルボイスでありBGMも良質で的確な場面に用いられているので雰囲気が良い。
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ニンバス2000を入手すれば、昼間のホグワーツ校庭を自由に飛び回れる。ホグワーツ周辺にはニンバス2000で行ける隠し場所も幾つかあり、やり込み要素の一つとなっている。
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ロードの問題や夜のおつかいイベント(後述)といった障害があるものの、メインシナリオ事体はサクサク進む。
賛否両論点
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シナリオ改変についてオリジナリティがあることは良い事でもあるが、ゲーム性を重んじるあまりに重要点を飛ばしたため、若干間抜けになっている展開がある。もちろん好評な面もあり、ただのアクションゲームとして割り切れば問題はない。
+
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ネタバレ有
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ハリーのライバルドラコ・マルフォイの父、ルシウス・マルフォイは本シリーズの黒幕ヴォルデモートの部下(死喰い人)であり、秘密の部屋を開かせることで犬猿の仲であるウィーズリー家への嫌がらせとダンブルドアのホグワーツ追放を企む(結果的にハリーも巻き込まれることになる)。
本作のキーパーソンである屋敷しもべ妖精のドビーは、マルフォイ家に仕えていたことでこの計画に気付き、ハリーの身を案じたため何としてでもホグワーツに行かせないように行動する。
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ルシウス自体はゲームに登場し、原作通りジニーに「トムの日記(秘密の部屋を開くためのアイテム)」を渡している。
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しかしドビー関連の出来事が一切ない。パッケージにはドビーの存在は明示され、ハリーに警告した件も記述されているが。
ダーズリー一家のケーキのイベントはカットされ、9と3/4番線はただの乗り遅れになり、クィディッチ中にブラッジャーにも襲われない。 ハリーがドビーに靴下を与えることで、ルシウス・マルフォイに仕返しするシーンもカット。
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ロンの父の車が暴れ柳にぶつかった後に野生化してしまう描写もカット。
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原作では禁じられた森で再会しハリーとロンを助けてくれるのだが、ゲームではハリー単独で禁じられた森に行くことになる。
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「エクスペリアームズ」の仕様が原作と異なり、敵の魔法エフェクトに杖で触ることで跳ね返す「プロテゴ」のようなものになっている。
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本来「エクスペリアームズ」は武器に衝撃を与えて武装解除させる呪文であり、性能そのものはゲームオリジナルである呪文「フリペンド」に近い。
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しかし、決闘クラブのルールはおおむね好評。
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ホグワーツ内には絶対に開けられない扉がある。部屋数を多く見せるためのダミーとしてもわざわざ配置する必要性が問われる。部屋数が少ないのも不自然ではあるが。
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原作の雰囲気を壊しかねないシナリオ設定でゲームが進む。特にホグワーツ内では改変が無理矢理すぎて整合性がつかなくなっている。
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授業で呪文を習得する際に、なぜかハリーだけ学校に設けられたダンジョンの最深部にある呪文修得本を入手しにいく必要がある(他の生徒が行った描写が皆無であり、ハリーがダンジョンから帰ってきたら皆席について学習している)。
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ダンジョンには、火炎放射器が設置してあったりトゲ付の巨大棍棒が回転していたり、2年生なら命も落としかねない危険なつくりである。
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ただしダンジョンはメタ的に見れば上記の冒険心をくすぐる物が多く非常に楽しい作りになっている。
問題点
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設定改変によりハリー(≒プレイヤー)が大きな苦労を負わなくてはならない例もある。ゲーム用に改変された作品なのである程度は仕方ないが、ホグワーツでは総じてハリーに対する扱いが酷い。
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夜のおつかいイベントが鬼畜
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原作・映画のハーマイオニーは勉強熱心であり、勉強で得た呪文や知識を駆使して事件解決に導くことが多いが、ゲームでは呪文がわからない・秘密の部屋関連の事件の情報がわからないので、ハリーに本を持ってくるようおつかいさせる。このおつかいは3つある。
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このイベントで鬼門なのが夜の学校を徘徊・監視する監督生である。彼らの唱える呪文で''捕まる度に寮から5点「減点」される。しかもその後寮に帰されるわけでもないので、用が済んでも帰り道に同様のことをする必要がある。
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監督生の配置が鬼畜な難易度のマップも複数ある。特に「3F図書館前」、「3F禁書の棚入口」は慣れていても捕まることも。
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どんなに早く移動しても振り切れないが、本棚のような厚めの壁を死角にすればやり過ごせる。タイミングは難しいが正面から「エクス・ペリアームズ」でかき消すこともできる。
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監督生は基本、別の部屋まで追ってこないので、見つかっても部屋を出てしまえば捕まらない。しかしここでも後述の長いロード時間に悩まされる。
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一応裏技はいくつかある。
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こちらは制作者が意図したものだが、グリフィンドール寮の入口前の監督生は隠し通路を通ることで回避できる。
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以下は仕様の穴を突いた手段だが、ホグワーツ校庭でニンバス2000に乗ろうとすると自動で正門前まで返されるため戻るまでの監督生を回避できる。
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リアルタイムでセーブできるので細かくセーブを行い、監督生に捕まりそうになったらリセット&ロードで回避する。ただしロードは時間が(ry
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本作は内容の半分を昼の授業:命がけのダンジョン/夜:ハーマイオニーの面倒なおつかいが占めるのも問題。
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また原作同様、得点による寮対抗が行われているが、本編でグリフィンドールの寮の点を入れるのはハリーだけ。他の寮生の行動は一切反映されないため現実味が無い。0点を切ってもゲームオーバーにはならないが。
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もちろん他の寮との対抗なのでゲームクリア時の展開に影響する。後述の救済措置はあるが、普通にゲームを進めていると間違いなくスリザリンに負けてしまう。
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問題は、救済措置があることはラスボス撃破後に知らされるので、そこまでモチベーションを維持できるかはプレイヤー次第。
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システム面も大きな欠点が1つある。
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校舎内は別の部屋に行くだけでもマップ切り替えのたびに30秒から1分の長すぎるロードが生じる。このため校舎内の探索のテンポは非常に悪い。
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ラスボスを倒した後に自由時間がありそこでグリフィンドールの寮点を稼げるが、具体的には談話室の掲示板を読んで校外にある落し物を拾って届けるおつかいなので、上記のロード地獄が苦痛になる。
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原因はWin版準拠になっているためとされるが、読み込むのに時間を要するはずの校庭やホグワーツ内部のダンジョンのロード時間が比較的少ない/ほとんどないことから設定を怠ったと言える。
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日本語版の声優が映画と異なる。
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仕方のないことではあるが映画の声優に慣れていると違和感を覚える。
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演技自体に問題はない。
総評
アクションとしての作り込みは良く、ポリゴンやサウンドで描写される美しい世界は冒険ものとして魅力的。
ゲームクリア自体が目的なら難易度も低く、プレイの仕方さえ慣れれば十分楽しめる。また、細かい原作設定の改変を気にしなければプレイに差しさわりは無い。
しかし、頻繁に起こる長いロード時間や深夜のおつかいが大きな壁として立ちはだかってしまい、快適性からは程遠い仕上がりとなってしまった。
設定面においても、ゲーム性を重視して行った改変の多くに原作ファンや映画版のファンにとってやや首を傾げざるを得ない点が多く、版権もののキャラゲーとしてみても作りに難があると言わざるを得ない。
特に原作に思い入れのある人、アクションゲームに精通している人双方にとって、胸を張ってお勧めと言えない出来なのは残念である。