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ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~ - (2017/10/12 (木) 18:22:07) の編集履歴(バックアップ)


ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~

【そふぃーのあとりえ ふしぎなほんのれんきんじゅつし】

ジャンル 錬金術再生RPG

対応機種 プレイステーション3
プレイステーション4
プレイステーション・ヴィータ
発売・開発元 ガスト(コーエーテクモゲームス)
発売日 2015年11月19日
定価 【PS3/PS4】7,344円
【PSV】6,264円(税8%込)
レーティング CERO;B(12歳以上対象)
判定 良作
ポイント シンプルで王道化したシナリオ
採取・錬金・討伐の中毒性
アトリエシリーズリンク


概要

  • 『シャリーのアトリエ ~黄昏の海の錬金術士~』の次回作となるアトリエシリーズ、黄昏シリーズとの関連性はないが1人だけ黄昏シリーズの登場人物が登場している。
    • 詳しくは伏せるが、アーランド・黄昏シリーズなどのアトリエ世界に見られる「文明を一度リセットした何か」につながっていそうな設定が出ている。

本作の特徴

  • 戦闘準備
    • 主人公のソフィーは必ず戦闘に出す必要があり、さらに護衛メンバーを3人まで連れ歩くことになる。護衛メンバーは戦闘時以外であれば入れ替えることが出来る。
    • 全滅すると最も新しく採取した素材を中心に紛失し、アトリエに引き返すという今までのアトリエでも軽い部類。
    • 普通に探索していても強い敵に出会いやすい。また隠しボスをはじめとし初見殺し要素を持つ敵が複数おり、一度やられてからそれらに対策準備を立ててリベンジするプレイが想定されている。
  • 戦闘指揮
    • 攻撃スタンスと防御スタンスを切り替えながら戦うことになる。
    • 方式はターン制、1ターンのうちに敵味方がそれぞれ速いものから順に1回ずつ行動する。
    • 誰がどの順に行動するかは画面右のタイムカードが並んだゲージで確認でき、敵が「通常攻撃」「特技」「危険な技」のどれを使ってくるかも知ることができる。
      • 敵には自分の行動が回ってくると2回行動してくる強敵がいる。またアシストゲージが溜まっていると攻撃スタンス中に味方の攻撃が続くと連携攻撃になる。
  • アイテムの仕様変更
    • 主人公のソフィー以外も爆弾や回復アイテムを扱えるようになった。
    • シナリオを進めるとアトリエに帰還した際に自動補充されるようになる(使用した分の代金は取られる)。
    • ソフィー以外は持てるアイテムの種類や量に制限がある。
    • バランス調整の一環と思われるが、ソフィー自身のパラメータも歴代の錬金術士の中では高め。
    • ただしステータス異常を回復できるのはこういったアイテムのみ(後述)。
  • 錬金
    • 同一の素材でも様々な特性(前作では潜力)をもつようになった。アーランドシリーズ以前の仕様に戻ったとも言う。
    • 本作では、レシピは参考書を購入するのではなく、条件を満たすことでソフィー自身が閃いたりイベントで他人から教えてもらうようになっている。
  • 酒場
    • シリーズでおなじみの課題を与える機関 兼 資金の収入源。
    • 特定のアイテムを納品する、指定された期間内に特定の敵を数体以上倒すといった依頼をクリアすることで報酬がもらえる。
      • また、複数条件を必要とする依頼をクリアした時などにチケットをもらうことができ、これとレアなアイテムとを交換できる。
    • 他にも有料で噂を聞くことができ、これによってレアな素材が入手できるようになったり特殊な敵が出現したりする。キャラの好きなもの・嫌いなものも聞ける。
      • どのような噂が聞けるかはランダム。
      • 素材系の噂は、一度聞いて調べてみないと「レアな素材」なのか「普段はついてない特性がついている普通の素材」なのか分からないのが難点。
  • 資金
    • 本作もモンスター討伐・アイテム納品の依頼をこなして受け取る報酬が主な収入源。また比較的高額をドロップする敵も多い。
  • 周回プレイを廃止
    • ラスボスを討伐すると、主人公ソフィーは新たな目標を掲げてラスボス討伐以前と変わらない生活を送ることになる。
  • 時間
    • ソフィーたちが採取地や街中を移動、錬金・採取をすることで時間が経過していく。
    • 昼夜、天候、曜日という概念が新登場。
      • 時間帯で出現する敵が変化するほか、拠点にある店は夜間や休日は閉まっていたりする場合がある。
    • イベントの時間制限は撤廃され、拠点の街で知り合いと話しかけると、ソフィーとの友好度というパラメータの上昇具合やストーリーの進行度に応じてイベントに入る。
      • 酒場で受託できる討伐依頼や珍しい素材の「噂」のみ、日数による時間制限がある。
  • LP
    • キャラの健康度を表す指標、マップを移動したり戦闘するたびに少しずつ減少していく。
    • 0になってもキャラが戦闘不能になるなどのペナルティは無いが、10以下になると敵に与えられるダメージが極端に低下し、防御もやや低下する。
    • 拠点の街に帰還することでそのキャラごとの最大値まで回復することが出来る。
    • 最大値はレベルアップや装備に付与されている特性などで水増し可能。
  • 本作はロケーション移動(採取地に入らなくても)をすることで日数経過とLP減少が起こるので、行く場所を間違えた際に大きなペナルティになることは殆どないもののやり直しが効かない点には注意。
    • なお、時間経過は町の中を移動しただけでも発生する。なので、店に用がある時などは移動時間も加味する必要がある。
  • 日付による制限を緩和
    • 前作と同じく日付の概念に関して厳しい設定は無く初心者には遊びやすい仕様になった。
    • イベントの時期限定は事実上撤廃されており、プレイヤーの好きなペースで行動できるように。
    • アトリエシリーズの日数制限はリソース管理を楽しむシミュレーションゲームとしての要素だが、近年の作品はシミュレーション要素が薄くなってきている事による流れ。

評価点

  • 簡略だが奥深い作り込み
    • 錬金釜に素材を投入する様子にパズルの要素が加わったことにより、「どの場所に素材を配置するか」「どういう順番で素材を投入するか」で完成品の性能が左右されることになり、臨場感があり分かりやすい仕上がりになった。
    • シナリオに応じてできることも増えていき、良い方法を試行錯誤しながらプレイすることが出来る。
      • 基本ルールは、フィールドに任意の順番で素材を置いていく、置かれた素材に隣接する空き領域の光球が1ランクアップする、光球がある場所に素材を置くと属性ボーナスが得られる、調合の最後に最もフィールドを占有している属性にボーナスが入る、といったところ。
        また、既に素材を配置した場所の上に別の素材を配置することも可能。この場合はすでに置かれていた素材の属性値はそのままに領域は全てリセットされる。
      • 同一種類の素材の中にもサイズの大小に差が生まれるようになった。大きい素材はスペースを取るが完成品の質を高めやすく、小さい素材はその逆となっている。
        サイズは品質同様素材そのものの特性となっており、素材となったアイテムの平均値となる。また、素材ごとにサイズの上下に伴う形状変化も異なる。限られたスペースで高い属性値を得るために、この辺りの調整も重要である。
      • はじめの錬金釜は4×4四方で表現されているが、これを強化することで6×6四方にまで拡張されるほか、素材の向きを調節して釜に投入できるようになる。また難しいものを作る際はこの四方が虫食い状に欠けることがある。
      • 錬金釜を錬金術によって強化もできる。この場合、前述のサイズを変化させたり、特殊効果を持つようにしたり、属性値を上げやすくしたりなど様々な効果を得られるが、素材と調合の仕方によっては強化したけど別の要素が弱体化した、などということも。
        錬金釜は複数存在しており、大抵はエリアの宝箱に隠されている。それぞれ異なる特性を持ち、基本的に用途に応じて使い分ける必要がある。また、強化に必要な素材も全く違う。
    • 周回プレイこそなく大幅なカットを行った本作だが、適度に難しく快適度が増した錬金と採集には中毒性があるため、ゲームの体感的なボリュームは他のアトリエシリーズに引けを取らない。
      • 一方で、目的の効果を得るための調整が面倒という場面も。終盤の高い属性値が求められる調合となると、どのような形状・サイズ・属性のアイテムが必要かの確認が必要になることがままある。とりわけ、採取で入手するアイテムは調整がままならないので、素材そのものはあっても狙ったサイズのものがないという場合も。
    • また今作ではソフィーの錬金レベルが調合するアイテムに割り当てられた値に達していない場合、完成品の品質が下がるようになった。
    • アーシャ』のように「そもそも調合出来ない」というシステムよりは自由度が増した反面、調合レベルの上限が50なのにLv59や60を要求されるアイテムもあるため、『アーランド』シリーズのように一定確率で失敗するようにした方が良かったのではという声も。
      • なお、素材にもレベルがありそれらを総合したレベルが完成品の指定よりも低いと確率で失敗する。低い特に賢者の石だと起こりやすい。
      • 初期からあるおばあちゃんの錬金釜は錬金を絶対に失敗しないように「改造する」ことが可能。一方、高品質の錬金が行えるが、素材配置に制限時間のある釜も用意されている。しかし、わざと失敗して、発生したゴミを他の素材にするのも手である
    • 錬金釜を錬金で強化できる・複数の特性の異なる釜というのも地味に新しいポイント。
  • わかりやすいストーリー
    • 前の黄昏シリーズは暗い要素も含まれていたが、本作はゆるい雰囲気で物語が進む本来のアトリエシリーズに近いストーリーになった。
    • その一方で、周回プレイを廃止した事にあわせてか王道のRPGらしく世界の危機を救うシナリオも含まれる。
    • キャラが全体的に常識人でありクセが歴代の中でも圧倒的に少ない。寂しいとする意見もあれば、ゲームのシナリオのテンポの良さに貢献しているという意見も。
      • 上述の錬金・採取システムにハマれば、ストーリーの手軽さも合わせて非常に快適にプレイできる。
  • 行動選択の快適性
    • 錬金のしすぎで主人公がダウンするなどがない。このような理由から「休む」というコマンドは選択できるものの事実上の死にアクションと化した。
      • 量販店の素材補充、前述の酒場依頼の更新などで時間経過を調整する必要があるため完全に必要が無くなったわけではない。
  • 素材整理
    • 本作でもコンテナにある素材を所持数や品質などで並べ変えて、素材を条件付けによって検索でき、特に調合品につけたい特性を考える際には非常に重宝する。
    • コンテナから検索画面に入ることが若干楽になったほか、錬金時も素材をソート・検索できるようになった。
  • グラフィック・サウンド
    • ガスト作品に漏れず、グラフィックとサウンドのクオリティは好評。
    • マップのデザインも綺麗。
    • ただしキャラ絵のテイストが変わったため、そこの好みについては意見が分かれる可能性がある。

賛否両論点

  • 周回プレイ・マルチED撤廃
    • ラスボスを倒すと噂で登場する強敵などのやりこみ要素は数多く残っているが、ゲームの大きな目的は曖昧になってしまう。
      • トロフィーの一つは特定のアイテムを調合してラスボスを倒す必要がある。これに気付かずラスボス撃破後にセーブしてしまうと、最初からやり直しとなってしまう。
    • キャラ別のエンディングやBADエンドなども無く、エンディングは一種類のみ。
    • もっともソフィー以外の登場人物は友好度というパラメータが存在しており、護衛キャラにつけるなどしているとこのパラメータが上昇するというシステムが存在し、フラグゲームの要素は完全に消滅したわけではない。
      • このパラメータが一定値以上になるごとに、町にいるキャラに話しかけるとイベントが生じる。
      • また細かい点ではあるが、エンドロール時の最後に現れる挿絵はソフィーと最も有効度が高いキャラのものになる。
    • 快適性を向上したことで、フラグ管理や周回プレイなどを苦手とするライトなプレイヤーからは好評なのだが、やりこみたい層にとっては、途中から錬金の難易度が極端に下がるので特定の特性を持ったアイテムを集めるマラソン、不要なアイテムの処分作業が主になってしまう場合がある。
    • 先述のように本筋のシナリオが寄り道をしながら進めても20~30時間ほどでED。前述の通り周回要素などは無く、クリア後に開放される採取地も特にないため裏ボス討伐のために調合や装備品の強化作業を繰り返す事になる。
    • 後述の採取レベルや追加特性の件もあり、単純作業で時間を取られる事が多くなってしまう。
  • レシピ、アイテム数の縮小
    • シリーズ中ではかなり少ない部類に入るので、ほかのアトリエに精通していると物足りなく感じる可能性がある。
    • 作れるアイテムが少ないことでゲームには特に影響しない。人によっては整理が楽な数かもしれない。
    • 本作の「閃く」システムだと達成条件が面倒なものもいくつかあるので、増えたら増えたで面倒が増していたと思われる。
  • システムのリアリティについて
    • ストーリーを一定時期まで進めると、街にいる知り合いにプレゼントを渡すことが出来る。プレイングには全く差しさわりは無いのだが、喜ばれるプレゼントを渡しても帰ってくる物がショボい。
    • お返しの際は向こうがソフィーのアトリエに出向いてくるのだが、そのとき居留守を選択できるという謎の仕様がある。
      これに目をつぶるにしても、同じアトリエに住んでいて隣から声をかけてくるプラフタも無視できるのは不可解極まりない。
    • 「曜日」「天候」などは画期的なシステムなのだが、それを十分活かし切れていない一面がある。
    • 気にしなかったところでプレイに特に支障が起きない、また条件の厳しい制約をつけると快適性を損なう恐れもあるが…。
    • 天候による恩恵が今一つわかりにくい。せいぜい、特定のレシピを閃く程度。
    • LPは拠点の町に戻りすれば回復してしまうので、遊び方次第ではソフィーやその仲間が街ほとんど寝ていないようにもとれてしまう。
  • ロジーなどの過去作キャラについて
    • 黄昏シリーズとの関連性は不明だが、どこからどうみても『エスカ&ロジーのアトリエ』にでてくるロジーさんが鍛冶屋として本作に登場する。ただし、戦闘には参加しない。
    • これはまだよいのだが、彼の作中の存在意義が薄く、『イリス』から『アーランド』まで皆勤で『黄昏』シリーズには登場しなかったパメラが再登場したため、鍛冶屋も以前のハゲルさんで良かったのではないかという声も聞かれる。
      • 一応デザインは今作のイラストレーターに書き下ろされており、3Dモデルもそれに合わせて変更されているので単純な流用ではない。ボイスも新録。
      • ちなみに、ファミリーネームが不明で錬金術師ではないなど、差異が存在している(エスカ&ロジーでも元々錬金術師の血統ではなかったが)。
      • クリア後に聞ける「おまけボイス」で彼を担当した石川界人氏は「あくまで似たようなキャラクター」「また別のロジー」と述べている。
      • パメラに関しては、相変わらず幽霊なのだがシスターをやっている。さらに、従来のように幽霊であることを隠さず人を驚かせたりということはせず、孤児の面倒を見たりと比較的真面目な性格となっている。
        また、町の中年が子供の頃から存在していて、住人がそれを気にせず色々お世話になっているなど、エスカ&ロジーのクローネに近い扱いである。
  • 連続して起こりすぎるキャライベント
    • 本作では事あるごとにアトリエに来客が来たり、街にいるキャラクターと話すとイベントが起きる。
    • これはかなりの数になり、特に最後まで進めるとスキルを獲得できたりスチルを閲覧できるようになる。
    • しかし、一つ一つイベントは些細な内容であり、ぶつ切りでみている感覚になる。名前ありならイベントが起こりうるので、誰がどのくらいイベントを進んでいるのかがわかりいくい。
    • フィールドから帰ってきたらイベント、物を買おうとしたらイベントが何回も起こり少々テンポを悪くしている。
    • 街の地図でキャラが普段と違う場所にいるとイベントがあるという合図だがそれ以外では確認できず。かつイベントは起こると他のイベントフラグより優先してしまうため、目当てのイベントがなかなか始まらないという現象が起きる。街を移動する際にも時間が経過するため、キャラが移動しているからイベント起こそうと選択したら時間が経過して夜になり、イベントフラグが消滅してしまうということもある。もちろん日を改めれば見ることは可能だが。
  • 戦闘そのもののやりこみ要素が少ない
    • 初見殺し要素こそ多い物の終盤になった時のザコ敵は基本的に弱く、本作の戦闘難易度は軒並み低め。
    • レベルが20で成長限界になり、その後はスキルポイント振り分けで技を覚えたりパラメータの底上げという作業が始まる。
    • クリア後に酒場から噂を入手することで出現する強敵退治がやりこみ要素になっている。
    • 最高難易度の「DESPAIR」では同じ敵に同じアイテムを使うとどんどん効果が落ちていく。
      • 以前の作品でも同じような特性を持ったボスはいたが、今作では各キャラが持てるアイテム数に限りがあるため特に問題となる。
      • 素早さを上げると通常攻撃のヒット数が増えていき、敵をブレイク状態(1ターン行動不能。ポケモンで言う「ひるみ」)にするためにもヒット数は重要となるため、敵の体力が上がってくる後半になるにつれ攻撃アイテムの重要性は下がり、ひたすら通常攻撃を連打する事になる。
      • 結果、アイテムの調合に重きを置くアトリエシリーズでまさかの「レベルを上げて物理で殴ればいい」という事態に。
      • もっとも、単純にレベル20にしたりスキルを振り分けていただけではこのようなごり押しは不可能で、装備を整えていく必要はある。装備作成にはソフィーの錬金が必要不可欠なので、アトリエの究極の目的がつぶれたわけではない。
  • ステータス異常を装備などで防げない。
    • 強敵との戦いだと、回復を封じられるととたんに戦況が不利になってしまう。一部のボスを低レベル攻略する際は、このステータス異常の回復が大切になることも多い。逆に敵にステータス異常をかけた所で特に戦況が有利にならないケースが多い。
    • ステータス異常そのものは回復アイテムによって治せるので(素材そのもののが有する特性を反映したものであるが)、武装に回復アイテムの存在意義を奪われない為の配慮とも考えられる。
    • また敵のステータス異常や属性攻撃の耐性に関する情報はモンスター図鑑に表示されているのだが、その表記の仕方が今一つ分かりにくい。

難点

  • 防御態勢の真価について
    • 戦闘キャラ4人は各ターンで攻撃スタンスと守備スタンスを切り替えることが出来るのだが、ヘイト管理による囮戦法ができない・敵の危険な行動の表記が今一つ当てにならないなどの理由で特に序盤は防御スタンスの必要性がやや弱く、攻めが最大の防御になりかねない場面が多い。
    • モンスターによっては「危険な技」と表記されているにもかかわらず、ダメージの少ない全体技や回復技を発動するものもいる。もっとも何度も戦ったモンスターがどんな技を出すかの予測には役に立つのだが、初見にはあまり通用しない。
    • 作中で解説されている用途の一つとしては、アシストゲージを消費してしまうアシスト(その段階で習得している最上位アシスト)を発動させないために切り替える、というものがある。
  • キャラバランス
    • 蘇生技を持ち回復アイテムを豊富に扱えるモニカや、アイテムをMPを消費することで無限複製できるコルネリアがやや強い。
    • 逆にこのようなアイテムをあまり扱えず、覚える固有技も攻撃技中心であるフリッツはやや使いにくい。
  • 素材と資金の使い道
    • 終盤に差し掛かると、普通に戦闘や採取を行っているだけでもものすごい勢いで素材が集まる。しかし今作はコンテナの収容数に限界がある。
    • 前作と異なり素材を大量に納品するという依頼がなく減らすには錬金をして素材を融合させるか売るしかない。
    • 素材が個別にさまざまな特性を持つようになった影響を考慮してか、自動で誰かが錬金してくれるシステムが存在しない。
    • 本作の敵は所持金を多めに落とすのだがこれが必要になる場面が少なく、酒場の限定的に得られる素材が入手できるようになる噂の購入や、仲間のうち1人が経営する量販店で複製してもらったレアな調合品を購入することが所持金の使い道に。
  • 採取レベル制の面倒臭さ
    • 以前の作品では採取地に入って「栄養剤」を使えば一瞬で高品質な素材を入手出来たが、今作では採取地から出ずに採取を繰り返し「採取レベル」を上げていく必要がある。
      • 最高のレベル5にするには5~10分ほどかかってしまう。また、そこまで採取レベルを上げる前に拾った低品質な素材は余る事に。
    • ゲーム後半に入ると探索用アイテムに付けられる特性のおかげで1分程度で最高まで上げられるようになるが、やはり以前のシリーズと比べて面倒にはなっている。
    • また、採取レベルを上げると敵の強さも上がっていくため、体力が減っている際に迂闊に上げて敵シンボルと接触してしまうと悲惨な事に。
  • 追加特性について
    • 無料DLCによって開放される採取地「封印されし書架」では今までになかった特性を持った素材が入手できる。
    • どれも強力な特性が揃っているが、中でも採取出来る素材にはついておらず、この採取地に置いてある宝箱からのみ入手出来る特性があるのだが...。
      • 宝箱から入手出来るアイテムには「普通」「レア」「超レア」の三種類があり(名称は暫定)、この「超レア」から入手する素材にしか付いていない特性がある。
      • 「超レア」の素材が出る確率自体が低く、フィールドマップでセーブしておいて宝箱を開けてリセット&ロードの作業を強いられる。
      • 「超レア」の素材から入手出来る特性は15種類。そのうち3種がランダムで付与されるため目当ての特性が出るかはリアルラック次第。
      • 人によってはこのマラソン作業で本編クリア以上の時間がかかったという報告もあり、本編のボリュームが不足している分の水増しと非難された。
    • ちなみにこの宝箱は一度開けると無くなってしまうのだが、復活条件は裏ボスの討伐。
      • 裏ボスを上回る強さの敵は(現状では)いないが、前述の難易度変更と採取レベル制があるので、「最高難易度の裏ボス討伐を目指して低難易度低採取レベルの裏ボスを倒す」事になり、裏ボスを倒すために裏ボスを倒して周回するというわけの分からない事態に。
  • イベントスチルが少ない
    • キャラデザイン担当が二人になった弊害もあるのだろうが、会話のみで終わるイベントが多く一枚絵が過去作と比べ少ない。
    • パッケージ絵では主人公のソフィーがプラフタと仲良くツーショットで収まっているが、ゲーム中でこの二人が一緒に描かれたスチルは一枚のみである。
  • 着せ替え要素が少ない
    • 主人公のソフィーは更衣室での衣装変更が可能だが、着替えられる服装は「いつものあたし(ゲーム開始時の服装)」「新しいあたし(ゲーム中盤で入手出来る服装)」「白魔術師ノア(リトルノアとのコラボで配布された無料DLC)」の三種のみである。
    • 同様の仕様を搭載した過去作では複数のキャラが水着やゴシック調のドレス、礼服などが選べた事を考えるとボリューム不足と言わざるを得ない。
  • キャラクターごとに3Dモデルの出来に差がある
    • 本作ではNOCO氏とゆーげん氏の二人がキャラクターデザインを担当しているが、ゆーげん氏の担当したキャラクターの3Dモデルは評価が低い(氏のイラストに問題があるわけではなく、単純に3Dモデルの出来が悪い)。
      • 中でも「レオン」の顔は「ゆっくり」を思わせる丸顔になっており、特に酷評される。設定では美人の筈なのだが。
    • NOCO氏の描いたキャラクターの3Dモデルはフライトユニットへの外注、ゆーげん氏の描いたキャラクターはコーエーテクモの内製となっており、クオリティの差はそのあたりから来ていると思われる。
  • バグ・フリーズに関して
    • 敵のシンボルに触れるとフリーズするバグが報告されている(PS3)。
    • ソフィーのお供キャラにモニカ、オスカー、ジュリオ以外を加えると、敵シンボルに触れてからバトルに移行するまでの読み込み時間が長くなる不具合が報告されている(PSV)。
  • その他
    • 3人称視点で操作することになるのだが、その視点が探索時に操作するキャラのソフィーにやや近いため、周りの景色が目まぐるしく動き回って人によっては3D酔いすることがある。
    • ボタンの少ないPSVに操作方法を統一しており、PS3/PS4におけるL2,R2ボタンは使わない。このボタンを使うことでキャラの切り替えなどの便利な機能がつけられたのではないかという声も。

総評

良好なさじ加減で、アトリエ本来の特徴と遊びやすさを折衷させることに成功した。戦闘に関してはやや物足りなく感じることもあるが、本来のゆるい雰囲気を残しながらもアトリエシリーズの新しい基準を作ったともいえるだろう。
ただ、新シリーズ故か全体的にボリューム不足や調整不足が目立っており、次回作以降での改善に期待したい。

一味違う様子を引っ提げて登場した、旧作からのゲスト二人がどのような扱いになるかも気になるところである。

余談

  • 2017年2月8日には『エリー』以来となるPC移植版がSteamで配信開始された。しかし、Steamへ進出する国産ゲーの例に漏れず日本語が抜かれた、いわゆる「おま語」になっている(購入は可能)。