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【あーくざらっど せいれいのたそがれ】
ジャンル | シミュレーションRPG | |
対応機種 | プレイステーション2 | |
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント | |
開発元 | キャトルコール | |
発売日 | 2003年3月20日 | |
ポイント |
アークザラッド3から千年後 動きのパターンが少ないフルポリゴン 魔族シナリオは好評 |
光と音のRPGシリーズの通算5作目(カジノゲームを入れると6作目) 前作から千年後を舞台とし、登場人物は一新されている(隠しキャラとして登場するものも居る)。 魔法を失った人間と、モンスターから進化した魔族とが資源である「精霊石」を巡って争いを繰り返す時代。人間側の主人公カーグ(Kharg)、魔族側の主人公ダーク(Darc)それぞれのシナリオを交互に進めていくことで、物語の全容が明らかになっていく。 PS2になったことで、全編にわたりフルポリゴンとなった。 人間側がメインのようで、本当の勇者は魔族側?
○魔族側 人でも魔族でもない醜い姿に生まれ、ずっと迫害されてきたにも関わらず、優しい心を失くすことができずにいるダーク。人間(ポーレットの父)に妻子を惨殺された復讐に燃える狼獣人ヴォルク。好意を抱きつつも、兄を殺したダークを赦すことができないでいる鬼娘デルマ。人間による生体実験で元の姿を失ったカトレア。人に作られた魔物ベベドア。
こういった個性的な面々を上手くシナリオに組みこみ、ダークがケジメとして魔王となる様は、無責任で身勝手なカーグとは好対照であり、熱血展開・鬱展開の演出も上手く、実に“アークザラッドらしい”ものである。 大抵のRPGではまず描かれることない魔族側の様子が、人間側とほぼ同じ量のシナリオを以て描かれていることもポイントである。 メインキャラ・モブキャラ含め、魔族側の個性は人間側よりも強く、細やかに作られている。魔族側にも家族や友人が居り、中々の悲喜劇を見せてくれる。故に某イベントによるショックは人間側よりも大きく、加えて人間側シナリオの爽快感の減退にも繋がってしまっている。
最初は利用関係だったり、復讐相手だったりと、お世辞にも結束したパーティとは言えなかった面々が、次第に絆を深め、「仲間」として一つにまとまり、変わっていくシナリオは評価が高い。 シナリオ全体の流れとしては人間側が主役のようだが、これまでの勇者に共通する末尾の「C」をダークが受け継いでいる点からも、勇者の系譜は魔族側に流れているように見える。
各陣営共通のヒロインであるリリアにも批判がある。人間も魔族も分け隔てなく接する稀有な人間であり、作中で聖女として扱われる彼女だが、行動と発言に矛盾が多い。また、彼女のせいで少なくない被害(とある人物の死亡等)を出しているため、聖女(笑)となっていることは否めない。 しかし、周囲が勝手に聖女扱いしている節があり(リリア自身嫌がっている)、彼女が極普通の少女であることを(プレイヤー含めて)忘れていることから起こる批判とも取れる。 聖女としてしか見ないカーグよりも、あくまで人間の女として扱うダークの方に惹かれているような描写があるし。