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スーパーファイヤープロレスリング X - (2019/08/29 (木) 10:54:46) のソース

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*スーパーファイヤープロレスリング X
【すーぱーふぁいやーぷろれすりんぐ えっくす】
|ジャンル|プロレス|&amazon(B000068HAT)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|32MbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|ヒューマン|~|
|発売日|1995年12年22日&br()プレミアム版:1996年3月29日|~|
|定価|11,900円&br()プレミアム版: 8,000円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|グラ偏重|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
国内最大のプロレスゲームシリーズ『ファイヤープロレスリング』(通称『ファイプロ』)シリーズの一作。~
前々作『3 ファイナルバウト』での最終作宣言を撤回して発売された『[[スペシャル>スーパーファイヤープロレスリング スペシャル]]』に続き、''再度''シリーズ最終作として発売された。

**ファイプロシリーズとは
『ファイプロ』シリーズは他方のプロレスゲームと違う独特なシステムを採用している。以下最も大きな二つの点を簡単に説明すると、
-本物のプロレス団体とタイアップしておらず、登場するレスラーはすべて実在の選手をモデルにして名前を捩ったレスラーである。これにより、一つの団体を題材にした他のゲームと違い団体の壁を越えて数十人のレスラーを登場させることに成功している。
--ただしこれは肖像権ギリギリでもあったらしく、シリーズ中で「グレート司馬」((ジャイアント馬場選手がモデル。))が出ているゲームは少ない。また後発作品には「WWC」((アメリカのプロレス団体で、モデルになったのはWWF(現:WWE)と旧WCW。))のレスラーは登場していない。
--レスラーエディット機能により、オリジナルレスラーを自分で作ることも可能。
-リングの視点がプレイヤーと平行ではなく、斜め45°にずらして配置されている(つまり□ではなく◇)。--これによって、四方のコーナーポストとサイドロープを全て使った文字通り縦横無尽のアクションが可能となっている。またリング上の選手の姿がロープに阻まれ見え辛くなることも少ない。
-技は『グラップル』と呼ぶ組み合いの後、タイミングよくボタンを押すことで出す。
--連打が必要とされる場面は少なく、かつその速さで優劣が決まってしまうほど影響力も無いのでアクションや連打が苦手な人でもレスラーを動かして技を出しやすい。指が疲れることもほとんど無い。
--Yボタンで小技・Bボタンで中技・Aボタンで大技を出す。大技になるほど相手が疲れていないと極らないため、同じ技を繰り返すのではなく小技から徐々に大技に移行していく迫力ある試合を行うことができる。

**本作の特徴
今回はアクションにそれほどの追加はないが、グラフィックがリアル路線へと大幅に変更された。
-選手の大きさも変わり、リングに対して小さすぎた前作までよりも現実に即した大きさとなった。
-レスラーの足下に影が付いたため、互いの位置取りがわかりやすくなった。
-場外に落ちる姿や極め技を解く動きなど、今まで瞬間的に表示されてきたアクションがモーション込みで細かく表示されるようになった。
それ以外の特徴としては、
-体力の他に「首」「腕」「脚」に対する「耐久度」の概念(レスラーによって数値が違う)が加わり、体の一ヶ所を集中攻撃する戦法が可能になった。また腕や脚の耐久度が低くなると、それに関係する技の攻撃力も減少する。
-クリティカルの種類が増えた。新たに「パワー」「グラウンド」が追加されて「絞め落とし」が再現されている他、属性の付いた技が必殺技なら誰でもクリティカルを狙えるようになった。
-レフェリーの動きが速く的確になった。前作まではレフェリーの位置によってカウントを取りに来る早さが違いそれによって勝敗まで左右されていたが、本作のレフェリーは位置取りも動きも的確で気を揉まされることはなくなった。
-これ以前にACで稼働しSSにも移植された「ブレイジングトルネード」の架空レスラーが登場。なんと彼らの必殺技まで再現している。

**ゲームモード
-ワールドチャンピオンシップ
--隠しレスラーを除く全てのレスラーと順に試合をしていくおなじみのモード。COMの難度は徐々に上がっていく。
--全てのレスラーを倒すと「タイトルマッチ」モードが開き、今度はそこで隠しレスラーおよびHWFのレスラーと戦うことになる。これもクリアすると隠しレスラーや隠し技が使用可能に。
-ワンナイトドリームマッチ
---好きなレスラー、好きなルールで試合を行う対戦モード。
-ハイパーバトルロイヤル
--4人が入り乱れて戦うモード。今作では負けた選手は順次退場するようになった。
-エキサイティングトーナメント
--好きな組合わせで16チームまでのトーナメントを行うことができるモード。今作では一人で勝ち進むシングルプレイは無くなった。
-メガファイトリーグ
--同じく好きな組合わせでリーグ戦を行うことができるモード。多すぎた前作の参加チーム数を反省してか、今作では最大32チームにまで減少した。
-イリミネーションマッチ
--今作で復活した5対5の勝ち抜き戦を行うモード。チームは最初から用意されているが、好きに編成してそのチームをセーブすることも可能。
-レスラーエディット
--オリジナルレスラーを作ることができるシリーズおなじみのモード。グラフィックの点で大きく進化している通り、外観をかなり細かく設定することが可能になった。また必殺技の指定も可能に。

**問題点
本作はグラフィックを重視したためか、それ以外の点にかなりの犠牲を強いてしまっている。
-まずレスラー数と技数の減少。前作の105人から104人とほぼ横這いになっているように見えるが、HWFレスラーと新世代レスラーが加入したぶん名レスラーが何人も消えてしまっている。
--ジャスティン・ローゼスやアブドル・ザ・デンジャーなどの名レスラーに加え、若本一徹やザ・スパイクまで削除されてしまっている。
--『ブレイジングトルネード』自体が駄作であったせいか、完全に架空のレスラーである HWFレスラーを出すより既存の名レスラーを消さずに出せという批判が多かった。
-処理落ちが酷い。レスラーの動きが普段から緩慢なのはリアル指向と取ることもできるが、画面を三人の選手が動くようになった途端処理落ちで動きがさらに鈍るようになる。四人が同時に動く時に至っては、''選手が点滅してチラつくこともある始末。''
--そのくせ、なぜか飛び技の動きはやたら早くなっている。
-レスラーのパフォーマンスも一人につき試合前中後で3パターンが用意されているものの、試合中に札束をバラ撒いたりする選手もいた前作に比べ地味なパフォーマンスばかりになってしまった。実況席にも動きが無くなっている。
それ以外の問題点としては、
-プレイヤーの戦績を記録する『戦いの記録』が無くなってしまった。
-エディットレスラー用のオリジナル顔グラフィックが2つしかない。大抵の場合、既存の選手と同じ顔グラフィックを付けることになる。
-前作が多すぎたとはいえ、メガファイトリーグの参加可能チーム数が最大32チームに減少してしまった。また、一度始めるとセーブはできてもメニューに戻ることはできない。

**総評
グラフィックの質を向上させたものの、容量自体は前作と同じ32Mであった。そのためこのリアルグラフィック路線こそ次世代シリーズに継承されていくものの、この時点では未だ無理をしている感じが強い未熟な作品となってしまった。本作のグラフィックと前作までのボリュームを兼ね備えるゲームとしては、SSの『6MEN SCRAMBLE』を待つことになる。

**その後の展開
-ヒューマンは同時に次世代機PSでもその容量をグラフィックに偏重させていたらしく、本作の発売からわずか3ヶ月足らずで3Dポリゴンの駄作『アイアンスラム‘96』を発売。さらなるグラフィック偏重に批判が強まった。
-また上記のアイアンスラムの発売の方が本命とでもとらえていたのか、アイアンスラムの発売から2週間後(本作の発売から3ヶ月後)に『X プレミアム』が発売。一部レスラーの技が変わるなどして再調整がなされ、さらにエディットレスラーを80人も作成可能にした上価格も8,000円に抑えていた。