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ウルトラマン Fighting Evolution 0 - (2015/09/21 (月) 08:34:04) のソース

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*ウルトラマン Fighting Evolution 0
【うるとらまん ふぁいてぃんぐえぼりゅーしょんぜろ】
|ジャンル|対戦格闘|&amazon(B000FGR93U)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|発売元|バンプレスト|~|
|開発元|メトロ|~|
|発売日|2006年7月20日|~|
|定価|4,800円|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|なし|~|
|>|>|CENTER:''[[ウルトラマンゲーム・リンク>ウルトラマンシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
特撮番組『ウルトラマン』シリーズのキャラクターが登場する3D格闘ゲームシリーズの第5作。~
唯一の携帯機向け作品で、2013年時点で最終作である。

システム的には『[[3>ウルトラマン Fighting Evolution 3]]』を踏襲しており、新たな映像表現に挑戦した『[[Rebirth>ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth]]』の路線から回帰している。

ウルトラ兄弟が総出演する、『ウルトラマンメビウス』の劇場版に合わせての発売であり、容量の都合上キャラ数などは大幅に減っているものの、『メビウス』の物語を補完する役割を果たしている。

**登場キャラクター
-ウルトラヒーロー
--初代マン、ゾフィー、セブン、ジャック(新マン)、エース、タロウ、レオ、&bold(){ウルトラの父}、&bold(){ウルトラマンメビウス}
-怪獣キャラ
--バルタン星人、エレキング、ゼットン、バキシム、&bold(){ヒッポリト星人}、&bold(){ババルウ星人}、&bold(){テンペラー星人}、&bold(){ブラックキング}

太字部分は、操作キャラクターとしてシリーズ初登場。このほか、ストーリー部分にはウルトラの母、ヤプールも登場する。

**システム
-操作
--□ボタンで打撃、△ボタンで強打撃、○ボタンで打撃または必殺技、×ボタンで投げができる。

-クロックリンクバトルシステム
--PSP本体の時計機能に合わせて、ゲーム内の時間が変化する。
--対戦モード・フリーモードのステージの時間帯にも影響し、同じステージでも昼間・夕方・夜間と3種類の顔を見せるものがある。この時間帯によって、必殺技ゲージの貯まる速度や耐久性などが大きく変化するキャラがいる。
---ストーリーモードには影響がない。
--その他、タイトル画面なども微妙に変化する。

-ポイント
--ストーリーモード、バトルモードをクリアするとポイントが手に入る。難易度を変えることにより入手できるポイントが前後する。

-ウルトラ超辞典
--上記で手に入れたポイントを使用して、ウルトラマンや怪獣のデータを閲覧することができる。
--スピリッツはここで手に入る。

-スピリッツの導入
--ゲームを進めていくうちに、ウルトラヒーロー・怪獣の「スピリッツ」を手に入れられる。キャラ毎の特徴を踏まえた特殊効果があり、これを戦闘中に発動することで、例えば上記の必殺技ゲージを瞬時に充填できたりする。
--ストーリーモードでは使えない。

-通信対戦
--PSPのアドホックを利用して無線で対戦できる。

-ふらふらゲージの削除
--前作までは、通常の打撃で相手の「ふらふらゲージ」を上昇させることで、必殺技を使用可能だったが、今作では自キャラ側のゲージを攻撃などで貯め、それを消費することで自由に技が発動可能になった。

-必殺技の固定・簡略化
--これまではキャラ毎にいくつか用意されていた必殺技であるが、今作ではほぼすべてのキャラクターが、1人3つの必殺技のみ割り当てられており、発動に使用するボタンも固定されている。

-ゲームテンポの上昇
--キャラの動きが『3』と比べて早くなっており、以前と比べてコンボの爽快感が上がった。
--PS2で発売された異色のコンボゲー『ウルトラマンネクサス』の影響かもしれない。

**評価点
-''良質なグラフィック・カメラワーク''
--シリーズ初の携帯機向け作品であったが、グラフィックは『3』に肉薄する出来で、巨大ヒーローと怪獣との戦いの迫力は十分。FEシリーズの良さが十分に維持されている。
--PSPの画面いっぱいに操作キャラが表示されており、建物などのオブジェクトの描写も細かく、据え置き機の作品に劣らぬ臨場感がある。
--フレームレートも60fpsに近い数字を維持しており、技によってはカメラワークの変化などもあるにも関わらず、処理落ちを起こすことがない。
---通信対戦もズレがなく、快適に遊べる。

-''シンプルな操作性''
--PSPのボタン数に合わせて操作が簡略化されているが、もともとそこまで複雑な操作を必要とするゲームではないため、違和感が少ない。

-''原作に忠実な描写''
--ゲームならではの大迫力の映像表現を目指した『Rebirth』からは一転して、『3』までの路線を継続しており、必殺技の表現・キャラの動きなどは、原典に忠実に再現されている。

-''爽快感のあるコンボ''
--通常攻撃によるコンボがテンポよくつなげられるようになり、必殺技も自由に打てるようになったため、コンボをつなげて相手をダウンさせて、起き上がるところを狙って光線でとどめを刺す、というスピード感のある戦闘が可能に。
--こなれてくれば非常に爽快な戦闘が可能である。

**問題点
-''キャラ削減''
--さすがに携帯機で『3』並みのキャラクターを実装するのには無理があったのか、キャラクター数は&bold(){全17体}と『[[2>ウルトラマン Fighting Evolution 2]]』並みの少なさ。
---平成ウルトラマン達は軒並みオミットされてしまっている。その代わり、『メビウス』の物語とかかわりの深い、光の国の戦士はきちんと揃えられている。
--怪獣達の顔ぶれは、バルタンやエレキングなどの有名どころを除いてシリーズ初登場のキャラクターで占められている。
---新登場のブラックキング、ヒッポリト星人、テンペラー星人、ババルウ星人は、いずれもウルトラ兄弟の客演エピソードに登場する強敵であり、ウルトラ兄弟が勢揃いする本作に合わせた人選といえる。
---ストーリーモードのラスボスはなぜかババルウ星人である。ウルトラ兄弟を一斉に相手にしたことのあるテンペラー星人やヒッポリト星人の方がふさわしかったような気もする。((ちょうど発売当時、講談社マガジンZに連載されていた『ウルトラマン STORY 0』の実質的なラスボスがババルウ星人であったため、本作がSTORY 0の展開を示唆していたのかも…))

-''ストーリーモードのボリュームが薄い''。
--各キャラクターの個別エピソードを再現するのではなく、『メビウス』に合わせたオリジナルストーリーを体感するストーリーモードが収録されているのだが、このボリュームが薄い。
--操作キャラクターは各ウルトラヒーローだが、実際には、メビウスと、それ以外のヒーローの2通りのストーリーしか用意されていない。ウルトラ兄弟のストーリーは、自キャラが変わるだけで、敵のセリフや動きがほとんど同じなのである。
---格闘パートの合間に、会話パートが挟み込まれるのみで、ムービー演出は一切ない。
--そしてどちらもクリアに要する時間が短い。ウルトラ兄弟編は、慣れたプレイヤーなら1時間のうちに2周できるかもしれない。『[[ストリートファイター>ストリートファイターシリーズ]]』などの格闘ゲームのキャンペーンモードに近い短さである。メビウス編はこれに輪をかけて短く、はっきりいってただのショートストーリー。
--メビウス編は、メビウスが地球へ派遣される直前の物語、ウルトラ兄弟編は、劇場版『メビウス』のプロローグ的物語であり、どれも本編のストーリーを補完するものなのだが、大した展開があるわけでもない。
---これを各キャラ毎にクリアしないと、隠しキャラが使えない。はっきりいって面倒くさい。

-''キャラ・スピリッツの出現が面倒くさい''
--ストーリーモードをクリアしていかないと、キャラが出現しない。最初は、怪獣は一切使えず、ウルトラの父も使えない。
--スピリッツは、ストーリーモードなどを遊ぶことで手に入れられるポイントを消費して購入するのだが、これも、ストーリーモードだけならば何周かしないと、すべてを購入できるだけのポイントを貯められない。
---まあ、ウルトラの父を出現させるために頑張っていれば自然にその分のポイントは貯まるので、あまり気にならないかもしれないが。

-''クロックリンクから生じる、バランスの異常な悪さ''
--ステージの時間帯によるキャラ性能の変化が、バランスを著しく破壊してしまっている。元々格闘ゲームとしてのバランスはあまりよくないシリーズであったが、今作ではそれがさらに悪化しているといってよい。
--特に鬼畜なのは、夜の時間帯のバルタン星人。元来コンボを組みやすいため強いキャラクターなのだが、夜のステージでは耐久力が上がって異様に硬くなっている上に、ゲージがすぐに貯まるため、怒涛の勢いのコンボを繰り出してくる。
---ストーリーモードはクロックリンクとは関係なしにステージの時間帯が固定されているのだが、ここでも夜のステージでバルタン星人と戦うことになる。この強さはかなりのもので、プレイヤーによっては、ストーリーモードを進めるのにかなりのストレスを感じる原因に。
---その他、夕方にはウルトラマンジャックとブラックキングが強化される。
--クロックリンクをオフにすることもできるが、ステージの時間帯によってキャラ性能が変化するのはどうしようもないため、性能差の拡大を防ぐことを考えると、使用するキャラクター・ステージに若干ながら制限がかかってしまうといえる。

-''必殺技の削減''
--必殺技が減ったばかりか、好きなボタンに割り当てられなくなったため、不満を持つプレイヤーもいる。
--相手の使用する必殺技のボタンに合わせたボタンを押すことで、必殺技を防御する、というシステムは維持されているため、状況によっては相手の使う技を読んで容易に防御できる。

**総評
各要素の削減、携帯機であるにしても著しい対戦バランスの悪化と、残念な点も多いが、スペックの低い携帯機への進出にあたって、十分シリーズの魅力は維持できているといえよう。

本作以降、本家ウルトラシリーズは円谷プロダクションの経営難によって制作が滞り、ファイティングエボリューションシリーズの制作も2015年5月現在途絶えてしまっている。

シリーズを開発していたスタジオ「メトロ」は、2013年にシミュレーションゲームとして発売される『ウルトラマン オールスタークロニクル』の開発を担当している。