「DEMENTO」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

DEMENTO - (2023/08/08 (火) 21:09:55) のソース

*DEMENTO
【でめんと】
|ジャンル|ゴシックサイコホラー|#amazon(B0007QD6J4)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売・開発元|カプコン|~|
|発売日|2005年4月21日|~|
|定価|6,800円|~|
|廉価版|カプコレ:2006年12月14日/2,079円|~|
|配信|ゲームアーカイブス:2015年4月4日/1,234円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
----
#contents(fromhere)
----
~
#center(){*人は誰でも、多い少ないかは別として、ある一点では狂っている
ラドヤード・キップリング}~
~
----
**概要
元々『[[クロックタワー3]]』の続編として製作される予定だったが、新規ユーザー開拓の為にタイトルや設定を変更して開発された。~
その為、クロックタワーシリーズとの類似点が多く、ゲームシステムは『クロックタワー3』の発展形と言える。~
音響効果は『クロックタワー3』のサウンドデザイナーである内海秀明が手がけている。効果音も同作からの流用が見られる。

敵を倒せるだけの戦闘能力を持たない非力な主人公が、追跡者から逃げ隠れしながら探索するという骨子は同じ。~
しかし本作の特徴的な要素として、「犬と協力してゲームを進めていく」というものがある。~

タイトルの「デメント」とはラテン語で「狂気」を意味し、~
その名の通りストーリーや世界観は、人間の狂気や錬金術世界のダークサイドな一面を題材にしている。~

イベントシーンの監督(シネマティクス・ディレクター)は、俳優・コメディアン・映画監督・歌手の竹中直人が担当しており、~
更に登場人物の1人のモーションアクターも務めている。

----
**ストーリー
>深い、冥い眠りから目を醒ますフィオナ=ベリ。~
彼女はひとり、一糸纏わぬ姿で、見も知らぬ地下室に閉じ込められている。~
檻に、閉じ込められている。~
冷たい檻を、地下室を抜け出すフィオナ。~
逃げなくては。~
でも、どこへ?~
いずことも知れぬ、古びた城の中。さまようフィオナ。
>
>やがて、フィオナは知る。
両親と共に事故に遭い、ひとり命のあったフィオナが、縁戚にあるこの城へ連れてこられた事を。~
衝撃を受けるフィオナ。しかし、それは始まりに過ぎなかった。~
フィオナを執拗につけ回す異容の男。~
絡みつく視線。~
人影。気配。~
禍々しくも整然と並ぶ錬金の術具。
>
>城は、悪意をはらんで歪んでいた。
>
>偶然に救い出した犬、ヒューイをパートナーに、フィオナの探索が始まる。~
狂気に彩られた悪夢は、彼女をどこへ導くのか。
&br()

----
**ゲーム内容
''追跡者''~
-主人公を執拗に付け回し、襲ってくる敵。
--追跡者自体は複数存在するが、一度に登場する追跡者は一体だけ。
--ゲームの進行及びマップ(ステージ)によって登場する追跡者が替わっていく。

-追跡者の出現
--追跡者は一定時間の経過や、特定のイベントによって出現する。それ以外にも大きな音を立てたりすると時間に関係なく追跡者に気配を悟られるので、逃走状態でなくても慎重な行動が必要。
---特定のマップに存在するルミネセンスという発光体やホムンクルスに触れると前者は大きな破裂音、後者は叫び声で追跡者を呼び寄せてしまう。どちらもも主人公を見つけるとマップを跨いで追尾してくる。
--もうすぐ追跡者が現れる時は、予兆として犬(ヒューイ)が唸り声を上げ、通常BGMが停止し無音状態になる。
---追跡者がマップに出現していない状態でも上記のルミネセンスやホムンクルスがいる場合も動揺に無音となり、実際に出現しているか判断がし辛くなる。

-逃走状態
--追跡者に発見されてしまった状態。この際はBGMが専用のものに切り替わり、~
「一定距離逃げ続けて振り切る」「撃退ポイントを利用する」「ヒューイと協力して撃退する」「HIDE IN ポイント((前作における「隠れポイント」のこと。))を利用して身を隠す」などの手段でやり過ごすまで追われ続けることになる。
--ただし、これらの対処を行った場合でも追跡者はしばらくの間付近のマップを捜索している(主人公のいる場所に戻ってくる場合もある)。そのため追跡者のBGMが無くなったとしてもすぐには安心できない。前作のように追跡者があからさまな演出付きでテレポートする事も無いので、安全が確保できるまで本当に気が抜けない。
---同じ場所に長時間(あるいは何度も)隠れていると追跡者に見つかる可能性が高くなる。&bold(){基本的には見つかってしまうと「DANGER」の文字と共にハイドポイントから引きずり出され、パニック値が大幅に上昇して大ピンチとなってしまう。}そのため安易なパターン化がしにくく、一筋縄ではいかない。
---隠れる場所も、追跡者に見られていなければどこでもよいというわけではない。最初から追跡者に見つかる確率が高い場所、隠れても100%見つかってしまう場所、中には見つかったとたんに即死させられてしまう…という、罠のハイドポイントも存在している。これもクロックタワー初代や『2』に近い。
---ハイドポイントに隠れて追跡者がいなくなると「NO ENEMY…」と表示されるが、あくまで現在のマップからいなくなった事を示しているだけなので直後に戻って来たり、マップを出た途端に鉢合わせる事もある。この表示が出たから安心などとは到底言えない。
--前作でも一応可能だが難しかった「物陰に潜んでやり過ごす」事は今作では「しゃがみ回避」という重要なテクニックの一つに。それを前提としたポイントも存在する。

-戦闘
--追跡者は、戦闘により体力を減らして一時的に行動不能にしたり、撃退することも可能。主人公は女性という点もあり非力なので、一人で戦うことは非常に困難。そこで犬(ヒューイ)の協力が重要となる。
--しかし、本作は通常の攻撃方法以外にも即死攻撃を持つ相手が多く、たとえ体力やパニック値が安全域であっても油断は禁物。
--あまり多くは無いが、クロックタワーシリーズ同様の撃退ポイントも存在し、本作では「ヒューイを待ち伏せさせておく」「アイテムで誘導する」など条件付きの撃退ポイントもある。
--今作独自要素として、アイテムを使って攻撃や足止めをしたり、「扉を蹴り閉めて追跡者に激突させる」などの攻撃方法も存在する。
--各チャプターの最後には追跡者との対決が待っている。しかし『クロックタワー3』のようなファンタジックなバトルではなく、物理攻撃や部屋の仕掛けを駆使した現実的な手段での戦いとなる。

''犬(ヒューイ)''~
-主人公のパートナー的存在であり、ゲームのほぼ全編に渡って主人公の助けとなる。
--犬に指示を送り、行動の手助けや敵への攻撃が可能。一部の仕掛けの解除や、一部のアイテム入手にも犬が必要となる。
--犬のAIは主人公との友好度に依存する。犬の行動を褒めたり躾を行って、犬のAIを賢くすることもできる。

''主人公の状態変化''~
-疲労・ダメージ
--走り続けたりして体力を消耗し過ぎると、移動速度が低下したり、バックステップなどの行動が取れなくなる。
---敵の攻撃で負傷するとダメージ状態になることがある。ダメージ状態になると、疲労と同様いくつかの行動に制限が掛かる。また敵の攻撃で瀕死状態になり、ゲームオーバーの危険が高まる。

-また、本作では「攻撃を受けた時の状況によりダメージの大きさが違う」という要素もある。
--一例を挙げると、''梯子を上り下りしている最中に追跡者に攻撃を受けた場合、転落して本来よりも高い追加ダメージを負ってしまう。''動けるようになるまでの時間も長いため、大ピンチとなる。

''パニック''~
-前作の「パニックメーター」とほぼ同等のシステムだが、本作ではメーターは表示されず、パニック値という内部パラメータが用意されている。
--メーターの上昇と共に画面全体にエフェクトがかかっていき、一定値を越えると一定時間パニック状態に陥る。パニック状態の時は画面が白黒に変化し辺りの状況が把握しづらくなったり、行動に制限が掛かるなど様々なデメリットがあり、ゲームオーバーの危険が高まる。
---パニック値は敵の攻撃を受けたり、敵の近くで叫び声を聞いたり、隠れている時に敵に発見されたり、敵から逃げ続けていると上昇する。
--パニック値が一定値以上になると、走っているだけでも転んでしまうことがあるので、ただ逃げ回っているだけでは追い詰められやすい。

''アイテム''~
-主人公や犬の状態を回復したり、敵をしばらく行動不能にするなど、ゲームを有利に進められるアイテムがいくつか存在する。
--アイテムの入手法は、マップ上にあるものを拾う他に、特定の場所にて錬金術によって作り出すこともできる。また追跡者を攻撃してダウンさせている間に、追跡者からアイテムを入手することもできる。

''その他''~
-各マップ間の扉は開けっ放しにしておくこともできる。
--開けっ放しにしておくと、犬とはぐれにくい、追跡者から逃れやすい、扉の影に隠れられるといった利点がある。
---ただし物音が他所のマップまで届くので、追跡者に存在を察知されやすいというリスクもある。
--ルミネセンスは扉を通過できないという性質があるので、扉を閉めておけばルミネセンスの追尾から逃れられる。
--追跡者の中には、通過した扉を閉めるものも存在する。

-この通り、本作は主人公に可能な行動や制約が『クロックタワー3』から大幅に増えており、慣れれば様々な方法で自由に追跡者と渡り合える一方、過去作の感覚で単純に逃げ隠れするだけではすぐに追い詰められてしまう。

----
**評価点
-グラフィックが美麗。PS2内ゲームでも最高水準。

-''主人公のエロ可愛さは好評。''

-ホラー部分
--クロックタワー譲りの「追われる恐怖」は健在。
--追跡者は視覚的な「怖さ」と内面的な「気持ち悪さ」の双方が上手く表現されている。
--旧作のシステムのツボをきちんと取り入れつつ昇華し、『クロックタワー3』で顕著だったシステム面の粗や、旧作のシステム面での特徴がおざなりにされていた部分をきちんと改善し、緊張感あるゲーム性を実現している。
---旧作同様、逃走中は謎解きは行えなくなった。前作のように謎解きの最中は追跡者が律義に待つという不自然極まりない状況は無くなり、また、「追跡者が仕様上の関係で入って来ない安全地帯」も基本的に無く((あったとしても、前作のように何度も逃げ込めるような便利な使い方はほぼ不可能。))、緊張感を保ったままプレイできる。
--売りであるパニックシステムも細部の粗をきちんと改善し、リアリティある追跡劇を表現している。
---演出面も上述のような焦燥感を煽るものになっており、ゲーム然としたメーターの表示も無くなった事でよりリアリティな画面構成となっている。
--ゲームオーバー時にはフィオナが悲痛な断末魔と共に倒れ伏した後は「音」と共にゲームオーバー表示が成されるが、前作では汎用のうめき声が聞こえるだけだったのに対し、本作は音で「''その後''」を表現するという演出がとられている。直接見えないだけにチープな場面になるようなこともなく想像を掻き立てられることで、より恐怖感が増している。
---トラップなどに引っかかった時は共通の効果音が流れるのみだが、追跡者の攻撃によって死んでしまうと各追跡者ごとに異なる音声が背景に流れる。
---どれも時間が経つにつれてより過激になっていくので目に見えない分、倒されてしまったフィオナが追い打ちされていく生理的な嫌悪感や恐怖は鳥肌もの((ストーリーを追ってみれば追跡者がフィオナに何をしているのかが推測することができるようにもなっている。))。
--主人公や追跡者のモーションも大きく進化。前作のようなどことないぎこちなさは消え失せ、主人公の必死さ、迫り来る追跡者の威圧・恐怖感がひしひしと伝わってくるようになった。
---ゲームオーバー時も、汎用のモーションで不自然なやられ方になり易かった前作に対し、とどめの一撃に応じて様々な殺され方をし、プレイヤーを戦慄させる。
---そして「その後」は上述のように追跡者によって違う音声により生々しく追い討ちされていく。

-犬(ヒューイ)の存在
--外見や基本的な行動が非常にリアルであり、それらが可愛らしく見えるため犬好きにはたまらない。
--様々な場面で犬と協力するという、ホラーゲームとして新鮮なゲーム内容。

-ロード時間がほぼ無い
--ロード時間が存在するのはニューゲーム時やセーブデータをロードした時の最初の1回だけであり、ゲーム中はロード時間と言えるものが皆無。マップの切り替えも画面の暗転や扉の開閉といった演出無しに一瞬で行われる((ムービーシーンとゲーム画面の切替わりで一部暗転するシーンがあるもののそれでもほんの1、2秒程度。))。
--ロードの少なさは『クロックタワー3』の数少ない強みの一つだったが、今作はそれを更に強化している。

-充実のおまけ要素
--BGM・ムービー・3Dモデルの観賞・イラストを鑑賞できるギャラリーや、ヒューイをプレイヤーが操作してフィオナはAI操作になるミニゲームがある。
--隠しコスチュームも数種類存在する。コスチュームを変更するとムービーなどのイベントにも反映される。特に''「カウガール」のコスチュームは非常にエロい。''
---一部のコスチュームには武器が付属しているものもある。ただし、各武器は攻撃力こそは高くとも、隙が大きかったりなどで必ずしも使い勝手が良いとは限らない。
--2周目からはハードモードがプレイ可能だが、『クロックタワー3』のように強制的にプレイさせられる事もない。また、コスチュームチェンジも含め、クリアデータがシステムデータにセーブされて以降は自由に選択可能になるので、『クロックタワー3』のようにクリアデータを残しておく必要も無くなった。
---小規模ながらマルチエンディングも復活し、隠しイベントも存在したりとコンプリートの楽しみも追加。
//動画を貼る必要性がないのでCO。変にエロを強調すると@wikiのアダルトコンテンツ禁止規約にも引っかかりかねないのでやめてくれ。

----
**賛否両論点
-ストーリー
--全編通じて描写不足。専門用語が多く、回想なども断片的にしか語られないためプレイヤーが置いてきぼりにされがち。 
--本作は4つのマルチエンドに分岐するが、Goodエンディングは3つとも内容はほぼ同じである。
--とは言え、『クロックタワー3』のような幼稚さや大きな粗は無く、本作のテーマである「狂気」を巧みに表現している。『クロックタワー3』で散見された特撮じみた演出や失笑もののミュージカル要素も無く、ホラーでこんなことを言うのも変だが安心して見られる。
---シナリオライターは、『クロックタワー3』にも携わった杉村升((本作の発売を待たずして急逝してしまったため、事実上本作が遺作となった。))が草案・原案を、細かな部分とテキストを池原実が担当。

-犬(ヒューイ)の存在
--追跡者への対抗手段として単純に強すぎる。追いかけられている時や戦闘時に命令すると追跡者に噛みつくが、一定値ダメージを与えるとノックアウト・撃退できる。追跡者にとって邪魔でしかない存在なのに、エンディングまで殺されない・捕獲されないのも不自然((2周目以降に挑戦できるハードモードではヒューイがダメージを受けすぎると死亡&即ゲームオーバーになるため、見方によってはハードモードの方が現実的かもしれない。))。
--犬好きかそうでないか、ヒューイとのやり取りを楽しめるかどうかで評価が分かれやすい。
--ヒューイを躾けるなどして友好度を上げなければ、なかなか言うことを聞いてくれず、イライラさせられることもある。
--躾などのヒューイとのやり取りは、人によってはそれだけでも楽しめるのだが、AIを賢くするために探索の足を止めてまでやらされているとも感じられる。
--いつ追跡者が襲ってくるとも知れない緊迫した状況下にあって、犬を躾けたりお手をさせたりボールで遊んだりといった「余裕のある行為」をするのは違和感がある。
---ある意味ではそういう状況だからこそ、とも言えるが、プレイヤーがそれをしたいとは限らない。かといって、それをしなければヒューイが賢くならず、ゲームを円滑に進められないというジレンマがある。

----
**問題点
-ゲームバランス
--ゲームを進めるにつれて難易度が上がるのではなく、むしろ簡単になっていく部分がある。
---追跡者はそれぞれ異なる性質を持っているものの、戦闘面などでやることはそれほど変わらないのでパターン化できる。能力的にも後々の追跡者の方が強いとは言い切れない。ゲームに慣れていない序盤の方が体感的には難しく感じられる場合もある。
---ゲームが進むほど有用なアイテムを入手できる上に、ヒューイも強力な攻撃手段や回避アクションを覚えていく。
---これらの無い序盤は隠れてやり過ごすしか無い訳だが、上述のように敵が主人公を見失ってもしばらく巡回する仕様上、いつまでもうろうろされて出るに出らず結局最後は見つかってしまうというケースも多々。結局、序盤が一番難しく思えるケースが多々。
--アイテム練成は運の要素が強すぎる。
---スロット形式のミニゲームであり同じ色を揃えていくことでアイテムを入手できるのだが、色が付いた部分を止めるタイミングが非常にシビアであり、下級メダリオンではほとんど成功が望めない。
---ただし揃えた色によってはゲームバランスを崩壊させかねない装備品が入手できることもある。
--カメラ
---本作のカメラは固定視点であり、マップの特定地点に移動する度に別の視点に切り替わるという方式を採用している。
---追跡者から逃げたり戦っている最中にカメラ切り替え地点に差し掛かると、視点が急に変わって視認性が悪くなる場合が多々ある。さっきまで追跡者との距離感や位置関係がよく見えていたのに、間合いを保とうするとカメラが切り替わって追跡者の姿が隠れてしまうなど。
---稀にだが、視点が切り替わったら何の前触れも無く追跡者と鉢合わせる場合もあり、心臓に悪い。

-追跡者の問題
--後半のマンネリ感が強い。
---人間と人形の区別がつかないホムンクルスのデビリタス、正常と狂気の境が曖昧なメイドのダニエラ。ここまでは純粋に怖く評価も高い。
---後半の2人は理性的に主人公に執心しており、3人目のリカルドは前半は銃を発砲しながら追って来るのでまだ「殺害される」事への恐怖感はあるものの、後半は''透明化''((厳密には主人公に薬物を投与し見えないようにしている。))して襲い来る。
---最後の追跡者に至っては、前半は地面を猛スピードで這ってくる。後半は火柱を発生させて攻撃・瞬間移動と言った超常的な行動を取り、恐怖感よりもむしろクロックタワー3にも似た滑稽さを感じる。
--追跡者の難易度について
---前述のヒューイに加え撃退アイテムやギミックも豊富にあるため、ある程度慣れて分かってしまえば容易に、何度でもノックアウト・撃退できる。追跡者に対して比較的簡単に時間稼ぎできてしまうため難易度も下がり、ホラーテイストもマイルドになってしまっている。
---前半の追跡者2人はかなり積極的に攻撃をしてくるので緊迫感があるが、後半の2人は上記のように理性があるためか直接対決時以外は余裕を見せたりと動きにかなり隙が多く、結果的に難易度も前半と比較して低く感じられてしまう。
--外見的な恐怖感も弱い。最初と最終局面の追跡者以外は普通の人間とそれほど変わらない姿をしている。
---『クロックタワー3』のようにあからさまな特徴を持たせてフィクションっぽさ・特撮っぽさが出ていたのに比べれば、見た目が普通の人間だからこそのリアルな狂気・恐怖感があるとも言える((特に2人目のダニエラはなまじ美人なだけに発狂した際のインパクトが抜きん出ている。))が、視覚的なインパクトを求める人には物足りないのも否めない。
---それを別としても、3人目の追跡者リカルドの顔が''竹中直人そのまんま''であり、人によってはリカルドの登場するムービーがギャグに見える。
---さらに上記のようにリカルドは後半で透明化するので見えない敵に追われる恐怖感がある一方、攻撃時だろうが姿が見えないためにビジュアル的には地味な一面もある((時々薄らと姿が見えることはあるが、どのような動きをしているのかが分かり辛い。))。

-パニックのシステム
--『クロックタワー3』の同システムの粗や欠点を大きく改善し、よりリアリティある追跡劇を繰り広げられるようになっているが、パニック状態に陥るとキャラクターの操作に制限が生じるという仕様上、やはり煩わしさがあるのは否めない。
---ここを恐怖と感じるか、ストレスと感じるかはプレイヤー次第だろう。

-その他
--何かを調べる時に、主人公が長めのモーションを取ることがよくある。モーション中の待ち時間が長めで、ややテンポを損ねている。
---『クロックタワー3』では調べるモーション自体が無かったので、進化した点ではある。もう少しスピーディーだったら純粋に評価点に挙げられたのだが。
--ソファの下などに隠れている時は主観視点になるのだが、この時視点を操作することができず完全固定なので、ゲームの没入感としては今一つ物足りない。『クロックタワー3』では視点操作が可能だったので、同作から退化した数少ない要素と言える。
--ゲームオーバー時のコンティニューが不可能になった。旧作では殺される直前から、『クロックタワー3』でもチェックポイントから再開できたのだが、今作ではタイトル画面に戻されるので復帰がやや面倒に。
--そして本作はトラップや即死攻撃による不慮の死の危険性が高まっている上に逃走中はセーブ不可なので、出来る時にセーブしておかないといざという時に泣きを見る。

----
**総評
『クロックタワー』の遺伝子を受け継ぎつつ、独自の要素を取り入れて上手く昇華させたホラーゲームの良作。~
ホラーゲー好きはもちろん、クロックタワー好き、犬好きにもお勧めできる。~
現在ではゲームアーカイブスで手軽に入手可能なので、興味のある人はプレイしてみると良いだろう。~

----
**余談
-ゲームオーバー画面で表示される文字はクロックタワーシリーズで見られた「DEAD END」や一般的な「GAME OVER」などではなく「Acta est fabula(アクタ・エスト・ファーブラ)」。
--これはラテン語で「芝居は終わりだ」と言ったニュアンスの言葉であり、アウグストゥスの臨終の台詞とも言われている。
--この他にもエンディング名にもラテン語が使用されており、本作の独特の世界観を印象付けている。

-''『クロックタワー』シリーズにとどめを刺した功罪''
--本作を『クロックタワー』シリーズの続編として売り出さなかったことからは、カプコンが『クロックタワー』の続編を出す気が無いという意向が読み取れる((シリーズの版権自体はサン電子が保有している。))。これにより、『クロックタワー』シリーズが終焉してしまった。
--仮に『クロックタワー』の新作として出ていれば、『3』の汚点を払拭する内容として評価され、シリーズが存続した可能性もある。
--ただし、『クロックタワー』は『2』の時点で大体完結しており((旧シリーズの生みの親であった河野一二三も「『2』ですべてやり切ったので続編を作る気はなかった」と明言している。))、『3』でやらかしてしまった経緯もあるのでこれ以上『クロックタワー』の続編を出す意義があるのかは怪しいところ。
---また、『クロックタワー』に縛られず新しいことをやろうとする開発側の姿勢も、これはこれで正しいと言える。
--後にシリーズ生みの親自らが手掛けた精神的続編『NightCry』や、開発者が「『クロックタワー』を現代に蘇らせたようなもの」と公言している『Remothered』シリーズなどの方向性を受け継いだ作品はリリースされているが、『クロックタワー』そのものの続編は登場していない。

-『クロックタワー』の生みの親である河野一二三は『3』については「自分の思い描いていたものとは違う」と否定的な見解を示していたが、本作については犬のパートナーを取り入れるアイデアを賞賛している。
//他が敬称略で統一されている記事でここだけ氏をつけるのは不自然なので撤去。

-あるエンディングでは、作中の人物が大きな鋏を使って庭木の剪定をするシーンがある。
--この光景を指して、『クロックタワー』ファンの一部から「''最後の最後でシザーマンが登場した''」というジョークが囁かれている。

-海外の『クロックタワー』シリーズのファンWikiでは本作も『NightCry』と共にスピンオフ作品として組み込まれており、半ばシリーズの一作のような扱いを受けている。
--その中では上記の剪定シーンを含め、本作と過去の『クロックタワー』シリーズとの共通点や類似点を列挙した記述もある。単なる偶然かどうかはともかく、ファンは見比べてみると面白いかもしれない([[参照>https://clocktower.fandom.com/wiki/Haunting_Ground#Similarities_with_previous_Clock_Tower_games]] ※英語のみ)。

-公式サイトでは登場人物や用語の補完が行われたが、Flash Player終了に伴ってアーカイブを辿っても見られなくなってしまった。
--一応、ファンが英訳したページは現在も残っている([[参照>http://fftranslations.atspace.co.uk/hg/index.html]])。
//元のページもこんな風な普通のhtmlだった気がするけどURLが判らないんじゃ確かめようがない…。もしも判る人がいたら適切な記述に修正下さい。

----
**その後の展開
-『[[タツノコ VS. CAPCOM>タツノコ VS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES]]』にて、コンドルのジョーのエンディングにフィオナが登場。

-『[[ストリートファイターV>https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/655.html#id_a4b08b36]]』のキャミィの追加コスチュームとして「フィオナ」が実装された。キャミィが髪型も含めてフィオナそっくりの格好になる。10パターンのカラーが用意されている。
---試合開始前に特殊なコマンドを入力すると、原作の隠しコスチュームの一つである「カウガール」の姿になる。