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ペルソナ4 - (2023/10/22 (日) 15:20:05) のソース

この記事ではPS2用ソフト『ペルソナ4』と、その移植であるPSV/Win(Steam)用ソフト『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』を扱います。
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#contents
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*ペルソナ4
【ぺるそなふぉー】
|ジャンル|ロールプレイングゲーム|&amazon(B001675JCU)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売・開発元|アトラス|~|
|発売日|2008年7月10日|~|
|価格|7,329円(税込)|~|
|廉価版|PlayStation2 the Best&br()2010年8月5日/2,940円(税込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[女神転生シリーズ]]''|
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**概要
『ペルソナ』シリーズの4作目。通称『P4』。~
ナンバリングとしては『4』だが、『ペルソナ2』(P2)は『罪』と『罰』の3部作、『[[ペルソナ3]]』(P3)は追加シナリオを収録したバージョンアップ版が発売されているので、実質6作目とも言える。~
『[[真・女神転生III NOCTURNE]]』『P3』の開発チームが制作した。

プレイヤーは地方都市で起こる連続殺人事件と、まことしやかに語られる都市伝説「マヨナカテレビ」の真実を仲間と共に突き止めていく。~
終始ダークな雰囲気のストーリーが展開された前作とは対照的に、本作のストーリーは和気藹々とした日常と、溌剌とした前向きな冒険譚とがメインとなっている。

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**ストーリー
>家庭の都合で1年の間、都会からとある田舎の地方都市に引っ越すことになった高校2年生の主人公。~
主人公は叔父で刑事の堂島遼太郎の家に厄介になりながら、大手スーパー店長の息子・陽介、カンフー映画好きの活発な少女・千枝、旅館の跡取り娘・雪子と友人となり、楽しい学校生活を送り始めた。~
その中で主人公は、雨の夜に見られるという怪現象「マヨナカテレビ」の噂を知る。~
~
だが、主人公の引っ越しに呼応するかのように、濃い霧に覆われた街で奇怪な殺人事件が発生する。~
突如失踪し、死体となってテレビアンテナに吊るされる人々。次に行方不明になるのは誰なのか。犯人はどこに…。~
~
陽介が思いを寄せる先輩女子生徒が行方不明となったことをきっかけに、主人公とその仲間たちは正体不明の犯人と事件の謎の追跡を始め、ふとしたことから異世界への扉を開いてしまうことになる。~
その扉の鍵とは、心の力…もう一人の自分。 "ペルソナ"――。

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**特徴
-本作は前作『P3』の2年後という設定で、世界観・ゲームシステムが『P3』と共通している。
--とあるイベントで、月光館学園やポロニアンモール等の『P3』の舞台へ行けたり、『P3』のキャラクターが一部ゲストで登場するといったファンサービスもある。

-前作同様『ペルソナ2 罰』までの作品と関連性は無いが、『女神異聞録ペルソナ』のようなジュブナイル系のストーリーや、『ペルソナ2 罪』で見られたような「もう1人の自分との対峙」といった共通点もいくらかは存在する。
--「オカルトな噂話」から事件が幕を開けるという展開も『P2』を連想させるものとなっている。
--その他にも、敵の名前が『P2』でのもう1人の自分の名称であった「シャドウ」という同じ語であるなど、前作の頃から旧シリーズを連想させるような要素は点在している。

-イメージカラーは、前作のスタイリッシュでシャープな青から、お洒落で明るい黄色へ。
--やわらかい感じでありながら、どことなく不安にさせるイメージも併せ持つ。
--異世界を攻略する時は、パーティのメンバー全員が眼鏡を掛けている(1名だけ例外)。
---この眼鏡は異世界の濃霧が視界から取り払われ、かつ心身の衰弱を和らげるという特殊なもので、ストーリー上も意味がある。

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**前作からのシステム変更点
基本的な仕様はほぼ前作と同じものを採用しているが、変更点も多くある。~
これら変更点の一部は後発の『ペルソナ3ポータブル』(P3P)へと逆輸入された。

-新たに「天候」システムが導入された。
--天候は晴れ・曇り・雨の3種類。ストーリーに密接に関わっているため、ランダムではなくゲーム中の1日ごとに決まっている。
--雨の日は特別な天気であり、ほとんどのコミュニティが行えなくなる代わりに、日常パート及びダンジョン探索の双方に以下のようなメリットが生じる。行動を判断する重要な要素となっている。
---雨の日限定のレアイベント
---ショップのセール
---レア素材を落とすシャドウがダンジョンに出現する
--また、本作では「雨が数日続いた後の晴れの日は霧が出る」という法則がある。霧が出る日はマヨナカテレビに映った人が死体になる日であり、それまでにダンジョンを攻略できないとゲームオーバーとなる。

***日常パート
-コミュニティシステムの変更点
--キャラクターとコミュニティを築いて親交を深めていく。深まれば深まるほど、ペルソナ合体が有利になったり、キャラクターが悩み等を話してくれたりとより感情移入できるようになる。これ自体は前作と同様。
--今作では女子とのコミュを進めると、キャラ毎に恋人になるか友人のままでいるか選べるようになった。前作にあった強制恋人化が無くなり、恋人を一人だけに絞る誠実なプレイも可能で感情移入しやすい。もちろん、望めば前作のように複数人と恋愛関係になることも可能。
--また前作では男子パーティメンバーのコミュが無かったが、今作はパーティーメンバー全員とコミュを築ける。
--加えてコミュ進行を妨げる状態、リバース及びブロークンの発生が前作よりも大幅に少なくなり、初見プレイヤーにも優しい設計になった。
--パーティーメンバーとのコミュは戦闘中の行動にも影響するようになった。後述。
---前作ではコミュ攻略のメリットはペルソナ合体が有利になるのみであったが、今作ではコミュレベルに応じて(一部メンバーとはいえ)戦闘に直接関与する能力が追加されていく様になった。

-主人公のパラメーター
--主人公には、戦闘とは関係ない日常生活のパラメーターが設定されている。前作では「学力」「魅力」「勇気」の3つであったが、今作では「知識」「伝達力」「寛容さ」「勇気」「根気」の5つへ細分化された。
--これらはアルバイトや読書、会話中の選択肢などで上げる事ができ、高くなるほど新たなコミュニティが発生する、釣りが長く出来るなどさまざまなメリットが生まれる。

-「アルバイト」の新設
--上記のパラメーターを高めつつ金銭が獲得できる「アルバイト」が日常パートへ追加された。
---行動計画が建てやすくなったほか、アルバイトによって出会い、進行または派生するコミュニティもあるなど、日常パートに深みを与える要素となった。
---ただし、アルバイトのみでパラメーターを上げ切る事は現実的ではないので、綿密な行動計画が必要なことは変わっていない。
--このアルバイトも少々形は変わったが『P3P』に逆輸入された。

-クエスト
--特定の時期に街中の様々な特定の人と会話するとクエストを受けられる。
--コミュニティの1つの隠者コミュもクエストを達成することで絆が深まる。

-マップ移動
--□ボタン1つで特定のエリアに飛べる機能が追加され、移動の冗長さが解消された。

***ダンジョン探索
-前作同様、ダンジョンはほとんどが自動生成式である。
--前作は「タルタロス」という巨大な1つのダンジョンを全編通じて少しずつ踏破していく形式だったが、今作では救出・追跡する人物ごとに意匠コンセプトの異なる個々のダンジョンが独立して登場する形式となった。
-前作にあった、パーティメンバーへの「散開・集合」の指示はなくなった。
--「長時間経過による死神属性の強力なシャドウの出現」もなくなった。一応同名のシャドウは登場するが、「2周目以降に宝箱にまれに現れる」ように出番が変更されている。
-疲労度のパラメータは削除され、やや自由に探索しやすくなった。
--ただしSP回復に非常に高いコストがかかるため、同じ日に何度もダンジョンへ潜るのは現実的でなく、探索難易度が下がったというわけではない。

***戦闘
-前作に引き続きワンモアプレスバトルを採用。
--これは弱点属性攻撃を与えたり、攻撃がクリティカルヒットすると、攻撃を受けたキャラクターをダウンとよばれる状態にでき、さらにダウンさせたキャラクターは追加行動が可能となるというもの。この基本は前作から変わらない。
--今作での変更点は以下の通り。
---全体魔法を使用した際、1体でも弱点を突くことができれば追加行動が可能となり、全体魔法の使用価値が前作より増した。ただし敵にも同じことが言えるため、下記の防御などを使いこなすことが要求される。
---前作では「ダウン」した敵は次のターンを消費して復帰する(1ターンの行動不能が発生する)であったが、今作では復帰したターンに行動するようになった。前作のようにとりあえずダウンを狙って行動を1ターン封じるという戦法は不可能となった。
---行動不能状態として「気絶」が新たに追加された。ダウンした敵が攻撃を受けると、通常時は50%の確率で、弱点を突かれるまたはクリティカルが発生した際は100%の確率でそれぞれ「気絶」状態となり、前作の「ダウン」と同じように次のターン行動不能となるというもの。2ターン目で復帰すると同時に行動可能となる。

-「待機」コマンドが「防御」コマンドへ置き換えられた。
--ダメージを軽減するほか、弱点が無くなり、クリティカルやバッドステータス(状態異常)を防ぐ。1度攻撃を受けると防御は解かれる。

-味方への直接のコマンド指示が可能となった。

-コミュレベルに応じた味方の追加行動が新たに設定された。
--日常パートで仲間とのコミュレベルを上げることにより、「主人公が倒されそうな時に庇う」「HPが0になるダメージを受けても一度だけHP1で踏みとどまる」などの有利行動をとってくれるようになった。

-ミックスレイドの廃止。後述。

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**評価点
***システム全般における前作からの改善
-ゲームのテンポの改善
--前作『ペルソナ3』では、日常パートと影時間パートの「ダンジョンアタック」を繰り返す中で、RPGとしては多めのプレイ時間が要求され、しっかりとプレイするならクリアに100時間以上要した。特に影時間パートのダンジョン「タルタロス」は非常に多くの階層を登り続ける構造ながら「疲労ポイント」が設定され探索に制限があり、かつプレイヤー視点でもやや単調な構造が続きがちのため、あまりにも長く飽きるというユーザーも少なからずいた。
--今作では日常パート、ダンジョン攻略の双方において全体的に細やかに調整されており、前作よりもスリムに、かつゲームとしての手応えはそのままにと、まさに「正当な後継作」を思わせる仕上がりになっている。
---それでも基本的なプレイ時間は60~80時間程とそれなりに長いが。
--先述の□ボタン移動など、細かなユーザビリティの向上により快適なプレイが可能となっている。

-ワンモアプレスバトルシステムのさらなる充実
--もともと完成度の高いバトルシステムではあったが、先述の通りシステムが変更され、さらに戦略性が高まった。

-戦闘AIの改善
--前作ではパーティーメンバーのAIがあまり賢くなく、無意味なタイミングで補助魔法をかけるなど雑な行動が多く見られた。
---今作はAIの行動パターンが大きく改善され、加えてプレイヤーが味方に直接コマンド入力することも可能となったため、ストレスが激減した。

***充実した日常パート
-コミュニティの充実。
--先述の複数の変更点により、コミュニティ攻略を快適に進めやすく、またそのメリットを幅広く享受しやすくなった。
--前作からの変更点でも述べたように、今作ではパーティーメンバー全員とコミュを築ける。また前作では仲間のコミュ解放が中盤~終盤と遅く、いまいちキャラクターの設定が掴みにくかったが、今作では序盤から順次解放されるようになった。
---その悩みも、基本的に誰もが感じたことがあるであろう良い意味で青臭いリアルなものであり、キャラクターと同世代のプレイヤーはより感情移入でき、年齢層が上のプレイヤーは懐かしい気分に浸れること必至。
---一方、ある程度年を取ったキャラクターのコミュニティでは社会生活上の現実的な悩みや個人の視点から見た社会問題に近いテーマなども扱っており、むしろやや年を重ねた人にこそ共感しやすいような描写も用意され、「若者にしか共感できない内容」にとどめず、作品全体へ深みを与える演出として一役買っている。
---また仲間だけではなく、菜々子や堂島といった家族をはじめ、常に喪服を着る老婦人、親子関係に悩む中学生男子など老若男女の様々な人物と『P3』とはまた違った絆を築くことができる。

-アルバイトの導入による行動計画のしやすさ。
--前作では主人公のパラメーター上昇にお金と時間が必要((喫茶店といった施設でお金を払うことで上昇するが、上昇させるだけで終わってしまいコミュ交流等は進まない。))だったため、金欠になったり時間をとられてコミュニティ交流の時間が取れなくなる事があった。
---今作ではアルバイトなのでむしろお金が入る、アルバイト先のコミュも進行するといった形になり、「コミュのための能力を上げるために、コミュのための時間とついでに金も食われる」というストレスが大きく軽減された。ただし、先述の通り必ずしも「簡単にコンプリートできるようになった」わけではない。
--難度を単純に軟化するのではなく、ストレスを感じさせない形へ転化した良調整。

-天候システムによる、日々の過ごし方に対するメリハリのつけやすさ。
--天候システムにより、「雨の日はダンジョンを攻略し、晴れの日はコミュニティ交流をする」などといった行動のメリハリがつけやすくなった。

-進化した学生生活
--ペルソナの戦闘や本編のシナリオだけではなく、学生生活も充実。勉強に部活、恋愛に釣りや読書などの趣味、アルバイトなどの等身大の高校生らしい生活が送れる。
--特に海外からは日本の学生生活を送れると高評価。

***キャラクターの魅力
-主要キャラからサブキャラまで、多くのキャラが高い人気を誇っている。
--主人公は自発的にしゃべることのないいわゆる無口系主人公でありながら、選択肢ではお惚けた台詞からカッコいい台詞まで様々。ダンジョン攻略だけでなく学業やアルバイトなど、彼を通して楽しい学園生活を満喫できる。
--特に足立透や堂島菜々子の人気は高く、後続の派生作においてプレイヤーキャラやナビ役などに抜擢されるほど。

-この評価の高さは、上記のコミュニティと同じように各キャラの所々にリアルな描写を交えつつ、分かり易い丁寧な心情描写、演出が行われている点による。
--キャラクターとの会話では話し言葉が使われたり、どこか現実で見かけそうな言動などが多く、親近感が沸きやすい。

-主人公達の絆が感じられる
--仲間たちはペルソナ覚醒時に心の内面をさらけ出し本心から打ち解け合える関係となっていて、主人公達の仲が良いというのも1つのポイント。
--仲間全員のペルソナが日本神話をモチーフにしていることや眼鏡といった共通点にも、チームとしての連帯がみられる。
---前作のキャラクターは暗い過去や複雑な事情を抱えており、ストーリー全編を通してギスギスした人間関係が目立っていた。今作のキャラクターは、乗り越え成長するための壁が「ごく普通の家族関係や人間関係、世間体」などの身近なものに変わったため、現実にいそうな高校生の微笑ましい学園生活を見ることができる。この路線変更により「マニア向け・メガテンっぽい」前作との差別化が図られており、今作はより「万人向け・親しみやすい」といえる。
--加えて『P3』には無かった男子仲間コミュも用意され、よりシナリオとキャラが密接な関係へと進化している。
--恋人候補達も前作から増えた。

#region(登場人物)
&bold(){メインキャラクター}
//各人の「影」については、ストーリーのネタバレなので隠すべきかと。
//リージョン格納して残すほどの特記事項とも思えませんので、単純にコメント化しておきます。
-主人公(CV:浪川大輔)
--アルカナ:愚者(ワイルド)
--初期ペルソナ:イザナギ
--両親が海外出張するため、母方の叔父の堂島遼太郎の家に1年間居候することになった高校2年生。
--周囲が認めるリーダーシップとカリスマ性の持ち主。
--デフォルト名は無いがTVアニメ版や続編の『[[P4U>ペルソナ4 ジ・アルティメット・イン・マヨナカアリーナ]]』では「鳴上 悠(なるかみ ゆう)」が使われているため、事実上これがデフォルト名になっている。
--初期ペルソナのイザナギの風貌や竹刀を持っている様子などからファンの間では「番長」で通っている。後に『P4U』でこのあだ名が公式化。
--戦闘での武器は刀および長剣。

-花村 陽介(CV:森久保祥太郎)
--アルカナ:魔術師
--ペルソナ:ジライヤ → スサノオ → タケハヤスサノオ(P4G)
--主人公のクラスメート。市内にあるデパート「ジュネス八十稲羽店」店長の息子。
--主人公同様に半年前に都会から引っ越してきている。誰にでも分け隔てなく接し、面倒見の良い性格。だが、下ネタ発言が多いため「口を開けばガッカリ王子」等と称される。
--彼が思いを寄せていた小西早紀が連続殺人事件の犠牲者になった事をきっかけに「特別捜査隊」を結成する。
--主人公を「相棒」と呼ぶ。
--戦闘での武器は小刀の二刀流。
//-陽介の影
//--「異様な商店街」に入った際に出てきたシャドウ。退屈な田舎暮らしに対する不満や周囲に振り回される苦悩から生じた存在。

-里中 千枝(CV:堀江由衣)
--アルカナ:戦車
--ペルソナ:トモエ → スズカゴンゲン → ハラエドノオオカミ(P4G)
--主人公のクラスメート。カンフー映画の大ファン。天城 雪子とは幼少からの幼馴染。
--色気より食い気で好きな料理は肉。男友達も多いがあまり女扱いされない。
--主人公たちに「マヨナカテレビ」の噂を教えた。
--戦闘での武器は足甲および我流の足技。
//-千枝の影
//--「雪子姫の城」に入った際に現れたシャドウ。雪子に対する劣等感と雪子に頼られる優越感から生じた存在。

-天城 雪子(CV:小清水亜美)
--アルカナ:女教皇
--ペルソナ:コノハナサクヤ → アマテラス → スメオオミカミ(P4G)
--主人公のクラスメートで千枝の親友。高級旅館「天城屋旅館」の一人娘で次期女将。
--いかにも大和撫子といった美貌で学内外問わず人気が高いが、アプローチを全て袖にしているため彼女を口説くことは「天城越え」と呼ばれている。
--実はかなりの天然ボケでマイペースな性格の持ち主。気心の知れた仲間内では些細なことで笑いが止まらなくなる一面も。また、千枝と共に料理の腕前は壊滅的で林間学校で作ったカレーは「ムドオンカレー」と呼ばれている。
--マヨナカテレビに映り、特別捜査隊の最初の救出者となる。
--戦闘での武器は扇。
//-雪子のシャドウ
//--雪子がテレビに入れられたことで出てきたシャドウ。縛られた人生から誰かに救い出して欲しいという逃避願望から生まれた存在。

-巽 完二(CV:関智一)
--アルカナ:皇帝
--ペルソナ:タケミカヅチ → ロクテンマオウ → タケジザイテン(P4G)
--主人公の1つ後輩になる高校生。中学時代に一人で暴走族を潰したと噂される札付きの不良。
--根は素直で母親を大切にしている少年。暴走族を潰したのも母親を思っての行動だった。
--手先が器用で裁縫や編み物が得意。可愛いもの好きなど見た目に反した趣味を持つ。いわゆるオトメンである。
--戦闘での武器はパイプ椅子などの凶器。
//-完二の影
//--完二がテレビに入れられたことで出てきたシャドウ。趣味を「男らしくない」と周囲に馬鹿にされたことや、男装した直斗を直感で女性と見抜き一目惚れしたものの、それに自身で気づかなかったことから同性愛疑惑を持ったためにねじれて生まれた存在。

-久慈川 りせ(CV:釘宮理恵)
--アルカナ:恋愛
--ペルソナ:ヒミコ → カンゼオン → コウゼオン(P4G)
--短期間で準トップまで上り詰めたアイドルだったが突如芸能活動を休止し、地元である稲羽市の丸久豆腐店に越してきた((本編終了後はアイドルに復帰、続編の『ペルソナ5』では新譜のポスターを見ることができる。))。
--無邪気で人懐っこく、人の感情を敏感に感じ取る感受性の持ち主。マヨナカテレビから救い出されて以降は主人公に好意を抱き、アピールを繰り返す。
--ペルソナは情報支援に長けた探索系能力のため、戦闘には参加せずにサポートに徹する。
//-りせの影
//--りせがテレビに入れられたことで出てきたシャドウ。「アイドルのりせちーではなく本当の自分を見て欲しい」という願望から生まれた存在。

//「りせ加入後のクマ」に関しても、割とネタバレなので隠します。
-クマ(CV:山口勝平)
--アルカナ:星
--ペルソナ:キントキドウジ → カムイ → カムイモシリ(P4G)
--初めてテレビの中に入った際に出会うことになる生き物なのかどうかもわからない存在。きぐるみのような姿をしているが中は空っぽ。
--テレビの中の世界に住んでいたが最近騒がしくなってきたため、中に入れる主人公と共に事態を解決するために協力関係を結ぶことになる。
//--最初はテレビの中のナビ役を務めるが、りせ加入時にペルソナに目覚め、以降は戦闘メンバーとなる。
//--ストーリーが進むと空っぽだった中身に金髪碧眼の美少年の姿を得る。現実世界にも出られるようになったことで陽介の家に居候するようになり、ジュネスでアルバイトも始める。
//--戦闘での武器は爪。
//-クマの影
//--主人公らと行動するうちに「自分は何者なのか」という疑問を持ち始めた所にりせの影による「本当の自分などいない」という言葉に触発されて出てきたシャドウ。クマ以外の存在の干渉を受けており、アルカナはクマと異なり「月」になっている。

-白鐘 直斗(CV:朴ロ美)
--アルカナ:運命
--ペルソナ:スクナヒコナ → ヤマトタケル → ヤマトスメラミコト((小説版のみ「アマツミカボシ」に覚醒する。))(P4G)
--主人公の1つ後輩。代々探偵を輩出している家系の5代目。「探偵王子」としても有名で、連続殺人事件の特別捜査員として稲羽市に現れ、八十稲羽高校に転校してくる。
--探偵らしく頭脳明晰で強い正義感の持ち主だが、思い込みが激しく融通の利かない面もある。
//--ショートヘアに男子の制服を着ているが実は女性。
//↑途中まで伏せられている情報なのでCO。
--戦闘での武器は銃。
//-直斗の影
//--直斗がテレビに入ったことで現れたシャドウ。探偵と警察内には女性であり子供の自分は深く入れないという悩みから発生した存在。

&bold(){サブキャラクター}
-堂島 遼太郎(CV:石塚運昇)
--稲羽署に勤務する刑事。主人公の母親の弟で、主人公を1年間居候させる。
--妻を交通事故で亡くしており、娘の菜々子を男手ひとつで育てながら、ひき逃げ犯の行方を追っている。
--刑事としての能力は確かなもので、連続殺人事件の法則性を推理してみせていた。

-堂島菜々子(CV:神田朱未)
--堂島 遼太郎の一人娘で小学1年生。
--家を空けがちな父親に代わって家事をこなすしっかり者。
--同居することになった主人公とは当初距離を取っていたが、次第に打ち解け「お兄ちゃん」と呼ぶようになる。
--その純粋無垢な性格からユーザーから男女問わず人気になり「ナナコン」と呼ばれるファン用語が出来た。

-足立 透(CV:真殿光昭)
--本庁より赴任してきた若い刑事。堂島の部下として共に行動する。
--捜査内容を主人公たちに漏らしたり、完二に気圧されたりするなど口が軽く間の抜けた性格。
--給料が低いのかキャベツを愛食している様子。
#endregion

***質の高いストーリー
詳細はネタバレになるため伏せるが、数々の要素が絶妙に噛み合って描かれるテーマとそのストーリー構成の質は高い。
~
-シリーズの中では全体的に明るく和気藹々とした雰囲気ではあるが、殺人事件を通して終りなき日常の裏側にある闇を感じさせるなどダークな要素も持ち合わせている。
--仲間との絆やもう1人の自分との対峙のピックアップ、そのなかに「猟奇殺人事件の捜査」という推理物の一面も含んでシナリオは進行していく。
---メインのシナリオは手探りの状態で進んでいくため、操作するプレイヤーも含め後手後手に回っていく事になる。しかし全ての真相を知ったうえで2周目を始めると、実は事件の犯人の姿が伏線としてあちらこちらに出ている事に気付くはず。~
その犯人を主人公達が追求するシーンでも1周目では冷静さを失った犯人からなんとか情報を引き出しているように見えるが、真相を知った後でこのシーンを見ると1周目とはまったく異なって見える。~
このようにデータ引き継ぎの2周目という単純なやり込み要素だけでなく、新たな発見があるのもモチベーションを引き上げる。
--この「もう1人の自分との対峙」は、誰もが一度は感じたことがあると思われる他人への劣等感など身近なものが多く、キャラクター達の魅力とあいまってストーリーへも感情移入しやすい。
--「人には表と裏、様々な顔がある」というテーマがペルソナという人格を通してシリーズ内で描写されることが多いが、そのどの顔も現実にあってもおかしくないものとして描写されているのも今作の魅力である。
---舞台となるダンジョンやもう1人の自分であるシャドウはそういった各キャラクターの一面、コンプレックスが誇張されたものになっている。
---ダンジョンやシャドウのデザイン、設定などからキャラクターの内面を考察できるというのも今作の魅力の一つである。
---例を出すと、花村陽介の思い人である小西早紀のシャドウは辛辣な言葉を発するが、シャドウの設定を理解していれば彼女の本当の気持ちがわかり、シナリオの奥深さを知ることができる。
--ギャグ・ネタ的なイベント・ダンジョンも用意され(料理イベント、熱気立つ大浴場など)、ストーリーの良いアクセントとなっている。
--「ペルソナ」や「マヨナカテレビ」といった要素はあるものの、主人公達の敵は謎の連続殺人犯であり、堂島たち警察が無能なわけでもなく((あまり役には立っていないが、犯人とその能力を考えれば責めるのは酷だろう。))、情報収集に関しては主人公達よりも圧倒的に警察の方が上など、ストーリーの基本部分は非常に現実的。
---細かいことかもしれないが、本作が「フィクションだけど本当にありそう」な感じに仕上がっているのはこういったものの積み重ねの賜物である。
---加えて、「メガテンの系譜」らしく近年問題となっている「少年犯罪」「いじめ」「シャッター商店街」などの時事ネタも盛り込まれ、リアリティを感じさせる要素のひとつとなっている。
~
-総じて「今を生きるリアルな高校生たちのジュブナイルストーリー」としての側面が強くなった。
--前作の舞台が「秘密を抱えたいわく付きの学校」で、事件自体も学校を中心に展開していたため、日常の描写にもどうしても事件の影がちらつくことを避けられず、やや日常と言ってもやや現実離れしている感は否めなかった。
--これに対し、今作の舞台はどこかに実在しそうな郷愁溢れる田舎街であり、登場人物もパーティーメンバーのみならずNPC含め「どこかにいそう」な人間味溢れるキャラクターが多く、日常は真に「日常」感溢れるものとなった。
---地方を舞台とすることで、東京や都会が舞台であったメガテン他作品や前作と異なり、都会に馴染みのない人にも没入しやすい世界観となっている。一方、主人公は「都会人で田舎へ引っ越してきたばかり」と設定されており、逆に田舎に慣れていない人にとっても「田舎への移住を追体験する」形となり、感情移入しやすい設計となっている。
---優しげかつスタイリッシュなピアノ曲と夕焼けの校舎に佇む主要キャラクターたちのシルエットが印象的なタイトル画面は、そんな本作の雰囲気を良く表していると言える。

***グラフィック
-グラフィックも、細かい部分でリアリティが出るように作りこまれている。
--「ブロック塀の汚れ」「さび付いた看板」といった場所の汚しや、夏の夜に蛙の鳴き声が聞こえる等といった演出で地方都市といった部分を見事に表現している。
-アニメーションパートも美麗((前作より改善されたという見方がほとんど。))。挿入されるタイミングも良く、より物語への没入感を高めてくれる。特にオープニングアニメは毎回見てしまう人も多いのではないだろうか。
-インターフェイス
--デザイン性に優れていながら機能的で使いやすい。前作同様、近年稀に見る良インターフェイスである。

***音楽
-前作に引き続き目黒将司氏がメインコンポーザーをつとめている。
-通常戦闘曲「Reach out to the truth」やオープニング曲「Pursuing My True Self」など音楽も好評。
--特に、最初はOP曲かと思われていたほど戦闘曲離れしていた通常戦闘曲の衝撃は大きかった。

-サウンドトラックの売り上げはオリコン調べで5万枚以上という、ゲームのサウンドトラックとしては稀に見る売り上げを叩き出した。ちなみに前作もかなりの売り上げを記録している。
--ゲーム:サントラの売り上げ比率はおおよそ32:5。約15%である。音ゲーやギャルゲーのキャラソンCDを除けば売れても5~7%、1%未満もそう珍しくないゲームサントラにおいて、まさに記録的な数字である。

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**賛否両論点
***ミックスレイドの廃止
-ミックスレイドとは、主人公が所有するペルソナの特定の組み合わせで発動する特殊スキルで、前作で登場していた要素である。
--今作では、スタッフ曰く「所有するペルソナが限定されてしまう」「強力すぎた」という理由により廃止されている。ただ好評な要素だっただけに廃止に不満をもつプレイヤーもいた。
---本作での廃止での不満の声を受けてか『P3P』では、ミックスレイドは組み合わせでの発動ではなく、アイテムを使用することで発動する形に変更されている((そもそも『P3』では、隠しボスの能力がミックスレイドを使用すること前提で設定されているので、単純に廃止することは出来なかったのだろうが。))。

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**問題点
-後述するが、後にアッパーバージョン『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』(P4G)が発売されている。P4Gで改善された要素については、その改善内容についても記述している。

***シナリオ
-パーティメンバー全員が揃う終盤まで、「新たな仲間キャラがトラウマからシャドウを生み出し、それを乗り越えることでペルソナを得て仲間に加わる」展開が繰り返される。一応事件捜査の本線は進行するものの、マンネリ感は否めない。

//-コミュ
//--上記の通り、本編とコミュの違和感が少なくなったが、やはりあるところにはある。
//--特に堂島との、終盤の警察署でのやりとりは、コミュをMAXしているとは思えない冷たい対応を取られる。それならコミュのランク止めれば良かったのでは……。
//プレイヤーによってはMAXにしていない場合があるし、MAXにしていたとしても違和感が多いか少ないかというのはプレイヤーそれぞれの感覚によって変わってしまうと思うのでCO
//だからMAXにしたら本編とコミュに違和感があるって話。それにプレイヤーによって大小あるけど、違和感が全くないって言える?特に例に上げた堂島はコミュ家族を強調しながら、警察署の尋問シーンはコミュの時と全く違う冷たい対応で、プレイヤー同士でも度々批判されてるぞ。
//自分は全く違和感は感じませんでした。コミュでは叔父としてプライベートで接してますが、警察署では刑事であり仕事として接している訳ですから、対応が違うのは当然だと思うので。またランク止めれば良かったと書いてますが、尋問の後はエンディングまで堂島は入院してしまうので、もしランクが止まればMAXにするチャンスがないのでは。これ以上は編集合戦になるので意見があればスレの方にお願いします

-エンディング分岐
-まず今作はバッドエンディング3種類((突入条件や微妙な台詞が異なるだけなので、1種類とも取れる。))、ノーマルエンディング1種類、真エンディング1種類の計5種類となっており、終盤のある2つのイベントでの選択肢を間違うとバッドエンドになってしまう。

-1回目のイベントが厄介で、仮に真相が分かっていても僅かな選択肢のミスからバッドエンドに直行する。
//ヒントの内容がネタバレになってます。あと手を下す選択肢を選ぶとバッドエンドとかは攻略情報になるので削除
--2回目のイベントは選択肢による推理だが、シナリオを注意深く読んでいれば目星をつける事は出来るし、直前でヒントも出る。さらに3回のチャンスが有るため間違える事は少ない。
--バッドエンドは未完である事が明白なので、直前のセーブ箇所からやり直せるが、エンディングの分岐点に差し掛かるまでが長く(特に1回目のイベント)時間がかかる。

-真エンドは条件がさらに分かり難い。その上、ノーマルエンドでもある程度大団円であるため、真エンドの存在に気付かずクリアしてしまう場合もある。
--最終日でのある行動が確定条件となるが、その条件が相当虱潰しに探索するスタイルのプレイヤーでないと気付かない方法で、最終日の行動順によってはそこでイベントが起こるという発想自体が浮かびにくい。
--普通にプレイしているとエンディングの時点でレベルが低い、最後に解禁されるペルソナが実質使用できないなど、システム面から気付く可能性はある。そこから条件を探すのはまた難しいが。
---『P4G』では真エンドへの条件が若干簡略化され、スキップの追加もあり大分楽になった。ただ、1回目のイベントはスキップしてもやや長い。

-シナリオの雰囲気
--物語の題材が殺人事件なのに明るすぎる、ふざけすぎるという声もちらほらある。
--特に花村陽介は事件で片思いの先輩を亡くしているのに、シナリオではコメディリリーフの展開が多い。もっとも、ストーリーやコミュを通して彼本人の性格や場を暗くしないための気遣いであるとわかるようになっているが。
//OPについてですが、ゴールデン版のOPはゴールデンの賛否両論点にある様に意見が分かれていますが、PS2版のOPについては明るすぎるとかふざけすぎるという意見は見た事が無いのでとりあえず修正

//状況証拠だけだが犯人しか知りえない情報をいくつか喋った事で起訴に至ったと後日談で説明されている。更に堂島は犯人との関係が近すぎるため、取り調べに関わっていないと言っている。
//後日談でフォローされてるから問題点でないっていうのはおかしい。というか公式でシナリオのフォローしてるようなものでしょ。
//状況証拠で起訴されるケースは現実にも無数に存在する。無印のED時点では逮捕からさほど時間が経過してないので起訴の話が出ないのも当然。後日談でEDから数カ月経過したので起訴されたと言及されるのは時系列的にも不自然ではない。
//状況証拠で起訴が問題ではない。問題は後付けしたかどうか?無印でも拘留期間は20日以内である以上言及しても問題ない。
//無印でも拘置所から足立の書いた手紙が届いてるので起訴された事については判明している。
//記憶については薬物を使用されたためと説明されている。更に直斗は薬物の効き目が十分では無かったため、他の被害者に比べて犯人の手口を覚えている。
//記憶を失う薬物なんて存在自体がご都合主義でしょ。そんなもの生田目が入手できるのもおかしいし
//記憶を失う薬物ではなく意識を奪う薬物とイベントで言及されている。フィクションにおいて薬物で意識を奪い誘拐というのは昔からある古典的手法である。最近はあまり見られないが無印が出たのが十年以上前なので当時としては普通。
//意識を失う薬がどうして記憶も失うんだ?しかも生天目に都合が言い部分だけ記憶がない。明らかにここで分かると困るから忘れてもらうという製作陣のご都合主義。これが当時でも普通か?正直こんな展開10年前は元より100年前のシャーロックホームズやポアロですら聞いたことないが?
//記憶を失うのではなく意識が無いから記憶も無いだけ。眠ったり気絶している間の事を覚えている人間はいない。ちなみにホームズとポアロにも薬物を使って気絶させる事件がある。というか編集合戦になってるのでこれ以上はスレの方で。

***ダンジョン探索
-自動生成ダンジョンの内容自体は前作とあまり違わない。
--敵も何も無い道をただ移動したり戻らされるだけの場面も多い。プレイヤーの移動速度も速くはないが、これは敵シンボルとの接触の兼ね合いもあるので仕方ない部分もある。
--ダンジョンごとに見た目の個性が設定されたためマンネリ度は多少緩和されているが、探索自体に関わるギミック類は相変わらず少なく、ダレる原因になりやすい。先述した「他メンバーへの散開・集合指示」や「1フロアの探索時間制限」などの撤廃もここへ関与している。
--前作では、毎月タルタロスの外に固定マップのダンジョン(短いが)が用意され、これを探索し主要ボスと戦うというイベントが用意されメリハリをつける要素となっていたが、本作にはそれがなくほぼすべて自動生成のダンジョンで完結する点もこれを助長している。

-このようにダンジョン探索でダレる要素が多いにもかかわらず、クエストは「クリアしたダンジョンの特定の敵から、クエスト受領時のみドロップするアイテムを届ける」と言う物ばかり。
--クエストの発生時期が少しズレているのでいくつか受け損ねてしまう事もあり得る。そうすると「クリアしたダンジョンに何度も通い、目当ての敵が出るまで延々エンカウントし続ける」と言う作業を強いられ非常に面倒くさい。
--クリア後ダンジョンに出現するミニボス討伐と合わせて消化することが想定されているような仕様だが、攻略の流れに沿った「これから向かう場所で得られる物品を持ち帰る」仕様でないのはやや不親切。
//ここはPS2版の欄である。PS2版にそもそもトロフィー機能は無い。

-また、こうした要素と日数が限られている点から、効率の良いプレイを考えると「クエスト消化とシナリオクリアを1日で終わらせる」事になる。その結果「日常が長くてなかなかダンジョン探索が始まらない」「いざダンジョンに入ると、やるべき事が多すぎて日常になかなか戻れない」「最新ダンジョンで大変な事件が起きているのに、それを無視して前のダンジョンへアイテム探しにいく」と言う事になりがち。
--加えてあるダンジョンには「クリアすると残り期限に関わらず強制的に特定の日付まで経過する」という罠があったりする。

***その他
-登場人物の多くが「本当の私とは何か」を自問し、その答えを見出してゆく物語であり、各人のそうした姿を血の通ったものとして見せるだけの背景も与えられている。
--だが、事件の真犯人についてはあまり掘り下げられておらず、世界を脅かすほどの心の闇がいかに育まれたかの描写は、決戦前に本人の語りがある程度でやや薄味。
--製作者も掘り下げ不足を認識していたのか、『P4G』では多少補完されている。また、そのアニメ版『Persona4 the Golden ANIMATION』でも、その人物の視点からの描写がある。

-序盤の数日間はメニューを開けない関係上、コンフィグ設定を切り替えることもタイトル画面に戻ることもできない。
--主人公の名前入力をやり直したくなったり、コンフィグ設定を変更したくなった時などに不便。

-イベントをスキップできない
--△ボタンを押し続ければ文章を高速で飛ばすことはできるが、キャラの動きなどの人形劇は飛ばせない。ムービーは一瞬でスキップできるが、エンディングだけは飛ばせない。
---イベントを鑑賞したいわけではない場合((ボスに再挑戦する時や、選択肢によって分岐するイベントをやり直す時、2周目以降など。))には、イベントを飛ばせないためにゲームのテンポが悪く感じられる。
---1周クリアする分にはそれほど問題ではないが、データ引継ぎ・周回プレイが想定されている昨今のRPGとしてはいささか不親切な部分。
---『P4G』で改善。

-仲間の性能差が大きい。
--命中率不足に陥りやすい本作で高い命中率と回避率を誇り、その他運以外のステータスもかなり高め、さらに得意とする属性の耐性を持つ敵が少ないために大活躍しやすい陽介が抜群の高性能と汎用性を誇る。
--また、魔力以外のステータスのバランスが良く、強力な物理攻撃スキルや物理攻撃の威力を上げるスキルを複数持つ千枝も陽介に次いで優遇されていると言える。
---また、この2人はコミュニティの入手が早いため、早い段階でコミュニティを最大まで上げて上位ペルソナを覚醒させると、主人公のペルソナ次第で3人が弱点無しとなり、戦闘をかなり有利に進める事ができる((雪子もコミュニティの入手が早いが、上位ペルソナを覚醒させても弱点が消えないため、他の2人と比べると旨味が少ない。))。
--反面、SP不足に陥りやすい完二や、極端なスキル構成を持つ直斗辺りはステータスの粗もあり、他のメンバーと比べて不遇さが目立つ。
---『P4G』で改善。

-素材の問題
--新たな装備品を購入するために必要な「素材」類のアイテムは、作中で「持っていても意味が無いので売却しましょう」と説明されるのだが、実際には一部の素材はクエストでも必要になるので、売らずに一定数確保しておいた方が良い場合がある。
--素材を売却して新たな装備品が購入可能になった際は、店主が新製品を開発する演出があるのだが、一品ごとに行われるので時間が掛かる。
---大抵の場合、ダンジョンで集めた大量の素材をまとめて売却するので、一度に多くの新製品が開発されることになるため長く待たされる。
-一部の装備関連の画面では、L1・R1ボタンによるキャラ切り替えが利かない。
--全体的にインターフェイスが良いためこの部分が目立つ。

-ダンジョン探索中の「みんなと話す」
--誰と話すかはランダムで決定される。パーティ内の仲間と一通り会話したければ、何度も「みんなと話す」を選ばなければならず、無駄に同じキャラと何度も会話することになる。
---『P4G』では個別に話しかけることが可能になっている。
-鍵付きの宝箱
--本作では敵シンボルが宝箱に密着する様に配置されている事が多いが、宝箱の側で○ボタンを押して敵に先制攻撃を仕掛けようとすると宝箱を開けるのが優先されて攻撃できず、敵から不意打ちを受けてしまう事がある。
--とはいえ通常の宝箱の場合、開けた直後に○ボタンを押せば攻撃が間に合って先制攻撃に成功する事が多い。問題は鍵付きの宝箱の場合で、鍵を開けない限り攻撃する事が出来ないため、鍵を消費するか敵からの不意打ちを受け入れるかの二択を迫られてしまう場合もある。

-コンフィグの設定項目「自動ページ送り」
--イベントの途中で自動ページ送りを止めることはできず、イベントの最中にこの設定のON/OFFを切り替えられる機能がない。
---特定の文章をじっくり読みたくなった時や、一時的にゲームから離れたくなった時などに困る場合がある。
--この設定がONの時でも、ボタン入力により即座にページ送りをすることは可能だが、ワンボタンでページを送れる上に、文章が表示される数秒前から入力を受け付けているため、飛ばしたくない文章までうっかり飛ばしてしまうことも起こり得る。
---『P4G』では会話ログが追加されたため、うっかり飛ばした場合にも対応出来る様になっている。

-一部のクエストが見落としやすい。
--□ボタンでのショートカットに対応していない「教室棟3階」と「実習棟2階」、普段使わない物陰の階段にいるNPCからのクエストなどが見落としやすい。特に「教室棟3階」は普段ショートカットを使用していると、有る事にすら気づかないプレイヤーもいる。
-最強武器獲得に手間がかかる。
--特殊なモンスターを倒して獲得するのだが、出現させるのに運が絡み、かつ下準備に結構な手間がかかってしまう。しかも、武器防具は周回引き継ぎが出来ない。
//面倒って言葉使い過ぎなので編集。

-三学期の期間はプレイできない
--前作は1月もプレイ可能だったが、今作は1~2月の期間は(物語の都合もあるが)自動的にスキップされてしまう。
--キャラクターや舞台の魅力ゆえ「プレイしたかった」と惜しむ声も多かった。
---ちなみにプレイできない期間中のエピソードの一部は後述のドラマCDで語られている。
---『P4G』ではこの期間のイベントが新たに追加されている。

-引継ぎ要素の縮小
--『P3』ではレベル、各種アイテム、各種装備品が引継ぎできたが今回はできない。そのため『P3』のような強くてニューゲームを行うことはできず、ゲーム性としては狭まってしまった。

-釣り
--隠者コミュで釣りのミニゲームを行うが、そこそこ難易度が高い。

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**総評
前作の不満点をしっかり解消しつつ、前作でのポップな雰囲気を強め、ジュブナイル的要素を大きく打ち出した今作は高い評価を受けることとなった。~
また、シリーズ通してみても珍しく終始明るい展開が続くため、『P2罪』『P3』などの重い展開に打ちのめされた人にもお勧めできる。

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*ペルソナ4 ザ・ゴールデン
【ぺるそなふぉー ざ ごーるでん】
|ジャンル|ロールプレイングゲーム|&amazon(B005MNMGFW,image=https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/610zOwWXp2L._SL160_.jpg)|
|対応機種|プレイステーション・ヴィータ&br()Windows(Steam)|~|
|発売・開発元|アトラス(インデックス)|~|
|発売元【Win】|SEGA of America((Steamでは全世界配信となるためセガの米国法人がパブリッシャーとなっている。))|~|
|開発元【Win】|プリアップパートナーズ((Steamストアでは何故かATLUSになっている。))|~|
|発売日|2012年6月14日&br【Win】2020年6月14日|~|
|定価|パッケージ: 7,329円(税込)&br()%%ダウンロード: 5,980円(税込)%%&br()【Win】1,980円(税込)|~|
|廉価版|PlayStation Vita the Best&br()2015年2月5日/3,980円&br()ダウンロード版: 3,685円(税別)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[女神転生シリーズ]]''|
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**概要(ゴールデン)
PS2版に追加要素と調整を加えて移植したアッパーバージョン。通称『P4G』。

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**変更点・評価点
-コミュの新規要素、調整
--新規に「道化師」「永劫」の2種が追加。
---それに伴い、新キャラクター「マリー」が登場。対応したアルカナのペルソナの種類も増加。
---道化師コミュはサブキャラから昇格した足立透が担当し、彼の掘り下げが行われている。
--既存のコミュに関しても調整が入り、話しかけられる日の増加、夜間の会話、神社にコミュ進展用施設「おみくじ」が設置、特定のコミュに存在した期限が「一時休止」という形に変更されるなど、攻略しやすくなった。
--仲間とのコミュではランク上昇に伴いスキルを習得する様になった。

-イベント、ダンジョンの追加
--それぞれの季節に大小様々なイベントが追加。それに伴い新規アニメも追加、今回のアニメ製作はマッドハウスが担当。
---代わりに追加イベントの発生する日は強制的につぶれるので注意が必要。
--特定の条件を満たすと追加ダンジョンにも挑めるようになる。
---さらに特定の条件を満たせばエンディング関連にも変化がある。
--PS2版では操作不能だった''三学期が操作可能''に。クリスマス、正月、スキー旅行、バレンタイン…と言ったイベントが追加された。
--ただし、バレンタイン翌日の2/15から最終日3/20までスキップされるため、三学期の全期間を過ごせるわけではない。イベントに費やされる日も多く、自由行動が可能な日数は30日ほど。
---その期間内、仲間とのイベントも増加。それに伴って仲間のペルソナが第3段階まで覚醒するようになった。
---メインストーリーの展開はPS2版と変わらず、事件そのものは年の瀬に終焉を迎える。
--修羅場イベントの増加
---股がけしているとダンジョン内で女子仲間と話した際、少しギスギスした会話が聞ける他、上記のバレンタインでは修羅場に陥る。
--日中、仲間のスキルに関わる「バイクイベント」が追加された。バイクで仲間と出掛け、2人で語らうことで新スキルの習得または忘れたスキルの再習得ができるというもの。
---これにより、直斗に4属性魔法を揃えさせたり、完二に回復魔法を習得させる、といった育成もできるように。

-戦闘関連の調整
--仲間(ナビ役のりせ含む)、敵共に全体的なステータス調整や弱点の変更等々が施されている。
---特に仲間キャラのスキルやステータスには大幅な調整が加えられており、「陽介が居れば十分」とも言われたPS2版から一転、全てのキャラがそれぞれ使いやすくなった。
--特定の仲間同士による「合体攻撃」や、メンバー外の仲間がバイクで出張してくる「出張追撃」に加え、りせによる総攻撃の援助および戦闘サポートなどの新要素も追加。
---「総攻撃」のカットインも変更。エフェクトが変化した魔法なども。
--戦闘後のボーナスタイム「シャッフルタイム」の仕様がガラッと変更。
---目押しや配置記憶の必要が無くなり、ボーナスタイムとしての面が強化。残り選択回数が許す限り好きなカードを取っていける。
---また、ペルソナのステータスが下がってしまう等の「逆位置」の永続的なデメリット要素も削除され、ペルソナの育成・追加ボーナスの発生など積極的に狙っていけるようになった。
--難易度設定が5段階に。従来の「EASY」「NORMAL」「HARD(無印のEXPERTに相当)」に加え、より易しい「SAFETY」と、より厳しい「RISKY」が追加。
---各ダンジョンのボスシャドウ直前のセーブポイントが廃止された替わりに、全滅時はSAFETYならその場でリトライが何度でも可能、RISKY以外であれば全滅した階層の入口からやり直せる。
---2周目以降はゲーム中いつでも難易度が変更できるようになる他、被ダメージの多い・少ないなど各種数値の細かい調整が可能になる「CUSTOM」が追加された。

-ペルソナ関連の変更
--好きなペルソナに好きなスキルを覚えさせる事ができる''「スキルカード」''が導入。シャッフルタイムで入手できるほか、とある施設にてペルソナから抽出したり、マリーに「登録」する事で買えるようにもなる。
---これにより、合体に頭を悩ませなくても好きなスキルを付与できるようになった。ただし買う場合はかなり高額なので、懐具合と要相談。
---なお、ペルソナからの抽出は1枚につき昼行動を1日分消費するため、多用するとコミュ進行に支障が出るので注意。
---PS2版では継承不可だったスキルも一部スキルカード化が可能になった。
--さらに合体時のスキル継承もランダムではなく任意で選べるように。
---良くも悪くも『真・女神転生III』からの伝統であった「○×ゲーム」がついに廃止され、ペルソナのカスタマイズが極めてしやすくなった。

-新規システム
--装備欄に「衣装」が追加。りせを除いたパーティメンバーのコスチュームが自由に変更できるようになった。
--衣装の種類も冬服・夏服のみならず水着・メイド服といった定番のものから、ヒーロースーツや腰巻きタオルといったネタ系のものに加え、一部ファン(および雪子)待望の「鼻メガネ」も実装された。
---一部の防具で見た目が変わっていた『P3F』とは違い、衣装は防具と無関係に装備できるため、キャラクターの強化・能力に関係なく自分の好みで姿を変えられる。
--アイテムと同等の効果を持つ野菜を育てる事が出来る「家庭菜園」・釣りの餌を自力で取る「虫取り」・敵が落とす宝石とアイテムを交換してもらえる「スナック紫路宮」・仲間と観る事で仲間のレベルを上げられる「映画」・部屋に飾る人形が入手できる「クレーンゲーム」が追加。
---釣りや読書、通販、また各種授業や学科試験なども細かな仕様変更がされている。
---通販は「日曜昼にしか見れず、休日の誘いを受けると利用出来ない」という問題があったが、「日~火の任意の時間に見る事ができ、休日の誘いを受けても利用出来る」様に改善された。
//通販は「ジャパネットたかた」のパロディになってるが、その「ジャパネットたかた」では生放送を繰り返し再放送していて、色んな時間帯で見る事ができたため、それほどおかしい事ではないと思うので削除
--PS2版では晴れ、曇り、雨の3種類の天候だったが新たに雷、雪が追加された。
-不評だった機能の利便性向上((スタートボタン2回押しで自動的に選択肢までイベントを早送りする等。))が図られており、PS2版の「その他」の難点はほぼ解消されている。
--セーブ・ロード時間も短縮されている。

-新規BGMの追加
--通常戦闘曲がPVでも使われた「Time To Make History」に変更。オリジナルの通常戦闘曲は先制攻撃時のBGMになった。また、夜や3学期の自由行動時のフィールドBGM等が追加されている。
---とあるボスシャドウ戦では、従来のボス戦BGMにダンジョン意匠に沿ったアレンジが施されている。
-エクストラコンテンツ「番組表」の追加
--ある程度シナリオを進めると画面をダブルタップすることで番組表に移行できるようになり、様々なおまけ要素を楽しめる。ただし、イベント中やテレビの中にいる間は移行不可。
--作中で使われたアニメやBGMに始まり設定画やメインキャストインタビュー、『P4A』『P4U』のプロモーション映像、ライブ映像と盛り沢山。PS2版のオープニングアニメも収録されている。また、ゲーム中の知識を競うクイズ、『ペルソナ』シリーズの設定上のベースとなっているユング心理学の講座まである。
---これらは最初から鑑賞できるわけではなく基本的にゲームの進行に応じて解禁されていく。
--また、リアル時間で0:00~0:59に番組表を開くと…。

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**賛否両論点(ゴールデン)
-OPムービーが新たに追加・変更されているが、曲がりなりにも「殺人事件」という題材を扱っている割にそういった要素が薄く、あまりにポップすぎるとして賛否が分かれている。
--被害者の死体もポップに描かれており、うち1人は中盤のネタバレである。顔はわからないようになってはいるが。
--ファンのなかにはPS2版はシリアス寄り、今作は日常よりのオープニングと分けて考えている人もいる。

-中盤以降の難易度が大幅に低下している。
--特に、りせの能力が強化されたのが大きい。PS2版ではコミュMAX特典だった相性サーチがランク2で手に入り、総攻撃の威力上昇、より上位のアナライズ、戦闘後回復の強化、戦闘中のサポートなど至れり尽くせり。
---これにより早々にエンカウント系のナビが聴けなくなるという弊害も発生している。これに対応したトロフィーも存在するので、欲しい人はりせのコミュ進行を遅らせる必要もある。
--主人公も、スキル継承の易化によって強力なペルソナが作りやすくなり、シャッフルタイムの仕様変更により装備ペルソナが強化しやすくなった。
--その他の仲間キャラも強化されている上、一部キャラの第3段階ペルソナが持つ専用スキルは非常に強い。
---これらの要素は主に中盤以降に実用性を増していくが、それに対して敵はさほど強化されていない。そのため、展開が進む程に難易度が下がる。前作の時点でもその傾向はあったが、本作はそれがさらに強い。

-主人公のペルソナ作成・成長が楽になった分、ペルソナの個性が薄くなった。
--スキルはスキルカードで習得できる上、能力値はシャッフルタイムの仕様変更により上昇しやすく、どんなペルソナでも強化できる。
--新要素でも補えないのは各ペルソナ自前の「耐性((スキルで無くしたり強化する事はできるが、8枠しかない貴重なスキル枠を使用するため、最初から耐性が強力なペルソナが圧倒的に有利。))」と継承不可能な「固有スキル」で、これら2つが揃っているかどうかにペルソナの強さが大きく左右されてしまう。
--また、1つのペルソナを長く使っているとどんどん強くなるため、「ペルソナ合体で上位ペルソナを作ったのに、能力値は弱くなった」と言う事も。
---ただし「好きなんだけど性能がいまいち……」なペルソナを最後まで使える様になったという長所でもある。~
例えば、主人公の初期ペルソナ『イザナギ』はアニメで活躍したり、アクションフィギュア化されるほど非常に人気があるが、PS2版では最後まで使い続けるのは難しかった。しかし今作では前述の要素により強化していける。
--全属性の攻撃をカンストステータスで放てるペルソナや、戦闘後に完全回復する永久活動ペルソナも現実的な手間で作成できる。

-主人公が突出して強い。
--上記の通りペルソナの強化が容易になった事で、ただ一人ペルソナを交換できる主人公の戦闘能力も強化された。仲間も全体的に強化されているが、それ以上に主人公が強化されている。
//ペルソナチェンジは一度のターンで一回だけに制限されてるため「自由」という表現は削除。さらに「暴騰」は戦闘能力に使う言葉ではないので変更。
--速の高いペルソナを付けておけば、戦闘が始まるや否や全体攻撃で弱点を突き、ワンモアや総攻撃でもう一押しして仲間の出番がないまま終了、という展開がかなり多くなる。
//プレスターンは女神転生3で使われているシステム。こちらはワンモアプレスであり似て非なるシステム。
---主人公が強いこと自体は問題ではないが、SP消費が主人公に偏る、主人公がスキルカード抽出目的などで半端なペルソナを付けると目に見えて戦闘が長引くといった弊害がある。
//スキルカードはダンジョン毎に獲得できるランクが決まってるため主人公が装備しているペルソナは無関係。
//喫茶でスキルカードを抽出できるようにペルソナのレベルを上げることを言っている。

//-前述の通り通常戦闘は新規BGMが採用されているが、先制攻撃を仕掛けるとオリジナルのBGMが流れてしまう、つまり新規BGMを聞きたいのならばプレイヤーが自分から先制攻撃を禁止する必要があるということ。実際にプレイしてみるとわかるがワンモアプレスバトルは「先手を取る」ということに凄まじいアドバンテージがあるのだが、新要素を堪能するには舐めプすることが要求される形になってしまっており、敵編成次第ではなす術もなくゲームオーバーへ一直線になる可能性もある。
//--次回作『[[ペルソナ5]]』の完全版では、新規BGMは先制攻撃時、オリジナルBGMは通常戦闘時に流れるようになっている。
//「新規BGMを聞きたいなら先制攻撃を禁止する必要がある」と書かれているが、新規BGMは番組表で好きなだけ聞く事ができるので、禁止する必要はない

-追加キャラであるマリーのコミュニティ進行が、一部の追加要素に必須となっている。
--マリーは比較的好みの分かれるキャラクターとなっているため、好感を持てないと追加要素を楽しみにくい。もちろん、普通に好きになれるプレイヤーも多いが。
//新規プレイヤーにはアトラスお得意とか言われても分からないと思うので削除
//--また、真犯人の扱いについても「同情ができる小悪党」のが「ダークヒーロー」めいた扱いを強化されており、主人公が真犯人に屈服するようなバッドエンドまで用意されている。この優遇扱いには、「キャラがより深くなった」「原作の魅力が損なわれた」と賛否両論。
//『P4U2』では真犯人と共闘する機会があるが、『P4G』ではそんな機会はないし、共犯者エンドでも間違った決断である事が言及されており、ヒーロー的な扱いはされてないのでCO

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**問題点(ゴールデン)
-難易度調整は敵が固くなるだけだったり、取得経験値が減って手間が増えるだけ等やや安直。

-素材を売却する際のテンポの悪さは変わらず。
--ただし素材売却で店頭に並んだ武器は2周目からは最初から店頭に並ぶので、プレイしていけばこの部分の不満は小さくなる。

-追加イベントのほとんどが日常イベントであるため、「日常が長くてダンジョンになかなか潜らない」と言う傾向が増している。
--特に8月~9月中旬にかけては、元々事件の進展が少ない所に追加イベントが加わったためこの傾向が強い。学園コメディとしての要素が強くなった分「物語」として見ている分にはそれほど気にならないが、「ゲーム」として見ている場合はかなりテンポが悪くなってしまった。

-追加イベント中にフリーズするバグがある。
--現在は修正パッチが配信されているので、これから始める人は最初にパッチを当ててからプレイすることをお勧めする。

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**総評(ゴールデン)
様々なボリュームアップと調整を施した、正当なアップグレード版。~
PSVを持っていて今から『P4』を遊びたいのであれば、基本的にはこちらをお勧めする。~
ただし、様々な追加要素によってゲームとしての難易度だけは『P4』から大きく低下しているので、その点だけは注意。

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**余談
-「日本ゲーム大賞2009」「ファミ通アワード2008」においては、その年度にてPS2作品で唯一優秀賞を受賞した。

-2ちゃんでは一時期ネタバレコピペ騒動があり、現在もネタバレコピペが度々貼られる、興味を持って調べる際には気をつけよう。
--そのためか、『P4G』の時はアトラス(インデックス)自らネタバレ警告を出した([[参照>http://p-atlus.jp/kouhou/kuma_netabare.jpg]])。
---Win版発売に合わせて新たなガイドラインが出された。それが[[こちら。>https://twitter.com/p_kouhou/status/1273843678591639552]]発売から長いことや続編、シリーズ新作が発売されているためか古い物よりかなり緩め。
--またカードゲーム『[[ヴァイスシュヴァルツ>ヴァイスシュヴァルツ ポータブル ブーストヴァイス/ブーストシュヴァルツ]]』『[[LORD of VERMILION]]』及びアニメ版において殺人事件の犯人が誰だかネタバレしているので注意。
--本作が悪いわけではないが、真犯人が続編にプレイアブルキャラとして登場するためタイトルを検索しただけで画像が出てきてしまうなど真犯人のネタバレに遭遇しやすい状況にある。
//ネタバレはゲームシステムの問題点とは違うため、こちらに移動

-英語版は北米でも評価が高い。日本の青春が体験できるという声や、''地方都市に進出した大型スーパーによって商店街の過疎化が進んだ様にウォルマート((アメリカを拠点に置く世界最大のスーパーマーケット。一応、日本にも進出している。))の姿を重ねた''という声も。
--また海外では登場人物の1人、巽完二の描写に関する評価が非常に高い。
---彼は裁縫や編み物、可愛いものが趣味であることを幼少期に女の子から「男のくせに」とからかわれて以来、女性にやや苦手意識を持っているほか、漢らしくありたい自分とらしくない趣味に悩み、それを隠すために自ら不良を演じていた。
---作中のある出来事をきっかけに趣味や女性への苦手意識から「自分は同性愛者なのではないか」という疑問を抱くことになる((余談だが、これはとある事情による勘違いであった。))。
--その後、ストーリーや主人公とのコミュを通じて自身と向き合い、自らを受け入れていくのだが、この「ジェンダーロールと自身の違い」やそれからくる「性自認をはじめとした自己確立について」の悩み、そしてそれらと向き合っていく様が丁寧に描かれているとして評価されている。

-おっとっとやホームランバー、赤いきつねと緑のたぬき等の実在する商品とタイアップしており、身近なおやつを食べながら青春をかけぬけるキャラクターたちの姿が描かれ、その「どこにでもある感」がキャラやストーリーへの感情移入に貢献している。
//わざとらしいかどうかはプレイヤーの主観になるので削除。
--2012年7月、本作に登場する炭酸飲料『リボンシトロン』のP4Gコラボ商品が発売された。

-『P4G』で無印『P4』から「霧雨兄弟の三男」が削除されている。
--そのため、その敵のドロップアイテムから作れる武器は作れなくなっている。性能自体は微妙なため騒がれることはなかったがそれだけになぜ削除したのかは謎。

-主人公は2016年にシリーズ新作『[[ペルソナ5]]』が発売されるまで、約8年の間アトラスを支えた男と一部のファンからは畏怖(?)の視線を送られている。
--格ゲーや音ゲーなど様々な外伝が発売された上に、発売から月日が経過してもなおコラボレーションにも引っ張りだこだったため。『P5』発売以降は徐々にそちらに役割を譲るようになったが、それでも未だなお主人公(とクマ)が彼らと一緒にコラボレーションに顔を出すこともある。
---近年では『P4』の主人公がコラボ系に登場するたびにファンからは「もう(コラボ系は『P5』主人公に任せて)休ませてあげて」などと言われることもある。
---現在は『P5』主人公のコラボ出張が主流のため、やっと休めるようになった((上述のスマブラはもちろん『SAO』シリーズや、『グランブルーファンタジー』『#コンパス』『FF』シリーズなど『P5』シリーズだけに絞れていることが多い。))。

-2019年4月18日に『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』がVer.3.0.0に更新され、『[[ペルソナ5]]』のジョーカーが有料DLCで参戦した。
--ステージ「メメントス」では『P4』の楽曲「Reach Out To The Truth」「I'll Face Myself」「Time To Make History」を設定可能((「I'll Face Myself」はアレンジ。EDの「Never more」のフレーズを追加したファンが喜ぶ要素を取り入れている。))。これらの曲が流れた際はステージが『P4』のイメージカラーになる。
--「ペルソナ4主人公のぼうし+ふく(剣術Miiのコスチューム)」「クマのぼうし」が有料DLCとして配信された。
--『ペルソナ』シリーズ共通のキャラクター「イゴール」もスピリットとして追加されている。

-2020年12月に大手ニュースサイト『ねとらぼ調査隊』で行われた「あなたが好きなペルソナシリーズは?」というアンケートにおいて''本作が1位に選ばれた。''ランキングは[[こちら。>https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/104471/]]

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**その後の展開
-2014年7月、『P4G』の追加エピソードを中心に構成されたアニメ版が放映。通称『P4GA』
--主人公「鳴上悠」の強さが明らかにストーリーを一度クリアしたレベルで((初召喚で大量に湧き出たシャドウをマハジオダインなどで一掃する突き抜けすぎた強さ、ステータスがカンストしているためネタ選択肢を優先的に選択している(転校初日の「誰が落ち武者だ」など)。これについてはスタッフや声優から『2周目以降を意識して製作した』という証言がある。))、ネタ的に話題になった。
--また、本編クリア済みのユーザー向けかどうかは知らないが、''生粋の握手魔''になっている。

-アーケード・PS3/360にて本作の2ヵ月後を描いた後日談『[[ペルソナ4 ジ・アルティメット・イン・マヨナカアリーナ]](P4U)』が''対戦格闘ゲーム''として発売され、AC版は2012年3月1日稼働開始。
--PS3/360版は2012年7月26日発売。ちなみに『P3』からアイギス・美鶴・明彦・エリザベスもゲストとして参戦し、オリジナルキャラクター(といっても『P3』の設定集では名前と存在だけは出ていた)も登場する。
--この作品はアトラスと『ブレイブルー』や『ギルティギア』を製作しているアークシステムワークスとの共同開発となる。
--また、PS3のゲームで初めてリージョンロックを施されたソフトでもある。

-2020年6月14日、SteamにてWin版の配信が開始された。配信元はSEGA of Americaで移植を手掛けているのはアニメ事業やVtuber事業も手掛けているプリアップパートナーズ((同社公式サイトにSteam版の移植を手掛けたことが記載されている。))。
--フルHDや可変フレームレートに対応、ボイスは日本語と英語、テキストは日本語・英語・韓国語・中国語(繁体字)から選択可能。
変更点として、プレイ中の難易度変更や「CUSTOM」の利用が1周目から可能となっている。
--ただし番組表のうち、声優インタビューの「鞠子の部屋」や、ライブ映像「青紫歌合戦」に加え、『P4U』や『P4A』のプロモーション映像は見られなくなっている。
--ちなみに配信開始日の前日に開催されていたデジタルゲームイベント、「PC Gaming Show 2020」における公式告知直後の配信ではあったが、配信日当日のSteamの売上ランキングも1位という快挙を成し遂げている。
//売上ランキング1位のCOの意図が不明なので解除

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**メディア展開
-ドラマCDが3枚発売されている。
--キャラクター達のほのぼのとした日常が描かれており、思い入れのあるプレイヤーほど微笑ましい気分になれること必至。
--またアニメ版準拠のドラマCDも全2巻発売された。

-2008年9月、電撃黒マ王(第3話から電撃マ王で月刊連載)にてコミカライズ。作者は『P3』同様、曽我部修司。主人公の名前は「瀬多総司」となっている。
--ストーリーはあくまでもメインとなる中身に絞り込みつつも、各キャラクターのコミュシーンを織り交ぜている。サブキャラは一部を除いてほとんど登場していない。
--あるコミュニティでは陽介を主人公に置き、メインストーリーに絡ませていた。
--ペルソナ=シャドウなのだが雪子とりせ以外は別々の存在となっている。

-2011年11月から刊行が始まった『ペルソナマガジン』にて陽介を主人公にした外伝漫画『The Magician』が第2号~第9号まで連載。時間軸は本編の半年前から始まり、千枝や雪子たちの出会いなどを描いている((ちなみに、小説『キリノアムネジア』でも僅かだが出会いの描写があった。))。

-小説は短編集『Your affection』(ビーズログ文庫)、陽介を主人公にした『キリノアムネジア』(ファミ通文庫)、直斗を主人公にした『ペルソナ×探偵 NAOTO』(電撃文庫)が刊行中。『ペルソナ×探偵 NAOTO』は電撃マオウでコミカライズもされ、全2巻が刊行された。

-2011年10月~2012年3月、MBS・TBS系列などでアニメ版が放映。通称『P4A』で、主人公の名前は「鳴上悠」となっている。
--ゲームにおけるBGMもそのまま多数使用され、カレンダーや戦闘演出もゲームでのカットインを取り入れるなど、スタッフの原作愛を感じさせる作品となっている。
--また、新規シーンが追加されたり原作にあるシーンも再構成されているものがあるためゲームをクリアした人でも楽しめるようになっている。
--核心部分の真エンディングを再現した第26話は放映されず、映画館で総集編と併せて先行上映し、同一内容が後日BD・DVDで発売された。