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カラス - (2014/01/23 (木) 23:38:12) のソース

*カラス
【からす】
|ジャンル|縦スクロールシューティング|&amazon(B000MJPF5O)|
|対応機種|アーケード(NAOMI)|~|
|発売・開発元|マイルストーン|~|
|稼働開始日|2006年11月5日|~|

**概要
全編ボスラッシュの『カオスフィールド』、ポップな見た目とは裏腹にハードな設定が存在する『ラジルギ』など、とにかく尖ったシューティングゲームを制作するメーカー「マイルストーン」のアーケード第3作。英語表記では『Karous』。
地上人と天界人のハーフである主人公・カラスが友人であるジギの力を借り、父の残した言葉【神の血】を求めて地上を目指す……というストーリー。
ビジュアル面ではラジルギと同じくトゥーンシェーダリングで描画されている。しかし、ポップな色使いだったラジルギとは異なり、本作はモノクロームな配色が施されている。

**基本システム
-全5面の1周エンド。
--ただし難易度イージーは3面で終了する。
-プレイ開始時に難易度をイージー・ノーマル・ハードの3種類から選択。ハードのみ、条件を満たすと真ボスが登場する。
--ノーマルに比べハードの方が敵弾の量が増えるが、以下で述べるように基本的に弾を避けるゲームではないので、体感的な難易度の違いは殆ど無い。
-自機の武器はおなじみのショット・近接武器のソード・敵弾を弾き返すシールドの3種に加え、ボム的な存在のD.F.Sの4つ。
--ショット・ソード・シールドで敵を倒すと対応する武器のLvが上昇し、武器が強化される。また、武器の総Lvがそのままスコアの倍率となるため、武器の強化がそのままクリアにもスコア稼ぎにも繋がる。
--敵を倒したり敵編隊を全滅させると画面左のゲージが上昇し、満タンになるとD.F.Sが発動可能となる。フィールド内の敵弾はかき消される上、発動中は完全無敵となる。
---さらにフィールドに接触した敵にはワームを寄生させることができ、この状態の敵を倒すと経験値が通常より多く加算される。
-敵弾・レーザーに接触するとライフゲージが減り、0になるとゲームオーバー。

-なお、ゲーム中には画面下に攻略のアドバイス・ボスからのメッセージ・管制システムからのニュース・スパムメール・それ以外のもの……などの雑多な情報が多数表示される。プレイヤーはこれらの情報を元に本作の世界観・裏設定を知ることになる。

**評価点
-他のシューティングゲームにはない独特の爽快感
--ラジルギでは扱いづらかったソードの使い勝手が大幅に向上した。特にLv50以上のソードの威力は圧倒的で、大型機でさえも数秒で斬り伏せることが出来る。
--シールドも非常に強力。弾幕を張られてしまってもシールドを展開して前方に突っ込めば何とかなる場面が多い。
--また、道中では特定の敵出現パターンが存在せず、基本的に1つの敵編隊が全滅するごとに新たな敵編隊が出現するようになっている。
--以上より、カラスの基本的なプレイスタイルは「D.F.Sやシールドを展開して敵の懐に飛び込み、ソードで速攻で敵を撃破、新たな編隊が出現するのでそこに飛び込んで……(以下ループ)」という他の弾幕シューティングにはない非常にアグレッシブなもの。D.F.Sを効率的に発動できるようになってこのループが決められるようになると非常に気持ちいい。
---敵破壊時のSEも爽快感を増大させてくれる。

-サウンドユニットk.h.d.n.によるBGM
--ダークな世界観を受けてか暗い雰囲気のドラムンベースが多いが、随所に挿入されるピアノフレーズの美しさが光る。他のマイルシューの例に漏れずBGMの評価は高い。
---特に1面「1000 clouds」、3面「you can't fxxk me」、真ボス「sex pervert of a silence」などが人気。
--アルカディア大賞ベストVGM賞にもノミネートされた。

**問題点
-空気なショット
--シールド・ソードに比べるとショットの威力はかなり低く、「敵を倒す」という目的では使いにくい。同時押しすることでソードと同時に使うことができるが、威力が低下するためこちらもあまり使えない。
--とは言え、画面上に展開された破壊可能弾を掻き消したり、スコア稼ぎのためにLvを上げるといった利用方法は存在するため、使わなくていいというわけではない。

-強すぎるシールド
--シールドには耐久力の概念が存在せず無限に敵弾を跳ね返せるため、画面下にいるだけで敵の攻撃の大半をやり過ごすことが出来る。
--シールドで跳ね返すことのできないレーザーを放ってくるのは4面中ボス・ボスと真ボスのみ。よって難易度イージーは無操作で画面下にいるだけでクリアすることが可能。

-運頼みのスコア稼ぎ
--「化アイテム」という画面上の敵弾全てを得点アイテムに変化させるアイテムが存在するため、スコア稼ぎにはこれが必須。
---しかし、このアイテムの出現率は非常に低い。敵を倒すと出現する得点アイテムをソードで斬る事で変化させることもできるが、何十回斬っても出ない時は出ない。
---運良く化アイテムを取得して大量の得点アイテムを出現させても、調子に乗り過ぎると過剰な負荷によりフリーズすることがある。泣いて諦めるしかない。

**移植
-本作はDCに1回、Wiiに2回の計3回移植されている。
--DC版には家庭用での追加要素が一切無いのに加え、どうやってもハイスコアが保存されない等の不具合があるものの、元々NAOMI基板を使っているだけあって移植度は高い。現状最後となるDCソフトである。
--Wiiには「マイルストーンシューティングコレクション カラスWii」と「マイルストーンシューティングコレクション2」の二つに収録されている。後者の方が収録作品数が多いので、買うのならばこちら。

**総評
爽快感が手軽に味わえることや(比較的)見た目がとっつきやすいという事で、アクの強いマイルシューの中で最も遊びやすい作品に仕上がっている。
とは言え、それが味わえるようになるのもある程度上達した後である。良くも悪くも噛めば噛むほど味が出るゲームであるといえる。

**余談
-続編である『Karous-The Beast of Re:Eden-』が3DSより発売されている。大人の事情により開発・発売元が異なっているものの、中核となるスタッフは同じである。
--主人公ではカラスではなく、4面中ボス・ボスとして立ちはだかるフロンとタリス。