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ポケモン+ノブナガの野望 - (2016/05/09 (月) 20:34:18) のソース

*ポケモン+ノブナガの野望 
【ぽけもんぷらすのぶながのやぼう】
|ジャンル|シミュレーション|&image(pokenaga.png)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|メディア|2048MbitDSカード|~|
|発売元|ポケモン|~|
|開発元|ポケモン&br()コーエーテクモゲームス|~|
|発売日|2012年3月17日|~|
|定価|5,524円(税別)|~|
|プレイ人数|1人(通信プレイ時2人)|~|
|セーブデータ|1|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
//|ポイント||~|
|>|>|CENTER:''[[ポケットモンスターシリーズ関連リンク>ポケットモンスターシリーズ]]''|
|>|>|CENTER:''[[信長の野望シリーズ関連リンク>信長の野望シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ポケモンとコーエーテクモゲームスのまさかのコラボによって生み出された作品。&br()
ポケモン側からすれば初のSLGであり、コーエーテクモゲームス側からすれば最後のDS作品である。&br()
システムやキャラクターなど、あらゆる面で両作品を共に活かした作りになっている。&br()
ちなみに両企業の社長が共にお互いのシリーズのファンで、お互い仲がよかったために実現した模様。

**ストーリー
舞台は「ランセ地方」。ここには17の国が存在し、ポケモンと心を通わせることができる「ブショー」達が覇権を争っていた。&br()
ランセには、「17の城を手に入れた時、ランセの伝説が蘇る」という言い伝えがあり、ブショー達はそれを目指してイクサを繰り返している。&br()
主人公は、ハジメの国のブショーリーダーとして、ランセの滅亡を目論むといわれるノブナガを筆頭とするブショー達と、イクサを繰り広げていく。&br()


**特徴・システム
-『ポケモン』と『信長の野望』の特徴やシステムを上手く組み合わせ、独自のシステムを生み出している。
--『ポケモン』からは技や進化、『信長の野望』からは国盗り合戦を受け継いでいる。戦闘システムは両者の融合。
---17という国の数はポケモンのタイプ数に合わせたものである。…が、偶然にも初代信長の野望と同じ地方数。
--技構成(本作はポケモンごとに1つ固定)や内政など、両者ともに複雑なシステムは削ぎ落とされているが、システムとしては十分完成されている。
--登場ポケモン・ブショーは共に200。
---ブショー側は主人公と『戦国無双』シリーズでお馴染みのクノイチのみオリジナルキャラクター。固有のグラフィックなどが設定されたブショー(通称:ユニーク)のデザインは『[[戦国無双3]]』がベース。~
固有のグラフィック・台詞が設定されていないモブ(通称:モブショー)にも、戦国時代の人物の名前がつけられている。
---ポケモン側は当時最新作だった『[[ブラック・ホワイト>ポケットモンスター ブラック・ホワイト]]』までのポケモンから選出されている。

-ハジメの国のブショーリーダーとなった主人公は、序盤は自国の領土を守るためにイクサを続けるが、次第にランセ統一を巡るイクサに巻き込まれていく。
--ラスボス臭を放つノブナガに対してヒロインがオイチというのも「おやっ?」と思った人は多いだろうが、裏切ったりはしないのでご安心を。

-本作では隣国に攻め込む「イクサ」によって領土を広げていくことになる。要するにSLG版ポケモンバトルである。
--「イクサ」では1人が1匹のポケモンを出すことができ、両軍ともに最大6匹が同時にイクサ場に出る。先に相手を全滅させると勝利で、城攻めの場合は城を獲得することができる。
---勝利条件が相手の全滅ではなく、マップ上の旗を全て取って守り抜く必要があるマップも存在する。
--念のため書いておくが、本作で戦うのはポケモンである。ブショーは原作でいうポケモントレーナーに過ぎず、サポートができるのみ。
--イクサに出なかったブショーは、領土の中で訓練をさせたり、道具を買うための金を稼いだりできる。
---面倒な場合やよくわからない場合は、効率は下がるが「おまかせ」で自動消化させることも可能。長い間何もさせないと不満を訴えて離反したりする。

-条件を満たした上で、イクサ及び訓練で出現したブショーを倒すと、自軍にスカウトすることができる。
--弱点を突いて倒す、ダメージを受けずに倒すなど。ただしイクサの場合は相手の領地が残っていないことが前提条件。相手の領地がまだ残っている場合は条件を満たしてもそこに撤退するだけ。
--ユニークブショーのスカウトには、こちらもユニークを用いて条件を満たす必要がある。
---このため、個別シナリオではいかに早くユニークブショーを手に入れられるかが鍵。

-ブショーとポケモンの絆を「リンク」と言い、イクサなどで「リンク値」を上げることによりポケモンが強くなっていく。
--本家と違い個々のポケモンにはレベルが設定されていない。このリンクがレベルの代わりとなっているが、進化はステータスが一定値を超えることによってなる。
---ただし、本家で進化の石などの特殊な進化方法があるポケモンは、この限りではない。
--ブショーの「うつわ」の値までの数のポケモンとリンクすることができる。
--またリンクにはブショーごとに適正があり、モブショーでも得意なタイプがしっかり設定されている。
---この得意不得意は最大リンク値に反映される。モブショーなら、得意でないタイプなら高くとも50%程度、得意なタイプのポケモンとは70%ほどまで上げられることが多い。ユニークブショーなら相性が良ければ90%を越えるポケモンが複数存在。
--各ブショーには、リンク値を100%まで上げることができる「ベストリンクポケモン」が1種族だけ存在。例外は一部のユニークブショー。
---リンク値が100%になると「次ターン攻撃不可」「自分の能力ダウン」などの技のデメリットを消し去れることもあるため、ただのステータス強化に留まらない。

-ブショー自身にもステータスがあり、ポケモンのステータスと合わさってイクサでの強さが決まる。
--ブショーは、1回のイクサに一度「ブショーパワー」を発動することができ、ポケモンのステータスを上げたり、回復したりといった補助が出来る。
--ユニークブショーは、条件を満たすと「ブショー進化」が起こる。
---基本的にはベストリンクポケモンとのリンク値を一定以上にすることで発生。~
進化することによって、ステータス底上げ・固有のブショーパワー習得・グラフィックの変更などの恩恵が得られる。

**評価点
''両シリーズを活かしたコラボレーションと、見応えのあるグラフィック''
-なんといってもまずはこれだろう。両シリーズの魅力を損なわず、デザインやシステム面が非常によく出来ている。
--立ち絵のブショー&ポケモン、イクサ場でのSDサイズのポケモンのどちらも個性が良く出ている。さすがDS後期の作品と唸らせる出来。
--ブショー進化後の立ち絵はベストリンクポケモンを意識したデザインに変化する。さほど違和感があるわけでもなく、ポケモンのデザインが上手くマッチしていると言える。ランマルの立ち絵は必見。
--原作では青年だった秀吉の子飼い三人組(石田三成、加藤清正、福島正則)は小生意気な少年キャラにデフォルメされており、こちらも好評。
---余談ながら、設定資料集でしか見れなかった兜を取った政宗の姿も限定的ではあるが見ることが出来る。

''良好なストーリーとゲームバランス''
-ストーリーは単純なほうだが、最後の最後であのブショーの意外な一面を見ることになる、ただの勧善懲悪に収まらないものとなっている。
---両シリーズの年齢層の違いに配慮した結果だと思われるが、見事に成功していると言える。
--本編中では、敵が弱すぎるor強すぎるといった事態に陥りにくく、最後まで程よく歯ごたえを感じながら進められる。
---攻めるにしても、領土防衛のために残すにしても、敵軍とのタイプ相性を考慮する必要がある。このコラボだからこその醍醐味と言えるだろう。
---気を抜いているとすぐ領土を侵略されることもあり、緊張感を持って楽しめる。
--各城によってイクサ場のマップが違う。固有のギミックもあり、バリエーション豊富。

-例以上に各ポケモンや技のタイプ・相性がわからないと戦略を立てることは覚束ないが、そこで『ポケモン』の知識が少ないであろう『信長』側のユーザーへの配慮がなされている。
--イクサ中でもポケモンや技のタイプ・攻撃範囲などをメニューを開かずに確認できる。相性までも攻撃前にわかるため、ポケモンの知識がなくとも相性表を見る手間を省く作りになっている。
--もちろんこれらの情報はイクサを仕掛ける前にも確認可能。ポケモンのタイプもしっかり色分けされており、ひと目でわかる。

//''コンプリートまで200時間と言われるボリューム''
//-ブショー・ポケモンをコレクションに登録していくことができるのだが、全てを揃えるのはかなり大変。ブショーについては、ブショー進化やベストリンクを揃えて初めてコンプリートと言える。
//-クリア後シナリオも充実。というかクリア後が本番。
//--本編は10時間前後でクリアできる。
//賛否両論点にも近いことが書かれているので不要?


**賛否両論点
''状態異常の影響が非常に大きい''
-状態異常の種類は、ポケモンに準拠して「どく」「もうどく」「やけど」「ねむり」「こおり」「まひ」「こんらん」「ひるみ」の8種。ひるみだけは他7種と重複する。
--ただのスリップダメージである「どく・もうどく」、かかりにくい「ねむり」「こんらん」は大したことがないのだが、他の状態異常が凶悪。
---1ターン行動不能の「ひるみ」・数ターン行動不能の「ねむり」「こおり」といった行動不能系は言うまでもない厳しさ。
---「まひ」はランダム行動不能に加えて素早さ低下(=命中率ダウン)、「やけど」はスリップダメージに加えて攻撃力が低下するのも非常につらい。
--いずれも本家『ポケモン』と似たような効果なのだが、6vs6かつ陣営別のターンに別れて動く本作上では影響力がもっと大きく、かかってしまったポケモンは半ばお荷物状態になってしまう。
--本家と違い、状態異常専門の補助技は「さいみんじゅつ(ねむり状態にする)」のみなので戦略に組み込みにくい。ラッキーヒットで敵を追い込む分には爽快だが、敵のマグレでこちらの目論見を崩されたという悪印象の方が強く残りがち。
//ひるみの連続発生は起こらないようなので修正。
//列挙するだけでは冗長な記事になるため簡略化。
-ポケモンごとに1つ持ち物を持てるため、対策アイテムで治すことは可能。また、特性やブショーパワーの一部には自分や味方の状態異常を防いだり、治したりできるものがある。
--ただし、「こんらん」を治す道具だけはなく「ひるみ」は特性による対策しかできない。
//---特性により混乱やひるみを防ぐポケモンはいるが、裏を返せば特定のポケモンでピンポイントにしか対策できない。

''クリア後の作業感''
-ボリュームの裏返しでもある。
-主役級の各ブショーの個別エピソードをプレイできるのだが、完全独自のエピソードは主人公のみ。後は数人で同じエピソードを別視点から遊んだり、主役を変えて同じルールでプレイするだけの使い回し。
--そのため、主人公を除いた固有ブショーが36人もいるのに対し、エピソードは実質9種類のみ。
--それなりにストーリーがあって楽しめる「シノビの戦い」や「ミツナリトリオの喧嘩」はまだしも、他のエピソードではブショー同士の絡みが少ない。
---一応、各自の初期領地や所持ポケモンによって戦略が変わるため、完全に同じではない。ミツヒデEPでの対ノブナガ専用セリフなんてのもあったりする。
---また、特定のエピソードをクリアすることが、一部のブショー進化や伝説ポケモン出現の条件となっている。
--ケイジ、オクニ、ランマルのエピソードはなぜか期間限定配信のみ。内容は例によって使い回しなので、配信限定にする意味を感じられない。これによってコレクションのコンプリートに影響が出るわけではないが。

-コレクション埋めもほとんど作業になる。
--各ブショーのベストリンクポケモンは、訓練でポケモンと遭遇してみるまでわからない。得意なタイプから目星を付けることはできるが、2つ持つブショーはむしろ総当たりの手間が増える。
//「攻略情報があればわかる」のは当たり前なので、わざわざ言及する必要ないかと。
---レア出現のポケモンや、エピソード限定出現のブショー&ポケモンも多いため、1つのエピソードを延々と行えば揃うわけでもない。
---分岐進化するイーブイ系は主人公のみのベストリンクだが、同じく分岐進化するキルリアとユキワラシは、どちらの進化系がベストリンクとなるか判断が不可能。外したら進化前とリンクし直しな上、場合によっては進化アイテムも無駄になる。
---加えて、レアポケモンが出る大量発生や、進化用の道具を売ってくれる商人などのイベントの発生はランダム。運が悪いと何ターン待ってもお目当てのポケモンと出会えない。ブショーの出現もランダムである。
---パスワードの入力によってレアポケモンを出現させることはできる。1セーブデータで1度のみとデメリットはあるが、これなしでコレクションのコンプリートは至難の業。
--リンク値を上げる手段に乏しいのも問題。イクサにて敵を倒せば大きく上がるが、訓練ではなかなか上がらない。かといって「おまかせ」にすると0.5%も上がらなかったりする。
---それでも、手間からいえば「おまかせ」の方が手っ取り早かったりするが。
//--この仕様のため、モブショーのベストリンクを埋めるには「100%近いリンク値のブショーと2人で訓練に行って60%ほどでリンクし、進化させて登録が済んだら即解雇」という手順を何度も繰り返すことになる。100%に近いブショーが必要なのは、野生ポケモンとの初期リンク値はこちらのリンク値の平均で決まるため。

''クリア後シナリオの作りこみの甘さ''
-敵の強さやタイプなどがきちんと調整されている本編と違い、クリア後シナリオは強制イベントによって無理やりバランス調整を行っているものがある。
--シナリオ中に存在する城の過半数を獲得すると、シナリオによって「敵軍の戦力が上がる(通称ガバイトイベント)」or「敵軍の侵略頻度が上がる」イベントが発生するのだが、前者のイベントが非常に厄介。
---具体的に言うと、''敵のブショー全ての戦力がこちらの主力部隊並になる。''数人しかブショー&ポケモンを育てていないと、防衛もままならない状態となる。~
ただし、イクサ場のギミックを利用したり、適切なタイプ相性での編成によって対処することは不可能ではない。
--自軍の主力部隊によるゴリ押しを防ぐための対処だと思われるが、敵軍の戦力の上がり方を調節するなどの方法はあったはずである。
---無理やり対処しているにも関わらず、敵軍の最後の国を攻める頃にはまた自軍が圧倒的に強い状態になりやすい。
--また、相手のAIは弱め。範囲技に仲間を巻き込む、仕掛けを起動して自滅などなどで、ステータスの高さでゴリ押ししてくる印象が否めない。上述のシナリオ使い回しも合わせて、作り込みの甘さを感じてしまうこともあるだろう。
//問題点から追記・移動しました。ガバイトイベントは問題点に入れるほど理不尽なものではないと思います。


**問題点
''ポケモン間の格差が大きい''&br()
''評価点の「バランスが良い」とは、あくまで強いポケモンを使ったときの話。''
-まずは移動力の差が顕著。通常は3で、鈍重なポケモンは2、素早いポケモンは4。2のポケモンは他のポケモンと比べて使い勝手が大きく劣ってしまう。
--移動力の基準もおかしい。見るからに鈍足そうなドサイドンやギガイアスが2なのはまだ理解できるが、翼を持ち高速で飛行する設定を持つカイリューなども2。~
反対に、クロバットやゾロアークなど身軽そうなポケモンは元々の移動力が4な上に、特性でさらに移動力が伸びる。
--これだけなら別のポケモンに乗り換えることで解決するのだが、特定ブショー専用の伝説ポケモンが移動力2だと悲惨。具体的にはイエヤスのレジスチル。
---他にも、ウジヤスが最大リンク値90%以上の最終進化系は全て移動2。というか伝説を除いた岩タイプ最終進化系は移動2しかいないため不遇気味。

-飛行タイプや特性が浮遊のポケモンは、『ファイアーエムブレム』の飛兵よろしく地形をほぼ無視して移動ができる。
--しかし、水場や崖を越えるのはおろか、移動力さえあれば穴まで飛び越えていくことも可能。段差も無視できるし、タイプごとに影響を受ける地形も関係ない。ほとんどのイクサ場で有利に戦うことができる。
--更には相手ポケモンも飛び越えられる。
---本作にはポケモンの向きという概念があり、敵の側面や背後から攻撃するとダメージが上昇する。これらのポケモンは背後をとることが容易なため、結果的に攻撃力も高いことになる。
--スピアーは「グラフィックの上ではどう見ても飛んでいるのに、飛行タイプでも浮遊特性でもないせいで『じしん』に当たる」というネタを本家から持つのだが、本作では川に流される、落とし穴に嵌るなどの仕掛けによってネタ性が加速することとなった。

-技の格差も酷い。本作では1ポケモンにつき1個しか技が設定されていないため、その技の性能によってポケモンの強弱が左右されやすい。
--強い技は広範囲に連続攻撃を仕掛ける「ほのおのうず」や、高火力広範囲の「だいもんじ」、直線3マス攻撃で命中率も高い「れいとうビーム」「りゅうのはどう」など。~
よって、これらの技を持つゴウカザル、シャンデラ、ヒヒダルマ、ラプラス、サザンドラなどが強いということになる。
//---そのため、こっちが地面技を持つポケモンのみ生き残り、相手に飛行タイプや浮遊持ちがいるとその場で撤退か防衛時は耐える事しか出来なくなる。これは逆に利用できるし、戦略的要素にプラスされているのだが。
//相性を考慮して攻めるのはポケモンの醍醐味でもあるので、問題点ではないかと。
---使える技の数を増やしたり、変更可能にするという案もあったようだが、ゲームが複雑になりすぎるため没となったとのこと。
-反対に、威力が低い・範囲が狭いなどの弱い技を持つポケモンは使いづらい。正面1マスにしか攻撃できないような、本家での低レベル習得技はまだマシな方である。
--例えばドサイドンの「がんせきほう」。威力だけならゲーム中でもトップクラスで、耐久力が高くない相手はタイプ相性でダメージを半減されても一撃で倒せるほどなのだが、それを差し引いても使いづらい。
---攻撃範囲は正面3マス先の1点のみ。ドサイドンは素早さが低いので命中率も低く、また命中したら反動で次ターンは攻撃できないというリスクまで持つ。
---ドサイドンの移動力は2であるため、敵に密着されると「反対方向に2マス後退する」ことでしか反撃できない。ましてや、「周囲8マス技などで斜め方向から攻撃される」「移動力低下の追加効果がある技を受ける」などの状況に置かれると反撃することすら不可能になってしまう。これらの技がなくとも、複数のポケモンで進路を塞げば反撃不可能な状況を簡単に作り出せる。
---自軍で運用する際のデメリットというよりは、常にドサイドンを連れている敵のシンゲンをハメる際に使われる事が多かったりするが……。
--デンリュウとレントラーが持つ「かみなり」も、がんせきほうと同じ攻撃範囲で命中率が低い。攻撃時の反動はないので比較するとマシな部類に当たる。
---進化前のモココとルクシオは周囲8マスの「ほうでん」なので進化したらむしろ弱くなる。本家ポケモンで「かみなり」と高威力・低命中が共通している技である「だいもんじ」「ふぶき」「ハイドロポンプ」はどれも広範囲に攻撃できるため、より肩身が狭い。
--フォレトスの「ジャイロボール」も酷い。正面2マスに体当たりなのはまだいいが、技の効果が原作同様「相手より素早さが低いほど威力アップ」。相手よりリンク値が高い(=ステータスが高い)ほど弱くなるという意味不明な仕様。大抵の場合ダメージが1にしかならず、進化させない方が強く感じる。
--他には、「ゆめくい」で眠っている相手にしか攻撃できないムシャーナも不遇。相手を眠らせる特性や仲間の補助がないと攻撃することすらできない。
--これらのポケモンのうち、ドサイドン・レントラー・フォレトスはユニークブショーのベストリンクポケモンとなっているのがタチが悪い。
--そもそも本作は素早さの高さで命中率が決まるのだが、遅いポケモンの攻撃は同等な強さの相手にもなかなか当たらない。特に岩ポケモンは、使える技も元々低命中の技ばかりなので輪をかけて酷い。

-SLGでは後方支援や特定の条件下でのみ役立つユニットがいるのはよくあることだが、本作は自軍が6ユニットしかいないことや、キャラゲーとしての側面もあることから、こういった使い難いポケモンがいるのは問題点と言える。
--そもそも、フォレトスに関しては特定の条件下という度合いを超えた弱さ。

-とはいえ、ポケモンの強さに尋常でない差があるのも本家と同じであるため、仕方ない部分もある。

''UIの使いづらさ''
-最低限の機能は備えているのだが、ブショーの整理や検索の機能に乏しく、領地やブショーが増えてくると管理が大変。
--各ブショーが所持しているポケモンも、現在使用している1匹のみしか検索の対象にならない。
--訓練場以外に数種類の施設が存在し、城ごとに組み合わせが違うのだが、それを一覧で確認できる場所はない。任意の施設の場所を覚えていない場合は、逐一各地の城を選択しないと確認できない。
---これらが、コンプリートを目指すプレイの効率をさらに悪くしている。


''登場ポケモンの偏り''
-発売時期の関係で『BW』が優遇気味。全200匹のうち70匹ほどと3分の1を占めている。『金銀』『ルビー・サファイア』のポケモンはどちらも20匹ほど。
--最初に貰えるポケモン3種、通称「御三家」は『BW』のが3種類とも登場しているのに対し、『金銀』のは1匹も登場できていない。
-伝説ポケモンの選出も中途半端。ごく限られたブショーのみしか伝説のポケモンを扱えない関係である。
--『BW』でのゼクロムとレシラムは両方登場できているが、グラードンに対するカイオーガ、ディアルガに対するパルキアは未登場。
--3匹セットになっているものから1匹しか出ていない組が3つもある。この関係で『金銀』からは1匹も伝説のポケモンが出られていない。

''『信長の野望』要素が物足りない''
-ポケモンサイドの要素も不満点が多いが、信長要素のほうも兵糧、内政、定期的な収入、敗北のデメリットなど多くが削られており、結果的に国取り型の戦略シュミレーションとしては底が浅くなっている。
--収入は定期的なものこそないが金稼ぎは楽に可能、敗北して兵がいなくなればコレクション埋めの阻害になるなど、SLGに不慣れであろうポケモンからのユーザー向けにシンプルな設計にしたともとれるが、戦略性の深さを求める信長ユーザーとしては不満足なところ。

**総評
問題点はあるが、それはとことんまでプレイし尽くそうと思ったときに気になる程度。『ポケモン』と『信長の野望』のコラボとしては非常によく出来た作品と言えるだろう。&br()
信長の野望の実在の武将をモデルとしたキャラクター達のSLGという楽しさと、ポケモンのパーティ構成・育成・収集などの楽しさが両方盛り込まれているため、どちらか一方しか知らないという人でも安心して楽しめる。&br()
ポケモンや武将についての知識があるとさらに楽しめる小ネタも多々仕込んでいるため、コアなファンにも十分勧められる作品である。


**余談
-ニコニコ静画にて、『ポケモン+ノブナガの野望~ランセ彩絵巻~』(全6話)が配信されていた。現在は配信終了。
--本作の世界観がわかりやすく、ゲームのよい補完になっていて好評だった。