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すれちがいガ~デン - (2014/05/21 (水) 01:56:04) のソース

*すれちがいガ~デン
【すれちがいがーでん】
|ジャンル|コミュニケーションゲーム|~|~|
|対応機種|ニンテンドー3DS|~|~|
|メディア|拡張ダウンロードソフト|~|~|
|発売元|任天堂|~|~|
|開発元|グレッゾ|~|~|
|発売日|2013年6月18日|~|~|
|定価|476円(税別)|~|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|

#contents(fromhere)
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**概要
-『すれちがいガ~デン』は、『[[すれちがいMii広場]]』に追加された「有料のあそび」の一つ。『Mii広場』のゲーム内にて販売しており、ニンテンドープリペイドカード等でお金を支払うことにより購入できる。
-購入価格は税込み500円。ただし同時に追加された『すれちがいシューティング』『すれちがい合戦』『すれちがい迷宮』の三本も同時に購入する場合、セット価格で1500円となる。つまり三本買ったら四本目の分は無料。

 (以下、公式ページより引用)
 すれちがいガ~デンは 花の町「フラワータウン」にある家で
 すれちがいでいろんな花を育てて交配させて
 花の達人「花マイスター」をめざしたり、
 育てた花や、いろいろな雑貨で庭をかざったりするあそびです。※ゲーム中の花はすべて架空のものです。

**「有料のあそび」の特徴
以下にはまず、追加された四種の「あそび」共通の仕様を紹介する。
-新システム「ぼうしチケット」
--それぞれのゲーム内では一定の条件を満たすと、「ぼうしチケット」をもらうことができる。このチケット一枚につき、任意の「ぼうし」一つと交換することが可能。
--元々『Mii広場』に存在していた「お祝い」システムを少し変形させたもの。いわゆる「実績システム」なのではあるが、「ぼうし」という目に見えるご褒美のおかげで、やり込みがいがある。
--チケットはどの「あそび」も共通で全22枚、つまり四本合わせて88枚。収集ペースこそタイトルとプレイヤーの適正によって異なるものの、最初の数枚はどの「あそび」でも簡単に手に入るようになっている。逆に最後の数枚は難易度高めになっていることが多い。

-新システム「ぼうし交換所」
--『Mii広場』そのものに設置された新しいメニュー項目。ここで「ぼうしチケット」を使用し、任意の「ぼうし」と引き換えられる。
--交換できる「ぼうし」は全部で90種類。ただし全てが同時に選べるわけではなく、日替わりローテーションで「本日のぼうし」が四種ずつだけ入荷される。好みの「ぼうし」がなかったら、チケットは温存しておき翌日にでもまた見に来よう。
--チケットの枚数が二枚足りないように見えるだろうが、実際には「ぼうし交換所のオープン記念」と「すべてのチケットを集めた記念」で、もう一枚ずつもらえるためにつじつまが合う。

-「遊んでいないゲーム」の処理
--『Mii広場』を中断した際、現在招き入れているmiiとプレイしていない「あそび」が残っている場合、次の再開時は「今いるMiiと遊ぶ」か「入り口へ行く(今いるMiiは解散し新たにすれちがったMiiを招待する)」かを選択できるようになった。
--これを利用すればすれちがい人数の少ない状態でも、設定変更のためだけ等に『Mii広場』を起動できる。未消化の「あそび」が残っている時のみに限られるが。
---従来は『Mii広場』を起動すると強制的に入り口からだったため、「挨拶を変更しておきたいが、少人数で起動してしまうのももったいない」という状態になりがちだった。

**特徴(『すれちがいガ~デン』)
-すれ違いにより花を育てる
--本作ではすれちがったMii達が「街の人」として招待され、プレイヤーの育てている花に水やりをしてくれる。~
水遣り回数によって花が育ち、開花した花へさらに招待Miiが水をやると一定数まで「タネ」を残す。手に入れたタネを再び撒いて、新たな花を育てていく。基本はこれの繰り返し。
--収穫できたタネからは、元の花とは違った色や外観の花が育つことが多い。同じ名前の花でも色・茎・葉の組み合わせにより、まったく違った形に育っていく。

-花を育てて「花マイスター」を目指す
--水遣りにより収穫するタネは普通、「自分の育てていた花」か「相手Miiの持って来た花」のどちらかに育つタネとなる。
--ただし「品種変化」の起こる時もあり、この際は両親のどちらとも違う種類の花のタネが収穫される。特殊な条件を満たした上での品種変化によってしか収穫できない、「まぼろしの花」も存在する。

-育てた花で庭をかざる
--すれちがい「ガ~デン((ガーデン=庭))」の名に恥じず、本作では自分だけの庭を持つことができる。
--育てた花を庭に飾り、自分好みの庭を構築することが可能。花だけでなく、様々な種類の雑貨も使ってカスタマイズできる。庭の種類そのものもバリエーションがあり、それぞれ雰囲気や設置できる花の数、配置等が異なる。
--自分の庭では写真を撮って、SDカードに保存しておける。自分のMiiも一緒に撮影することが可能。何故かこの『ガ~デン』の記念撮影、通常のスクリーンショット機能より解像度の高い写真が撮れる。
--『ガ~デン』をプレイしているMiiに限り、ゲーム中で話しかけることによって「お気に入りの庭を見せてもらう」ことができる。

-困った時の「フラワーセンター」
--「フラワーセンター」では花や雑貨の売買、それに「おしごと」の受け付けも行っている。
--この「おしごと」こそ、プレイヤーによっては本作最大のモチベーションともなり得る要素。ゲームの進行により様々な課題の「おしごと」が提示されていくため、条件に合った花を育てて納品する。
---必ず現金収入が入ることに加え、おしごとによっては花を育てるための鉢や、「ぼうしチケット」と言った報酬が付いてくることも多い。
---おしごとには簡単ながらバックストーリーが用意されており、受注時と結果の報告時にその顛末が伝聞として語られる。お仕事の達成度合い……失敗・成功・大成功の三種……によっても結果が変化する。

**評価点(『すれちがいガ~デン』)
-「おしごと」をこなしていくのが楽しい
--極めて地味な内容ではあるが、地道にコツコツ達成していくのが面白い。意外な病み付き要素となる。
--おしごとを依頼してくる人々にも人間関係があり、よくよく注意して見ていると奇遇な縁で繋がっていたりするのが面白い。
--花の交配・育成や庭の飾りつけより、こちらへハマってしまったという声も多いようだ。

-意外に奥深く作り込まれた花の育成要素
--交配により「花」「茎」「葉」がそれぞれ独立して混じり合うため、驚くほど多彩な外観をした花が育つ。花の咲き方や大きさは茎の種類に依存するので、この組み合わせ次第では同じ花でも全く違った見た目になる。
--花の色についてもバリエーションは豊富。色によっても見た目の印象はかなり変わってくる。

-ガーデニングもやり応え有り
--配置可能な小物の種類はそこそこに豊富。花を置く土台までが交換できるため、カスタマイズの幅は広い。
--もちろんのこと設置する花そのものや、花を植えている鉢によっても見た目の印象がかなり変わってくる。更には花の向きについても任意に回転させることが可能で、これを利用した演出手法も考えられる。
--なお初期設定のまま配置や雑貨を一切いじらず、適当にポンポンポンと気に入った花を置いて行くだけでも、それなりの見た目にはなる。

-分かりやすい導入から少しずつ広がっていく奥深さ
--最初は花を一輪育てるところから始まり、育った花を庭に置く、収穫したタネをまた植えてスタンプカード形式の花手帳を埋める、と当面の目的や選ぶ作業が簡易化されている。
--花をいくつか育てていくと、徐々にフラワーセンターの機能が解放されていく。また最初の花手帳が埋まると、逆引きしやすい形式に変化した拡張版の花手帳に交換される。

-すれちがい伝説では不遇だった茶色・黒のMiiの有用性がやや高め
--これらの色の花はやや珍しく、色遺伝の法則の都合から他の色に比べて咲きにくい。招待したMiiと「一緒に植えた」タネは相手のMiiの色の花を咲かせるので、黒や茶色のMiiに協力してもらえればレアな花色を狙い撃ちできる。
--一緒に植えたことによる色変化は、実際に咲く花の色情報のみを上書きする。育てる前のタネの開花予想情報は変化しない。
--変化するのは、花ごとに用意されている色バリエーションの中でのみ。元々咲くはずのない色に変化させることは出来ない。該当色の花が存在しない場合、協力してもらったMiiの色に最も近い色の花が咲く。

**問題点(『すれちがいガ~デン』)
-テンポがゆったりしすぎている
--演出が妙にのんびりしていてストレスになりがち。『Mii広場』共通の機能としてRボタンを押している間は早送りになるが、早送り状態をデフォルトにして良さそうなくらいテンポが遅い。というかRボタンで早くならない時間が長すぎる。
--メッセージの表示をRボタンでは送れないのもイライラを加速する。メッセージを読み進めたり報告画面を終わらせるには、そのたびAボタンを押す必要がある。
--ゲームを終了するとき、「続ける・終わる」の「続ける」側へカーソルが合っているため、カーソルを動かさないと終了できない。このワンテンポののんびり感が、時にはどうにももどかしい。

-全体的に説明不足
--花の育成要素はかなり奥深いものになっているのだが、その法則については作中で極めて曖昧な説明しか提示されない。意図して好みの花を咲かせようと思ったのなら、プレイヤーは手探りで法則を解明していく必要がある。
--ある意味では法則の解明そのものが、本作のやり込み要素の一環であるとも解釈は可能。またよく分からないまま適当に育てていても、それなりに多彩な花は手に入る。

-余分な説明が過剰
--サポートキャラの「メンデルさん」がこまめにヒントをくれるのだが、似たような話ばかり繰り返すため鬱陶しい。
---どうせ同じ話だと思って読まずに送りとばしていると、たまに大事なことを言っていたりもするのがまた厄介。
--抽象的にすぎたり曖昧だったりして、大した助けにならないヒントも多い。

-おしごとを何度でも受けられる
--評価や達成具合に関わらず、何度でも同じ仕事を受け、やり直すことが可能。ある意味では評価点になるべき要素でもあるのだが……。
--''進行具合によるメッセージの変化は一切ない''。このため退院したはずの病気の少女が何度も病室から花を要求してきたり、プロポーズにまで至ったはずのスポーツ選手がまた初デートの花に悩んでいたりと、矛盾満載のカオスな状況が発生する。
---それとももしやこの街には、まったく同じような境遇で同じ名前の病気の少女や、その妹や、料理人やサッカー選手がたくさんいるのだろうか。

-タネや花の保存が不自由
--一つの花から複数のタネが採れるため、タネを保存しておくボックスが、あっという間にいっぱいになって埋まってしまう。
---箱を増やして欲しいとの意見もよく出るが、増やしたところでこの問題は解決しない。育つ花より、採れるタネの方が多い構造は変わらないので。
--庭の種類は最大まで拡張して8つ。少なくはないが多くもない。そして一つの庭ごと飾っておける花の数は限定的。「すべての種類の花を一つずつ」残しておくことさえ不可能。
---全ての庭を花の保存倉庫と割り切ってすら、残せる数は限られる。
---普通は「お気に入りの(他のプレイヤーに公開される)」庭一つくらい綺麗に飾っておきたいだろうし、ましてやそれ以外の庭のデザインにまで凝り始めると、ますます花を残しておける数が制限される。

-金を稼ぐことにほぼ意味がない
--ゲーム内での資金はひたすら増える一方であり、使う機会が少なすぎる。
--庭を購入するのにだけはそれなりの額を要するが、前述したとおり購入して追加する庭は7つで打ち止め。これが揃ってしまった後はひたすらに金が余る。
--庭の飾りつけや植木鉢・タネを購入するのにも金は使う。しかし入って来る金額の方が圧倒的に多いので、金が足りなくなるような事態などまず起こらない。

**総評(『すれちがいガ~デン』)
同時に配信の開始された「あそび」の中で、もっとも地味な印象のあった本作。しかし中身は意外なほどに作り込まれていて、最終的には一番はまってしまったゲームと評する声も多い。~
コツコツとアイテムを集めていくのが好きだったり、ポケモン図鑑を埋めていくのが好きだったり、RPGで街の住人と会話をするのが好きだったりする人には是非とも体験してみて欲しい。~
見た目から受ける事前の印象と、いざ遊んでみた印象のかなり異なるタイトルと言える。~
難点はやはり地味すぎて広報や画面写真からは実際の手触りが伝わりにくいこと、そして全体的なテンポがスローに過ぎることか。後者を許容できるかどうかで評価は少し分かれてしまう。