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ザ・グレイトバトルIII - (2015/10/27 (火) 15:07:34) のソース

*ザ・グレイトバトルIII
【ざ ぐれいとばとる すりー】
|ジャンル|ベルトスクロールアクション|CENTER:&image(http://img.gamefaqs.net/box/8/4/3/306843_front.jpg,height=160)[[高解像度で見る>http://img.gamefaqs.net/box/8/4/3/306843_front.jpg]]&br;[[裏を見る>http://img.gamefaqs.net/box/8/4/3/306843_back.jpg]]|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|発売元|バンプレスト|~|
|開発元|さんえる|~|
|発売日|1993年3月26日|~|
|定価|8,700円(税別)|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[コンパチヒーローシリーズリンク>コンパチヒーローシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
人気作品のSDキャラによるアクション系クロスオーバーシリーズのひとつ『グレイトバトルシリーズ』の第3作目。~
本作は『ザ・グレイトバトルII ラストファイターツイン』に続き、ベルトスクロールアクションとなっており、前作において問題であったキャラクター性能を中心としたゲームバランスが見事に改善された。~
キャラゲーは基より、単体のベルトスクロールアクションとみても非常に秀逸で、キャラゲーの鑑ともいえるシリーズ最高傑作の呼び声高い一作。

**ストーリー
闇の帝王ダークブレインと、それを影で操っていたザンエルを倒したコンパチヒーローズの4人。~
しかしその帰還の途中、乗っていた宇宙船が隕石と激突。その衝撃で何故か異世界へと飛ばされてしまう。

4人は見知らぬ森に落ち、そして近くにあった城の兵士達に連行されてしまう。~
事情を聞いた城の王様は、天から現れた4人に運命的な物を感じ、非礼を詫びると共にこの世界の現状を語る。~
この世界では「魔道士ザンエル」が魔物を使役して人々を襲い、更に封印されている「魔王ダークブレイン」を復活させようと目論んでいるという。

王様から火・水・土・風の力を宿した四種の武具を託された4人は、ザンエルの野望を阻止するため新たな戦いへと身を投じて行く。

**評価点
-良好なキャラクター性能バランス
//「前作のこと細かい内容は、前作の項目を立てて書くべきであり、この項目に書くことではない。
//--前作では4人いるプレイアブルキャラの性能差が、まるで現実社会の人間のように歪んだものとなっていた。以下は、''前作における''キャラクター性能である。
//
//-ガンダムF91
//--4人の先頭に立つメインポジのキャラだが、その性能は「防御力が高い」という非常に地味なもの。ただ、チート武器アイスラッガーの保持係などで活躍できる「ディフェンス型」のキャラ。
//-仮面ライダーブラックRX
//--動きが素早く、リーチが長くモーションも速くキックに至っては最強で、半無敵のスライディング時間が長い。使い勝手の良いレベル1カプセル技「リボルケイン」の威力がキャラ中最高、という「もうアイツだけでいいんじゃないかな」的な「チート系万能」キャラ。
//-ウルトラマングレート
//--動きが遅い、リーチが短くモーションも遅い、紙装甲、売りであるパンチ力が誤差の範囲、使い勝手の良いレベル1カプセル技が最弱、レベル3カプセル技「巨大化踏みつけ」は最高威力だが「リボルケイン」3発の方が強い(しかも、カプセル技はボスのハメから逃れるのに有効)という謎の親近感が湧く「縛りプレイ用」キャラ。
//-ロア
//--パンチのリーチと速さが売りの「テクニック型」のキャラ。ただし、パンチが速すぎてカウンターを貰うことがしばしばある。
//
//という、ズッコケ三人組み+出来木なバランスとなっていた。
//
--本作は『ザ・グレイトバトルII ラストファイターツイン』の後日譚であり、プレイアブルキャラクターは前作に引き続き「ガンダムF91」「仮面ライダーブラックRX」「ウルトラマングレート」「ロア」の4人。
--前作「II」ではキャラクター間の性能差が酷かったのだが、今作では改善され、良好なバランスに仕上がっている。
--また、ファンタジー風の異世界という世界観に合わせて、SDキャラに武器を持たせるなどの性能を差別化しており、F91は騎士鎧に両手剣、RXは槍を持った軽装戦士、グレートはグラディエーター風衣装に鉄球、ロアは弓使いの旅人といった具合に個性付けされている。

--ガンダムF91
---リーチと高い攻撃力が売りの「ファイター型」のキャラ。バランスが取れており、溜め技を含めて乱戦向きの性能。
--仮面ライダーブラックRX
---ダッシュ攻撃の貧弱さと攻撃力の低さを、ジャンプと素早さ、槍のリーチで補う「スピード型」のキャラ。ステージの仕掛けや一対一の状況に強く、アウトボクサーのような戦い方で真価を発揮する。
--ウルトラマングレート
---動きやジャンプが遅く、リーチが短いものの。攻撃モーションが速く。唯一、一連のコンボだけでザコ敵を葬ることのできる有能な「インファイター型」のキャラ。ダッシュ攻撃のタックルも使い勝手が良く。上手く隙を無くせばエースとして活躍が期待できる。ただ、高い殲滅力で数的優位を作っていくスタイルなため、狭い通路や乱戦ではジリ貧に陥りやすい。
--ロア
---弓を武器とするため、接近戦ではリーチ、パワー共に最弱。一方、溜め技が唯一の飛び道具であり、ダッシュ攻撃の当たり判定が非常に恵まれており、イザという時たよりになる「スーパーサブ型」のキャラ。所謂ハメを得意としており、使いどころを間違えると非力ゆえ戦闘が長期化し、不要なダメージを負い易い。
//前作に比べてどうかではなく、当時のアクションゲームの一般的な水準から言って、評価点に足りえる程のキャラバランスなのか?

-有用な溜め技の存在
--溜め技はキャラの武器にあった有用なものとなっており、武器と並んでキャラクター性能に個性を持たせている要素となっている。
---「F91」の回転斬り(横)は、乱戦時に複数の敵を蹴散らすことができ、形勢逆転の切り札として使える強力なものであるが、リーチが短く、敵のタックル攻撃にめっぽう弱いため「待ち」には向いておらず。溜め技を使う距離やタイミングがシビアなものになっている。(ただ、魔法の腕輪3つ使用によるクイックチャージ習得後や乱戦の増える終盤においては非常に重要な戦力となる)
---「RX」の回転斬り(縦)は、唯一の対空性能と前後へのやや広めな攻撃判定から、堅牢で使いやすい技であり、非力なRXの貴重なダメージソースとなっている。一方で左右に攻撃判定がないことから複数の敵に攻撃を当てることが難しく、溜め技としては火力面での効率性に欠ける。
---「グレート」のハンマースローは、高威力の中距離で正面の敵をリスクを犯さずに処理できるものの、発動時に背面が無防備になるため、隙のできやすいパーワーファイターの印象を強くしている。
---「ロア」の弓矢は、唯一の飛び道具であり貫通性もあるため、上手くいけばドミノのように攻撃が当てることも可能。しかし、遠距離の敵を一方的に攻撃できる反面、遠距離では命中が難しく。近距離で外すとグレート以上に隙が大きいなど、ここぞという場面で使っていく必要がある。
//---発射タイミングが選べない、HPを消費するという死に技から、キャラの武器にあった有用なものに変更されている。
//「死に技じゃない」「発射タイミングが選べる」ことはアクションゲームとして当たり前の水準である。
//キャラ性能バランスと同じで、評価点に足りえる根拠をもう少し踏み込んで書くべきではないか?

-お金とショップによる戦略性
--本作では、敵を倒すと必ずお金を落とすようになっており、マラソンの給水ポイントのように存在するショップで買い物をすることができる。
--アイテムは、回復、技習得による強化、使いきりの必殺技、一定時間無敵、に分類され、何をどのタイミングで買うかという戦略を含めることで色々なプレイスタイルを楽しむことができる。
//文を読む限りでは特別良い点に感じない。
//例えばゴエモンの小判などとはどう差別化されているのか(用途が多様な点?)、わかるように書いたほうがいい

-秀逸なBGM
--全般的に音楽は場面にあっており、中でもOP画面で流れるテーマ曲は幻想的で雄大なものに仕上がっており、大作RPGのような雰囲気を味わえる。
//
//-やりごたえのある難易度
//--前述のキャラ性能の改善に加え、前作のように安易なハメが出来なくなったこと、敵がアグレッシブになったなど。ゲームバランスの改善により、やりごたえ十分な難易度と為っている。
//--特に、通しでのクリアは、アクションが得意なプレイヤーでも一筋縄ではいかない。
//安易なハメができないこと、敵がアグレッシブであること、やりごたえのある=難易度が高いこと、これらはすべて当たり前のことで、評価点にはならない。

-バラエティ豊富なステージ構成
--前作の宇宙旅行のようなステージに負けず劣らず。本作も、コロシアム、飛空挺、墓場など子供心を揺さぶるステージが用意されている。

**批判点
-前作より薄れた原作要素
--ゲームとしての完成度も高まり、ファンタジー風な衣装デザインも悪くない一方で、キャラクター以外の部分で原作要素が非常に薄いものになってしまっている。
--必殺技もレベル3以外は原作要素皆無の魔法攻撃となっている。
--敵キャラの方でも、飛び道具は使わず両手の鉤爪で攻撃してくるキュベレイや、魔法使いのカメレオンやイカデビル、吸血鬼風のマグマ星人など。
---大剣の先からアトミックバズーカ(核弾頭)を撃つGP-02、呪博士の代わりにザンエルが乗り込んだキングダークなど、頑張っているのも見られるが。

-穴(即死ポイント)がやけに多い。
--ジャンプミスや敵の攻撃によるダウンで落下してしまうのはお約束。こちら側も敵を落とせば1発で倒せるが、その場合お金は手に入らない。
--ミス後は画面上から降ってくる形で復活するが、場合によっては足場の無い部分に出てきて連続ミスになってしまう(特にトロッコステージ)。

-お金とショップのシステムの弊害
--これの導入に伴い、前作にあったステージ毎のライフ回復は廃止されてしまった。
--回復アイテムは購入してもすぐには効果を発揮せず、フィールドで手持ちのアイテムから選択して使わなければならない。
--合体技が専用のアイテムを購入する必要があるため前作に比べて使用しにくくなっている。
、
-フレイムゴーストの倒し方が分かりずらい。
--トロッコステージのボス「フレイムゴースト」は、ジャンプ攻撃、もしくは特殊攻撃でないとダメージを与えられないのだが、これがノーヒントと為っている。
--しかも、通常攻撃が5回に1回程度当たるため、低年齢層などはジャンプ攻撃に気付かず、ここでゲームオーバーになる事態が頻発した。

-ヨボヨボになった前作ラスボス
--これに引っかかりを感じるプレイヤーもいる。ただし前作とは別世界に来ているのであくまで同名の別人ではある。
---ラスボスと偽ラスボスのポジションが前作から説明抜きに逆転しているのも違和感の原因だろう。前作の偽ラスボスがテクニック次第で瞬殺できた((直前のザコ戦のフィールドの落とし穴の判定が画面端に残っており、穴に落とせばザコキャラ同様に即死させられた))のに対し、前作のラスボスがみんなのトラウマ級の強敵だった点もその違和感を強くしている。

**総評
前作の問題点がこれでもかと修正された理想的な続編であり、キャラクター性能の良調整に代表される完成度の高さは、~
コンパチシリーズが版権の豪華なだけのキャラゲーから脱皮してみせた、まさに入魂の一作という言葉が相応しい出来となっている。

**余談
-月刊少年誌『コミックボンボン』(現在は休刊)にて本作の漫画版が連載されていた。作者は、後に同誌で『ガイアセイバー』のコミカライズも担当したときた洸一氏。
--王様から渡された武器で戦う理由付けとして、作中世界では4人が本来の力を発揮できない描写がある(F91のヴェスバーが不発になった)。
--厳密には、コンパチヒーローの複数のゲームをひとつのストーリーで繋げた漫画であり、タイトルには「コンパチヒーローワールド」と付いている。
---順番に『バトルサッカー』『バトルベースボール』『ザ・グレイトバトルIII』『バトルドッジボールII』。(ただしバトルサッカー編のみ単行本未掲載)