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GROOVE ON FIGHT ~豪血寺一族3~ - (2024/02/27 (火) 11:16:24) のソース

*GROOVE ON FIGHT ~豪血寺一族3~
【ぐるーぶおんふぁいと ごうけつじいちぞくすりー】
|ジャンル|対戦型格闘ゲーム|&amazon(B000069TLD)|
|対応機種|アーケード(ST-V)&br;セガサターン|~|
|発売・開発元|アトラス|~|
|稼動開始日【AC】|1997年5月|~|
|発売日【SS】|1997年5月16日|~|
|定価【SS】|5,800円(税別)|~|
|周辺機器【SS】|要拡張RAMカートリッジ|~|
|判定|なし|~|
|>|>|CENTER:''豪血寺一族シリーズリンク''&br;1 / 2 / [[外伝>豪血寺外伝最強伝説]] / &b(){GOF 3} / 闘婚 / 煩悩解放 / 先祖供養|
#contents(fromhere)
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**概要
アトラスの格闘ゲーム『豪血寺一族』シリーズの四作目(ナンバリングでは三作目)に当たる作品。~
前作『[[豪血寺外伝最強伝説]]』同様、2on2のタッグマッチ形式となっている。

**特徴
本作は世代交代という事で前作からおよそ20年後の2015年を舞台にしており、お梅とお種以外は全て新キャラクターとなっている。
また、『2』と『最強伝説』ではBGMは殆ど歌詞付きだったが、本作では歌詞付きのBGMは一曲もなく、初代同様全てインストゥメンタル調である。

**システム
-2on2
--『最強伝説』同様、最初にリーダーとなるキャラクターを選択し、次にパートナーとなるキャラクターを選択する。
-交代
--前作では対戦中にキャラクター交代はなかったが、本作では新たに交代出来る様になった。感覚としては『[[X-MEN VS. STREET FIGHTER]]』に近い。
-味方投げ
--先にKOされたキャラクターはその場に倒れた状態で残るうえ、&bold(){残ったプレイヤーはそれを飛び道具として使用する事が出来る。}

**登場キャラクター

#region(11名+SS版追加3名)

-お梅&お種
--過去作で争っていた双子姉妹。本作では「100歳」と高齢になった等を理由に一時的に和解して互いを背中合わせに縛り、二人で一人扱いとなっている。必殺技「母堂降臨」では巨大な母・お志摩が降ってくる他、超必殺技「一族」にて前作までに登場したキャラクター達がオーラとなって出てくる。

-ラリー・ライト
--アメリカ出身の考古学者の青年。知識欲が旺盛で、バイクに乗って世界中を旅している。後述のクリスを返り討ちにし、世界を見せてやろうと思っている。

-ソーリス=R8000
--作中からさらに100年後である2115年の未来からやってきた婦人警官。後述のブリストルを追い、時を越え、現代へとやって来た。

-雪上火澄
--忍者マニアの家系に生まれ育った忍者オタクの青年。幼少の頃より、父親から忍術の修行をさせられて来た。趣味は珍ラーメン、珍ジュース、そして珍ゲームを集める事。

-天神橋筋六
--お祭り好きの任侠男で、普段は獅子舞の面で素顔を隠しており、EDにて素顔を見せている。

-花小路ポプラ
--花小路クララの一人娘で、母から譲り受けた魔法のステッキを武器に闘う女の子。因みに父親は武道家で武者修行の旅に出ており、定期的に多額の仕送りをしてくる事以外は不明((設定からして、「大山礼児ではないか」と言われている。))。

-M.A.D
--香港在住のマッドサイエンティスト。後述のゲルトハイマーとは、上司と部下の関係だった。

-乙霧レミ
--ポプラの親戚の魔法少女で、音楽好き。音符の使い魔『クロマ』との連携が得意。好きな食べ物は、音楽教室の帰り道にあるファミレスのケーキセット。

-ファルコ
--英国出身の隻眼の老ギャンブラー。過去に賭けで大敗した為、右目を失っている。必殺技は全て博打関連の物。

-クリス・ウェイン
--キース・ウェインとアニー・ハミルトンの息子だが、両親が躾に失敗した為、かなりの不良になってしまった。前述のラリーを襲うも返り討ちにされ、以降は行動を共にするも、何時の日か仕返しをしようと思っている。

-ルドルフ・ゲルトハイマー
--ドイツ出身の仮面の巨漢。豪血寺の分家の中でもかなり力を付けすぎ、あろうことか本家を乗っ取ろうとしていた。結果、一族から追い出され、以降は復讐を計画し、ブリストルの部下となった。

-デミアン・シェイド
--ゲルトハイマーの従者で、幼少時代に孤児院から引き取られたカナダ出身の美少年。投げ技の時、女性キャラクターには厳しい為、ガチホモである。因みに彼も豪血寺の血を引いている可能性が高い((EDでは一族の者しか資格がないはずの新頭主になった事が語られている。))。
--業務用では対CPUゲルトハイマー戦で一応彼のパートナーとして登場するものの、絶対に交替せず演出でやられてしまうため非戦闘のモブキャラクターだった。セガサターン版で隠しキャラクターとして晴れてプレイヤー化した。

-ブリストル・ウェラー
--表向きは慈善活動を行う団体の会長だが、裏では数々の犯罪に手を染めている。豪血寺をつぶそうと企んでいる。足技と銃を使う。前作に登場したチャック同様、明確に豪血寺の血を引かないキャラクターである。業務用ではCPU専用キャラクター。

-ブリストルD(デビル)
--本作の最終ボス。ブリストルの真の姿で、未来からやってきた時空犯罪者。デビルサマナーで、同社のRPG[[『女神転生』シリーズ>女神転生シリーズ]]に登場した悪魔達を召喚しながら闘う。業務用ではCPU専用キャラクター。

#endregion

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**評価点
-前作から改善された部分がある。
--前作ではキャラクターの交代がなかったが、本作では実装されており、ピンチになると体力が多いキャラクターに何時でも交代出来る様になった。
--これに伴い、他のチーム制格闘ゲームにありがちな「此方が敗けたら次のキャラで攻め、一気にカタを付ける」という事も可能になった。

-エンディング
--過去三作は笑える物が多かったが、本作では殆どのキャラクターのエンディングはシリアスな物になっており、これまでの作品以上に評価が高い。
--しかもゲルトハイマーのEDでは大山礼児が登場しており、これまでの作品を遊んだファンからもウケが良い。


**問題点
-豪血寺らしくない所がある。
--歌詞付きBGMや敗者の顔に落書き等、『2』から採用されたシステムが本作では採用されていない為、不満に感じるプレイヤーもいる。但し、この部分に関しては「原点回帰」と捉える事も出来る。
--加えてBGMの曲調も、アイドル系ポップスやフォークソング、沖縄民謡に演歌等々良くも悪くもバラエティに富んでいた過去作とは異なり、ジャングルやヒップホップ等のアングラ系の楽曲やRPGを彷彿とさせるオーケストラ調の楽曲が中心の構成。それに伴いゲーム全体の雰囲気もダークかつ退廃的に寄っている。
--未来世界での暗く退廃的な雰囲気に合わせたのか、登場キャラクターもスタイリッシュな風貌のキャラクターが多く、ババァや魔法少女といった豪血寺独特のイロモノキャラクターの割合も少ない。
---もっとも、当時のゲームではアングラ系の楽曲をBGMに盛り込んでいたり、スタイリッシュな衣装を着たキャラクターも多く登場していた事から、本作は典型的な「流行に便乗した作品」と言える。
--尚、前述のBGMのテイストから作曲者が変わったと時折勘違いされるが、本作のBGMもシリーズ全作のBGMを手掛けている「でんちゅう」こと田中敬一氏によるものである。

-CPU戦の難易度
--前半はそれ程でもないが、やはり後半になると一気に攻めて来る。
--特に最終ボスのデビルブリストル戦は、パートナーキャラクターが洗脳され、1on2で闘う事になり、加えてデビルブリストル本人も充分な強さを誇る事から、最終決戦の難易度は今まで以上に高い。

-前作までのキャラクターとの繋がりを持つキャラクターが殆どいない。
--花小路ポプラとクリス・ウェインの二人しかいない為、過去三作を遊んだプレイヤーからは不満の声が大きい。
--例えば「サハドとアンジェラは明かにラブラブだった為、この二人の間に生まれた設定のキャラクターを出して欲しかった」「家系図によると陳念には鳳岩という名前の息子がいる為、その設定を本作で活かして欲しかった」等。

-血縁関係が不明な新キャラクター達
--前述の通り、本作は世代交代という事もあってか、お梅とお種以外は新キャラクターだが、そもそもシリーズ自体、殆どのキャラクター達は豪血寺の血を引いている設定の為、この煽りを受けてか、本作の新キャラクター達はどの様にして誕生したのか等が未だに解明されていない。
---豪血寺一族の家系図自体が『2』の頃に発表されたものということもあり、それから20年後の未来である本作のキャラクター達は当然ながら掲載されていない。
--該当キャラクターは、ラリー・ライト、ソーリス=R8000、雪上火澄、天神橋筋六、M.A.D、乙霧レミ、ファルコ、ルドルフ・ゲルトハイマー、デミアン・シェイド((ブリストルは明確に部外者だと設定されているので対象外。))。
---もっともレミは「ポプラの親戚」という設定なので、他の該当キャラクターと比べると問題点は無い。火澄は忍者繋がりで才蔵の家系の血縁者という解釈も可能なので、彼もレミ程ではないが問題点は少ない。ファルコは名前がフルネームでない事から通り名である可能性が高く、更に「新キャラクター達の中で唯一年老いている」「イギリス出身」等の点から、設定上に登場するアニー・ハミルトンの叔父「ポール」の可能性もある。
---更にレミに関しては「母方が魔女の血を引く家系の出身」という設定があり、この事から彼女は似た様な設定を持つサハド((『母方が魔術の血を引く家系』という設定がある。))の家系の血縁者である可能性もある((尚、サハドには三人の姉がおり、「この中の誰かが乙霧姓の男性と結婚し、誕生したのがレミではないか」という解釈もあながち不可能ではない。))。

-過去作との設定の矛盾
--ネタバレになってしまうので詳細は割愛するが、ソーリス=R8000のエンディングのオチが豪血寺の過去作の設定と矛盾していると取れるようなものになっている。

#region(ソーリスEDの矛盾)
-頭首→ゲルトハイマー→ブリストルのチームで連戦し、ブリストルを倒した直後にソーリスがタイムスリップして未来に帰還してしまう為、EDのオチでトンデモナイ事実が付け足されたかのように発覚してしまうのだが、これは『豪血寺一族2』のストーリーのプロローグで明らかにされている「豪血寺家訓十三条」((「頭主の座を一週間あけた場合。頭主の座を、退かなければならない。党首の座が欠落した場合五年を待たず、格闘技大会により次期頭主を決めなければならない。」というもの。))と明らかに矛盾してしまっている。
--実はソーリスは”最初から未来の…”だったという解釈を取ろうにも、設定上未来での本人は豪血寺の末裔だった事を知らなかった上に、ブリストルが豪血寺一族を潰す為に過去にタイムスリップして来る理由も無くなってしまう。
--無理やりこじつけるとすれば、ソーリスの行動によって(直接的ではなくバタフライ効果で)本来あるべき未来が変わってしまい、結果的に未来の彼女の立ち位置が変わってしまったと強引に考えることもできなくはない。
--関連があるかは不明だが、ソーリス同士の同キャラタッグの場合のみ片方のソーリスに専用のセリフが用意されており、そちらでは片方だけが何故か過去に残る展開になる。

#endregion

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**総評
世代交代等、新しい事を色々試した意欲作ともいえる。しかし、過去三作程大ヒットには至らなかった為か『闘婚』までの6年間、シリーズは充電期間を置く事となった。

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**余談
-『女神転生』シリーズとの繋がり
--デビルブリストルの技では『女神転生』シリーズから沢山の悪魔達がゲストに出ている為、ナイスサプライズともいえる。
---因みに『2』と『最強伝説』の陳念ステージでも、条件を満たすと『女神転生』シリーズに登場したキャラクター達が登場していた。
--一方、メガテン側では『[[女神異聞録ペルソナ]]』のセベク編で、アラヤの岩戸で主人公の影がプレイしているゲームとしてこの作品が登場している。
---[[後にメガテンシリーズからも対戦格闘が登場している>ペルソナ4 ジ・アルティメット・イン・マヨナカアリーナ]]が、題材が同じくペルソナシリーズなのは因縁を感じざるを得ない。

-本作まで『豪血寺一族』シリーズを手掛けた開発メンバーは本作発売の翌年に独立してノイズファクトリーを立ち上げ、後の『新豪血寺一族 ~闘婚~』からの開発はそちらに引き継がれることとなった((又、ノイズファクトリー側に加わらなかった一部のメンバーは『羅媚斗』を手掛けたアイオーンを設立するも同作リリース後に倒産している。))。