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*風の丘公園にて 【かぜのおかこうえんにて】 |ジャンル|ビジュアルノベル|&image(http://www19.atwiki.jp/mekameka/?plugin=ref&serial=320,width=160)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|テクノソフト|~| |発売日|1998年9月3日|~| |定価|5,800円|~| |ゲームアーカイブス|2016年11月22日/617円|~| |判定|なし|~| |ポイント|テクノソフトご乱心?|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 テクノソフトと言えばSTGの『[[サンダーフォース>サンダーフォースシリーズ]]』シリーズなどで有名なメーカーである。技術力の高さには定評があり、一定のファンを獲得していた。~ 割合硬派なゲームが多かったテクノソフトだが、当時のギャルゲーバブルに中てられたのか当作品を発表。テクノソフトのファンもあまりの斜め上っぷりに困惑した。~ ビジュアルノベルは18禁美少女ゲームの分野ではメインジャンルとして確立されつつあったが、コンシューマ業界ではまだ『弟切草』『かまいたちの夜』などを初めとしたサウンドノベルが主流であった。そのため、PS/SSなどの次世代機では初の恋愛系ノベルゲームである。 **システム -コンシューマギャルゲーとしては極めて珍しい&bold(){ヒロイン選択制}を採用している。ゲーム開始時点で4人の中から1人ヒロインを選択してシナリオを読み進めることになる。~ そのため、ゲーム序盤からいきなりクライマックス状態のヒロインがいたり、対照的に序盤はゆっくりとした日常描写が続くヒロインがいたりと工夫がされている。共通パートと言える箇所が少ない。 -文章表示も独特。一般にギャルゲーやノベルゲームでは画面全体に文章を表示するか、もしくは画面下部に文章表示を固定化することが多いが、本作は画面右半分を文章表示、左半分をキャラクター表示と割り振っている。小説の文章と挿絵のレイアウトと言えば伝わりやすいだろうか。イベントなどで表示される特別なCGが出る場合は、文章枠が下部に表示されるように切り替わる。 --他にも「時限式の選択肢」「ボタンを押した時間で結果が変わる選択肢」などが用意されている。先達のADV、ノベルゲームの特徴を取り入れようとしている様が見受けられる。 **ヒロイン紹介 &bold(){未月こよみ(CV:河本明子)}~ 季節はずれの転校生、スコットランドから転校してきたバイリンガル。主人公に並々ならぬ興味を持っていて、ゲーム開始時点で愛の告白をしてくる。~ 普段はとても大人しく物静かな女性で、大胆な行動を起こしたのは本当に特別なことである。なぜ彼女がそんな思い切ったことをしたのかはシナリオが進むにつれて明らかになっていく。~ 海外暮らしが長いため日本の生活習慣に少々疎く、浮世離れした言動もよくある。 &bold(){川奈深雪(CV:半場友恵)}~ 主人公の従妹。主人公と父親(母親とは離婚)の2人が限りなくズボラなので一生懸命世話を焼いている。~ 明るく社交的で、ちょっと怒りっぽい。趣味はゲームで、主人公たちでは歯が立たないほどの腕前をみせることも。~ ゆったりとした日常描写が続くシナリオで、2人の関係が少しずつ変化していくのはゲーム中盤からとなる。 &bold(){夏樹水帆(CV:荒木香恵)}~ 主人公の中学時代のケンカ友達。前向き思考で活動的な姉御肌。川奈美雪からは特に慕われている。~ バスケット部に所属していて、進学もバスケットの強い高校に推薦で入学。主人公たちとは離れ離れになったため最近は疎遠であったが、偶然の再会を果たす。~ 趣味はカラオケなのだが・・・「下手の横好き」である。ゲームクリア時に各ヒロインのボーカル曲が流れるのだが、&bold(){この設定通りで本当に微妙な歌が流れる。}そこまでやるか。 &bold(){式町夕(CV:天野由梨)}~ 音楽室でピアノを演奏していた時に主人公と出会う。母は元有名歌手、父はそのマネージャーという芸能一家だが、彼女はピアニストを希望している。~ しかし、その希望は認められずに彼女は裏の顔を持つことになる・・・といってもパッケージでおもいっきりネタバレしているが。~ 非常に物静かでおしとやかな女性のため、裏の顔での活動は彼女にとって大きなストレスとなっている。 **評価点 &bold(){テキスト、キャラクター造形} -テキストはクセが非常に少なく、過剰な修辞や装飾も無く読みやすさは抜群。~ シナリオ内容についてはヒロインごとに賛否両論あるが、少なくとも酷評される類の物は無い。プレイしたユーザーからの感想は好意的である。 -サブキャラの男性陣の評価が高い。主人公の父親、主人公の友人2人はなかなか面白いキャラをしていてシナリオを上手く盛り上げてくれる。それでいて目立ちすぎることもない。 **問題点 &bold(){壊滅的なシステム回り} -とにかくこのゲームはシステム周りが悪すぎる。特に不評なのは「&bold(){1日の終わりにしかセーブできない}」という謎の仕様。~ ゲーム内時間は17日で、1日あたりのテキスト量もそれなりにある。好感度を上げる選択肢に失敗したら1日の頭からやり直し。 --テキストの読み進めやロードが早ければまだ許せたが、全体的に動作がもっさり。ロード時間は長く、テキスト表示も遅く、しかも上記のセーブ仕様。ストレスが溜まりまくる。 ---1998年という時代でのプレイアビリティ(システム周りが洗練されているのが当たり前の時代ではなかった)を考慮すると仕方が無い部分でもあるのだが。 -一部キャラクターの攻略で理不尽すぎる難易度。~ ゲーム内でジャンケンをする場面があるのだが、グーチョキパーの選択肢どれを選んでも&bold(){結果はランダム。}しかも&bold(){勝敗次第では好感度が上がらない}というのはいくらなんでも理不尽すぎる。望んだ結果にならなかったらロードして1日の始めから読み直しをしないといけない。ジャンケンは2人のヒロインで合計3回もある。ジャンケンで好感度が上がらなくてもクリアは出来るのだが、好感度100%達成で開放される要素があるため、実質的には必須である。 &bold(){中途半端なボイス} -ヒロインには声優が割り振られているのだが、台詞はごく一部のみ。例えば「おはよう」などといった短いセリフに限られている。~ あまりにも少なすぎるため、この程度なら無くてもよかったのでは・・・と言われがち。演技力に特に問題はないのだが。 --これも1998年当時のギャルゲーの「豪華声優陣だが(予算などの都合で)パートボイス((逆パターンは「フルボイスだが無名アイドルや新人声優などの微妙な声優。「ウィザーズハーモニー」が一例。))」というパターン上、仕方ない部分もある。 **賛否両論点 &bold(){サウンド} -テクノソフトの名前の通りテクノを中心としたサウンドにはファンが多いのだが、本作については評価は高くない。~ といっても、テクノソフトの普段のゲームとはジャンルが全く異なる=BGMも普段とは全く別路線だということ。それゆえに正当な評価がされづらいという事情はある。~ 同じBGMのアレンジが少々多すぎるのは難点だが、曲の質が低いというわけではない。 &bold(){グラフィック} -当時のギャルゲーとしては非常に珍しいハイレゾのCGを多用している。同時期の他社のギャルゲーと比べれば一目瞭然レベルの高解像度。~ だがしかし、あまりにもキャラクターデザインが独特すぎた。本作のキャラクターデザインは「C次郎」氏で、非常にクセの強い絵柄である。この絵を許容できるかどうかが買うかどうかの分かれ目といっても過言では無い。誇張抜きで。何度も強調する必要があるくらいクセが強い。 &bold(){シナリオ} -各ヒロインのシナリオは、良く言えば定番なのだが、悪く言えば古臭い。~ このゲームのシナリオを一言で表すと「少女マンガの古典」である。当時からしてもあまりにも古い。~ 「季節はずれの転校生」「出会って間もなく愛の告白」「友達(妹)としか思っていなかった子への恋愛感情の芽生え」「憧れの先輩」等々、とにかくベタで古典的なものばかり。~ これを素直に古臭いと拒否する人もいれば、そのベタっぷりを逆に良しとする人もいた。ラストの展開ではお約束を裏切っていたりなど意外性もある。 --それでもとあるシナリオのラストのシーンで携帯電話を使ったり(ある意味「反則」ではあるが、当時の普及率では携帯電話を持っていない人の方が多く、それはシナリオにも反映されていた)と、現代を先取りしたような描写も見受けられる。 **総評 評価する人によってはクソゲー相当とされてもおかしくないゲーム。それくらいシステム周りに問題があり、長所よりも短所が目立つ。数少ない長所も手放しで褒められる類のものではない。~ しかしながら長所がツボにはまる人も少数ながらいることも事実。音楽、シナリオ、テキストなどでフィットしたユーザーからは好意的な評価を得ている。~ 特にテキストとシナリオに救われていて、これが酷かったら文句無しのクソゲーだったであろう。~ 言うなれば「珍味」のようなゲーム。一般受けはしないが好きな人は相当好き。マイナーゲームの発掘が大好きな「好事家」向けのゲームではないだろうか。 **余談 -テクノソフトは公式通販でサントラなどを販売していたが、本作のサントラは出回り数が少なく、またテクノソフトのゲーム開発事業撤退により通販も終了したため、ちょっとしたレア品になっていた(需要が無かったとも言えるが)。~ 2010年からはテクノソフトの版権を管理しているトゥエンティワンが通販を再開したため購入可能だったのだが、2016年5月にストアが一時閉店(再開時期未定)となってしまい、再び入手困難な状況となっている。 -ゲームのタイトル名で検索すると、本作の開発に携わったと思われる人の記事がみつけられる。記事を読む限りでは開発者にもギャルゲーを作ることに困惑があったのは確かのようだ。 -式町夕のメインテーマ「Le Ciel ~Je te veux~」は(かの悪名高い案件で有名となった)『BROKEN THUNDER』のイメージサントラ((過去に同人ショップで販売されていたCD。リリースしていたFNAGは一部のテクノソフト作品のサントラも出していた事があった。))にて「ciel -jeteveux- [complete version.]」のタイトルで大幅にアレンジされた。~ 原曲をよりドラマティックにアレンジした物で、曲調からしてEDに使われる物だったのではないかと思われる。…が、肝心のゲームの方がアレだったのは言うまでもない。~ 九十九百太郎氏は過去に作った曲をアレンジする傾向がよくあるらしく、この曲以外にも後の作品で使われた過去曲がいくつか世に出ている。((例えばブラストウィンドのJustice Rayはパート5まで出て、スティールダムのFirst LetterはサンダーフォースVのLastLetterとしてアレンジされている。))
*風の丘公園にて 【かぜのおかこうえんにて】 |ジャンル|ビジュアルノベル|&image(http://www19.atwiki.jp/mekameka/?plugin=ref&serial=320,width=160)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|テクノソフト|~| |発売日|1998年9月3日|~| |定価|5,800円|~| |ゲームアーカイブス|2016年11月22日/617円|~| |判定|なし|~| |ポイント|テクノソフトご乱心?|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 テクノソフトと言えばSTGの『[[サンダーフォース>サンダーフォースシリーズ]]』シリーズなどで有名なメーカーである。技術力の高さには定評があり、一定のファンを獲得していた。~ 割合硬派なゲームが多かったテクノソフトだが、当時のギャルゲーバブルに中てられたのか当作品を発表。テクノソフトのファンもあまりの斜め上っぷりに困惑した。~ ビジュアルノベルは18禁美少女ゲームの分野ではメインジャンルとして確立されつつあったが、コンシューマ業界ではまだ『弟切草』『かまいたちの夜』などを初めとしたサウンドノベルが主流であった。そのため、PS/SSなどの次世代機では初の恋愛系ノベルゲームである。 **システム -コンシューマギャルゲーとしては極めて珍しい&bold(){ヒロイン選択制}を採用している。ゲーム開始時点で4人の中から1人ヒロインを選択してシナリオを読み進めることになる。~ そのため、ゲーム序盤からいきなりクライマックス状態のヒロインがいたり、対照的に序盤はゆっくりとした日常描写が続くヒロインがいたりと工夫がされている。共通パートと言える箇所が少ない。 -文章表示も独特。一般にギャルゲーやノベルゲームでは画面全体に文章を表示するか、もしくは画面下部に文章表示を固定化することが多いが、本作は画面右半分を文章表示、左半分をキャラクター表示と割り振っている。小説の文章と挿絵のレイアウトと言えば伝わりやすいだろうか。イベントなどで表示される特別なCGが出る場合は、文章枠が下部に表示されるように切り替わる。 --他にも「時限式の選択肢」「ボタンを押した時間で結果が変わる選択肢」などが用意されている。先達のADV、ノベルゲームの特徴を取り入れようとしている様が見受けられる。 ***ヒロイン紹介 &bold(){未月こよみ(CV:河本明子)}~ 季節はずれの転校生、スコットランドから転校してきたバイリンガル。主人公に並々ならぬ興味を持っていて、ゲーム開始時点で愛の告白をしてくる。~ 普段はとても大人しく物静かな女性で、大胆な行動を起こしたのは本当に特別なことである。なぜ彼女がそんな思い切ったことをしたのかはシナリオが進むにつれて明らかになっていく。~ 海外暮らしが長いため日本の生活習慣に少々疎く、浮世離れした言動もよくある。 &bold(){川奈深雪(CV:半場友恵)}~ 主人公の従妹。主人公と父親(母親とは離婚)の2人が限りなくズボラなので一生懸命世話を焼いている。~ 明るく社交的で、ちょっと怒りっぽい。趣味はゲームで、主人公たちでは歯が立たないほどの腕前をみせることも。~ ゆったりとした日常描写が続くシナリオで、2人の関係が少しずつ変化していくのはゲーム中盤からとなる。 &bold(){夏樹水帆(CV:荒木香恵)}~ 主人公の中学時代のケンカ友達。前向き思考で活動的な姉御肌。川奈美雪からは特に慕われている。~ バスケット部に所属していて、進学もバスケットの強い高校に推薦で入学。主人公たちとは離れ離れになったため最近は疎遠であったが、偶然の再会を果たす。~ 趣味はカラオケなのだが…「下手の横好き」である。ゲームクリア時に各ヒロインのボーカル曲が流れるのだが、&bold(){この設定通りで本当に微妙な歌が流れる。}そこまでやるか。 &bold(){式町夕(CV:天野由梨)}~ 音楽室でピアノを演奏していた時に主人公と出会う。母は元有名歌手、父はそのマネージャーという芸能一家だが、彼女はピアニストを希望している。~ しかし、その希望は認められずに彼女は裏の顔を持つことになる…といってもパッケージでおもいっきりネタバレしているが。~ 非常に物静かでおしとやかな女性のため、裏の顔での活動は彼女にとって大きなストレスとなっている。 ---- **評価点 &bold(){テキスト、キャラクター造形} -テキストはクセが非常に少なく、過剰な修辞や装飾も無く読みやすさは抜群。~ シナリオ内容についてはヒロインごとに賛否両論あるが、少なくとも酷評される類の物は無い。プレイしたユーザーからの感想は好意的である。 -サブキャラの男性陣の評価が高い。主人公の父親、主人公の友人2人はなかなか面白いキャラをしていてシナリオを上手く盛り上げてくれる。それでいて目立ちすぎることもない。 **問題点 &bold(){壊滅的なシステム回り} -とにかくこのゲームはシステム周りが悪すぎる。特に不評なのは「&bold(){1日の終わりにしかセーブできない}」という謎の仕様。~ ゲーム内時間は17日で、1日あたりのテキスト量もそれなりにある。好感度を上げる選択肢に失敗したら1日の頭からやり直し。 --テキストの読み進めやロードが早ければまだ許せたが、全体的に動作がもっさり。ロード時間は長く、テキスト表示も遅く、しかも上記のセーブ仕様。ストレスが溜まりまくる。 ---1998年という時代でのプレイアビリティ(システム周りが洗練されているのが当たり前の時代ではなかった)を考慮すると仕方が無い部分でもあるのだが。 -一部キャラクターの攻略で理不尽すぎる難易度 --ゲーム内でジャンケンをする場面があるのだが、グーチョキパーの選択肢どれを選んでも&bold(){結果はランダム}。しかも&bold(){勝敗次第では好感度が上がらない}というのはいくらなんでも理不尽すぎる。望んだ結果にならなかったらロードして1日の始めから読み直しをしないといけない。 ---ジャンケンは2人のヒロインで合計3回もある。ジャンケンで好感度が上がらなくてもクリアは出来るのだが、好感度100%達成で開放される要素があるため、実質的には必須である。 &bold(){中途半端なボイス} -ヒロインには声優が割り振られているのだが、台詞はごく一部のみ。例えば「おはよう」などといった短いセリフに限られている。~ あまりにも少なすぎるため、この程度なら無くてもよかったのでは…と言われがち。演技力に特に問題はないのだが。 --これも1998年当時のギャルゲーの「豪華声優陣だが(予算などの都合で)パートボイス((逆パターンは「フルボイスだが無名アイドルや新人声優などの微妙な声優。『ウィザーズハーモニー』が一例。))」というパターン上、仕方ない部分もある。 **賛否両論点 &bold(){サウンド} -テクノソフトの名前の通りテクノを中心としたサウンドにはファンが多いのだが、本作については評価は高くない。~ といっても、テクノソフトの普段のゲームとはジャンルが全く異なる=BGMも普段とは全く別路線だということ。それゆえに正当な評価がされづらいという事情はある。~ 同じBGMのアレンジが少々多すぎるのは難点だが、曲の質が低いというわけではない。 &bold(){グラフィック} -当時のギャルゲーとしては非常に珍しいハイレゾのCGを多用している。同時期の他社のギャルゲーと比べれば一目瞭然レベルの高解像度。~ だがしかし、あまりにもキャラクターデザインが独特すぎた。 --本作のキャラクターデザインは「C次郎」氏で、非常にクセの強い絵柄である。この絵を許容できるかどうかが買うかどうかの分かれ目といっても過言では無い。誇張抜きで。何度も強調する必要があるくらいクセが強い。 &bold(){シナリオ} -各ヒロインのシナリオは、良く言えば定番なのだが、悪く言えば古臭い。 --このゲームのシナリオを一言で表すと「少女マンガの古典」である。当時からしてもあまりにも古い。~ 「季節はずれの転校生」「出会って間もなく愛の告白」「友達(妹)としか思っていなかった子への恋愛感情の芽生え」「憧れの先輩」等々、とにかくベタで古典的なものばかり。 ---これを素直に古臭いと拒否する人もいれば、そのベタっぷりを逆に良しとする人もいた。ラストの展開ではお約束を裏切っていたりなど意外性もある。 --それでもとあるシナリオのラストのシーンで携帯電話を使ったり(ある意味「反則」ではあるが、当時の普及率では携帯電話を持っていない人の方が多く、それはシナリオにも反映されていた)と、現代を先取りしたような描写も見受けられる。 ---- **総評 評価する人によってはクソゲー相当とされてもおかしくないゲーム。それくらいシステム周りに問題があり、長所よりも短所が目立つ。数少ない長所も手放しで褒められる類のものではない。~ しかしながら長所がツボにはまる人も少数ながらいることも事実。音楽、シナリオ、テキストなどでフィットしたユーザーからは好意的な評価を得ている。~ 特にテキストとシナリオに救われていて、これが酷かったら文句無しのクソゲーだったであろう。~ 言うなれば「珍味」のようなゲーム。一般受けはしないが好きな人は相当好き。マイナーゲームの発掘が大好きな「好事家」向けのゲームではないだろうか。 ---- ** 余談 -テクノソフトは公式通販でサントラなどを販売していたが、本作のサントラは出回り数が少なく、またテクノソフトのゲーム開発事業撤退により通販も終了したため、ちょっとしたレア品になっていた(需要が無かったとも言えるが)。~ 2010年からはテクノソフトの版権を管理しているトゥエンティワンが通販を再開したため購入可能だったのだが、2016年5月にストアが一時閉店(再開時期未定)となってしまい、再び入手困難な状況となっている。 -ゲームのタイトル名で検索すると、本作の開発に携わったと思われる人の記事がみつけられる。記事を読む限りでは開発者にもギャルゲーを作ることに困惑があったのは確かのようだ。 -式町夕のメインテーマ「Le Ciel ~Je te veux~」は(かの悪名高い案件で有名となった)『BROKEN THUNDER』のイメージサントラ((過去に同人ショップで販売されていたCD。リリースしていたFNAGは一部のテクノソフト作品のサントラも出していた事があった。))にて「ciel -jeteveux- [complete version.]」のタイトルで大幅にアレンジされた。~ 原曲をよりドラマティックにアレンジした物で、曲調からしてEDに使われる物だったのではないかと思われる。…が、肝心のゲームの方がアレだったのは言うまでもない。~ 九十九百太郎氏は過去に作った曲をアレンジする傾向がよくあるらしく、この曲以外にも後の作品で使われた過去曲がいくつか世に出ている。((例えばブラストウィンドのJustice Rayはパート5まで出て、スティールダムのFirst LetterはサンダーフォースVのLastLetterとしてアレンジされている。))

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