「プロ野球ワールドスタジアム (AC)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

プロ野球ワールドスタジアム (AC)」(2022/10/09 (日) 14:49:06) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

''本項では『プロ野球ワールドスタジアム』と続編『'89開幕版』『'90激闘版』について取り扱います。'' ---- *プロ野球ワールドスタジアム 【ぷろやきゅうわーるどすたじあむ】 |>|ジャンル|SPG|&image(ws-01.png,width=100,height=100)|&image(ws-07.png,width=100,height=100)&image(ws-09.png,width=100,height=100)| |>|対応機種|アーケード|~|~| |>|使用基板|SYSTEM I|~|~| |>|発売・開発元|ナムコ|~|~| |稼働開始日|無印|1988年3月|~|~| |~|'89|1989年4月|~|~| |~|'90|1990年3月|~|~| |>|プレイ人数|1~2人|~|~| |判定|全作|なし|~|~| |>|ポイント|超豪華なファミスタ&br()求む!! 珍プレー好プレー&br()続編では選手名が意味不明に|~|~| |>|>|>|>|CENTER:''[[ファミスタシリーズリンク>ファミスタシリーズ]]''| //必要ないと思われる画像をCOしました。 //2020/3/27 情報欄と概要のみ記載されている項目を暫定的に『無印』のものと統合。 //タイトル画面画像のサイズを調整。表が圧迫されて見づらくなっちゃうからちゃんとサイズ調整をしてほしい。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1986年12月に発売され、大ヒットしたプロ野球ファミリースタジアム(以下ファミコン版と表記)の業務用への逆移植。基本操作はそのままにグラフィックとサウンドを大幅強化、ファミコン版シリーズに先立ち12球団制を採用、球場を3つから選択し、スタメンの打順変更も可能、さらに往年の名選手を控え選手として追加、一部の選手には応援歌が流れるなど数多くの新要素を加え、アーケードでも大ヒットを飛ばし、各地のゲームセンターで高いインカムを記録した。当時のキャッチコピーは「求む!! 珍プレー好プレー」。 続編『'89開幕版』は、無印の選手データを入れ替え、1989年春にリリースされたもの。選手データ以外にも、打高投低よりになるよう小変更されている。~ また、阪急ブレーブスをモチーフとした「ブラボーズ」、南海ホークスをモチーフとした「ホーネッツ」は、1988年10月にそれぞれの経営権が阪急・南海からオリックス・ダイエーに譲渡されたことを受け、選手データと同時にユニフォームも一新された。((ただし開発当時はモデル球団のユニフォームが公開されていなかったせいもあり、カラーリングを除き前身球団や他球団に比べ再現度はやや劣る。『'90』でも変更されずそのまま。ちなみに「ホーネッツ」はユニフォーム変更にあわせて球団選択時のアイコンや得点表示のHマークが緑色から焦げ茶色に変更されたが、「ブラボーズ」は変更されていない。))~ 前作のリリース時期付近から選手名の使用や肖像権に関するクレームが寄せられたことから、本作及び'90激闘編では全選手の名前が実在選手名をもじったものに変更されてしまった。この他、メインBGM・チャンス時BGMが変更されている。~ システム面では、横っ飛び捕球時に一瞬硬直するようになり、レバー上+スイングではよりゴロが出るようになった。~ データ面では、投手のスタミナの引き下げと走力の引き上げが全体的に行われており、結果、ダブルプレーが減って内野安打・盗塁が増え、総じて攻撃が続くように調整された。 『'90激闘版』前作からは選手データ以外に目立った変更点は無い。が、一部の選手データが(故意にもミスにも)でたらめになっている。SYSTEM I基板を使用したワールドスタジアムはこれが最後となり、後作以降はSYSTEM IIでの稼動となった。 ---- **ゲーム内容 -ファミコン版では勝ち抜きシステムをとり、途中で敗れるか最終チームに勝つまでゲームを続行できたが、本作ではアーケードの都合上、勝敗に関わらず1試合でゲーム終了となった。延長イニングが無いので同点の場合は引き分けとなる。なお、プレイヤーが必ず先攻となり、10点差がつけばコールドとなるのはファミコン版と同様である。 -基本操作はファミコン版とほぼ同じ、代打及びリリーフで選手交代画面を呼び出すために、Cボタンが加えられた以外はオリジナルとなんら変わりはない。Cボタンはポーズ機能のような役割も果たすが、業務用機器という性格上、一定時間が経過すると自動的にタイムは解除される。また、投球時においても一定時間操作しないと自動的に投球される。 -1988年12月に発売されたファミコン版'88年度版から「ファインプレー」「エラー」「好調選手」などが採用されているが、本項において記す3作にはいずれも導入されていない。 --「ファインプレー操作」はできないが、タイミングによっては横っ飛び捕球になることがある。また、「エラー」では無いが、たまにフライの取り損ねが発生する。 #region(画像) &image2(ws-02.png,width=700,center) #center(){左・チーム選択。/中・球場選択。/右・打順決定、唯一実名でない球団。} #endregion **評価点 -ファミコン版では、平凡なゴロを取り損ねランニングホームランにしてしまう、外角に逃げる変化球やフォークボールに容易くつられ三振の山を築くなど、投打におけるCOMの操作に弱点があったが、業務用では打球処理もソツ無くこなし、変化球にもひっかかりにくくなるなどCOMの操作が強化されている。 -選手データはファミコン版では容量の関係で実現できなかった1リーグ6球団の2リーグ、全12球団制を取り入れ、1チームを除き実名かそれに近い形で登場。各球団の選手はファミコン版'87年度版をベースに、長島一茂、デシンセイ、マドロックなど1988年当初話題性のあった新入団選手と、モデル球団で活躍したOB選手を各チームに2人づつ追加。控え選手枠と投手枠もそれぞれ1名増えて5名となり、選手名も1文字増えて5文字となった。またゲーム進行には直接関係ないが監督名もオーダー画面に表示されるようになった。 -ユニフォームについても、ファミコン版ではハードの性能上1チームにつき2色のパレットでしか表現できなかったのに対し、本作ではカラーリングはもちろん細かな意匠に至るまでモデル球団により忠実な形で描写されている。特に近鉄バファローズをモチーフにした「バッカルーズ」は、同球団のトレードマークであったトリコロールキャップや赤いラグランスリーブが再現されている。 //#region(画像) //&image2(ws-03.png,width=700,center) //#center(){左・OB選手/右・かなり妄想データなOB選手の息子} //#endregion -サウンド面も強化され、ファミコン版で無音だったチーム選択画面にもBGMが流れ、試合中のBGMは新曲に書き換えられ軽快でテンポのよいサウンドが流れるようになる。 --また、得点圏に走者がいる場合は通常、ファミコン版BGMをアレンジしたものが流れるが、特定の打者が打席の場合、その選手に使用されている実際の応援歌がBGMとして使われている。この他、審判のジャッジにボイスが使用され、外野に飛球が飛んだ際は実況音声が流れ、ホームランを放てば歓声と豪華なファンファーレも流されるなど、演出効果を高めている。[[参考動画>https://www.nicovideo.jp/watch/sm9396080]] #region(画像) &image2(ws-04.png,width=700,center) #center(){左・三振して悔しがる打者/中・ホームラン画面/右・試合終了後のナムスポ} #endregion **問題点 -「1コイン5分」という業務用ゲームの慣例に則り、本作もプレイ環境に制限を導入。1クレジットあたりのプレイ時間は工場出荷状態のA設定で「1プレイ3イニング、2プレイ2イニングもしくは12分」となっており、いずれかの要件を満たした場合、コンティニュー画面に切り替わる。腕に覚えのあるプレイヤーであれば3イニング以内にコールド勝ちすることも可能であるが、COMの守備力が向上している本作ではそうそうできるものではない。 -ディップスイッチは5段階の設定がなされているが最も緩いD設定でも「1プレイ4イニング、2プレイ4イニングもしくは14分」というものであり、いかなる設定であっても9イニングフルにゲームをするには最低3クレジットを要する仕様となっている。 //#region(画像) //&image2(ws-05.png,width=700,center) //#center(){左・コンティニュー画面/右・ディップスイッチ画面} //#endregion -COMの守備そのものは向上したが、一・三塁からの二盗が完全フリーパス、三塁走者を上手く操作すれば内野ゴロ野選を簡単に誘発できる、また無闇に投手を交代させてしまい、投手に代打が出せなくなり、不自然な状況で投手が打席に立つケースがあるなど、ファミコン版から改善されていない点もいくつかある。 -フォークボールの音が聞き取りづらい。投球時のSEが低くなるのはファミコン版同様であるが周囲が騒がしいゲームセンターでは、うまく聞き取れず、ひっかかってしまうこともしばしば。イヤホンジャックを備えた筐体ならば無問題であるが、旧型のテーブル筐体などには付いておらず、結局注意深く耳を澄ますしかない。当時このゲームを紹介したファミコン通信においても記事中に「ゲームセンターではフォークボールの音が聞き取りづらいから気をつけてね」と記述されていた。なお、フライ打球のSEは鳴らない仕様。 -COMの投手が連続フォークボールで四球を出すと落ちなくなるまでフォークを投げ続ける、三塁走者がいると2アウトまで内野ゴロでも一塁に送球しない、走者無しでも牽制球が投げられる、という仕様や、ホームベース付近でバウンドしたファールがフェアだったり、ショートバウンドになる捕球がアウトだったり(初心者対策?)、打球パターンが少なかったりと、ファミコン版と比べて大味な作りになっている。このあたりの問題は『'89』『'90』でも修正されなかった。 //#region(画像) //&image2(ws-06.png,width=700,center) //#center(){左・一三塁での盗塁フリーパス/中・騙されて野選するCOM/右・不自然な状況で打席に立つ投手} //#endregion **総評 ファミコンの大人気作を逆移植した本シリーズは、アーケードファンにも受け入れられ、人気を博した。また、ROMの積み替えだけでゲームを交換できるSYSTEM I基板であったことから、手軽に新データ版と入れ替えることができ、オペレーターにも評判であった。 しかし肖像権等の諸事情から、'89開幕版より選手名が全面的に差し替えられ、さらに'90激闘版にて「ばたー」「あまさけ」「おうじ」「ふるあん」「せいうち」など、原型を留めないほどに変化してしまった選手名は一般ユーザーから不評を買い、選手データ以外は何も変わらないというマンネリ化と相まって本シリーズは緩やかにそのインカムを下降させた。その後、実名を使用した他社製の野球ゲームが徐々に市場に出回るようになり、本作もSYSTEM II基板への移行に伴い実名が使用されるに至った。 ---- **余談 -試合前BGMおよび『'89』『'90』のメインBGM・チャンス時BGMは『ファミスタ'90』以降のファミコン版作品にも逆輸入され、その後の作品でもアレンジされつつたびたび使用されており、『[[ファミスタ'89 開幕版!!]] 』以前の「ダッシュKEIO」を原曲としたメインBGMと共にシリーズを代表するBGMとなった。 --また、「ダッシュKEIO」を原曲としたBGMは本作でも特定の選手の専用応援歌として用意されている。 --試合前BGMはPS版のワールドスタジアムシリーズでも試合開始直前のジングルで使用されている他、ペナントレース優勝時には歌詞付きアレンジ楽曲「光とともにあれ」が流れる。 --一方、『'88』のメインBGMはその後使用されることなくお蔵入りとなってしまった。 ----
''本項では『プロ野球ワールドスタジアム』と続編『'89開幕版』『'90激闘版』について取り扱います。'' ---- *プロ野球ワールドスタジアム 【ぷろやきゅうわーるどすたじあむ】 |>|ジャンル|SPG|&image(ws-01.png,width=100,height=100)|&image(ws-07.png,width=100,height=100)&image(ws-09.png,width=100,height=100)| |>|対応機種|アーケード|~|~| |>|使用基板|SYSTEM I|~|~| |>|発売・開発元|ナムコ|~|~| |稼働開始日|無印|1988年3月|~|~| |~|'89|1989年4月|~|~| |~|'90|1990年3月|~|~| |>|プレイ人数|1~2人|~|~| |判定|全作|なし|~|~| |>|ポイント|超豪華なファミスタ&br()求む!! 珍プレー好プレー&br()続編では選手名が意味不明に|~|~| |>|>|>|>|CENTER:''[[ファミスタシリーズリンク>ファミスタシリーズ]]''| //必要ないと思われる画像をCOしました。 //2020/3/27 情報欄と概要のみ記載されている項目を暫定的に『無印』のものと統合。 //タイトル画面画像のサイズを調整。表が圧迫されて見づらくなっちゃうからちゃんとサイズ調整をしてほしい。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1986年12月に発売され、大ヒットしたプロ野球ファミリースタジアム(以下ファミコン版と表記)の業務用への逆移植。基本操作はそのままにグラフィックとサウンドを大幅強化、ファミコン版シリーズに先立ち12球団制を採用、球場を3つから選択し、スタメンの打順変更も可能、さらに往年の名選手を控え選手として追加、一部の選手には応援歌が流れるなど数多くの新要素を加え、アーケードでも大ヒットを飛ばし、各地のゲームセンターで高いインカムを記録した。当時のキャッチコピーは「求む!! 珍プレー好プレー」。 続編『'89開幕版』は、無印の選手データを入れ替え、1989年春にリリースされたもの。選手データ以外にも、打高投低よりになるよう小変更されている。~ また、阪急ブレーブスをモチーフとした「ブラボーズ」、南海ホークスをモチーフとした「ホーネッツ」は、1988年10月にそれぞれの経営権が阪急・南海からオリックス・ダイエーに譲渡されたことを受け、選手データと同時にユニフォームも一新された。((ただし開発当時はモデル球団のユニフォームが公開されていなかったせいもあり、カラーリングを除き前身球団や他球団に比べ再現度はやや劣る。『'90』でも変更されずそのまま。ちなみに「ホーネッツ」はユニフォーム変更にあわせて球団選択時のアイコンや得点表示のHマークが緑色から焦げ茶色に変更されたが、「ブラボーズ」は変更されていない。))~ 前作のリリース時期付近から選手名の使用や肖像権に関するクレームが寄せられたことから、本作及び'90激闘編では全選手の名前が実在選手名をもじったものに変更されてしまった。この他、メインBGM・チャンス時BGMが変更されている。~ システム面では、横っ飛び捕球時に一瞬硬直するようになり、レバー上+スイングではよりゴロが出るようになった。~ データ面では、投手のスタミナの引き下げと走力の引き上げが全体的に行われており、結果、ダブルプレーが減って内野安打・盗塁が増え、総じて攻撃が続くように調整された。 『'90激闘版』前作からは選手データ以外に目立った変更点は無い。が、一部の選手データが(故意にもミスにも)でたらめになっている。SYSTEM I基板を使用したワールドスタジアムはこれが最後となり、後作以降はSYSTEM IIでの稼動となった。 ---- **ゲーム内容 -ファミコン版では勝ち抜きシステムをとり、途中で敗れるか最終チームに勝つまでゲームを続行できたが、本作ではアーケードの都合上、勝敗に関わらず1試合でゲーム終了となった。延長イニングが無いので同点の場合は引き分けとなる。なお、プレイヤーが必ず先攻となり、10点差がつけばコールドとなるのはファミコン版と同様である。 -基本操作はファミコン版とほぼ同じ、代打及びリリーフで選手交代画面を呼び出すために、Cボタンが加えられた以外はオリジナルとなんら変わりはない。Cボタンはポーズ機能のような役割も果たすが、業務用機器という性格上、一定時間が経過すると自動的にタイムは解除される。また、投球時においても一定時間操作しないと自動的に投球される。 -1988年12月に発売されたファミコン版'88年度版から「ファインプレー」「エラー」「好調選手」などが採用されているが、本項において記す3作にはいずれも導入されていない。 --「ファインプレー操作」はできないが、タイミングによっては横っ飛び捕球になることがある。また、「エラー」では無いが、たまにフライの取り損ねが発生する。 #region(画像) &image2(ws-02.png,width=700,center) #center(){左・チーム選択。/中・球場選択。/右・打順決定、唯一実名でない球団。} #endregion **評価点 -ファミコン版では、平凡なゴロを取り損ねランニングホームランにしてしまう、外角に逃げる変化球やフォークボールに容易くつられ三振の山を築くなど、投打におけるCOMの操作に弱点があったが、業務用では打球処理もソツ無くこなし、変化球にもひっかかりにくくなるなどCOMの操作が強化されている。 -選手データはファミコン版では容量の関係で実現できなかった1リーグ6球団の2リーグ、全12球団制を取り入れ、1チームを除き実名かそれに近い形で登場。各球団の選手はファミコン版'87年度版をベースに、長島一茂、デシンセイ、マドロックなど1988年当初話題性のあった新入団選手と、モデル球団で活躍したOB選手を各チームに2人づつ追加。控え選手枠と投手枠もそれぞれ1名増えて5名となり、選手名も1文字増えて5文字となった。またゲーム進行には直接関係ないが監督名もオーダー画面に表示されるようになった。 -ユニフォームについても、ファミコン版ではハードの性能上1チームにつき2色のパレットでしか表現できなかったのに対し、本作ではカラーリングはもちろん細かな意匠に至るまでモデル球団により忠実な形で描写されている。特に近鉄バファローズをモチーフにした「バッカルーズ」は、同球団のトレードマークであったトリコロールキャップや赤いラグランスリーブが再現されている。 //#region(画像) //&image2(ws-03.png,width=700,center) //#center(){左・OB選手/右・かなり妄想データなOB選手の息子} //#endregion -サウンド面も強化され、ファミコン版で無音だったチーム選択画面にもBGMが流れ、試合中のBGMは新曲に書き換えられ軽快でテンポのよいサウンドが流れるようになる。 --また、得点圏に走者がいる場合は通常、ファミコン版BGMをアレンジしたものが流れるが、特定の打者が打席の場合、その選手に使用されている実際の応援歌がBGMとして使われている。この他、審判のジャッジにボイスが使用され、外野に飛球が飛んだ際は実況音声が流れ、ホームランを放てば歓声と豪華なファンファーレも流されるなど、演出効果を高めている。[[参考動画>https://www.nicovideo.jp/watch/sm9396080]] #region(画像) &image2(ws-04.png,width=700,center) #center(){左・三振して悔しがる打者/中・ホームラン画面/右・試合終了後のナムスポ} #endregion **問題点 -「1コイン5分」という業務用ゲームの慣例に則り、本作もプレイ環境に制限を導入。1クレジットあたりのプレイ時間は工場出荷状態のA設定で「1プレイ3イニング、2プレイ2イニングもしくは12分」となっており、いずれかの要件を満たした場合、コンティニュー画面に切り替わる。腕に覚えのあるプレイヤーであれば3イニング以内にコールド勝ちすることも可能であるが、COMの守備力が向上している本作ではそうそうできるものではない。 -ディップスイッチは5段階の設定がなされているが最も緩いD設定でも「1プレイ4イニング、2プレイ4イニングもしくは14分」というものであり、いかなる設定であっても9イニングフルにゲームをするには最低3クレジットを要する仕様となっている。 //#region(画像) //&image2(ws-05.png,width=700,center) //#center(){左・コンティニュー画面/右・ディップスイッチ画面} //#endregion -COMの守備そのものは向上したが、一・三塁からの二盗が完全フリーパス、三塁走者を上手く操作すれば内野ゴロ野選を簡単に誘発できる、また無闇に投手を交代させてしまい、投手に代打が出せなくなり、不自然な状況で投手が打席に立つケースがあるなど、ファミコン版から改善されていない点もいくつかある。 -フォークボールの音が聞き取りづらい。投球時のSEが低くなるのはファミコン版同様であるが周囲が騒がしいゲームセンターでは、うまく聞き取れず、ひっかかってしまうこともしばしば。イヤホンジャックを備えた筐体ならば無問題であるが、旧型のテーブル筐体などには付いておらず、結局注意深く耳を澄ますしかない。当時このゲームを紹介したファミコン通信においても記事中に「ゲームセンターではフォークボールの音が聞き取りづらいから気をつけてね」と記述されていた。なお、フライ打球のSEは鳴らない仕様。 -COMの投手が連続フォークボールで四球を出すと落ちなくなるまでフォークを投げ続ける、三塁走者がいると2アウトまで内野ゴロでも一塁に送球しない、走者無しでも牽制球が投げられる、という仕様や、ホームベース付近でバウンドしたファールがフェアだったり、ショートバウンドになる捕球がアウトだったり(初心者対策?)、打球パターンが少なかったりと、ファミコン版と比べて大味な作りになっている。このあたりの問題は『'89』『'90』でも修正されなかった。 //#region(画像) //&image2(ws-06.png,width=700,center) //#center(){左・一三塁での盗塁フリーパス/中・騙されて野選するCOM/右・不自然な状況で打席に立つ投手} //#endregion **総評 ファミコンの大人気作を逆移植した本シリーズは、アーケードファンにも受け入れられ、人気を博した。また、ROMの積み替えだけでゲームを交換できるSYSTEM I基板であったことから、手軽に新データ版と入れ替えることができ、オペレーターにも評判であった。 しかし肖像権等の諸事情から、'89開幕版より選手名が全面的に差し替えられ、さらに'90激闘版にて「ばたー」「あまさけ」「おうじ」「ふるあん」「せいうち」など、原型を留めないほどに変化してしまった選手名は一般ユーザーから不評を買い、選手データ以外は何も変わらないというマンネリ化と相まって本シリーズは緩やかにそのインカムを下降させた。その後、実名を使用した他社製の野球ゲームが徐々に市場に出回るようになり、本作もSYSTEM II基板への移行に伴い実名が使用されるに至った。 ---- **余談 -試合前BGMおよび『'89』『'90』のメインBGM・チャンス時BGMは『[[ファミスタ'90]]』以降のファミコン版作品にも逆輸入され、その後の作品でもアレンジされつつたびたび使用されており、『[[ファミスタ'89 開幕版!!]] 』以前の「ダッシュKEIO」を原曲としたメインBGMと共にシリーズを代表するBGMとなった。 --また、「ダッシュKEIO」を原曲としたBGMは本作でも特定の選手の専用応援歌として用意されている。 --試合前BGMはPS版のワールドスタジアムシリーズでも試合開始直前のジングルで使用されている他、ペナントレース優勝時には歌詞付きアレンジ楽曲「光とともにあれ」が流れる。 --一方、『'88』のメインBGMはその後使用されることなくお蔵入りとなってしまった。 -大元のシリーズ『ファミリースタジアム』は'89年度版から愛称『ファミスタ』を正式名称に採用したが、こちらの愛称『ワースタ』は当初から根付いていたものの、正式名称に採用されることはなかった。%%「ワースト」と響きが被るからか?%% --ただし、本シリーズや母体のファミスタで登場するナムコスターズの選手には「わあすた」として採用されている。こちらはフルネームでは長すぎるためと思われる。 ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: