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*メダロット7 カブト/クワガタ
【めだろっとせぶん かぶと/くわがた】
|ジャンル|ロールプレイング|&amazon(B0095ET5P8)&amazon(B0095EST50)|
|対応機種|ニンテンドー3DS|~|
|発売元|ロケットカンパニー|~|
|開発元|デルタアーツ|~|
|発売日|2012年9月13日|~|
|価格|6,090円(税込)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|前作の問題点を改善&br()人気機体の復活&新たな機体の追加&br()新システムや演出面の強化&br()バグや対戦バランスなどの粗も残る&br()前作は半ばなかったことに|~|
|>|>|CENTER:''[[メダロットシリーズリンク>メダロットシリーズ]]''|
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#contents(fromhere=true)
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**概要
『メダロット』シリーズ久々の新作であった『[[メダロットDS>メダロットDS カブト/クワガタ]]』。~
シリーズの再始動に喜んだファンは多かったが、一作品の出来としては物足りないものであった。~
『メダロットDS』発売から数か月後、「ニンテンドー3DS向けにメダロットを開発中」であることが明らかにされ2年が経過。~
そして、ナンバリングを復活させ((公式では『メダロットDS』がシリーズ6作目のナンバリング作品として扱われる。))本作『メダロット7』が発売された。
前作と同じスタッフによる制作、メインキャラクターデザインの変更などファンにとって不安要素もあった一方、~
新ハードで大幅に向上したグラフィック、再登場した数々の旧機体、旧作のシステム復活と新システムの登場、~
すれちがい通信によるチーム交換など、一層パーツ集めやロボトルを盛り上げてくれる数々の新要素と改良が加わった。~
こうして多くのメダロッターの不安と期待が渦巻く中、ニンテンドー3DSという新たな舞台で熱いロボトルが始まるのであった。
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**今作以前の作品との関係
-基本的に設定は完全一新されたために、前作以前の過去作品とは話がつながらないようになっている。
--主人公アズマを初めとする主要人物の基本設定や立ち位置などが『メダロットDS(以下DSと表記する)』とほぼ同じであるが、本作でも『DS』の冒頭と同じように「主人公が最初はメダロットを持っていない」など、前作と時系列が異なることが窺える。
--本作の物語の冒頭は、主人公がメダロットを手にした直後、公園に隕石が落下し事件に巻き込まれるという『DS』のエンディング後のイベントを髣髴とさせるものであるが、やはりつながりはない。
---&bold(){『DS』で張られていた伏線や各種設定は実質なかったことになっている。}
--過去作キャラも何名か登場するが、名前が同じで顔が似ている別人程度の認識で問題はない。
---ファンサービスなのか「過去の話」として昔のイッキ、アリカ、キクヒメ((いずれも『メダロット2』に登場するキャラクター。))と旧デザインのティンペットがゲーム開始デモで登場する。
---ストーリーに直接絡まない過去作キャラも登場。一部過去作との関係性や設定が残っていると思われる人物も存在するが、これらは対戦相手としての登場のみなので、さほど気にするほどでもない。
---過去作キャラの扱いに関しては評価点・問題点それぞれに後述する。
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**前作(DS)からの主な変更点・新要素
-プラットフォームが3DSに移ったことで全体的にグラフィック面が強化されている。もちろん3D表示にも対応。
-メダロットチームを本体に登録し、すれちがい通信でチームをやり取りすることが可能。
--すれちがい通信で出会ったチームとのロボトルに勝利すれば、通常のロボトルと同じくパーツをもらうことができる。
-いつの間に通信を登録すれば「メダロット通信」を受信し、貴重なメダルやパーツなどが手に入る。
--アイテムのほかにも公式大会優勝者のチームや特別なパーツを持ったチームなどが配信されることも。
--メダロット通信は定期配信。なお、過去の配信内容は一括して受信すること可能。
-専用のARカードを使用することで、現実世界でメダロットを映し出し撮影することが可能。
--ARカードは早期購入特典付属物や雑誌付録、イベント会場などという手段で配布された。
-特定機体の変形機構「メダチェンジ」が再登場。
--ルールは旧作とは変更されている。ちなみにメダチェンジ自体は『[[メダロットnavi>メダロット・navi カブト/クワガタ]]』以来約10年ぶりの採用となる。
-オート時の行動を制御する「ローテーション」が復活。
--命令条件が過去作と比較して大幅に増加、うまく条件を設定すれば状況に応じて複数のローテを使い分けることも可能に。
-一回の行動で複数のパーツを使用できる「コンボ」システムの追加。
--『メダロット5』に登場した「メダコンボ」システムとは名前こそ似ているがまったく別のシステム。
-パーツの新わざの追加。前作でも存在したわざでも効果が変更されているものが多数。
--前作以上に同系統のわざの差別化が図られている。
-メダリアの効力が前作に存在した「スキルレベル向上」や「症状無効」のほかに「リーダーに装備することで発揮」「パートナーに装備し機能停止時に発動」などと細分化された。
-ある条件を満たすことでメダルの装備アイテム「メダリア」を自分で生成し、入手することができるようになった。
--ゲームクリア後メダリアを生産する素材を集めて組み合わせることで生成可能。
-メダルのスキルレベル種類が一部統合され6種類に、メダルの得意な脚部が複数種類になった。
-ゲーム中ある条件を満たすことでメダルのスキルレベルリセット(育て直し)が可能になった。
-メダルの性格カテゴリが変更。行動選択ターゲットの傾向だけでなく、ダメージ量や行動速度にも影響するものが登場した。
-メダルのスキルレベルがある条件を満たしていたとき、メダルの絵柄が変化することがある。
-相手とエンカウントした後でもメダロットの組み換えが可能になった。
-特殊な条件下のロボトルが多数登場するようになった。
-キャラクターデザイン(人物イラスト)はむっく氏が手掛けている。
--『DS』やそれ以前の作品で登場したほるまりん氏デザインのキャラクターも新たに描かれている。
--作品の世界観を崩すことなく、旧作ファンからも好評。一方でクセのない無難な感じになったともいえる。
---モブキャラクターのデザインも手掛けている。かわいいキャラクターも多い。
-カジノが登場。
--カジノで手に入れたコインを使ってパーツやメダル、メダリアを入手できる。
--遊べるゲームの内容はスロットとブラックジャック。条件を満たせばボーナスゲームが発生。
---ボーナスゲームはもちろんロボトル。スロットで決まったメダロットでレアパーツを持つ機体と戦う。
-ゲームクリア後には曜日・時間限定のロボトルトーナメント・大会が開催。
--貴重なパーツを持つメダロッターや懐かしい旧作キャラとのロボトルが楽しめる。
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**評価点
***参戦メダロット・メダル面
-''機体数の増加''
--前作の約2倍と大幅に追加され、過去作と同程度のパーツ数となった。
--内訳は『DS』に登場した70機+過去作に登場した人気機体40機+新規メダロット30機の合計140体600パーツ。
---ただし、バージョン専用機体と現時点では入手不能な機体((各バージョンごとに主役機のアナザーカラー(性能は同一)とチュートリアル用の雑魚機体))がいるため、片方のバージョンで手に入るのは実質全138体となる。
-''人気機体の再登場''
--『初代』~『4』の人気機体はもちろん、再登場の機会に恵まれなかった『5』や『navi』の機体もついに再登場。
--ゲームシステムの変化に合わせ過去作に登場した機体の多くは何らかの性能は変更されている一方、「ブラックメイルのゴースト攻撃」や「サムライのビームソード攻撃」など旧作に存在した行動や仕様を調整したうえで再現している機体も存在する。
--また、公式イラストすら公開されずゲームでは設定ミスによって入手不能であった『5』のとある機体や、イマイチ知名度の低かった『G』のみに登場した機体が再登場。
---しかもそれらの機体がストーリー中で主要キャラとして抜擢されていたことも、多くのメダロッターが驚いた。
---ただ旧機体の選出に関してはやや疑問が残るものも。詳しくは後述。
-''新規機体・前作登場機体の扱い''
--原作者ほるまりん氏によってデザインされた新メダロットたちも好評。
---前作同様特定機体を少し手直しした機体もそこそこいるが、デザインや性能自体は差別化が図られている。
--『DS』に登場した70機も新たにモデリングが作り直され、性能が変更・調整されている。
---「レストアンジェ・リバイブアンジェ・ギガファント」などのように一部デザインやパーツ名が『DS』から変更された機体も存在する。
***グラフィック・表現面
-''プラットフォーム変更によるグラフィックの強化''
--特にメダロットはその個性的なデザインを余すところなく表現されている。
--ロボトル中のパーツモーション・エフェクトも強化。
---「ブルースドッグの胸部銃口展開ギミック((元ネタはマンガ版メダロットのシアンドッグ。ブルースドッグにそのような描写は無かったが、シアンドッグの後継機であることを考えれば。))」など一部のメディアでしか再現されていなかった専用モーションも登場。
---機体によっては純正で組むと専用のポーズをとってくれるものも。
---後述する変形機構「メダチェンジ」にもきちんと対応。変形可能全機体に変形シークエンス・専用行動モーションが用意されているという徹底ぶり。
--街中やダンジョン、キャラグラフィック等は全て3Dで表現されるようになった。
---会話時のバストアップグラフィックは2Dのまま。
***カスタマイズ面
-''パーツわざの追加・調整''
-予約した複数パーツを連続使用する「コンボ」システムや味方の行動に合わせて畳み掛ける「CF行動」といった、連続行動を行うわざの登場によって戦術の幅が広がった。
-前作で登場したわざも様々な効果調整・変更が行われている。
--猛威を振るったアサッシンは「パーツを破壊し損ねると自爆」などの調整が加わっている。
--前作あまり使いどころがなかったトルネードは「相手の動きをストップ+飛行タイプ扱いにする」という効果に。足止めに加えアンチエアとのコンボを狙うなどの使い道が生まれている。
-もちろん新わざも登場。
--過去作(主に『1・2・R』)に存在した威力格闘などもブレイクハンマー・ビームソードといった形で登場。症状射撃のサンダーショットやフリーズショット等わざのバリエーションが増えた。
--ソード・ハンマー、ライフル・ガトリング等の同系統の技は前作以上に差別化が図られている。
-''メダル関連の仕様変更''
--行動スキル「なぐる」「がむしゃら」を「かくとう」、「うつ」「ねらいうち」を「しゃげき」に統合。結果、メダルのスキル体系は「かくとう・しゃげき・たすける・なおす・まもる・しかける」の6種類となった。
---これにより、限られた攻撃法・戦術に特化せずによくなり、メダルの使いまわし、パーツの組み合わせの変更が容易になった。
--メダル1枚当たりの得意な脚部の増加や性格のバリエーションの追加等も図られている。
-''スキルレベルに応じたメダル分岐変化''
--本作ではメダルの育て方によって『5』の「メダルトランスフォーム」のようなメダル性能の分岐変化が発生。
---もちろんメダルによっては性格や得意な脚部、習得メダフォースが変化する。
***ロボトル(戦闘システム)面
-''CPU戦エンカウント後からのパーツ変更が可能に''
--入手したばかりのパーツをすぐにチームに組み込んでみたり、飛行型メダロットを所持する相手が現れたら即座に対空攻撃パーツに付け変える、地形が変わったら脚部パーツを付け直すなど、対戦相手ごとに対策することが容易になった。
--セーブができない連戦であっても、パーツの組み換えは一戦ごとに変更可能なため難度は下がった。
-''特定条件下のロボトルルールの復活・追加''
--仲間のメダロットと共に戦う「チームロボトル」の復活。
---イベント戦を除いて、仲間と共に行動している時は「仲間のメダロットを借りてチームロボトルする」か「自分のメダロットだけでロボトルする」かを選べる仕様となっている。
--『4』に登場した「6体勝ち抜きロボトル」なども復活。このほかにも条件付きロボトルも登場。
---イベントで現れた「転がる岩」や「防衛システムの扉」などの障害物を破壊するために戦う一方変わったロボトルも。
--一部ボス戦では&bold(){巨大メダロット}が立ちふさがる。見た目もさることながらステータスも強力。
---頭胸部・右腕・左腕でそれぞれ1体枠を使用するというインパクトのある仕様。頭胸部を破壊すれば勝利となる。
-''ロボトル中の画面表示構成の改善''
--基本的にファンにはお馴染みの「シャトルランロボトル」と呼ばれるものを踏襲。
--上画面ではロボトルに参加しているメダロットが3Dで表示。
---『R』のように画面を走りまわらないのを寂しいという意見もあるが、そもそもメダロット全体の行動スピード・充填冷却状況が高速化され、行動選択表示または戦闘アニメに頻繁に切り替わるので気にならない。
--下画面上部にある「フィールドスクリーン」に各メダロットの行動スピード・充填冷却状況が表示されるようになっている。イメージとしてはGBシリーズの「横表記」に近い。
---行動スピードは『DS』と比較して高速化(『5』に近い速度)したため、一戦あたりのテンポが改善されている。
---『DS』で採用された「3Dモデルが走る縦表記シャトルラン」は見た目こそ良かったが、如何せんスピードが遅く距離間隔が分かり難く廃止、旧来のものに戻した結果行動順視認性も改善された。
--下画面下部には残り制限時間のほかに、敵味方エリアに仕掛けられているトラップやプラントの種類・重ねがけされた回数、味方の各機体が選択しているパーツの表示・充填冷却状態、&bold(){敵味方各機体の現時点での防御・回避可能・不能状態の表示}など、ロボトルに必要な情報が網羅されている。
---他にもガード体勢や連携攻撃、チャージゲージ溜めの待機時間なども合わせてゲージや数字で可視表示されるようになった。
-''戦闘テンポの改善''
--前述したが、各メダロット行動速度もといゲームスピードが高速化。
---アニメスキップは廃止されてしまったが、戦闘演出自体は速いためテンポを阻害しない。
--メダロット自らが脚部パーツで防御することの廃止。
--両腕部破損機体は常時防御不能・脚部破損機体は常時回避不能という仕様。
---この二点の仕様変更も、ロボトル決着までの時間の短縮に一役買っている。
-''メダチェンジの復活''
--『navi』以降長らく登場していなかった変形機構「メダチェンジ」が今作で復活。
--純正セッティング以外変形不可という縛りや変形後は脚部タイプ・行動内容が変化という基本ルールは過去作と変わらないが、変形ルールの一部が変更されている。
---余談の域ではあるが第二変形形態であるクラフティモードは登場しない。
***インターフェース・各種機能
-''「メダル愛称設定」の復活''
--『DS』で削除され大顰蹙を買った「メダルの名前機能削除」だったが、本作で復活。
--特定の場所で無償でリネーム可能なので安心。愛機に好きな名前を付けてあげよう。
---ただしインターネット対戦やすれちがい対戦ではメダル愛称は反映されず機体名表記となる。
-''メダルスキルレベルのリセット''
--『DS』では一度レベルを上げてしまうと取り返しのつかなかったメダルレベルの育成だったが、本作では特定の条件を満たせばメダルのスキルレベルのリセット…つまり育て直しが可能になった。
--メダルが分岐変化するシステム・それを記憶するメダルアルバムが搭載されたため、より戦略に合ったメダルを育成したりメダル図鑑のコンプを目指すのであれば、大いにお世話になるだろう。
---ただし、こちらにも利便性に不満が残る。その理由は後述。
***シナリオ・キャラクター面
-前作に比べればシナリオ本編のボリュームは増加し、内容もそれなりにまともになっている。
--主人公機以外これといった絡みが無かった前作だったが、本作はメダロットの主要キャラも登場する。
---マップ上でも様々なメダロットが人間キャラと共に登場し、会話する機会も復活した。
-前作では完全空気と化していた主人公の友人たちだが、チームロボトルを含め共に行動する場面も増えた結果、前作に比べると扱いが改善されている。
--前作の問題児「ウィローズ」も序盤こそ前作並みにロボロボ団とつるんだり難癖を付けてくるなど迷惑をかける集団であるが、シナリオ後半では主人公たちに協力してくれるように。
-前作の「ドンッ!」のような主人公突き飛ばしはなくなった。
#region(以下ネタバレ含む)
-終盤には脅威の歴代ラスボス&強敵ラッシュが待ち受けており、ファンなら熱くなること請け負い。
-そして今作のラスボスはまさかの機体が登場。あの機体があの登場をすることには特にアニメ版視聴者には感慨深いものがある。
-ヒロインによるEDの分岐もDSに引き続き健在。ちゃんと一枚絵つき。&s(){母親とクルミは攻略できなくなったが。}
#endregion
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**賛否両論点
-''戦闘アニメカットの削除''
--ただし戦闘時はロード無し、アニメーションも超スピーディなのでそこまで大きな問題とはなっていない。
-''BGM・SE(効果音)のバランス''
--攻撃命中時などSEの音がやや大きめで、BGMとのバランスがイマイチ。
---迫力があるという声もあるが、設定で変えられるようだったらベストだったかもしれない。
-''仕様変更によるゲームスピードの変化''
--防御時のダメージは残り装甲の高い部分に割り振られるのがシリーズの基本だが、本作では防御によって脚部へダメージが割り振られることが廃止されている。
--これによりダメージは基本的に腕部→頭部へ優先的に割り振られるようになっている((脚部を狙われている状態で防御できなかった場合などは従来通り脚部でダメージを受ける))。
--加え、両腕が破壊された機体は常時防御不能状態、脚部が破壊された機体は常時回避不能状態として扱われる。
---上記の仕様と防御不能or回避不能付加行動の増加も相まってクリティカル・被クリティカルの確率も上昇。一機体の機能停止まで時間が短くなり、ロボトル自体が「先鋭化」したとも取れる。
-''ガード行動の優位性の下降''
--前作以上にダメージのインフレが激しくなったため、対人戦において下手なガードはただの的になりがち。
--さらに追い打ちをかけるようにステルス行動に「相手のガード行動をすり抜ける」効果が付加、手軽に使用できる上効果対象は味方全員。
---更新データの適用により、レーダーサイト行動にステルス効果を無力化する機能が追加。ガードを無力化するステルスへのメタが成立することに。
--反面、射撃ガードと格闘ガード、ミラーガードとカウンターのコンボ((前者は該当する攻撃のダメージを全て0にする、後者はやや遅い代わりに該当する攻撃を無効化した上にダメージを反射する。))は、ステルスがなければメダフォース以外では歯が立たない。
---強力な二つのガードの存在とダメージのインフレによってただのガードや60ガード((総ダメージが60以下の攻撃を無効化、するのだがメダルが育っていれば攻撃力10以下のパーツでもダメージ60突破は余裕))のパーツの地位が更に低くなってしまった。
-''お使い感の強いシナリオ''
--各地に散らばった「Mドライブ」と呼ばれる装置を集めて、地球に迫る危機を回避するのが本作の目的なのだが…
---章が始まるとどこかに隕石が落ちたことが何かしらの方法で主人公の元に伝えられる。その地へ主人公一行が向かい、ダンジョンを制覇してMドライブを守るものあるいはそれを奪いに来る敵対組織と戦って一章が終わるというのが主な流れ。
---この問題点はサブイベントやダンジョン・舞台になる施設などが少ないことに起因している。
---ただダンジョンに関しては以前のものより凝った作りのものが増えている。
-''過去登場機体の選出に関する疑問点''
--一部ボス機体が選ばれなかったり、カブト・クワガタ系機体が追加されなかったことに疑問の声が上がることも。
---ただ、この辺に関しては、きりのない話ではある。
--エンディング後旧作キャラが対戦相手として登場するのだが、参戦機体の関係上明らかに過去作のイメージと異なる機体を与えられているキャラクターがいる。
---特に『5』の主人公・ライバルたちを初め、一部過去キャラに合わせた機体を用意していないのは残念。((一応初代のライバル「ユウキ」には『7』で初登場した最新ザリガニ型メダロットをあてがったりするなど、配役を合わせようとしている部分もある))。
-''『DS』同様アニメ版を意識した要素''
--基本設定が一新されたものの、ロボロボ団等キャラクター作りは旧作ゲーム版ではなくアニメ版寄り。ただし、小ネタとして面白いものもあるため一概に改悪とは言えない。
---ロボトルのレフェリー「ミスターうるち」の登場シーンはアニメ並みに突飛な登場デモが追加されている。
---サケカースにシンセイバー、サラミにゴクード、イワノイの機体にデスボムパーツといった構成((どれもアニメ版を髣髴とさせる機体設定・構成))など。
---アニメ版アバンタイトル時ナレーションをほぼそのまましゃべるモブまでいる。
-''システム・機能解禁の不自由さ''
--前作にもあったが、戦闘中にフォースゲージを溜める「チャージ」や必殺技「メダフォース」はシナリオを進行させ、「メダロット検定」を合格しないと解禁されない。
---本作に導入された「コンボ」や「メダチェンジ」、「ローテーション」もシナリオの中盤以降でないと使用できない。通信機能の開放やメダリアの装着などもその都度対応したメダロット検定を受講しないと機能が開放されない。
---各種システムの使い方を丁寧に解説し、おまけにクイズやシステムを活用した実技ロボトルなどチュートリアル的な一面こそあるが、一々特定の場所にお金を払って試験を受けに行くこと自体が面倒。
---ちなみに「メダロット検定」自体の通知は定期的に来るため見落とすことはないが、いくつかの受験をスルーすることは可能。
-''メダガチャとカジノによる資金繰り・パーツ集め''
--メダガチャコインと引き換えにパーツを手に入れることができる「メダガチャ」でわりと簡単にお金稼ぎが可能になってしまう。
--前作と違ってメダガチャコインはカジノコインを経由することで実質現金で購入可能になっている。
--そしてメダガチャでも割とパーツが出やすいように調整されており、「所持金をすべてカジノコイン→メダガチャコイン化してメダガチャを延々回し、ダブったパーツを売る」ことを繰り返すだけで、手間こそかかるが確実に大金を手にすることができる。
---一応メダガチャにも「メダガチャでしか入手できないパーツが低確率で入手できる」という要素があるため、この稼ぎが必ずしも邪道というわけではないのだが…
---この方法で稼ぎ&パーツ集めができてしまうため、カジノでレアパーツが手に入るチャンスがあるボーナスゲームを狙う理由が薄くなっている。
---逆にパーツの買い取り価格が売値の25%とかなり低くなっているうえ、今作では現金がほとんど手に入らないため、普通にプレイすると資金繰りが苦しくなることも。
-''メダリア生成に関して''
--クリア後からの解禁要素であり、イベントなどで手に入れたレシピに従って生成するか、任意の素材を組み合わせて生成することができるのだが…
---肝心のレシピは通常プレイのみで全種類入手できるわけではない。一部レシピは配信によって解禁されるものとなっている。
---一方有志の手によって総当たりで素材の組み合わせ法則・レシピが解析されている。
--素材は特定の野良メダロットとのロボトルやフィールドで拾うことで入手。
---通常は野良メダロット以外の相手もエンカウントし、従来作同様逃走用アイテムを使わなければ戦闘をスキップできないため、素材を集める際はかなり煩わしい。
---フィールド上に落ちている素材もあるが、センサーアプリを使用しなければ位置を確認できない。
-''戦闘回避方法に関して''
--シリーズおなじみの「ロボロボメダル」による戦闘キャンセルのみ。
---今回は比較的わかりやすい場所でロボロボメダルをまとめて大量に売ってくれる。
---前述したメダガチャでもはずれ景品としてガンガン入手可能なので不足するという事態にはあまりならない。
--ある程度のレベル上げやパーツ集めが必要であるとはいえ、シリーズ通して戦闘回避方法を改善する気が見られない。
---「おなじみの仕様」と言えばそれまでだが[[トヘロス、せいすい>ドラゴンクエストシリーズ]]等のように「そもそもエンカウントしなくなる」方法があるゲームもある。
-''ARカードに関して''
--ARを利用したメダロットの撮影機能には専用のARカードが必要。
---専用ARカードの入手は早期購入特典や雑誌付録、イベント配布とかなり限られている。
---本編には関係ない要素ではあるのだが、不便ともいえる。
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**問題点
***バグ・誤植について
&bold(){※現在こちらに記載しているバグの多くは後述する「更新データ」を導入することで改善されている。}
-''ゲーム進行・ロボトルに影響を及ぼす多くの設定ミスやバグ''
--特定箇所でのイベント進行不能バグ(ハマる)。
--ストーリーの特定のタイミングで頭部パーツの一番下の物を売ると空白の部分を売れるようになってしまう。
---この空白の部分を実際に売った場合&bold(){所持金が99999999円になる。}
---カジノでは所持金で購入したチップをメダガチャコインに変換できるため、他のシリーズ作品と比べてメダガチャコインの入手が極端に容易になってしまっていた。
--特定箇所に配置してあったアイテム消滅
---あるメダリアが入手できない場合があった。いつの間に通信による配信と更新データによって対応済み。
--ローカル・インターネット対戦問わず行動順の同期が取れないことがある。
--対戦相手の機体表示がおかしくなっていたり、レギュレーション外のパーツを付けた対戦相手とマッチングしてしまうなど。
-''ローテーションの一部機能反映不全''
---更新データによって改善。変形指示などの機能が正式に使えるようになり、CPUの行動にも変化が起きた。
-''メダルアルバム反映バグ''
--メダルを変化させて一度アルバムに登録後レベルリセットを行うと、反映させたはずの箇所が消失するバグ。こちらも更新データによって対応済み。
-''いくつかのパーツ性能と効果表記の不一致、誤植。能力値の設定ミス''
***ロボトルを含めた各種システムに関して
-メダチェンジの利用価値が希薄。
--変形にはチャージゲージをMAXにしなければならない。過去作のシフト変形(ゲージを消費せず、最初のターンで変形指示可能)をすることが不可能。
--さらに変形機体は「2つ目のメダフォースが使用できなくなる」という謎の仕様。
---2つ目のメダフォース欄が「変形・変形解除」用コマンドに変化してしまうため。
---加えて今作では戦闘開始前に好きなだけパーツの組み換えが行えるため、通常よりも多彩なシチュエーションに対応するというメダチェンジの利点の一つが完全に失われてしまった。
-メダルのスキルレベルリセットに手間がかかる。
--ある程度メダルを育てていないとスキルレベルリセットができない。
--さらにスキルレベルリセットをしてくれる人物が非常に遠い所に住んでおり、そこまで行くのが大変。
---「砂漠街へ移動→砂漠街端のロケットに乗る→宇宙へ移動するデモ→月の洞窟(エンカウント有)→リセット担当人物がいる場所」となっている。スキルレベルリセットの度にこの区間を往復する必要がある。
-スキルレベルに応じたメダル変化はシナリオ中では活用できない。
--メダルを入手した時点での初期レベルが変化を満たすことができる配分になっていないため。
---結果、一度クリアしてレベル上げをした上でリセットし育て直すことが強制されてしまう。
-メダルの性格に一部難がある。
--前作で猛威を振るった性格「スナイパー」がこれでもかというほどに弱体化。
---頭部を優先的に狙う性格はそのままだが、実ダメージは0.8倍、行動にかかる時間(充填・放熱)は2倍という非常に利用価値が低い扱いに。
-たすけるスキルをはじめとする補助行動に威力(効力)の概念がないため、イマイチ差別化が図られていない。
-なおすスキルの「リペア系」わざは威力値が廃止され、無駄に細分化((効力の低い順に「ライトリペア→リペア→シリアスリペア」))されてしまった。
--威力や行動速度の差こそあるが、ほとんど機能していない。
-追加効果がチャージゲージに依存するわざが多く、取ってつけた感が漂う。
--実戦でわざわざチャージで隙を晒すわけにもいかないため、一瞬でゲージを最大まで溜める「フルチャージ」やメダリア「CG-MAX」の利用を推奨することに。
-モービル・スカイアプリ等マップ移動用のアイテムが削除。
--クリア後にはコンビニ前に各マップを行き来できるトランスポーターが設置されるが、メニュー画面からアイテムを使うことでマップ移動が可能だった前作と比較すると劣化している。
--メダルスキルレベルリセットの項目でも述べたが、前作同様月に行くには特定マップを経由しないといけないので手間がかかる。
-基本的に街中マップがほぼ一本道で探索する要素がない。
--移動中キャラクターが集中することで処理落ちが発生することも。
---これに関しては3DS本体の更新を行うことで改善されることも。
--カメラワークもあまり良いとは言えない。
-対戦バランス。
--いくつかは更新データによって調整こそ入ったものの、相変わらず強力な効果を持つわざ・メダフォース・メダリアも多い。
---ただし、それぞれにも一応弱点は存在するため、完全に対処不能といった戦術は無い。
--前作同様パーツ間ステータスの上位下位互換自体は少なめなのは評価点。
---しかし戦車パーツは攻撃を絶対に回避できなくなった。一応他のタイプの脚部に比べると耐久度が高いが、脚部パーツによる防御行動がオミットされたので結果耐久が十分とは言えない。
---逆手にとった戦法もなくは無いが、今作は全体的に回避率が高いのでメダルと相性がいい他の脚部があれば戦車は[[採用しづらく>アーマード・コア ラストレイヴン]]なる。
***シナリオ・キャラクターに関する問題点
-伏線の張り方に難がある。
--「本作の黒幕はある『博士』」であることを何度か敵対する月のメダロットなどから明らかにされるのだが、主人公アズマは割とあっさり身近な協力者であるメダロット博士を疑い始める。
---ちなみに過去作でメダロット博士が闇落ちするような描写は一度もない。
--正直過去作のプレイヤーなら即黒幕が分かってもおかしくない。特に前作をプレイした人間なら確実にわかるはず。初見プレイヤーから見てもミスリードがうまいとは言いがたい。
-主人公が持つ「友達」の考え方の根底となっている過去の出来事も何度か話題にはなるが、明らかになるのは終盤。
--主人公が唐突に思い出して過去を語りだす。その過去をプレイヤーが見てきたわけではないので……。
-登場人物たちの行動理念が希薄、疑問が残る。
--主人公のアズマは、「メダロットと人間は友達」という発言ばかり繰り返すが、説得力が薄い。
---そもそも当人が「メダロットとの信頼関係を築きあげる」前に理念だけ語っても無意味である。
---前述した「自分とメダロットが友達」だと考えるに至るまでのエピソードも根拠としては乏しく、前作でもやや一方的な主張をしていたので成長がない。
--友人も主人公と同様これから起こる世界の危機について知るのだが、さほど協力してくれない。
---日常シーンや道中だとチームロボトルや会話があるのだが、肝心なイベントが発生するダンジョンに限ってついてこない。
--ライバル格のはずのコハクも、常に競い合う好敵手というよりは道中で数回だけ戦う相手といった程度。
--ウィローズは終盤それなりにまともになるとはいえ、序盤の主人公らへの外道行為は相変わらず。改心する要因も主人公による必死の「友達」アピールなので腑に落ちない。
---改心するのはかなりの後半で、当人たちも「お前とロボトルしている時はなんだかんだ言って楽しかった」と言い出す。今さら何を……。((前作では同じように用済みと見なされた後も改心せずこれまでの経緯をリセットして横行を繰り返したため、そういう意味ではマシにはなっているが))
--序盤で登場する主人公の2体目のメダロットの主人公への態度の変化も唐突。
---主人公機ほど心情描写がされることがなく、シナリオ終盤に唐突に告白される。場面と内容自体は問題ないのだが、そこに至るまでの心情の変化はシナリオで全く描写されていないため違和感がある。
--主人公と協力関係になるキャラがプレイヤーに納得のいく説明のないまま敵にまわる、主人公を助けてくれる3人組が1人だけものすごい空気、と他のキャラクターの動かし方にも粗がある。
-シナリオ中の過去作キャラの扱いに関して。前作に比べれば大分良くなったが疑問点も。
--天領イッキは『DS』と同じく、主人公の住む町のコンビニ店員として登場。
---主人公の兄貴分としてメダロットのことを丁寧に教えてくれたり、あるキャラクターに扮して主人公のサポートを行うなど『DS』に比べれば活躍が増えている。
--一方『DS』でこれでもかとシナリオを引っぱったせいか甘酒アリカはなりを潜めることに。
---メダジャーナルという形で、各章ごとの事件のあらましや結末をニュース記事として配信するのだが、本編で主人公たちと顔を合わせることまでなくなってしまった。
--ロボロボ団幹部の面々は『DS』の時と同じく、『2』の幹部デザインそのまま。おマヌケなところもそのまま。
---相変わらず幹部の一人であるシオカラの改変がひどい。前作のような露出狂ではなくなったが、放屁で主人公を気絶させるなど下品な人物になってしまった((ただし、公式HPのキャラクター紹介では「何かにつけて脱ぎたがる節がある」と表記されている。))。
--ヘベレケ博士は前作同様ぽっと出。ただし、伏線は一応ある。
#region(以下ネタバレ)
-表向きの行動理念は『DS』同様メダロット達を人間から解放するのが目的。
--月のメダロット達に「地球上の人間のメダロットに対する扱い」に関する嘘を吹き込み、人間を憎むようにけしかけた。
--しかし月のメダロット達は噂を信じる者と信じない者の二派に内部分裂。紆余曲折を経て、噂を信じ地球人を信用しなくなった月のメダロット達は月を地球に衝突させようという事態に。
--地球の人間を信じる月のメダロット側は月の地球の衝突を一時的に遅らせて地球に助けを求めるために、動力システムであるMドライブと現状を伝えるメッセージを地球に向けて射出させた。
---要するに月のメダロットと地球のメダロットを都合の良いように操ろうとしたがうまくいかず、その計画を軌道修正するためにロボロボ団にMドライブを集めさせるなどして暗躍していたという小物であった。
// --&s(){そもそも彼の世界征服は『2』で失敗、『3』で調査協力という立ち位置ながらセレクト隊に手を貸すようになり、『4』では潔い敗北宣言をしているのにその件の説明はない。}
// ↑今回は設定一新したので4のアレは無しってことでしょう。レゾナンスシステムはこっそり出てるけど・・・
// 結局都合の悪い部分だけを消し去っただけなのだから明らかに問題点
#endregion
-クリア後のイベントが少ない。
--前作はクリア後も快盗レトルトやロボロボ団を追いかける等のイベントがあったが、本作はクリア後に解禁されるランキング戦とトーナメント戦ぐらいしか大きなイベントが無い。
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**「更新データ」に関して
あまりのバグの多さに公式もこれはマズイと思ったのか、発売から2か月後である2012年11月27日に「更新データ Ver1.1」をニンテンドーeショップ経由で配信開始した。これにより多くの問題点が改善された。
-''多くのバグフィックス''
--イベント進行不能バグ、アイテム消失バグ、カジノ関係のバグ、対戦時の移動スピード同期、メダルアルバムバグ、ローテーションバグ、一部パーツ・メダフォースの効力などといった大部分の不具合(実装されていなかった仕様含む)が改善された。
-''一部パーツ能力・ステータスの調整''
--大会などで猛威を振るった強力パーツ・わざに調整が入ることとなった。
---回数制限無しに回避行動や必中効果を付加するパーツ、メダフォースを最大まで溜めるパーツ、成功と回避を同時に上げ防御役を打破するパーツ、比較的高速で両腕を連続使用できるパーツ等に充填・冷却時間、回数の下方修正が行われた。
--下方修正だけでなく、ドークスの変形後のように上方修正を受けた機体もごく一部存在する。
---また、サクリファイスと呼ばれる「使用パーツを犠牲にする代わりに、残装甲に応じた威力を追加する」という強力な攻撃行動にも、「残装甲の半分を威力に追加」という下方修正が行われた。
-''一部テキストなどの修正・変更''
--一部パーツの解説テキストが本来の効力のものに準ずる形で修正された。
--一部メダロッターの使用メダロットパーツ構成が変更。これにより通常プレイで揃わなかった一部のパーツが入手できるようになった一面も。
なお、『[[マリオカート7]]』などと同様に、現在はこの更新データをダウンロードしなければ、インターネット対戦を利用できないようになっている。
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**総評
前作の問題点を段階的に改善しつつ、新要素も取り入れた一作。~
相変わらず過去作ファンや旧作の要素に引っ張られている感じはぬぐえないが、ロケットカンパニー製のメダロットとして着実に進化を続けていることが感じられる。
ナンバリングこそ『7』と冠されているものの、キャラクター設定は新規でも入りやすく、~
肝となるロボトルもテンポの向上やインターフェースの改善など初心者にも遊びやすく仕上がっている。~
数多くのパーツやメダルを収集し、実戦で様々な組み合わせ・戦術を試すという醍醐味は新システムの導入でより魅力的になった。~
初めてメダロットに触れる人にも、かつてメダロッターだったプレイヤーにも改めて勧めることができる作品だろう。
一方で、やや単調なシナリオ進行と描写が浅い主要人物たち、過去作キャラ・設定の扱い方、数多くのバグ、未だパワーバランスの激しい対戦環境など粗が残っているのも事実。~
開発側による更新データ配信や定期的なアイテム・ネット対戦レギュレーション配信など一定の取り組みは評価されているため、今後のメダロット作品にも期待したい。
前作『メダロットDS』は当初の予想を上回るヒットを記録したが、今作もそれにはわずかに劣るものの、2バージョン合計で約107,000本以上という安定した売り上げを記録しており、続編製作にも期待が持てる状態である(もちろんGB・GBC時代の輝きには及ばないものの、『メダロットnavi』の約73,000本が最高であったGBA時代と比べると人気は上向いているといえる)。
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**余談
-本作の発表を記念してニコニコ動画にてアニメ版メダロットのDVDBOXを発売していたスーパービジョン提供のチャンネル「フルアニMAX」にて特集番組が組まれていた。
--原作者ほるまりん氏直々に本作に登場する新機体の紹介や「メダロット総選挙」と題した人気キャラクター投票などが行われた。
-本作でついに『真型メダロット』以外のシリーズ作品からメダロットが選出されることになった。
--また、前述した特集番組の合間にほるまりん氏が色紙に『真型メダロット』の主役機体を描いており、それをコメント付きで公式ブログに掲載した。
---これに対してファンどころかメダロット社公式ツイッターアカウントですら「[[…真型…だと…!>https://twitter.com/medarotsha/status/220801847890423808]]」と動揺していた。
-前作同様ちらほら小ネタ・パロディも散見する。
--メダロッターの登場台詞に顕著。特定の女性型メダロットを「俺の嫁」と呼称したり、[[VIPネタ>http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%DD%A5%A9]]を使っていたり、某ロボットアニメ・某特撮のパロディだったり。
-PVには「メダロット ニンテンドー3DS&bold(){第一弾!}」という記載があり、後の2013年11月14日に『[[メダロットDUAL>メダロットDUAL カブト/クワガタ]]』が発売された。
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*メダロット7 カブト/クワガタ
【めだろっとせぶん かぶと/くわがた】
|ジャンル|ロールプレイング|&amazon(B0095ET5P8)&amazon(B0095EST50)|
|対応機種|ニンテンドー3DS|~|
|発売元|ロケットカンパニー|~|
|開発元|デルタアーツ|~|
|発売日|2012年9月13日|~|
|価格|6,090円(税込)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|前作の問題点を改善&br()人気機体の復活&新たな機体の追加&br()新システムや演出面の強化&br()バグや対戦バランスなどの粗も残る&br()前作は半ばなかったことに|~|
|>|>|CENTER:''[[メダロットシリーズリンク>メダロットシリーズ]]''|
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#contents(fromhere=true)
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**概要
『メダロット』シリーズ久々の新作であった『[[メダロットDS>メダロットDS カブト/クワガタ]]』。~
シリーズの再始動に喜んだファンは多かったが、一作品の出来としては物足りないものであった。~
『メダロットDS』発売から数か月後、「ニンテンドー3DS向けにメダロットを開発中」であることが明らかにされ2年が経過。~
そして、ナンバリングを復活させ((公式では『メダロットDS』がシリーズ6作目のナンバリング作品として扱われる。))本作『メダロット7』が発売された。
前作と同じスタッフによる制作、メインキャラクターデザインの変更などファンにとって不安要素もあった一方、~
新ハードで大幅に向上したグラフィック、再登場した数々の旧機体、旧作のシステム復活と新システムの登場、~
すれちがい通信によるチーム交換など、一層パーツ集めやロボトルを盛り上げてくれる数々の新要素と改良が加わった。~
こうして多くのメダロッターの不安と期待が渦巻く中、ニンテンドー3DSという新たな舞台で熱いロボトルが始まるのであった。
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**今作以前の作品との関係
-基本的に設定は完全一新されたために、前作以前の過去作品とは話がつながらないようになっている。
--主人公アズマを初めとする主要人物の基本設定や立ち位置などが『メダロットDS(以下DSと表記する)』とほぼ同じであるが、本作でも『DS』の冒頭と同じように「主人公が最初はメダロットを持っていない」など、前作と時系列が異なることが窺える。
--本作の物語の冒頭は、主人公がメダロットを手にした直後、公園に隕石が落下し事件に巻き込まれるという『DS』のエンディング後のイベントを髣髴とさせるものであるが、やはりつながりはない。
---&bold(){『DS』で張られていた伏線や各種設定は実質なかったことになっている。}
--過去作キャラも何名か登場するが、名前が同じで顔が似ている別人程度の認識で問題はない。
---ファンサービスなのか「過去の話」として昔のイッキ、アリカ、キクヒメ((いずれも『メダロット2』に登場するキャラクター。))と旧デザインのティンペットがゲーム開始デモで登場する。
---ストーリーに直接絡まない過去作キャラも登場。一部過去作との関係性や設定が残っていると思われる人物も存在するが、これらは対戦相手としての登場のみなので、さほど気にするほどでもない。
---過去作キャラの扱いに関しては評価点・問題点それぞれに後述する。
----
**前作(DS)からの主な変更点・新要素
-プラットフォームが3DSに移ったことで全体的にグラフィック面が強化されている。もちろん3D表示にも対応。
-メダロットチームを本体に登録し、すれちがい通信でチームをやり取りすることが可能。
--すれちがい通信で出会ったチームとのロボトルに勝利すれば、通常のロボトルと同じくパーツをもらうことができる。
-いつの間に通信を登録すれば「メダロット通信」を受信し、貴重なメダルやパーツなどが手に入る。
--アイテムのほかにも公式大会優勝者のチームや特別なパーツを持ったチームなどが配信されることも。
--メダロット通信は定期配信。なお、過去の配信内容は一括して受信すること可能。
-専用のARカードを使用することで、現実世界でメダロットを映し出し撮影することが可能。
--ARカードは早期購入特典付属物や雑誌付録、イベント会場などという手段で配布された。
-特定機体の変形機構「メダチェンジ」が再登場。
--ルールは旧作とは変更されている。ちなみにメダチェンジ自体は『[[メダロットnavi>メダロット・navi カブト/クワガタ]]』以来約10年ぶりの採用となる。
-オート時の行動を制御する「ローテーション」が復活。
--命令条件が過去作と比較して大幅に増加、うまく条件を設定すれば状況に応じて複数のローテを使い分けることも可能に。
-一回の行動で複数のパーツを使用できる「コンボ」システムの追加。
--『メダロット5』に登場した「メダコンボ」システムとは名前こそ似ているがまったく別のシステム。
-パーツの新わざの追加。前作でも存在したわざでも効果が変更されているものが多数。
--前作以上に同系統のわざの差別化が図られている。
-メダリアの効力が前作に存在した「スキルレベル向上」や「症状無効」のほかに「リーダーに装備することで発揮」「パートナーに装備し機能停止時に発動」などと細分化された。
-ある条件を満たすことでメダルの装備アイテム「メダリア」を自分で生成し、入手することができるようになった。
--ゲームクリア後メダリアを生産する素材を集めて組み合わせることで生成可能。
-メダルのスキルレベル種類が一部統合され6種類に、メダルの得意な脚部が複数種類になった。
-ゲーム中ある条件を満たすことでメダルのスキルレベルリセット(育て直し)が可能になった。
-メダルの性格カテゴリが変更。行動選択ターゲットの傾向だけでなく、ダメージ量や行動速度にも影響するものが登場した。
-メダルのスキルレベルがある条件を満たしていたとき、メダルの絵柄が変化することがある。
-相手とエンカウントした後でもメダロットの組み換えが可能になった。
-特殊な条件下のロボトルが多数登場するようになった。
-キャラクターデザイン(人物イラスト)はむっく氏が手掛けている。
--『DS』やそれ以前の作品で登場したほるまりん氏デザインのキャラクターも新たに描かれている。
--作品の世界観を崩すことなく、旧作ファンからも好評。一方でクセのない無難な感じになったともいえる。
---モブキャラクターのデザインも手掛けている。かわいいキャラクターも多い。
-カジノが登場。
--カジノで手に入れたコインを使ってパーツやメダル、メダリアを入手できる。
--遊べるゲームの内容はスロットとブラックジャック。条件を満たせばボーナスゲームが発生。
---ボーナスゲームはもちろんロボトル。スロットで決まったメダロットでレアパーツを持つ機体と戦う。
-ゲームクリア後には曜日・時間限定のロボトルトーナメント・大会が開催。
--貴重なパーツを持つメダロッターや懐かしい旧作キャラとのロボトルが楽しめる。
----
**評価点
***参戦メダロット・メダル面
-''機体数の増加''
--前作の約2倍と大幅に追加され、過去作と同程度のパーツ数となった。
--内訳は『DS』に登場した70機+過去作に登場した人気機体40機+新規メダロット30機の合計140体600パーツ。
---ただし、バージョン専用機体と現時点では入手不能な機体((各バージョンごとに主役機のアナザーカラー(性能は同一)とチュートリアル用の雑魚機体))がいるため、片方のバージョンで手に入るのは実質全138体となる。
-''人気機体の再登場''
--『初代』~『4』の人気機体はもちろん、再登場の機会に恵まれなかった『5』や『navi』の機体もついに再登場。
--ゲームシステムの変化に合わせ過去作に登場した機体の多くは何らかの性能は変更されている一方、「ブラックメイルのゴースト攻撃」や「サムライのビームソード攻撃」など旧作に存在した行動や仕様を調整したうえで再現している機体も存在する。
--また、公式イラストすら公開されずゲームでは設定ミスによって入手不能であった『5』のとある機体や、イマイチ知名度の低かった『G』のみに登場した機体が再登場。
---しかもそれらの機体がストーリー中で主要キャラとして抜擢されていたことも、多くのメダロッターが驚いた。
---ただ旧機体の選出に関してはやや疑問が残るものも。詳しくは後述。
-''新規機体・前作登場機体の扱い''
--原作者ほるまりん氏によってデザインされた新メダロットたちも好評。
---前作同様特定機体を少し手直しした機体もそこそこいるが、デザインや性能自体は差別化が図られている。
--『DS』に登場した70機も新たにモデリングが作り直され、性能が変更・調整されている。
---「レストアンジェ・リバイブアンジェ・ギガファント」などのように一部デザインやパーツ名が『DS』から変更された機体も存在する。
***グラフィック・表現面
-''プラットフォーム変更によるグラフィックの強化''
--特にメダロットはその個性的なデザインを余すところなく表現されている。
--ロボトル中のパーツモーション・エフェクトも強化。
---「ブルースドッグの胸部銃口展開ギミック((元ネタはマンガ版メダロットのシアンドッグ。ブルースドッグにそのような描写は無かったが、シアンドッグの後継機であることを考えれば。))」など一部のメディアでしか再現されていなかった専用モーションも登場。
---機体によっては純正で組むと専用のポーズをとってくれるものも。
---後述する変形機構「メダチェンジ」にもきちんと対応。変形可能全機体に変形シークエンス・専用行動モーションが用意されているという徹底ぶり。
--街中やダンジョン、キャラグラフィック等は全て3Dで表現されるようになった。
---会話時のバストアップグラフィックは2Dのまま。
***カスタマイズ面
-''パーツわざの追加・調整''
-予約した複数パーツを連続使用する「コンボ」システムや味方の行動に合わせて畳み掛ける「CF行動」といった、連続行動を行うわざの登場によって戦術の幅が広がった。
-前作で登場したわざも様々な効果調整・変更が行われている。
--猛威を振るったアサッシンは「パーツを破壊し損ねると自爆」などの調整が加わっている。
--前作あまり使いどころがなかったトルネードは「相手の動きをストップ+飛行タイプ扱いにする」という効果に。足止めに加えアンチエアとのコンボを狙うなどの使い道が生まれている。
-もちろん新わざも登場。
--過去作(主に『1・2・R』)に存在した威力格闘などもブレイクハンマー・ビームソードといった形で登場。症状射撃のサンダーショットやフリーズショット等わざのバリエーションが増えた。
--ソード・ハンマー、ライフル・ガトリング等の同系統の技は前作以上に差別化が図られている。
-''メダル関連の仕様変更''
--行動スキル「なぐる」「がむしゃら」を「かくとう」、「うつ」「ねらいうち」を「しゃげき」に統合。結果、メダルのスキル体系は「かくとう・しゃげき・たすける・なおす・まもる・しかける」の6種類となった。
---これにより、限られた攻撃法・戦術に特化せずによくなり、メダルの使いまわし、パーツの組み合わせの変更が容易になった。
--メダル1枚当たりの得意な脚部の増加や性格のバリエーションの追加等も図られている。
-''スキルレベルに応じたメダル分岐変化''
--本作ではメダルの育て方によって『5』の「メダルトランスフォーム」のようなメダル性能の分岐変化が発生。
---もちろんメダルによっては性格や得意な脚部、習得メダフォースが変化する。
***ロボトル(戦闘システム)面
-''CPU戦エンカウント後からのパーツ変更が可能に''
--入手したばかりのパーツをすぐにチームに組み込んでみたり、飛行型メダロットを所持する相手が現れたら即座に対空攻撃パーツに付け変える、地形が変わったら脚部パーツを付け直すなど、対戦相手ごとに対策することが容易になった。
--セーブができない連戦であっても、パーツの組み換えは一戦ごとに変更可能なため難度は下がった。
-''特定条件下のロボトルルールの復活・追加''
--仲間のメダロットと共に戦う「チームロボトル」の復活。
---イベント戦を除いて、仲間と共に行動している時は「仲間のメダロットを借りてチームロボトルする」か「自分のメダロットだけでロボトルする」かを選べる仕様となっている。
--『4』に登場した「6体勝ち抜きロボトル」なども復活。このほかにも条件付きロボトルも登場。
---イベントで現れた「転がる岩」や「防衛システムの扉」などの障害物を破壊するために戦う一方変わったロボトルも。
--一部ボス戦では&bold(){巨大メダロット}が立ちふさがる。見た目もさることながらステータスも強力。
---頭胸部・右腕・左腕でそれぞれ1体枠を使用するというインパクトのある仕様。頭胸部を破壊すれば勝利となる。
-''ロボトル中の画面表示構成の改善''
--基本的にファンにはお馴染みの「シャトルランロボトル」と呼ばれるものを踏襲。
--上画面ではロボトルに参加しているメダロットが3Dで表示。
---『R』のように画面を走りまわらないのを寂しいという意見もあるが、そもそもメダロット全体の行動スピード・充填冷却状況が高速化され、行動選択表示または戦闘アニメに頻繁に切り替わるので気にならない。
--下画面上部にある「フィールドスクリーン」に各メダロットの行動スピード・充填冷却状況が表示されるようになっている。イメージとしてはGBシリーズの「横表記」に近い。
---行動スピードは『DS』と比較して高速化(『5』に近い速度)したため、一戦あたりのテンポが改善されている。
---『DS』で採用された「3Dモデルが走る縦表記シャトルラン」は見た目こそ良かったが、如何せんスピードが遅く距離間隔が分かり難く廃止、旧来のものに戻した結果行動順視認性も改善された。
--下画面下部には残り制限時間のほかに、敵味方エリアに仕掛けられているトラップやプラントの種類・重ねがけされた回数、味方の各機体が選択しているパーツの表示・充填冷却状態、&bold(){敵味方各機体の現時点での防御・回避可能・不能状態の表示}など、ロボトルに必要な情報が網羅されている。
---他にもガード体勢や連携攻撃、チャージゲージ溜めの待機時間なども合わせてゲージや数字で可視表示されるようになった。
-''戦闘テンポの改善''
--前述したが、各メダロット行動速度もといゲームスピードが高速化。
---アニメスキップは廃止されてしまったが、戦闘演出自体は速いためテンポを阻害しない。
--メダロット自らが脚部パーツで防御することの廃止。
--両腕部破損機体は常時防御不能・脚部破損機体は常時回避不能という仕様。
---この二点の仕様変更も、ロボトル決着までの時間の短縮に一役買っている。
-''メダチェンジの復活''
--『navi』以降長らく登場していなかった変形機構「メダチェンジ」が今作で復活。
--純正セッティング以外変形不可という縛りや変形後は脚部タイプ・行動内容が変化という基本ルールは過去作と変わらないが、変形ルールの一部が変更されている。
---余談の域ではあるが第二変形形態であるクラフティモードは登場しない。
***インターフェース・各種機能
-''「メダル愛称設定」の復活''
--『DS』で削除され大顰蹙を買った「メダルの名前機能削除」だったが、本作で復活。
--特定の場所で無償でリネーム可能なので安心。愛機に好きな名前を付けてあげよう。
---ただしインターネット対戦やすれちがい対戦ではメダル愛称は反映されず機体名表記となる。
-''メダルスキルレベルのリセット''
--『DS』では一度レベルを上げてしまうと取り返しのつかなかったメダルレベルの育成だったが、本作では特定の条件を満たせばメダルのスキルレベルのリセット…つまり育て直しが可能になった。
--メダルが分岐変化するシステム・それを記憶するメダルアルバムが搭載されたため、より戦略に合ったメダルを育成したりメダル図鑑のコンプを目指すのであれば、大いにお世話になるだろう。
---ただし、こちらにも利便性に不満が残る。その理由は後述。
***シナリオ・キャラクター面
-前作に比べればシナリオ本編のボリュームは増加し、内容もそれなりにまともになっている。
--主人公機以外これといった絡みが無かった前作だったが、本作はメダロットの主要キャラも登場する。
---マップ上でも様々なメダロットが人間キャラと共に登場し、会話する機会も復活した。
-前作では完全空気と化していた主人公の友人たちだが、チームロボトルを含め共に行動する場面も増えた結果、前作に比べると扱いが改善されている。
--前作の問題児「ウィローズ」も序盤こそ前作並みにロボロボ団とつるんだり難癖を付けてくるなど迷惑をかける集団であるが、シナリオ後半では主人公たちに協力してくれるように。
-前作の「ドンッ!」のような主人公突き飛ばしはなくなった。
#region(以下ネタバレ含む)
-終盤には脅威の歴代ラスボス&強敵ラッシュが待ち受けており、ファンなら熱くなること請け負い。
-そして今作のラスボスはまさかの機体が登場。あの機体があの登場をすることには特にアニメ版視聴者には感慨深いものがある。
-ヒロインによるEDの分岐もDSに引き続き健在。ちゃんと一枚絵つき。&s(){母親とクルミは攻略できなくなったが。}
#endregion
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**賛否両論点
-''戦闘アニメカットの削除''
--ただし戦闘時はロード無し、アニメーションも超スピーディなのでそこまで大きな問題とはなっていない。
-''BGM・SE(効果音)のバランス''
--攻撃命中時などSEの音がやや大きめで、BGMとのバランスがイマイチ。
---迫力があるという声もあるが、設定で変えられるようだったらベストだったかもしれない。
-''仕様変更によるゲームスピードの変化''
--防御時のダメージは残り装甲の高い部分に割り振られるのがシリーズの基本だが、本作では防御によって脚部へダメージが割り振られることが廃止されている。
--これによりダメージは基本的に腕部→頭部へ優先的に割り振られるようになっている((脚部を狙われている状態で防御できなかった場合などは従来通り脚部でダメージを受ける))。
--加え、両腕が破壊された機体は常時防御不能状態、脚部が破壊された機体は常時回避不能状態として扱われる。
---上記の仕様と防御不能or回避不能付加行動の増加も相まってクリティカル・被クリティカルの確率も上昇。一機体の機能停止まで時間が短くなり、ロボトル自体が「先鋭化」したとも取れる。
-''ガード行動の優位性の下降''
--前作以上にダメージのインフレが激しくなったため、対人戦において下手なガードはただの的になりがち。
--さらに追い打ちをかけるようにステルス行動に「相手のガード行動をすり抜ける」効果が付加、手軽に使用できる上効果対象は味方全員。
---更新データの適用により、レーダーサイト行動にステルス効果を無力化する機能が追加。ガードを無力化するステルスへのメタが成立することに。
--反面、射撃ガードと格闘ガード、ミラーガードとカウンターのコンボ((前者は該当する攻撃のダメージを全て0にする、後者はやや遅い代わりに該当する攻撃を無効化した上にダメージを反射する。))は、ステルスがなければメダフォース以外では歯が立たない。
---強力な二つのガードの存在とダメージのインフレによってただのガードや60ガード((総ダメージが60以下の攻撃を無効化、するのだがメダルが育っていれば攻撃力10以下のパーツでもダメージ60突破は余裕))のパーツの地位が更に低くなってしまった。
-''お使い感の強いシナリオ''
--各地に散らばった「Mドライブ」と呼ばれる装置を集めて、地球に迫る危機を回避するのが本作の目的なのだが…
---章が始まるとどこかに隕石が落ちたことが何かしらの方法で主人公の元に伝えられる。その地へ主人公一行が向かい、ダンジョンを制覇してMドライブを守るものあるいはそれを奪いに来る敵対組織と戦って一章が終わるというのが主な流れ。
---この問題点はサブイベントやダンジョン・舞台になる施設などが少ないことに起因している。
---ただダンジョンに関しては以前のものより凝った作りのものが増えている。
-''過去登場機体の選出に関する疑問点''
--一部ボス機体が選ばれなかったり、カブト・クワガタ系機体が追加されなかったことに疑問の声が上がることも。
---ただ、この辺に関しては、きりのない話ではある。
--エンディング後旧作キャラが対戦相手として登場するのだが、参戦機体の関係上明らかに過去作のイメージと異なる機体を与えられているキャラクターがいる。
---特に『5』の主人公・ライバルたちを初め、一部過去キャラに合わせた機体を用意していないのは残念。((一応初代のライバル「ユウキ」には『7』で初登場した最新ザリガニ型メダロットをあてがったりするなど、配役を合わせようとしている部分もある))。
-''『DS』同様アニメ版を意識した要素''
--基本設定が一新されたものの、ロボロボ団等キャラクター作りは旧作ゲーム版ではなくアニメ版寄り。ただし、小ネタとして面白いものもあるため一概に改悪とは言えない。
---ロボトルのレフェリー「ミスターうるち」の登場シーンはアニメ並みに突飛な登場デモが追加されている。
---サケカースにシンセイバー、サラミにゴクード、イワノイの機体にデスボムパーツといった構成((どれもアニメ版を髣髴とさせる機体設定・構成))など。
---アニメ版アバンタイトル時ナレーションをほぼそのまましゃべるモブまでいる。
-''システム・機能解禁の不自由さ''
--前作にもあったが、戦闘中にフォースゲージを溜める「チャージ」や必殺技「メダフォース」はシナリオを進行させ、「メダロット検定」を合格しないと解禁されない。
---本作に導入された「コンボ」や「メダチェンジ」、「ローテーション」もシナリオの中盤以降でないと使用できない。通信機能の開放やメダリアの装着などもその都度対応したメダロット検定を受講しないと機能が開放されない。
---各種システムの使い方を丁寧に解説し、おまけにクイズやシステムを活用した実技ロボトルなどチュートリアル的な一面こそあるが、一々特定の場所にお金を払って試験を受けに行くこと自体が面倒。
---ちなみに「メダロット検定」自体の通知は定期的に来るため見落とすことはないが、いくつかの受験をスルーすることは可能。
-''メダガチャとカジノによる資金繰り・パーツ集め''
--メダガチャコインと引き換えにパーツを手に入れることができる「メダガチャ」でわりと簡単にお金稼ぎが可能になってしまう。
--前作と違ってメダガチャコインはカジノコインを経由することで実質現金で購入可能になっている。
--そしてメダガチャでも割とパーツが出やすいように調整されており、「所持金をすべてカジノコイン→メダガチャコイン化してメダガチャを延々回し、ダブったパーツを売る」ことを繰り返すだけで、手間こそかかるが確実に大金を手にすることができる。
---一応メダガチャにも「メダガチャでしか入手できないパーツが低確率で入手できる」という要素があるため、この稼ぎが必ずしも邪道というわけではないのだが…
---この方法で稼ぎ&パーツ集めができてしまうため、カジノでレアパーツが手に入るチャンスがあるボーナスゲームを狙う理由が薄くなっている。
---逆にパーツの買い取り価格が売値の25%とかなり低くなっているうえ、今作では現金がほとんど手に入らないため、普通にプレイすると資金繰りが苦しくなることも。
-''メダリア生成に関して''
--クリア後からの解禁要素であり、イベントなどで手に入れたレシピに従って生成するか、任意の素材を組み合わせて生成することができるのだが…
---肝心のレシピは通常プレイのみで全種類入手できるわけではない。一部レシピは配信によって解禁されるものとなっている。
---一方有志の手によって総当たりで素材の組み合わせ法則・レシピが解析されている。
--素材は特定の野良メダロットとのロボトルやフィールドで拾うことで入手。
---通常は野良メダロット以外の相手もエンカウントし、従来作同様逃走用アイテムを使わなければ戦闘をスキップできないため、素材を集める際はかなり煩わしい。
---フィールド上に落ちている素材もあるが、センサーアプリを使用しなければ位置を確認できない。
-''戦闘回避方法に関して''
--シリーズおなじみの「ロボロボメダル」による戦闘キャンセルのみ。
---今回は比較的わかりやすい場所でロボロボメダルをまとめて大量に売ってくれる。
---前述したメダガチャでもはずれ景品としてガンガン入手可能なので不足するという事態にはあまりならない。
--ある程度のレベル上げやパーツ集めが必要であるとはいえ、シリーズ通して戦闘回避方法を改善する気が見られない。
---「おなじみの仕様」と言えばそれまでだが[[トヘロス、せいすい>ドラゴンクエストシリーズ]]等のように「そもそもエンカウントしなくなる」方法があるゲームもある。
-''ARカードに関して''
--ARを利用したメダロットの撮影機能には専用のARカードが必要。
---専用ARカードの入手は早期購入特典や雑誌付録、イベント配布とかなり限られている。
---本編には関係ない要素ではあるのだが、不便ともいえる。
----
**問題点
***バグ・誤植について
&bold(){※現在こちらに記載しているバグの多くは後述する「更新データ」を導入することで改善されている。}
-''ゲーム進行・ロボトルに影響を及ぼす多くの設定ミスやバグ''
--特定箇所でのイベント進行不能バグ(ハマる)。
--ストーリーの特定のタイミングで頭部パーツの一番下の物を売ると空白の部分を売れるようになってしまう。
---この空白の部分を実際に売った場合&bold(){所持金が99999999円になる。}
---カジノでは所持金で購入したチップをメダガチャコインに変換できるため、他のシリーズ作品と比べてメダガチャコインの入手が極端に容易になってしまっていた。
--特定箇所に配置してあったアイテム消滅
---あるメダリアが入手できない場合があった。いつの間に通信による配信と更新データによって対応済み。
--ローカル・インターネット対戦問わず行動順の同期が取れないことがある。
--対戦相手の機体表示がおかしくなっていたり、レギュレーション外のパーツを付けた対戦相手とマッチングしてしまうなど。
-''ローテーションの一部機能反映不全''
---更新データによって改善。変形指示などの機能が正式に使えるようになり、CPUの行動にも変化が起きた。
-''メダルアルバム反映バグ''
--メダルを変化させて一度アルバムに登録後レベルリセットを行うと、反映させたはずの箇所が消失するバグ。こちらも更新データによって対応済み。
-''いくつかのパーツ性能と効果表記の不一致、誤植。能力値の設定ミス''
***ロボトルを含めた各種システムに関して
-メダチェンジの利用価値が希薄。
--変形にはチャージゲージをMAXにしなければならない。過去作のシフト変形(ゲージを消費せず、最初のターンで変形指示可能)をすることが不可能。
--さらに変形機体は「2つ目のメダフォースが使用できなくなる」という謎の仕様。
---2つ目のメダフォース欄が「変形・変形解除」用コマンドに変化してしまうため。
---加えて今作では戦闘開始前に好きなだけパーツの組み換えが行えるため、通常よりも多彩なシチュエーションに対応するというメダチェンジの利点の一つが完全に失われてしまった。
-メダルのスキルレベルリセットに手間がかかる。
--ある程度メダルを育てていないとスキルレベルリセットができない。
--さらにスキルレベルリセットをしてくれる人物が非常に遠い所に住んでおり、そこまで行くのが大変。
---「砂漠街へ移動→砂漠街端のロケットに乗る→宇宙へ移動するデモ→月の洞窟(エンカウント有)→リセット担当人物がいる場所」となっている。スキルレベルリセットの度にこの区間を往復する必要がある。
-スキルレベルに応じたメダル変化はシナリオ中では活用できない。
--メダルを入手した時点での初期レベルが変化を満たすことができる配分になっていないため。
---結果、一度クリアしてレベル上げをした上でリセットし育て直すことが強制されてしまう。
-メダルの性格に一部難がある。
--前作で猛威を振るった性格「スナイパー」がこれでもかというほどに弱体化。
---頭部を優先的に狙う性格はそのままだが、実ダメージは0.8倍、行動にかかる時間(充填・放熱)は2倍という非常に利用価値が低い扱いに。
-たすけるスキルをはじめとする補助行動に威力(効力)の概念がないため、イマイチ差別化が図られていない。
-なおすスキルの「リペア系」わざは威力値が廃止され、無駄に細分化((効力の低い順に「ライトリペア→リペア→シリアスリペア」))されてしまった。
--威力や行動速度の差こそあるが、ほとんど機能していない。
-追加効果がチャージゲージに依存するわざが多く、取ってつけた感が漂う。
--実戦でわざわざチャージで隙を晒すわけにもいかないため、一瞬でゲージを最大まで溜める「フルチャージ」やメダリア「CG-MAX」の利用を推奨することに。
-モービル・スカイアプリ等マップ移動用のアイテムが削除。
--クリア後にはコンビニ前に各マップを行き来できるトランスポーターが設置されるが、メニュー画面からアイテムを使うことでマップ移動が可能だった前作と比較すると劣化している。
--メダルスキルレベルリセットの項目でも述べたが、前作同様月に行くには特定マップを経由しないといけないので手間がかかる。
-基本的に街中マップがほぼ一本道で探索する要素がない。
--移動中キャラクターが集中することで処理落ちが発生することも。
---これに関しては3DS本体の更新を行うことで改善されることも。
--カメラワークもあまり良いとは言えない。
-対戦バランス。
--いくつかは更新データによって調整こそ入ったものの、相変わらず強力な効果を持つわざ・メダフォース・メダリアも多い。
---ただし、それぞれにも一応弱点は存在するため、完全に対処不能といった戦術は無い。
--前作同様パーツ間ステータスの上位下位互換自体は少なめなのは評価点。
---しかし戦車パーツは攻撃を絶対に回避できなくなった。一応他のタイプの脚部に比べると耐久度が高いが、脚部パーツによる防御行動がオミットされたので結果耐久が十分とは言えない。
---逆手にとった戦法もなくは無いが、今作は全体的に回避率が高いのでメダルと相性がいい他の脚部があれば戦車は[[採用しづらく>アーマード・コア ラストレイヴン]]なる。
***シナリオ・キャラクターに関する問題点
-伏線の張り方に難がある。
--「本作の黒幕はある『博士』」であることを何度か敵対する月のメダロットなどから明らかにされるのだが、主人公アズマは割とあっさり身近な協力者であるメダロット博士を疑い始める。
---ちなみに過去作でメダロット博士が闇落ちするような描写は一度もない。
--正直過去作のプレイヤーなら即黒幕が分かってもおかしくない。特に前作をプレイした人間なら確実にわかるはず。初見プレイヤーから見てもミスリードがうまいとは言いがたい。
-主人公が持つ「友達」の考え方の根底となっている過去の出来事も何度か話題にはなるが、明らかになるのは終盤。
--主人公が唐突に思い出して過去を語りだす。その過去をプレイヤーが見てきたわけではないので……。
-登場人物たちの行動理念が希薄、疑問が残る。
--主人公のアズマは、「メダロットと人間は友達」という発言ばかり繰り返すが、説得力が薄い。
---そもそも当人が「メダロットとの信頼関係を築きあげる」前に理念だけ語っても無意味である。
---前述した「自分とメダロットが友達」だと考えるに至るまでのエピソードも根拠としては乏しく、前作でもやや一方的な主張をしていたので成長がない。
--友人も主人公と同様これから起こる世界の危機について知るのだが、さほど協力してくれない。
---日常シーンや道中だとチームロボトルや会話があるのだが、肝心なイベントが発生するダンジョンに限ってついてこない。
--ライバル格のはずのコハクも、常に競い合う好敵手というよりは道中で数回だけ戦う相手といった程度。
--ウィローズは終盤それなりにまともになるとはいえ、序盤の主人公らへの外道行為は相変わらず。改心する要因も主人公による必死の「友達」アピールなので腑に落ちない。
---改心するのはかなりの後半で、当人たちも「お前とロボトルしている時はなんだかんだ言って楽しかった」と言い出す。今さら何を……。((前作では同じように用済みと見なされた後も改心せずこれまでの経緯をリセットして横行を繰り返したため、そういう意味ではマシにはなっているが))
--序盤で登場する主人公の2体目のメダロットの主人公への態度の変化も唐突。
---主人公機ほど心情描写がされることがなく、シナリオ終盤に唐突に告白される。場面と内容自体は問題ないのだが、そこに至るまでの心情の変化はシナリオで全く描写されていないため違和感がある。
--主人公と協力関係になるキャラがプレイヤーに納得のいく説明のないまま敵にまわる、主人公を助けてくれる3人組が1人だけものすごい空気、と他のキャラクターの動かし方にも粗がある。
-シナリオ中の過去作キャラの扱いに関して。前作に比べれば大分良くなったが疑問点も。
--天領イッキは『DS』と同じく、主人公の住む町のコンビニ店員として登場。
---主人公の兄貴分としてメダロットのことを丁寧に教えてくれたり、あるキャラクターに扮して主人公のサポートを行うなど『DS』に比べれば活躍が増えている。
--一方『DS』でこれでもかとシナリオを引っぱったせいか甘酒アリカはなりを潜めることに。
---メダジャーナルという形で、各章ごとの事件のあらましや結末をニュース記事として配信するのだが、本編で主人公たちと顔を合わせることまでなくなってしまった。
--ロボロボ団幹部の面々は『DS』の時と同じく、『2』の幹部デザインそのまま。おマヌケなところもそのまま。
---相変わらず幹部の一人であるシオカラの改変がひどい。前作のような露出狂ではなくなったが、放屁で主人公を気絶させるなど下品な人物になってしまった((ただし、公式HPのキャラクター紹介では「何かにつけて脱ぎたがる節がある」と表記されている。))。
--ヘベレケ博士は前作同様ぽっと出。ただし、伏線は一応ある。
#region(以下ネタバレ)
-表向きの行動理念は『DS』同様メダロット達を人間から解放するのが目的。
--月のメダロット達に「地球上の人間のメダロットに対する扱い」に関する嘘を吹き込み、人間を憎むようにけしかけた。
--しかし月のメダロット達は噂を信じる者と信じない者の二派に内部分裂。紆余曲折を経て、噂を信じ地球人を信用しなくなった月のメダロット達は月を地球に衝突させようという事態に。
--地球の人間を信じる月のメダロット側は月の地球の衝突を一時的に遅らせて地球に助けを求めるために、動力システムであるMドライブと現状を伝えるメッセージを地球に向けて射出させた。
---要するに月のメダロットと地球のメダロットを都合の良いように操ろうとしたがうまくいかず、その計画を軌道修正するためにロボロボ団にMドライブを集めさせるなどして暗躍していたという小物であった。
// --&s(){そもそも彼の世界征服は『2』で失敗、『3』で調査協力という立ち位置ながらセレクト隊に手を貸すようになり、『4』では潔い敗北宣言をしているのにその件の説明はない。}
// ↑今回は設定一新したので4のアレは無しってことでしょう。レゾナンスシステムはこっそり出てるけど・・・
// 結局都合の悪い部分だけを消し去っただけなのだから明らかに問題点
#endregion
-クリア後のイベントが少ない。
--前作はクリア後も快盗レトルトやロボロボ団を追いかける等のイベントがあったが、本作はクリア後に解禁されるランキング戦とトーナメント戦ぐらいしか大きなイベントが無い。
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**「更新データ」に関して
あまりのバグの多さに公式もこれはマズイと思ったのか、発売から2か月後である2012年11月27日に「更新データ Ver1.1」をニンテンドーeショップ経由で配信開始した。これにより多くの問題点が改善された。
-''多くのバグフィックス''
--イベント進行不能バグ、アイテム消失バグ、カジノ関係のバグ、対戦時の移動スピード同期、メダルアルバムバグ、ローテーションバグ、一部パーツ・メダフォースの効力などといった大部分の不具合(実装されていなかった仕様含む)が改善された。
-''一部パーツ能力・ステータスの調整''
--大会などで猛威を振るった強力パーツ・わざに調整が入ることとなった。
---回数制限無しに回避行動や必中効果を付加するパーツ、メダフォースを最大まで溜めるパーツ、成功と回避を同時に上げ防御役を打破するパーツ、比較的高速で両腕を連続使用できるパーツ等に充填・冷却時間、回数の下方修正が行われた。
--下方修正だけでなく、ドークスの変形後のように上方修正を受けた機体もごく一部存在する。
---また、サクリファイスと呼ばれる「使用パーツを犠牲にする代わりに、残装甲に応じた威力を追加する」という強力な攻撃行動にも、「残装甲の半分を威力に追加」という下方修正が行われた。
-''一部テキストなどの修正・変更''
--一部パーツの解説テキストが本来の効力のものに準ずる形で修正された。
--一部メダロッターの使用メダロットパーツ構成が変更。これにより通常プレイで揃わなかった一部のパーツが入手できるようになった一面も。
なお、『[[マリオカート7]]』などと同様に、現在はこの更新データをダウンロードしなければ、インターネット対戦を利用できないようになっている。
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**総評
前作の問題点を段階的に改善しつつ、新要素も取り入れた一作。~
相変わらず過去作ファンや旧作の要素に引っ張られている感じはぬぐえないが、ロケットカンパニー製のメダロットとして着実に進化を続けていることが感じられる。
ナンバリングこそ『7』と冠されているものの、キャラクター設定は新規でも入りやすく、~
肝となるロボトルもテンポの向上やインターフェースの改善など初心者にも遊びやすく仕上がっている。~
数多くのパーツやメダルを収集し、実戦で様々な組み合わせ・戦術を試すという醍醐味は新システムの導入でより魅力的になった。~
初めてメダロットに触れる人にも、かつてメダロッターだったプレイヤーにも改めて勧めることができる作品だろう。
一方で、やや単調なシナリオ進行と描写が浅い主要人物たち、過去作キャラ・設定の扱い方、数多くのバグ、未だパワーバランスの激しい対戦環境など粗が残っているのも事実。~
開発側による更新データ配信や定期的なアイテム・ネット対戦レギュレーション配信など一定の取り組みは評価されているため、今後のメダロット作品にも期待したい。
前作『メダロットDS』は当初の予想を上回るヒットを記録したが、今作もそれにはわずかに劣るものの、2バージョン合計で約107,000本以上という安定した売り上げを記録しており、続編製作にも期待が持てる状態である(もちろんGB・GBC時代の輝きには及ばないものの、『メダロットnavi』の約73,000本が最高であったGBA時代と比べると人気は上向いているといえる)。
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**余談
-本作の発表を記念してニコニコ動画にてアニメ版メダロットのDVDBOXを発売していたスーパービジョン提供のチャンネル「フルアニMAX」にて特集番組が組まれていた。
--原作者ほるまりん氏直々に本作に登場する新機体の紹介や「メダロット総選挙」と題した人気キャラクター投票などが行われた。
-本作でついに『真型メダロット』以外のシリーズ作品からメダロットが選出されることになった。
--また、前述した特集番組の合間にほるまりん氏が色紙に『真型メダロット』の主役機体を描いており、それをコメント付きで公式ブログに掲載した。
---これに対してファンどころかメダロット社公式ツイッターアカウントですら「[[…真型…だと…!>https://twitter.com/medarotsha/status/220801847890423808]]」と動揺していた。
-前作同様ちらほら小ネタ・パロディも散見する。
--メダロッターの登場台詞に顕著。特定の女性型メダロットを「俺の嫁」と呼称したり、[[VIPネタ>http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%DD%A5%A9]]を使っていたり、某ロボットアニメ・某特撮のパロディだったり。
-PVには「メダロット ニンテンドー3DS&bold(){第一弾!}」という記載があり、後の2013年11月14日に『[[メダロットDUAL>メダロットDUAL カブト/クワガタ]]』が発売された。
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