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悪魔城ドラキュラ (AC)」(2024/02/14 (水) 16:15:03) の最新版変更点

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注意:このページでは、AC版『悪魔城ドラキュラ』と、アーケードゲームのPS2移植シリーズ『オレたちゲーセン族』版について紹介する。共に「ゲームバランスが不安定」に分類。 『オレたちゲーセン族 悪魔城ドラキュラ』は「[[要強化記事>要強化記事一覧]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。~ 依頼内容はPS2版の評価(評価点・問題点・総評)の記述です。~ &color(red){''2024年5月14日までに改善されない場合は削除対応します。''} #contents() ---- *悪魔城ドラキュラ 【あくまじょうどらきゅら】 |ジャンル|アクション|~| |対応機種|アーケード|~| |販売・開発元|コナミ|~| |稼動開始日|1988年2月|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|''ボスにも効く時計による難易度崩壊''&br()操作性悪すぎな主人公&br()シリーズ異色作&br()黒歴史ゲーでもある|~| |>|>|CENTER:''[[悪魔城ドラキュラシリーズリンク>悪魔城ドラキュラシリーズ]]''| ---- **概要 ファミコンディスクシステムで第一作が出て以来、ゴシックホラーアクションゲームとして高い人気を得ている『悪魔城ドラキュラ』シリーズ初の業務用作品((国内では初だが、海外では1987年に『VS.Castlevania』が稼働していたため、ACでは2番目になる。))。シリーズ通算4作目にあたる。~ タイトルこそ初代であるディスク版と同一だが、ストーリーは一新されている。 業務用基板で出ただけあってキャラは大きく迫力があり、ホラー感あるグラフィックも緻密に描き込まれ2Dドット絵のドラキュラシリーズで最高級であり、FM音源等を用いたBGMも良好な出来だったが、肝心のゲームの出来はかなり悪かった。~ そのせいもあってかゲームセンターでもあまり出回っておらず、知名度の面では家庭用にやや劣っている。 ---- **システム -ムチによる攻撃やハートを消費してサブウェポンを使う仕様は引き継ぎつつも、完全ライフ制になっており、16目盛あるライフまたは制限時間を全て失うとゲームオーバー。 --受けるダメージ量は敵や難易度設定によって変わる(国内版は、最大で1発3目盛)。 -&bold(){コンティニューは3回までしか出来ない}(基板のディップスイッチ設定は「コンティニューあり/なし」の設定のみ)。また、ゲーム中にクレジット(お金)を投入することで、コンティニュー回数1回と引き換えにその場でライフを16目盛回復させることができる(既にコンティニューを3回行っていたり、コンティニューなしの設定の場合は当然ながら使用不可)。 --目盛をオーバーして回復させることもでき、超えた分はライフ右側に目盛分も含めた合計値で表される。ただし、その分は減ってもステージクリア後の回復はされない。 -全6ステージだが、すべてクリアしても最初のステージからゲームが続くループ制となっている。 -道中には回復アイテムが存在せず、ステージクリア時にハートの残りがライフ回復に当てられる(その分のハートを消費)。 --ライフとハート数は次のステージにそのまま持ち越されるため、ライフとハートが共に足りないと、ライフが少ないうえにサブウェポンも使えないという大変不利な状況になる。 --本ゲームにおけるハート、アイテムの入手方法は特定の敵を倒して拾う事のみで、シリーズ定番のロウソクは一切出現しない。 --よって、ノーダメージクリアができる場合でもない限り、サブウェポン(ハート)の無駄遣いは許されない。 -穴に落ちるとライフを半分失って特定のポイントからやり直し(デフォルト設定)となる。 --ライフが8以下になると落下では減らなくなる。ただし、制限時間は減り続ける為、何度も落ちていると大幅な時間ロスとなる。 ---ちなみにライフが尽きた際に受けたダメージでノックバックが発生した場合、地形へ着地するまではゲームオーバー判定とならないため、ノックバックによって落とし穴に落ちるとライフ0の状態で復帰し、そのままゲームが続行される。 -シモンといえばムチ→鎖分銅が基本武器であるが、本作では特定の敵を倒すことで、メインウェポンが「ムチ」→「モーニングスター」→「剣」になっていく。 --変わるのは見た目と攻撃力のみで、攻撃速度・範囲などは変化しない。 -サブウェポンは爆弾、ブーメラン、たいまつ、十字架、時計の5種類。 --十字架は初代のクロスのように投げるのではなく、十字架レーザー光を前方に飛ばす。(海外輸出を視野に入れての表現規制と思われる) --1回の使用につきハートを1消費する(時計のみ2)。 ---- **評価点 -モンスターのグラフィックデザインやホラーな演出など、ビジュアル面は秀逸な出来。後述されているようにシモンとラスボスだけはちょっと変だが。 -BGMについてはメイン作曲者の松原氏はじめコナミ矩形波倶楽部による質の高いものが揃っており、一つ一つの曲はとても素晴らしい。 --シリーズの名曲「Bloody Tears」がステージ3に使用されているが、他のステージのBGMも負けず劣らずの名曲ぞろいである。特にステージ5の「時計台の恐怖」は隠れた名曲としてファンが多い。 --6面BGM「夜まで待てない」は後の『[[キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲]]』で子孫である%%マグロのように跳ねる変態こと%%ユリウス・ベルモンド%%ゥエ%%のテーマとして抜擢された。 ---ちなみにそちらはFC版5面BGM「HEART OF FIRE」とのメドレーになっている。 --尚、1面BGM「十字架を胸に」は他の楽曲のインパクト等であまり目立たなかった節もあったが、後述の『悪魔城ドラキュラ THE ARCADE』の4面ボス(対ハーピー戦)にてアレンジされたBGMが使われたことでようやく日の目を見た。 ---- **問題点 このゲームは『悪魔城ドラキュラ』の新展開を模索していたのか、はたまた開発チームがファミコン版とは違うからか、[[ファミコン版>悪魔城ドラキュラ]]などとは見てくれや操作性がかなり異なっている。 -なまじキャラが大きくなったのでシモンの動きもさらに緩慢化し、攻撃が相当避けづらくなった。~ 元々「操作性の硬さをテクでカバーしろ」と言わんばかりのゲームであったが、今作はテクでもカバーできるかどうか怪しく、悪い意味で覚えゲーが助長されている。 --アーケード作品なので、クレジット(お金)を稼ぐため、テクでカバーしきれる程度の内容では困るというメーカーサイドの理由もあるのだろうが…。 -シモンの動作も、膝かどこかに爆弾を抱えたレスラーのごとく腰を押さえながら恐る恐る歩いているように見えてしまい、ぎこちない。 -最強のメインウェポンが「剣」だが、シモンおよびベルモンド家は本来ムチを打って敵やロウソクを叩くゲームだったというイメージを壊しにかかっていた。%%それはもはやベルモンドではなく[[ラスタン>ラスタンサーガ]]では?%% --後に探索型シリーズでアルカードやジョナサンといった剣も使いこなす主人公も出てくるのだが、それらの大半はベルモンドの血を引かない者達であり剣を使いこなすベルモンド家は本作のシモンのみである。また、探索型シリーズの「白夜の協奏曲」ではベルモンドの血を引くジュストが主人公で、剣を使いこなすキャラクターは%%変態こと%%主人公の親友のマクシームになっている。 -バランス面にも少なからず問題がある。即死要素こそ皆無だが、とにかく回避が困難な障害が多すぎる。 --背が低く2発当てない((初期装備のムチの場合は3発必要である為、なまじリーチがないせいでノーダメージでの撃破はほぼ不可能となる。))と倒せないザコ(せむし男)が絶え間なく突っ込んでくる3面。 --破壊不能な岩を水平に投げてくる4面ボス(ゴーレム)。''当たり判定が横にむやみに長いうえ、回避が困難な高さで投げてくる''事もあり、このせいでノーダメージクリアがほぼ運任せとなっている。 --ぶつかるとダメージを受ける出っ張りが大量に配置された5面冒頭の強制縦スクロールエレベーター。こちらの移動速度に対してあり得ないぐらいエレベーターの上昇速度が早く、次々と喰らいやすい。 ---このエレベーター、所定の位置まで行くと停止状態から前触れもなくいきなり急上昇し出すので演出としてもやや不自然なことになっている。 --どんどん後方の足場が崩れ、前方からフラフラ軌道で飛ぶコウモリが定期的に現れる6面の空中廊下。着地中の状態で攻撃すると足が止まってしまうので前方ジャンプ攻撃でコウモリを処理することになり、失敗すれば落下が近づくかダメージを受けるかとなる。 ---一応4面ボスは後述する時計で突破、それ以外もパターンを組む事でノーダメージ達成は可能だが、とんでもなくシビアで大抵は被ダメ回数を最小限に抑えるより手がない。難易度設定が変更され、敵から受けるダメージが上がっていた場合、クリアは著しく困難なものとなる。 ---ちなみに6面の空中廊下の地形判定はかなり大雑把に設定されているようで、''足のつま先部分しか足場にかかっておらず、どう見ても浮いてるようにしか見えない状態でもまだ落ちなかったりする。'' -''敵の動きを一定時間止めるサブウェポン「時計」がラスボス含む全ての敵に有効''となっており、上記の要素とは逆の意味でバランスが崩壊している。 --しかも時計のハート消費量も2と極端に低い事も時計の強力さに拍車を掛けている。~ ちなみに本家シリーズでの時計のハート消費量は5以上と多く気軽に使えない代物であった。 --ザコの攻撃は耐え、ボスは動きを止めて殴りまくるという戦法で比較的楽にクリア出来てしまう(それでも決して容易ではないが)。ただし、時計で止まっている敵を倒してもアイテムは出現しないので、時計に頼りすぎると苦しくなる。そういった面でバランスを取ろうとした意図は一応は感じられる。 --時計があまりにも強力すぎるために、時計が一切出現しない1面のボスには有利な爆弾や、威力の極めて高い十字架はともかく、ブーメラン、たいまつの存在意義はほぼ無いと言っていい。 --うっかり別のアイテムで上書きしてしまった場合、武器変更の仕様によりハートが5増えるので次に時計を手に入るタイミングまでに装備を変えまくってハートを増やすといった使い道はある。 ---一応フォローしておくと、2面ボスと3面ボスには固有の行動パターンがあるため、それが見切れれば何とでもなる。それでも4面ボスは時計抜きではほぼ運頼みである。 -ドラキュラが道中の辛さに対してあまりに弱い。 --いずれの形態にも時計や十字架でゴリ押しが効く。加えて第二形態は巨大な顔から蝙蝠を吐き続けるだけという「ギャグか?」と疑いたくなるようなパターンで、倒した時も妙なパターンで倒れる為にラスボスとしての威厳に欠ける。 -バグ関連 --4面開始時に稀に''メイン装備が初期状態のムチに戻ってしまう''バグが存在する。発動条件は不明でバグが発生しないのを祈るしかない。 ---ただ運悪くバグが発生しても、ステージ開幕で現れるミイラを倒すと剣をドロップするので、その事を知っていれば実害は比較的少なめともいえる。とはいえ、ムチでミイラを倒すには5発攻撃を当てる必要があり、ノーダメージで突破するのは至難の業である。 --同じく4面開幕は降下する足場を使って進んでいくのだが、この時左右のスクロールをし切る前に足場に乗ってしまうと''下へのスクロールが始まらずに足場が消えてしまい、そのまま落下判定になってしまう。'' ---海外版では後述の仕様変更により極めて理不尽なバグと化す。 ---- **総評 演出は良いが、ゲーム完成度はダメという作品の典型例。~ やたら厳しい道中、それに反して時計次第で消化試合と化すボス戦というアンバランスさや、ところどころ垣間見える理不尽さもあいまって高い評価を得ることはできなかった。~ 基板の出回りの悪さや公式サイトでも一切言及されないなどの処遇も相まって、歴代の作品の中でもBGM以外の知名度や存在感が非常に低く、家庭用ハードに移植されることもなくシリーズの歴史の影に埋もれてしまった。 基板そのものも出回りの悪さゆえにかなりのレアものだったが、近年では「アーケードアーカイブス」で配信されて手軽にプレイできるようになっている。~ シリーズの歴史を振り返る上での貴重な資料のひとつとして、プレイしてみる価値はあるだろう。 ---- **余談 -「100年に一度復活するドラキュラとの戦いを宿命付けられた吸血鬼ハンターである主人公シモン(とベルモンド一族)がドラキュラに戦いに挑む」というのがシリーズにおける基本設定なのだが、本作では「結婚式の途中に花嫁(名前はセレナ)がドラキュラに攫われ、その花嫁を取り戻すためにドラキュラ城に乗り込む」という、極めて個人的な理由で戦いに赴く。 --このストーリーはオープニングでの白タキシード姿のシモンと合わせてシリーズファンのツッコミどころとなっている。 -『ドラキュラII』で初登場したシリーズお馴染みの名曲「Bloody Tears」が本作にも登場するが(作曲者松原氏本人によるセルフアレンジ)、本作での曲名は「血の涙」となっている。曲名の由来は3面の背景にある血の涙を流す肖像画からと思われる。但し、初出の『ドラキュラII』では、昼の道のBGMであり、曲名の発表順も実は「血の涙」(サントラコナミゲームミュージックコレクション1) → 「Bloody Tears」(サントラ悪魔城ドラキュラファミコンベスト)とゲーム発表順とは逆で「血の涙」の方が先だった。((下記のポップンの移植版の担当のシモンは血の涙繋がりで『ドラキュラII』のカラーになっている。))。 -後にコナミの音楽ゲーム『[[KEYBOARDMANIA]]』に本作のBGMメドレー「AKUMAJO DRACULA MEDLEY」が収録されている。この楽曲は『[[pop'n music>ポップンミュージックシリーズ]]』シリーズにも「K-クラシック」というジャンル名で移植されている。他の楽曲に比べ1分半程度とやや短め。 --ちなみに、ポップンでの当初の担当キャラは吸血鬼繋がりの「ユーリ」だったが、AC15の「悪魔城ドラキュラメドレー」でのシモン・ベルモンド登場に伴い、担当キャラがユーリからシモンに変更された。AC21現在、ポップンでの悪魔城関係の曲は全てベルモンド一族(シモンもしくはラルフ)が担当している。 -本作稼働から実に20年以上経った2009年にアーケード版としてはシリーズ2作目となる『悪魔城ドラキュラ THE ARCADE』((タイトルの正式な読みは「悪魔城ドラキュラ アーケード」で「THE」の部分は読まない。))が稼働した。これはいつものアクションではなく、大型筐体の体感系ガンシューティングとなっている。 --なお、本作の前年に任天堂VSシステムを使用したFCディスクシステム版(と言うよりかはNES版がベース)からの逆移植になる「VS.キャッスルバニア」も稼働していたが、同作は海外限定での稼働になっていた為((これは任天堂が日本国内のAC事業から撤退していたことによるもの))、国内制作の2作以上にマイナーな存在として知られている。 -海外では『Haunted Castle』というタイトル。実写の写真を使ったポスターが特徴的であった。 --現在では公式に『Castlevania』シリーズの1作として数えられており、海外版公式サイトにも掲載されている。 --国内版からの変更点は主に北米版では一部の敵からの被ダメの異常な増加((1周目1面のスケルトンやゾンビ、他ドラキュラなど一部のボスとの接触で全HPの半分以上が一撃で吹き飛んでしまう))、穴への落下が即ゲームオーバーなど、国内や欧州と比べると超極端に難易度が激化している。 -本作は999900点でカンストとなるが、999900を超えるスコアを獲得すると900000にループしてしまう変わった仕様。カンストスコアをハイスコアに残そうとすると点数を調整して、うまく999900でゲームオーバーにする必要がある。 --なおカンストまでには6~7周が必要とされる。 ---- **移植 -オレたちゲーセン族 悪魔城ドラキュラ(ハムスター:PS2) --詳細は下記に。 -アーケードアーカイブス(ハムスター) --PS4:2016年12月1日、Switch:2021年4月1日 -アーケードクラシックス アニバーサリーコレクション(PS4/XbOne/Switch/Win、2019年4月18日) --本作と海外版の『Haunted Castle』が収録されている。 ---- *オレたちゲーセン族 悪魔城ドラキュラ 【おれたちげーせんぞく あくまじょうどらきゅら】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000ETO3F0)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|ハムスター|~| |開発元|REAKOSYS|~| |発売日|2006年5月25日|~| |定価|2,100円(税込)|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|シリーズ中ではマシな方|~| //|判定|''劣化移植判定''|~| //ゲーム性自体には特に劣化部分が聞かれないので一応CO。他のゲーセン族に比べれば些細な劣化だしね。 ハムスターから『オレたちゲーセン族』シリーズの一環としてPS2に移植された作品。~ 本シリーズには移植を請け負ったメーカーが複数存在し、本作は韓国REAKOSYS(リコシス)社が担当した。移植度はゲーム部分はアーケードのオリジナル版とおおむね同様であるが、下記のように異なる点も存在する。~ 特典のサントラCDは、曲にリバーブがかかって加工されていたコナミのサントラCDと違い、原曲に忠実に収録されている。そのうえSE集とアレンジメドレーのボーナストラックも収録。~ 特典のオールクリアDVDは3面までで終わっており(一応、触れ込みでは「ステージ3までのノーミスクリア」ということだった)、中途半端なDVDとなっている。~ ---- **アーケードとは異なる点(PS2) -オープニングデモでの笑い声のSEのタイミングがオリジナル版より少し早い。 -ステージの一部がチラつく事がある。 --画面の右上等の背景が時折不自然にチラつく。 -BGMが突然小さくなることがある。 --ステージ2のサビに入るタイミングで突然BGMが小さくなり、ループの終了と共に大きくなるといった点も存在する。
注意:このページでは、AC版『悪魔城ドラキュラ』と、アーケードゲームのPS2移植シリーズ『オレたちゲーセン族』版について紹介する。共に「ゲームバランスが不安定」に分類。 『オレたちゲーセン族 悪魔城ドラキュラ』は「[[要強化記事>要強化記事一覧]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。~ 依頼内容はPS2版の評価(評価点・問題点・総評)の記述です。~ &color(red){''2024年5月14日までに改善されない場合は削除対応します。''} #contents() ---- *悪魔城ドラキュラ 【あくまじょうどらきゅら】 |ジャンル|アクション|~| |対応機種|アーケード|~| |販売・開発元|コナミ|~| |稼動開始日|1988年2月|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|''ボスにも効く時計による難易度崩壊''&br()操作性悪すぎな主人公&br()シリーズ異色作&br()黒歴史ゲーでもある|~| |>|>|CENTER:''[[悪魔城ドラキュラシリーズリンク>悪魔城ドラキュラシリーズ]]''| ---- **概要 ファミコンディスクシステムで第一作が出て以来、ゴシックホラーアクションゲームとして高い人気を得ている『悪魔城ドラキュラ』シリーズ初の業務用作品((国内では初だが、海外では1987年に『VS.Castlevania』が稼働していたため、ACでは2番目になる。))。シリーズ通算4作目にあたる。~ タイトルこそ初代であるディスク版と同一だが、ストーリーは一新されている。 業務用基板で出ただけあってキャラは大きく迫力があり、ホラー感あるグラフィックも緻密に描き込まれ2Dドット絵のドラキュラシリーズで最高級であり、FM音源等を用いたBGMも良好な出来だったが、肝心のゲームの出来はかなり悪かった。~ そのせいもあってかゲームセンターでもあまり出回っておらず、知名度の面では家庭用にやや劣っている。 ---- **システム -ムチによる攻撃やハートを消費してサブウェポンを使う仕様は引き継ぎつつも、完全ライフ制になっており、16目盛あるライフまたは制限時間を全て失うとゲームオーバー。 --受けるダメージ量は敵や難易度設定によって変わる(国内版は、最大で1発3目盛)。 -&bold(){コンティニューは3回までしか出来ない}(基板のディップスイッチ設定は「コンティニューあり/なし」の設定のみ)。また、ゲーム中にクレジット(お金)を投入することで、コンティニュー回数1回と引き換えにその場でライフを16目盛回復させることができる(既にコンティニューを3回行っていたり、コンティニューなしの設定の場合は当然ながら使用不可)。 --目盛をオーバーして回復させることもでき、超えた分はライフ右側に目盛分も含めた合計値で表される。ただし、その分は減ってもステージクリア後の回復はされない。 -全6ステージだが、すべてクリアしても最初のステージからゲームが続くループ制となっている。 -道中には回復アイテムが存在せず、ステージクリア時にハートの残りがライフ回復に当てられる(その分のハートを消費)。 --ライフとハート数は次のステージにそのまま持ち越されるため、ライフとハートが共に足りないと、ライフが少ないうえにサブウェポンも使えないという大変不利な状況になる。 --本ゲームにおけるハート、アイテムの入手方法は特定の敵を倒して拾う事のみで、シリーズ定番のロウソクは一切出現しない。 --よって、ノーダメージクリアができる場合でもない限り、サブウェポン(ハート)の無駄遣いは許されない。 -穴に落ちるとライフを半分失って特定のポイントからやり直し(デフォルト設定)となる。 --ライフが8以下になると落下では減らなくなる。ただし、制限時間は減り続ける為、何度も落ちていると大幅な時間ロスとなる。 ---ちなみにライフが尽きた際に受けたダメージでノックバックが発生した場合、地形へ着地するまではゲームオーバー判定とならないため、ノックバックによって落とし穴に落ちるとライフ0の状態で復帰し、そのままゲームが続行される。 -シモンといえばムチ→鎖分銅が基本武器であるが、本作では特定の敵を倒すことで、メインウェポンが「ムチ」→「モーニングスター」→「剣」になっていく。 --変わるのは見た目と攻撃力のみで、攻撃速度・範囲などは変化しない。 -サブウェポンは爆弾、ブーメラン、たいまつ、十字架、時計の5種類。 --十字架は初代のクロスのように投げるのではなく、十字架レーザー光を前方に飛ばす。(海外輸出を視野に入れての表現規制と思われる) --1回の使用につきハートを1消費する(時計のみ2)。 ---- **評価点 -モンスターのグラフィックデザインやホラーな演出など、ビジュアル面は秀逸な出来。後述されているようにシモンとラスボスだけはちょっと変だが。 -BGMについてはメイン作曲者の松原氏はじめコナミ矩形波倶楽部による質の高いものが揃っており、一つ一つの曲はとても素晴らしい。 --シリーズの名曲「Bloody Tears」がステージ3に使用されているが、他のステージのBGMも負けず劣らずの名曲ぞろいである。特にステージ5の「時計台の恐怖」は隠れた名曲としてファンが多い。 --6面BGM「夜まで待てない」は後の『[[キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲]]』で子孫である%%マグロのように跳ねる変態こと%%ユリウス・ベルモンド%%ゥエ%%のテーマとして抜擢された。 ---ちなみにそちらはFC版5面BGM「HEART OF FIRE」とのメドレーになっている。 --尚、1面BGM「十字架を胸に」は他の楽曲のインパクト等であまり目立たなかった節もあったが、後述の『悪魔城ドラキュラ THE ARCADE』の4面ボス(対ハーピー戦)にてアレンジされたBGMが使われたことでようやく日の目を見た。 ---- **問題点 このゲームは『悪魔城ドラキュラ』の新展開を模索していたのか、はたまた開発チームがファミコン版とは違うからか、[[ファミコン版>悪魔城ドラキュラ]]などとは見てくれや操作性がかなり異なっている。 -なまじキャラが大きくなったのでシモンの動きもさらに緩慢化し、攻撃が相当避けづらくなった。~ 元々「操作性の硬さをテクでカバーしろ」と言わんばかりのゲームであったが、今作はテクでもカバーできるかどうか怪しく、悪い意味で覚えゲーが助長されている。 --アーケード作品なので、クレジット(お金)を稼ぐため、テクでカバーしきれる程度の内容では困るというメーカーサイドの理由もあるのだろうが…。 -シモンの動作も、膝かどこかに爆弾を抱えたレスラーのごとく腰を押さえながら恐る恐る歩いているように見えてしまい、ぎこちない。 -最強のメインウェポンが「剣」だが、シモンおよびベルモンド家は本来ムチを打って敵やロウソクを叩くゲームだったというイメージを壊しにかかっていた。%%それはもはやベルモンドではなく[[ラスタン>ラスタンサーガ]]では?%% --後に探索型シリーズでアルカードやジョナサンといった剣も使いこなす主人公も出てくるのだが、それらの大半はベルモンドの血を引かない者達であり剣を使いこなすベルモンド家は本作のシモンのみである。また、探索型シリーズの「白夜の協奏曲」ではベルモンドの血を引くジュストが主人公で、剣を使いこなすキャラクターは%%変態こと%%主人公の親友のマクシームになっている。 -バランス面にも少なからず問題がある。即死要素こそ皆無だが、とにかく回避が困難な障害が多すぎる。 --背が低く2発当てない((初期装備のムチの場合は3発必要である為、なまじリーチがないせいでノーダメージでの撃破はほぼ不可能となる。))と倒せないザコ(せむし男)が絶え間なく突っ込んでくる3面。 --破壊不能な岩を水平に投げてくる4面ボス(ゴーレム)。''当たり判定が横にむやみに長いうえ、回避が困難な高さで投げてくる''事もあり、このせいでノーダメージクリアがほぼ運任せとなっている。 --ぶつかるとダメージを受ける出っ張りが大量に配置された5面冒頭の強制縦スクロールエレベーター。こちらの移動速度に対してあり得ないぐらいエレベーターの上昇速度が早く、次々と喰らいやすい。 ---このエレベーター、所定の位置まで行くと停止状態から前触れもなくいきなり急上昇し出すので演出としてもやや不自然なことになっている。 --どんどん後方の足場が崩れ、前方からフラフラ軌道で飛ぶコウモリが定期的に現れる6面の空中廊下。着地中の状態で攻撃すると足が止まってしまうので前方ジャンプ攻撃でコウモリを処理することになり、失敗すれば落下が近づくかダメージを受けるかとなる。 ---一応4面ボスは後述する時計で突破、それ以外もパターンを組む事でノーダメージ達成は可能だが、とんでもなくシビアで大抵は被ダメ回数を最小限に抑えるより手がない。難易度設定が変更され、敵から受けるダメージが上がっていた場合、クリアは著しく困難なものとなる。 ---ちなみに6面の空中廊下の地形判定はかなり大雑把に設定されているようで、''足のつま先部分しか足場にかかっておらず、どう見ても浮いてるようにしか見えない状態でもまだ落ちなかったりする。'' -''敵の動きを一定時間止めるサブウェポン「時計」がラスボス含む全ての敵に有効''となっており、上記の要素とは逆の意味でバランスが崩壊している。 --しかも時計のハート消費量も2と極端に低い事も時計の強力さに拍車を掛けている。~ ちなみに本家シリーズでの時計のハート消費量は5以上と多く気軽に使えない代物であった。 --ザコの攻撃は耐え、ボスは動きを止めて殴りまくるという戦法で比較的楽にクリア出来てしまう(それでも決して容易ではないが)。ただし、時計で止まっている敵を倒してもアイテムは出現しないので、時計に頼りすぎると苦しくなる。そういった面でバランスを取ろうとした意図は一応は感じられる。 --時計があまりにも強力すぎるために、時計が一切出現しない1面のボスには有利な爆弾や、威力の極めて高い十字架はともかく、ブーメラン、たいまつの存在意義はほぼ無いと言っていい。 --うっかり別のアイテムで上書きしてしまった場合、武器変更の仕様によりハートが5増えるので次に時計を手に入るタイミングまでに装備を変えまくってハートを増やすといった使い道はある。 ---一応フォローしておくと、2面ボスと3面ボスには固有の行動パターンがあるため、それが見切れれば何とでもなる。それでも4面ボスは時計抜きではほぼ運頼みである。 -ドラキュラが道中の辛さに対してあまりに弱い。 --いずれの形態にも時計や十字架でゴリ押しが効く。加えて第二形態は巨大な顔から蝙蝠を吐き続けるだけという「ギャグか?」と疑いたくなるようなパターンで、倒した時も妙なパターンで倒れる為にラスボスとしての威厳に欠ける。 -バグ関連 --4面開始時に稀に''メイン装備が初期状態のムチに戻ってしまう''バグが存在する。発動条件は不明でバグが発生しないのを祈るしかない。 ---ただ運悪くバグが発生しても、ステージ開幕で現れるミイラを倒すと剣をドロップするので、その事を知っていれば実害は比較的少なめともいえる。とはいえ、ムチでミイラを倒すには5発攻撃を当てる必要があり、ノーダメージで突破するのは至難の業である。 --同じく4面開幕は降下する足場を使って進んでいくのだが、この時左右のスクロールをし切る前に足場に乗ってしまうと''下へのスクロールが始まらずに足場が消えてしまい、そのまま落下判定になってしまう。'' ---海外版では後述の仕様変更により極めて理不尽なバグと化す。 ---- **総評 演出は良いが、ゲーム完成度はダメという作品の典型例。~ やたら厳しい道中、それに反して時計次第で消化試合と化すボス戦というアンバランスさや、ところどころ垣間見える理不尽さもあいまって高い評価を得ることはできなかった。~ 基板の出回りの悪さや公式サイトでも一切言及されないなどの処遇も相まって、歴代の作品の中でもBGM以外の知名度や存在感が非常に低く、家庭用ハードに移植されることもなくシリーズの歴史の影に埋もれてしまった。 基板そのものも出回りの悪さゆえにかなりのレアものだったが、近年では「アーケードアーカイブス」で配信されて手軽にプレイできるようになっている。~ シリーズの歴史を振り返る上での貴重な資料のひとつとして、プレイしてみる価値はあるだろう。 ---- **余談 -「100年に一度復活するドラキュラとの戦いを宿命付けられた吸血鬼ハンターである主人公シモン(とベルモンド一族)がドラキュラに戦いに挑む」というのがシリーズにおける基本設定なのだが、本作では「結婚式の途中に花嫁(名前はセレナ)がドラキュラに攫われ、その花嫁を取り戻すためにドラキュラ城に乗り込む」という、極めて個人的な理由で戦いに赴く。 --このストーリーはオープニングでの白タキシード姿のシモンと合わせてシリーズファンのツッコミどころとなっている。 -『ドラキュラII』で初登場したシリーズお馴染みの名曲「Bloody Tears」が本作にも登場するが(作曲者松原氏本人によるセルフアレンジ)、本作での曲名は「血の涙」となっている。曲名の由来は3面の背景にある血の涙を流す肖像画からと思われる。但し、初出の『ドラキュラII』では、昼の道のBGMであり、曲名の発表順も実は「血の涙」(サントラコナミゲームミュージックコレクション1) → 「Bloody Tears」(サントラ悪魔城ドラキュラファミコンベスト)とゲーム発表順とは逆で「血の涙」の方が先だった。((下記のポップンの移植版の担当のシモンは血の涙繋がりで『ドラキュラII』のカラーになっている。))。 -後にコナミの音楽ゲーム『[[KEYBOARDMANIA]]』に本作のBGMメドレー「AKUMAJO DRACULA MEDLEY」が収録されている。この楽曲は『[[pop'n music>ポップンミュージックシリーズ]]』シリーズにも「K-クラシック」というジャンル名で移植されている。他の楽曲に比べ1分半程度とやや短め。 --ちなみに、ポップンでの当初の担当キャラは吸血鬼繋がりの「ユーリ」だったが、AC15の「悪魔城ドラキュラメドレー」でのシモン・ベルモンド登場に伴い、担当キャラがユーリからシモンに変更された。AC21現在、ポップンでの悪魔城関係の曲は全てベルモンド一族(シモンもしくはラルフ)が担当している。 -本作稼働から実に20年以上経った2009年にアーケード版としてはシリーズ2作目となる『悪魔城ドラキュラ THE ARCADE』((タイトルの正式な読みは「悪魔城ドラキュラ アーケード」で「THE」の部分は読まない。))が稼働した。これはいつものアクションではなく、大型筐体の体感系ガンシューティングとなっている。 --なお、本作の前年に任天堂VSシステムを使用したFCディスクシステム版(と言うよりかはNES版がベース)からの逆移植になる「VS.キャッスルバニア」も稼働していたが、同作は海外限定での稼働になっていた為((これは任天堂が日本国内のAC事業から撤退していたことによるもの))、国内制作の2作以上にマイナーな存在として知られている。 -海外では『Haunted Castle』というタイトル。実写の写真を使ったポスターが特徴的であった。 --現在では公式に『Castlevania』シリーズの1作として数えられており、海外版公式サイトにも掲載されている。 --国内版からの変更点は主に北米版では一部の敵からの被ダメの異常な増加((1周目1面のスケルトンやゾンビ、他ドラキュラなど一部のボスとの接触で全HPの半分以上が一撃で吹き飛んでしまう))、穴への落下が即ゲームオーバーなど、国内や欧州と比べると超極端に難易度が激化している。 -本作は999900点でカンストとなるが、999900を超えるスコアを獲得すると900000にループしてしまう変わった仕様。カンストスコアをハイスコアに残そうとすると点数を調整して、うまく999900でゲームオーバーにする必要がある。 --なおカンストまでには6~7周が必要とされる。 ---- **移植 -オレたちゲーセン族 悪魔城ドラキュラ(ハムスター:PS2) --詳細は下記に。 -アーケードアーカイブス(ハムスター) --PS4:2016年12月1日、Switch:2021年4月1日 -アーケードクラシックス アニバーサリーコレクション(PS4/XbOne/Switch/Win、2019年4月18日) --本作と海外版の『Haunted Castle』が収録されている。 ---- *オレたちゲーセン族 悪魔城ドラキュラ 【おれたちげーせんぞく あくまじょうどらきゅら】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000ETO3F0)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|ハムスター|~| |開発元|REAKOSYS|~| |発売日|2006年5月25日|~| |定価|2,100円(税込)|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|シリーズ中ではマシな方|~| //|判定|''劣化移植判定''|~| //ゲーム性自体には特に劣化部分が聞かれないので一応CO。他のゲーセン族に比べれば些細な劣化だしね。 ハムスターから『オレたちゲーセン族』シリーズの一環としてPS2に移植された作品。~ 本シリーズには移植を請け負ったメーカーが複数存在し、本作は韓国REAKOSYS(リコシス)社が担当した。移植度はゲーム部分はアーケードのオリジナル版とおおむね同様であるが、下記のように異なる点も存在する。~ 特典のサントラCDは、曲にリバーブがかかって加工されていたコナミのサントラCDと違い、原曲に忠実に収録されている。そのうえSE集とアレンジメドレーのボーナストラックも収録。~ 特典のオールクリアDVDは3面までで終わっており(一応、触れ込みでは「ステージ3までのノーミスクリア」ということだった)、中途半端なDVDとなっている。~ ---- **アーケードとは異なる点(PS2) -オープニングデモでの笑い声のSEのタイミングがオリジナル版より少し早い。 -ステージの一部がチラつく事がある。 --画面の右上等の背景が時折不自然にチラつく。 -BGMが突然小さくなることがある。 --ステージ2のサビに入るタイミングで突然BGMが小さくなり、ループの終了と共に大きくなるといった点も存在する。

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