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*大貝獣物語II 【だいかいじゅうものがたりつー】 |ジャンル|RPG|&image(http://g-ec2.images-amazon.com/images/G/09/ciu/7a/17/e457a1909fa09ef951951210.L.jpg,width=120,http://www.amazon.co.jp/dp/B000068I26)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|40MbitROMカートリッジ|~| |発売元|ハドソン|~| |開発元|エイム、ハドソン、バースデイ|~| |発売日|1996年8月2日|~| |定価|8,200円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|良く練られた戦闘、ダンジョン&br()良質な音楽、グラフィック、ストーリー&br()異常に高いエンカウント率&br()戦闘難易度も高い|~| |>|>|CENTER:''[[貝獣物語シリーズリンク>貝獣物語シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[大貝獣物語]]』の直接的な続編であり、『貝獣物語』から続くシリーズ本編としては最終作(外伝的な作品はこれ以降にも幾つか出ている)。&br()前作までの好評な要素を継承し、更には『[[天外魔境 ZERO]]』に導入されゲームの中で現実と同じ時間が流れる「パーソナルライブゲームシステム」(以下PLGS)が意欲的に搭載されており、SFC最大規模とも言える意欲作。 **あらすじ 平和の戻った幻大陸シェルドラド。だがある日突然、その平穏は打ち破られた。霧の外の世界から傷ついたドラゴバードが訪れ、再び世界に脅威が迫っていることを知らせる……。 **基本システム -シリーズ中、もっともオーソドックスなRPG。 --シナリオは途中で若干の分岐を挟むものの、イベントの順序を入れ替えるだけであり実質的にほぼ一本道。 --パーティメンバーはシナリオの展開に沿って入れ替わり、自由な編成は中盤までできない。 --そのためラストダンジョンを除き、特定のイベントの為に必要となるキャラクターを鍛えなければならないという事がない。 ---- **評価点 -グラフィックが更に向上している。 --前作もグラフィックには力を入れていたが、フィールド上のアイコンが貧弱すぎてかなり印象面で損をしていた。今回は移動中のキャラサイズも大きくし、見た目を改善させている。 --細かいところにも力を入れている。街の中で鳥や虫の鳴き声がする、雪国の街では歩くと足跡が付く、港にいる魚は近付くと逃げる等上げるときりがない。 --細かく動くキャラクター、感情をフキダシで出して表す等表現は秀逸。 --戦闘中の演出ももちろん美麗。初代『貝獣物語』にあった、敵が弱ると外見が変わる演出も復活している。体力値が3桁から4桁に増え、かつ数値のばらつきも減っている。 -前作の酷かったキーレスポンスや画面切り替わりも随分と良くなっている。ただし戦闘への切り替わりだけは相変わらず遅い。 -Xボタンを押すと1発でメニューを閉じる事ができる。装備を変えた後や回復魔法使用後などにBを3~4回も押さなくて良いので地味ながら良い点。 -アクセサリーに『ゴールドバッジ』なるアイテムが追加。効果は「装備した1人に経験値を集中させる」というもので、レベル差が開いてしまった仲間のレベルアップがかなりやりやすくなっている。~ 本作は複数PTで攻略するダンジョンもある為、その為の救済措置ともいえるだろう。 -回復優先の仕様はもちろん継承。また、回復魔法のみ、使用後にダメージ半減(防御)になる為、回復魔法の使い手は案外死ににくい。 --ただし「まほうれんぱつ」で使用した場合は特技扱いになり、行動順はキャラクターの速さに依存することになる。さらに「まほうれんぱつ」だと消費MPが1.5倍に跳ね上がる。 --なお、敵の回復魔法に先制効果はないが、魔法使用後にダメージ半減(防御)効果は現れる。 -ハドソンのRPGのお約束どおり、BGMは良曲が多い。 -前作のバイオベースレベルの鬱要素はないが、ドギツイ表現や悲劇的なイベントは山盛り。死者も出る。 //ネタバレは楽しみを奪う。世界崩壊も1回ある。 -前作で好評だったスタンプ集めや、自分の町を創るシステムは健在。更に新たな寄り道要素として、王の宝コレクション、PLGSを利用した財宝さがし等が追加されている。 --「我が町システム」に関しては、前作よりも大幅強化されている。区画を広げることが可能になり、作れる施設のバリエーションや実用性も向上された。 --スタンプ集めはスタンプの数が特定の数になった時にスタンプラリーに見せにいくとアイテムがもらえるが、プレイ時間によってもらえるアイテムが変わる。基本的に早いプレイ時間で集めて見せたほうがいいアイテムがもらえる傾向にある。 -前作にあった海底世界が無くなったり、仲間メンバーが13人から10人に減る(同様に助っ人キャラも減っている)など全体的に整備されている。 --しかし、その分仲間になるキャラクターとのめぐり会いをよりドラマチックにしたり、敵軍のストーリーを細かに表現し、敵の人間像をはっきりさせるなど、よりストーリーに重点をおいた構成になっている。前作は話の構成で魅せていたが、本作ではキャラクターの魅力で魅せている。 -探索要素の充実。 前作と同じく最強装備がやや分かりにくい所に有るといった遣り甲斐は勿論、序盤から終盤まで色々な所に優れた装備やアイテムが落ちている。 --例として序盤の難易度が高めだが、最初のボスのメガロキングの後ろの床に各種魔法を発動する宝石が落ちている。話しかける前に拾っておこう。 このボスは火弱点。次のダンジョンのボスは火・地・光弱点であり、宝石の魔法は中盤~終盤で習得する魔法なので序盤ボス戦ではそこそこ強力。 -全般的な難易度は高い。前作のバトルがあまりにも簡単で単調だった為か本作では序盤から敵がなかなか強く、ボスもやはり強いが、どちらもみっちり鍛え弱点を探すトライ&エラー型の良く練られた方向である。 -敵側の視点が物語の区切りごとに入る。 --そのおかげで次に何をしたらいいのか、敵の狙いはなにか、というのがプレイヤーにわかりやすくなっている。 **賛否両論点 -複雑なダンジョン。2Dマップをフルに使った隠し通路や流砂、スイッチ等バリエーション豊富な仕掛け。 --非常に歯ごたえがある一方、アイテムをとるために何回も往復したり、隠し通路を探すために延々とさまよう羽目になることも。高いエンカウント率がストレスを増大させている。 --高低差や奥行きも非常に大きい。街もこの具合なので、場所によってはもはやだまし絵レベルになっている。オブジェクトの裏側に道がある程度は普通という状態。 ---一応、隠し通路はヒントがあるレベル(岩の色が変わっている、別のマップから見える、明らかに怪しい隙間がある等)で、街中などの道はつながり的には自然なつくりになってはいる。ダンジョンなどでも異様な4次元空間にならないようには一応の工夫がされている。 ---いずれにしても盲点に入ってしまった場合が非常に厄介で、延々とさまよう羽目になるケースがある。 -ポヨンの体感魔法((ポヨン専用の魔法。習得にはポヨンが特定の魔法を受けた上で敵を倒し、経験値を獲得する必要がある。FFシリーズでいうラーニングのようなもの))のコンプが難しい。喰らっても必ず覚えるとは限らない上、ストーリー上1度しか戦えない敵が2体おり、取りのがすと二度と取れない。また、前述した『ゴールドバッジ』は経験値を装備者に集中させてしまうため、ポヨンに体感魔法を習得させたいならバッジをポヨンに装備させるか外しておく必要がある。 --その分、体感魔法は高性能なものが多く、ものによっては下手な攻撃魔法を凌駕する破壊力を秘めている。『カイザードライブ』『サンダーホーン』『ポイズンバブル』などは非常に強力。本作では『毒』『菌』といった属性もあり((他の属性と違って修得者も少ない))、それを弱点としているボスもいるので刺さる場面も多い。アクセサリでポヨンのMPを強化すれば鬼に金棒。 --名前こそ魔法だが、威力は全てポヨンの物理攻撃力を参照する。前衛パワーファイターの典型のようなステータスである為物理攻撃力が元々高い事もあり、また状態異常系の技も豊富に覚えるので通常攻撃よりも体感魔法を使っている頻度の方が多くなる事も。逆に、体感魔法を覚える事を知らない(劇中イベント等で体感魔法に関する説明等は特に無い。説明書にもどんな魔法を覚えるかまでは載っていないので攻略本が必須のレベル)まま進めてしまい、ただポヨヨーン((いわゆるパルプンテ的な特技。味方のMPを全回復したり、敵味方を全員瀕死にしたり等の効果がランダムで出る。強化イベントもあり、さらに極端な効果が追加される))を使えるだけのつまらないキャラだと思って一軍から外してしまうプレイヤーも見られた。 -この時代のRPGではお約束だが、一部の最強武器の入手方法がノーヒントで、期間限定イベントをこなさないといけないものもある。特に『ヘルキャッティー』という武器を攻略本なしで取れた人はどれだけいるのだろうか。 -パーティメンバーの構成で難易度が高い個所がある。よく上げられるのは序盤と、随所にある一人旅or二人旅。 --序盤は主人公・バブ・ポットが固定で、バルテス、ルミエラ、バルテス、ルミエラの順で組むことになる。 ---ルミエラの時期は主人公はともかく、ポット・ルミエラの2名は魔法使いタイプで低レベルのうちは魔法の威力も頼りない。バブも補助・攻撃を使い分けるといった感じのキャラで打撃力が不足する。 ---バルテスの時期は打撃力は大きく上昇するが、今度は回復魔法の使い手がMPの低い主人公しかいないので回復アイテムの常備が必須となる。その状態で、ちょっと長めのダンジョンを攻略しなくてはならない。 ---ポットの加入は強制ではなく任意(隠しキャラのような扱い)であるため、気付かずにバブ、ルミエラと三人旅になったプレイヤーもいる。ただし、ポット自体前作でも隠しキャラであり、ヒント自体はあるため不親切というわけではない。くまなく探せばほぼ確実に見つかる。そしてマップをくまなく探すのは、当時のRPGでは攻略の基本スタンスである。 --他にも、とあるアイテムを入手までステータス異常「豚((特技の使用ができなくなる。))」状態のポヨンとクピクピ2人だけで戦わないといけないところや、ロボット(仲間)1人だけで戦う場所などが難所としてあげられやすい。 ---実際のところ、序盤バルテスの時期は敵が回復アイテムをよく落とし、全快ポイントやセーブポイントが要所要所に設置されている。ルミエラの時期は魔法で弱点を突けばほぼ一撃の敵か極端にやわい敵ばかり。ポヨンとクピクピ2人旅はそもそも特技を使う必要がなく、ロボットは火炎放射を使えば一撃必殺が可能で店は半額。これらに限らず難所には相当細かいフォローが入っている。 //削った部分について。ロボについて、レベルがちょっと上がれば先手をとれることを確認。また回復先制ルールから初手で死ぬことは目測を誤るというプレイヤー側のミス以外にはまずありえない。敵の攻撃力はそこまで高くない。体感魔法について、実際に1回しか戦えないのは2体。ほかは格闘場で再戦できる。 -ほぼ全員が「なんでもできる」バランス調整。 --味方キャラクターの大半が、回復魔法と属性付きの広域魔法か、それに類する技を覚える万能型の魔法戦士。 --純魔法使いのクピクピとルミエラは、どちらも全ての属性の攻撃魔法と、ほとんど全ての回復・支援魔法を習得する。覚える特技に至っては完全に同じ。ただし強力な全体回復の『サンシャワー』はクピクピしか覚えない。 --「該当する能力値が低いキャラほど高い補正がもらえるメダル系装備」や、「力の代わりに魔力を使って通常攻撃できるナイフ」など、キャラの特性を引っ繰り返すような装備も多い。 --露骨な弱みが発生しにくく誰を使ってもそれなり以上に戦えるとも言えるが、各自の個性が台無しとも言える。前作で批判されがちだった、キャラ間の能力格差を是正しようとした結果とは思われる。 -パーティーを分割して同時に2ルートから攻略するダンジョンが存在するが中盤とラストの2つのみ。 細かくはもう1つ、中盤の山場の後に分断されるがこちらは期間がかなり短い。 --問題は他のキャラを使う必要に迫られない為に意識せず進めているとラストでLV差が20~30くらい有る状態で急に使わされるのである。 --いわゆるはぐれメタル的な敵ばかり出現する稼ぎ場所は用意されてるものの面倒。ラストまでにもう1か所くらい分断パートを入れるか前作のような手軽なLV上げイベントを用意できなかったのだろうか。 -クピクピは序盤加入の割に優秀で、魔法キャラ優遇の仕様と相まって本作のシステムを把握していればバランスブレイカーレベル。前作のほぼ全能力が低くて魔法習得LVも遅い有様とは大違い。 --運が高いのでラッキーが出やすい((通常攻撃が2回攻撃かクリティカルになる。両方重複する事も有る))・素早さが高い為に先手で敵を倒せる・状態異常無効((以下は効いてしまう。盲目、ステータスデバフ、沈黙、その戦闘のみ場外))・全体回復や敵への全体防御ダウンなど便利な魔法。 -本作で明らかになる過去作を台無しにしかねない設定。 #region(以下ネタバレ) -シリーズ恒例の大魔王ファットバジャーが太古に2体作られ、1体は封印できたもののもう1体は逃がしてしまったという記述がクトミナの書物で読める。 --ファンタジー王道のボスキャラ魔王が続編で後付けのように人造物と判明するというのはガッカリである。もっと掘り下げやセリフが有るならまだともかく書物の短い文章のみ。 そもそも本作の主な敵はクトミナ人のダークとドーン。シリーズの悪がほぼクトミナ発祥である。それで良いのか。 -エンディングにて死者の魂はバーン山に着くがシェルドラドの住人ではないギャブロやソニアは魂がすぐに消滅してしまうという悲しい事実が発覚する。 --もし前作の霧の中の世界も同じ設定だとしたら、ロボットやグジューが人間に生まれ変われる可能性が0かもしれないという事である。消滅するとしか言ってない為、生まれ変わりに言及してない事がせめての救いか。 #endregion **問題点 -前作同様OPが長い。最初の操作可能まで約10分もかかり、最初のダンジョンをクリアでまた長いOPの続き。主人公が加入して本格的に始まるのはおよそ20~25分くらいかかる。 --設定等がOPであらかた説明されるためでもあり、前作をやっていないと不明といった部分はほぼない。 -もはやハドソン製共通のことだがエンカウント率が高い。ダンジョンの造りや謎解きも工夫されているため、必然的に戦闘回数が多くなる。戦闘が面倒な人には向かない。 --運が悪いと1,2歩動いただけで再エンカウントというレベル。だいたい10歩以内には再エンカウントする。 ---前作は戦闘終了後5歩以内はエンカウントしない仕様だったが、本作はそれがカットされた。 --一応、一定距離だけならエンカウントしなくなるすけっとはいる。他にもマップやダンジョンを偵察できるすけっともいるにはいるが、エンカウント率の高さをフォローできているとは言い難い。 //---なお、エンカウント率自体についていえば実はFC時代の他社RPGと比べれば大差はない。しかしSFCになり容量が増え、ダンジョンが複雑かつ広大になるにつれ、確率そのものを下げたり補正をかけたりされるようになっていた。たとえば、同時期のエニックスのRPGドラクエ6は戦闘終了後一定歩数エンカウントしないようになっている。それらを行っていないため同時期としては「異常なレベル」のエンカウント率の高さに。 //FC時代のソフトと比べる時点でおかしいし、このソフトにおける戦闘頻度はFC時代であっても問題視される域と思われます。 --地味に厄介な難点として、戦闘終了後、キャラクター全員が中央一マスに固まり正面を向いた状態で再開される仕様が、更に負担を増やしている。つまり戦闘前にどちらから来て、どちらを向いていたかが分からないのだ。バトル自体の難度が高めなこともあり、咄嗟に事前の移動進路を見失ってしまうことも珍しくない。そしてほんの数歩でも間違ったほうへ進むと、その数歩や、間違いに気づき元の場所まで戻る数歩の間にまた敵が出てくるという悪循環に陥る。 --謎解きのため行ったり来たりを頻繁に要請されるダンジョンの構造と、異常に高いエンカウント率、そして高い戦闘難度の食い合わせが悪く、互いが互いのストレス要素ばかりを強調し足を引っ張り合っている状態。 -終盤からラスダンまでゲームバランスを崩壊させるレベルの強い雑魚敵が出現する。 #region(ネタバレになりえるので省略) -魔法使い系に多く、HPの過半を一発で持っていく呪文を連発してくる敵が出てくる。徹底的なレベル上げが必要なのはもちろんだが、割合ダメージ呪文(HPの75%をダメージとして与えるものなど)を持つものも少なくなく、レベルが高いだけでは安心できない。前述の高エンカウントも相まってこれら数種の敵が非常に危険。 -特に危険なのは『フレアーアンクル』で、高火力の単体攻撃魔法と割合ダメージ呪文を使う上に、有効な属性は水属性(弱点属性ではない)のみで火を吸収し他6属性は全部無効という強耐性を持っている。HPが3600と低いのが救い。 -しかもこのような敵が1エンカウントで複数体出てくることもあり、相当なレベル上げを行っても運悪く連続で全体魔法を使われるとあっけなく全滅してしまう。逃走に失敗したり、1、2ターンで殲滅出来ないとかなりの確率で窮地に陥る。全体的にこの手の敵は素早く先手をとられるのが普通であることも困難さを増す原因となっている。 -これほど雑魚敵が強いのだからダンジョンのボスも強いのだろうと考えるのが普通だが、ボスの一撃は雑魚敵の一撃に及びもつかない低火力であり、またボスは一人しかいないため連続で攻撃にさらされる心配はない。HPが高いだけの木偶の坊となっている。 -上記のようになってしまった原因として、今作の敵のダメージ計算式にあると考えられている。計算式は以下の通り。 --物理ダメージ…腕力×4 - 防御力 --魔法ダメージ…魔力×魔法の威力×耐性((無耐性で8))/16 - 魔法防御(耐性が弱い場合は1/2) -この計算式にもかかわらず、上位の魔法は威力26~33と非常に高く設定されている。ラストダンジョン最強の雑魚と言われている「エクソブレイン」は魔力155。ギガハイドの33と掛け合わせて無耐性(8)のキャラに使用した場合、威力は''2557''となり、連続で打たれては無耐性で耐える事は難しい。しかも3体同時出現する事もある。魔法防御を高めても最大でも200程度であり上記の式とおり最後に引き算するので効果は薄い。 --初見殺しだが1度遭遇して脅威を理解すれば、本作は水耐性装備が充実してる為に対処は可能。 物理キャラと貝獣3体は店売りの盾か体装備で軽減。他のキャラはアクセサリーで無効化できる。ついでにバブは本作でも水と雷耐性。((前作は装備といい耐性といい水の勇者と間違えられていた。本作も大地の勇者なのに地耐性は無い)) アクセサリー枠は強力なメダルを装備できなくなり悩みどころだが。 --なお、腕力は高めの雑魚モンスターでも200前後しかない。「防具を外しても通常攻撃は800ほどしか受けない」という体験談が見られるが、それは敵の腕力が低いためである。 -魔法使い系以外はおおむね反則的な雑魚敵はおらず、ボスの弱さも子供向けの良心的な難易度設計の一つと考えれば、魔法自体のダメージ調整だけが何らかの理由でなされなかったものとも考えられる。 前々作は味方の全魔法が設定ミスで通常攻撃と同じ威力、前作は全員まだ中級魔法しか覚えてないLvの時期に貝竜(最強魔法より強い)を会得するなど、シリーズ3作とも魔法関連のバランスが残念な事になっている。 #endregion -元々の能力が低いキャラほど能力が強化されるメダルのおかげで、キャラ間のバランスが良くなる…はずだったが、アクセサリ欄は二つあるため、メダルを二つ装備すると''元々の能力が低いキャラのほうが強くなってしまう。'' --例えば魔法系キャラに力を上げるメダルを装備させると、物理も魔法もできる万能戦士に仕上がる。一方で、物理系キャラはMPボーナスが大きいが魔力はごく僅かしか上がらない、''そもそも強力な魔法を覚えないのでは意味がない''。 ---物理系キャラは守備力やHPも高い傾向にあるので、防御用のメダルを装備してもほとんど強化されない。明らかに魔法系キャラ優遇、物理系キャラ不遇のバランスになってしまっている。 --終盤になるほど強力なメダルが手に入り、格差も大きくなる。前述した&bold(){『魔力が高いほど物理攻撃力があがるナイフ』}も加わると、見るからに非力そうな術師系キャラが物理攻撃で大ダメージを与え、力自慢のキャラはおとなしく防御しているだけ…という逆転現象が発生してしまう。 --素早さを上げるメダルだけはなぜか全員共通で素早さ×2になるボーナスが与えられる。これでは遅いキャラの救いにならない。ちなみにこのゲームは''物理系キャラほど遅い''傾向にある。ただしギャブロというキャラのみ例外で、物理系であるにもかかわらず全キャラ中トップの素早さを持つ。 --[[じゅうべえくえすと]]にもパラメータを直接底上げするお守りシステムがあったが、こちらは誰が装備しても同じ効果のため、バランスが逆転するようなことはなかった。 -ただでさえメダルで魔法キャラが物理アタッカーになれるというのに武器まで強力。 中盤以外の全期間強い。具体的な進行度でいうと約6割~8割の期間以外の全て。 #region(以下ネタバレ) -序盤の町(の床)に落ちている武器が物理キャラ武器とほぼ同じ威力かつ通常攻撃後に一定確率で、召喚獣を除けば最強魔法の「ホーリーライト」を発動する。((筆者の体感約10~20%)) 魔法ダメージはキャラの魔力依存な為にまだ数値の小さい序盤では桁外れという程ではないが十分強い。 -中盤の町でまたも物理キャラ武器と同威力が店で売ってる。しかも不死の敵特攻&光属性付き。その後は不死属性や光弱点のザコ敵が多い時期がしばらく続く。 -もう少し進むとダンジョン入手の武器は通常攻撃に即死効果付き。((筆者の体感約40~60%)) -そして終盤の「魔力が高いほど攻撃力が上がる武器」。入手時点ですら物理キャラより上、ラスダンに到達するLVでは2倍以上の攻撃力になる。 #endregion -前作と比べてラスボスにインパクトが無くなった。人によってはしらけるとまで言われるほど。ただし、この手下の側近たちは話を盛り上げてくれる非常に魅力あふれる人物になっている。(前作にはそういった手下たちは少なかった) -ラスダンの奥までいくと脱出不能になり、ラスボス撃破しか道がなくなる。セーブデータは2つしか作成できないので、バックアップを取るにも不親切。友人や家族のデータなどが入ってるROMだとバックアップも取れない。 -序盤とラスト以外の台詞が簡素。 --序盤とラスト間際こそ前作同様にボスを倒したり大きく話が進むたびに個性的で魅力的な台詞が多いのだが、他の期間は殆どのキャラが最低限の必要な事柄しか話さない。 --例:「○○は強敵でしたね」、「酷い奴だった、ゆるせない」、「さあ次の○○へ行きましょう」、「ここは○○を行動すべきです、早く行いましょう」など。誰が発言しても大差ない内容かつ短い台詞ばかりである。尚、ポットとポヨンはとても変わり者なせいか台詞も独特である。ポヨンは殆どの状況でワンパターン((無辜の村人が目の前で惨殺されても、腹が減ったと一言呟くなど))だが。 -PLGSのシステムはあまり活かせたとは言い難い。宝探しはおまけ程度で、伝言板などほとんど意味が無いシステムが入っている。 --宝探しは、特定の時間に「時を刻む遺跡」へ行き、遺跡ごとに決められた行動をとると宝物庫に入れるという具合((一部の「時を刻む遺跡」には一部キャラの最強装備や召喚魔法がある))。たった5箇所だけなうえ、2時((この場合深夜2時と昼14時の2回チャンスがある))など、ゲームをプレイする時間が親によって決められる事が多い小学生や中学生などには微妙にとりにくい時間のものがいくつかある。 --『天外魔境ZERO』と比べると取り逃がしてもそこまで後悔するような季節イベントはないのでそこは安心していい。というよりも日にち以降の単位が絡むのは誕生日のみ。そして大したアイテムではない。 ---「この程度しか絡まないなら入れる必要がなかったのでは?」という見方もできる。バックアップ電池の消耗が早いという悪影響もある。 -前作では無駄に異名同効果アイテムが多かったが、本作は戦闘中使用アイテムが回復以外は宝石だけになってしまった。この宝石も味方習得魔法と同じでアイテム独自の効果は無い。 --前作で猛威を振るった「いかり仮面、てんにょのなみだ、あみ、バイタルフォロー」などの補助や、「メガバズーカ」のような固定ダメージも無しで寂しい。なんとも両極端。 ---- **総評 前作から引き続き良質な音楽やストーリーに支えられ、さらにグラフィックやゲーム性も向上しており、2DRPGにおける一つの到達点であると言える。戦闘の難易度は高いものの、バランスを優れたレベルで調整したうえでの高難易度であり、いわゆる不安定ゲームとは一線を画している。~ しかし一方でエンカウント率は異常といえるレベルに高い。楽しませるための高難度戦闘や複雑なダンジョンがこのエンカウント率に引っ張られて逆に苦痛となっている面があり、結果人によっては良い評価を持てないことがある。~ 今から購入する際に一つ注意しなければならないことは、''PLGSによって電池の消耗が早く、中古で買った場合に『天外魔境ZERO』と同様にバッテリーが切れている可能性が他のSFCソフトと比べてかなり高い''という点である。その点を十分留意すれば、今でもなかなか楽しめるだろう。 ---- **余談 -攻略本で『大貝獣物語3』を作りますといわれているが、未だに出ておらず、続編を熱望するファンは多い。 -「キモイ」という名前の町が登場する。 --「気持ち悪い」の略を意味するスラングである「キモイ」が所謂若者言葉として本格的に浸透するのは、本作発売より後の話である。 -以前バースデイが開発した『じゅうべえくえすと』や『ドリームマスター』に登場したモンスターが何匹か再登場している。 --「バットクルス」や「ガスまじん」のようにそのまま出ている敵もいれば、「バトルナイト」→「ソウルアーマー」のようにデザインだけ流用して色と名前が変わっている敵も。 -その後『貝獣物語』シリーズはカードゲーム「大貝獣物語 THE MIRACLE OF THE ZONE」(MOZ)を主軸とする展開を行った。MOZにはこのゲームからも多数のキャラが参戦している。 --MOZは1997年頃から発売を開始。大貝獣物語の漫画を連載しているコミックボンボンがメディア展開を担った。MOZには同紙のデザイン募集から生まれたキャラが多数存在する。 ---のちにゲームボーイ版も発売され、続編も発売された。またその前後に作られたスピンオフ作品『ポヨンのダンジョンルーム』にもMOZの限定カードが同封されている。 --しかしMOZは2000年ごろに失速。拡張性のあまり無いルールを採用していたため、非互換性のカードを次々増やす方向へ行き((最終的にグリフ編、メトロ編など4種類にも増加。召喚師の一部例外を除いてデッキはその種類のカードで統一しなければならない。))、結果屋上屋を重ね続ける拡張になってしまった。「ポケモンカードゲーム」「遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ」といった強力なライバルも存在していたが、MOZ自身の戦略的な失敗も失速につながったと言える。 --2002年には&bold(){ルールが少し変化して絵が変わった}「ミラクルVマスター」という別物の新作カードゲームへ切り替えて2匹目のドジョウを狙った。タイアップは引き続きボンボンが行っていたが・・・ ---もはや『貝獣物語』という土台さえなく、ボンボンの部数落ち込みという状況も響いて、あっという間…というか年も越せずにVマスターコンテンツは消えてしまった。 ---TCGとしては問題あったが、単品のゲームとしてはまとまっているため「Vマスタークロス」(ただし基本ルールはMOZ)としてGBAで販売されている。 -最初に主人公のペットの犬の名前を設定することになるが、実はこれが中盤から大きな影響を与える #region(物語のネタバレになるので隠します) -主人公と犬はシェルドラドに召喚されるが、冒頭から離れ離れに召喚されてしまう。 --そして中盤のダンジョンで、犬は主人公をかばって致命傷を負ってしまう。死にかけていたところをスパーナ博士によって助けられ、仲間のうちの1人の『ロボット』の思考のベースとして組み込まれる。そして仲間となったロボットの名前も、&bold(){最初に入力したペットの犬の名前になる}。ふざけて変な名前を入れると、ここで後悔する事になる。 --最終的にはロボットは犬に戻れず((犬としての肉体は完全に死んでいる為))シェルドラドに残る決意をしてしまうので、ゲームクリアをしても主人公のいる現実世界に戻ってくることはない。ロボットを入れてクリアした場合でも、EDではスパーナ博士と一緒にいる描写となっている。 ---そもそもシェルドラドの都合で勝手に召喚されて、最終的に愛犬を失ってしまった主人公の心情やいかに…。 #endregion //---当時コロコロコミックが「ポケモンカードゲーム」を展開しており、さらに99年からは週刊少年ジャンプが「遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ」を展開している。当時はこの3つともが全国のおもちゃ屋に置いてあるという具合だった((本の出版元も小学館、集英社、講談社と別々。おまけにゲーム会社も任天堂(ポケモン)、コナミ(遊戯王)、ハドソン(MOZ)と、それぞれ別の会社がかかわっている。要するに少年紙、出版者、ゲーム会社3軸の代理戦争である。))。 //--しかし今なお続く2者と異なりMOZは2000年ごろに失速。タイアップ元のボンボンが他2紙に比べて貧弱だったこともあるが、コンボ等のルールから拡張性があまりなかったこと、そのため非互換性のカードを次々増やす方向へ行ってしまった((最終的にグリフ編、メトロ編など4種類にも増加。召喚師の一部例外を除いてデッキはその種類のカードで統一しなければならない。))結果屋上屋を重ね続ける拡張になってしまった、といった戦略的な失敗も失速につながったと言える。 //別のTCGに絡めた出版社三つ巴的な記述を削ってみた。
*大貝獣物語II 【だいかいじゅうものがたりつー】 |ジャンル|RPG|&image(http://g-ec2.images-amazon.com/images/G/09/ciu/7a/17/e457a1909fa09ef951951210.L.jpg,width=120,http://www.amazon.co.jp/dp/B000068I26)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|40MbitROMカートリッジ|~| |発売元|ハドソン|~| |開発元|エイム、ハドソン、バースデイ|~| |発売日|1996年8月2日|~| |定価|8,200円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|良く練られた戦闘、ダンジョン&br()良質な音楽、グラフィック、ストーリー&br()異常に高いエンカウント率&br()戦闘難易度も高い|~| |>|>|CENTER:''[[貝獣物語シリーズリンク>貝獣物語シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[大貝獣物語]]』の直接的な続編であり、『貝獣物語』から続くシリーズ本編としては最終作(外伝的な作品はこれ以降にも幾つか出ている)。&br()前作までの好評な要素を継承し、更には『[[天外魔境 ZERO]]』に導入されゲームの中で現実と同じ時間が流れる「パーソナルライブゲームシステム」(以下PLGS)が意欲的に搭載されており、SFC最大規模とも言える意欲作。 **あらすじ 平和の戻った幻大陸シェルドラド。だがある日突然、その平穏は打ち破られた。霧の外の世界から傷ついたドラゴバードが訪れ、再び世界に脅威が迫っていることを知らせる……。 **基本システム -シリーズ中、もっともオーソドックスなRPG。 --シナリオは途中で若干の分岐を挟むものの、イベントの順序を入れ替えるだけであり実質的にほぼ一本道。 --パーティメンバーはシナリオの展開に沿って入れ替わり、自由な編成は中盤までできない。 --そのためラストダンジョンを除き、特定のイベントの為に必要となるキャラクターを鍛えなければならないという事がない。 ---- **評価点 -グラフィックが更に向上している。 --前作もグラフィックには力を入れていたが、フィールド上のアイコンが貧弱すぎてかなり印象面で損をしていた。今回は移動中のキャラサイズも大きくし、見た目を改善させている。 --細かいところにも力を入れている。街の中で鳥や虫の鳴き声がする、雪国の街では歩くと足跡が付く、港にいる魚は近付くと逃げる等上げるときりがない。 --細かく動くキャラクター、感情をフキダシで出して表す等表現は秀逸。 --戦闘中の演出ももちろん美麗。初代『貝獣物語』にあった、敵が弱ると外見が変わる演出も復活している。体力値が3桁から4桁に増え、かつ数値のばらつきも減っている。 -前作の酷かったキーレスポンスや画面切り替わりも随分と良くなっている。ただし戦闘への切り替わりだけは相変わらず遅い。 -Xボタンを押すと1発でメニューを閉じる事ができる。装備を変えた後や回復魔法使用後などにBを3~4回も押さなくて良いので地味ながら良い点。 -アクセサリーに『ゴールドバッジ』なるアイテムが追加。効果は「装備した1人に経験値を集中させる」というもので、レベル差が開いてしまった仲間のレベルアップがかなりやりやすくなっている。~ 本作は複数PTで攻略するダンジョンもある為、その為の救済措置ともいえるだろう。 -回復優先の仕様はもちろん継承。また、回復魔法のみ、使用後にダメージ半減(防御)になる為、回復魔法の使い手は案外死ににくい。 --ただし「まほうれんぱつ」で使用した場合は特技扱いになり、行動順はキャラクターの速さに依存することになる。さらに「まほうれんぱつ」だと消費MPが1.5倍に跳ね上がる。 --なお、敵の回復魔法に先制効果はないが、魔法使用後にダメージ半減(防御)効果は現れる。 -ハドソンのRPGのお約束どおり、BGMは良曲が多い。 -前作のバイオベースレベルの鬱要素はないが、ドギツイ表現や悲劇的なイベントは山盛り。死者も出る。 //ネタバレは楽しみを奪う。世界崩壊も1回ある。 -前作で好評だったスタンプ集めや、自分の町を創るシステムは健在。更に新たな寄り道要素として、王の宝コレクション、PLGSを利用した財宝さがし等が追加されている。 --「我が町システム」に関しては、前作よりも大幅強化されている。区画を広げることが可能になり、作れる施設のバリエーションや実用性も向上された。 --スタンプ集めはスタンプの数が特定の数になった時にスタンプラリーに見せにいくとアイテムがもらえるが、プレイ時間によってもらえるアイテムが変わる。基本的に早いプレイ時間で集めて見せたほうがいいアイテムがもらえる傾向にある。 -前作にあった海底世界が無くなったり、仲間メンバーが13人から10人に減る(同様に助っ人キャラも減っている)など全体的に整備されている。 --しかし、その分仲間になるキャラクターとのめぐり会いをよりドラマチックにしたり、敵軍のストーリーを細かに表現し、敵の人間像をはっきりさせるなど、よりストーリーに重点をおいた構成になっている。前作は話の構成で魅せていたが、本作ではキャラクターの魅力で魅せている。 -探索要素の充実。 前作と同じく最強装備がやや分かりにくい所に有るといった遣り甲斐は勿論、序盤から終盤まで色々な所に優れた装備やアイテムが落ちている。 --例として序盤の難易度が高めだが、最初のボスのメガロキングの後ろの床に各種魔法を発動する宝石が落ちている。話しかける前に拾っておこう。 このボスは火弱点。次のダンジョンのボスは火・地・光弱点であり、宝石の魔法は中盤~終盤で習得する魔法なので序盤ボス戦ではそこそこ強力。 -全般的な難易度は高い。前作のバトルがあまりにも簡単で単調だった為か本作では序盤から敵がなかなか強く、ボスもやはり強いが、どちらもみっちり鍛え弱点を探すトライ&エラー型の良く練られた方向である。 -敵側の視点が物語の区切りごとに入る。 --そのおかげで次に何をしたらいいのか、敵の狙いはなにか、というのがプレイヤーにわかりやすくなっている。 **賛否両論点 -複雑なダンジョン。2Dマップをフルに使った隠し通路や流砂、スイッチ等バリエーション豊富な仕掛け。 --非常に歯ごたえがある一方、アイテムをとるために何回も往復したり、隠し通路を探すために延々とさまよう羽目になることも。高いエンカウント率がストレスを増大させている。 --高低差や奥行きも非常に大きい。街もこの具合なので、場所によってはもはやだまし絵レベルになっている。オブジェクトの裏側に道がある程度は普通という状態。 ---一応、隠し通路はヒントがあるレベル(岩の色が変わっている、別のマップから見える、明らかに怪しい隙間がある等)で、街中などの道はつながり的には自然なつくりになってはいる。ダンジョンなどでも異様な4次元空間にならないようには一応の工夫がされている。 ---いずれにしても盲点に入ってしまった場合が非常に厄介で、延々とさまよう羽目になるケースがある。 -ポヨンの体感魔法((ポヨン専用の魔法。習得にはポヨンが特定の魔法を受けた上で敵を倒し、経験値を獲得する必要がある。FFシリーズでいうラーニングのようなもの))のコンプが難しい。喰らっても必ず覚えるとは限らない上、ストーリー上1度しか戦えない敵が2体おり、取りのがすと二度と取れない。また、前述した『ゴールドバッジ』は経験値を装備者に集中させてしまうため、ポヨンに体感魔法を習得させたいならバッジをポヨンに装備させるか外しておく必要がある。 --その分、体感魔法は高性能なものが多く、ものによっては下手な攻撃魔法を凌駕する破壊力を秘めている。『カイザードライブ』『サンダーホーン』『ポイズンバブル』などは非常に強力。本作では『毒』『菌』といった属性もあり((他の属性と違って修得者も少ない))、それを弱点としているボスもいるので刺さる場面も多い。アクセサリでポヨンのMPを強化すれば鬼に金棒。 --名前こそ魔法だが、威力は全てポヨンの物理攻撃力を参照する。前衛パワーファイターの典型のようなステータスである為物理攻撃力が元々高い事もあり、また状態異常系の技も豊富に覚えるので通常攻撃よりも体感魔法を使っている頻度の方が多くなる事も。逆に、体感魔法を覚える事を知らない(劇中イベント等で体感魔法に関する説明等は特に無い。説明書にもどんな魔法を覚えるかまでは載っていないので攻略本が必須のレベル)まま進めてしまい、ただポヨヨーン((いわゆるパルプンテ的な特技。味方のMPを全回復したり、敵味方を全員瀕死にしたり等の効果がランダムで出る。強化イベントもあり、さらに極端な効果が追加される))を使えるだけのつまらないキャラだと思って一軍から外してしまうプレイヤーも見られた。 -この時代のRPGではお約束だが、一部の最強武器の入手方法がノーヒントで、期間限定イベントをこなさないといけないものもある。特に『ヘルキャッティー』という武器を攻略本なしで取れた人はどれだけいるのだろうか。 -パーティメンバーの構成で難易度が高い個所がある。よく上げられるのは序盤と、随所にある一人旅or二人旅。 --序盤は主人公・バブ・ポットが固定で、バルテス、ルミエラ、バルテス、ルミエラの順で組むことになる。 ---ルミエラの時期は主人公はともかく、ポット・ルミエラの2名は魔法使いタイプで低レベルのうちは魔法の威力も頼りない。バブも補助・攻撃を使い分けるといった感じのキャラで打撃力が不足する。 ---バルテスの時期は打撃力は大きく上昇するが、今度は回復魔法の使い手がMPの低い主人公しかいないので回復アイテムの常備が必須となる。その状態で、ちょっと長めのダンジョンを攻略しなくてはならない。 ---ポットの加入は強制ではなく任意(隠しキャラのような扱い)であるため、気付かずにバブ、ルミエラと三人旅になったプレイヤーもいる。ただし、ポット自体前作でも隠しキャラであり、ヒント自体はあるため不親切というわけではない。くまなく探せばほぼ確実に見つかる。そしてマップをくまなく探すのは、当時のRPGでは攻略の基本スタンスである。 --他にも、とあるアイテムを入手までステータス異常「豚((特技の使用ができなくなる。))」状態のポヨンとクピクピ2人だけで戦わないといけないところや、ロボット(仲間)1人だけで戦う場所などが難所としてあげられやすい。 ---実際のところ、序盤バルテスの時期は敵が回復アイテムをよく落とし、全快ポイントやセーブポイントが要所要所に設置されている。ルミエラの時期は魔法で弱点を突けばほぼ一撃の敵か極端にやわい敵ばかり。ポヨンとクピクピ2人旅はそもそも特技を使う必要がなく、ロボットは火炎放射を使えば一撃必殺が可能で店は半額。これらに限らず難所には相当細かいフォローが入っている。 //削った部分について。ロボについて、レベルがちょっと上がれば先手をとれることを確認。また回復先制ルールから初手で死ぬことは目測を誤るというプレイヤー側のミス以外にはまずありえない。敵の攻撃力はそこまで高くない。体感魔法について、実際に1回しか戦えないのは2体。ほかは格闘場で再戦できる。 -ほぼ全員が「なんでもできる」バランス調整。 --味方キャラクターの大半が、回復魔法と属性付きの広域魔法か、それに類する技を覚える万能型の魔法戦士。 --純魔法使いのクピクピとルミエラは、どちらも全ての属性の攻撃魔法と、ほとんど全ての回復・支援魔法を習得する。覚える特技に至っては完全に同じ。ただし強力な全体回復の『サンシャワー』はクピクピしか覚えない。 --「該当する能力値が低いキャラほど高い補正がもらえるメダル系装備」や、「力の代わりに魔力を使って通常攻撃できるナイフ」など、キャラの特性を引っ繰り返すような装備も多い。 --露骨な弱みが発生しにくく誰を使ってもそれなり以上に戦えるとも言えるが、各自の個性が台無しとも言える。前作で批判されがちだった、キャラ間の能力格差を是正しようとした結果とは思われる。 -パーティーを分割して同時に2ルートから攻略するダンジョンが存在するが中盤とラストの2つのみ。 細かくはもう1つ、中盤の山場の後に分断されるがこちらは期間がかなり短い。 --問題は他のキャラを使う必要に迫られない為に意識せず進めているとラストでLV差が20~30くらい有る状態で急に使わされるのである。 --いわゆるはぐれメタル的な敵ばかり出現する稼ぎ場所は用意されてるものの面倒。ラストまでにもう1か所くらい分断パートを入れるか前作のような手軽なLV上げイベントを用意できなかったのだろうか。 -クピクピは序盤加入の割に優秀で、魔法キャラ優遇の仕様と相まって本作のシステムを把握していればバランスブレイカーレベル。前作のほぼ全能力が低くて魔法習得LVも遅い有様とは大違い。 --運が高いのでラッキーが出やすい((通常攻撃が2回攻撃かクリティカルになる。両方重複する事も有る))・素早さが高い為に先手で敵を倒せる・状態異常無効((以下は効いてしまう。盲目、ステータスデバフ、沈黙、その戦闘のみ場外))・全体回復や敵への全体防御ダウンなど便利な魔法。 -本作で明らかになる過去作を台無しにしかねない設定。 #region(以下ネタバレ) -シリーズ恒例の大魔王ファットバジャーが太古に2体作られ、1体は封印できたもののもう1体は逃がしてしまったという記述がクトミナの書物で読める。 --ファンタジー王道のボスキャラ魔王が続編で後付けのように人造物と判明するというのはガッカリである。もっと掘り下げやセリフが有るならまだともかく書物の短い文章のみ。 そもそも本作の主な敵はクトミナ人のダークとドーン。シリーズの悪がほぼクトミナ発祥である。それで良いのか。 -エンディングにて死者の魂はバーン山に着くがシェルドラドの住人ではないギャブロやソニアは魂がすぐに消滅してしまうという悲しい事実が発覚する。 --もし前作の霧の中の世界も同じ設定だとしたら、ロボットやグジューが人間に生まれ変われる可能性が0かもしれないという事である。消滅するとしか言ってない為、生まれ変わりに言及してない事がせめての救いか。 #endregion **問題点 -前作同様OPが長い。最初の操作可能まで約10分もかかり、最初のダンジョンをクリアでまた長いOPの続き。主人公が加入して本格的に始まるのはおよそ20~25分くらいかかる。 --設定等がOPであらかた説明されるためでもあり、前作をやっていないと不明といった部分はほぼない。 -もはやハドソン製共通のことだがエンカウント率が高い。ダンジョンの造りや謎解きも工夫されているため、必然的に戦闘回数が多くなる。戦闘が面倒な人には向かない。 --運が悪いと1,2歩動いただけで再エンカウントというレベル。だいたい10歩以内には再エンカウントする。 ---前作は戦闘終了後5歩以内はエンカウントしない仕様だったが、本作はそれがカットされた。 --一応、一定距離だけならエンカウントしなくなるすけっとはいる。他にもマップやダンジョンを偵察できるすけっともいるにはいるが、エンカウント率の高さをフォローできているとは言い難い。 //---なお、エンカウント率自体についていえば実はFC時代の他社RPGと比べれば大差はない。しかしSFCになり容量が増え、ダンジョンが複雑かつ広大になるにつれ、確率そのものを下げたり補正をかけたりされるようになっていた。たとえば、同時期のエニックスのRPGドラクエ6は戦闘終了後一定歩数エンカウントしないようになっている。それらを行っていないため同時期としては「異常なレベル」のエンカウント率の高さに。 //FC時代のソフトと比べる時点でおかしいし、このソフトにおける戦闘頻度はFC時代であっても問題視される域と思われます。 --地味に厄介な難点として、戦闘終了後、キャラクター全員が中央一マスに固まり正面を向いた状態で再開される仕様が、更に負担を増やしている。つまり戦闘前にどちらから来て、どちらを向いていたかが分からないのだ。バトル自体の難度が高めなこともあり、咄嗟に事前の移動進路を見失ってしまうことも珍しくない。そしてほんの数歩でも間違ったほうへ進むと、その数歩や、間違いに気づき元の場所まで戻る数歩の間にまた敵が出てくるという悪循環に陥る。 --謎解きのため行ったり来たりを頻繁に要請されるダンジョンの構造と、異常に高いエンカウント率、そして高い戦闘難度の食い合わせが悪く、互いが互いのストレス要素ばかりを強調し足を引っ張り合っている状態。 -終盤からラスダンまでゲームバランスを崩壊させるレベルの強い雑魚敵が出現する。 #region(ネタバレになりえるので省略) -魔法使い系に多く、HPの過半を一発で持っていく呪文を連発してくる敵が出てくる。徹底的なレベル上げが必要なのはもちろんだが、割合ダメージ呪文(HPの75%をダメージとして与えるものなど)を持つものも少なくなく、レベルが高いだけでは安心できない。前述の高エンカウントも相まってこれら数種の敵が非常に危険。 -特に危険なのは『フレアーアンクル』で、高火力の単体攻撃魔法と割合ダメージ呪文を使う上に、有効な属性は水属性(弱点属性ではない)のみで火を吸収し他6属性は全部無効という強耐性を持っている。HPが3600と低いのが救い。 -しかもこのような敵が1エンカウントで複数体出てくることもあり、相当なレベル上げを行っても運悪く連続で全体魔法を使われるとあっけなく全滅してしまう。逃走に失敗したり、1、2ターンで殲滅出来ないとかなりの確率で窮地に陥る。全体的にこの手の敵は素早く先手をとられるのが普通であることも困難さを増す原因となっている。 -これほど雑魚敵が強いのだからダンジョンのボスも強いのだろうと考えるのが普通だが、ボスの一撃は雑魚敵の一撃に及びもつかない低火力であり、またボスは一人しかいないため連続で攻撃にさらされる心配はない。HPが高いだけの木偶の坊となっている。 -上記のようになってしまった原因として、今作の敵のダメージ計算式にあると考えられている。計算式は以下の通り。 --物理ダメージ…腕力×4 - 防御力 --魔法ダメージ…魔力×魔法の威力×耐性((無耐性で8))/16 - 魔法防御(耐性が弱い場合は1/2) -この計算式にもかかわらず、上位の魔法は威力26~33と非常に高く設定されている。ラストダンジョン最強の雑魚と言われている「エクソブレイン」は魔力155。ギガハイドの33と掛け合わせて無耐性(8)のキャラに使用した場合、威力は''2557''となり、連続で打たれては無耐性で耐える事は難しい。しかも3体同時出現する事もある。魔法防御を高めても最大でも200程度であり上記の式とおり最後に引き算するので効果は薄い。 --初見殺しだが1度遭遇して脅威を理解すれば、本作は水耐性装備が充実してる為に対処は可能。 物理キャラと貝獣3体は店売りの盾か体装備で軽減。他のキャラはアクセサリーで無効化できる。ついでにバブは本作でも水と雷耐性。((前作は装備といい耐性といい水の勇者と間違えられていた。本作も大地の勇者なのに地耐性は無い)) アクセサリー枠は強力なメダルを装備できなくなり悩みどころだが。 --なお、腕力は高めの雑魚モンスターでも200前後しかない。「防具を外しても通常攻撃は800ほどしか受けない」という体験談が見られるが、それは敵の腕力が低いためである。 -魔法使い系以外はおおむね反則的な雑魚敵はおらず、ボスの弱さも子供向けの良心的な難易度設計の一つと考えれば、魔法自体のダメージ調整だけが何らかの理由でなされなかったものとも考えられる。 前々作は味方の全魔法が設定ミスで通常攻撃と同じ威力、前作は全員まだ中級魔法しか覚えてないLvの時期に貝竜(最強魔法より強い)を会得するなど、シリーズ3作とも魔法関連のバランスが残念な事になっている。 #endregion -元々の能力が低いキャラほど能力が強化されるメダルのおかげで、キャラ間のバランスが良くなる…はずだったが、アクセサリ欄は二つあるため、メダルを二つ装備すると''元々の能力が低いキャラのほうが強くなってしまう。'' --例えば魔法系キャラに力を上げるメダルを装備させると、物理も魔法もできる万能戦士に仕上がる。一方で、物理系キャラはMPボーナスが大きいが魔力はごく僅かしか上がらない、''そもそも強力な魔法を覚えないのでは意味がない''。 ---物理系キャラは守備力やHPも高い傾向にあるので、防御用のメダルを装備してもほとんど強化されない。明らかに魔法系キャラ優遇、物理系キャラ不遇のバランスになってしまっている。 --終盤になるほど強力なメダルが手に入り、格差も大きくなる。前述した&bold(){『魔力が高いほど物理攻撃力があがるナイフ』}も加わると、見るからに非力そうな術師系キャラが物理攻撃で大ダメージを与え、力自慢のキャラはおとなしく防御しているだけ…という逆転現象が発生してしまう。 --素早さを上げるメダルだけはなぜか全員共通で素早さ×2になるボーナスが与えられる。これでは遅いキャラの救いにならない。ちなみにこのゲームは''物理系キャラほど遅い''傾向にある。ただしギャブロというキャラのみ例外で、物理系であるにもかかわらず全キャラ中トップの素早さを持つ。 --[[じゅうべえくえすと]]にもパラメータを直接底上げするお守りシステムがあったが、こちらは誰が装備しても同じ効果のため、バランスが逆転するようなことはなかった。 -ただでさえメダルで魔法キャラが物理アタッカーになれるというのに武器まで強力。 中盤以外の全期間強い。具体的な進行度でいうと約6割~8割の期間以外の全て。 #region(以下ネタバレ) -序盤の町(の床)に落ちている武器が物理キャラ武器とほぼ同じ威力かつ通常攻撃後に一定確率で、召喚獣を除けば最強魔法の「ホーリーライト」を発動する。((筆者の体感約10~20%)) 魔法ダメージはキャラの魔力依存な為にまだ数値の小さい序盤では桁外れという程ではないが十分強い。 -中盤の町でまたも物理キャラ武器と同威力が店で売ってる。しかも不死の敵特攻&光属性付き。その後は不死属性や光弱点のザコ敵が多い時期がしばらく続く。 -もう少し進むとダンジョン入手の武器は通常攻撃に即死効果付き。((筆者の体感約40~60%)) -そして終盤の「魔力が高いほど攻撃力が上がる武器」。入手時点ですら物理キャラより上、ラスダンに到達するLVでは2倍以上の攻撃力になる。 #endregion -前作と比べてラスボスにインパクトが無くなった。人によってはしらけるとまで言われるほど。ただし、この手下の側近たちは話を盛り上げてくれる非常に魅力あふれる人物になっている。(前作にはそういった手下たちは少なかった) -ラスダンの奥までいくと脱出不能になり、ラスボス撃破しか道がなくなる。セーブデータは2つしか作成できないので、バックアップを取るにも不親切。友人や家族のデータなどが入ってるROMだとバックアップも取れない。 -序盤とラスト以外の台詞が簡素。 --序盤とラスト間際こそ前作同様にボスを倒したり大きく話が進むたびに個性的で魅力的な台詞が多いのだが、他の期間は殆どのキャラが最低限の必要な事柄しか話さない。 --例:「○○は強敵でしたね」、「酷い奴だった、ゆるせない」、「さあ次の○○へ行きましょう」、「ここは○○を行動すべきです、早く行いましょう」など。誰が発言しても大差ない内容かつ短い台詞ばかりである。尚、ポットとポヨンはとても変わり者なせいか台詞も独特である。ポヨンは殆どの状況でワンパターン((無辜の村人が目の前で惨殺されても、腹が減ったと一言呟くなど))だが。 -PLGSのシステムはあまり活かせたとは言い難い。宝探しはおまけ程度で、伝言板などほとんど意味が無いシステムが入っている。 --宝探しは、特定の時間に「時を刻む遺跡」へ行き、遺跡ごとに決められた行動をとると宝物庫に入れるという具合((一部の「時を刻む遺跡」には一部キャラの最強装備や召喚魔法がある))。たった5箇所だけなうえ、2時((この場合深夜2時と昼14時の2回チャンスがある))など、ゲームをプレイする時間が親によって決められる事が多い小学生や中学生などには微妙にとりにくい時間のものがいくつかある。 --『天外魔境ZERO』と比べると取り逃がしてもそこまで後悔するような季節イベントはないのでそこは安心していい。というよりも日にち以降の単位が絡むのは誕生日のみ。そして大したアイテムではない。 ---「この程度しか絡まないなら入れる必要がなかったのでは?」という見方もできる。バックアップ電池の消耗が早いという悪影響もある。 -前作では無駄に異名同効果アイテムが多かったが、本作は戦闘中使用アイテムが回復以外は宝石だけになってしまった。この宝石も味方習得魔法と同じでアイテム独自の効果は無い。 --前作で猛威を振るった「いかり仮面、てんにょのなみだ、あみ、バイタルフォロー」などの補助や、「メガバズーカ」のような固定ダメージも無しで寂しい。なんとも両極端。 ---- **総評 前作から引き続き良質な音楽やストーリーに支えられ、さらにグラフィックやゲーム性も向上しており、2DRPGにおける一つの到達点であると言える。戦闘の難易度は高いものの、バランスを優れたレベルで調整したうえでの高難易度であり、いわゆる不安定ゲームとは一線を画している。~ しかし一方でエンカウント率は異常といえるレベルに高い。楽しませるための高難度戦闘や複雑なダンジョンがこのエンカウント率に引っ張られて逆に苦痛となっている面があり、結果人によっては良い評価を持てないことがある。~ 今から購入する際に一つ注意しなければならないことは、''PLGSによって電池の消耗が早く、中古で買った場合に『天外魔境ZERO』と同様にバッテリーが切れている可能性が他のSFCソフトと比べてかなり高い''という点である。その点を十分留意すれば、今でもなかなか楽しめるだろう。 ---- **余談 -攻略本で『大貝獣物語3』を作りますといわれているが、未だに出ておらず、続編を熱望するファンは多い。 -「キモイ」という名前の町が登場する。 --「気持ち悪い」の略を意味するスラングである「キモイ」が所謂若者言葉として本格的に浸透するのは、本作発売より後の話である。 -以前バースデイが開発した『じゅうべえくえすと』や『ドリームマスター』に登場したモンスターが何匹か再登場している。 --「バットクルス」や「ガスまじん」のようにそのまま出ている敵もいれば、「バトルナイト」→「ソウルアーマー」のようにデザインだけ流用して色と名前が変わっている敵も。 -その後『貝獣物語』シリーズはカードゲーム「大貝獣物語 THE MIRACLE OF THE ZONE」(MOZ)を主軸とする展開を行った。MOZにはこのゲームからも多数のキャラが参戦している。 --MOZは1997年頃から発売を開始。大貝獣物語の漫画を連載しているコミックボンボンがメディア展開を担った。MOZには同紙のデザイン募集から生まれたキャラが多数存在する。 ---のちにゲームボーイ版も発売され、続編も発売された。またその前後に作られたスピンオフ作品『ポヨンのダンジョンルーム』にもMOZの限定カードが同封されている。 --しかしMOZは2000年ごろに失速。拡張性のあまり無いルールを採用していたため、非互換性のカードを次々増やす方向へ行き((最終的にグリフ編、メトロ編など4種類にも増加。召喚師の一部例外を除いてデッキはその種類のカードで統一しなければならない。))、結果屋上屋を重ね続ける拡張になってしまった。「ポケモンカードゲーム」「遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ」といった強力なライバルも存在していたが、MOZ自身の戦略的な失敗も失速につながったと言える。 --2002年には&bold(){ルールが少し変化して絵が変わった}「ミラクルVマスター」という別物の新作カードゲームへ切り替えて2匹目のドジョウを狙った。タイアップは引き続きボンボンが行っていたが・・・ ---もはや『貝獣物語』という土台さえなく、ボンボンの部数落ち込みという状況も響いて、あっという間…というか年も越せずにVマスターコンテンツは消えてしまった。 ---TCGとしては問題あったが、単品のゲームとしてはまとまっているため「Vマスタークロス」(ただし基本ルールはMOZ)としてGBAで販売されている。 -最初に主人公のペットの犬の名前を設定することになるが、実はこれが中盤から大きな影響を与える #region(物語のネタバレになるので隠します) -主人公と犬はシェルドラドに召喚されるが、冒頭から離れ離れに召喚されてしまう。 --そして中盤のダンジョンで、犬は主人公をかばって致命傷を負ってしまう。死にかけていたところをスパーナ博士によって助けられ、仲間のうちの1人の『ロボット』の思考のベースとして組み込まれる。そして仲間となったロボットの名前も、&bold(){最初に入力したペットの犬の名前になる}。ふざけて変な名前を入れると、ここで後悔する事になる。 --最終的にはロボットは犬に戻れず((犬としての肉体は完全に死んでいる為))シェルドラドに残る決意をしてしまうので、ゲームクリアをしても主人公のいる現実世界に戻ってくることはない。ロボットを入れてクリアした場合でも、EDではスパーナ博士と一緒にいる描写となっている。 ---そもそもシェルドラドの都合で勝手に召喚されて、最終的に愛犬を失ってしまった主人公の心情やいかに…。 #endregion //---当時コロコロコミックが「ポケモンカードゲーム」を展開しており、さらに99年からは週刊少年ジャンプが「遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ」を展開している。当時はこの3つともが全国のおもちゃ屋に置いてあるという具合だった((本の出版元も小学館、集英社、講談社と別々。おまけにゲーム会社も任天堂(ポケモン)、コナミ(遊戯王)、ハドソン(MOZ)と、それぞれ別の会社がかかわっている。要するに少年紙、出版者、ゲーム会社3軸の代理戦争である。))。 //--しかし今なお続く2者と異なりMOZは2000年ごろに失速。タイアップ元のボンボンが他2紙に比べて貧弱だったこともあるが、コンボ等のルールから拡張性があまりなかったこと、そのため非互換性のカードを次々増やす方向へ行ってしまった((最終的にグリフ編、メトロ編など4種類にも増加。召喚師の一部例外を除いてデッキはその種類のカードで統一しなければならない。))結果屋上屋を重ね続ける拡張になってしまった、といった戦略的な失敗も失速につながったと言える。 //別のTCGに絡めた出版社三つ巴的な記述を削ってみた。

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