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*金田一少年の事件簿 悪魔の殺人航海 【きんだいちしょうねんのじけんぼ あくまのさつじんこうかい】 |ジャンル|推理アドベンチャー|&amazon(B002EL47BG)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|クリエイティヴ・コア|~| |開発元|トムキャットシステム|~| |発売日|2009年9月17日|~| |定価|5,040円(税込)|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|異様に簡単な謎解き&br()脈絡なく入る爆弾処理ゲーム&br()あんまりな結末&br()|~| |>|>|CENTER:&color(black)''[[金田一少年の事件簿シリーズリンク>金田一少年の事件簿シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 推理漫画『金田一少年の事件簿』が題材のADV。~ コラボレーション作品などは合ったが単独でのゲーム化は9年ぶりとなる。~ ---- **ストーリー 金田一一(はじめ)は幼馴染の七瀬美雪と共に、夏休みにアルバイトとして豪華客船に乗り込むこととなった。そこである大富豪の遺産を巡る殺人事件に遭遇する… ---- **システム -基本的には、たまに推理が必要な選択枝が出るADV。 --間違った答えを選ぶと、ゲーム終了時に示されるゲームの評価である「推理ランク」が下がることとなる。 -船内移動&br;会話イベントの合間に船内を移動出来る時間帯が存在している。 --1F~4Fまであり、"豪華客船"というだけあって、各階とも広いマップとなっている。 --時間の概念はなく、マップ上の部屋をタッチすると移動の描写もなく瞬時に移動し、また、イベントを起こさない限り同一時間帯に複数箇所を調べられる。 --誰もいない部屋に入れた場合、ミニゲームの「推理Q」に挑める権利を入手できる。 ---1度「推理Q」の挑戦権を発見した部屋からは二度と「推理Q」の挑戦権は発見できない。 ---各「推理Q」の挑戦権が発見できるのは特定の時間帯だけであり、その時間帯に「推理Q」の挑戦権を見つけられなければ、その「推理Q」の問題への挑戦権は二度と出現しない。 ---「推理Q」はトムキャットシステムの『[[THE 推理シリーズ]]』の問題を非常に薄くしたようなヌルい推理問題である。 ---「推理Q」はメニュー画面にあるが、メニュー画面を開けるのは船内移動が可能な時間帯だけなので見つけ次第解く必要がある。&br;見つけた時に解かなければ後に解いたとしてもゲーム終了時の評価である「推理ランク」が下がってしまうこととなる。 ---「推理Q」は全100問ある。 ---- **問題点 -謎解きが非常に低レベルで、原作を知っていると失笑させられる。 --聞き込んだり推理するにしても全ての人から話を聞いていればまず推理でミスることすらない。 --また事件そのものの推理より、章の中で手に入る「推理Q」を「その章のうちに」解いていないと推理ランクが上がらないという謎仕様。 //''タッチペンの認識率が異様に悪い''というおまけ付き。 //↑ カーソル使え -真犯人について #region(ネタバレ注意) --真犯人の存在自体非常に希薄。 ---一番イベントや接触の機会の少ないキャラが犯人だが、その「血まみれの衣服」が''自分の部屋に無造作に置かれている''点でぞんざいさが窺えるというもの。 ---真犯人はメイドなのだが「女の力ではそんなトリックはできない」に対する金田一の反論が「特殊訓練を受けていたからそれを行える」というものであり、その特殊訓練を受けていたという伏線が最初に金田一と出会った時の「金田一がうっかりで落としたコーヒー入りのカップを瞬時に一滴も零さず拾い上げていたという身のこなしの良さ」というもので、少々無理矢理とも言える。 #region(さらにネタバレ注意) --実際に軍隊上がりの里親に訓練は受けていたものの、上記の追及の時点ではわからないが犯人は女装をした男性であったため、このくだりは必要なかったとも言える。~ しかし女装という設定も取ってつけたように出てくるので完全に納得はできない。~ 一応原作にも女装をしていた犯人は出てくるが、そちらと違ってこちらはそれが決め手となる事もなく、犯人が脱出し連絡をしてきた時に一方的に明かしてきた内容のため、設定としての必要性をあまり感じられない。 #endregion() --犯人の犯行動機は祖母と母を殺されたことに対する復讐である。~ 復讐ということでやはりと言うべきか、犯行の裏には犯罪コーディネーターこと「地獄の傀儡師」が関わっており、船上で行った犯行は全て地獄の傀儡師に言われるがまま行ったものであるため少々小物感が漂う。 //--ある人物が殺された時のダイイングメッセージに''真犯人の名前がそのまま記されてしまっている''。~ //一応記されている物はバラバラに砕いて犯人にはわからないようにはされていたが、捜査の最中に暗号という訳でもなく直接犯人の名前を記した証拠品が出てくるのはゲームとしてはいかがなものか。 //真犯人の名前がありありと示されて改ざんされたのは獄門塾でもあったし、この指摘は違うような気が。 #endregion() -一部UIが使いにくい --スキップ機能がない。この時期のADVとしてはお粗末な作りである。 --メニュー画面は船内移動が可能な時にしか呼び出せない。会話中に人物ファイルを確認したり、セーブすることが出来ない。 --バックログは新しい内容が上に追加されるという仕様。従来のADVのバックログは上が古く、下が新しいという場合が多いため、慣れない内は調子が狂う。 -物語終盤、''脈絡なく爆弾処理ゲームが入る''。しかも失敗するとゲームオーバーでセーブした場所からやり直し。 --タッチペンの細かい動作を要求されるのも難易度を無駄に上げているが、何より真犯人に「爆弾に詳しい」という設定すらないので入れる意義すらあったのか疑問。 --前年にD3パブリッシャーから『SIMPLE DSシリーズ』ブランドで『THE 爆弾処理班』が発売されており、このゲームの評判が良かったことから両作品の開発を行ったトムキャットシステムが技術を流用したものと思われる。 -結末について #region(ネタバレ注意) --真犯人は先に脱出艇で脱出し、船の目的地である「聖地」と呼ばれる島に存在した、金田一達が乗船している元軍艦である客船「ルナ号」の姉妹艦で元通商破壊艦「ステラ号」に乗り込む。そして「犯行の一部始終は君達に知られてしまった、しかし君達がいなくなれば関係ない」と伝えて魚雷でこちらの船を沈めようとするが、それに対し黒幕である地獄の傀儡師が「撃たれる前に撃つ」として大砲でステラ号を撃沈するというものである。~ 一連の流れもさることながら、真犯人を捕らえられず死亡させてしまうというのも少々残念な展開に感じられる。 --ただし、原作でも結果的に真犯人が死ぬことは珍しいことではないし、本作の金田一も止めようとしている。~ また、真犯人が連絡してきたことについて「確実に勝つなら黙って魚雷を撃てば良かった、わざわざ連絡してきたということは逆に撃って(止めて)ほしかったのではないか」と推測するなどのフォローはある。 #endregion() ---- **評価点 -グラフィックや音声はきちんと原作寄り --登場人物のグラフィックは比較的良好で、今までのゲーム化と異なりしっかりと原作風のグラフィックになっている。 --声優もTVアニメ版の声優が使われている。 ---今まではゲーム毎に声優が違っていた為、TVアニメ版の声優で収録されたのは本作が初めてである。 ---- **総評 余りにも雑な謎解きや事件の真相など、ミステリが題材のADVとしては全体的に残念な出来となってしまった。~ 久しぶりのゲーム化にもかかわらず''非常にクオリティの低い仕上がり''であり、典型的な「キャラゲー=クソゲー」の図式に乗っかることになってしまった。 //真犯人の動機や結末に事実と異なる点、及び誤解を招くような表記が多々あったため修正を行いました。
*金田一少年の事件簿 悪魔の殺人航海 【きんだいちしょうねんのじけんぼ あくまのさつじんこうかい】 |ジャンル|推理アドベンチャー|&amazon(B002EL47BG)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|クリエイティヴ・コア|~| |開発元|トムキャットシステム|~| |発売日|2009年9月17日|~| |定価|5,040円(税込)|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|異様に簡単な謎解き&br()脈絡なく入る爆弾処理ゲーム&br()あんまりな結末&br()|~| |>|>|CENTER:&color(black)''[[金田一少年の事件簿シリーズリンク>金田一少年の事件簿シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 推理漫画『金田一少年の事件簿』が題材のADV。~ コラボレーション作品などは合ったが単独でのゲーム化は9年ぶりとなる。~ ---- **ストーリー 金田一一(はじめ)は幼馴染の七瀬美雪と共に、夏休みにアルバイトとして豪華客船に乗り込むこととなった。そこである大富豪の遺産を巡る殺人事件に遭遇する… ---- **システム -基本的には、たまに推理が必要な選択肢が出るADV。 --間違った答えを選ぶと、ゲーム終了時に示されるゲームの評価である「推理ランク」が下がることとなる。 -船内移動&br;会話イベントの合間に船内を移動出来る時間帯が存在している。 --1F~4Fまであり、"豪華客船"というだけあって、各階とも広いマップとなっている。 --時間の概念はなく、マップ上の部屋をタッチすると移動の描写もなく瞬時に移動し、また、イベントを起こさない限り同一時間帯に複数箇所を調べられる。 --誰もいない部屋に入れた場合、ミニゲームの「推理Q」に挑める権利を入手できる。 ---1度「推理Q」の挑戦権を発見した部屋からは二度と「推理Q」の挑戦権は発見できない。 ---各「推理Q」の挑戦権が発見できるのは特定の時間帯だけであり、その時間帯に「推理Q」の挑戦権を見つけられなければ、その「推理Q」の問題への挑戦権は二度と出現しない。 ---「推理Q」はトムキャットシステムの『[[THE 推理シリーズ]]』の問題を非常に薄くしたようなヌルい推理問題である。 ---「推理Q」はメニュー画面にあるが、メニュー画面を開けるのは船内移動が可能な時間帯だけなので見つけ次第解く必要がある。&br;見つけた時に解かなければ後に解いたとしてもゲーム終了時の評価である「推理ランク」が下がってしまうこととなる。 ---「推理Q」は全100問ある。 ---- **問題点 -謎解きが非常に低レベルで、原作を知っていると失笑させられる。 --聞き込んだり推理するにしても全ての人から話を聞いていればまず推理でミスることすらない。 --また事件そのものの推理より、章の中で手に入る「推理Q」を「その章のうちに」解いていないと推理ランクが上がらないという謎仕様。 //''タッチペンの認識率が異様に悪い''というおまけ付き。 //↑ カーソル使え -真犯人について #region(ネタバレ注意) --真犯人の存在自体非常に希薄。 ---一番イベントや接触の機会の少ないキャラが犯人だが、その「血まみれの衣服」が''自分の部屋に無造作に置かれている''点でぞんざいさが窺えるというもの。 ---真犯人はメイドなのだが「女の力ではそんなトリックはできない」に対する金田一の反論が「特殊訓練を受けていたからそれを行える」というものであり、その特殊訓練を受けていたという伏線が最初に金田一と出会った時の「金田一がうっかりで落としたコーヒー入りのカップを瞬時に一滴も零さず拾い上げていたという身のこなしの良さ」というもので、少々無理矢理とも言える。 #region(さらにネタバレ注意) --実際に軍隊上がりの里親に訓練は受けていたものの、上記の追及の時点ではわからないが犯人は女装をした男性であったため、このくだりは必要なかったとも言える。~ しかし女装という設定も取ってつけたように出てくるので完全に納得はできない。~ 一応原作にも女装をしていた犯人は出てくるが、そちらと違ってこちらはそれが決め手となる事もなく、犯人が脱出し連絡をしてきた時に一方的に明かしてきた内容のため、設定としての必要性をあまり感じられない。 #endregion() --犯人の犯行動機は祖母と母を殺されたことに対する復讐である。~ 復讐ということでやはりと言うべきか、犯行の裏には犯罪コーディネーターこと「地獄の傀儡師」が関わっており、船上で行った犯行は全て地獄の傀儡師に言われるがまま行ったものであるため少々小物感が漂う。 //--ある人物が殺された時のダイイングメッセージに''真犯人の名前がそのまま記されてしまっている''。~ //一応記されている物はバラバラに砕いて犯人にはわからないようにはされていたが、捜査の最中に暗号という訳でもなく直接犯人の名前を記した証拠品が出てくるのはゲームとしてはいかがなものか。 //真犯人の名前がありありと示されて改ざんされたのは獄門塾でもあったし、この指摘は違うような気が。 #endregion() -一部UIが使いにくい --スキップ機能がない。この時期のADVとしてはお粗末な作りである。 --メニュー画面は船内移動が可能な時にしか呼び出せない。会話中に人物ファイルを確認したり、セーブすることが出来ない。 --バックログは新しい内容が上に追加されるという仕様。従来のADVのバックログは上が古く、下が新しいという場合が多いため、慣れない内は調子が狂う。 -物語終盤、''脈絡なく爆弾処理ゲームが入る''。しかも失敗するとゲームオーバーでセーブした場所からやり直し。 --タッチペンの細かい動作を要求されるのも難易度を無駄に上げているが、何より真犯人に「爆弾に詳しい」という設定すらないので入れる意義すらあったのか疑問。 --前年にD3パブリッシャーから『SIMPLE DSシリーズ』ブランドで『THE 爆弾処理班』が発売されており、このゲームの評判が良かったことから両作品を開発したトムキャットシステムが技術を流用したものと思われる。 -結末について #region(ネタバレ注意) --真犯人は先に脱出艇で脱出し、船の目的地である「聖地」と呼ばれる島に存在した、金田一達が乗船している元軍艦である客船「ルナ号」の姉妹艦で元通商破壊艦「ステラ号」に乗り込む。そして「犯行の一部始終は君達に知られてしまった、しかし君達がいなくなれば関係ない」と伝えて魚雷でこちらの船を沈めようとするが、それに対し黒幕である地獄の傀儡師が「撃たれる前に撃つ」として大砲でステラ号を撃沈するというものである。~ 一連の流れもさることながら、真犯人を捕らえられず死亡させてしまうというのも少々残念な展開に感じられる。 --ただし、原作でも結果的に真犯人が死ぬことは珍しいことではないし、本作の金田一も止めようとしている。~ また、真犯人が連絡してきたことについて「確実に勝つなら黙って魚雷を撃てば良かった、わざわざ連絡してきたということは逆に撃って(止めて)ほしかったのではないか」と推測するなどのフォローはある。 #endregion() ---- **評価点 -グラフィックや音声はきちんと原作寄り --登場人物のグラフィックは比較的良好で、今までのゲーム化と異なりしっかりと原作風のグラフィックになっている。 --声優もTVアニメ版の声優が使われている。 ---今まではゲーム毎に声優が違っていた為、TVアニメ版の声優で収録されたのは本作が初めてである。 ---- **総評 余りにも雑な謎解きや事件の真相など、ミステリが題材のADVとしては全体的に残念な出来となってしまった。~ 久しぶりのゲーム化にもかかわらず''非常にクオリティの低い仕上がり''であり、典型的な「キャラゲー=クソゲー」の図式に乗っかることになってしまった。 //真犯人の動機や結末に事実と異なる点、及び誤解を招くような表記が多々あったため修正を行いました。

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