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*エスプガルーダII ~覚聖せよ。生まれし第三の輝石~ 【えすぷがるーだ つー かくせいせよ うまれしだいさんのきせき】 |ジャンル|シューティング|CENTER:&amazon(B002ZG75PU)※画像は360版| |対応機種|アーケード&br()Xbox 360&br()iOS (~10)&br()Android&br()Nintendo Switch|~| |発売・開発元|ケイブ|~| |発売日|【AC】2005年11月&br()【360】2010年2月25日&br()【iOS】2010年4月5日&br()【Switch】2021年9月9日|~| |備考|360版のタイトルは『エスプガルーダII ブラックレーベル』&br()iOS版はiOS 11以降に非対応|~| |判定|なし|~| |ポイント|高度で複雑な進化を遂げた続編&br;前作のお手軽さは無くなった&br;演出などは順当に進化&br;''斜め上っぷりも超進化''|~| |>|>|CENTER:''[[ケイブSTGシリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 2003年に発売された弾幕系シューティングゲーム『[[エスプガルーダ]]』の続編。~ ファンタジーとメカが合体した世界観やキャラ、システムなどは前作から引き継いでいる。 ---- **ストーリー > 三年前、シンラ大戦と呼ばれる戦争があった。~ 草木が生えないとさえ言われていた大地にも緑が茂るようになり、人々は生きる為に力を出し合い、国を復興させる為に頑張っていた…。~ しかし、シンラの後に続こうとする愚かな者たちがいた…。~ その者たちの国の名は【ソーマ】と言い、以前はシンラの技術には及ばないまでも、かなりの力を持った国と名を馳せていた国だ。~ シンラ崩壊後、その地を極秘裏に調査していた研究員たちの手により、聖霊機関がこの地で再び息を吹き返す。~ この【機甲羽根】を越える力を持った【輝羽】が軍の技術に加われば、実験体を真のガルーダにすることが出来る!~ 「…我々は聖霊機関を超える真の聖霊機関を復活させたのだ…」~ 「シンラは滅んだ!次はソーマがこの地を支配する。」~ 「我が国に歯向かう者の末路は!死!だ!我が国に敵なし!」 ---- **特徴 -前作から「覚聖」および「覚聖死界」(通称覚聖、覚聖)というシステムを引き継いでいる。 --「覚聖」ボタンを押すと自機が変身し(性別が変わる)、性能が大幅にパワーアップする(弱体化する部分もあるが)。 ---覚聖中は、被弾してもバリアゲージが残っていれば自動でガードバリア(いわゆるボム)が発生し、ミスを防いでくれる。 --覚聖時に精霊石というアイテムの所持数が残っていると、自動的に覚聖死界を展開。画面のスクロールと敵弾が遅くなり、自機の攻撃力が上昇する。覚聖死界中に敵を倒すとその敵が出した敵弾が消滅し弾を消した数に応じた倍率がかかった得点が入り、消えた敵弾は金塊というアイテムに変化する(通称「錬金」)。 --覚聖中は聖霊石を消費し続け、敵を破壊して「錬金」すると更に減少する。 --覚聖中に聖霊石が0になると、敵弾が赤色に変色して逆に高速化、敵弾の錬金もできなくなる(通称「赤走行」)。 ---基本的には危険な状態であるが、「赤走行」中は何もしてなくても時間経過でスコアが上昇するようになる。 ---また、「赤走行」中は自機の周辺のリング状のゲージが出現し、ゲージが1周すると「覚聖レベル」が一段階増加。「赤走行」時の敵弾が更に高速化すると同時に、聖霊石の出現量増加や「赤走行」中の獲得スコア増加の恩恵が受けられる。~ 最大3段階まで上昇。前作では被弾するとレベルがリセットされたが、本作では被弾してもレベルがそのまま維持される。 -新システム「覚聖絶死界」(通称絶死) --覚聖を使うときにボタンを押しっぱなしにすると発動する。 --通常の覚聖死界と異なるのは、敵を破壊して弾を消すと、消えた弾から金塊の代わりに撃ち返し弾が発生するという点。この撃ち返し弾は(どれでもいいので)敵を破壊することで消滅するが、消滅したところから再び撃ち返し弾が発生する。完全に消滅させるには絶死を解除してから再び覚聖し、敵を破壊する必要がある。 --絶死中は、敵を破壊しても聖霊石の減少が無い代わりに金塊の個数が常に減り続ける。また、敵弾に接触した場合は、ガードバリアゲージをすべて消費してオートバリアが発動してしまう。 --一見誰得のように思えるシステムだが、通常の覚聖に比べて敵撃破時の聖霊石の減少量が格段に小さく、また時間経過による減少量も小さいため、敵が大量に沸く場面などでは通常の覚聖よりも楽に攻略できたりする。 --スコア稼ぎ面では、弾を消した際の得点にかかる最大倍率は通常の覚聖が100倍であるのに対し、絶死の最大倍率はその5倍の500倍であり、さらに撃ち返し弾は一個一個の消した際の点こそ低いが、数が多く消える回数も多い。このため、通常の覚聖では考えられないような点数が一度に入る、まさに危険行為推奨なシステム。 -キャラは前作の2人(アゲハ・タテハ)に加え、3人目のキャラ「アサギ」が追加。 --アサギはレイピア使用時に自機周囲にオプションが展開、各々が敵をロックしショットを撃ち続ける『[[ケツイ>ケツイ~絆地獄たち~]]』に近い仕様。パワーアップでオプションの数も増えていく。 ---敵やパーツが多いほどロックもバラけるが、オプションは「レイピアの撃ち始めに自機を中心に現れる」性質があり、これを利用する事でロック対象を集中させるという小技がある。 --覚聖中はレイピアを当てた敵に対しオプションが一斉に取り付き、至近から集中砲火を見舞う。威力は3人の中でも最大級。 ---- **問題点 -難易度が高い --前作は初心者でも遊びやすい難易度で間口が広かったのに対し、本作の難易度は高い。ケイブの弾幕STGの1周クリアの中ではトップクラスと言われるほど。 --前作では弾が遅めで弾数も少なく「普通でも避けられるけど覚聖すると楽になる」といったバランス取りだったが、本作は「覚聖を使わなければ避けるのが難しい」攻撃が頻発し、パターン依存度が強い。 ---更に覚聖解除時の聖霊石の消費量も増えており、前作の感覚で「覚聖して弾幕を抜けたら解除」を繰り返すとあっという間に聖霊石が枯渇する。~ また、その影響で聖霊石の出現量を増やすために覚聖レベルを最大まで上げる行為(つまり赤走行)が事実上必須となってしまっている。ゲーム開始直後に済ませてしまうのがセオリー。 --スコアによるエクステンドは前作と同程度の難易度だが、3面のエクステンドアイテム取得要件が難しい。 #region(取得要件。ネタばれ注意) ---中ボスの6か所のパーツ全破壊、中ボス以降ガードバリア(オート発動も含めて)不使用で特定の場所を覚聖絶死界で打ち込むと出現。 #endregion --また、エスプシリーズ恒例で、最終ボスの最終形態がガードバリアに対して、回避手段を使ってくる。(前作同様にバリアを展開してこちらのガードバリアによるダメージを無効化する。ただし、ガードバリアをボスへ当ててしまっても体力回復は行われない) ---最終形態に相応しく画面全体を覆いつくし、覚聖状態でも回避が難しい弾幕を展開するにもかかわらず、こちらがミスをしたりバリアを当てると長時間無敵になるため、最終形態は1度でもミスをすると一気に難易度が上昇する。 --ケイブ名物の「真ボス」もいるが、本作は若干特殊。5面ボス「セセリ」までノーミスかつ、覚聖レベルを最大にしておくと、セセリの攻撃が真ボス並みに強化されるというもの(「憎悪に満ちたセセリ」という公式名称がある)。 ---この条件はノーミス安定プレイだと自然と満たしやすい条件になってしまっており、安全プレイではボス前で1回自爆するという方針を取るプレイヤーが多くなる。~ ハイスコアランキングにおいても、長い間ノーミスクリア(残6箱6)は達成されていなかった。 -キャラ性能がどれも一長一短すぎる。クリアを狙うならこれを選べ的な機体がないのも厳しい。 --アゲハはレイピアが強くショットの攻撃範囲は狭い。前作をほぼ踏襲した性能であり、前作に近い感覚で遊べる。~ 初心者でも扱え1-3面までは比較的楽に進めるが、後半面に進むと切り返しを求められ苦労する場面が多い。 --タテハはワイドショットにより雑魚処理は比較的簡単だが、レイピアの性能が悪く中型機や大型機、ボス戦が長期戦になりがち。~ 前作とは異なり貫通弾の概念がなくなったため火力面で難があり、クリアが最も厳しい機体。 --アサギは通常時のショット、レイピアの攻撃力が最低クラスである一方、覚聖すると最も威力が高くなるが聖霊石の減りが他のキャラより激しいと癖が強い。~ 後半の難所を覚聖時の超火力で飛ばす事ができるため、3人の中では最も1コインクリアに近いとされるが、使いこなすには他のキャラ以上に聖霊石の管理を考慮したパターン構築が必須。 ---- **評価点 -前作から引き継がれた「覚聖」および「覚聖死界」システムは、ゲームの攻略に必要な安全性の確保と、シューティングゲームの醍醐味である得点稼ぎを両立したシステムとして好評だった。 -グラフィック、特に演出面は新基板のパワーにより前作から大幅に強化。前作がやや低性能な基板だったこともあり進化が実感しやすい。 --自機ショットの見た目が派手になった他、1面ボス前や3面中ボス前の背景を1回転する演出等これまでのケイブとは一味違うダイナミックな演出が見られる。 --ステージボスはいずれも何かしら特徴的な演出が用意されており、印象に残りやすい。 -並木学氏と金田充弘氏が担当した音楽の評価は高い。前作はトランスだったが、本作では雰囲気とメロディを受け継いだいつもの並木節。金田氏の作曲した4面のBGMは爽やかな曲調が特徴。 --特に評価が高いのが3面のBGM。中ボスが出てきたのと同時に曲が盛り上がるという展開とのシンクロが行われる。また5面のBGMの評価も高い。 ---5面のBGMは前作3面・4面・5面のメドレー、1面・2面はそれぞれ前作1面・2面のフレーズが使用され、前作ファンには嬉しいところ((上述の通り5面に至ってはボスも前作で人気だったセセリであり、道中の雑魚もシンラ軍の兵器の改良型。))。 -ボタン配置に対する配慮がある。 --前作はショット(押しっぱなしでレイピア)、覚聖、ガードバリアの3ボタンが標準設定のため、店舗側で独自にショット連射ボタンを追加装備していた。また、ガードバリアのボタンの位置は、エスプシリーズ以外のケイブ製STGではショット連射ボタンのため、少々不便に感じたプレイヤーもいた。((一応前作の時点でガードバリアボタンとショット連射ボタンと入れ替える事は可能だったが、ゲーム開始前にコマンド入力必須の隠し要素であった。)) --本作は標準設定で4ボタンとし、自機選択後にガードバリアボタンとショット連射ボタンの位置を選択できるようになった。 ---- **総評 ケイブのシューティングゲームは漏れなく完成度が高く、本作も例外ではない。~ 「覚聖絶死界」は新基板の性能を生かした新たな弾幕遊びを提示できたと言えるし、難易度の上昇も覚聖というシステムで遊ばせるための調整であると解釈できる。~ しかし、その進化はいささかマニアックに過ぎ、前作のファンでさえもついていけない「人を選ぶゲーム」となってしまった面がある。~ ゲームを面白くするためにシステムを突き詰めていくことが必ずしも名作になることには繋がらない一例であり、初心者と上級者の要求を両方反映させることがいかに困難であるかを体現してみせた作品とも見なせるだろう。 ---- **斜め上? -弾幕系STGのファンからネタにされているキャラが多い。 --1面ボス「ツバメ」、3面ボス「ジャノメ」 ---ツバメは極端なシスコンでやられ声が''おねえちゃーん''と叫んだり、ジャノメもブラコンで最初の掛け声が''よくも、わたしのツバメを''とマニアックな相思相愛。 ---ちなみにアサギでツバメ戦へ到達すると、戦闘開始時にツバメの台詞が専用のものに代わる特殊演出がある。「見つけたぞぉ!アサギィ!!」 --ラスボス「クジャク」 ---上記の姉弟が合体しガルーダになるという設定。しかも台詞も近親相姦的な匂いまで…とりあえず各自調べていただきたい。なお、合体前のセリフはスキップ可能と配慮はされている。 --敵として出てくる人物「マダラ」(通称ウェッハ) ---敵側の軍人キャラで、2面の中ボスとして「ウェーッハッハッ」という特徴的な笑い声で登場する。~ 二形態あるのだが、''形態変化時の彼をよく見ると片腕がもげている。''しかしその後も残った腕と銃器で反撃してくる。~ %%なお、背景の船に隠されたボーナスポイント(通称「噴水」)の存在により、稼ぎでは最大まで溜めたガードバリアアタックを叩き込まれて速攻で水面へダンクされる。哀れ。%% ---その後、4面ボスとして再登場することになるのだが、「俺はここだぁー!」と言いながら画面下から出てくるのは''マダラの頭だけが乗っかっている戦車''(首から下を戦闘機械に改造してしまったという設定)。早い話が''生首同然である。'' ---パーツとの合体を繰り返しながら5形態もの攻撃を繰り出すのだが、形態の攻撃が始まるときに「ウェーッハッハッ」という笑い声とともに空間にマダラの高笑い顔が映し出される。そして、第4形態になるとその笑い顔が''[[3画面に映し出される。>ダライアス]]''そして敵弾に被弾してミスしたときも笑い顔が映し出され、プレイヤーを挑発してくる。 ---ウェーハッハッ>>''【 ゚∀゚】【゚∀゚】【゚∀゚ 】'' ---4面ボスとしての名称は「マダラ専用合身甲冑アスモデウス」。アスモデウスとは神話に出てくる3つの顔を持つ悪魔である。 --5面ボス「セセリ」 ---主人公アゲハ・タテハの異母兄妹の少女。前作で2度倒されながら再び主人公たちに挑んでくる。%%直接殺し合ってないはずのアサギにも当然襲い掛かるが、気にしてはいけない。%% ---その登場時の台詞が「ずっとこの時を待っていた…''必ず死なす!!''」&br気合 は入っているけどなんだか変な台詞で脱力する。前作は「消えろー(棒読み)」だったが、声優変更のお陰か急に迫真の演技をするようになった。 ---やられた時に「''お父様…ごめんなさい''」のカットインが出る専用の演出有り(こちらはスキップ不可)。 -発売前に販促PVが作られていたのだが、''なぜか実写''。アサギのコスプレをした女性((アサギ(覚聖前)役の声優である藤原郁美(現在の芸名は葉山いくみ)氏本人。))が出てくる。 --ちなみに前例もある(虫姫さまの関連商品でも同様の実写PVが作られた)。 -ケイブの推理ADV『[[インスタントブレイン]]』の舞台となるテレビ局の入り口にセセリのポスターがでかでかと飾ってある。 --「毎週火曜深夜2時放送中!」とのこと。どうやら向こうの世界では本作が深夜アニメ化しているらしい。 ---- **移植 ''360版『エスプガルーダII ブラックレーベル』'' 2010年2月25日発売。サントラCD同梱(プラコレ版除く)。限定版は360本体のフェイスプレートも同梱。 -ゲームモード --ブラックレーベルモード ---家庭版専用の新モード。なんとアサギに代わってセセリが3人目のプレイヤーキャラになり、ゲームシステムも大幅な変更が行われた。また、ブラックレーベル用に梅本竜氏による新規曲・アレンジ曲が追加されている。 ---怒首領蜂シリーズのような「コンボゲージ」や、絶死界中に無敵になったり当たりそうな弾の速度を遅く出来る「絶無敵ゲージ」など、システムはさらに複雑さを増している。 ---低難易度版のノービスBLモードも存在する。 --エスプガルーダII Xbox 360モード ---AC版を360向けに高画質化したモード。 ---シューティング初心者向けのノービスモードがある。 --エスプガルーダII アーケードモード ---AC版そのままのビジュアルで遊べるが、これのみノービスモードに非対応。 --アレンジモード ---『バトルガレッガ』などのランクゲーでおなじみ矢川忍氏の手が入ったモードで、クリアする度に難易度レベルが上がっていく。 ---ショットとレイピアによって敵弾を容易に消すことができる…のだが、高レベルになると普通に避けさせる気が全く無いような弾幕が連発されるようになり、実際の難易度はともかく見た目のインパクトは弾幕STG最強クラス。特に「赤走行だと全ての弾を破壊できる」性質を使ったボス戦の稼ぎは必見。 --Omake!モード ---他のモードを各一回クリアすると遊べるようになるおまけモード。 ---比較的シンプルなシステムで、遊びやすくアレンジされている。 ''iOS版'' -2010年4月5日から配信開始。画面をタッチして操作する新システム「覚聖翔撃波」が搭載されている。 --画面をタッチした場所の敵弾を聖霊石に変換でき、聖翔撃波で敵を直接攻撃することも可能。 ''Switch版'' -2021年9月9日から配信開始。移植はSwitch版の『虫姫さま』や『怒首領蜂大復活』同様、Livewireが行っている。360版(『ブラックレーベル』)をベースとした移植。ただしタイトル名はアーケード版のものになっている。 --配信開始直後のバージョンではタイトル画面でのロゴが『ブラックレーベル』のものになっていた((現在はアップデートで修正済。))、スタッフロールに堂々『Xbox 360 ESPGARUDA2』と表記されるなど、ほぼ完全にベタ移植である。
*エスプガルーダII ~覚聖せよ。生まれし第三の輝石~ 【えすぷがるーだ つー かくせいせよ うまれしだいさんのきせき】 |ジャンル|シューティング|CENTER:&amazon(B002ZG75PU)※画像は360版| |対応機種|アーケード&br()Xbox 360&br()iOS (~10)&br()Android&br()Nintendo Switch|~| |発売・開発元|ケイブ|~| |発売日|【AC】2005年11月&br()【360】2010年2月25日&br()【iOS】2010年4月5日&br()【Switch】2021年9月9日|~| |備考|360版のタイトルは『エスプガルーダII ブラックレーベル』&br()iOS版はiOS 11以降に非対応|~| |判定|なし|~| |ポイント|高度で複雑な進化を遂げた続編&br;前作のお手軽さは無くなった&br;演出などは順当に進化&br;''斜め上っぷりも超進化''|~| |>|>|CENTER:''[[ケイブSTGシリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 2003年に発売された弾幕系シューティングゲーム『[[エスプガルーダ]]』の続編。~ ファンタジーとメカが合体した世界観やキャラ、システムなどは前作から引き継いでいる。 ---- **ストーリー > 三年前、シンラ大戦と呼ばれる戦争があった。~ 草木が生えないとさえ言われていた大地にも緑が茂るようになり、人々は生きる為に力を出し合い、国を復興させる為に頑張っていた…。~ しかし、シンラの後に続こうとする愚かな者たちがいた…。~ その者たちの国の名は【ソーマ】と言い、以前はシンラの技術には及ばないまでも、かなりの力を持った国と名を馳せていた国だ。~ シンラ崩壊後、その地を極秘裏に調査していた研究員たちの手により、聖霊機関がこの地で再び息を吹き返す。~ この【機甲羽根】を越える力を持った【輝羽】が軍の技術に加われば、実験体を真のガルーダにすることが出来る!~ 「…我々は聖霊機関を超える真の聖霊機関を復活させたのだ…」~ 「シンラは滅んだ!次はソーマがこの地を支配する。」~ 「我が国に歯向かう者の末路は!死!だ!我が国に敵なし!」 ---- **特徴 -前作から「覚聖」および「覚聖死界」(通称覚聖、覚聖)というシステムを引き継いでいる。 --「覚聖」ボタンを押すと自機が変身し(性別が変わる)、性能が大幅にパワーアップする(弱体化する部分もあるが)。 ---覚聖中は、被弾してもバリアゲージが残っていれば自動でガードバリア(いわゆるボム)が発生し、ミスを防いでくれる。 --覚聖時に精霊石というアイテムの所持数が残っていると、自動的に覚聖死界を展開。画面のスクロールと敵弾が遅くなり、自機の攻撃力が上昇する。覚聖死界中に敵を倒すとその敵が出した敵弾が消滅し弾を消した数に応じた倍率がかかった得点が入り、消えた敵弾は金塊というアイテムに変化する(通称「錬金」)。 --覚聖中は聖霊石を消費し続け、敵を破壊して「錬金」すると更に減少する。 --覚聖中に聖霊石が0になると、敵弾が赤色に変色して逆に高速化、敵弾の錬金もできなくなる(通称「赤走行」)。 ---基本的には危険な状態であるが、「赤走行」中は何もしてなくても時間経過でスコアが上昇するようになる。 ---また、「赤走行」中は自機の周辺のリング状のゲージが出現し、ゲージが1周すると「覚聖レベル」が一段階増加。「赤走行」時の敵弾が更に高速化すると同時に、聖霊石の出現量増加や「赤走行」中の獲得スコア増加の恩恵が受けられる。~ 最大3段階まで上昇。前作では被弾するとレベルがリセットされたが、本作では被弾してもレベルがそのまま維持される。 -新システム「覚聖絶死界」(通称絶死) --覚聖を使うときにボタンを押しっぱなしにすると発動する。 --通常の覚聖死界と異なるのは、敵を破壊して弾を消すと、消えた弾から金塊の代わりに撃ち返し弾が発生するという点。この撃ち返し弾は(どれでもいいので)敵を破壊することで消滅するが、消滅したところから再び撃ち返し弾が発生する。完全に消滅させるには絶死を解除してから再び覚聖し、敵を破壊する必要がある。 --絶死中は、敵を破壊しても聖霊石の減少が無い代わりに金塊の個数が常に減り続ける。また、敵弾に接触した場合は、ガードバリアゲージをすべて消費してオートバリアが発動してしまう。 --一見誰得のように思えるシステムだが、通常の覚聖に比べて敵撃破時の聖霊石の減少量が格段に小さく、また時間経過による減少量も小さいため、敵が大量に沸く場面などでは通常の覚聖よりも楽に攻略できたりする。 --スコア稼ぎ面では、弾を消した際の得点にかかる最大倍率は通常の覚聖が100倍であるのに対し、絶死の最大倍率はその5倍の500倍であり、さらに撃ち返し弾は一個一個の消した際の点こそ低いが、数が多く消える回数も多い。このため、通常の覚聖では考えられないような点数が一度に入る、まさに危険行為推奨なシステム。 -キャラは前作の2人(アゲハ・タテハ)に加え、3人目のキャラ「アサギ」が追加。 --アサギはレイピア使用時に自機周囲にオプションが展開、各々が敵をロックしショットを撃ち続ける『[[ケツイ>ケツイ~絆地獄たち~]]』に近い仕様。パワーアップでオプションの数も増えていく。 ---敵やパーツが多いほどロックもバラけるが、オプションは「レイピアの撃ち始めに自機を中心に現れる」性質があり、これを利用する事でロック対象を集中させるという小技がある。 --覚聖中はレイピアを当てた敵に対しオプションが一斉に取り付き、至近から集中砲火を見舞う。威力は3人の中でも最大級。 ---- **問題点 -難易度が高い --前作は初心者でも遊びやすい難易度で間口が広かったのに対し、本作の難易度は高い。ケイブの弾幕STGの1周クリアの中ではトップクラスと言われるほど。 --前作では弾が遅めで弾数も少なく「普通でも避けられるけど覚聖すると楽になる」といったバランス取りだったが、本作は「覚聖を使わなければ避けるのが難しい」攻撃が頻発し、パターン依存度が強い。 ---更に覚聖解除時の聖霊石の消費量も増えており、前作の感覚で「覚聖して弾幕を抜けたら解除」を繰り返すとあっという間に聖霊石が枯渇する。~ また、その影響で聖霊石の出現量を増やすために覚聖レベルを最大まで上げる行為(つまり赤走行)が事実上必須となってしまっている。ゲーム開始直後に済ませてしまうのがセオリー。 --スコアによるエクステンドは前作と同程度の難易度だが、3面のエクステンドアイテム取得要件が難しい。 #region(取得要件。ネタばれ注意) ---中ボスの6か所のパーツ全破壊、中ボス以降ガードバリア(オート発動も含めて)不使用で特定の場所を覚聖絶死界で打ち込むと出現。 #endregion --また、エスプシリーズ恒例で、最終ボスの最終形態がガードバリアに対して、回避手段を使ってくる。(前作同様にバリアを展開してこちらのガードバリアによるダメージを無効化する。ただし、ガードバリアをボスへ当ててしまっても体力回復は行われない) ---最終形態に相応しく画面全体を覆いつくし、覚聖状態でも回避が難しい弾幕を展開するにもかかわらず、こちらがミスをしたりバリアを当てると長時間無敵になるため、最終形態は1度でもミスをすると一気に難易度が上昇する。 --ケイブ名物の「真ボス」もいるが、本作は若干特殊。5面ボス「セセリ」までノーミスかつ、覚聖レベルを最大にしておくと、セセリの攻撃が真ボス並みに強化されるというもの(「憎悪に満ちたセセリ」という公式名称がある)。 ---この条件はノーミス安定プレイだと自然と満たしやすい条件になってしまっており、安全プレイではボス前で1回自爆するという方針を取るプレイヤーが多くなる。~ ハイスコアランキングにおいても、長い間ノーミスクリア(残6箱6)は達成されていなかった。 -キャラ性能がどれも一長一短すぎる。クリアを狙うならこれを選べ的な機体がないのも厳しい。 --アゲハはレイピアが強くショットの攻撃範囲は狭い。前作をほぼ踏襲した性能であり、前作に近い感覚で遊べる。~ 初心者でも扱え1-3面までは比較的楽に進めるが、後半面に進むと切り返しを求められ苦労する場面が多い。 --タテハはワイドショットにより雑魚処理は比較的簡単だが、レイピアの性能が悪く中型機や大型機、ボス戦が長期戦になりがち。~ 前作とは異なり貫通弾の概念がなくなったため火力面で難があり、クリアが最も厳しい機体。 --アサギは通常時のショット、レイピアの攻撃力が最低クラスである一方、覚聖すると最も威力が高くなるが聖霊石の減りが他のキャラより激しいと癖が強い。~ 後半の難所を覚聖時の超火力で飛ばす事ができるため、3人の中では最も1コインクリアに近いとされるが、使いこなすには他のキャラ以上に聖霊石の管理を考慮したパターン構築が必須。 ---- **評価点 -前作から引き継がれた「覚聖」および「覚聖死界」システムは、ゲームの攻略に必要な安全性の確保と、シューティングゲームの醍醐味である得点稼ぎを両立したシステムとして好評だった。 -グラフィック、特に演出面は新基板のパワーにより前作から大幅に強化。前作がやや低性能な基板だったこともあり進化が実感しやすい。 --自機ショットの見た目が派手になった他、1面ボス前や3面中ボス前の背景を1回転する演出等これまでのケイブとは一味違うダイナミックな演出が見られる。 --ステージボスはいずれも何かしら特徴的な演出が用意されており、印象に残りやすい。 -並木学氏と金田充弘氏が担当した音楽の評価は高い。前作はトランスだったが、本作では雰囲気とメロディを受け継いだいつもの並木節。金田氏の作曲した4面のBGMは爽やかな曲調が特徴。 --特に評価が高いのが3面のBGM。中ボスが出てきたのと同時に曲が盛り上がるという展開とのシンクロが行われる。また5面のBGMの評価も高い。 ---5面のBGMは前作3面・4面・5面のメドレー、1面・2面はそれぞれ前作1面・2面のフレーズが使用され、前作ファンには嬉しいところ((上述の通り5面に至ってはボスも前作で人気だったセセリであり、道中の雑魚もシンラ軍の兵器の改良型。))。 -ボタン配置に対する配慮がある。 --前作はショット(押しっぱなしでレイピア)、覚聖、ガードバリアの3ボタンが標準設定のため、店舗側で独自にショット連射ボタンを追加装備していた。また、ガードバリアのボタンの位置は、エスプシリーズ以外のケイブ製STGではショット連射ボタンのため、少々不便に感じたプレイヤーもいた。((一応前作の時点でガードバリアボタンとショット連射ボタンと入れ替える事は可能だったが、ゲーム開始前にコマンド入力必須の隠し要素であった。)) --本作は標準設定で4ボタンとし、自機選択後にガードバリアボタンとショット連射ボタンの位置を選択できるようになった。 ---- **総評 ケイブのシューティングゲームは漏れなく完成度が高く、本作も例外ではない。~ 「覚聖絶死界」は新基板の性能を生かした新たな弾幕遊びを提示できたと言えるし、難易度の上昇も覚聖というシステムで遊ばせるための調整であると解釈できる。~ しかし、その進化はいささかマニアックに過ぎ、前作のファンでさえもついていけない「人を選ぶゲーム」となってしまった面がある。~ ゲームを面白くするためにシステムを突き詰めていくことが必ずしも名作になることには繋がらない一例であり、初心者と上級者の要求を両方反映させることがいかに困難であるかを体現してみせた作品とも見なせるだろう。 ---- **斜め上? -弾幕系STGのファンからネタにされているキャラが多い。 --1面ボス「ツバメ」、3面ボス「ジャノメ」 ---ツバメは極端なシスコンでやられ声が''おねえちゃーん''と叫んだり、ジャノメもブラコンで最初の掛け声が''よくも、わたしのツバメを''とマニアックな相思相愛。 ---アサギ使用時はツバメの台詞が専用のものになっている。「見つけたぞぉ!アサギィ!!」 --ラスボス「クジャク」 ---上記の姉弟が合体しガルーダになるという設定。しかも台詞も近親相姦的な匂いまで…とりあえず各自調べていただきたい。なお、合体前のセリフはスキップ可能と配慮はされている。 --敵ボスキャラ「マダラ」(通称ウェッハ) ---2面の中ボスとして「ウェーッハッハッ」という特徴的な笑い声で登場する。~ 二形態あるのだが、''形態変化時の彼をよく見ると片腕がもげている。''しかしその後も残った腕と銃器で反撃してくる。~ %%なお、背景の船に隠されたボーナスポイント(通称「噴水」)の存在により、稼ぎでは最大まで溜めたガードバリアアタックを叩き込まれて速攻で水面へダンクされる。哀れ。%% ---その後、4面ボスとして再登場することになるのだが、「俺はここだぁー!」と言いながら画面下から出てくるのは''マダラの頭だけが乗っかっている戦車''(首から下を戦闘機械に改造してしまったという設定)。早い話が''生首同然である。'' ---パーツとの合体を繰り返しながら5形態もの攻撃を繰り出すのだが、形態の攻撃が始まるときに「ウェーッハッハッ」という笑い声とともに空間にマダラの高笑い顔が映し出される。そして、第4形態になるとその笑い顔が''[[3画面に映し出される。>ダライアス]]''そして敵弾に被弾してミスしたときも笑い顔が映し出され、プレイヤーを挑発してくる。 ---ウェーハッハッ>>''【 ゚∀゚】【゚∀゚】【゚∀゚ 】'' ---4面ボスとしての名称は「マダラ専用合身甲冑アスモデウス」。アスモデウスとは神話に出てくる&b(){3つの顔を持つ}悪魔である。 --5面ボス「セセリ」 ---主人公アゲハ・タテハの異母兄妹の少女。前作で2度倒されながら再び主人公たちに挑んでくる。%%直接殺し合ってないはずのアサギにも当然襲い掛かるが、気にしてはいけない。%% ---その登場時の台詞が「ずっとこの時を待っていた…''必ず死なす!!''」&br()気合 は入っているけどなんだか変な台詞で脱力する。前作は「消えろー(棒読み)」だったが、声優変更のお陰か急に迫真の演技をするようになった。 ---やられた時に「''お父様…ごめんなさい''」のカットインが出る専用の演出有り(こちらはスキップ不可)。 -発売前に販促PVが作られていたのだが、''なぜか実写''。アサギのコスプレをした女性((アサギ(覚聖前)役の声優である藤原郁美(現在の芸名は葉山いくみ)氏本人。))が出てくる。 --ちなみに前例もある(虫姫さまの関連商品でも同様の実写PVが作られた)。 -ケイブの推理ADV『[[インスタントブレイン]]』の舞台となるテレビ局の入り口にセセリのポスターがでかでかと飾ってある。 --「毎週火曜深夜2時放送中!」とのこと。どうやら向こうの世界では本作が深夜アニメ化しているらしい。 ---- **移植 ''360版『エスプガルーダII ブラックレーベル』'' 2010年2月25日発売。サントラCD同梱(プラコレ版除く)。限定版は360本体のフェイスプレートも同梱。 -ゲームモード --ブラックレーベルモード ---家庭版専用の新モード。なんとアサギに代わってセセリが3人目のプレイヤーキャラになり、ゲームシステムも大幅な変更が行われた。また、ブラックレーベル用に梅本竜氏による新規曲・アレンジ曲が追加されている。 ---怒首領蜂シリーズのような「コンボゲージ」や、絶死界中に無敵になったり当たりそうな弾の速度を遅く出来る「絶無敵ゲージ」など、システムはさらに複雑さを増している。 ---低難易度版のノービスBLモードも存在する。 --エスプガルーダII Xbox 360モード ---AC版を360向けに高画質化したモード。 ---シューティング初心者向けのノービスモードがある。 --エスプガルーダII アーケードモード ---AC版そのままのビジュアルで遊べるが、これのみノービスモードに非対応。 --アレンジモード ---『バトルガレッガ』などのランクゲーでおなじみ矢川忍氏の手が入ったモードで、クリアする度に難易度レベルが上がっていく。 ---ショットとレイピアによって敵弾を容易に消すことができる…のだが、高レベルになると普通に避けさせる気が全く無いような弾幕が連発されるようになり、実際の難易度はともかく見た目のインパクトは弾幕STG最強クラス。特に「赤走行だと全ての弾を破壊できる」性質を使ったボス戦の稼ぎは必見。 --Omake!モード ---他のモードを各一回クリアすると遊べるようになるおまけモード。 ---比較的シンプルなシステムで、遊びやすくアレンジされている。 ''iOS版'' -2010年4月5日から配信開始。画面をタッチして操作する新システム「覚聖翔撃波」が搭載されている。 --画面をタッチした場所の敵弾を聖霊石に変換でき、聖翔撃波で敵を直接攻撃することも可能。 ''Switch版'' -2021年9月9日から配信開始。移植はSwitch版の『虫姫さま』や『怒首領蜂大復活』同様、Livewireが行っている。360版(『ブラックレーベル』)をベースとした移植。ただしタイトル名はアーケード版のものになっている。 --配信開始直後のバージョンではタイトル画面でのロゴが『ブラックレーベル』のものになっていた((現在はアップデートで修正済。))、スタッフロールに堂々『Xbox 360 ESPGARUDA2』と表記されるなど、ほぼ完全にベタ移植である。

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