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*実況パワフルプロ野球9 【じっきょうぱわふるぷろやきゅうないん】 |ジャンル|スポーツゲーム(野球)|CENTER:&amazon(B000068337)&br&amazon(B000068336)|CENTER:&amazon(B000076VDB)&br()&amazon(B000076VDA)| |対応機種|プレイステーション2&br()ニンテンドーゲームキューブ|~|~| |発売元|コナミ|~|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテインメントスタジオ&br()(ダイヤモンドヘッド)|~|~| |発売日|2002年7月18日&br()決定版:2002年12月19日|~|~| |定価|7,140円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~| |ポイント|サクセスは第一世代の高校野球編&br()メインキャラの高校時代を描く始まりの話&br()ペナントがさらに進化&br()本作のみの「それいけ!ホームランくん」|~|~| |>|CENTER:''[[実況パワフルプロ野球シリーズリンク>実況パワフルプロ野球シリーズ]]''|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -言わずと知れた人気野球ゲームの9作目。PS2シリーズにおける3作目。~ 今作からPS2に加えてGCでも発売された。 --両ハードのサクセス選手・パスワードに互換性がなく、同時期の[[パワポケ4>パワプロクンポケット4]]とのパスワード互換性はGC版のみ。決定版では[[パワポケ5>パワプロクンポケット5]]からも送れる。((残念ながらGBAケーブルによる転送には未対応。以降のGC作品も同様で、Wii版でもNDSとのワイヤレス通信によるやりとりには対応していない。)) --PS2版は『パワプロ2002春』との互換性がある。 --任天堂ハードは任天堂ハードのみ、ソニーハードはソニーハードのみでパスワードをやり取りできるという構造が本作でより明確になった。 ***変更点 -観戦モード時はバックスクリーンからの視点が追加された。ボタン操作で通常の投打画面に切り替え可能。 -投手でも代打としての出場が可能になった。 -対戦モードでルーキー設定が使えるようになった(打撃ロックオン、守備オート)。 //--サクセスモードでは『10』からアイテム「ルーキーのお守り」の効果として使用可能になった。ただし著しく試合での経験点が落ちるデメリットが発生する。 -データあれこれでの利便性が上がった。 -本作と『プレミアム』のみ実況は辻よしなり氏。前任の安部憲幸氏、後任の河路直樹氏とも異なる喋り口でかなり独特の雰囲気を出している。 --試合開始時に名前が表示されないし自己紹介もしない、おなじみの「実況パワフルプロ野球!」のタイトルコールもなし(『決定版』で追加)…と前後任と比較してかなり特異な点が多い。安部氏の退任後の臨時の起用であったことを窺わせる。 ---- **評価点 -野球バランスが良い。 --前作までと比べ変化球のキレは目に見えて落ちたが、その分真芯で当てないと強振でもサク越えは難しくなりバランスが取れている。 //特にミートと強振のバランスは歴代と比べても非常に良くできており、完成された感がある。 //さすがに後の作品の方がバランスが取れているのでCO --強いて問題点を挙げるなら走塁がやや速い事だが、それ程問題にされていない。 --無論これは''あくまで発売当時の評価''で『11』以降の便利なシステムが多数搭載されたパワプロと比べると本作は難易度が高い方だが、当時の基準を考えると充分に及第点である。 --グラフィックの進化が著しかった前作『[[8>実況パワフルプロ野球8]]』に続いて本作は音響面での進化が著しい。N64時代のままだった試合中の応援BGMが新規に製作し直され、より生音に近い雰囲気になった。 //次回作『[[10>実況パワフルプロ野球10]]』以降では本作ほどの音質は有しておらず、''未だにシリーズ随一と言っていいクオリティを誇る''。 //さすがに過大評価し過ぎなのでCO //以降、PS3『[[2012>実況パワフルプロ野球2012]]』まで実に10年に渡り本作の応援歌のフォーマットが使われることとなる。中には本作初出のまま10年間使われ続けた応援歌もある。 ***バリエーションあるサクセスモード -前作が短いサクセスだった反動か、本作ではバリエーションが増加。5つの高校を選んでシナリオを始められる。『[[パワプロ5>実況パワフルプロ野球5]]』以来の高校野球編だが全く別の新しい世界観であり、時系列としては『7』の前を描く。(『実況パワフルプロ野球スーパー大全』より)シリーズの正史という位置付けのため、本作の設定は以降のパワプロにも引き継がれている。 -またこれにより『5』の後日談でもある『パワプロクンポケット』(パワポケ)シリーズの世界観とも区別されており、「極亜久」関連の諸設定(外藤と猪狩進の人間関係など)は大幅に変更されている。 -『[[8>実況パワフルプロ野球8]]』のドラフ島が割とダークだったという事もあってか、この頃のパワプロシリーズにしては比較的明るい内容なのが特徴的。唯一シリアスと言えるのは恋恋高校ぐらいである。 --チームメイトはお馴染みの矢部、後輩の円谷・手塚・猿山は共通だが、それ以外のチームメイトやマネージャーは高校で違ってくる。 --彼女候補は球八高校を除くすべての学校で全員出会えるが、学校ごとにマネージャーになる娘は変わってくる。 -最初に選べるパワフル高校は打倒猪狩守、打倒あかつきといったイメージが強く、頻繁に猪狩との勝負イベントがおこる。 --先輩との友情や円谷・手塚・猿山のイベントが比較的多い。幼馴染の舞のイベントなど全体的に王道的野球漫画の世界観である。 -あかつき大付属高校はライバル・猪狩守が所属する実力主義の高校。昇格試験は難易度は高いが一軍に入れば効率のいい練習が出来る。 --あかつきだとパワフル編とは違った意味で主人公をライバルとして認めしきりに勝負を挑んでくる。 ---初期の頃の高慢ちきな悪役((一方的に彼女を奪う、主人公の電話を盗み聞きして「コーチのご機嫌取りだ」と勝手に判断して主人公の悪評を言いふらすなど))という立場は成りを潜め、少々嫌味ではあるが純粋に良きライバルとして主人公と競い合い、認め合っていく事になる。 ---更には主人公を私設球場へ招き遅くまで一緒に特訓したり、2軍落ちした主人公を心配し練習に付き合ってくれる一面もある。またチームのエースとしての責任感が高じて度々向こう見ずな行動をとる一面も見られるようになる。 ---「少々イヤミでプライドが高いが努力家で仲間思いのツンデレ」という現在の猪狩のキャラクター像は、この作品で確立したと言ってもよい。 --先輩も全員固定キャラでキャラが立っており、一ノ瀬、二宮などポジションに合わせた名前で分かりやすく、一芸に長けた人物が多く今なお人気が高い。 ---ただし先輩の1人、「五十嵐権三」は持論は立派だが他の先輩キャラと比較すると能力が低めな上赤特が多く、手に入る特殊能力も見劣りする。だがそれ故に未だにネタにされるあたりキャラとしては立っている。((後に官僚大学に進学して医者になる彼だが、これを現実世界で考えると甲子園出場経験のあるスポーツ進学校の生徒が東大理IIIへ現役合格するようなものであり、その謎スペックぶりもたまにネタにされる)) --固定キャラの先輩達はキャラのステータスが非常に高く、彼らが在籍している2年目夏までは安心して試合に勝てる。 ---一方で先輩たちが揃って引退した2年目秋以降は戦力が目に見えてダウンする。実際にサクセス中でもそのことが言及されており、黄金世代が去った後のチームを猪狩兄弟や後輩たちとどう乗り越えていくかもこの高校の見所となっている。 ---また猪狩や先輩達と友情タッグを結ぶイベントは非常に熱く、人気の高いシナリオの一つ。 --指導者である千石忠監督も同系列の梅田監督((パワプロ6におけるあかつき大学の監督。試合での起用実績も無く大した練習もさせていない上、主人公よりも能力の劣る選手がいるにもかかわらず、走力や守備力に難癖をつけて強制的にコンバートさせたり、怪我で試験を欠席した主人公を2軍落ちにさせるくせにイベントで長期間部活をサボった猪狩に対して何のお咎めもないなど、傍から見れば不条理な采配をしていた人物。))とは違い不条理な采配や選手の露骨な贔屓もせず、結果もそれなりに残している((梅田は主人公が試合に出ない限り必ず試合で負けているが、千石は2年目までは主人公が試合に出ずとも試合にはそれなりに勝てている。))ため、強豪チームを率いる良い意味で厳格な指導者として映る。 --これまでの実技試験のあるシナリオと違って監督評価で合格点が決まるようになったのとミート打ちが強化されたので野手の一軍維持の難易度が下がった。反面一軍維持してただけではオールAに届くというわけではなくなった。 -そよ風高校は、第一世代レギュラーの関西弁ナックルボーラー阿畑やすしの学校。 --ひたすら阿畑の気まぐれに付き合わされる。「阿畑練習」と称して思いついた変な練習を強いられる。&bold(){引退しても気まぐれに付き合わせられ続ける。} ---投手を育成しているのに敏捷が上がる「エアロビクス」「サッカー」を強いる事なども多々ある。他にも突如練習を休みにしたり、通販で買ったと思わしきものを主人公に押しつける、[[とあるアニメ>北斗の拳シリーズ]]に触発されて「ひこう」を突くなどやりたい放題を尽くす。 ---ただし通常よりも効率のいい練習もあり、取得経験点が莫大な「日本刀でフルスイング」「地獄ノック」、パワーが必ず上がる「鉄人筋力トレーニング」、ランダムで変化球の変化量が上がる「阿畑変化球講座」などは非常に美味しい。 --どれだけ当たりの阿畑練習を実施できるかが選手の育成の大部分を握る、極めてランダム要素の高い高校。 --他の3校と異なり全体的にのんびりとした雰囲気。固有イベントも脱力系のものが多い。 --阿畑によるお馴染みのオリジナル変化球開発もある。 --試合はほぼオートで進み、テンポが良い。 --特異なイベントとしては地下室探索イベントがある。これまたランダム要素が非常に高いものの、うまくいけば入手が難しい特殊能力が手に入ったり経験点や能力値が増える、失敗しても疲れがたまるだけとローリスクミドルリターンなイベント。 -恋恋高校は、『7』から登場する女性選手の早川あおいの高校。女子高だったのが共学になった所から始まる。 --ストーリーの中心になるのは女の子である故に甲子園への出場を取り消されてしまったあおいの葛藤であり、『7』『8』の時よりも繊細で傷つきやすい側面が掘り下げられた。 ---後半ではあおいを救うために仲間達や学校の面々と共にあおいの甲子園出場を懇願する署名を行う展開になるなど、当時のパワプロにしては一風変わったストーリー性の強い内容が特徴。 ---本作のサクセスが好評だったゆえか、この方式は『13』の帝王実業や聖タチバナなど後のサクセスでも引き継がれ更に作り込まれていく事となった。 --ゲームシステム的には「継承選手」の数が非常に多いため、上手くやればオールA選手が複数存在する強力なチームにも出来るのが旨味。 -球八高校は前作の主人公の出身校。 --ストーリーは殆どなく、たった9人で甲子園優勝を目指して勝ち上がり続ける。6の「するめ大学」のような試合だけで進行するサクセス。現シリーズの「パワフェス」にも近い。終盤の帝王実業やアンドロメダ学園は非常に強くクリアするまで困難を極める。 --するめ大学や冥球島と違って、試合後に棄権するか選択可能で、棄権すればその時点での選手登録が可能。 --最初から最後まで投手一人で投げ続けることになるので、いかにスタミナの消費を抑えられるかがカギとなる。 --甲子園以降の試合は試合開始時のテロップやサイレンなどが実際の甲子園のものを再現されており、球場内の応援歌やヤジなども相俟って雰囲気にのめりこみやすくなっている。 --''校歌が卑猥な事で有名''。どんな校歌かは実際に聞いてみるべし。 -&bold(){強化された育成要素} --育成のバランスが非常によく調整されており、目標とする選手ができそうでできない、できなそうでできるというバランスが的確である。最初の内は手探りの部分で悩むが、固定キャラの特性やイベント、学校ごとの環境を理解し、育成法を編み出せば強い選手の育成が可能になる。ネット上では数多くの育成法が編み出されるほどに熱中した。 --この目標とする選手にできそうでできないという部分が次へのチャレンジに繋がり中毒性を増やした。 --サクセスにおいて、経験点で習得可能な特殊能力が増えた。 ---従来までは練習による取得だった変化球もオリジナル変化球以外はすべて経験点による取得に変化。これにより育成の自由度は大幅に増加した。 -継承選手 --サクセスモードでクリアした選手が次のプレイ以降で一般選手に混じって登場し、試合に登場したり特殊能力を伝授してもらうことが可能となった。 --場合によっては固定キャラよりも強い選手や強い能力の選手もサクセス上で出すことができて育成の幅も広がった。 --継承選手によって環境つくりという楽しみができるようになった。 -『8』には無かった彼女イベントも今作でしっかりと復活している。 --パワプロ高校マネージャーは主人公の幼馴染の栗原舞。OPにも登場する。 --あかつき大付属高校マネージャーは四条先輩の妹の澄香。クールなメガネっ子だがデレる時はとことんデレる。ただしプレゼントは全て野手能力に関わるものなので、投手育成時は育成的にはメリットが無い。 ---付き合ったままドラフト会議を迎えると、ドラフト指名されなくても破局せず付いて来てくれる、シリーズでも数少ない彼女キャラである。&s(){ゲームオーバーになるのでシステム的には意味はないが。} --そよ風高校マネージャーは阿畑の幼馴染の芹沢茜。彼女にしなかった場合、阿畑と恋仲になっていき、『10』では阿畑の妻として登場する。 ---実はそよ風高校編で彼女にした場合、とある条件を満たすとエンディングを迎えた際に主人公が身を引く形で別れ、茜が阿畑と結ばれる展開になる。 --恋々高校のマネージャーはあおいの親友で病弱お人よしお嬢様の七瀬はるか。交際しやすい上にプロ入り後に強力な「家宝」((貰うとノビ4、キレ4、ジャイロボール、アベレージヒッターなど優秀な特殊能力が手に入る。))を渡してくれる強力な彼女候補。しかもパワプロにありがちな外見や性格が悪いという事もなく普通に可愛いので人気が高い。 ---バレンタインでの告白イベントやクリスマスでの意味深な台詞(ただしオチ付き)、アニメ映画を観た際の「(アニメを見てたんだ、という質問に対し)はい、''中3まで''」、アクション映画を観た際の「もっと火薬を増やしてたほうがいいと思います」といった台詞など印象に残るシーンも多い。 ---[[2012>実況パワフルプロ野球2012]]で彼女候補に返り咲いたが、あおいを野球マンに改造したり彼女効果が弱体化したり上述のはっちゃけた性格が更に強調されるなど9でのはるかが好きだった人からは賛否両論である。 --姫野カレンも彼女候補として登場。威圧感などの強力な特殊能力を貰える。 -友情タッグ --「8」から搭載されたシステムだが、本作ではさらに強化された。 --今作のサクセスから各練習に参加人数と参加キャラ表示がされるようになった。 --参加人数が多かったり参加キャラの得意な練習だったりすると経験値が多く得られ、評価も上がる仕組みである。 --また友情の絆を深めたキャラと特定の練習が行えた時には「友情タッグ」トレーニングが発生する。 --このシステムはサクセスの一つの完成系であり、以後のシリーズにおいても長く使われ続ける定番のシステムとなった。 --キャラ一人一人のイベントやフラグ、評価を管理して、いかに友情タッグトレーニングを引き出せるかが、強い選手育成のカギとなる。 -イベントが豊富 --ランダムイベントが豊富で何周しても飽きないほど充実している。 --固定イベントも学期末テストや文化祭、修学旅行など高校野球ならではのイベントが満載。キャラへの愛着やシナリオの没入感が増していると評価されている。 -爆弾爆発の仕様変更 --今作からは爆弾が爆発しても能力が大幅に落ちる代わりにゲームオーバーにならない場合が生まれた。この場合、怪我にもならず普通に次週から練習ができる。 ---流石に次回作以降は入院を要するようになった。 --また、今作のみの仕様で肩や肘の爆弾で投手生命が奪われそうになったときにそよ風以外では利き手変更や野手転向といったこともできる。 ***ペナント -ペナントは本作は10年間の長期間を戦えるようになった。 --フリーエージェントや新外国人選手の発掘システムが導入され、選手の成長・老いも再現され、着実に進化しているのが分かるようになってきた。 --また、心境という要素もあり、起用法によっては選手がFAしてしまう。 ***音楽 --OPは「Tomorrow~未来への翼~」であり、女性ボーカルが野球選手の夢を応援する内容で、非常に本作のサクセスとマッチしている。京都アニメーション制作のOPはパワプロ高校の練習と日常、ライバル達の活躍、猪狩との対決が描かれる。 --歴代のパワプロファンも一番に上げられる名曲となっている。 --また本作から甲子園優勝時に校歌が流れる。ちょっとした優勝のご褒美でなっている。 **賛否両論点 -実況担当がこれまでの安部憲幸氏から本作は辻よしなり氏に代わっており、賛否が分かれる。~ 安部憲幸氏の実況は非常にインパクトのある物であったため、残念がるファンが多い。また前述の通り本作の実況には特異な点が多く、違和感を覚えさせる部分が多い。 --『10』以降のPS2シリーズは河路直樹氏が実況を行っており、辻よしなり氏が実況を行うのは本作、及び本作のデータを流用したPS『プレミアム版』のみとなっている。 ***サクセス関連の賛否両論点 -萌えアニメのノリに近くなったサクセス --『8』までのサクセスはアニメ的なノリではあるもののまだ硬派な要素が強かったが、本作の恋恋は萌えアニメの雰囲気が強かったため当時のファンからは大きく批判された。 --恋恋自体のストーリーにはしっかり野球が絡むため問題ないとするファンがいる一方で、そもそも野球が絡む以前に萌え要素自体が不要とするファンもおり賛否両論。 --パワプロのサクセスはときメモを元にしているためこうなるのは必然だったと言えるが、硬派な野球を重視する人はこの路線変更を受け入れられないファンも多かった。 -「継承選手」 --恋恋高校以外の高校では1人、恋恋高校では複数登場する。評価を上げると主人公に特殊能力を教えてくれることがある。 --継承選手が多く出てくる恋恋高校では上手く行けば強力なチームを組める上に、恋恋高校の独自イベントである練習レベルが上がるイベントや経験点を大量に貰えるイベントが発生するため非常に有用。 --しかし能力の高い選手が作成できれば強力な戦力となるが、育成に失敗した選手が登場するとチームの弱体化に繋がってしまう。 ---また、継承選手を作るために面倒臭いという意見も少なからずある(例としては、大怪我や交通事故にあっても気軽にリセットできない等)。 ---一応特定の手順を踏むことでリセットやあきらめた場合には継承登録をせずクリアした時のみに継承登録する、といったことが可能である。 -そよ風高校のサクセスは少し癖が強い --先述した通り阿畑練習が育成に大きなウエイトを占めており、それに伴う特殊能力の強制取得も多いため所謂再現選手などの目的の選手を作るにはやや不向き。しかし野手はともかく投手はオリジナル変化球がこの高校のみで習得可能なため必然的に運ゲーを強いられることになる。 --また、阿畑練習の中には監督の評価が下がる練習が少なからず存在する。 //全21種中監督評価が下がる練習は3種。これを「結構な確率」とするには根拠が乏しすぎる。 ---これによって試合に出られなくなる可能性が上がるのは地味に嫌らしい。 -試合でもらえる経験点が少ない --歴代のサクセスに比べると試合経験点が少なめ。決定版で多少増えたがそれでも物足りない。 --一応、スカウト評価稼ぎや特能入手面などで決して試合で活躍することは決して無意味ではないが、試合経験点を多くしてほしかったとの声もある。 -パワフル高校やそよ風高校ではキャプテンになっても全員操作ができない --その2校のチーム力もさほど高くないため、全国制覇には運が多少絡む。 --また、できないと盗塁○や満塁男やサヨナラ男といった特殊能力がゲットしにくい。 --7回以降の全員操作をしなくて済むので、短い時間でテンポよく選手を作れるという利点でもある。 -''隠しイベントの多さ'' --実は普通にはいけないルートのイベントが隠されている。「彼女がいる状態で1年目秋の特定の週でデートに誘うと夏祭りイベントが発生する」「パワフル高校で彼女がいないまま甲子園優勝すると舞に告白される」「主人公が茜と阿畑のキューピッドになる」「甲子園で投げられなかったあおいのためにプロ入り後にチームで甲子園を貸切る」などやり込み要素としても作り込みが高い。 --しかしその難易度の割りには別に恩恵がなく、育成面で狙う意味はほとんどない。条件の厳しさも考えるとあくまでシナリオを楽しみたい人用のイベントといった趣向である。 --特に茜の隠しルートは一年春に甲子園優勝((そよ風高校は固有選手も少なく、試合での全員操作ができない))というかなり厳しい条件があるので、ほとんどのユーザーが不可能。しかもそれが''「10」や「11」などで正史になっている。''隠しルートにいけないユーザーはいつのまにか茜を阿畑に寝とられて呆然とするユーザーが多かった。 **問題点 ***サクセス関連の問題点 -開幕版のみ「虫歯」「爪割れ」の効果がバグで発揮されず、筋力ポイントが通常通り入る。 --このためこれらのステータス異常は実質飾りと化しており治す必要が皆無。シリーズお馴染みの脅威を無視できるメリットとも捉えられるが、ゲームバランスとしてはどうか。 ---その一方で後述する「二枚技」ほどはヌルゲーにならないので使用する層も多い。 -行き過ぎなネタ高校 --パワプロシリーズ特有のネタ要素を持った対戦相手であるが、本作の場合ややふざけ過ぎの感がある。 --対戦前後のやり取りから、やる気や勝利への執念を感じさせない高校が多く。特に、苦労して出場した甲子園の一回戦で当たる「湯けむり高校」「満腹高校」「さわやかなみのり高校」といったレジャーのついで感溢れる高校や、恋恋高校のシナリオに水を差しかねない「ワールド高校」など、真剣に遊んでいるプレイヤーにとってはギャグというより茶化しに感じられてしまう。 --選手自体はまっとうな能力であり一筋縄でいかない相手が多い。またある選手に関しては実在の甲子園出場選手の打法((2000年夏の那覇高校の比嘉選手。特徴的とはいえ、高校球児の打法の再現をしたのは異例である。))の再現をしていたりと、手抜きがなされているわけではない。 -あかつき・そよ風・恋恋はキャラが立っているが、パワフルは地味という意見もある。 --猪狩との3球勝負など熱い展開も多く、共通後輩キャラのイベントも他高校と比べて豊富であるなど特徴はある。しかし他の高校があまりにも個性的過ぎるため、結果王道であるパワフル高校が割を食ってしまっている形となっている。 --猪狩兄弟と頼れる先輩選手、阿畑、あおい&はるかのような印象深いレギュラー仲間が居ない事も関係しているのかもしれない。 --パワフルの先輩キャラは正統派ではあるもののあかつきに比べると地味で、後輩キャラの手塚・円谷・猿山も他サクセスモードで登場する事も大きい。 -シナリオの育成のバランス --開幕版は投手、野手共にあかつき高校の圧倒的1強。 ---大量の固有キャラがいることによる友情タッグの組みやすさの他、大会中は絶対にケガをしないで行える実技練習の存在によりもらえる経験点の期待値は他の追随を許さない。 ---特に投手は実技練習で条件を満たすと変化球の変化量が+1される仕様があり、慣れれば総変化量20超えの選手を量産可能。 --決定版はあかつき以外の友情タッグ練習や阿畑練習、イベントで手に入る経験点が軒並み上方修正された他、投手実技練習の難易度が大幅に上昇したためあかつき1強とまではいかなくなった。 ---それでもパワフル高校は投手の恩恵が無く投手育成がほぼ困難で、そよかぜ高校の野手育成は運要素が強い。 --恋恋高校は継承選手を使用すると野手で強力な選手ができる。特に決定版ではあかつきを超える選手が作れることも少なくない。 --あかつきは実技試験や実技練習で腕がある程度必要だったり、恋恋は下準備と1回の育成に時間がかかったり継承選手の厳選があるため仕方ないという意見も。 --球八高校は試合数も多く、ガチ育成するなら選手を作る時間がずば抜けてかかるのだが、あかつきや恋恋に比べ作る選手の能力が劣り、リターンが薄い。~ するめ大学や冥球島とは違い、投手育成で打撃を頑張っても二刀流選手が作りにくい。 -恋恋高校の一部キャラが不遇。 --倉橋や高木という重要そうなキャラが登場するものの、普通にやっているとろくに主人公たちと絡まずに出番がフェードアウトしてしまう。せっかく個性あるキャラなのにあまり作中では活かし切れていない。 --特に「倉橋彩乃」は「プライドの高いお嬢様で、惚れた異性の顔を直視しただけで赤面する」という非常においしいキャラで、主人公に恋愛感情を抱いてる様子を見せるが彼女に出来ないのが勿体ない。 ---決定版では修学旅行で主人公とデートをするイベントが追加されるが、結局彼女の思いは実ることはない。デートの終いに''「こういう場所に2人で来ることが夢でしたわ…」''と赤面しながら回想する姿はどこか切ない。 #region(その後の彼女の顛末について。ネタバレ注意) -時間軸では本作の後となる[[パワプロ12>実況パワフルプロ野球12]]において「海野((本作における高木。結婚して名字が変わったため))」が登場し、倉橋のその後を断片的に語るイベントがあるのだが、その内容は''「高校時代に一目惚れした男に未練があり、4回連続で婚約を断っている」''というなんとも哀しい話であった。最後までとことん報われていない。 #endregion --全くの余談だが、『10』で登場するメインキャラの橘みずきは倉橋と設定が似通っている部分がある。本作で活かしきれなかった倉橋のキャラ設定がある程度流用されたのかもしれない。 -継承選手バグ --開始時のシステムデータをセーブしますかの画面で「はい」にしなくてもごくまれに継承選手として保存されてしまうバグがある。 --発生率はそれほど高くはないものの、継承選手での特能伝授イベントを狙ったりや恋恋高校でガチ育成をする際には厄介なバグである。 //-リスクとリターンがかみ合ってないライジングショット //--ある条件を満たすと猪狩守から「ライジングショット」を習得するイベントが起きるのだが、ライジングショットを習得できる確率は低確率で失敗すると大怪我してしまうハイリスクなものでありながらライジングショット自体の性能は通常ストレートよりも体感速度が低いという悲しい性能である。 ***それいけホームランくん -モード専用キャラクター「ホームランくん」を操作して、東京都中央区の地方球場から福岡県福岡市の福岡ドームまでの当時のフランチャイズ11球場を巡るモード。 --ホームランを打った飛距離だけ進んで行ける。 --だが高々130~160mのホームランだけで1000km以上の道のりを進んでいくためクリアまで非常に長く、途中で飽きるという意見もある。 --どれだけ安定してホームランを量産しても、クリアには大体&bold(){24時間}かかる。 --決定版では「はしれー!ホームランくん」となり、連続でホームランを打つとボーナス距離がかかる。 ---コンボが続けば6時間切りを狙える程に時間は短縮されたが、それでもプレイ時間はまだまだ多い。 --クリア後はホームランくんを選手として使える。 --ホームランで移動するというアイデアは面白いのだが、冗長さがネックであり、ゲーム中でもホームランくん自身が自虐的な台詞を吐いている上、エンディングには''「名古屋あたりでやめるだろ普通?」''というコメントまである始末。そんな台詞を入れる時点で何か思わなかったのか…。 --事実、本作だけで終わってしまった。((もし現在復活した場合、札幌から福岡までとなり、正真正銘の苦行と化すだろう。)) --後のシリーズ作品ではホームランくんの打撃フォームが収録されているほか、アプリ版、サクスペではこのホームランくんを元にした「打ちまくれ!ヒキョリくん~高校編」というイベントが不定期に開催されており、スタジアム、パワチャレに登録した選手の合計打撃飛距離を「ヒキョリくん」が町内を歩くというもので、一定距離到達で報酬がもらえた。 ---ただ、活躍するのはヒキョリくんでは無く、登録選手であり肝心のヒキョリくんは単に合計数の数だけ歩くだけであり、イベント終了後はランキング報酬受け取り期間の間は一歩も動かずマップ画面で延々と足踏みをしている。 ---- **総評 前作の進化したグラフィックに続き、サウンドやサクセスの進化したタッグシステムなど、大幅パワーアップを遂げた本作。~ サクセスの難易度は当時としては低めだが、『11』以降で搭載されたロックオンがまだないため現在プレイするにはシステム面で敷居が高い所はある。~ しかしそれを踏まえても本作の幅広いサクセスは評価が高く、今なおファンからは本作を最高傑作と評する声も多い。特に恋恋の王道ながらも熱いシナリオは必見である。~ 彼女候補もチームメイトも魅力的でキャラが立っている。まさしくパワプロ黄金期の一作と言っても過言ではないだろう。~ ---- **余談 -開幕版にはある手順を行うことで経験点、一部除く特殊能力、イベントフラグなどをサクセス開始時に引き継げる''二枚技''というバグ技が存在する。 --決定版では修正されているものの、このバグは継承選手や特定の能力の選手を作りたい際に重宝する。そのため結果的にシリーズでは珍しく、決定版発売後も開幕版に一定の価値が残る作品となった。 -サクセスのランダムイベントで主人公が野球雑誌を買うイベントが起きるとパワプロシリーズの記事を読むことがある。どうやら劇中でもパワプロシリーズのゲームは存在しているらしい。 --更に後の作品に当たる[[パワプロ10>実況パワフルプロ野球10]]、[[パワプロ11>実況パワフルプロ野球11]]が紹介されることがあり、それぞれ「サクセスは何と宇宙編 欲望の赴くままに制作された問題作品」、「サクセスは何とサッカー編 イレブンというノリだけで制作された問題作品」と解説されている。 ---『10』の宇宙編は叶わなかったようだが、『11』ではサッカーのミニゲームがあるシナリオが実際に制作されてしまった。 -「''一人称を『おいどん』にするといい初期能力がでやすくなる''」といった妙な噂が広まったことが一部では有名。 --もちろん全くのデマである。 -N64/PS時代によく使われていたメニュー画面のBGMは本作でアレンジされ再登場。最後の登板となった。 -今作の高校編サクセスはガラケーアプリとしてリメイク移植もされた。 //http://www.konami.jp/products/appli_pawapro_sakusesu2010/?ref=pawa&_ga=2.116715214.934573833.1511603896-771844171.1505898565 リンク切れ --また、スマホアプリ版『実況パワフルプロ野球』及びコンシューマ移植版『実況パワフルプロ野球 サクセススペシャル』にて今作のあかつき大付がリメイクされ、Switch版『[[実況パワフルプロ野球>実況パワフルプロ野球 (Switch)]]』にも今作のパワフル高校及びあかつき大付がリメイク収録されている。
*実況パワフルプロ野球9 【じっきょうぱわふるぷろやきゅうないん】 |ジャンル|スポーツゲーム(野球)|CENTER:&amazon(B000068337)&br&amazon(B000068336)|CENTER:&amazon(B000076VDB)&br()&amazon(B000076VDA)| |対応機種|プレイステーション2&br()ニンテンドーゲームキューブ|~|~| |発売元|コナミ|~|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテインメントスタジオ&br()(ダイヤモンドヘッド)|~|~| |発売日|2002年7月18日&br()決定版:2002年12月19日|~|~| |定価|7,140円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|サクセスは第一世代の高校野球編&br()メインキャラの高校時代を描く始まりの話&br()ペナントがさらに進化&br()本作のみの「それいけ!ホームランくん」|~|~| |>|CENTER:''[[実況パワフルプロ野球シリーズリンク>実況パワフルプロ野球シリーズ]]''|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -言わずと知れた人気野球ゲームの9作目。PS2シリーズにおける3作目。~ 今作からPS2に加えてGCでも発売された。 --両ハードのサクセス選手・パスワードに互換性がなく、同時期の[[パワポケ4>パワプロクンポケット4]]とのパスワード互換性はGC版のみ。決定版では[[パワポケ5>パワプロクンポケット5]]からも送れる。((残念ながらGBAケーブルによる転送には未対応。以降のGC作品も同様で、Wii版でもNDSとのワイヤレス通信によるやりとりには対応していない。)) --PS2版は『パワプロ2002春』との互換性がある。 --任天堂ハードは任天堂ハードのみ、ソニーハードはソニーハードのみでパスワードをやり取りできるという構造が本作でより明確になった。 ***変更点 -観戦モード時はバックスクリーンからの視点が追加された。ボタン操作で通常の投打画面に切り替え可能。 -投手でも代打としての出場が可能になった。 -対戦モードでルーキー設定が使えるようになった(打撃ロックオン、守備オート)。 //--サクセスモードでは『10』からアイテム「ルーキーのお守り」の効果として使用可能になった。ただし著しく試合での経験点が落ちるデメリットが発生する。 -データあれこれでの利便性が上がった。 -本作と『プレミアム』のみ実況は辻よしなり氏。前任の安部憲幸氏、後任の河路直樹氏とも異なる喋り口でかなり独特の雰囲気を出している。 --試合開始時に名前が表示されないし自己紹介もしない、おなじみの「実況パワフルプロ野球!」のタイトルコールもなし(『決定版』で追加)…と前後任と比較してかなり特異な点が多い。安部氏の退任後の臨時の起用であったことを窺わせる。 ---- **評価点 -野球バランスが良い。 --前作までと比べ変化球のキレは目に見えて落ちたが、その分真芯で当てないと強振でもサク越えは難しくなりバランスが取れている。 //特にミートと強振のバランスは歴代と比べても非常に良くできており、完成された感がある。 //さすがに後の作品の方がバランスが取れているのでCO --強いて問題点を挙げるなら走塁がやや速い事だが、それ程問題にされていない。 --無論これは''あくまで発売当時の評価''で『11』以降の便利なシステムが多数搭載されたパワプロと比べると本作は難易度が高い方だが、当時の基準を考えると充分に及第点である。 --グラフィックの進化が著しかった前作『[[8>実況パワフルプロ野球8]]』に続いて本作は音響面での進化が著しい。N64時代のままだった試合中の応援BGMが新規に製作し直され、より生音に近い雰囲気になった。 //次回作『[[10>実況パワフルプロ野球10]]』以降では本作ほどの音質は有しておらず、''未だにシリーズ随一と言っていいクオリティを誇る''。 //さすがに過大評価し過ぎなのでCO //以降、PS3『[[2012>実況パワフルプロ野球2012]]』まで実に10年に渡り本作の応援歌のフォーマットが使われることとなる。中には本作初出のまま10年間使われ続けた応援歌もある。 ***バリエーションあるサクセスモード -前作が短いサクセスだった反動か、本作ではバリエーションが増加。5つの高校を選んでシナリオを始められる。『[[パワプロ5>実況パワフルプロ野球5]]』以来の高校野球編だが全く別の新しい世界観であり、時系列としては『7』の前を描く。(『実況パワフルプロ野球スーパー大全』より)シリーズの正史という位置付けのため、本作の設定は以降のパワプロにも引き継がれている。 -またこれにより『5』の後日談でもある『パワプロクンポケット』(パワポケ)シリーズの世界観とも区別されており、「極亜久」関連の諸設定(外藤と猪狩進の人間関係など)は大幅に変更されている。 -『[[8>実況パワフルプロ野球8]]』のドラフ島が割とダークだったという事もあってか、この頃のパワプロシリーズにしては比較的明るい内容なのが特徴的。唯一シリアスと言えるのは恋恋高校ぐらいである。 --チームメイトはお馴染みの矢部、後輩の円谷・手塚・猿山は共通だが、それ以外のチームメイトやマネージャーは高校で違ってくる。 --彼女候補は球八高校を除くすべての学校で全員出会えるが、学校ごとにマネージャーになる娘は変わってくる。 -最初に選べるパワフル高校は打倒猪狩守、打倒あかつきといったイメージが強く、頻繁に猪狩との勝負イベントがおこる。 --先輩との友情や円谷・手塚・猿山のイベントが比較的多い。幼馴染の舞のイベントなど全体的に王道的野球漫画の世界観である。 -あかつき大付属高校はライバル・猪狩守が所属する実力主義の高校。昇格試験は難易度は高いが一軍に入れば効率のいい練習が出来る。 --あかつきだとパワフル編とは違った意味で主人公をライバルとして認めしきりに勝負を挑んでくる。 ---初期の頃の高慢ちきな悪役((一方的に彼女を奪う、主人公の電話を盗み聞きして「コーチのご機嫌取りだ」と勝手に判断して主人公の悪評を言いふらすなど))という立場は成りを潜め、少々嫌味ではあるが純粋に良きライバルとして主人公と競い合い、認め合っていく事になる。 ---更には主人公を私設球場へ招き遅くまで一緒に特訓したり、2軍落ちした主人公を心配し練習に付き合ってくれる一面もある。またチームのエースとしての責任感が高じて度々向こう見ずな行動をとる一面も見られるようになる。 ---「少々イヤミでプライドが高いが努力家で仲間思いのツンデレ」という現在の猪狩のキャラクター像は、この作品で確立したと言ってもよい。 --先輩も全員固定キャラでキャラが立っており、一ノ瀬、二宮などポジションに合わせた名前で分かりやすく、一芸に長けた人物が多く今なお人気が高い。 ---ただし先輩の1人、「五十嵐権三」は持論は立派だが他の先輩キャラと比較すると能力が低めな上赤特が多く、手に入る特殊能力も見劣りする。だがそれ故に未だにネタにされるあたりキャラとしては立っている。((後に官僚大学に進学して医者になる彼だが、これを現実世界で考えると甲子園出場経験のあるスポーツ進学校の生徒が東大理IIIへ現役合格するようなものであり、その謎スペックぶりもたまにネタにされる)) --固定キャラの先輩達はキャラのステータスが非常に高く、彼らが在籍している2年目夏までは安心して試合に勝てる。 ---一方で先輩たちが揃って引退した2年目秋以降は戦力が目に見えてダウンする。実際にサクセス中でもそのことが言及されており、黄金世代が去った後のチームを猪狩兄弟や後輩たちとどう乗り越えていくかもこの高校の見所となっている。 ---また猪狩や先輩達と友情タッグを結ぶイベントは非常に熱く、人気の高いシナリオの一つ。 --指導者である千石忠監督も同系列の梅田監督((パワプロ6におけるあかつき大学の監督。試合での起用実績も無く大した練習もさせていない上、主人公よりも能力の劣る選手がいるにもかかわらず、走力や守備力に難癖をつけて強制的にコンバートさせたり、怪我で試験を欠席した主人公を2軍落ちにさせるくせにイベントで長期間部活をサボった猪狩に対して何のお咎めもないなど、傍から見れば不条理な采配をしていた人物。))とは違い不条理な采配や選手の露骨な贔屓もせず、結果もそれなりに残している((梅田は主人公が試合に出ない限り必ず試合で負けているが、千石は2年目までは主人公が試合に出ずとも試合にはそれなりに勝てている。))ため、強豪チームを率いる良い意味で厳格な指導者として映る。 --これまでの実技試験のあるシナリオと違って監督評価で合格点が決まるようになったのとミート打ちが強化されたので野手の一軍維持の難易度が下がった。反面一軍維持してただけではオールAに届くというわけではなくなった。 -そよ風高校は、第一世代レギュラーの関西弁ナックルボーラー阿畑やすしの学校。 --ひたすら阿畑の気まぐれに付き合わされる。「阿畑練習」と称して思いついた変な練習を強いられる。&bold(){引退しても気まぐれに付き合わせられ続ける。} ---投手を育成しているのに敏捷が上がる「エアロビクス」「サッカー」を強いる事なども多々ある。他にも突如練習を休みにしたり、通販で買ったと思わしきものを主人公に押しつける、[[とあるアニメ>北斗の拳シリーズ]]に触発されて「ひこう」を突くなどやりたい放題を尽くす。 ---ただし通常よりも効率のいい練習もあり、取得経験点が莫大な「日本刀でフルスイング」「地獄ノック」、パワーが必ず上がる「鉄人筋力トレーニング」、ランダムで変化球の変化量が上がる「阿畑変化球講座」などは非常に美味しい。 --どれだけ当たりの阿畑練習を実施できるかが選手の育成の大部分を握る、極めてランダム要素の高い高校。 --他の3校と異なり全体的にのんびりとした雰囲気。固有イベントも脱力系のものが多い。 --阿畑によるお馴染みのオリジナル変化球開発もある。 --試合はほぼオートで進み、テンポが良い。 --特異なイベントとしては地下室探索イベントがある。これまたランダム要素が非常に高いものの、うまくいけば入手が難しい特殊能力が手に入ったり経験点や能力値が増える、失敗しても疲れがたまるだけとローリスクミドルリターンなイベント。 -恋恋高校は、『7』から登場する女性選手の早川あおいの高校。女子高だったのが共学になった所から始まる。 --ストーリーの中心になるのは女の子である故に甲子園への出場を取り消されてしまったあおいの葛藤であり、『7』『8』の時よりも繊細で傷つきやすい側面が掘り下げられた。 ---後半ではあおいを救うために仲間達や学校の面々と共にあおいの甲子園出場を懇願する署名を行う展開になるなど、当時のパワプロにしては一風変わったストーリー性の強い内容が特徴。 ---本作のサクセスが好評だったゆえか、この方式は『13』の帝王実業や聖タチバナなど後のサクセスでも引き継がれ更に作り込まれていく事となった。 --ゲームシステム的には「継承選手」の数が非常に多いため、上手くやればオールA選手が複数存在する強力なチームにも出来るのが旨味。 -球八高校は前作の主人公の出身校。 --ストーリーは殆どなく、たった9人で甲子園優勝を目指して勝ち上がり続ける。6の「するめ大学」のような試合だけで進行するサクセス。現シリーズの「パワフェス」にも近い。終盤の帝王実業やアンドロメダ学園は非常に強くクリアするまで困難を極める。 --するめ大学や冥球島と違って、試合後に棄権するか選択可能で、棄権すればその時点での選手登録が可能。 --最初から最後まで投手一人で投げ続けることになるので、いかにスタミナの消費を抑えられるかがカギとなる。 --甲子園以降の試合は試合開始時のテロップやサイレンなどが実際の甲子園のものを再現されており、球場内の応援歌やヤジなども相俟って雰囲気にのめりこみやすくなっている。 --''校歌が卑猥な事で有名''。どんな校歌かは実際に聞いてみるべし。 -&bold(){強化された育成要素} --育成のバランスが非常によく調整されており、目標とする選手ができそうでできない、できなそうでできるというバランスが的確である。最初の内は手探りの部分で悩むが、固定キャラの特性やイベント、学校ごとの環境を理解し、育成法を編み出せば強い選手の育成が可能になる。ネット上では数多くの育成法が編み出されるほどに熱中した。 --この目標とする選手にできそうでできないという部分が次へのチャレンジに繋がり中毒性を増やした。 --サクセスにおいて、経験点で習得可能な特殊能力が増えた。 ---従来までは練習による取得だった変化球もオリジナル変化球以外はすべて経験点による取得に変化。これにより育成の自由度は大幅に増加した。 -継承選手 --サクセスモードでクリアした選手が次のプレイ以降で一般選手に混じって登場し、試合に登場したり特殊能力を伝授してもらうことが可能となった。 --場合によっては固定キャラよりも強い選手や強い能力の選手もサクセス上で出すことができて育成の幅も広がった。 --継承選手によって環境つくりという楽しみができるようになった。 -『8』には無かった彼女イベントも今作でしっかりと復活している。 --パワプロ高校マネージャーは主人公の幼馴染の栗原舞。OPにも登場する。 --あかつき大付属高校マネージャーは四条先輩の妹の澄香。クールなメガネっ子だがデレる時はとことんデレる。ただしプレゼントは全て野手能力に関わるものなので、投手育成時は育成的にはメリットが無い。 ---付き合ったままドラフト会議を迎えると、ドラフト指名されなくても破局せず付いて来てくれる、シリーズでも数少ない彼女キャラである。&s(){ゲームオーバーになるのでシステム的には意味はないが。} --そよ風高校マネージャーは阿畑の幼馴染の芹沢茜。彼女にしなかった場合、阿畑と恋仲になっていき、『10』では阿畑の妻として登場する。 ---実はそよ風高校編で彼女にした場合、とある条件を満たすとエンディングを迎えた際に主人公が身を引く形で別れ、茜が阿畑と結ばれる展開になる。 --恋々高校のマネージャーはあおいの親友で病弱お人よしお嬢様の七瀬はるか。交際しやすい上にプロ入り後に強力な「家宝」((貰うとノビ4、キレ4、ジャイロボール、アベレージヒッターなど優秀な特殊能力が手に入る。))を渡してくれる強力な彼女候補。しかもパワプロにありがちな外見や性格が悪いという事もなく普通に可愛いので人気が高い。 ---バレンタインでの告白イベントやクリスマスでの意味深な台詞(ただしオチ付き)、アニメ映画を観た際の「(アニメを見てたんだ、という質問に対し)はい、''中3まで''」、アクション映画を観た際の「もっと火薬を増やしてたほうがいいと思います」といった台詞など印象に残るシーンも多い。 ---[[2012>実況パワフルプロ野球2012]]で彼女候補に返り咲いたが、あおいを野球マンに改造したり彼女効果が弱体化したり上述のはっちゃけた性格が更に強調されるなど9でのはるかが好きだった人からは賛否両論である。 --姫野カレンも彼女候補として登場。威圧感などの強力な特殊能力を貰える。 -友情タッグ --「8」から搭載されたシステムだが、本作ではさらに強化された。 --今作のサクセスから各練習に参加人数と参加キャラ表示がされるようになった。 --参加人数が多かったり参加キャラの得意な練習だったりすると経験値が多く得られ、評価も上がる仕組みである。 --また友情の絆を深めたキャラと特定の練習が行えた時には「友情タッグ」トレーニングが発生する。 --このシステムはサクセスの一つの完成系であり、以後のシリーズにおいても長く使われ続ける定番のシステムとなった。 --キャラ一人一人のイベントやフラグ、評価を管理して、いかに友情タッグトレーニングを引き出せるかが、強い選手育成のカギとなる。 -イベントが豊富 --ランダムイベントが豊富で何周しても飽きないほど充実している。 --固定イベントも学期末テストや文化祭、修学旅行など高校野球ならではのイベントが満載。キャラへの愛着やシナリオの没入感が増していると評価されている。 -爆弾爆発の仕様変更 --今作からは爆弾が爆発しても能力が大幅に落ちる代わりにゲームオーバーにならない場合が生まれた。この場合、怪我にもならず普通に次週から練習ができる。 ---流石に次回作以降は入院を要するようになった。 --また、今作のみの仕様で肩や肘の爆弾で投手生命が奪われそうになったときにそよ風以外では利き手変更や野手転向といったこともできる。 ***ペナント -ペナントは本作は10年間の長期間を戦えるようになった。 --フリーエージェントや新外国人選手の発掘システムが導入され、選手の成長・老いも再現され、着実に進化しているのが分かるようになってきた。 --また、心境という要素もあり、起用法によっては選手がFAしてしまう。 ***音楽 --OPは「Tomorrow~未来への翼~」であり、女性ボーカルが野球選手の夢を応援する内容で、非常に本作のサクセスとマッチしている。京都アニメーション制作のOPはパワプロ高校の練習と日常、ライバル達の活躍、猪狩との対決が描かれる。 --歴代のパワプロファンも一番に上げられる名曲となっている。 --また本作から甲子園優勝時に校歌が流れる。ちょっとした優勝のご褒美でなっている。 **賛否両論点 -実況担当がこれまでの安部憲幸氏から本作は辻よしなり氏に代わっており、賛否が分かれる。~ 安部憲幸氏の実況は非常にインパクトのある物であったため、残念がるファンが多い。また前述の通り本作の実況には特異な点が多く、違和感を覚えさせる部分が多い。 --『10』以降のPS2シリーズは河路直樹氏が実況を行っており、辻よしなり氏が実況を行うのは本作、及び本作のデータを流用したPS『プレミアム版』のみとなっている。 ***サクセス関連の賛否両論点 -萌えアニメのノリに近くなったサクセス --『8』までのサクセスはアニメ的なノリではあるもののまだ硬派な要素が強かったが、本作の恋恋は萌えアニメの雰囲気が強かったため当時のファンからは大きく批判された。 --恋恋自体のストーリーにはしっかり野球が絡むため問題ないとするファンがいる一方で、そもそも野球が絡む以前に萌え要素自体が不要とするファンもおり賛否両論。 --パワプロのサクセスはときメモを元にしているためこうなるのは必然だったと言えるが、硬派な野球を重視する人はこの路線変更を受け入れられないファンも多かった。 -「継承選手」 --恋恋高校以外の高校では1人、恋恋高校では複数登場する。評価を上げると主人公に特殊能力を教えてくれることがある。 --継承選手が多く出てくる恋恋高校では上手く行けば強力なチームを組める上に、恋恋高校の独自イベントである練習レベルが上がるイベントや経験点を大量に貰えるイベントが発生するため非常に有用。 --しかし能力の高い選手が作成できれば強力な戦力となるが、育成に失敗した選手が登場するとチームの弱体化に繋がってしまう。 ---また、継承選手を作るために面倒臭いという意見も少なからずある(例としては、大怪我や交通事故にあっても気軽にリセットできない等)。 ---一応特定の手順を踏むことでリセットやあきらめた場合には継承登録をせずクリアした時のみに継承登録する、といったことが可能である。 -そよ風高校のサクセスは少し癖が強い --先述した通り阿畑練習が育成に大きなウエイトを占めており、それに伴う特殊能力の強制取得も多いため所謂再現選手などの目的の選手を作るにはやや不向き。しかし野手はともかく投手はオリジナル変化球がこの高校のみで習得可能なため必然的に運ゲーを強いられることになる。 --また、阿畑練習の中には監督の評価が下がる練習が少なからず存在する。 //全21種中監督評価が下がる練習は3種。これを「結構な確率」とするには根拠が乏しすぎる。 ---これによって試合に出られなくなる可能性が上がるのは地味に嫌らしい。 -試合でもらえる経験点が少ない --歴代のサクセスに比べると試合経験点が少なめ。決定版で多少増えたがそれでも物足りない。 --一応、スカウト評価稼ぎや特能入手面などで決して試合で活躍することは決して無意味ではないが、試合経験点を多くしてほしかったとの声もある。 -パワフル高校やそよ風高校ではキャプテンになっても全員操作ができない --その2校のチーム力もさほど高くないため、全国制覇には運が多少絡む。 --また、できないと盗塁○や満塁男やサヨナラ男といった特殊能力がゲットしにくい。 --7回以降の全員操作をしなくて済むので、短い時間でテンポよく選手を作れるという利点でもある。 -''隠しイベントの多さ'' --実は普通にはいけないルートのイベントが隠されている。「彼女がいる状態で1年目秋の特定の週でデートに誘うと夏祭りイベントが発生する」「パワフル高校で彼女がいないまま甲子園優勝すると舞に告白される」「主人公が茜と阿畑のキューピッドになる」「甲子園で投げられなかったあおいのためにプロ入り後にチームで甲子園を貸切る」などやり込み要素としても作り込みが高い。 --しかしその難易度の割りには別に恩恵がなく、育成面で狙う意味はほとんどない。条件の厳しさも考えるとあくまでシナリオを楽しみたい人用のイベントといった趣向である。 --特に茜の隠しルートは一年春に甲子園優勝((そよ風高校は固有選手も少なく、試合での全員操作ができない))というかなり厳しい条件があるので、ほとんどのユーザーが不可能。しかもそれが''「10」や「11」などで正史になっている。''隠しルートにいけないユーザーはいつのまにか茜を阿畑に寝とられて呆然とするユーザーが多かった。 **問題点 ***サクセス関連の問題点 -開幕版のみ「虫歯」「爪割れ」の効果がバグで発揮されず、筋力ポイントが通常通り入る。 --このためこれらのステータス異常は実質飾りと化しており治す必要が皆無。シリーズお馴染みの脅威を無視できるメリットとも捉えられるが、ゲームバランスとしてはどうか。 ---その一方で後述する「二枚技」ほどはヌルゲーにならないので使用する層も多い。 -行き過ぎなネタ高校 --パワプロシリーズ特有のネタ要素を持った対戦相手であるが、本作の場合ややふざけ過ぎの感がある。 --対戦前後のやり取りから、やる気や勝利への執念を感じさせない高校が多く。特に、苦労して出場した甲子園の一回戦で当たる「湯けむり高校」「満腹高校」「さわやかなみのり高校」といったレジャーのついで感溢れる高校や、恋恋高校のシナリオに水を差しかねない「ワールド高校」など、真剣に遊んでいるプレイヤーにとってはギャグというより茶化しに感じられてしまう。 --選手自体はまっとうな能力であり一筋縄でいかない相手が多い。またある選手に関しては実在の甲子園出場選手の打法((2000年夏の那覇高校の比嘉選手。特徴的とはいえ、高校球児の打法の再現をしたのは異例である。))の再現をしていたりと、手抜きがなされているわけではない。 -あかつき・そよ風・恋恋はキャラが立っているが、パワフルは地味という意見もある。 --猪狩との3球勝負など熱い展開も多く、共通後輩キャラのイベントも他高校と比べて豊富であるなど特徴はある。しかし他の高校があまりにも個性的過ぎるため、結果王道であるパワフル高校が割を食ってしまっている形となっている。 --猪狩兄弟と頼れる先輩選手、阿畑、あおい&はるかのような印象深いレギュラー仲間が居ない事も関係しているのかもしれない。 --パワフルの先輩キャラは正統派ではあるもののあかつきに比べると地味で、後輩キャラの手塚・円谷・猿山も他サクセスモードで登場する事も大きい。 -シナリオの育成のバランス --開幕版は投手、野手共にあかつき高校の圧倒的1強。 ---大量の固有キャラがいることによる友情タッグの組みやすさの他、大会中は絶対にケガをしないで行える実技練習の存在によりもらえる経験点の期待値は他の追随を許さない。 ---特に投手は実技練習で条件を満たすと変化球の変化量が+1される仕様があり、慣れれば総変化量20超えの選手を量産可能。 --決定版はあかつき以外の友情タッグ練習や阿畑練習、イベントで手に入る経験点が軒並み上方修正された他、投手実技練習の難易度が大幅に上昇したためあかつき1強とまではいかなくなった。 ---それでもパワフル高校は投手の恩恵が無く投手育成がほぼ困難で、そよかぜ高校の野手育成は運要素が強い。 --恋恋高校は継承選手を使用すると野手で強力な選手ができる。特に決定版ではあかつきを超える選手が作れることも少なくない。 --あかつきは実技試験や実技練習で腕がある程度必要だったり、恋恋は下準備と1回の育成に時間がかかったり継承選手の厳選があるため仕方ないという意見も。 --球八高校は試合数も多く、ガチ育成するなら選手を作る時間がずば抜けてかかるのだが、あかつきや恋恋に比べ作る選手の能力が劣り、リターンが薄い。~ するめ大学や冥球島とは違い、投手育成で打撃を頑張っても二刀流選手が作りにくい。 -恋恋高校の一部キャラが不遇。 --倉橋や高木という重要そうなキャラが登場するものの、普通にやっているとろくに主人公たちと絡まずに出番がフェードアウトしてしまう。せっかく個性あるキャラなのにあまり作中では活かし切れていない。 --特に「倉橋彩乃」は「プライドの高いお嬢様で、惚れた異性の顔を直視しただけで赤面する」という非常においしいキャラで、主人公に恋愛感情を抱いてる様子を見せるが彼女に出来ないのが勿体ない。 ---決定版では修学旅行で主人公とデートをするイベントが追加されるが、結局彼女の思いは実ることはない。デートの終いに''「こういう場所に2人で来ることが夢でしたわ…」''と赤面しながら回想する姿はどこか切ない。 #region(その後の彼女の顛末について。ネタバレ注意) -時間軸では本作の後となる[[パワプロ12>実況パワフルプロ野球12]]において「海野((本作における高木。結婚して名字が変わったため))」が登場し、倉橋のその後を断片的に語るイベントがあるのだが、その内容は''「高校時代に一目惚れした男に未練があり、4回連続で婚約を断っている」''というなんとも哀しい話であった。最後までとことん報われていない。 #endregion --全くの余談だが、『10』で登場するメインキャラの橘みずきは倉橋と設定が似通っている部分がある。本作で活かしきれなかった倉橋のキャラ設定がある程度流用されたのかもしれない。 -継承選手バグ --開始時のシステムデータをセーブしますかの画面で「はい」にしなくてもごくまれに継承選手として保存されてしまうバグがある。 --発生率はそれほど高くはないものの、継承選手での特能伝授イベントを狙ったりや恋恋高校でガチ育成をする際には厄介なバグである。 //-リスクとリターンがかみ合ってないライジングショット //--ある条件を満たすと猪狩守から「ライジングショット」を習得するイベントが起きるのだが、ライジングショットを習得できる確率は低確率で失敗すると大怪我してしまうハイリスクなものでありながらライジングショット自体の性能は通常ストレートよりも体感速度が低いという悲しい性能である。 ***それいけホームランくん -モード専用キャラクター「ホームランくん」を操作して、東京都中央区の地方球場から福岡県福岡市の福岡ドームまでの当時のフランチャイズ11球場を巡るモード。 --ホームランを打った飛距離だけ進んで行ける。 --だが高々130~160mのホームランだけで1000km以上の道のりを進んでいくためクリアまで非常に長く、途中で飽きるという意見もある。 --どれだけ安定してホームランを量産しても、クリアには大体&bold(){24時間}かかる。 --決定版では「はしれー!ホームランくん」となり、連続でホームランを打つとボーナス距離がかかる。 ---コンボが続けば6時間切りを狙える程に時間は短縮されたが、それでもプレイ時間はまだまだ多い。 --クリア後はホームランくんを選手として使える。 --ホームランで移動するというアイデアは面白いのだが、冗長さがネックであり、ゲーム中でもホームランくん自身が自虐的な台詞を吐いている上、エンディングには''「名古屋あたりでやめるだろ普通?」''というコメントまである始末。そんな台詞を入れる時点で何か思わなかったのか…。 --事実、本作だけで終わってしまった。((もし現在復活した場合、札幌から福岡までとなり、正真正銘の苦行と化すだろう。)) --後のシリーズ作品ではホームランくんの打撃フォームが収録されているほか、アプリ版、サクスペではこのホームランくんを元にした「打ちまくれ!ヒキョリくん~高校編」というイベントが不定期に開催されており、スタジアム、パワチャレに登録した選手の合計打撃飛距離を「ヒキョリくん」が町内を歩くというもので、一定距離到達で報酬がもらえた。 ---ただ、活躍するのはヒキョリくんでは無く、登録選手であり肝心のヒキョリくんは単に合計数の数だけ歩くだけであり、イベント終了後はランキング報酬受け取り期間の間は一歩も動かずマップ画面で延々と足踏みをしている。 ---- **総評 前作の進化したグラフィックに続き、サウンドやサクセスの進化したタッグシステムなど、大幅パワーアップを遂げた本作。~ サクセスの難易度は当時としては低めだが、『11』以降で搭載されたロックオンがまだないため現在プレイするにはシステム面で敷居が高い所はある。~ しかしそれを踏まえても本作の幅広いサクセスは評価が高く、今なおファンからは本作を最高傑作と評する声も多い。特に恋恋の王道ながらも熱いシナリオは必見である。~ 彼女候補もチームメイトも魅力的でキャラが立っている。まさしくパワプロ黄金期の一作と言っても過言ではないだろう。~ ---- **余談 -開幕版にはある手順を行うことで経験点、一部除く特殊能力、イベントフラグなどをサクセス開始時に引き継げる''二枚技''というバグ技が存在する。 --決定版では修正されているものの、このバグは継承選手や特定の能力の選手を作りたい際に重宝する。そのため結果的にシリーズでは珍しく、決定版発売後も開幕版に一定の価値が残る作品となった。 -サクセスのランダムイベントで主人公が野球雑誌を買うイベントが起きるとパワプロシリーズの記事を読むことがある。どうやら劇中でもパワプロシリーズのゲームは存在しているらしい。 --更に後の作品に当たる[[パワプロ10>実況パワフルプロ野球10]]、[[パワプロ11>実況パワフルプロ野球11]]が紹介されることがあり、それぞれ「サクセスは何と宇宙編 欲望の赴くままに制作された問題作品」、「サクセスは何とサッカー編 イレブンというノリだけで制作された問題作品」と解説されている。 ---『10』の宇宙編は叶わなかったようだが、『11』ではサッカーのミニゲームがあるシナリオが実際に制作されてしまった。 -「''一人称を『おいどん』にするといい初期能力がでやすくなる''」といった妙な噂が広まったことが一部では有名。 --もちろん全くのデマである。 -N64/PS時代によく使われていたメニュー画面のBGMは本作でアレンジされ再登場。最後の登板となった。 -今作の高校編サクセスはガラケーアプリとしてリメイク移植もされた。 //http://www.konami.jp/products/appli_pawapro_sakusesu2010/?ref=pawa&_ga=2.116715214.934573833.1511603896-771844171.1505898565 リンク切れ --また、スマホアプリ版『実況パワフルプロ野球』及びコンシューマ移植版『実況パワフルプロ野球 サクセススペシャル』にて今作のあかつき大付がリメイクされ、Switch版『[[実況パワフルプロ野球>実況パワフルプロ野球 (Switch)]]』にも今作のパワフル高校及びあかつき大付がリメイク収録されている。

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