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*ワイルドトラックス 【わいるどとらっくす】 |ジャンル|レース|CENTER:&amazon(B000068GVI)|~| |対応機種|スーパーファミコン|~|~| |メディア|8MbitROMカートリッジ|~|~| |発売元|任天堂|~|~| |開発元|任天堂、Argonaut Software|~|~| |発売日|1994年6月4日|~|~| |定価|9,800円(税別)|~|~| |プレイ人数|1~2人|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[スターフォックス]]』の3D技術を応用し、スーパーFXチップ(三次元描画方面強化回路)を搭載したレースゲーム。~ プレイヤーはそれぞれ特徴や特性のある3種類(後に4種類)の車種を駆使し、3Dのリアルなコースを走る。 **あらすじ > ここはアメリカ、都会から少し離れた田舎町『トラックス・シティ』。特に観光名所も無いこの町だが、年にたった一度だけ、世界中の車好き人間達が押しかけてくる日がある。~ 『ワイルドトラックス』。~ そもそものきっかけは町の若者が退屈しのぎに始めた草レースだったのだが、その迫力と興奮が噂を呼び、月日を重ねる内に町の一大名物となってしまった。~ 今年もレースの開催が目前に迫ってきた。そして、あらゆる地方から我こそはと自負する強者達が町にやって来る。ほんの少しの名誉と、大きな喝采を得る為に。 ---- **特徴 -スターフォックスでは一方にしか進むことが出来なかった3D空間を本作ではレースゲームという設定上、縦横無尽に走り回れる。雰囲気としてはセガのアーケード『[[バーチャレーシング]]』よりやや粗くした様な感じに近い。 --『[[F-ZERO]]』や、『[[スーパーマリオカート]]』などMode-7(背景面の拡縮回転機能によるパース表現)を使ったレースゲームもあるが、高低差を表現できないため上から見下ろしのレースゲームをSFCの機能で3Dチックに演出したに過ぎない。スーパーファミコンにおける“(擬似ではない)3D空間内でのレースゲーム”としては『Race Drivin'(1992年・日本未発売)』とともに数少ない1つである。 -4つのモードが存在し、それぞれ違う内容・目的で遊ぶことが出来る。 #region(モード一覧) --SPEED TRAX ---自車を含む計4台でレースをし上位を目指す。制限時間制となっており、中間ポイントとゴールポイントを通過することで時間が加算される。3周でゴールとなり、残った時間は次のコースに持ち越しとなり加算される。ただし最下位でゴールするとランク外扱いされやり直しとなる。難易度はノービスクラスとエキスパートクラスが有り、両方クリアするとマスタークラスの選択が可能になる。各クラス4コース存在し、途中ボーナスコースがあり、TRAILERが限定で操作できる。 --STUNT TRAX ---様々な段差や地形が設けられた起伏の激しいコースを、各所に存在する星を獲得しながら進む。制限時間制。途中で通過ゲートが存在し取った星の数で時間が加算される。全部で4つのコースが存在し、全てのコースでゴールするとスペシャルコースが解禁される。 --BATTLE TRAX ---2P専用の対戦モード。SPEED TRAXやFREE TRAX等の通常のコースではなく、専用のステージが4つ用意されている。 --FREE TRAX ---タイムアタックモード。SPEED TRAXと同じステージを挑む事ができる。選べるコースはSPEED TRAXのクリア進行による。SPEED TRAX未クリア状態では、4WDで専用の練習コースを自由に走る初心者向けの「TEST RUN」モードになっている。 #endregion -プレイヤーが操作する車は全5種類。通常はボーナスのTRAILERを除き4種類の車を操作する。共通してダメージ(赤)とブースト(青)のメーターが設定されている。ダメージメータは耐久度を示し、壁・障害物・地面に一定以上のスピードで衝突するとダメージを受ける。満杯になってしまうとクラッシュとなり強制リタイア。ブーストメーターはより加速するもので、無くなると使えなくなってしまう。いずれもコース上にある赤い石と青い石で回復が出来る。石はSPEED TRAXにしか出現しないが、STUNT TRAXではゲートを通過することで、BATTLE TRAXではブーストメーターのみ自然回復する。 #region(車一覧) --4WD ---モンスタートラック型の車。最高速度は160kmで遅いがスタートダッシュに優れ、ボディが頑丈でダメージを受けにくく、高いグリップで滑りにくい。反面、ステアリングが重い。 --COUPE ---乗用車のスポーツ仕様風の車。最高速度は190kmでボディの強度は中程度。グリップが低いのでスピンすることも有るが、他の車よりブーストの消費量が少ない。 --F-TYPE ---フォーミュラカー。最高速度は220km、ステアリングの切れ味も良い。しかし強度が弱いので激突すれば大ダメージは避けられず、ジャンプですらダメージを食らうことも。立ち上がりの加速にも多少難が有る。 --2WD ---バイク風(2輪車)。F-TYPEと同じ最高速度220kmで、強度・グリップ・加速の性能バランスは良いが、2輪特有のハンドルのクセがある。ゲーム開始時は使えず、SPEED TRAXのクラスのどれか一つをクリアすことでFREE TRAXで使えるようになり、マスタークラスをクリアすると全てのモードで使用可能となる。 --TRAILER ---ボーナスコースでのみ使用できる。大型車なのでステアリングが重く、小回りもきかず操作しにくいので少々コツがいる。 #endregion ---- **評価点 -コース上の演出と3D描写 --現代の視点で見ると粗いカクカクとしたポリゴンの3D描写だが、3D空間を自由に走り回れるだけあってコース設計や造形にはかなり力を入れている。 ---コース中では3Dを応用した立体交差が存在するものも多く、海中トンネルを走り抜けるといったものもありトンネル内では残響音が響く。雨、霧、雪という天候の変化、昼から夜へといった時間変化という凝った演出もある。 ---カメラを主観視点に変えるとフロントガラスに雨が打たれるような演出になったりと当時の技術にしてはやたら細かいエフェクトもある。 ---造形も手のこんだ作りようで飛行船が飛び回る。イルカのジャンプが見られる。カモメが鳴いて飛び回ったり、シマウマが横切るといったことまで事細かく描かれており何があるんだろうと360度回れる様になっているので''思わずコースを踏み外してしまいたくなるような''造りになっている。 ---序盤のコースは海底トンネルが透明になっている作りで海の底を拝む事が出来自機を魚が追いかけてくるというギミックも。 ---3D化に伴って、トラップ・障害物も僅かながら存在する。山岳で走り抜けていると落石が発生したり、チューブブリッジがコース上に組まれていて脇により過ぎると落下して水没してしまうというトラップもある。道路上にロードコーン、工事用バリケード、スーパーファミコンのロゴ入りダンボールといった障害物が置かれていることもある。 -各車の設定再現度 --実際の自動車工学に基づいて再現したかの様な挙動はとてもリアル。車の重量、強度、ステアリング、グリップ、形状から来るバランスといったものまで事細かく調整されていて、レースゲーム好きを唸らせるような設定具合になっている。車そのものがキャラクター化されていて、ヘッドライト部分が目になっているのも特徴的。 -プレイヤーをノリノリにさせるBGMたち --一番最初のコース「EASY RIDE」から既にノリノリ。牧歌的なコースにカントリー調の曲がプレイヤーを楽しませる。「AQUA TUNNEL」の夏っぽい爽やかな曲、「NIGHT OWL」都会的な曲もある。全体的にノリの良い曲揃いになっており、あらすじ通りアメリカを舞台にしている為かカントリー調のものも多い。SE音も特徴的で現在でもTVの効果音として使われていることもある。 --最後の周回となるとBGMが半音上がる様になりますますゲームを盛り上げるようになる。このハイライトに勢いづけられたプレイヤーも多いのではないだろうか。 --逆にタイムオーバー時になると曲のテンポが段々と遅くなっていくというコミカルな表現もある。 -制限時間制であること --一部の新しいコースを開拓していくには上位を目指すことが殆どであるが本作の条件は''制限時間内にコンプすること''だけ。周回点と中間点を通過することで制限時間は加算され、次のコースへ持ち越される。なので得点上位や1位のフルコンプを目指す必要はなく条件として4位でなければ良いだけ。各難易度に設定されている4つのコースを''制限時間内にクリアすれば良いだけ''である。ただ、問題点に書かれている様にSPEED TRAXの後半はジリ貧になることもある。ここの辺りは腕が試されるところ。 --中間点と周回点を通過することでタイムが加算されるが通過点の前にタイムオーバーになってしまっても自車の速度の慣性があれば通過点をギリギリ超えても時間が加算されて巻き返しになるチャンスもあるので諦めずにチャレンジがし易い様になっているのも特徴である。 **賛否両論点 -クセのある操作性。 --ステアリング操作の重みなどは『F-ZERO』や『スーパーマリオカート』に比べてリアル志向で作られている。評価点にもあるように、各車の設定再現度も高い。 --しかし、タイヤの接地感や限界が探りにくいために慣れるまでには時間を要する。特に急なオーバーステアの発生が多々あり、それによってイン側のウォールに衝突することも。 --また、ボーナスゲームのトレーラーや通常のコースでのカメラの視点しだいで操作に梃子摺ることにもなる。 **問題点 -『スターフォックス』同様、ポリゴンの粗さが目に付き、粗さ故に遠近感がつかみにくい。 --CPU処理の影響かとんでも無い速度で追い抜かれてしまう様に見える現象や、先頭を走る車がやたら遅く走っている様に見えていてもいまいち差が開かないという現象になることも。 -SPEED TRAXでは厳し目のゲームバランスで(特に後半部分)、それに加えて制限時間制が輪をかけている。 -BATTLE TRAXでは専用の4コースのみで通常コースでの対戦ができず、その逆にBATTLE TRAXのコースを1人用モードで走ることも不可。また、性能の限界からか画面がやや小さく1Pのプレイモードよりフレームレートが低くなりかなりモタる。 -FREE TRAXが出現すると、TEST RUNモードに上書きされてしまい、ゲームデータを(消去)初期化しない限り二度とプレイできなくなってしまう。 ---- **総評 SFCで3Dレースゲームという意欲的な作品。~ 粗い見た目によらず凝った演出、ノリノリのBGM、それでいて中味はリアル志向。 後述の余談にもあるように、現在はSwitchにも移植されている。~ これを機に、君も『ワイルドトラックス』に参加してみてはいかがだろうか。 ''この走り、しびれるぜ! '' ---- **余談 -ゲーム中に『[[スーパーマリオ>マリオシリーズ]]』『[[カービィ>星のカービィシリーズ]]』『[[スターフォックス>スターフォックスシリーズ]]』が看板の絵としてゲスト出演しているほか、「NIGHT CRUISE」ではスターフォックスのロゴの看板も存在する。全部の看板を傾けることでアーウィンが青い石を落としてくれる。「SKY RAMP」ではアーウィンが飛んでくるが、何もしてくれなかったりする。 -CMは実写らしき荒野をバックに各車がアニメーションで走り抜けるもの。ナレーションは『[[北斗の拳>北斗の拳シリーズ]]』『[[キン肉マン>キン肉マンシリーズ]]』『[[シティーハンター]]』等で有名な声優の神谷明氏。 -他のスーパーFXチップ使用タイトル同様、過去にバーチャルコンソール配信は行われていない。 --同チップを使用していた『スターフォックス』『[[スーパーマリオ ヨッシーアイランド]]』((こちらは改良版に当たる「スーパーFXチップ2」が搭載されている))はクラシックミニの収録タイトルとなったが、本作は収録されなかった。 -2019年9月6日にNintendo Switchで配信が開始された『[[スーパーファミコン Nintendo Switch Online>ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online]]』では、本作が初期ソフトの一つとして収録されている。 --上述の通りクラシックミニには収録されなかったため、これが初移植となる。
*ワイルドトラックス 【わいるどとらっくす】 |ジャンル|レース|CENTER:&amazon(B000068GVI)|~| |対応機種|スーパーファミコン|~|~| |メディア|8MbitROMカートリッジ|~|~| |発売元|任天堂|~|~| |開発元|任天堂&br()Argonaut Software|~|~| |発売日|1994年6月4日|~|~| |定価|9,800円(税別)|~|~| |プレイ人数|1~2人|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[スターフォックス]]』の3D技術を応用し、スーパーFXチップ(三次元描画方面強化回路)を搭載したレースゲーム。~ プレイヤーはそれぞれ特徴や特性のある3種類(後に4種類)の車種を駆使し、3Dのリアルなコースを走る。 **あらすじ > ここはアメリカ、都会から少し離れた田舎町『トラックス・シティ』。特に観光名所も無いこの町だが、年にたった一度だけ、世界中の車好き人間達が押しかけてくる日がある。~ 『ワイルドトラックス』。~ そもそものきっかけは町の若者が退屈しのぎに始めた草レースだったのだが、その迫力と興奮が噂を呼び、月日を重ねる内に町の一大名物となってしまった。~ 今年もレースの開催が目前に迫ってきた。そして、あらゆる地方から我こそはと自負する強者達が町にやって来る。ほんの少しの名誉と、大きな喝采を得る為に。 ---- **特徴 -スターフォックスでは一方にしか進むことが出来なかった3D空間を本作ではレースゲームという設定上、縦横無尽に走り回れる。雰囲気としてはセガのアーケード『[[バーチャレーシング]]』よりやや粗くした様な感じに近い。 --『[[F-ZERO]]』や、『[[スーパーマリオカート]]』などMode-7(背景面の拡縮回転機能によるパース表現)を使ったレースゲームもあるが、高低差を表現できないため上から見下ろしのレースゲームをSFCの機能で3Dチックに演出したに過ぎない。スーパーファミコンにおける“(擬似ではない)3D空間内でのレースゲーム”としては『Race Drivin'(1992年・日本未発売)』とともに数少ない1つである。 -4つのモードが存在し、それぞれ違う内容・目的で遊ぶことが出来る。 #region(モード一覧) --SPEED TRAX ---自車を含む計4台でレースをし上位を目指す。制限時間制となっており、中間ポイントとゴールポイントを通過することで時間が加算される。3周でゴールとなり、残った時間は次のコースに持ち越しとなり加算される。ただし最下位でゴールするとランク外扱いされやり直しとなる。難易度はノービスクラスとエキスパートクラスが有り、両方クリアするとマスタークラスの選択が可能になる。各クラス4コース存在し、途中ボーナスコースがあり、TRAILERが限定で操作できる。 --STUNT TRAX ---様々な段差や地形が設けられた起伏の激しいコースを、各所に存在する星を獲得しながら進む。制限時間制。途中で通過ゲートが存在し取った星の数で時間が加算される。全部で4つのコースが存在し、全てのコースでゴールするとスペシャルコースが解禁される。 --BATTLE TRAX ---2P専用の対戦モード。SPEED TRAXやFREE TRAX等の通常のコースではなく、専用のステージが4つ用意されている。 --FREE TRAX ---タイムアタックモード。SPEED TRAXと同じステージを挑む事ができる。選べるコースはSPEED TRAXのクリア進行による。SPEED TRAX未クリア状態では、4WDで専用の練習コースを自由に走る初心者向けの「TEST RUN」モードになっている。 #endregion -プレイヤーが操作する車は全5種類。通常はボーナスのTRAILERを除き4種類の車を操作する。共通してダメージ(赤)とブースト(青)のメーターが設定されている。ダメージメータは耐久度を示し、壁・障害物・地面に一定以上のスピードで衝突するとダメージを受ける。満杯になってしまうとクラッシュとなり強制リタイア。ブーストメーターはより加速するもので、無くなると使えなくなってしまう。いずれもコース上にある赤い石と青い石で回復が出来る。石はSPEED TRAXにしか出現しないが、STUNT TRAXではゲートを通過することで、BATTLE TRAXではブーストメーターのみ自然回復する。 #region(車一覧) --4WD ---モンスタートラック型の車。最高速度は160kmで遅いがスタートダッシュに優れ、ボディが頑丈でダメージを受けにくく、高いグリップで滑りにくい。反面、ステアリングが重い。 --COUPE ---乗用車のスポーツ仕様風の車。最高速度は190kmでボディの強度は中程度。グリップが低いのでスピンすることも有るが、他の車よりブーストの消費量が少ない。 --F-TYPE ---フォーミュラカー。最高速度は220km、ステアリングの切れ味も良い。しかし強度が弱いので激突すれば大ダメージは避けられず、ジャンプですらダメージを食らうことも。立ち上がりの加速にも多少難が有る。 --2WD ---バイク風(2輪車)。F-TYPEと同じ最高速度220kmで、強度・グリップ・加速の性能バランスは良いが、2輪特有のハンドルのクセがある。ゲーム開始時は使えず、SPEED TRAXのクラスのどれか一つをクリアすことでFREE TRAXで使えるようになり、マスタークラスをクリアすると全てのモードで使用可能となる。 --TRAILER ---ボーナスコースでのみ使用できる。大型車なのでステアリングが重く、小回りもきかず操作しにくいので少々コツがいる。 #endregion ---- **評価点 -コース上の演出と3D描写 --現代の視点で見ると粗いカクカクとしたポリゴンの3D描写だが、3D空間を自由に走り回れるだけあってコース設計や造形にはかなり力を入れている。 ---コース中では3Dを応用した立体交差が存在するものも多く、海中トンネルを走り抜けるといったものもありトンネル内では残響音が響く。雨、霧、雪という天候の変化、昼から夜へといった時間変化という凝った演出もある。 ---カメラを主観視点に変えるとフロントガラスに雨が打たれるような演出になったりと当時の技術にしてはやたら細かいエフェクトもある。 ---造形も手のこんだ作りようで飛行船が飛び回る。イルカのジャンプが見られる。カモメが鳴いて飛び回ったり、シマウマが横切るといったことまで事細かく描かれており何があるんだろうと360度回れる様になっているので''思わずコースを踏み外してしまいたくなるような''造りになっている。 ---序盤のコースは海底トンネルが透明になっている作りで海の底を拝む事が出来自機を魚が追いかけてくるというギミックも。 ---3D化に伴って、トラップ・障害物も僅かながら存在する。山岳で走り抜けていると落石が発生したり、チューブブリッジがコース上に組まれていて脇により過ぎると落下して水没してしまうというトラップもある。道路上にロードコーン、工事用バリケード、スーパーファミコンのロゴ入りダンボールといった障害物が置かれていることもある。 -各車の設定再現度 --実際の自動車工学に基づいて再現したかの様な挙動はとてもリアル。車の重量、強度、ステアリング、グリップ、形状から来るバランスといったものまで事細かく調整されていて、レースゲーム好きを唸らせるような設定具合になっている。車そのものがキャラクター化されていて、ヘッドライト部分が目になっているのも特徴的。 -プレイヤーをノリノリにさせるBGMたち --最初のコース「EASY RIDE」から既にノリノリ。牧歌的なコースにカントリー調の曲がプレイヤーを楽しませる。「AQUA TUNNEL」の夏っぽい爽やかな曲、「NIGHT OWL」都会的な曲もある。全体的にノリの良い曲揃いになっており、あらすじ通りアメリカを舞台にしている為かカントリー調のものも多い。SE音も特徴的で現在でもTVの効果音として使われていることもある。 --最後の周回となるとBGMが半音上がる様になりますますゲームを盛り上げるようになる。このハイライトに勢いづけられたプレイヤーも多いのではないだろうか。 --逆にタイムオーバー時になると曲のテンポが段々と遅くなっていくというコミカルな表現もある。 -制限時間制であること --一部の新しいコースを開拓していくには上位を目指すことが殆どであるが本作の条件は''制限時間内にコンプすること''だけ。周回点と中間点を通過することで制限時間は加算され、次のコースへ持ち越される。なので得点上位や1位のフルコンプを目指す必要はなく条件として4位でなければ良いだけ。各難易度に設定されている4つのコースを''制限時間内にクリアすれば良いだけ''である。ただ、問題点に書かれている様にSPEED TRAXの後半はジリ貧になることもある。ここの辺りは腕が試されるところ。 --中間点と周回点を通過することでタイムが加算されるが通過点の前にタイムオーバーになってしまっても自車の速度の慣性があれば通過点をギリギリ超えても時間が加算されて巻き返しになるチャンスもあるので諦めずにチャレンジがし易い様になっているのも特徴である。 **賛否両論点 -クセのある操作性。 --ステアリング操作の重みなどは『F-ZERO』や『スーパーマリオカート』に比べてリアル志向で作られている。評価点にもあるように、各車の設定再現度も高い。 --しかし、タイヤの接地感や限界が探りにくいために慣れるまでには時間を要する。特に急なオーバーステアの発生が多々あり、それによってイン側のウォールに衝突することも。 --また、ボーナスゲームのトレーラーや通常のコースでのカメラの視点しだいで操作に梃子摺ることにもなる。 **問題点 -『スターフォックス』同様、ポリゴンの粗さが目に付き、粗さ故に遠近感がつかみにくい。 --CPU処理の影響かとんでも無い速度で追い抜かれてしまう様に見える現象や、先頭を走る車がやたら遅く走っている様に見えていてもいまいち差が開かないという現象になることも。 -SPEED TRAXでは厳し目のゲームバランスで(特に後半部分)、それに加えて制限時間制が輪をかけている。 -BATTLE TRAXでは専用の4コースのみで通常コースでの対戦ができず、その逆にBATTLE TRAXのコースを1人用モードで走ることも不可。また、性能の限界からか画面がやや小さく1Pのプレイモードよりフレームレートが低くなりかなりモタる。 -FREE TRAXが出現すると、TEST RUNモードに上書きされてしまい、ゲームデータを(消去)初期化しない限り二度とプレイできなくなってしまう。 ---- **総評 SFCで3Dレースゲームという意欲的な作品。~ 粗い見た目によらず凝った演出、ノリノリのBGM、それでいて中味はリアル志向。 後述の余談にもあるように、現在はSwitchにも移植されている。~ これを機に、君も『ワイルドトラックス』に参加してみてはいかがだろうか。 ''この走り、しびれるぜ! '' ---- **余談 -ゲーム中に『[[スーパーマリオ>マリオシリーズ]]』『[[カービィ>星のカービィシリーズ]]』『[[スターフォックス>スターフォックスシリーズ]]』が看板の絵としてゲスト出演しているほか、「NIGHT CRUISE」ではスターフォックスのロゴの看板も存在する。全部の看板を傾けることでアーウィンが青い石を落としてくれる。「SKY RAMP」ではアーウィンが飛んでくるが、何もしてくれなかったりする。 -CMは実写らしき荒野をバックに各車がアニメーションで走り抜けるもの。ナレーションは『[[北斗の拳>北斗の拳シリーズ]]』『[[キン肉マン>キン肉マンシリーズ]]』『[[シティーハンター]]』等で有名な声優の神谷明氏。 -他のスーパーFXチップ使用タイトル同様、過去にバーチャルコンソール配信は行われていない。 --同チップを使用していた『スターフォックス』『[[スーパーマリオ ヨッシーアイランド]]』((こちらは改良版に当たる「スーパーFXチップ2」が搭載されている))はクラシックミニの収録タイトルとなったが、本作は収録されなかった。 -2019年9月6日にNintendo Switchで配信が開始された『[[スーパーファミコン Nintendo Switch Online>ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online]]』では、本作が初期ソフトの一つとして収録されている。 --上述の通りクラシックミニには収録されなかったため、これが初移植となる。

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