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*影牢 ~刻命館 真章~ 【かげろう こくめいかん しんしょう】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000069SWK,image=https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTqeJaIikqKVfXfiOH509hKvNrFhpOze8DNRw&usqp=CAU)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|テクモ|~| |発売日|1998年7月23日|~| |定価|5,800円|~| |配信|ゲームアーカイブス&br()2008年12月24日/600円|~| |レーティング|CERO:C(15才以上対象)((ゲームアーカイブス版で付与されたレーティングを記載。))|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[影牢シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『刻命館』(以下「前作」)の続編。~ コンセプトである「侵入者を罠にはめて殺戮する」は継承しているが、ゲームシステムは全面的に改められている。 **前作との関係 前作はコンセプトこそ本作と同じではあるが、「舞台となる『刻命館』の増改築ができる」「侵入者は殺すとお金が、弱らせて捕獲するとMP(トラップの発動に必要)が得られる」という特徴があり、「殺害と捕獲の両方をバランスよく行って資源を確保する」「刻命館を自分の好みに増改築する」といった点でゲーム性が異なっているため、アクションゲームというよりは「ダンジョン経営シミュレーション」的なゲームであった。~ しかし、本作では「館の増改築」の要素を廃止し、その代わりにアクションゲームの要素を強化している。 ***ストーリー 「善人・悪人・知人・肉親・仇を問わない殺戮」「鬱ではないがハッピーとも言えないエンディング」といった前作の重さを引き継いでいる。~ これがシリーズの伝統であり魅力ではあるのだが、この当たりはどうしても好みの分かれるところである。背徳感がたまらなく好きという人にはジャストフィットするのだが、王道のストーリー好きには少々辛いだろう。 -主人公(デフォルト名はミレニア)は支配層である「刻人(ときびと)」によって洗脳されており、人を殺すことへの罪悪感や戦いへの恐怖といった感情は失われ、刻人のために人間狩りを淡々と行う。そのため、侵入者はどんな目的であろうと「敵」であり、狩る対象でしかない。 --支配層の刻人、被支配層の人間という構造の中で、刻人の支配に抵抗する組織の存在や刻人を出し抜こうと考えている人間、ただ名声のみを求める者、愛するもののために命を懸ける者などが絡み合っている。また、なぜ刻人がミレニアを使って「人間狩り」を行うのかもストーリーを進めるにつれて明らかになる。裏設定のようなものはほとんどない。 --一部の侵入者に対する態度によって、エンディングは分岐する。無慈悲・無差別に虐殺するもよし、情けをかけるもよしである。なお、どのエンディングも鬱エンドとまではいかないものの含みを持たせた内容となっており、手放しでハッピーエンドと呼べるものはない。中には前作とのつながりを示唆するものもある。 -ステージが終わるごとに侵入者の死因を見ることができる。死因は最後に決めたトラップや仕掛けによって変化する。ちなみにタライでトドメを刺すと、''「タライに恥をかかされる」''という訳のわからない死因が表示される。 **特徴・良点 ***トラップコンボ 前作と同様に、主人公は直接的な攻撃方法を一切所持していない。ゆえに敵は仕掛けた罠で撃退する必要がある。~ 前作では罠はすべて単発でしか仕掛けられずコンボの概念もなかったが、本作では「あるトラップにかかっているかダウンしている間に別のトラップをヒットさせる」とコンボが成立し、単発ヒット時に比べて獲得Ark(トラップ開発で消費するポイント)が大きく増加するようになった。~ これが「トラップコンボ」である。 -トラップは壁・天井・床にそれぞれ1つづつ設置可能。 -トラップ設置または発動後から使用可能になるまでにはチャージタイムが発生するので、一つのトラップを延々と当て続けてハメることはできない。 -トラップの種類も単にダメージを与えるものだけでなく「数マス強制移動させる」「一定時間拘束する」と多彩で、トラップごとの役割をしっかり把握する必要がある。 --トラップの大半はトラバサミや大岩といった痛そうな物ばかりではあるが、そんな中に「タライ」がしれっと混じっている。 ---このお笑い系トラップは続編でも登場し、さらに「三角木馬」「バナナの皮」「熊手((床に倒れているそれの先端を踏むと柄の部分が跳ね上がり、顔面や後頭部に直撃する。アメリカのカートゥーンで定番のギャグ。))」といったネタトラップも追加されている。 --また、『[[モンスターファーム>モンスターファーム (PS)]]』の「スエゾー」が隠しトラップとして友情出演もしている。 -トラップは最初は基本的なものしか用意されていないが、敵を倒して得たArkを使って開発が可能。 -部屋にも様々な「仕掛け」が存在し、これらもトラップコンボに利用可能である(例…不安定な柱にトラップで衝撃を与えて倒壊させ、それを敵にぶち当てる)。 -トラップは特殊な条件を満たしてヒットさせると(例…空中の敵に当てる、残HPピッタリのダメージを与えてトドメを刺す等)「テクニカルボーナス」が加算され、獲得Arkが増加する。 このトラップコンボの誕生によって、「手持ちのトラップと仕掛けを使って上手くトラップコンボを組む」「いかに敵を分断・誘導してトラップに誘い込むか」といった前作には無かった楽しさが生まれた。 -華麗なトラップコンボを決めるには、チャージタイムやトラップ、敵の特性などを考慮に入れる必要があるためハードルは高いが、それだけに上手くコンボを決められれば達成感はひとしおである。 -トラップコンボのバリエーションは多く、慣れないうちは決めやすさ重視、熟練すればコンボ・見栄え重視と自分の腕前に合わせて戦い方を選択することができる。〆にタライを使ったお笑いコントのようなコンボだって組めてしまう。ただしトラップコンボの中でも群を抜いて強力なものもあり、それに気づいてしまうと特に強敵相手では作業となりやすい。トラップコンボの豊富さを楽しもうとする心が重要。 -ゲームスピードはそれほど速くなく、トラップ配置画面では時間が停止するためじっくり考えることができる。複雑な操作も必要ないのでアクションが苦手な人にとってもハードルは低い。 **問題点 -3Dを存分に使っているためなのかミレニア及び敵の動きがかなりもっさりしている。これはNPCの量が多いほど顕著になるが、曲がりなりにもアクションゲーであるわけでストレスが貯まりやすい。 -ある程度仕方ないことであるがAIの質は高くなく、同一の敵に同じ部屋で同じトラップコンボを何度も決められることで作業感を生んでしまう。 --具体的に書くと、とある敵Aにトラップコンボを叩きこんで生き残った場合、コンボとして発動したトラップはおろかコンボの起点となったトラップのあったマスを警戒するそぶりを全く見せないのである。 -敵は最大で2人同時に現れるので、その場合は2人同時に相手をしないよう敵の動向に注意しつつ各個撃破を狙う必要があるが、逆に言えば各個撃破すればあまり問題ないためどうしても作業感は残ってしまう。 -特定のトラップへの耐性及び無効化を持つ敵も存在するがごく一部であるため、基本的には一つの部屋でトラップコンボを決め、次の部屋で同じトラップコンボを決め…の繰り返しになってしまう。ステージがバラエティに富んでいればこの点も解消されたのだろうが、ステージは全章合わせても片手で数えられるほどしかなくやはりここも作業感を生んでしまう。 --これは敵として登場する重要人物にも言えることで、重要人物が耐性も考慮した上でパターン化されたトラップコンボにいとも簡単に葬られることも。 --ただし、1ステージにある部屋は多めに作られているので、舞台のバラエティと言う意味ではこちらで補っているともいえる。 --また、AIの質はともかくとして後半に登場する敵ほど耐性・無効化と一緒に強力な攻撃((距離を一瞬で詰めるダッシュ斬り、ホーミング性能が高く命中すると大きく吹っ飛ばされる光弾、同じ部屋・通路にいる場合に距離を無視して必中する落雷など。))や特殊能力((トラップを食らうと一定時間ダメージを1に抑える、扉からではなく特定の壁から入ってくる、トラップを当てるとワープするなど。))を備えている者が多く、しかもそれらの敵を2人同時に相手にすることも当然ある。コンボ自体は作業化しやすいとはいえ、分断した上で各個撃破するという流れに持ち込むまでの立ち回りにおいては「殺るか殺られるか」という緊迫感は十分にある。 -1回のトラップコンボで獲得できるArkの上限が65535Arkまでと低く、さらに超過するとオーバーフローで0に戻ってループしてしまう。そしてこれは少しやり込めば簡単に達成できてしまうのが問題。 -トラップコンボを成立させるため・プレイヤーにコンボ構築の熟考をさせるためには仕方ないのだが、後続のトラップを仕掛け直すために一々メニューを開かねばならないためゲームテンポが悪くなってしまう。 -一章ごとのストーリーのテンポも悪く、メインストーリーがほとんど進まないまま全くストーリーと関係ない賞金目当ての盗賊や好奇心溢れる一般人との戦いになる章が非常に多い。ストーリーの項でも述べた「善悪や面識を問わない殺戮」を表現するためとはいえ、ストーリーのボリュームを水増ししているともとれる部分が多く見られる。 **総評 「敵を罠にはめ弄んで殺す」というコンセプトを作り出したPSの傑作の一つ。が、トラップコンボを繰り返す作業になりやすいのと、ストーリーのテンポが悪いため中盤以降は中だるみになりやすい。 「罪のない人であろうと何であろうと殺害する」というコンセプトと重いストーリーも好みの分かれるところである。だが、様々なトラップ・仕掛けを試してコンボを繋げていく爽快感には病みつきになるだろう。 **シリーズ展開 -後継として『[[蒼魔灯]]』『[[影牢II -Dark illusion-]]』、さらに長い休止期間を経て『[[影牢 ~ダークサイドプリンセス~]]』『影牢 もう1人のプリンセス』が発売された。ゲームシステムだけでなく、女性を主人公にしていること、さらに主人公の衣装が(なぜか)ボンデージ風なものも今作を引き継いでいる。 -ブラウザゲーム『影牢 トラップガールズ』がDMMにて公開されていた。(2016/7/29サービス終了) --なお、同作の紹介ページではシリーズ名が『刻命館シリーズ』ではなく『影牢シリーズ』と題されており、公式には後者が正式名称と思われる。 ---『[[無双☆スターズ]]』においても、シリーズ名は『影牢シリーズ』である。 //『トラップガールズ』はブラウザゲームなので執筆不可 **余談 -CMが一風変わっている。 #region(当時のCMの参考動画) 「影牢にハマった彼女? が彼氏を罠にハメる」というもので、CM後半になるにつれて罠のグレードがアップしていく凝りよう。本作の陰惨なストーリーとは裏腹のものすごく明るい雰囲気である。以上のCMはSCE提供のCMであり、テクモ提供のバージョンはミレニアが実写で登場しており、本編を忠実に再現された内容となっている。 &nicovideo(sm13609521) #endregion
*影牢 ~刻命館 真章~ 【かげろう こくめいかん しんしょう】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000069SWK,image=https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTqeJaIikqKVfXfiOH509hKvNrFhpOze8DNRw&usqp=CAU)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|テクモ|~| |発売日|1998年7月23日|~| |定価|5,800円|~| |配信|ゲームアーカイブス&br()2008年12月24日/600円|~| |レーティング|CERO:C(15才以上対象)((ゲームアーカイブス版で付与されたレーティングを記載。))|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[影牢シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『刻命館』(以下「前作」)の続編。~ コンセプトである「侵入者を罠にはめて殺戮する」は継承しているが、ゲームシステムは全面的に改められている。 **前作との関係 前作はコンセプトこそ本作と同じではあるが、「舞台となる『刻命館』の増改築ができる」「侵入者は殺すとお金が、弱らせて捕獲するとMP(トラップの発動に必要)が得られる」という特徴があり、「殺害と捕獲の両方をバランスよく行って資源を確保する」「刻命館を自分の好みに増改築する」といった点でゲーム性が異なっているため、アクションゲームというよりは「ダンジョン経営シミュレーション」的なゲームであった。~ しかし、本作では「館の増改築」の要素を廃止し、その代わりにアクションゲームの要素を強化している。 ***ストーリー 「善人・悪人・知人・肉親・仇を問わない殺戮」「鬱ではないがハッピーとも言えないエンディング」といった前作の重さを引き継いでいる。~ これがシリーズの伝統であり魅力ではあるのだが、この当たりはどうしても好みの分かれるところである。背徳感がたまらなく好きという人にはジャストフィットするのだが、王道のストーリー好きには少々辛いだろう。 -主人公(デフォルト名はミレニア)は支配層である「刻人(ときびと)」によって洗脳されており、人を殺すことへの罪悪感や戦いへの恐怖といった感情は失われ、刻人のために人間狩りを淡々と行う。そのため、侵入者はどんな目的であろうと「敵」であり、狩る対象でしかない。 --支配層の刻人、被支配層の人間という構造の中で、刻人の支配に抵抗する組織の存在や刻人を出し抜こうと考えている人間、ただ名声のみを求める者、愛するもののために命を懸ける者などが絡み合っている。また、なぜ刻人がミレニアを使って「人間狩り」を行うのかもストーリーを進めるにつれて明らかになる。裏設定のようなものはほとんどない。 --一部の侵入者に対する態度によって、エンディングは分岐する。無慈悲・無差別に虐殺するもよし、情けをかけるもよしである。なお、どのエンディングも鬱エンドとまではいかないものの含みを持たせた内容となっており、手放しでハッピーエンドと呼べるものはない。中には前作とのつながりを示唆するものもある。 -ステージが終わるごとに侵入者の死因を見ることができる。死因は最後に決めたトラップや仕掛けによって変化する。ちなみにタライでトドメを刺すと、''「タライに恥をかかされる」''という訳のわからない死因が表示される。 **特徴・良点 ***トラップコンボ 前作と同様に、主人公は直接的な攻撃方法を一切所持していない。ゆえに敵は仕掛けた罠で撃退する必要がある。~ 前作では罠はすべて単発でしか仕掛けられずコンボの概念もなかったが、本作では「あるトラップにかかっているかダウンしている間に別のトラップをヒットさせる」とコンボが成立し、単発ヒット時に比べて獲得Ark(トラップ開発で消費するポイント)が大きく増加するようになった。~ これが「トラップコンボ」である。 -トラップは壁・天井・床にそれぞれ1つづつ設置可能。 -トラップ設置または発動後から使用可能になるまでにはチャージタイムが発生するので、一つのトラップを延々と当て続けてハメることはできない。 -トラップの種類も単にダメージを与えるものだけでなく「数マス強制移動させる」「一定時間拘束する」と多彩で、トラップごとの役割をしっかり把握する必要がある。 --トラップの大半はトラバサミや大岩といった痛そうな物ばかりではあるが、そんな中に「タライ」がしれっと混じっている。 ---このお笑い系トラップは続編でも登場し、さらに「三角木馬」「バナナの皮」「熊手((床に倒れているそれの先端を踏むと柄の部分が跳ね上がり、顔面や後頭部に直撃する。アメリカのカートゥーンで定番のギャグ。))」といったネタトラップも追加されている。 --また、『[[モンスターファーム>モンスターファーム (PS)]]』の「スエゾー」が隠しトラップとして友情出演もしている。 -トラップは最初は基本的なものしか用意されていないが、敵を倒して得たArkを使って開発が可能。 -部屋にも様々な「仕掛け」が存在し、これらもトラップコンボに利用可能である(例…不安定な柱にトラップで衝撃を与えて倒壊させ、それを敵にぶち当てる)。 -トラップは特殊な条件を満たしてヒットさせると(例…空中の敵に当てる、残HPピッタリのダメージを与えてトドメを刺す等)「テクニカルボーナス」が加算され、獲得Arkが増加する。 このトラップコンボの誕生によって、「手持ちのトラップと仕掛けを使って上手くトラップコンボを組む」「いかに敵を分断・誘導してトラップに誘い込むか」といった前作には無かった楽しさが生まれた。 -華麗なトラップコンボを決めるには、チャージタイムやトラップ、敵の特性などを考慮に入れる必要があるためハードルは高いが、それだけに上手くコンボを決められれば達成感はひとしおである。 -トラップコンボのバリエーションは多く、慣れないうちは決めやすさ重視、熟練すればコンボ・見栄え重視と自分の腕前に合わせて戦い方を選択することができる。〆にタライを使ったお笑いコントのようなコンボだって組めてしまう。ただしトラップコンボの中でも群を抜いて強力なものもあり、それに気づいてしまうと特に強敵相手では作業となりやすい。トラップコンボの豊富さを楽しもうとする心が重要。 -ゲームスピードはそれほど速くなく、トラップ配置画面では時間が停止するためじっくり考えることができる。複雑な操作も必要ないのでアクションが苦手な人にとってもハードルは低い。 --罠かけると上手く連鎖させると、ピタゴラスイッチのような楽しみ方ができる。 -お色気要素 --罠にはセクシー系もあり、パンチラなどのサービスシーンが拝める。 **問題点 -3Dを存分に使っているためなのかミレニア及び敵の動きがかなりもっさりしている。これはNPCの量が多いほど顕著になるが、曲がりなりにもアクションゲーであるわけでストレスが貯まりやすい。 -ある程度仕方ないことであるがAIの質は高くなく、同一の敵に同じ部屋で同じトラップコンボを何度も決められることで作業感を生んでしまう。 --具体的に書くと、とある敵Aにトラップコンボを叩きこんで生き残った場合、コンボとして発動したトラップはおろかコンボの起点となったトラップのあったマスを警戒するそぶりを全く見せないのである。 -敵は最大で2人同時に現れるので、その場合は2人同時に相手をしないよう敵の動向に注意しつつ各個撃破を狙う必要があるが、逆に言えば各個撃破すればあまり問題ないためどうしても作業感は残ってしまう。 -特定のトラップへの耐性及び無効化を持つ敵も存在するがごく一部であるため、基本的には一つの部屋でトラップコンボを決め、次の部屋で同じトラップコンボを決め…の繰り返しになってしまう。ステージがバラエティに富んでいればこの点も解消されたのだろうが、ステージは全章合わせても片手で数えられるほどしかなくやはりここも作業感を生んでしまう。 --これは敵として登場する重要人物にも言えることで、重要人物が耐性も考慮した上でパターン化されたトラップコンボにいとも簡単に葬られることも。 --ただし、1ステージにある部屋は多めに作られているので、舞台のバラエティと言う意味ではこちらで補っているともいえる。 --また、AIの質はともかくとして後半に登場する敵ほど耐性・無効化と一緒に強力な攻撃((距離を一瞬で詰めるダッシュ斬り、ホーミング性能が高く命中すると大きく吹っ飛ばされる光弾、同じ部屋・通路にいる場合に距離を無視して必中する落雷など。))や特殊能力((トラップを食らうと一定時間ダメージを1に抑える、扉からではなく特定の壁から入ってくる、トラップを当てるとワープするなど。))を備えている者が多く、しかもそれらの敵を2人同時に相手にすることも当然ある。コンボ自体は作業化しやすいとはいえ、分断した上で各個撃破するという流れに持ち込むまでの立ち回りにおいては「殺るか殺られるか」という緊迫感は十分にある。 -1回のトラップコンボで獲得できるArkの上限が65535Arkまでと低く、さらに超過するとオーバーフローで0に戻ってループしてしまう。そしてこれは少しやり込めば簡単に達成できてしまうのが問題。 -トラップコンボを成立させるため・プレイヤーにコンボ構築の熟考をさせるためには仕方ないのだが、後続のトラップを仕掛け直すために一々メニューを開かねばならないためゲームテンポが悪くなってしまう。 -一章ごとのストーリーのテンポも悪く、メインストーリーがほとんど進まないまま全くストーリーと関係ない賞金目当ての盗賊や好奇心溢れる一般人との戦いになる章が非常に多い。ストーリーの項でも述べた「善悪や面識を問わない殺戮」を表現するためとはいえ、ストーリーのボリュームを水増ししているともとれる部分が多く見られる。 **総評 「敵を罠にはめ弄んで殺す」というコンセプトを作り出したPSの傑作の一つ。が、トラップコンボを繰り返す作業になりやすいのと、ストーリーのテンポが悪いため中盤以降は中だるみになりやすい。 「罪のない人であろうと何であろうと殺害する」というコンセプトと重いストーリーも好みの分かれるところである。だが、様々なトラップ・仕掛けを試してコンボを繋げていく爽快感には病みつきになるだろう。 **シリーズ展開 -後継として『[[蒼魔灯]]』『[[影牢II -Dark illusion-]]』、さらに長い休止期間を経て『[[影牢 ~ダークサイドプリンセス~]]』『影牢 もう1人のプリンセス』が発売された。ゲームシステムだけでなく、女性を主人公にしていること、さらに主人公の衣装が(なぜか)ボンデージ風なものも今作を引き継いでいる。 -ブラウザゲーム『影牢 トラップガールズ』がDMMにて公開されていた。(2016/7/29サービス終了) --なお、同作の紹介ページではシリーズ名が『刻命館シリーズ』ではなく『影牢シリーズ』と題されており、公式には後者が正式名称と思われる。 ---『[[無双☆スターズ]]』においても、シリーズ名は『影牢シリーズ』である。 //『トラップガールズ』はブラウザゲームなので執筆不可 **余談 -CMが一風変わっている。 #region(当時のCMの参考動画) 「影牢にハマった彼女? が彼氏を罠にハメる」というもので、CM後半になるにつれて罠のグレードがアップしていく凝りよう。本作の陰惨なストーリーとは裏腹のものすごく明るい雰囲気である。以上のCMはSCE提供のCMであり、テクモ提供のバージョンはミレニアが実写で登場しており、本編を忠実に再現された内容となっている。 &nicovideo(sm13609521) #endregion

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