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本稿では、PS2『モンスターハンター』とPS2/Wii『モンスターハンターG』を併せて紹介します(両方とも「良作」判定)。 ---- #contents ---- *モンスターハンター 【もんすたーはんたー】 |ジャンル|ハンティングアクション|&amazon(B00014N91C)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|2004年3月11日&br()|~| |定価|7,140円|~| |プレイ人数|1人(オンライン接続は1人~4人)|~| |レーティング|CERO:15歳以上対象|~| |コンテンツアイコン|暴力|~| |周辺機器|USBキーボード、オンラインプレイ対応|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|大人気シリーズの原点&br()リアリティを意識したデザインとシステム&br()モンスターはあくまでも大自然に生きる動物&br()野性味溢れる世界観&br()狩りゲーというジャンルを一躍広めた|~| |>|>|CENTER:''[[モンスターハンターシリーズ]]''| ---- **概要 のちに人気シリーズ化するハンティングアクション『モンスターハンター』の第1作。略称は『MH』や『モンハン』、シリーズ内で区別する場合は「無印」など。~ オンライン接続によるマルチプレイ機能を搭載している。 タイトルが示す通り、このゲームの主たる目的は「獲物を狩る」こと。~ 村人や街からの依頼を受け、クエストをこなし、得たお金や素材で新たな装備を作り、さらなる強敵に挑んでゆく。 一応のストーリーはあるが、やりこむほどにストーリー性は希薄になる。「エンディングのない冒険活劇」と言える。~ この特徴は昨今のネットゲームに多く見受けられる。良く言えばやり込みに特化したスルメゲー、悪く言えばストーリー性が極小な作業ゲー。~ 本作ではクエストごとに依頼主によるミニストーリーが設定されており、特定のクエストをクリアするごとに村人のセリフが変わるといった要素はあるが、特に意識しなくても問題はない。 COLOR(red){※なお、2011年6月にマッチングBBのサービスが終了し、本作を含むPS2でリリースされたシリーズ作は全てオンラインモード使用不可となった。} ---- **ゲームシステム ***クエスト -クエストはオフラインモードの「村」、オンラインモードの「街」のいずれかで受注し、各フィールドで遂行する。 --オンラインではロビーにいるプレイヤー達の中から、最大4人のパーティを組んでクエストに出発できる。 --フィールドがクエストごとにロビーから独立しているという点で、オンラインゲームのジャンルとしてはMO(マルチプレイ・オンライン)アクションに属する。 -フィールドは「森と丘」「砂漠」「ジャングル」「沼地」「火山」といった大自然の地形が5種類と、オンラインの特殊クエストにのみ登場する建造物である「砦」「シュレイド城」を加えた計7種類。 //決戦場と闘技場はGから -フィールドにはベースキャンプが設営されており、いつでも休息して体力を回復できる。 -クエストは原則として参加者が累計で3回力尽きると失敗となる。さらに制限時間が設けられており、超過した時点でも失敗となる。 --体力が尽きた場合でも即クエスト失敗にはならず、クリア報酬金の減額と引き換えにベースキャンプで復活できる。 --「パーティメンバーが合計3回力尽きた時点でクエスト失敗になる」というシステムは以降のシリーズにも引き継がれている。 -ダッシュしたり緊急回避する際には「スタミナ」を消費。ダッシュしていないときに自然回復するが、スタミナを使い切ると息切れしてしまい大きな硬直が発生する。 --また、時間経過によってスタミナの最大値は一定ずつ減少してしまう。これを回復するには「こんがり肉」などの食料を食べる必要がある。 --主な調達手段は小型モンスターから「生肉」を剥ぎ取り、「肉焼きセット」で焼くこと。成功時に流れる「''上手に焼けましたー!''」のボイスはCMにも使われ、シリーズの象徴にもなった。 --スタミナの最大値が下がりきっても力尽きることはないが、戦闘や移動において非常に大きなペナルティとなる。 -全体的な世界観は「弱肉強食」を意識したシビアなものなのだが、前述の「上手に焼けましたー!」をはじめとして、細部にはむしろコミカルな演出が目立つ。 --特に主人公であるハンターのモーションは、「スタイリッシュでカッコいい物」というよりも「外連味を効かせた大仰な物」が大半。 --これは、激しい戦闘中でも他のプレイヤー行動が理解できるようにするためという理由もある。 --主人公の風貌もスレンダーなイケメン風ではなく、どちらかというと野暮ったい印象(女性も一般的なゲームよりは肉感のあるモデリング)。 --また、装備のデザインもただカッコいい物だけなく、意図的にダサさを狙った装備も存在している。 ---この辺はある程度最初から意識して設計されているようだ。 ***装備 -ハンターは武器を1種類、防具を最大5種類(頭・胴・腰・腕・脚)装備することができる。装備によって外見も変化する。 -初歩的な装備品は店で購入できるが、より強力な装備を製作するためには様々な「素材」を集めて工房に持ち込む必要がある。 --素材はフィールド上での採集の他、''倒したモンスターから剥ぎ取る''ことで手に入れる。強い装備を手に入れるためには強いモンスターを倒す必要がある。 -装備の特性は素材となるモンスターの性質に準じていることが多い。そのため、火属性をもつ武器や雷属性に強い防具など各装備に特徴がある。 --特定の組み合わせで発動する「スキル」もまたモンスターの性質を反映したものが多い。 -装備はクエスト中に変更することはできないため、クエストに応じて適切な装備を選ぶ必要がある。 ''武器'' -武器には以下の6種類があり、それぞれに一長一短がある。近接武器を扱う場合は「剣士」、遠距離武器を扱う場合は「ガンナー」と呼ばれる。 -頭部を除くほとんどの防具は剣士とガンナーで制限があり、専用のものを身につける必要がある。遠距離攻撃主体で戦うガンナーの防具は防御力が低い。 -ゲーム中武器を扱う上で障害となる「制限」がある。 --近接武器は「斬れ味」というゲージがあり、武器を使い続けると斬れ味が落ちていき、それに応じて与えられるダメージは低下する。~ 部位による補正を加味した与ダメージが低いと、モンスターに弾かれて隙を晒すリスクも増える。~ 回復には「砥石」というアイテムを使う必要があるが、砥石を使っている間は動けないのでモンスターに襲われることもある。 --遠距離武器は一定の弾数を撃つごとにリロードしなければならず、装填する弾も自分で持ってきたものを使うため有限である。 --弾ごとに射程や性質が異なる。さらに状態異常を与えるもの、味方を回復するもの、爆発によって大ダメージを与えるもの等の特殊なものもあり、これらを使い分ける必要もある。 //属性弾はまだ無い。一応、散弾に水属性が含まれる等はあるが、属性目当てでは使わないだろう。 #region(武器一覧) ''剣士'' -大剣:巨大な両手剣を扱う。リーチと一撃の威力を兼ね揃え、刀身によるガードも可能。動作は少し重いが納刀が比較的速いため、ヒット&アウェイが得意。 -片手剣:小柄な剣と盾を扱う。攻撃力の低さを機動性と手数で補う立ち回り重視の武器。属性攻撃を得意とする。 -ランス:長大な槍と大型の盾を扱う。機動性に劣るが、抜群のガード性能を誇る。一点集中の突きは弱点を的確に狙うのにうってつけ。 -ハンマー:巨大な塊棍を扱う。リーチが短くガードもできないが一撃の威力は抜群。移動しながら力を溜めることで、繊細な立ち回りから隙の少ない強打を繰り出せる。 //スタン(気絶・めまい状態)は『MH2』からの導入。 ''ガンナー'' -ライトボウガン:小型のボウガンを扱う。ガードはできないが、遠距離攻撃が可能で機動性が高い。 --ちなみに本作のボウガンとは、弦と火薬によって弾丸を発射する、本来のボウガン(クロスボウ)と銃の中間的な存在である。 -ヘビィボウガン:大型のボウガンを扱う。ガードができないうえに機動性も劣るが、遠距離攻撃の威力は更に高い。 //当時はシールドもなかった、と念のため補足。 #endregion ***モンスター -大自然に生きる生物たち。本作においては爬虫類系がメインであり、小型・中型モンスターは「恐竜」のイメージが強い。大型モンスターは「''飛竜(ワイバーン)''((設定上は「鳥竜」「魚竜」などと細分化されているが、本作の時点ではゲーム内で特に区別されていない。))」と呼ばれる。 --豚やイノシシといった哺乳類、あるいは昆虫がモチーフのモンスターも存在するが、本作ではあくまでも雑魚扱いである。 -小型・中型モンスターは「討伐」するのみだが、大型モンスターはある程度体力を減らして生け捕りにする「捕獲」も可能である。 --この頃は討伐と捕獲は明確に分かれており、捕獲用アイテムが支給されるのは捕獲クエスト限定となっている。 --また捕獲が目的の場合、必要以上にダメージを与えてとどめを刺してしまったらクエスト自体が即座に失敗となり、剥ぎ取りすらできない。 ---本作にはまだ、捕獲しても倒しても良い「狩猟」は無い(採用されるのは『[[MH2>モンスターハンター2]]』以降)。 -大型モンスターは体の部位ごとに「肉質」(要するに防御力)が異なり、肉質の柔らかい弱点部位に攻撃を当て続ける事で効率良くダメージを与えられる。 --肉質は斬撃・打撃・射撃でそれぞれに設定され、さらに火や水といった属性耐性も部位ごとに異なるので、装備によってどこを狙うかという知識が重要。 --''具体的なダメージ量は数字で表示されない''がヒットエフェクトで有効な部位かは判別可能。部位ごとに一定ダメージが蓄積すると「怯み」や「転倒」が発生したり、モンスターが空中であれば「墜落」するので、その頻度から間接的にダメージ量を推測する必要がある。 --''モンスターの体力も非表示。''戦術した怯みの頻度や、モンスターが足を引きずるなどのモーションから弱っているかを判別しなくてはならない。 //初代ではモンスターサイズは固定。 -戦うことになる大型モンスターの一部を紹介する。 #region(大型モンスター抜粋) -イャンクック --大きな耳が特徴の「怪鳥」で、最初に対峙する大型モンスターであり、誰もが通る難関。 -ゲリョス --ゴム質の体を持つ「毒怪鳥」で、毒液やトサカから放つ閃光、アイテム盗みなど厄介な攻撃を持つ。 -フルフル --日の当たらない洞窟に潜む異形の飛竜。伸縮自在の首による攻撃や体内発電が武器。 -リオレイア --大地を駆ける「雌火竜」で、リオレウスと対をなす存在。「陸の女王」の異名を持ち、地上での戦闘力は圧倒的。 -リオレウス --本作の看板を務める「火竜」で、『モンスターハンター』の世界を象徴する存在。「空の王者」の異名に違わず飛行からの攻撃が強力。 -ガノトトス --地底湖や川に棲む「水竜」で、巨体を生かした体当たりや水流ブレスを用いる。 -ディアブロス --砂漠を縄張りとする、2本の大きな角が特徴の「角竜」で、突進や砂中からの突き上げ攻撃が強力。モノブロスの近縁種。 -モノブロス --真紅の一本角が特徴の「一角竜」で、単身での狩猟のみが許されており(つまりオフラインモード(1人プレイ)専用)、この種の討伐を成し遂げる事が『英雄の証』とされる。 -バサルモス --岩の如き硬度の外殻が特徴の「岩竜」で、周囲の岩に擬態して潜んでいる、グラビモスの幼体。 -グラビモス --堅牢な外殻をもつ「鎧竜」で、動きは比較的緩慢だが、溶岩地帯をものともせずに駆け回り、強烈な熱線ブレスを吐く。 -ラオシャンロン --悠久の時を生き続け、山のような外観から漢字表記で「老山龍」とも書かれる。誰もが息を呑む程の圧倒的な巨体を誇る。 -ミラボレアス --「運命の戦争」を意味する名を持つ「黒龍」で、4本足に加えて翼を持つ、ファンタジー作品に登場するドラゴンのような見た目である。 #endregion ***アイルー -「獣人種」にあたる小型モンスター。見た目は二足歩行してしゃべるネコ。中には人間と共生していてハンター生活の手助けをしてくれる者もいるが、狩り場において敵対する者もいる。 --今でこそシリーズのマスコットキャラクターとして有名だが、当時は着せ替えも可能な豚「プーギー」がマスコットとされていて、アイルーは今のような可愛げはなかった。 --しかし、アイルーの方が見た目が可愛く人気が上がったため後の作品においてキッチンやオトモなどの要素が追加され、マスコットとしての地位を確立することになったのである。 --鳴き声は音響スタッフが飼っているネコから直接サンプリングしたもの。 --黒い体毛の「メラルー」もいるが、こちらはハンターのアイテムを盗む厄介な相手。作品によってはアイルーの色違い扱いになっていることも。 --いずれも、一定ダメージを受けると地面に潜って逃げる(死ぬことはない)という点で他のモンスターと差別化されている。 ---- **評価点 -グラフィック --広大な丘陵、過酷な砂漠、鬱蒼した密林、不気味な沼地、灼熱の火山といった自然描写は圧巻で、世界観を盛り立てている。 -武器・防具の収集要素 --モンスターから剥ぎ取った素材等から装備を作成できるが、そのデザインがなかなか個性的で、集める楽しみがある。 --リオレウスシリーズのような正統派なものから、クセの強いゲリョスシリーズのような個性的なものまで、一通り揃っている。 --異なる種類の装備を組み合わせる、いわゆる「着せ替え」も面白い。もちろんガチガチの最強装備に拘るのも有り。 ---防具は5部位を自由に付け替えることができ、いずれも外見に反映される。当時の3Dゲームとしてはかなりの作りこみである。 -戦闘 --始めのうちは防戦一方でなかなかモンスターにダメージを与えられないが、敵の攻撃が把握できるようになると、それを華麗にかわしつつ、弱点部位に強烈な一撃を叩き込めるようになる。 --自由度が高く、同じモンスターでも色々な楽しみ方がある。安全な場所からボウガンでチクチクいっても良し、危険を承知で真正面から大剣の一撃をかましても良し、毒でじわじわといたぶっても良し。 --問題点で挙げるようなストレスの溜まる要素もあるが、本作の戦闘の面白さの虜になったプレイヤーは多い。 -サウンド --以降のシリーズ作を通してメインテーマとして用いられている「英雄の証」を筆頭に、音楽の評価は非常に高い。 --作曲者は甲田雅人氏、柴田徹也氏、高野充彦氏、Momora氏((オーケストレーションは浜口史郎氏が担当している。))。 --フィールドでは普段は環境音のみが流れ、大型モンスターと対峙すると戦闘BGMが流れるという仕組みになっている。 --戦闘BGMは美しくも厳しい大自然や、そこに生きるモンスターの力強さ、恐ろしさを前面に押し出した曲調となっている。 ---重厚感にスピード感とテンポの良さを上手く融合させたメロディアスなBGMは、狩猟の雰囲気を否が応にも盛り上げる。 --その汎用性は単なるゲームBGMの枠を超え、現在では秘境探検や巨大生物の捕獲など、自然や野生を取り扱ったテレビ番組でも頻繁に使用されるほど。 --また、武器を振る時の風切り音や、ハンターの動きに合わせて防具が軋む音、砂漠岩地で響き渡る鳥の鳴き声や、ジャングルで轟々と流れる大河の水音など、環境音やSEにも現実さながらのリアリティがあり、力が入っている。 -モンスター --本シリーズで戦うことになるモンスター達は、「地球侵略や世界征服を企む悪の存在」や「魔法を駆使して戦う魔物」ではなく、「大自然で生態系を築く生き物」という面が強調されている((設定として世界を滅ぼすことが可能とされるモンスターは存在する。))。 --火を吐いたり雷を放ったりといったファンタジー的な要素はあるものの、炎や雷を生成するための器官を持っているという設定であり、魔法などを駆使するモンスターは一切存在しない。 --周りの環境に合わせた進化を遂げ、攻撃されると怒り、弱ると足を引き摺って巣に逃走するなど、その泥臭い振る舞いは当時のアクションゲームの敵キャラクターとしては斬新だった。 --モンスターの見た目も、どこか現実にいてもおかしくないようなリアルさを持っている。実際、奇抜な見た目であっても現実の生物をモチーフにしていたり、作中でその見た目である説明がされている物が殆ど。 --一部のモンスターだけだが、「○○の生態」というプリレンダのムービーでモンスターの捕食や子育ての様子を見ることが出来る。ゲーム中では見られない行動も多く、モンスターの違った一面を見られると好評。 --後述の資料集に詳しいが、モンスターの活動によって人間の生活が大きく脅かされるような特例のみがクエストとして貼り出され、ハンターが問題解決(=モンスターの狩猟)に赴くという設定。私利私欲のためにモンスターを乱獲したり、密猟したりするような依頼は表向きには禁止されている。 --NPCにも「モンスターは恐ろしいが共存すべき存在である」という旨の台詞があり、単純な敵対関係とは異なる独特の距離感を持った世界観であることが分かる。 --設定資料集「ハンター大全」には、自然を調査するハンターズギルドの存在やギルドによって管理されるクエストのシステム、本編では語られていないモンスターの生態や特徴も多く記されており、資料的価値が高い。 --そしてそれら生態的特徴がモンスターのデザインやゲーム内でのモーションに上手く反映されていたりと、整合性を意識して作っていることが窺える。 ---没になったモンスターや装備品などのイラスト資料も「絶滅種」「未確認情報」「試作品」などの扱いで世界観に還元している。中には後のシリーズで実装された要素もある。 ---- **賛否両論点 //単純に「問題点」とは言い切れない要素をこちらに -ゲームバランス --一概に「良い」とはいえない。後のシリーズ作と比較するとかなり大味。 --後述するように武器種間のバランスが悪かったり、同じ武器でも生産難易度と性能が釣り合っていないものが多い。 --オンライン(街)クエストは後の『ポータブル』シリーズと比べて難易度がかなり高い((もっとも携帯機はソロプレイを基準に作られているので、オンラインによる協力プレイが前提のバランスと異なるのは当然ではある。))。 --上位クエストでもモンスターが強力。補助アイテムも充実しておらず、制限時間を目いっぱい使わないと達成が難しいことも多い。 --一方で、後のシリーズで見られる露骨な隙潰しは少なく、''大振りな攻撃を繰り出すモンスターの隙をいかに突いて攻撃するか''というゲームデザインが徹底されているため、このバランスを評価する声は今なお根強い。 -剥ぎ取り・採取のランダム性 --剥ぎ取りで得られるアイテムは完全に確率依存。レア素材を手に入れるために何度となく同じクエストをこなさなければならないこともある。 --ユーザーを選ぶ点であり、時に「作業ゲー」「運ゲー」と揶揄される所以でもある。本作に限らずオンラインゲーム等でしばしば上がる問題ではある。 ---本作の場合は各アイテムの入手手段が限られている上に''プレイヤー間でやり取りすることもできない。'' ---なお、開発の段階では「モンスターに一番ダメージを与えたプレイヤーが一番良い報酬を受け取れる」などの貢献度システムの導入も視野に入れられていたが、紆余曲折の末に参加者全員が平等・ランダムな報酬を受け取れる仕様になった模様。 ---貢献度システムを採用したら、それはそれで格差が生まれることも想像に難くないため、これ自体は決して間違った発想とは言い切れない。 ---しかし、このおかげで「特定の素材が欲しいハンターには出ずにお手伝いで狩猟に参加したハンターばかりに出てくる」「レア素材がまだ価値の分かってない初心者やもう必要ない熟練者にばかりボロボロ出てくる」「全然活躍しなかったハンターの報酬が一番豪華」といった事態が頻繁に発生し、今なおプレイヤーの間ではネタの対象となっている。 ---低レア度の消耗品などを除いたほとんどのアイテム及び、全ての装備品はプレイヤー間でトレードできない。現在でこそソーシャルゲームなどでごく一般的に見られる仕様だが、当時のオンラインゲームとしては珍しかった。 --採取で得られるアイテムの数も確率依存であり、運が悪いとなかなか欲しい素材を集めることができず、手間がかかる。特にこのあおりを受けているのがボウガン。 ---本作ではレベル3の弾は全て調合限定なので、レベル3の弾をまともに使うのが不可能に近い((一応、レベル3通常弾だけは調合素材が店売りされている。))。 ---しかもオフラインでは調合確率を100%にする手段がない上、調合一回ごとに数秒の待機時間がかかる(99発分調合するだけで数分かかる)。 ---中でもレベル3以外の弾をほぼ使えない「老山龍砲」は、攻撃力最大のボウガンでありながらほぼ完全なネタ武器と化している。 --この問題は『[[MHP>モンスターハンターポータブル]]』から「農場」を取り入れたことである程度解決しており、Wii版『MHG』でも「ペットの豚(プーギー)にアイテムを取りに行かせる」ことで手間を軽減させている。 -もっさりとも評される硬直の多いモーション --回復薬を飲むとガッツポーズをする、砥石を使うとその場で数秒間完全に硬直するなど、アイテム使用時の硬直時間が長い上にキャンセルができない。 ---剝ぎ取りやアイテム採取をする際も、その場で足を止めて数秒間動きが止まってしまう。 --これらのモーションは大型モンスターとの戦闘時でも行われる。動きを止める必然性がある砥石はともかく、ガッツポーズはプレイヤーを苛立たせる原因となっている。 --とはいっても、硬直時間も前提とし、「敵の重い攻撃から逃れつつアイテムを使用するチャンスをうかがう」「敵を追い払ってから剥ぎ取りやアイテム採取を行う」という意図は明らかであり、続編以降も基本は変わらない。本シリーズのゲーム性の1つともいえる。 ---ただし調合1回ごとに数秒かかる点については、先述の通り特にボウガンの運用に重大な影響を及ぼしたため、続編以降では一度でも成功したことのある調合は一瞬で行えるようになった。 ---その他の硬直時間はシリーズの伝統として続いていたが、14年後の『[[MHW>モンスターハンター:ワールド]]』では遂に見直しが入り、ガッツポーズの廃止(アイテム使用中の移動)、アイテムの使用キャンセルが可能となった。 //ただし、アイテムを使い切るまでの時間はむしろ長くなっており、これはこれで使いどころをよく考える必要がある。 //続編での改善については冗長化を避ける為簡潔にします。 --オンラインアクションゲームであることを考慮すると、これらの硬直はチャットのための「間」にもなる。たかが数秒でも、慣れれば定型文の呼び出しくらいは可能になる。 --なお、開発陣によると、「チャットなしでも遠くから見て何をしているのかわかるようにモーションは大仰に作った」という側面もあるらしい。 ---仮にモーションが控えめだと、他プレイヤーの体力ゲージを注視していない限り、傍目からは回復しているのではなくサボっているようにしか見えないこともあるかもしれない。 -独特の操作体系 --「十字ボタンでカメラ操作」「右スティックで攻撃」という、本シリーズ以外ではあまり見ない操作体系を採用している。 --慣れないうちは厳しいものの、「キャラ移動」「カメラ操作」「攻撃」「アイテム選択」のコマンドがそれぞれ独立していることで、忙しい戦闘中でも次の展開を見越した細かい操作が可能となっている。 --本作にはポーズ(一時停止)やメニュー画面が存在しないので、アイテム選択などもリアルタイムで行う必要がある。 ---後のシリーズでは、オフラインでのみポーズは可能となっている。 --この操作体系はPS2で発売された3作品に共有されている。またキーコンフィグも存在しない。 ---- **問題点 -クエスト配置のバランスの問題 --オフラインには序盤の中ボスのような存在の「ドスランポス」討伐クエストだけで4つもクエストが存在する。さらに「ドスゲネポス」と「ドスイーオス」にも似たような問題がある。 --「森丘にてリオレウスを避けつつ飛竜の卵を運搬する」クエストがオフラインだけで4つも存在する。 --オフラインでは「ゲリョス」「ガノトトス」「リオレイア」の討伐が目的のクエストが存在せず、前二者は別のクエストのお邪魔キャラとしてのみ登場し、リオレイアはいわゆる「村最終」クエストでリオレウスと同時に戦うのみという、ラスボスのような扱いである。 ---2011年6月いっぱいをもって無印のオンラインサービスは終了したため、オフラインで彼らの素材が必要な場合はお邪魔キャラとして登場した個体を倒さなければならない。 --ただし「ゲリョス」に関しては、敢えてターゲットと無関係に出現することにより「死に真似」の区別が難しいというギミックになっている。 ---ターゲットの討伐に成功した時点でファンファーレが鳴ってクエストクリアとなるので、通常のクエストでは死に真似か否かが明確にわかる。 --さすがにこの問題は次回作の『MHG』で改善された。 //賛否両論に入れようと思ったが、次作以降で直接的に手を入れられてる部分なのでこちらで -武器間の性能バランスの悪さ --ハンマーが弱い。リーチが短いために弱点部位が高い位置にあるモンスターと相性が悪かったり、ガードができないのでモンスターの咆哮を防げなかったり(当時「聴覚保護(耳栓系)」のスキルはまだ無かった)、打撃武器なので尻尾を切断できなかったりするため、リーチと機動性を併せ持つ大剣の劣化版のような位置づけになってしまっている。 ---後の作品でハンマーの最大火力となる、縦振りからのホームラン攻撃も存在しなかった。 --一部の武器がゲームバランスを崩すほどに強い。大剣の「龍刀【紅蓮】」が筆頭で、属性つき大剣でありながら最強クラスの無属性大剣と同等の基本攻撃力を有する((本シリーズにおける「属性」は、ダメージにプラスされる追加ダメージなので、たとえば火属性武器で火を無効化(メインシリーズにおいて吸収や反射は無い)するようなモンスターと対峙しても、基本攻撃力によるダメージは保証されるため、同じ攻撃力を持つ無属性武器よりもマイナスとなることはない。『MHF』にのみ肉質マイナスの概念が存在し、無属性>属性武器となるケースも発生した。))ため、非常に汎用性が高い。そして比較的少ないレア素材で作成できる。 --以降の作品と比べると全体的に属性ダメージがやたらと通るようになっている。武器自体の属性値は(同ランク帯で比べれば)現行シリーズとさほど変わらないが、50%前後のダメージが通る部位が珍しくない((現行シリーズでは、一部を除き通るとされる部位でも30%前後。))。 --毒が非常に強い。時間当たりのダメージは現行作と変わらないが、毒エフェクトが出る度に効果時間がリセットされる仕様であった。 --つまり、適度に攻撃を加えていれば永続的に毒に冒したままにできるため、本来ネタ武器とされていた「さぼてんハンマー」でラスボスを討伐してしまったパーティーまで登場する始末。 --ボウガンはパーティプレイにおけるサポート役のような位置づけであり、弾数という制約があるにもかかわらず剣士と比べて火力が抑えられている。 ---前述のように本作ではクエスト中の弾調合が難しい。仲間の剣士が予備の弾を持っていかないと途中で弾切れになることも多かった。 --なお、本作の時点では、「相手モンスターに合わせて武器種を臨機応変に持ち変える」という運用がある程度前提になっていた部分があり、特定武器以外での狩猟が非常に難儀なモンスターが何種類かいる。 --この時点では後のシリーズでよく見られるようになった、「特定の武器種に愛着を持ってそれだけを使い続ける」いわゆる「○○使い」と称されるプレイスタイルはかなり困難だった。 -フレンドリーファイアの存在 --本作では状態異常時ではなくとも、プレイヤーが繰り出した攻撃には味方にも喰らわせることが可能になっている。 --流石にダメージこそないものの、自分の攻撃が味方に当たると''リアクションを取って隙を晒してしまう''ので武器によっては折角の攻撃チャンスなのに一部のアクションを自重するハメになる。初心者が悪気なく妨害行為をしてしまうことも多かった。 --スーパーアーマーが付く攻撃を使い続けることで、フレンドリーファイアを避けるテクニックもあるのだが、スーパーアーマーを付けやすい武器種とそうでない武器種で格差を産む要因になっている。 ---一番問題視されたのが、この仕様を悪用して剥ぎ取り・採取時に攻撃を仕掛けて妨害すると言う迷惑プレイヤーまで存在した事である。 --一応ネタとしてプレイヤー同士の了承を得た上で対人戦((先述の通り、武器の攻撃ではダメージを受けないので、爆弾を使うか「吹き飛ばされたら負け」などのルールを敷く必要がある。))を行うプレイヤーはいるが、特にこの仕様はこれと言ったメリットが皆無なため、ゲーム的に見るとただのストレス要素となっている。 ---この仕様は後のシリーズでも長い間続いており、ある種の駆け引きとして機能していた面もあるが、『MHW』にてようやく見直しが入る事となる。 //---この仕様は後のシリーズでも長い間続いていており、ある種の駆け引きとして機能していた面もあるが、『MHW』にてようやく見直しが入り、採取・剥ぎ取り時に爆弾も含めた味方の攻撃によるリアクションを取らない仕様になった。武器のアクションでもフレンドリーファイアの頻度は減少されるよう調整されている。 //---更に『MHRise』では一部の武器のアクションにフレンドリーファイアの有無をオプションで変更できるようになった。 //続編での改善については冗長化を避ける為簡潔にします。 -カメラワークの悪さ --壁際に追い込まれた際、壁が透過状態になるのではなく、ハンターを頭頂から見たカメラアングルに勝手に切り替わる。敵が視認しづらくなるため、これが原因でやられることも多かった。 --以降の作品でもあまり改善されないが、フィールド自体の工夫によって対処する傾向が見られる((エリア端にはカメラの回り込めない壁をなるべく作らず、障害物や水辺によって進行不可能とするなど。))。根本的な改善は『[[MH3>モンスターハンター3]]』を待たねばならない。 //--これは「カメラが俯瞰視点のまま壁を透過する技術」をコナミが特許として保有していた影響のためとされる。~ //2016年5月15日をもって期間満了となったため、『MHW』にて上述した透過技術がようやく取り入れられた。 //カメラワークの特許に関して根拠がないためco -モンスターの攻撃 --大型モンスターはもちろん、小型の草食種モンスターや甲虫種モンスターさえも、いざハンターを見つけると優先して襲ってくるため、"弱肉強食”の世界観に水を差してしまっている。 ---アイルーは手を出さない限り何もしないが、何らかの攻撃を受けると(それがモンスターのものであっても)プレイヤーを敵と認識する。 ---飛竜の風圧ですら攻撃と見なされて戦闘態勢に入り、タル爆弾を抱えてプレイヤーに突撃してくる。 ---戦闘が始まると逃げるのは「アプトノス」「ケルビ」のみ。他のあらゆる生物は、たとえ捕食者(天敵)である飛竜が目の前にいてもハンターを執拗に攻撃する。 ---一応、モンスター同士にも攻撃の当たり判定があるが、そのダメージはごく小さく設定されている。小型モンスターでも飛竜の突進を何発も耐え、同士討ちを狙う事は困難であった。 ---一部の大型モンスターの攻撃には理不尽な当たり判定が存在する。例を上げると動作時にモンスターの部位に当たってないのに何故かダメージとリアクションを取る仕様になっている。 ---これらのモーションを使った謎の攻撃をプレイヤー達の間では揶揄も含めて「亜空間タックル」と呼ばれた。この問題点はシリーズを重ねる毎に改善されることとなる。 --これらの仕様も生態表現に磨きの掛かった『MHW』にて見直されることとなった。 -剥ぎ取り時の問題 --フィールド内のエリア移動ではロードが入るが、モンスターによっては討伐時による攻撃でエリアの境目の向こう側に吹っ飛んでしまい、そこまで剥ぎ取りをしに行こうとすると当然ロードが入って別のエリアに飛んでしまうため、素材を剥ぎ取れなくなる。尻尾切断でも同様のことが起こる場合がある。 ---フィールドによっては水や溶岩の中など、プレイヤーがどうやっても入ることのできない場所でモンスターが力尽きてしまい、素材が剥ぎ取れないこともあった。プレイヤーはこの現象を「池ポチャ」と呼んでいた。 --作品を経る毎にこの問題は改善されていき、『MHW』ではフィールドがシームレスになり、エリア移動時にロードが発生する事が無くなったためこの問題は解消された。 -アイテムボックスの容量が少ない --無印では1ページ(100枠)しかアイテムを保存できない。さらに1枠あたりのスタック数は手持ちと同様。~ 「薬草」なら10個、「秘薬」なら2個で1枠を占領するといった具合である。~ 装備品に至っては武器と防具を合わせて64個しか持つことができない。 ---モンスター素材は一通り保管し、回復アイテムは常に一定量のストックを…というプレイをすると村クエストの中盤でパンクする。 --攻略情報を見ない限りアイテムの用途や希少性がよくわからないので、何を残すべきかという判断が非常に難しい。 --『MHG』では装備品も1ページ100個となり、アイテム共々「収納上手の書」により3ページまで増やせるが、アイテム数はさらに増えているので厳しいことには変わりない。 --Wii版『MHG』では追加アイテムが無いのにデフォルトの所持数が2ページ分増やされ、全アイテムが99個ずつスタック可能になった。 ---そこまで緩和しても適正だと判断されたということから、元々の所持数制限がいかに厳しかったかがわかるであろう。 ---- **総評 本作は元々カプコン社内でも大きな期待は寄せられておらず、「実験作」のような扱いであった。~ しかし往年のカプコンACTさながらに「突き放し」といわんばかりのストイックなゲーム性とシビアな難易度、その中で見上げるような巨大なモンスターを倒した時の達成感といった要素がユーザーに評価され、口コミで広まり、ジワ売れの結果累計20万本という新規IPの中では異例のヒット作となった。~ ゲーム雑誌等でも取り扱われるようになり、『モンスターハンターG』が発売されるきっかけとなった。 ---- **余談 -仲間と協力して大きなモンスターを倒す、クエスト制と言った要素は本作のPSP移植版『[[モンスターハンターポータブル]]』の系列でブームを巻き起こし、『[[GOD EATER]]』『[[怪獣バスターズ]]』『[[討鬼伝]]』など多くのフォロワーを産み出した。 -よく『[[ファンタシースターオンライン]]』シリーズと比べられる事があるが、そもそもモンハン開発者は&bold(){「初代PSOを参考にしました」}と公言している。いうなれば本作もPSOのフォロワーでもあるのだ。~ その後もPSOシリーズはSF要素を強めにし、豊富なキャラクリによるアバター制の重視。HMシリーズは原始的な要素を強めにし、骨太なアクションで大型ボスを狩る要素の楽しさをフューチャーするなど、それぞれ違う方向に進化を続けていった。~ これを知らずに安易に「PSOはモンハンのパクリ」などと言う事は、無知をひけらかす事と同意なので注意されたし。 -サミーから2012年にロデオからパチスロ化、2014年にサミーからパチンコ化された。 //パチンコ、パチスロは当Wikiでは執筆禁止作品です。発売されたという事実のみを書くことは認められますが、執筆禁止作品の評価や詳述はお控えください。 ---- *モンスターハンターG 【もんすたーはんたー じー】 |ジャンル|ハンティングアクション|CENTER:&amazon(B001PR14GQ)&amazon(B001OI2424)| |対応機種|プレイステーション2&br;Wii|~| |メディア|【PS2】DVD-ROM 1枚&br;【Wii】12cm光ディスク|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|【PS2】2005年1月20日&br;【Wii】2009年4月23日|~| |定価(税込)|【PS2】7,140円&br;【Wii】3,990円&br;【Wii スターターパック((オリジナルデザインのクラシックこんとが同梱。))】5,240円|~| |プレイ人数|1人(オンライン接続は1人~4人)|~| |レーティング|【PS2】CERO:15歳以上対象&br;【Wii】CERO:C(15歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|暴力|~| |周辺機器|【PS2/Wii】USBキーボード&オンライン対応&br;【Wii】クラシックコントローラ専用|~| |廉価版|【PS2】PlayStation2 the Best&br; 2007年10月11日/2,090円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- **概要(G) 元々は前作を「廉価版」として再販する予定だったが、好評を受けて大幅な追加要素をプラスした新作として本作が発売された。~ 前作のセーブデータはコンバート可能。一部アイテムやクエストクリア情報は失われるが、装備品はそのまま引き継げる。~ ゲームバランスの調整、新武器種「双剣」の追加、亜種モンスターの登場など、多数の追加要素がある。 ---- **追加要素 ***PS2版 -「訓練所」の追加 --与えられたアイテムと装備でモンスターに挑む、腕試し的な要素。後のシリーズ作でも定番となった。 -新規モンスターの追加 --多くのモンスターに色違いの個体が登場した。後に「亜種」と呼称されるようになり、これまた後のシリーズ作の定番となった。 --ただし、今作では出現条件が厳しい(後述のサイズ更新を行い金冠をつける必要がある。リオレウス・リオレイア・モノブロスはオフラインでも銀冠をつければ出現する)。 ---おまけに、リオレウス・リオレイアは専用のクエストが存在する((レウスとレイアは「希少種」も出現するが、出すにはすべてのモンスターに金冠をつける必要があるのに加え、レウスとレイアの亜種も倒す必要がある。))が、それ以外のクエストはランダム出現の上に通常のクエストと入れ替わりで出現し、クエスト名や説明文が同じで区別が付かない((初回出現時に関してはクリアマークの有無で区別できる。クリアしたはずのクエストが未クリア状態になっていたら必ず色違いが出てくる。))。 ---『MHP』やWii版については、クエスト名や報酬金の違いで別のクエストだと区別できるようになった。 -新武器「双剣」の追加 --左右の手それぞれに剣を持つ。ガードはできずリーチも短いが、手数で攻めるタイプの武器。~ スタミナ減少のリスクと引き換えにパワーアップする「鬼人化」が可能で、その状態でのみ使える「鬼人乱舞」は特に強力。 -スキルシステムの変更 --前作では特定の防具を組み合わせることでのみスキルが発動したが、本作からは全ての防具に「スキルポイント」が設定され、系統ごとにポイントの合計が一定値を越えることで発動するようになった。 --これにより、スキル組み合わせのバリエーションが飛躍的に上昇。さまざまなスタイルの狩りが可能になった。 --「耳栓」「斬れ味レベル+1」など今では定番のスキルも、初登場は本作である。 -モンスターサイズの導入 --大型モンスターは戦うたびに「身体のサイズ」が異なるようになった。記録として残るため、これを更新するのも楽しみの一つである。 --一定以上のサイズを倒すと数値の横に銀や金の冠がつく((『MHG』では一部を除いてオンラインでしか金冠サイズの大きい個体は出なかった。))のも名誉であり楽しみであり、シリーズの定番となった。 ---『MHG』では最大サイズのみ記録されていたが、『MH2』からは「最小サイズ」も記録されるようになった。 -「G級クエスト」の追加 --上位クエストよりも更に高難度のクエスト。このクエストでないと手に入らないアイテムも存在する。 ***Wii版 -PS2版の追加要素に加え、『[[MHP2G>モンスターハンターポータブル 2nd G]]』までの基本機能の多くを追加。 --報酬を直接アイテムボックスに送れる、アイテムボックス内で調合可能など、アイテム周りが格段に便利になっている。 --大剣の溜め斬り、片手剣の武器出し中のアイテム使用といった後発の要素が逆輸入されている。 --原種と亜種はそれぞれ独立した別々のクエストに出るようになっている。 ---- **評価点(G) -前作『MH(無印)』の問題点の改善 --クエスト内容の調整。リオレイアやガノトトスなどの討伐クエストが追加され、素材集めや狩猟数稼ぎがより楽になった。 --ゲームバランスの調整。武器性能やモンスターの能力などに修正が加えられた。特に無印で猛威を振るった属性ダメージに関しては、武器の面でもモンスターの耐性の面でも大幅に弱体化された。 --調合システムの改善、店売りアイテムの増加、スキルによるサポート等により一部の武器の実用性が増した。 ---例えば『MH(無印)』ではネタ武器同然だった「老山龍砲」は、扱いづらいものの強力な武器という位置づけになった。 --ハンマーの強化。一部のタメ攻撃後の隙をタメでキャンセルする機能が備わり、連続攻撃のフィニッシュが大幅に強化され((いわゆる「縦3」だが、無印では「縦3」が「縦2」と同じだった。))、多少大剣との差別化が図られた。 --毒の仕様変更。毒のダメージ量はそのままに効果時間のリセットは無くなったので大幅に弱くなった。 ---その埋め合わせかどうかはわからないが、本作より登場した亜種モンスターは全体的に毒の効果ダメージが大きめになっている。 -やり込み要素の強化 --G級クエスト、訓練所、亜種などの追加要素によりボリュームが大幅にアップ。やり応えが更に増した。 ---- **賛否両論点(G) -全体的にスキルの重要度が増えたために、スキル最優先で装備を組むことが増えた。前作では関連部位以外の防具はスキルに影響しなかったが、本作からは全ての防具がスキルに影響する。 --結果として戦略性は増したが、見た目とスキルの両立は困難になり、好きな装備で狩る事という事が難しくなってしまった。 ---この傾向はシリーズが進むごとに顕著になり、「必須スキル(付いている事が前提として語られるスキル)」という概念まで生み出されてしまった。 //-一部のスキルは非常に強力。例えば「斬れ味レベル+1」というスキルは、武器の斬れ味を1段階伸ばして剣士の攻撃力と継戦能力を同時に高めることができる。後のシリーズにおいても剣士にとってはほぼ必須スキルとなる。 --マイセット機能が存在しないため、必要に応じて装備品を1つずつ付け替える必要がある。そのたびにローディングが発生するのでテンポが悪い。 ---- **問題点(G) -双剣の調整不足 --シリーズの中では比較的武器間のバランスが取れているほうだが、新武器である双剣にやや問題がある。 --手数は多いものの一撃あたりのダメージは片手剣以下で、斬れ味の消費も激しい。スタミナと引き替えに強化する「鬼人化」も可能だが、アイテムのストックの都合で以降の作品よりも多用はしにくい。つまり基本的には使い勝手がかなり悪い武器である。 --一方で手数の割に異様に属性値の高い武器が存在し、ダメージや状態異常の効率で頭一つ抜けた存在となっている。~ 続編でも一部の双剣によるバランスブレイカーは以降も半ば野放し状態となっていた。特に「封龍剣【超絶一門】」については龍属性が有効な相手に対して一強となっていた例も多い。 ---「封龍剣【超絶一門】」は、基本攻撃力が低く属性攻撃力が高いピーキーな性能ながら、双剣特有の圧倒的手数によって、それを補って余りある威力を誇る。 ---「双鉄扇【ガバス】」は非常に高い睡眠属性を持つ。特に、落とし穴に落とした状態で眠らせると拘束時間がリセットされる仕様だったのでハメ戦術が横行していた。 -ランス最強時代 --無印の時点でもランスは特に欠点のない武器だったが、攻撃後の隙をステップでキャンセルできるようになって手数が上昇。さらに強化された。 --武器自体の性能によりおおむねバランスはとれていたものの、最強の物理攻撃力に加えて高い属性値をも併せ持つ「黒滅龍槍」によるハメ殺しが横行した。 -訓練所の解放条件 --モンスターごとに、一定数を討伐するごとに武器種別のクエストが解禁されていく仕組みだが、モンスターによっては最大で''20頭''も討伐しないと全ての武器種が解禁されない。 --特にオフライン専門の場合、既に必要な素材が溜まりきっているにもかかわらず、解禁のためだけに狩り続けるような状況が発生する。 ---''訓練を含む全てのオフラインクエストをクリアすることが出現条件のクエスト''が存在する(いわゆる村最終)。完全クリアを目指す場合、クエスト自体の難易度よりも解放がネックになりがち。 --次回作以降は基本的に全ての武器種の訓練が同時に開放されるようになったが、本作のWii移植版では修正されていない。 //本作以降の問題点は各作品のページに載せればいいのでは? ---- **総評(G) ゲームモードやモンスターのバリエーション追加、新武器種やスキルシステムの刷新といった新要素によって、~ 1作目のゲーム性を損ねることなく、システム面でも設定面でも大きな広がりを見せることに成功した。~ 本作が単なる廉価版に留まらなかったことで、後のシリーズ展開の基礎を作り上げたと言える。 //シリーズページへ移動
本稿では、PS2『モンスターハンター』とPS2/Wii『モンスターハンターG』を併せて紹介します(両方とも「良作」判定)。 ---- #contents ---- *モンスターハンター 【もんすたーはんたー】 |ジャンル|ハンティングアクション| &image(MonsterHunter.jpeg,https://www.amazon.co.jp/dp/B00014N91C/,height=160)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|2004年3月11日&br()|~| |定価|7,140円|~| |プレイ人数|1人(オンライン接続は1人~4人)|~| |レーティング|CERO:15歳以上対象|~| |コンテンツアイコン|暴力|~| |周辺機器|USBキーボード、オンラインプレイ対応|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|大人気シリーズの原点&br()リアリティを意識したデザインとシステム&br()モンスターはあくまでも大自然に生きる動物&br()野性味溢れる世界観&br()狩りゲーというジャンルを一躍広めた|~| |>|>|CENTER:''[[モンスターハンターシリーズ]]''| ---- **概要 のちに人気シリーズ化するハンティングアクション『モンスターハンター』の第1作。略称は『MH』や『モンハン』、シリーズ内で区別する場合は「無印」など。~ オンライン接続によるマルチプレイ機能を搭載している。 タイトルが示す通り、このゲームの主たる目的は「獲物を狩る」こと。~ 村人や街からの依頼を受け、クエストをこなし、得たお金や素材で新たな装備を作り、さらなる強敵に挑んでゆく。 一応のストーリーはあるが、やりこむほどにストーリー性は希薄になる。「エンディングのない冒険活劇」と言える。~ この特徴は昨今のネットゲームに多く見受けられる。良く言えばやり込みに特化したスルメゲー、悪く言えばストーリー性が極小な作業ゲー。~ 本作ではクエストごとに依頼主によるミニストーリーが設定されており、特定のクエストをクリアするごとに村人のセリフが変わるといった要素はあるが、特に意識しなくても問題はない。 COLOR(red){※なお、2011年6月にマッチングBBのサービスが終了し、本作を含むPS2でリリースされたシリーズ作は全てオンラインモード使用不可となった。} ---- **ゲームシステム ***クエスト -クエストはオフラインモードの「村」、オンラインモードの「街」のいずれかで受注し、各フィールドで遂行する。 --オンラインではロビーにいるプレイヤー達の中から、最大4人のパーティを組んでクエストに出発できる。 --フィールドがクエストごとにロビーから独立しているという点で、オンラインゲームのジャンルとしてはMO(マルチプレイ・オンライン)アクションに属する。 -フィールドは「森と丘」「砂漠」「ジャングル」「沼地」「火山」といった大自然の地形が5種類と、オンラインの特殊クエストにのみ登場する建造物である「砦」「シュレイド城」を加えた計7種類。 //決戦場と闘技場はGから -フィールドにはベースキャンプが設営されており、いつでも休息して体力を回復できる。 -クエストは原則として参加者が累計で3回力尽きると失敗となる。さらに制限時間が設けられており、超過した時点でも失敗となる。 --体力が尽きた場合でも即クエスト失敗にはならず、クリア報酬金の減額と引き換えにベースキャンプで復活できる。 --「パーティメンバーが合計3回力尽きた時点でクエスト失敗になる」というシステムは以降のシリーズにも引き継がれている。 -ダッシュしたり緊急回避する際には「スタミナ」を消費。ダッシュしていないときに自然回復するが、スタミナを使い切ると息切れしてしまい大きな硬直が発生する。 --また、時間経過によってスタミナの最大値は一定ずつ減少してしまう。これを回復するには「こんがり肉」などの食料を食べる必要がある。 --主な調達手段は小型モンスターから「生肉」を剥ぎ取り、「肉焼きセット」で焼くこと。成功時に流れる「''上手に焼けましたー!''」のボイスはCMにも使われ、シリーズの象徴にもなった。 --スタミナの最大値が下がりきっても力尽きることはないが、戦闘や移動において非常に大きなペナルティとなる。 -全体的な世界観は「弱肉強食」を意識したシビアなものなのだが、前述の「上手に焼けましたー!」をはじめとして、細部にはむしろコミカルな演出が目立つ。 --特に主人公であるハンターのモーションは、「スタイリッシュでカッコいい物」というよりも「外連味を効かせた大仰な物」が大半。 --これは、激しい戦闘中でも他のプレイヤー行動が理解できるようにするためという理由もある。 --主人公の風貌もスレンダーなイケメン風ではなく、どちらかというと野暮ったい印象(女性も一般的なゲームよりは肉感のあるモデリング)。 --また、装備のデザインもただカッコいい物だけなく、意図的にダサさを狙った装備も存在している。 ---この辺はある程度最初から意識して設計されているようだ。 ***装備 -ハンターは武器を1種類、防具を最大5種類(頭・胴・腰・腕・脚)装備することができる。装備によって外見も変化する。 -初歩的な装備品は店で購入できるが、より強力な装備を製作するためには様々な「素材」を集めて工房に持ち込む必要がある。 --素材はフィールド上での採集の他、''倒したモンスターから剥ぎ取る''ことで手に入れる。強い装備を手に入れるためには強いモンスターを倒す必要がある。 -装備の特性は素材となるモンスターの性質に準じていることが多い。そのため、火属性をもつ武器や雷属性に強い防具など各装備に特徴がある。 --特定の組み合わせで発動する「スキル」もまたモンスターの性質を反映したものが多い。 -装備はクエスト中に変更することはできないため、クエストに応じて適切な装備を選ぶ必要がある。 ''武器'' -武器には以下の6種類があり、それぞれに一長一短がある。近接武器を扱う場合は「剣士」、遠距離武器を扱う場合は「ガンナー」と呼ばれる。 -頭部を除くほとんどの防具は剣士とガンナーで制限があり、専用のものを身につける必要がある。遠距離攻撃主体で戦うガンナーの防具は防御力が低い。 -ゲーム中武器を扱う上で障害となる「制限」がある。 --近接武器は「斬れ味」というゲージがあり、武器を使い続けると斬れ味が落ちていき、それに応じて与えられるダメージは低下する。~ 部位による補正を加味した与ダメージが低いと、モンスターに弾かれて隙を晒すリスクも増える。~ 回復には「砥石」というアイテムを使う必要があるが、砥石を使っている間は動けないのでモンスターに襲われることもある。 --遠距離武器は一定の弾数を撃つごとにリロードしなければならず、装填する弾も自分で持ってきたものを使うため有限である。 --弾ごとに射程や性質が異なる。さらに状態異常を与えるもの、味方を回復するもの、爆発によって大ダメージを与えるもの等の特殊なものもあり、これらを使い分ける必要もある。 //属性弾はまだ無い。一応、散弾に水属性が含まれる等はあるが、属性目当てでは使わないだろう。 #region(武器一覧) ''剣士'' -大剣:巨大な両手剣を扱う。リーチと一撃の威力を兼ね揃え、刀身によるガードも可能。動作は少し重いが納刀が比較的速いため、ヒット&アウェイが得意。 -片手剣:小柄な剣と盾を扱う。攻撃力の低さを機動性と手数で補う立ち回り重視の武器。属性攻撃を得意とする。 -ランス:長大な槍と大型の盾を扱う。機動性に劣るが、抜群のガード性能を誇る。一点集中の突きは弱点を的確に狙うのにうってつけ。 -ハンマー:巨大な塊棍を扱う。リーチが短くガードもできないが一撃の威力は抜群。移動しながら力を溜めることで、繊細な立ち回りから隙の少ない強打を繰り出せる。 //スタン(気絶・めまい状態)は『MH2』からの導入。 ''ガンナー'' -ライトボウガン:小型のボウガンを扱う。ガードはできないが、遠距離攻撃が可能で機動性が高い。 --ちなみに本作のボウガンとは、弦と火薬によって弾丸を発射する、本来のボウガン(クロスボウ)と銃の中間的な存在である。 -ヘビィボウガン:大型のボウガンを扱う。ガードができないうえに機動性も劣るが、遠距離攻撃の威力は更に高い。 //当時はシールドもなかった、と念のため補足。 #endregion ***モンスター -大自然に生きる生物たち。本作においては爬虫類系がメインであり、小型・中型モンスターは「恐竜」のイメージが強い。大型モンスターは「''飛竜(ワイバーン)''((設定上は「鳥竜」「魚竜」などと細分化されているが、本作の時点ではゲーム内で特に区別されていない。))」と呼ばれる。 --豚やイノシシといった哺乳類、あるいは昆虫がモチーフのモンスターも存在するが、本作ではあくまでも雑魚扱いである。 -小型・中型モンスターは「討伐」するのみだが、大型モンスターはある程度体力を減らして生け捕りにする「捕獲」も可能である。 --この頃は討伐と捕獲は明確に分かれており、捕獲用アイテムが支給されるのは捕獲クエスト限定となっている。 --また捕獲が目的の場合、必要以上にダメージを与えてとどめを刺してしまったらクエスト自体が即座に失敗となり、剥ぎ取りすらできない。 ---本作にはまだ、捕獲しても倒しても良い「狩猟」は無い(採用されるのは『[[MH2>モンスターハンター2]]』以降)。 -大型モンスターは体の部位ごとに「肉質」(要するに防御力)が異なり、肉質の柔らかい弱点部位に攻撃を当て続ける事で効率良くダメージを与えられる。 --肉質は斬撃・打撃・射撃でそれぞれに設定され、さらに火や水といった属性耐性も部位ごとに異なるので、装備によってどこを狙うかという知識が重要。 --''具体的なダメージ量は数字で表示されない''がヒットエフェクトで有効な部位かは判別可能。部位ごとに一定ダメージが蓄積すると「怯み」や「転倒」が発生したり、モンスターが空中であれば「墜落」するので、その頻度から間接的にダメージ量を推測する必要がある。 --''モンスターの体力も非表示。''戦術した怯みの頻度や、モンスターが足を引きずるなどのモーションから弱っているかを判別しなくてはならない。 //初代ではモンスターサイズは固定。 -戦うことになる大型モンスターの一部を紹介する。 #region(大型モンスター抜粋) -イャンクック --大きな耳が特徴の「怪鳥」で、最初に対峙する大型モンスターであり、誰もが通る難関。 -ゲリョス --ゴム質の体を持つ「毒怪鳥」で、毒液やトサカから放つ閃光、アイテム盗みなど厄介な攻撃を持つ。 -フルフル --日の当たらない洞窟に潜む異形の飛竜。伸縮自在の首による攻撃や体内発電が武器。 -リオレイア --大地を駆ける「雌火竜」で、リオレウスと対をなす存在。「陸の女王」の異名を持ち、地上での戦闘力は圧倒的。 -リオレウス --本作の看板を務める「火竜」で、『モンスターハンター』の世界を象徴する存在。「空の王者」の異名に違わず飛行からの攻撃が強力。 -ガノトトス --地底湖や川に棲む「水竜」で、巨体を生かした体当たりや水流ブレスを用いる。 -ディアブロス --砂漠を縄張りとする、2本の大きな角が特徴の「角竜」で、突進や砂中からの突き上げ攻撃が強力。モノブロスの近縁種。 -モノブロス --真紅の一本角が特徴の「一角竜」で、単身での狩猟のみが許されており(つまりオフラインモード(1人プレイ)専用)、この種の討伐を成し遂げる事が『英雄の証』とされる。 -バサルモス --岩の如き硬度の外殻が特徴の「岩竜」で、周囲の岩に擬態して潜んでいる、グラビモスの幼体。 -グラビモス --堅牢な外殻をもつ「鎧竜」で、動きは比較的緩慢だが、溶岩地帯をものともせずに駆け回り、強烈な熱線ブレスを吐く。 -ラオシャンロン --悠久の時を生き続け、山のような外観から漢字表記で「老山龍」とも書かれる。誰もが息を呑む程の圧倒的な巨体を誇る。 -ミラボレアス --「運命の戦争」を意味する名を持つ「黒龍」で、4本足に加えて翼を持つ、ファンタジー作品に登場するドラゴンのような見た目である。 #endregion ***アイルー -「獣人種」にあたる小型モンスター。見た目は二足歩行してしゃべるネコ。中には人間と共生していてハンター生活の手助けをしてくれる者もいるが、狩り場において敵対する者もいる。 --今でこそシリーズのマスコットキャラクターとして有名だが、当時は着せ替えも可能な豚「プーギー」がマスコットとされていて、アイルーは今のような可愛げはなかった。 --しかし、アイルーの方が見た目が可愛く人気が上がったため後の作品においてキッチンやオトモなどの要素が追加され、マスコットとしての地位を確立することになったのである。 --鳴き声は音響スタッフが飼っているネコから直接サンプリングしたもの。 --黒い体毛の「メラルー」もいるが、こちらはハンターのアイテムを盗む厄介な相手。作品によってはアイルーの色違い扱いになっていることも。 --いずれも、一定ダメージを受けると地面に潜って逃げる(死ぬことはない)という点で他のモンスターと差別化されている。 ---- **評価点 -グラフィック --広大な丘陵、過酷な砂漠、鬱蒼した密林、不気味な沼地、灼熱の火山といった自然描写は圧巻で、世界観を盛り立てている。 -武器・防具の収集要素 --モンスターから剥ぎ取った素材等から装備を作成できるが、そのデザインがなかなか個性的で、集める楽しみがある。 --リオレウスシリーズのような正統派なものから、クセの強いゲリョスシリーズのような個性的なものまで、一通り揃っている。 --異なる種類の装備を組み合わせる、いわゆる「着せ替え」も面白い。もちろんガチガチの最強装備に拘るのも有り。 ---防具は5部位を自由に付け替えることができ、いずれも外見に反映される。当時の3Dゲームとしてはかなりの作りこみである。 -戦闘 --始めのうちは防戦一方でなかなかモンスターにダメージを与えられないが、敵の攻撃が把握できるようになると、それを華麗にかわしつつ、弱点部位に強烈な一撃を叩き込めるようになる。 --自由度が高く、同じモンスターでも色々な楽しみ方がある。安全な場所からボウガンでチクチクいっても良し、危険を承知で真正面から大剣の一撃をかましても良し、毒でじわじわといたぶっても良し。 --問題点で挙げるようなストレスの溜まる要素もあるが、本作の戦闘の面白さの虜になったプレイヤーは多い。 -サウンド --以降のシリーズ作を通してメインテーマとして用いられている「英雄の証」を筆頭に、音楽の評価は非常に高い。 --作曲者は甲田雅人氏、柴田徹也氏、高野充彦氏、Momora氏((オーケストレーションは浜口史郎氏が担当している。))。 --フィールドでは普段は環境音のみが流れ、大型モンスターと対峙すると戦闘BGMが流れるという仕組みになっている。 --戦闘BGMは美しくも厳しい大自然や、そこに生きるモンスターの力強さ、恐ろしさを前面に押し出した曲調となっている。 ---重厚感にスピード感とテンポの良さを上手く融合させたメロディアスなBGMは、狩猟の雰囲気を否が応にも盛り上げる。 --その汎用性は単なるゲームBGMの枠を超え、現在では秘境探検や巨大生物の捕獲など、自然や野生を取り扱ったテレビ番組でも頻繁に使用されるほど。 --また、武器を振る時の風切り音や、ハンターの動きに合わせて防具が軋む音、砂漠岩地で響き渡る鳥の鳴き声や、ジャングルで轟々と流れる大河の水音など、環境音やSEにも現実さながらのリアリティがあり、力が入っている。 -モンスター --本シリーズで戦うことになるモンスター達は、「地球侵略や世界征服を企む悪の存在」や「魔法を駆使して戦う魔物」ではなく、「大自然で生態系を築く生き物」という面が強調されている((設定として世界を滅ぼすことが可能とされるモンスターは存在する。))。 --火を吐いたり雷を放ったりといったファンタジー的な要素はあるものの、炎や雷を生成するための器官を持っているという設定であり、魔法などを駆使するモンスターは一切存在しない。 --周りの環境に合わせた進化を遂げ、攻撃されると怒り、弱ると足を引き摺って巣に逃走するなど、その泥臭い振る舞いは当時のアクションゲームの敵キャラクターとしては斬新だった。 --モンスターの見た目も、どこか現実にいてもおかしくないようなリアルさを持っている。実際、奇抜な見た目であっても現実の生物をモチーフにしていたり、作中でその見た目である説明がされている物が殆ど。 --一部のモンスターだけだが、「○○の生態」というプリレンダのムービーでモンスターの捕食や子育ての様子を見ることが出来る。ゲーム中では見られない行動も多く、モンスターの違った一面を見られると好評。 --後述の資料集に詳しいが、モンスターの活動によって人間の生活が大きく脅かされるような特例のみがクエストとして貼り出され、ハンターが問題解決(=モンスターの狩猟)に赴くという設定。私利私欲のためにモンスターを乱獲したり、密猟したりするような依頼は表向きには禁止されている。 --NPCにも「モンスターは恐ろしいが共存すべき存在である」という旨の台詞があり、単純な敵対関係とは異なる独特の距離感を持った世界観であることが分かる。 --設定資料集「ハンター大全」には、自然を調査するハンターズギルドの存在やギルドによって管理されるクエストのシステム、本編では語られていないモンスターの生態や特徴も多く記されており、資料的価値が高い。 --そしてそれら生態的特徴がモンスターのデザインやゲーム内でのモーションに上手く反映されていたりと、整合性を意識して作っていることが窺える。 ---没になったモンスターや装備品などのイラスト資料も「絶滅種」「未確認情報」「試作品」などの扱いで世界観に還元している。中には後のシリーズで実装された要素もある。 ---- **賛否両論点 //単純に「問題点」とは言い切れない要素をこちらに -ゲームバランス --一概に「良い」とはいえない。後のシリーズ作と比較するとかなり大味。 --後述するように武器種間のバランスが悪かったり、同じ武器でも生産難易度と性能が釣り合っていないものが多い。 --オンライン(街)クエストは後の『ポータブル』シリーズと比べて難易度がかなり高い((もっとも携帯機はソロプレイを基準に作られているので、オンラインによる協力プレイが前提のバランスと異なるのは当然ではある。))。 --上位クエストでもモンスターが強力。補助アイテムも充実しておらず、制限時間を目いっぱい使わないと達成が難しいことも多い。 --一方で、後のシリーズで見られる露骨な隙潰しは少なく、''大振りな攻撃を繰り出すモンスターの隙をいかに突いて攻撃するか''というゲームデザインが徹底されているため、このバランスを評価する声は今なお根強い。 -剥ぎ取り・採取のランダム性 --剥ぎ取りで得られるアイテムは完全に確率依存。レア素材を手に入れるために何度となく同じクエストをこなさなければならないこともある。 --ユーザーを選ぶ点であり、時に「作業ゲー」「運ゲー」と揶揄される所以でもある。本作に限らずオンラインゲーム等でしばしば上がる問題ではある。 ---本作の場合は各アイテムの入手手段が限られている上に''プレイヤー間でやり取りすることもできない。'' ---なお、開発の段階では「モンスターに一番ダメージを与えたプレイヤーが一番良い報酬を受け取れる」などの貢献度システムの導入も視野に入れられていたが、紆余曲折の末に参加者全員が平等・ランダムな報酬を受け取れる仕様になった模様。 ---貢献度システムを採用したら、それはそれで格差が生まれることも想像に難くないため、これ自体は決して間違った発想とは言い切れない。 ---しかし、このおかげで「特定の素材が欲しいハンターには出ずにお手伝いで狩猟に参加したハンターばかりに出てくる」「レア素材がまだ価値の分かってない初心者やもう必要ない熟練者にばかりボロボロ出てくる」「全然活躍しなかったハンターの報酬が一番豪華」といった事態が頻繁に発生し、今なおプレイヤーの間ではネタの対象となっている。 ---低レア度の消耗品などを除いたほとんどのアイテム及び、全ての装備品はプレイヤー間でトレードできない。現在でこそソーシャルゲームなどでごく一般的に見られる仕様だが、当時のオンラインゲームとしては珍しかった。 --採取で得られるアイテムの数も確率依存であり、運が悪いとなかなか欲しい素材を集めることができず、手間がかかる。特にこのあおりを受けているのがボウガン。 ---本作ではレベル3の弾は全て調合限定なので、レベル3の弾をまともに使うのが不可能に近い((一応、レベル3通常弾だけは調合素材が店売りされている。))。 ---しかもオフラインでは調合確率を100%にする手段がない上、調合一回ごとに数秒の待機時間がかかる(99発分調合するだけで数分かかる)。 ---中でもレベル3以外の弾をほぼ使えない「老山龍砲」は、攻撃力最大のボウガンでありながらほぼ完全なネタ武器と化している。 --この問題は『[[MHP>モンスターハンターポータブル]]』から「農場」を取り入れたことである程度解決しており、Wii版『MHG』でも「ペットの豚(プーギー)にアイテムを取りに行かせる」ことで手間を軽減させている。 -もっさりとも評される硬直の多いモーション --回復薬を飲むとガッツポーズをする、砥石を使うとその場で数秒間完全に硬直するなど、アイテム使用時の硬直時間が長い上にキャンセルができない。 ---剝ぎ取りやアイテム採取をする際も、その場で足を止めて数秒間動きが止まってしまう。 --これらのモーションは大型モンスターとの戦闘時でも行われる。動きを止める必然性がある砥石はともかく、ガッツポーズはプレイヤーを苛立たせる原因となっている。 --とはいっても、硬直時間も前提とし、「敵の重い攻撃から逃れつつアイテムを使用するチャンスをうかがう」「敵を追い払ってから剥ぎ取りやアイテム採取を行う」という意図は明らかであり、続編以降も基本は変わらない。本シリーズのゲーム性の1つともいえる。 ---ただし調合1回ごとに数秒かかる点については、先述の通り特にボウガンの運用に重大な影響を及ぼしたため、続編以降では一度でも成功したことのある調合は一瞬で行えるようになった。 ---その他の硬直時間はシリーズの伝統として続いていたが、14年後の『[[MHW>モンスターハンター:ワールド]]』では遂に見直しが入り、ガッツポーズの廃止(アイテム使用中の移動)、アイテムの使用キャンセルが可能となった。 //ただし、アイテムを使い切るまでの時間はむしろ長くなっており、これはこれで使いどころをよく考える必要がある。 //続編での改善については冗長化を避ける為簡潔にします。 --オンラインアクションゲームであることを考慮すると、これらの硬直はチャットのための「間」にもなる。たかが数秒でも、慣れれば定型文の呼び出しくらいは可能になる。 --なお、開発陣によると、「チャットなしでも遠くから見て何をしているのかわかるようにモーションは大仰に作った」という側面もあるらしい。 ---仮にモーションが控えめだと、他プレイヤーの体力ゲージを注視していない限り、傍目からは回復しているのではなくサボっているようにしか見えないこともあるかもしれない。 -独特の操作体系 --「十字ボタンでカメラ操作」「右スティックで攻撃」という、本シリーズ以外ではあまり見ない操作体系を採用している。 --慣れないうちは厳しいものの、「キャラ移動」「カメラ操作」「攻撃」「アイテム選択」のコマンドがそれぞれ独立していることで、忙しい戦闘中でも次の展開を見越した細かい操作が可能となっている。 --本作にはポーズ(一時停止)やメニュー画面が存在しないので、アイテム選択などもリアルタイムで行う必要がある。 ---後のシリーズでは、オフラインでのみポーズは可能となっている。 --この操作体系はPS2で発売された3作品に共有されている。またキーコンフィグも存在しない。 ---- **問題点 -クエスト配置のバランスの問題 --オフラインには序盤の中ボスのような存在の「ドスランポス」討伐クエストだけで4つもクエストが存在する。さらに「ドスゲネポス」と「ドスイーオス」にも似たような問題がある。 --「森丘にてリオレウスを避けつつ飛竜の卵を運搬する」クエストがオフラインだけで4つも存在する。 --オフラインでは「ゲリョス」「ガノトトス」「リオレイア」の討伐が目的のクエストが存在せず、前二者は別のクエストのお邪魔キャラとしてのみ登場し、リオレイアはいわゆる「村最終」クエストでリオレウスと同時に戦うのみという、ラスボスのような扱いである。 ---2011年6月いっぱいをもって無印のオンラインサービスは終了したため、オフラインで彼らの素材が必要な場合はお邪魔キャラとして登場した個体を倒さなければならない。 --ただし「ゲリョス」に関しては、敢えてターゲットと無関係に出現することにより「死に真似」の区別が難しいというギミックになっている。 ---ターゲットの討伐に成功した時点でファンファーレが鳴ってクエストクリアとなるので、通常のクエストでは死に真似か否かが明確にわかる。 --さすがにこの問題は次回作の『MHG』で改善された。 //賛否両論に入れようと思ったが、次作以降で直接的に手を入れられてる部分なのでこちらで -武器間の性能バランスの悪さ --ハンマーが弱い。リーチが短いために弱点部位が高い位置にあるモンスターと相性が悪かったり、ガードができないのでモンスターの咆哮を防げなかったり(当時「聴覚保護(耳栓系)」のスキルはまだ無かった)、打撃武器なので尻尾を切断できなかったりするため、リーチと機動性を併せ持つ大剣の劣化版のような位置づけになってしまっている。 ---後の作品でハンマーの最大火力となる、縦振りからのホームラン攻撃も存在しなかった。 --一部の武器がゲームバランスを崩すほどに強い。大剣の「龍刀【紅蓮】」が筆頭で、属性つき大剣でありながら最強クラスの無属性大剣と同等の基本攻撃力を有する((本シリーズにおける「属性」は、ダメージにプラスされる追加ダメージなので、たとえば火属性武器で火を無効化(メインシリーズにおいて吸収や反射は無い)するようなモンスターと対峙しても、基本攻撃力によるダメージは保証されるため、同じ攻撃力を持つ無属性武器よりもマイナスとなることはない。『MHF』にのみ肉質マイナスの概念が存在し、無属性>属性武器となるケースも発生した。))ため、非常に汎用性が高い。そして比較的少ないレア素材で作成できる。 --以降の作品と比べると全体的に属性ダメージがやたらと通るようになっている。武器自体の属性値は(同ランク帯で比べれば)現行シリーズとさほど変わらないが、50%前後のダメージが通る部位が珍しくない((現行シリーズでは、一部を除き通るとされる部位でも30%前後。))。 --毒が非常に強い。時間当たりのダメージは現行作と変わらないが、毒エフェクトが出る度に効果時間がリセットされる仕様であった。 --つまり、適度に攻撃を加えていれば永続的に毒に冒したままにできるため、本来ネタ武器とされていた「さぼてんハンマー」でラスボスを討伐してしまったパーティーまで登場する始末。 --ボウガンはパーティプレイにおけるサポート役のような位置づけであり、弾数という制約があるにもかかわらず剣士と比べて火力が抑えられている。 ---前述のように本作ではクエスト中の弾調合が難しい。仲間の剣士が予備の弾を持っていかないと途中で弾切れになることも多かった。 --なお、本作の時点では、「相手モンスターに合わせて武器種を臨機応変に持ち変える」という運用がある程度前提になっていた部分があり、特定武器以外での狩猟が非常に難儀なモンスターが何種類かいる。 --この時点では後のシリーズでよく見られるようになった、「特定の武器種に愛着を持ってそれだけを使い続ける」いわゆる「○○使い」と称されるプレイスタイルはかなり困難だった。 -フレンドリーファイアの存在 --本作では状態異常時ではなくとも、プレイヤーが繰り出した攻撃には味方にも喰らわせることが可能になっている。 --流石にダメージこそないものの、自分の攻撃が味方に当たると''リアクションを取って隙を晒してしまう''ので武器によっては折角の攻撃チャンスなのに一部のアクションを自重するハメになる。初心者が悪気なく妨害行為をしてしまうことも多かった。 --スーパーアーマーが付く攻撃を使い続けることで、フレンドリーファイアを避けるテクニックもあるのだが、スーパーアーマーを付けやすい武器種とそうでない武器種で格差を産む要因になっている。 ---一番問題視されたのが、この仕様を悪用して剥ぎ取り・採取時に攻撃を仕掛けて妨害すると言う迷惑プレイヤーまで存在した事である。 --一応ネタとしてプレイヤー同士の了承を得た上で対人戦((先述の通り、武器の攻撃ではダメージを受けないので、爆弾を使うか「吹き飛ばされたら負け」などのルールを敷く必要がある。))を行うプレイヤーはいるが、特にこの仕様はこれと言ったメリットが皆無なため、ゲーム的に見るとただのストレス要素となっている。 ---この仕様は後のシリーズでも長い間続いており、ある種の駆け引きとして機能していた面もあるが、『MHW』にてようやく見直しが入る事となる。 //---この仕様は後のシリーズでも長い間続いていており、ある種の駆け引きとして機能していた面もあるが、『MHW』にてようやく見直しが入り、採取・剥ぎ取り時に爆弾も含めた味方の攻撃によるリアクションを取らない仕様になった。武器のアクションでもフレンドリーファイアの頻度は減少されるよう調整されている。 //---更に『MHRise』では一部の武器のアクションにフレンドリーファイアの有無をオプションで変更できるようになった。 //続編での改善については冗長化を避ける為簡潔にします。 -カメラワークの悪さ --壁際に追い込まれた際、壁が透過状態になるのではなく、ハンターを頭頂から見たカメラアングルに勝手に切り替わる。敵が視認しづらくなるため、これが原因でやられることも多かった。 --以降の作品でもあまり改善されないが、フィールド自体の工夫によって対処する傾向が見られる((エリア端にはカメラの回り込めない壁をなるべく作らず、障害物や水辺によって進行不可能とするなど。))。根本的な改善は『[[MH3>モンスターハンター3]]』を待たねばならない。 //--これは「カメラが俯瞰視点のまま壁を透過する技術」をコナミが特許として保有していた影響のためとされる。~ //2016年5月15日をもって期間満了となったため、『MHW』にて上述した透過技術がようやく取り入れられた。 //カメラワークの特許に関して根拠がないためco -モンスターの攻撃 --大型モンスターはもちろん、小型の草食種モンスターや甲虫種モンスターさえも、いざハンターを見つけると優先して襲ってくるため、"弱肉強食”の世界観に水を差してしまっている。 ---アイルーは手を出さない限り何もしないが、何らかの攻撃を受けると(それがモンスターのものであっても)プレイヤーを敵と認識する。 ---飛竜の風圧ですら攻撃と見なされて戦闘態勢に入り、タル爆弾を抱えてプレイヤーに突撃してくる。 ---戦闘が始まると逃げるのは「アプトノス」「ケルビ」のみ。他のあらゆる生物は、たとえ捕食者(天敵)である飛竜が目の前にいてもハンターを執拗に攻撃する。 ---一応、モンスター同士にも攻撃の当たり判定があるが、そのダメージはごく小さく設定されている。小型モンスターでも飛竜の突進を何発も耐え、同士討ちを狙う事は困難であった。 ---一部の大型モンスターの攻撃には理不尽な当たり判定が存在する。例を上げると動作時にモンスターの部位に当たってないのに何故かダメージとリアクションを取る仕様になっている。 ---これらのモーションを使った謎の攻撃をプレイヤー達の間では揶揄も含めて「亜空間タックル」と呼ばれた。この問題点はシリーズを重ねる毎に改善されることとなる。 --これらの仕様も生態表現に磨きの掛かった『MHW』にて見直されることとなった。 -剥ぎ取り時の問題 --フィールド内のエリア移動ではロードが入るが、モンスターによっては討伐時による攻撃でエリアの境目の向こう側に吹っ飛んでしまい、そこまで剥ぎ取りをしに行こうとすると当然ロードが入って別のエリアに飛んでしまうため、素材を剥ぎ取れなくなる。尻尾切断でも同様のことが起こる場合がある。 ---フィールドによっては水や溶岩の中など、プレイヤーがどうやっても入ることのできない場所でモンスターが力尽きてしまい、素材が剥ぎ取れないこともあった。プレイヤーはこの現象を「池ポチャ」と呼んでいた。 --作品を経る毎にこの問題は改善されていき、『MHW』ではフィールドがシームレスになり、エリア移動時にロードが発生する事が無くなったためこの問題は解消された。 -アイテムボックスの容量が少ない --無印では1ページ(100枠)しかアイテムを保存できない。さらに1枠あたりのスタック数は手持ちと同様。~ 「薬草」なら10個、「秘薬」なら2個で1枠を占領するといった具合である。~ 装備品に至っては武器と防具を合わせて64個しか持つことができない。 ---モンスター素材は一通り保管し、回復アイテムは常に一定量のストックを…というプレイをすると村クエストの中盤でパンクする。 --攻略情報を見ない限りアイテムの用途や希少性がよくわからないので、何を残すべきかという判断が非常に難しい。 --『MHG』では装備品も1ページ100個となり、アイテム共々「収納上手の書」により3ページまで増やせるが、アイテム数はさらに増えているので厳しいことには変わりない。 --Wii版『MHG』では追加アイテムが無いのにデフォルトの所持数が2ページ分増やされ、全アイテムが99個ずつスタック可能になった。 ---そこまで緩和しても適正だと判断されたということから、元々の所持数制限がいかに厳しかったかがわかるであろう。 ---- **総評 本作は元々カプコン社内でも大きな期待は寄せられておらず、「実験作」のような扱いであった。~ しかし往年のカプコンACTさながらに「突き放し」といわんばかりのストイックなゲーム性とシビアな難易度、その中で見上げるような巨大なモンスターを倒した時の達成感といった要素がユーザーに評価され、口コミで広まり、ジワ売れの結果累計20万本という新規IPの中では異例のヒット作となった。~ ゲーム雑誌等でも取り扱われるようになり、『モンスターハンターG』が発売されるきっかけとなった。 ---- **余談 -仲間と協力して大きなモンスターを倒す、クエスト制と言った要素は本作のPSP移植版『[[モンスターハンターポータブル]]』の系列でブームを巻き起こし、『[[GOD EATER]]』『[[怪獣バスターズ]]』『[[討鬼伝]]』など多くのフォロワーを産み出した。 -よく『[[ファンタシースターオンライン]]』シリーズと比べられる事があるが、そもそもモンハン開発者は&bold(){「初代PSOを参考にしました」}と公言している。いうなれば本作もPSOのフォロワーでもあるのだ。~ その後もPSOシリーズはSF要素を強めにし、豊富なキャラクリによるアバター制の重視。HMシリーズは原始的な要素を強めにし、骨太なアクションで大型ボスを狩る要素の楽しさをフューチャーするなど、それぞれ違う方向に進化を続けていった。~ これを知らずに安易に「PSOはモンハンのパクリ」などと言う事は、無知をひけらかす事と同意なので注意されたし。 -サミーから2012年にロデオからパチスロ化、2014年にサミーからパチンコ化された。 //パチンコ、パチスロは当Wikiでは執筆禁止作品です。発売されたという事実のみを書くことは認められますが、執筆禁止作品の評価や詳述はお控えください。 ---- *モンスターハンターG 【もんすたーはんたー じー】 |ジャンル|ハンティングアクション|CENTER:&amazon(B001PR14GQ)&amazon(B001OI2424)| |対応機種|プレイステーション2&br;Wii|~| |メディア|【PS2】DVD-ROM 1枚&br;【Wii】12cm光ディスク|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|【PS2】2005年1月20日&br;【Wii】2009年4月23日|~| |定価(税込)|【PS2】7,140円&br;【Wii】3,990円&br;【Wii スターターパック((オリジナルデザインのクラシックこんとが同梱。))】5,240円|~| |プレイ人数|1人(オンライン接続は1人~4人)|~| |レーティング|【PS2】CERO:15歳以上対象&br;【Wii】CERO:C(15歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|暴力|~| |周辺機器|【PS2/Wii】USBキーボード&オンライン対応&br;【Wii】クラシックコントローラ専用|~| |廉価版|【PS2】PlayStation2 the Best&br; 2007年10月11日/2,090円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- **概要(G) 元々は前作を「廉価版」として再販する予定だったが、好評を受けて大幅な追加要素をプラスした新作として本作が発売された。~ 前作のセーブデータはコンバート可能。一部アイテムやクエストクリア情報は失われるが、装備品はそのまま引き継げる。~ ゲームバランスの調整、新武器種「双剣」の追加、亜種モンスターの登場など、多数の追加要素がある。 ---- **追加要素 ***PS2版 -「訓練所」の追加 --与えられたアイテムと装備でモンスターに挑む、腕試し的な要素。後のシリーズ作でも定番となった。 -新規モンスターの追加 --多くのモンスターに色違いの個体が登場した。後に「亜種」と呼称されるようになり、これまた後のシリーズ作の定番となった。 --ただし、今作では出現条件が厳しい(後述のサイズ更新を行い金冠をつける必要がある。リオレウス・リオレイア・モノブロスはオフラインでも銀冠をつければ出現する)。 ---おまけに、リオレウス・リオレイアは専用のクエストが存在する((レウスとレイアは「希少種」も出現するが、出すにはすべてのモンスターに金冠をつける必要があるのに加え、レウスとレイアの亜種も倒す必要がある。))が、それ以外のクエストはランダム出現の上に通常のクエストと入れ替わりで出現し、クエスト名や説明文が同じで区別が付かない((初回出現時に関してはクリアマークの有無で区別できる。クリアしたはずのクエストが未クリア状態になっていたら必ず色違いが出てくる。))。 ---『MHP』やWii版については、クエスト名や報酬金の違いで別のクエストだと区別できるようになった。 -新武器「双剣」の追加 --左右の手それぞれに剣を持つ。ガードはできずリーチも短いが、手数で攻めるタイプの武器。~ スタミナ減少のリスクと引き換えにパワーアップする「鬼人化」が可能で、その状態でのみ使える「鬼人乱舞」は特に強力。 -スキルシステムの変更 --前作では特定の防具を組み合わせることでのみスキルが発動したが、本作からは全ての防具に「スキルポイント」が設定され、系統ごとにポイントの合計が一定値を越えることで発動するようになった。 --これにより、スキル組み合わせのバリエーションが飛躍的に上昇。さまざまなスタイルの狩りが可能になった。 --「耳栓」「斬れ味レベル+1」など今では定番のスキルも、初登場は本作である。 -モンスターサイズの導入 --大型モンスターは戦うたびに「身体のサイズ」が異なるようになった。記録として残るため、これを更新するのも楽しみの一つである。 --一定以上のサイズを倒すと数値の横に銀や金の冠がつく((『MHG』では一部を除いてオンラインでしか金冠サイズの大きい個体は出なかった。))のも名誉であり楽しみであり、シリーズの定番となった。 ---『MHG』では最大サイズのみ記録されていたが、『MH2』からは「最小サイズ」も記録されるようになった。 -「G級クエスト」の追加 --上位クエストよりも更に高難度のクエスト。このクエストでないと手に入らないアイテムも存在する。 ***Wii版 -PS2版の追加要素に加え、『[[MHP2G>モンスターハンターポータブル 2nd G]]』までの基本機能の多くを追加。 --報酬を直接アイテムボックスに送れる、アイテムボックス内で調合可能など、アイテム周りが格段に便利になっている。 --大剣の溜め斬り、片手剣の武器出し中のアイテム使用といった後発の要素が逆輸入されている。 --原種と亜種はそれぞれ独立した別々のクエストに出るようになっている。 ---- **評価点(G) -前作『MH(無印)』の問題点の改善 --クエスト内容の調整。リオレイアやガノトトスなどの討伐クエストが追加され、素材集めや狩猟数稼ぎがより楽になった。 --ゲームバランスの調整。武器性能やモンスターの能力などに修正が加えられた。特に無印で猛威を振るった属性ダメージに関しては、武器の面でもモンスターの耐性の面でも大幅に弱体化された。 --調合システムの改善、店売りアイテムの増加、スキルによるサポート等により一部の武器の実用性が増した。 ---例えば『MH(無印)』ではネタ武器同然だった「老山龍砲」は、扱いづらいものの強力な武器という位置づけになった。 --ハンマーの強化。一部のタメ攻撃後の隙をタメでキャンセルする機能が備わり、連続攻撃のフィニッシュが大幅に強化され((いわゆる「縦3」だが、無印では「縦3」が「縦2」と同じだった。))、多少大剣との差別化が図られた。 --毒の仕様変更。毒のダメージ量はそのままに効果時間のリセットは無くなったので大幅に弱くなった。 ---その埋め合わせかどうかはわからないが、本作より登場した亜種モンスターは全体的に毒の効果ダメージが大きめになっている。 -やり込み要素の強化 --G級クエスト、訓練所、亜種などの追加要素によりボリュームが大幅にアップ。やり応えが更に増した。 ---- **賛否両論点(G) -全体的にスキルの重要度が増えたために、スキル最優先で装備を組むことが増えた。前作では関連部位以外の防具はスキルに影響しなかったが、本作からは全ての防具がスキルに影響する。 --結果として戦略性は増したが、見た目とスキルの両立は困難になり、好きな装備で狩る事という事が難しくなってしまった。 ---この傾向はシリーズが進むごとに顕著になり、「必須スキル(付いている事が前提として語られるスキル)」という概念まで生み出されてしまった。 //-一部のスキルは非常に強力。例えば「斬れ味レベル+1」というスキルは、武器の斬れ味を1段階伸ばして剣士の攻撃力と継戦能力を同時に高めることができる。後のシリーズにおいても剣士にとってはほぼ必須スキルとなる。 --マイセット機能が存在しないため、必要に応じて装備品を1つずつ付け替える必要がある。そのたびにローディングが発生するのでテンポが悪い。 ---- **問題点(G) -双剣の調整不足 --シリーズの中では比較的武器間のバランスが取れているほうだが、新武器である双剣にやや問題がある。 --手数は多いものの一撃あたりのダメージは片手剣以下で、斬れ味の消費も激しい。スタミナと引き替えに強化する「鬼人化」も可能だが、アイテムのストックの都合で以降の作品よりも多用はしにくい。つまり基本的には使い勝手がかなり悪い武器である。 --一方で手数の割に異様に属性値の高い武器が存在し、ダメージや状態異常の効率で頭一つ抜けた存在となっている。~ 続編でも一部の双剣によるバランスブレイカーは以降も半ば野放し状態となっていた。特に「封龍剣【超絶一門】」については龍属性が有効な相手に対して一強となっていた例も多い。 ---「封龍剣【超絶一門】」は、基本攻撃力が低く属性攻撃力が高いピーキーな性能ながら、双剣特有の圧倒的手数によって、それを補って余りある威力を誇る。 ---「双鉄扇【ガバス】」は非常に高い睡眠属性を持つ。特に、落とし穴に落とした状態で眠らせると拘束時間がリセットされる仕様だったのでハメ戦術が横行していた。 -ランス最強時代 --無印の時点でもランスは特に欠点のない武器だったが、攻撃後の隙をステップでキャンセルできるようになって手数が上昇。さらに強化された。 --武器自体の性能によりおおむねバランスはとれていたものの、最強の物理攻撃力に加えて高い属性値をも併せ持つ「黒滅龍槍」によるハメ殺しが横行した。 -訓練所の解放条件 --モンスターごとに、一定数を討伐するごとに武器種別のクエストが解禁されていく仕組みだが、モンスターによっては最大で''20頭''も討伐しないと全ての武器種が解禁されない。 --特にオフライン専門の場合、既に必要な素材が溜まりきっているにもかかわらず、解禁のためだけに狩り続けるような状況が発生する。 ---''訓練を含む全てのオフラインクエストをクリアすることが出現条件のクエスト''が存在する(いわゆる村最終)。完全クリアを目指す場合、クエスト自体の難易度よりも解放がネックになりがち。 --次回作以降は基本的に全ての武器種の訓練が同時に開放されるようになったが、本作のWii移植版では修正されていない。 //本作以降の問題点は各作品のページに載せればいいのでは? ---- **総評(G) ゲームモードやモンスターのバリエーション追加、新武器種やスキルシステムの刷新といった新要素によって、~ 1作目のゲーム性を損ねることなく、システム面でも設定面でも大きな広がりを見せることに成功した。~ 本作が単なる廉価版に留まらなかったことで、後のシリーズ展開の基礎を作り上げたと言える。 //シリーズページへ移動

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