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*第2次スーパーロボット大戦OG 【だいにじ すーぱーろぼっとたいせん おーじー】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B0053WOXYO)| |対応機種|プレイステーション3|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|トーセ|~| |発売日|2012年11月29日|~| |定価|8,379円&br()COMPLETE BD BOX((TVアニメ『スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター』全26話収録のBD-BOX同梱。)):41,790円&br()LaLaBitMarket限定版((コトブキヤ製『量産型ゲシュペンストMk-II改(カチーナ機)』のプラモデル同梱。)):12,800円(全て税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズ]]''| |>|>|CENTER:&color(blue){OGシリーズ}:[[OG1>スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION]] / [[OG2>スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION2]] / [[OGs>スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS]] / [[OG外伝>スーパーロボット大戦OG外伝]] / &color(black){''第2次OG''}/[[OGDP>スーパーロボット大戦OG ダークプリズン]]/ [[OGMD>スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ]]| #contents(fromhere) ---- **概要 OGシリーズ第5弾。熱望されていたPS3初のスーパーロボット大戦。~ HD作品としては既に『XO』が存在しているが、これは新作ではなく『GC』の移植なので、純粋な意味でのHD作品は本作が初となる。~ 『OG3』ではなく『第2次OG』なのは、『OG1』と『OG2』のリメイク+αである『[[OGs>スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS]]』を「第1次」としたため。 前作『OG外伝』にて参戦し前日談が語られた『[[スーパーロボット大戦MX]]』勢が本格的に参戦する他、『リアルロボットレジメント』『[[第2次スーパーロボット大戦α]]』『[[スーパーロボット大戦D]]』、連載誌の休刊により未完となった漫画作品『超機人 龍虎王伝奇((本作発売後、ムックにて連載が再開。))』『第2次スーパーロボット大戦α ロスト・チルドレン』の機体とキャラクターが参戦。~ 特に『ロスト・チルドレン』はわずか2話で終了となり、単行本も発売されていない知る人ぞ知る作品だったため参戦に驚いたファンは多かった。~ さらに、PV第4弾にて多数のファンが待望していた『スーパーロボット大戦EX』のストーリーが内包される事も明かされた。これにより、魔装機神シリーズとOGシリーズとの繋がりが明確になった。((当然といえば当然だが、本作にISSは導入されていない。)) また、『OG2』の映像作品である『スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター』、漫画版『OGクロニクル』からも各要素が取り入れられている((新キャラのアヅキ・サワやアッシュの素となった機体「エクスバイン」はアニメ版が初出。他にはフェアリオン搭乗時のラトゥーニのパイロットスーツやテツヤの軍帽、ソウルゲインの玄武金剛弾などが取り入れられている。『OGクロニクル』からはプレイヤー部隊の協力者としてルスラン・マカロフが登場している。ちなみに『OGクロニクル』からの逆輸入は『OGs』『OG外伝』にもあった。))。~ ちなみに、時系列は『[[Another Century's Episode:R]]』と『[[無限のフロンティア EXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ]]』の後であり、会話でこれらの出来事が触れられている。 ---- **特徴・新システム -2Dスパロボとしては初のHD作品であり、戦闘アニメでの機体グラフィックがHD化されもはやCGと言っても遜色のないレベルとなった。 --また、背景は3Dグラフィックとなっている。「機体は2Dで背景は3D」という組み合わせは実は『64』以来となる仕様。 -基本的なシステムは前作までと同様だが、バランス面は大幅に調整されている。 --「アタッカー」「SP回復」など前作までの鉄板技能が先天スキルとなり養成による取得が不可能となった他、専用の精神コマンドだけが用意されていた「ツイン精神コマンド」に通常の精神コマンドも含まれるようになった。キャラごとに使用できる精神コマンドもツイン含めて6つになっている。 --ユニット・武器の地形適応の査定がそれまでのシリーズに比べて厳しめになっている。空・陸のうち片方が適応Bというユニットが本作では多い。ゲシュペンストMk.II改など、飛べるからと言ってうっかり飛ばすと撃墜されやすくなる。 --機体の専用武器は前作までの個別改造から一括改造に変更。換装武器は従来通り個別式。 -ツインバトルシステムは合流が気力関係無しに出来る・出撃前に編成が可能となるなど、より小隊システムらしくなった。 --一方で、戦闘中でも気軽に解散・合流が出来るなど使い勝手はこれまでとほとんど変わらない。 -アビリティスロットシステム --機体・パイロットに各3スロット用意されており、同じアビリティを3つ貼り付ける事により、その効果を得られるようになるというもの。要は強化パーツやスキルの別枠といえる。ただし、同一の効果は重複しない。 --また、ツインユニットを組むとそれぞれが装備したアビリティが共有される。ちなみに、ツインユニットを組んだ際に3つになっていればアビリティが発動する(まず間違いなく一人に同じもの3つをセットするので意味はあまりないが)。 --効果自体はバラエティに富んでいるのだが、分散して付ける意味がないため、着脱に手間がかかる。 //多分書いた人はこういう事が言いたかったんだと思うので、わかりやすく書き直してみた。ハートのかけらは持ってるだけで効果があるので、そこが違うと思われ。 //特に問題とまで言うほどの事でもないので、統合しました。 -マキシマムブレイク --気力140以上かつ特殊スキル「統率」を持っているキャラのみが使用可能。戦闘中に条件を満たすと選択でき、隣接したユニットと一斉攻撃((支援武器で一斉射撃→参加機体全てが攻撃、の流れ))することが可能。 --参加する際は「F」マークが入った武器を専用・換装問わず装備している必要がある。また、「統率」は先天スキルなので発動させられるキャラは限られている。さらに発動すると発動側のユニットの気力が10ダウンしてしまう。 ---使用条件が厳しい分威力は凄まじく、撤退ボスを撃墜するための切り札として多用されている。やり方次第では''合体攻撃を4発叩き込む''なんて事も可能。 -ゲームスタート時、過去作のダイジェストを見る事が可能。そのため前作をプレイしていなくても話が追える。 --また『[[第3次α>第3次スーパーロボット大戦α -終焉の銀河へ-]]』以来となるガイダンスシナリオも搭載しており、ダイジェストと合わせて本作でスパロボに初めて触れる人でも安心。 --無論本気で話を追うなら前作をプレイするのが一番なのだが。 -当然、トロフィーにも対応している。 --中には''アイビスが宇宙マップで撃墜「される」と手に入る「流星、夜を切り裂いて」''というネタ性の高い物も((しかもこのトロフィーは最初から条件が開示されている。))。ちなみに、宇宙ステージであろうと陸地マス上で撃墜されると取得できない(1ステージだけ、そういう場所がある)。 --キャラ指定があるものの中には、キョウスケやカイのほか、作中で影が薄い扱いの''ラッセル''も条件に入っている。しかも、ラッセルは隠し武器の条件にすらなっている。 -難易度はノーマルとハードの2種類。イージーは今作では存在しない。クリア後にEX-HARDモードが選択可能になる。 --ノーマルの場合は従来のスパロボに近い部類に入る。雑魚敵の耐久力は序盤は高めだが、強力なユニットが揃うにつれて容易に撃破できるようになり、味方が受けるダメージは小さく、状態異常になる事も多くない。((『第2次Z』の次元獣とはまさに対極的。))終盤になるとさすがにボスクラスの敵からうける追加効果こそ厄介だが、受けるダメージはそれほど高くない。 --一方でEX-HARDモードは、従来作の「武器改造不可、パイロット養成に必要なPP2倍」という仕様が「''機体・武器改造不可、パイロット養成不可''」に強化されており、まさに「EX-HARD」の名に恥じないものとなっている。SRポイント全取得を狙った場合の難易度は歴代スパロボでも最高クラスといえる(クリアするだけならさほどでもないが)。 ---- **評価点 -HDだけあって、戦闘アニメはもはや常軌を逸した完成度。演出もカメラワークも超ド派手で圧巻の一言。 --当然、アニメの再生時間も相応に長くなってはいるが、「基本は短く、必殺技は長く」なので冗長というわけではない。もちろんカット・早送りも可能。 --『D』では不評だったジェアン・シュヴァリアーやデア・ブランシュネージュ((『D』の後期主人公機。両方共「マンボウ」と揶揄されるデザインであり、戦闘アニメはあまり動かず「強化前のほうが良かった」と言われていた。))は機体の特徴を生かしたアニメーションが描かれ、多くのファンを魅了した。ちなみに、合体機構が謎とされていたフォルテギガスがどうなっているか判明した((合体攻撃ならぬ分離攻撃が追加され、その際の演出から逆算できる。))。 ---余談だが、ジェアン・シュヴァリアーの最強武器''クロー''アンカーバーストは攻撃の流れが某[[呆れるほどに有効な戦術>第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇/再世篇]]に酷似しているため、比較動画が作られるなどネタとして話題に上がることが多い。 --キャラ・機体のカットインも大幅進化しており、頻繁に挿入される上にぬるぬる動く。ヴァイサーガの「奥義・光刃閃」に至っては3頭身グラより8頭身カットインの方が多い。 ---ファービュラリスの最強武器コンゲラティオーのトドメ演出は必見レベルの美しさ。ロイヤルハートブレイカーやくるみ割り人形も''別の意味で''必見。 ---前作ではアングルの画一性から不評だったコクピットカットインも専用機・特定パイロット専用武装であることを逆手にとったキャラ固有の演出が使われており、評価は高い。 --また、インターミッション会話の一部にも、機体移動中アニメ等が挟まれている。 -恒例のサプライズ要素 --『[[第4次>第4次スーパーロボット大戦]]』『[[F/F完結編>スーパーロボット大戦F]]』の敵勢力だった「ゲスト」勢が満を持して登場。存在自体は以前から仄めかされていたものの、事前告知が全くなかったためユーザーを大喜びさせた。第4次で恐れられたライグ・ゲイオスなど量産機の性能は多少は落ち着いているが十分脅威となっている。 --また、同作における「ティターンズ」に該当する体制側の敵対組織も「ガイアセイバーズ」という名前で参戦している。 ---出典は『[[スーパーヒーロー作戦]]』からであり、間接的ではあるが同作の要素も反映されている((ちなみに会話で「ヒーロー戦記最大の作戦」という小ネタがある。この小ネタのもう一つの要素は『[[ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦]]』、もっともそれは『スーパーヒーロー作戦』の原型であるので不思議な事ではない。))。余談だが、彼らの乗る戦艦のカラーリングはどこぞの光の巨人を髣髴とさせる。 --『第3次α』からトウマやミナキ、雷鳳も本格参戦。同作の一部展開が前倒しされる事となった他、『第3次α』では名前のみの登場だった雷鳳の開発者カオル・トオミネ博士も姿が明かされた。また、雷凰の原型となるDGG3号機「ジンライ」が今作でお目見え。その強烈なインパクトは『第3次α』のファンはもとより原作を知らぬプレイヤーをも大いに沸かせた。 --更に知る人ぞ知るロボ「エターナルバンチョー((ファミ通攻略記事用にスタッフが没ロボットの中から蔵出ししたオリジナルロボ。『OG外伝』のシャッフルバトラーにもこっそり参戦している。))」が「Gバンカラン」と名を変えて参戦。パイロットのミチルは『ムゲフロEX』の特典ドラマCDにてチラリと存在が触れられているため、実に数年越しの伏線解消となった。 --外伝の時点でストーリーを消化し切った上に時流エンジンが解体されることが決定した『R』のエクサランスだが、ある意味''真の姿''となって参戦することになった。スペックも前線向きではないが悪いわけでもない。 -本作から登場するキャラクター、機体も多数登場する。 --ガイアセイバーズだけでも司令アルテウル・シュタインベックや、アウテウルの直属の部下であるアーマラ・バートン、アラド達と同じスクール出身者でライバルとなるアルジャンクラスと多くのキャラが登場。 ---地球連邦軍の首脳陣も登場。アニメやゲームでありがちな無能な上層部ではなく、地球の置かれた状況を理解し主人公達の部隊「鋼龍部隊」を影ながら支えてくれている。 --機体の方はバラル関連からこれまでは設定だけだった雀武王と武雀王が登場する。またバラル関連のメカは八房龍之助氏と富士原昌幸氏がデザインしている。~ オリジナル超機人の饕餮王と窮奇王が登場。窮奇王がスマートなデザインであるのに対し饕餮王は非常に気持ち悪いデザインとなっているため誰が描いたすぐにわかる。 --そしてアーマラの搭乗する機体、ガリルナガンはある事をした為に非常に注目される事になる。詳しくは後述。 -BGMも質・量と共に非常に好評。味方パイロット一人一人に専用の曲がある状態で(中には一人につき複数ある場合も)戦闘BGMの総数が非常に多い。 --新規ではイングの後期BGM「LOST CHILDREN」やグラキエースのBGM「Destine」が特に人気が高い。厳密には新規ではないが、本作で一躍脚光を浴びたアリエイルのBGM「フリッケライ・ガイスト」も人気が高い。 --『D』のBGMは携帯機から据え置き機に移植されるにあたってアレンジされたが、もともと評価の高かった原曲の雰囲気を残しつつより魅力を引き立てるアレンジがなされており非常に高評価。 --マップBGMも過去作に使われたものを存分に使っている。今作の舞台となる『EX』、『第四次』、『F』、『MX』のものは勿論、それ以外のものも使われている。初代スパロボの曲も使われており、知る人にとってはサプライズであろう。『第3次』の宇宙マップBGM、旧シリーズのタイトルBGM「時を超えて」がアレンジされて使用されるなど古参ファンを意識した要素も強い。 --DC版『α』以来のボーカル入り曲として「VICTORY」「SKILL」などを収録し、終盤のあるマップでBGMとして流れる。その代わりオーケストラアレンジは未収録となった。前作までにオーケストラアレンジが収録された曲についても一部を除きボーカル入り曲が追加されており、ゲームクリア後に選択可能となる。こちらはオーケストラアレンジも引き続き収録されている。 --続投組と『MX』組は前作および原曲が流用されている。アレンジを期待したプレイヤーからするとやや寂しいが、現在でも十分通用するクオリティのBGMだったともいえる。PS3なだけあって音質も大変良い。 --敵側のBGMも勿論ハイクオリティ。本作で「Despair」と名付けられた「''完璧親父の曲''」ことペルフェクティオ専用BGMも相変わらずの神曲。 --とある敵ユニット専用BGMは「''ULTRA ONE''(ウルトラ''ワ''ン)」((誰がどう聞いてもM78星雲から来た親切な異星人の名前のもじりにしかなっていない。そのキャラの初登場作品であるスーパーヒーロー作戦をかけたネタと思われる。))というネタ全開な曲名でありながら、曲そのものはそのユニットの立ち位置に相応しい荘厳で禍々しい曲調となっている。 -キャラクターたちの掛け合いも全体的に好評。 --テュッティにより紅茶に砂糖を何杯も入れられて唖然とするユウキとその紅茶を平然と飲み干すアイビス、影が薄いもの同士仲良くなるラッセルとゲンナジー、ファン待望の分の悪い賭け対決を中断メッセージで披露してくれたキョウスケとジョッシュ、明らかに『無限のフロンティア』のアシェンの事を言っているアルフィミィ、トウマのコーチとして指導するアクセルなど。 -設定上アルトアイゼンの部品を流用しているフリッケライ・ガイストにはアルトアイゼン・リーゼとの合体技「E.D.N.」が用意されているなど、設定面でのクロスも多数。 --ちなみにこの「E.D.N.」、ヴァイスリッターとの合体攻撃である「ランページ・ゴースト」よりも高威力((一応補完しておくと、数値上はE.D.N.が上だが、キョウスケとエクセレンを隣接させるかツインを組めば信頼補正が掛かるため、ランページの方が最終ダメージは上回る。))・低燃費で非常に使い勝手が良く「''E(エクセレン).D(旦那).N(寝取られた).''」「''浮気ウルフ''」などとネタにされている。 -ユーザーインターフェースも更に向上。ライブラリのキャラ・メカ辞典が種類順とあいうえお順に選択可能になり、またメッセージオートモードの速度調整、更に文字数に合わせて速度が変動する等、細かいところまで配慮されている。 --バランスの見直しや戦闘時のロードが非常に速くなった事により、プレイテンポも向上している。 -原作を補完する形で展開されるストーリーも、それぞれの原作ファンから非常に好評。 --今作ではアニメ「ジ・インスペクター」の脚本を担当し好評を博した竹田裕一郎氏がライターとして参加。同アニメと同等以上のクオリティを発揮し、プレイヤーを唸らせた。 --『D』はリムが二重人格になった理由、メリオルエッセ誕生の経緯の詳細などが主な追加ポイント。『D』本編ではすぐに解決してしまう「地球消失」も、本作では中盤の展開に大きく影響を及ぼしている。 --『MX』は空気と言われていた主人公ヒューゴが大きく名誉挽回され、原作では幻のままで終わった「MODEL-X」が登場するなど、原作で描写が足りなかった部分を徹底的に補っている。 --『第2次α』では仲間フラグが立っていながらも非業の死を遂げることとなった「ククル」も、本作で晴れて自軍に参戦。短い参入期間ながらその能力は高く、多くのプレイヤーの溜飲を下げた。 --『リアルロボットレジメント』は、主人公のアリエイルが原作、OGファン共に納得の活躍を見せているが、敵役のドゥバンは原作と比べて微妙な扱い((原作ラストバトルの最終形態が存在せず、この作品においては死亡したという扱いになってしまっている。))であった。 ---原作でのキャラ付けは「最小限の干渉で最大限の結果を得る」という今作にも参戦している某キャラと丸被りの属性だったので、原作通りに活躍させられないのもやむなしではある。 ---同じような結末をたどったアーマラの生存が確認されたので、次回作以降での復活を期待する声は大きく、続編である『[[OGMD>スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ]]』で復活、および自軍への加入を果たしている((原作ラストバトルの最終形態も「エントリヒ・ガイスト」名義で参戦している。))。 -『OG外伝』、『魔装機神II』と不遇極まる性能だったシュウとグランゾンが名誉挽回を果たし強ユニットに調整された。EXハードではまさに切り札。 -ハードルートを通った場合のラスボスもある意味で予想外となっている。予想通りでもあるが。ちなみにパイロットの嗜好を反映するかのごとく胸元にあの物体らしきものがあったり、攻撃に所々盛大なネタが仕込まれていたりする。 ---- **問題点 -全63話だがテキスト総量は全50話の『OG2』より少し多い程度なので、全体的に会話が圧縮気味。 --前述した通り質こそいいものの、味方同士の交流シーンが控えめ。 --ラ・ギアス編の序盤はいくつかのテキストを原典から流用しているため、コンプリートボックス版『第2次』と同様に会話があっさり気味で、OG本編の流れから見れば中途半端かつ唐突な部分が見受けられる。ただし、CB版『第2次』と違って大幅に書き直している個所も多く、『魔装機神II』への布石なども張られていたりと、全てが流用となっているわけではない。 --戦闘台詞は充実しているのだが、技発動中やトドメ演出での特殊台詞がイベント戦(強制戦闘)にしかなく、戦闘前会話も終盤になるほど減少し、ラスボスクラスともなると因縁のあるキャラにしか戦闘前会話がなくなる。更に真のラスボスに至っては誰も会話がない。エンディングも従来作と比べてやや短め。 -「ヒュッケバイン」系列の機体が、一部((量産型ヒュッケバインmkIIと、新キャラである「イング」専用機であるアッシュ。なお、どちらも頭部が通常のヒュッケバインと異なる。特に量産型は、初出であるα外伝とOGシリーズでデザインが大きく違う。))を除いて使用不可能になっている。 --いわゆる「ヒュッケバイン問題((2006年頃からOGシリーズの各メディア展開(ゲームは除く)にてヒュッケバインが全く出なくなってしまったという出来事。詳細は各自検索))」の影響であるとされており、アニメなどはダメでもゲームならOKだと思っていたスパロボファンを絶望のどん底に叩き落とした。Mk-II、Mk-IIIのBGM「VANISHING TROOPER」「ACE ATTACKER」がある事や、没データとして各ヒュッケバインのHD画質に書き直したグラフィック(Mk-IIのみ本編で使用)や戦闘アニメーション(一部の武装は無し)も存在していたため、制作当初は登場させる予定だったものの、何かしらの事情により急遽使えなくなった事も推測出来る。 ---しかもヒュッケバインを使用出来なくするため、わざわざ破壊イベントがある。それを行ったのが「ガリルナガン」であり、ガリルナガンは「創通の使者」なる俗称を付けられることになった。 --この問題で一番割を食ったのはAMガンナーと、そのパイロットであるリオ。相方であるMk-IIIがいなくなってしまった=ヒュッケバイン・ガンナーになれないために存在意義がほぼ消失。アニメOGINではエクスバインと合体できた((ちなみに設定上はR-1やR-GUNとも合体可能で、コミック作品などで使用されたことはある。))が、そのエクスバインはアッシュに改造され、合体機能が消滅。単機での性能は2軍水準なのに、イベントでデフォパイロットのリオが強制乗換えさせられる。 --リョウトも乗機であるヒュッケバインMk-IIIを失ってしまった上、代わりとなる新規ユニットもないのでアーマリオンがデフォルトの乗機となる。ただし、それを考慮されてなのか、アーマリオンは前作よりかなり強化されている((機体性能が『OG外伝』のものよりも高く、また換装武器を持てるようになるなど強化されており、十分終盤まで通用する性能。)) ---二人とも念動力と高めのパイロット能力は健在なので、強制出撃時を除けば余った汎用機(ビルトラプター・シュナーベル、グルンガスト参式など)に乗り換える事で十分に活躍できる。 ---スピンオフ作品であるIBでは二機のエクスバインがロールアウトされており、リョウトとリオがそれぞれ搭乗している。また、DPにおいても新たにエクスバインが開発中であることが明かされている。 -「ALL攻撃」や「アタッカー」、「統率」など、一部に強すぎるとされる能力がある。 --アタッカーは本作より固有技能となったため、所持しているだけで強すぎると言われることもあった。そのため、倍率を下げる代わりに修得技能に戻してほしいという意見も見られた。 ---「統率」に関しては『OGMD』にて「MB発動」という修得技能に変化している。 --「ALL攻撃」に関しては、乗り換え可能なパイロットであれば問題はないが、パイロットが固定である場合はどうしようもない。 -海マップの多さ --本作での地上シナリオでは海マップが多く、強化パーツ着脱や部隊編成に時間を取られやすいという問題が発生している。 ---そろそろ強化パーツやツインユニットのセッティングシートが欲しいところ。 -前作からの続投曲の音質が悪い --前作からの続投曲は内蔵音源を書き出したものをストリーム用に収録しているが、音源の書き出し方が悪いのか音に立体性がなく、潰れた感じになってしまっている。これは次回作などでも見られる。 -ライブラリが少し寂しくなった。 --前作までにあったムービーの閲覧やシナリオチャートでのあらすじ閲覧が無くなっている。 --キャラクターやメカ辞典の記述も2ページ以上にわたっている物がある一方、1~3行のみしかない事も多く差が極端。クリアしても記述が増える事はない。 -ロボットの頭身に統一性がない。 --本作第2次OGから登場のロボットはスパロボZシリーズのような、小顔でかっこいいスタイルになっているが、前作外伝から続投のロボットは昔のままHDになっただけであり違和感がちょっとある。 --味方ではアッシュ(エグゼクスバイン)、サイバスター以外の魔装機神が該当。敵はほとんどが新キャラのためスタイリッシュ。 ---- **総評 ストーリー、アニメーション、BGMと、大事な部分は全て抑えられている良作。特に『D』、『MX』関連は原作以上に作りこまれており、多くのファンに勧められるような出来になっている。~ 難易度面のバランスやテンポも良くシステム面も正統進化した作品と言える。~ 前作のダイジェストや用語説明も入っているのでOGシリーズ未経験のプレイヤーも安心して入り込む事ができる。 ---- **余談 -今作でも過去作と同様に過去作から出演していた一部キャラのCVが変更されているが、その中でも『[[F>スーパーロボット大戦F]]』で初登場したゼブリーズ・フルシュワが大林隆介氏からチョー氏へ変更されている事は一部のファンの間でちょっとした話題となった。 --何故かというとこのキャラは見た目や性格、演じた大林氏まで『機動警察パトレイバー』のとあるキャラをモデルとしていたため。当時パトレイバーがスパロボ参戦を見越していた(翌年の『OE』で実際に参戦した)事も影響していると思われる。 --もっとも変更されたチョー氏も、普段の掴みどころのない振る舞いと本気になった際の真面目な演技の差がゼブにマッチしていたこともあり概ね好評である。 //変わっただけで一々書く事ではないのでは? //同意。そもそもロフやゼゼーナン、ユーゼスも変わってるし、EXから続投したキャラもその多くが変更されてる。前作でも何人か変更されてるし、今に始まったことじゃない。 //れっきとした理由があるのでco解除 -そのタイトルから、「GBAの『[[OG2>スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION2]]』と混同してしまう」というややこしい事態を生み出している。なお、公式の略称には『OG2nd』というものが付けられている他、ネット上では『第2次OG』『2OG』『OGs-2』と言う略称が使われる事が多い。 -元々は2011年9月29日に発売予定であったが、1年以上ずれ込んで2012年11月29日まで延期となった。スパロボシリーズ20周年記念プロジェクトの1タイトルとして発表されたのだが、結局アニバーサリーイヤー中に出す事は叶わなかった。 --後半になるほど減るテキスト、頭身の合っていないロボットなどの一部問題点を見るに、延期してなお作業がギリギリだった事が窺える。 ---ヒュッケバインの扱いを巡って製作途中にシナリオの変更を余儀なくされたという説もあり、制作サイドに相当の混乱が生じていたものと推測される。 -今作のサントラには新規BGMとMX組のBGM(とジ・インスペクターのサントラに未収録だった「Shouting Black」)が収録されている。 --ただし「情熱のプリンセス」だけは未収録となっている。この曲は『魔装機神II』で初登場のBGMであり、延期により『魔装機神II』との発売順が入れ替わったために、後から追加したBGMという可能性もある。 -魔装機神シリーズの最終章「[[スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END]]」には、本作で初参戦となった「アーマラ・バートン」が参戦。初参戦がOG本編のキャラが魔装機神シリーズに参戦するのは、彼女が初となる。 -2012年10月発売の『[[PROJECT X ZONE]]』にはスーパーロボット大戦シリーズのキャラクターとして、本作にも登場するゼンガー・ゾンボルトが参戦しているが、ゲーム本編中の台詞等からこのゼンガーは『第2次OG』の事件を経験しているとされている。だがこちらも、延期によって『PXZ』の方が先に発売している。
*第2次スーパーロボット大戦OG 【だいにじ すーぱーろぼっとたいせん おーじー】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B0053WOXYO)| |対応機種|プレイステーション3|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|トーセ|~| |発売日|2012年11月29日|~| |定価|8,379円&br()COMPLETE BD BOX((TVアニメ『スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター』全26話収録のBD-BOX同梱。)):41,790円&br()LaLaBitMarket限定版((コトブキヤ製『量産型ゲシュペンストMk-II改(カチーナ機)』のプラモデル同梱。)):12,800円(全て税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズ]]''| |>|>|CENTER:&color(blue){OGシリーズ}:[[OG1>スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION]] / [[OG2>スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION2]] / [[OGs>スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS]] / [[OG外伝>スーパーロボット大戦OG外伝]] / &color(black){''第2次OG''}/[[OGDP>スーパーロボット大戦OG ダークプリズン]]/ [[OGMD>スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ]]| #contents(fromhere) ---- **概要 OGシリーズ第5弾。熱望されていたPS3初のスーパーロボット大戦。~ HD作品としては既に『XO』が存在しているが、これは新作ではなく『GC』の移植なので、純粋な意味でのHD作品は本作が初となる。~ 『OG3』ではなく『第2次OG』なのは、『OG1』と『OG2』のリメイク+αである『[[OGs>スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS]]』を「第1次」としたため。 前作『OG外伝』にて参戦し前日談が語られた『[[スーパーロボット大戦MX]]』勢が本格的に参戦する他、『リアルロボットレジメント』『[[第2次スーパーロボット大戦α]]』『[[スーパーロボット大戦D]]』、連載誌の休刊により未完となった漫画作品『超機人 龍虎王伝奇((本作発売後、ムックにて連載が再開。))』『第2次スーパーロボット大戦α ロスト・チルドレン』の機体とキャラクターが参戦。~ 特に『ロスト・チルドレン』はわずか2話で終了となり、単行本も発売されていない知る人ぞ知る作品だったため参戦に驚いたファンは多かった。~ さらに、PV第4弾にて多数のファンが待望していた『スーパーロボット大戦EX』のストーリーが内包される事も明かされた。これにより、魔装機神シリーズとOGシリーズとの繋がりが明確になった。((当然といえば当然だが、本作にISSは導入されていない。)) また、『OG2』の映像作品である『スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター』、漫画版『OGクロニクル』からも各要素が取り入れられている((新キャラのアヅキ・サワやアッシュの素となった機体「エクスバイン」はアニメ版が初出。他にはフェアリオン搭乗時のラトゥーニのパイロットスーツやテツヤの軍帽、ソウルゲインの玄武金剛弾などが取り入れられている。『OGクロニクル』からはプレイヤー部隊の協力者としてルスラン・マカロフが登場している。ちなみに『OGクロニクル』からの逆輸入は『OGs』『OG外伝』にもあった。))。~ ちなみに、時系列は『[[Another Century's Episode:R]]』と『[[無限のフロンティア EXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ]]』の後であり、会話でこれらの出来事が触れられている。 ---- **特徴・新システム -2Dスパロボとしては初のHD作品であり、戦闘アニメでの機体グラフィックがHD化されもはやCGと言っても遜色のないレベルとなった。 --また、背景は3Dグラフィックとなっている。「機体は2Dで背景は3D」という組み合わせは実は『64』以来となる仕様。 -基本的なシステムは前作までと同様だが、バランス面は大幅に調整されている。 --「アタッカー」「SP回復」など前作までの鉄板技能が先天スキルとなり養成による取得が不可能となった他、専用の精神コマンドだけが用意されていた「ツイン精神コマンド」に通常の精神コマンドも含まれるようになった。キャラごとに使用できる精神コマンドもツイン含めて6つになっている。 --ユニット・武器の地形適応の査定がそれまでのシリーズに比べて厳しめになっている。空・陸のうち片方が適応Bというユニットが本作では多い。ゲシュペンストMk.II改など、飛べるからと言ってうっかり飛ばすと撃墜されやすくなる。 --機体の専用武器は前作までの個別改造から一括改造に変更。換装武器は従来通り個別式。 -ツインバトルシステムは合流が気力関係無しに出来る・出撃前に編成が可能となるなど、より小隊システムらしくなった。 --一方で、戦闘中でも気軽に解散・合流が出来るなど使い勝手はこれまでとほとんど変わらない。 -アビリティスロットシステム --機体・パイロットに各3スロット用意されており、同じアビリティを3つ貼り付ける事により、その効果を得られるようになるというもの。要は強化パーツやスキルの別枠といえる。ただし、同一の効果は重複しない。 --また、ツインユニットを組むとそれぞれが装備したアビリティが共有される。ちなみに、ツインユニットを組んだ際に3つになっていればアビリティが発動する(まず間違いなく一人に同じもの3つをセットするので意味はあまりないが)。 --効果自体はバラエティに富んでいるのだが、分散して付ける意味がないため、着脱に手間がかかる。 //多分書いた人はこういう事が言いたかったんだと思うので、わかりやすく書き直してみた。ハートのかけらは持ってるだけで効果があるので、そこが違うと思われ。 //特に問題とまで言うほどの事でもないので、統合しました。 -マキシマムブレイク --気力140以上かつ特殊スキル「統率」を持っているキャラのみが使用可能。戦闘中に条件を満たすと選択でき、隣接したユニットと一斉攻撃((支援武器で一斉射撃→参加機体全てが攻撃、の流れ))することが可能。 --参加する際は「F」マークが入った武器を専用・換装問わず装備している必要がある。また、「統率」は先天スキルなので発動させられるキャラは限られている。さらに発動すると発動側のユニットの気力が10ダウンしてしまう。 ---使用条件が厳しい分威力は凄まじく、撤退ボスを撃墜するための切り札として多用されている。やり方次第では''合体攻撃を4発叩き込む''なんて事も可能。 -ゲームスタート時、過去作のダイジェストを見る事が可能。そのため前作をプレイしていなくても話が追える。 --また『[[第3次α>第3次スーパーロボット大戦α -終焉の銀河へ-]]』以来となるガイダンスシナリオも搭載しており、ダイジェストと合わせて本作でスパロボに初めて触れる人でも安心。 --無論本気で話を追うなら前作をプレイするのが一番なのだが、なにぶんハードが異なるため致し方ない点である。 -当然、トロフィーにも対応している。 --中には''アイビスが宇宙マップで撃墜「される」と手に入る「流星、夜を切り裂いて」''というネタ性の高い物も((しかもこのトロフィーは最初から条件が開示されている。))。ちなみに、宇宙ステージであろうと陸地マス上で撃墜されると取得できない(1ステージだけ、そういう場所がある)。 --キャラ指定があるものの中には、キョウスケやカイのほか、作中で影が薄い扱いの''ラッセル''も条件に入っている。しかも、ラッセルは隠し武器の条件にすらなっている。 -難易度はノーマルとハードの2種類。イージーは今作では存在しない。クリア後にEX-HARDモードが選択可能になる。 --ノーマルの場合は従来のスパロボに近い部類に入る。雑魚敵の耐久力は序盤は高めだが、強力なユニットが揃うにつれて容易に撃破できるようになり、味方が受けるダメージは小さく、状態異常になる事も多くない。((『第2次Z』の次元獣とはまさに対極的。))終盤になるとさすがにボスクラスの敵からうける追加効果こそ厄介だが、受けるダメージはそれほど高くない。 --一方でEX-HARDモードは、従来作の「武器改造不可、パイロット養成に必要なPP2倍」という仕様が「''機体・武器改造不可、パイロット養成不可''」に強化されており、まさに「EX-HARD」の名に恥じないものとなっている。SRポイント全取得を狙った場合の難易度は歴代スパロボでも最高クラスといえる(クリアするだけならさほどでもないが)。 ---- **評価点 -HDだけあって、戦闘アニメはもはや常軌を逸した完成度。演出もカメラワークも超ド派手で圧巻の一言。 --当然、アニメの再生時間も相応に長くなってはいるが、「基本は短く、必殺技は長く」なので冗長というわけではない。もちろんカット・早送りも可能。 --『D』では不評だったジェアン・シュヴァリアーやデア・ブランシュネージュ((『D』の後期主人公機。両方共「マンボウ」と揶揄されるデザインであり、戦闘アニメはあまり動かず「強化前のほうが良かった」と言われていた。))は機体の特徴を生かしたアニメーションが描かれ、多くのファンを魅了した。ちなみに、合体機構が謎とされていたフォルテギガスがどうなっているか判明した((合体攻撃ならぬ分離攻撃が追加され、その際の演出から逆算できる。))。 ---余談だが、ジェアン・シュヴァリアーの最強武器''クロー''アンカーバーストは攻撃の流れが某[[呆れるほどに有効な戦術>第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇/再世篇]]に酷似しているため、比較動画が作られるなどネタとして話題に上がることが多い。 --キャラ・機体のカットインも大幅進化しており、頻繁に挿入される上にぬるぬる動く。ヴァイサーガの「奥義・光刃閃」に至っては3頭身グラより8頭身カットインの方が多い。 ---ファービュラリスの最強武器コンゲラティオーのトドメ演出は必見レベルの美しさ。ロイヤルハートブレイカーやくるみ割り人形も''別の意味で''必見。 ---前作ではアングルの画一性から不評だったコクピットカットインも専用機・特定パイロット専用武装であることを逆手にとったキャラ固有の演出が使われており、評価は高い。 --また、インターミッション会話の一部にも、機体移動中アニメ等が挟まれている。 -恒例のサプライズ要素 --『[[第4次>第4次スーパーロボット大戦]]』『[[F/F完結編>スーパーロボット大戦F]]』の敵勢力だった「ゲスト」勢が満を持して登場。存在自体は以前から仄めかされていたものの、事前告知が全くなかったためユーザーを大喜びさせた。第4次で恐れられたライグ・ゲイオスなど量産機の性能は多少は落ち着いているが十分脅威となっている。 --また、同作における「ティターンズ」に該当する体制側の敵対組織も「ガイアセイバーズ」という名前で参戦している。 ---出典は『[[スーパーヒーロー作戦]]』からであり、間接的ではあるが同作の要素も反映されている((ちなみに会話で「ヒーロー戦記最大の作戦」という小ネタがある。この小ネタのもう一つの要素は『[[ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦]]』、もっともそれは『スーパーヒーロー作戦』の原型であるので不思議な事ではない。))。余談だが、彼らの乗る戦艦のカラーリングはどこぞの光の巨人を髣髴とさせる。 --『第3次α』からトウマやミナキ、雷鳳も本格参戦。同作の一部展開が前倒しされる事となった他、『第3次α』では名前のみの登場だった雷鳳の開発者カオル・トオミネ博士も姿が明かされた。また、雷凰の原型となるDGG3号機「ジンライ」が今作でお目見え。その強烈なインパクトは『第3次α』のファンはもとより原作を知らぬプレイヤーをも大いに沸かせた。 --更に知る人ぞ知るロボ「エターナルバンチョー((ファミ通攻略記事用にスタッフが没ロボットの中から蔵出ししたオリジナルロボ。『OG外伝』のシャッフルバトラーにもこっそり参戦している。))」が「Gバンカラン」と名を変えて参戦。パイロットのミチルは『ムゲフロEX』の特典ドラマCDにてチラリと存在が触れられているため、実に数年越しの伏線解消となった。 --外伝の時点でストーリーを消化し切った上に時流エンジンが解体されることが決定した『R』のエクサランスだが、ある意味''真の姿''となって参戦することになった。スペックも前線向きではないが悪いわけでもない。 -本作から登場するキャラクター、機体も多数登場する。 --ガイアセイバーズだけでも司令アルテウル・シュタインベックや、アウテウルの直属の部下であるアーマラ・バートン、アラド達と同じスクール出身者でライバルとなるアルジャンクラスと多くのキャラが登場。 ---地球連邦軍の首脳陣も登場。アニメやゲームでありがちな無能な上層部ではなく、地球の置かれた状況を理解し主人公達の部隊「鋼龍部隊」を影ながら支えてくれている。 --機体の方はバラル関連からこれまでは設定だけだった雀武王と武雀王が登場する。またバラル関連のメカは八房龍之助氏と富士原昌幸氏がデザインしている。~ オリジナル超機人の饕餮王と窮奇王が登場。窮奇王がスマートなデザインであるのに対し饕餮王は非常に気持ち悪いデザインとなっているため誰が描いたすぐにわかる。 --そしてアーマラの搭乗する機体、ガリルナガンはある事をした為に非常に注目される事になる。詳しくは後述。 -BGMも質・量と共に非常に好評。味方パイロット一人一人に専用の曲がある状態で(中には一人につき複数ある場合も)戦闘BGMの総数が非常に多い。 --新規ではイングの後期BGM「LOST CHILDREN」やグラキエースのBGM「Destine」が特に人気が高い。厳密には新規ではないが、本作で一躍脚光を浴びたアリエイルのBGM「フリッケライ・ガイスト」も人気が高い。 --『D』のBGMは携帯機から据え置き機に移植されるにあたってアレンジされたが、もともと評価の高かった原曲の雰囲気を残しつつより魅力を引き立てるアレンジがなされており非常に高評価。 --マップBGMも過去作に使われたものを存分に使っている。今作の舞台となる『EX』、『第四次』、『F』、『MX』のものは勿論、それ以外のものも使われている。初代スパロボの曲も使われており、知る人にとってはサプライズであろう。『第3次』の宇宙マップBGM、旧シリーズのタイトルBGM「時を超えて」がアレンジされて使用されるなど古参ファンを意識した要素も強い。 --DC版『α』以来のボーカル入り曲として「VICTORY」「SKILL」などを収録し、終盤のあるマップでBGMとして流れる。その代わりオーケストラアレンジは未収録となった。前作までにオーケストラアレンジが収録された曲についても一部を除きボーカル入り曲が追加されており、ゲームクリア後に選択可能となる。こちらはオーケストラアレンジも引き続き収録されている。 --続投組と『MX』組は前作および原曲が流用されている。アレンジを期待したプレイヤーからするとやや寂しいが、現在でも十分通用するクオリティのBGMだったともいえる。PS3なだけあって音質も大変良い。 --敵側のBGMも勿論ハイクオリティ。本作で「Despair」と名付けられた「''完璧親父の曲''」ことペルフェクティオ専用BGMも相変わらずの神曲。 --とある敵ユニット専用BGMは「''ULTRA ONE''(ウルトラ''ワ''ン)」((誰がどう聞いてもM78星雲から来た親切な異星人の名前のもじりにしかなっていない。そのキャラの初登場作品であるスーパーヒーロー作戦をかけたネタと思われる。))というネタ全開な曲名でありながら、曲そのものはそのユニットの立ち位置に相応しい荘厳で禍々しい曲調となっている。 -キャラクターたちの掛け合いも全体的に好評。 --テュッティにより紅茶に砂糖を何杯も入れられて唖然とするユウキとその紅茶を平然と飲み干すアイビス、影が薄いもの同士仲良くなるラッセルとゲンナジー、ファン待望の分の悪い賭け対決を中断メッセージで披露してくれたキョウスケとジョッシュ、明らかに『無限のフロンティア』のアシェンの事を言っているアルフィミィ、トウマのコーチとして指導するアクセルなど。 -設定上アルトアイゼンの部品を流用しているフリッケライ・ガイストにはアルトアイゼン・リーゼとの合体技「E.D.N.」が用意されているなど、設定面でのクロスも多数。 --ちなみにこの「E.D.N.」、ヴァイスリッターとの合体攻撃である「ランページ・ゴースト」よりも高威力((一応補完しておくと、数値上はE.D.N.が上だが、キョウスケとエクセレンを隣接させるかツインを組めば信頼補正が掛かるため、ランページの方が最終ダメージは上回る。))・低燃費で非常に使い勝手が良く「''E(エクセレン).D(旦那).N(寝取られた).''」「''浮気ウルフ''」などとネタにされている。 -ユーザーインターフェースも更に向上。ライブラリのキャラ・メカ辞典が種類順とあいうえお順に選択可能になり、またメッセージオートモードの速度調整、更に文字数に合わせて速度が変動する等、細かいところまで配慮されている。 --バランスの見直しや戦闘時のロードが非常に速くなった事により、プレイテンポも向上している。 -原作を補完する形で展開されるストーリーも、それぞれの原作ファンから非常に好評。 --今作ではアニメ「ジ・インスペクター」の脚本を担当し好評を博した竹田裕一郎氏がライターとして参加。同アニメと同等以上のクオリティを発揮し、プレイヤーを唸らせた。 --『D』はリムが二重人格になった理由、メリオルエッセ誕生の経緯の詳細などが主な追加ポイント。『D』本編ではすぐに解決してしまう「地球消失」も、本作では中盤の展開に大きく影響を及ぼしている。 --『MX』は空気と言われていた主人公ヒューゴが大きく名誉挽回され、原作では幻のままで終わった「MODEL-X」が登場するなど、原作で描写が足りなかった部分を徹底的に補っている。 --『第2次α』では仲間フラグが立っていながらも非業の死を遂げることとなった「ククル」も、本作で晴れて自軍に参戦。短い参入期間ながらその能力は高く、多くのプレイヤーの溜飲を下げた。 --『リアルロボットレジメント』は、主人公のアリエイルが原作、OGファン共に納得の活躍を見せているが、敵役のドゥバンは原作と比べて微妙な扱い((原作ラストバトルの最終形態が存在せず、この作品においては死亡したという扱いになってしまっている。))であった。 ---原作でのキャラ付けは「最小限の干渉で最大限の結果を得る」という今作にも参戦している某キャラと丸被りの属性だったので、原作通りに活躍させられないのもやむなしではある。 ---同じような結末をたどったアーマラの生存が確認されたので、次回作以降での復活を期待する声は大きく、続編である『[[OGMD>スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ]]』で復活、および自軍への加入を果たしている((原作ラストバトルの最終形態も「エントリヒ・ガイスト」名義で参戦している。))。 -『OG外伝』、『魔装機神II』と不遇極まる性能だったシュウとグランゾンが名誉挽回を果たし強ユニットに調整された。EXハードではまさに切り札。 -ハードルートを通った場合のラスボスもある意味で予想外となっている。予想通りでもあるが、パイロットの嗜好を反映するかのごとく胸元にあの物体らしきものがあったり、攻撃に所々盛大なネタが仕込まれていたりと十分に個性を出している。 ---- **問題点 -全63話だがテキスト総量は全50話の『OG2』より少し多い程度なので、全体的に会話が圧縮気味。 --前述した通り質こそいいものの、味方同士の交流シーンが控えめ。 --ラ・ギアス編の序盤はいくつかのテキストを原典から流用しているため、コンプリートボックス版『第2次』と同様に会話があっさり気味で、OG本編の流れから見れば中途半端かつ唐突な部分が見受けられる。ただし、CB版『第2次』と違って大幅に書き直している個所も多く、『魔装機神II』への布石なども張られていたりと、全てが流用となっているわけではない。 --戦闘台詞は充実しているのだが、技発動中やトドメ演出での特殊台詞がイベント戦(強制戦闘)にしかなく、戦闘前会話も終盤になるほど減少し、ラスボスクラスともなると因縁のあるキャラにしか戦闘前会話がなくなる。更に真のラスボスに至っては誰も会話がない。エンディングも従来作と比べてやや短め。 -「ヒュッケバイン」系列の機体が、一部((量産型ヒュッケバインmkIIと、新キャラである「イング」専用機であるアッシュ。なお、どちらも頭部が通常のヒュッケバインと異なる。特に量産型は、初出であるα外伝とOGシリーズでデザインが大きく違う。))を除いて使用不可能になっている。 --いわゆる「ヒュッケバイン問題((2006年頃からOGシリーズの各メディア展開(ゲームは除く)にてヒュッケバインが全く出なくなってしまったという出来事。詳細は各自検索))」の影響であるとされており、アニメなどはダメでもゲームならOKだと思っていたスパロボファンを絶望のどん底に叩き落とした。Mk-II、Mk-IIIのBGM「VANISHING TROOPER」「ACE ATTACKER」がある事や、没データとして各ヒュッケバインのHD画質に書き直したグラフィック(Mk-IIのみ本編で使用)や戦闘アニメーション(一部の武装は無し)も存在していたため、制作当初は登場させる予定だったものの、何かしらの事情により急遽使えなくなった事も推測出来る。 ---しかもヒュッケバインを使用出来なくするため、わざわざ破壊イベントがある。それを行ったのが「ガリルナガン」であり、ガリルナガンは「創通の使者」なる俗称を付けられることになった。 --この問題で一番割を食ったのはAMガンナーと、そのパイロットであるリオ。相方であるMk-IIIがいなくなってしまった=ヒュッケバイン・ガンナーになれないために存在意義がほぼ消失。アニメOGINではエクスバインと合体できた((ちなみに設定上はR-1やR-GUNとも合体可能で、コミック作品などで使用されたことはある。))が、そのエクスバインはアッシュに改造され、合体機能が消滅。単機での性能は2軍水準なのに、イベントでデフォパイロットのリオが強制乗換えさせられる。 --リョウトも乗機であるヒュッケバインMk-IIIを失ってしまった上、代わりとなる新規ユニットもないのでアーマリオンがデフォルトの乗機となる。ただし、それを考慮されてなのか、アーマリオンは前作よりかなり強化されている((機体性能が『OG外伝』のものよりも高く、また換装武器を持てるようになるなど強化されており、十分終盤まで通用する性能。)) ---二人とも念動力と高めのパイロット能力は健在なので、強制出撃時を除けば余った汎用機(ビルトラプター・シュナーベル、グルンガスト参式など)に乗り換える事で十分に活躍できる。 ---スピンオフ作品であるIBでは二機のエクスバインがロールアウトされており、リョウトとリオがそれぞれ搭乗している。また、DPにおいても新たにエクスバインが開発中であることが明かされている。 -「ALL攻撃」や「アタッカー」、「統率」など、一部に強すぎるとされる能力がある。 --アタッカーは本作より固有技能となったため、所持しているだけで強すぎると言われることもあった。そのため、倍率を下げる代わりに修得技能に戻してほしいという意見も見られた。 ---「統率」に関しては『OGMD』にて「MB発動」という修得技能に変化している。 --「ALL攻撃」に関しては、乗り換え可能なパイロットであれば問題はないが、パイロットが固定である場合はどうしようもない。 -海マップの多さ --本作での地上シナリオでは海マップが多く、強化パーツ着脱や部隊編成に時間を取られやすいという問題が発生している。 ---そろそろ強化パーツやツインユニットのセッティングシートが欲しいところ。 -前作からの続投曲の音質が悪い --前作からの続投曲は内蔵音源を書き出したものをストリーム用に収録しているが、音源の書き出し方が悪いのか音に立体性がなく、潰れた感じになってしまっている。これは次回作などでも見られる。 -ライブラリが少し寂しくなった。 --前作までにあったムービーの閲覧やシナリオチャートでのあらすじ閲覧が無くなっている。 --キャラクターやメカ辞典の記述も2ページ以上にわたっている物がある一方、1~3行のみしかない事も多く差が極端。クリアしても記述が増える事はない。 -ロボットの頭身に統一性がない。 --本作第2次OGから登場のロボットはスパロボZシリーズのような、小顔でかっこいいスタイルになっているが、前作外伝から続投のロボットは昔のままHDになっただけであり違和感がちょっとある。 --味方ではアッシュ(エグゼクスバイン)、サイバスター以外の魔装機神が該当。敵はほとんどが新キャラのためスタイリッシュ。 ---- **総評 ストーリー、アニメーション、BGMと、大事な部分は全て抑えられている良作。特に『D』、『MX』関連は原作以上に作りこまれており、多くのファンに勧められるような出来になっている。~ 難易度面のバランスやテンポも良くシステム面も正統進化した作品と言える。~ 前作のダイジェストや用語説明も入っているのでOGシリーズ未経験のプレイヤーも安心して入り込む事ができる。 ---- **余談 -今作でも過去作と同様に過去作から出演していた一部キャラのCVが変更されているが、その中でも『第4次』で初登場したゲスト四天王の一人ゼブリーズ・フルシュワが『F』の大林隆介氏からチョー氏へ変更されている事は一部のファンの間でちょっとした話題となった。 --何故かというとこのキャラは見た目や性格はおろか、演じた大林氏まで『機動警察パトレイバー』のとあるキャラをモデルとしていたため。当時パトレイバーがスパロボ参戦を見越していた(翌年の『OE』で実際に参戦した)事も影響していると思われる。 --もっとも変更されたチョー氏も、普段の掴みどころのない振る舞いと本気になった際の真面目な演技の差がゼブにマッチしていたこともあり概ね好評である。 //変わっただけで一々書く事ではないのでは? //同意。そもそもロフやゼゼーナン、ユーゼスも変わってるし、EXから続投したキャラもその多くが変更されてる。前作でも何人か変更されてるし、今に始まったことじゃない。 //れっきとした理由があるのでco解除 -そのタイトルから、「GBAの『[[OG2>スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION2]]』と混同してしまう」というややこしい事態を生み出している。なお、公式の略称には『OG2nd』というものが付けられている他、ネット上では『第2次OG』『2OG』『OGs-2』と言う略称が使われる事が多い。 -元々は2011年9月29日に発売予定であったが、1年以上ずれ込んで2012年11月29日まで延期となった。スパロボシリーズ20周年記念プロジェクトの1タイトルとして発表されたのだが、結局アニバーサリーイヤー中に出す事は叶わなかった。 --後半になるほど減るテキスト、頭身の合っていないロボットなどの一部問題点を見るに、延期してなお作業がギリギリだった事が窺える。 ---ヒュッケバインの扱いを巡って製作途中にシナリオの変更を余儀なくされたという説もあり、制作サイドに相当の混乱が生じていたものと推測される。 -今作のサントラには新規BGMとMX組のBGM(とジ・インスペクターのサントラに未収録だった「Shouting Black」)が収録されている。 --そんな中、「情熱のプリンセス」だけは未収録となっている。この曲は『魔装機神II』で初登場のBGMであり、延期により『魔装機神II』との発売順が入れ替わったために、後から追加したBGMという可能性もある。 -魔装機神シリーズの最終章「[[スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END]]」には、本作で初参戦となった「アーマラ・バートン」が参戦。初参戦がOG本編のキャラが魔装機神シリーズに参戦するのは、彼女が初となる。 -2012年10月発売の『[[PROJECT X ZONE]]』にはスーパーロボット大戦シリーズのキャラクターとして、本作にも登場するゼンガー・ゾンボルトが参戦しているが、ゲーム本編中の台詞等からこのゼンガーは『第2次OG』の事件を経験しているとされている。だがこちらも、延期によって『PXZ』の方が先に発売している。

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