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''本項では『逆転裁判』と移植版『逆転裁判 蘇る逆転』について記述します。'' ---- #contents ---- *逆転裁判 【ぎゃくてんさいばん】 |ジャンル|法廷バトル|&amazon(B00005QF5O,image)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|2001年10月12日|~| |定価|5,040円|~| |廉価版|Best Price!&br;2002年10月18日/3,129円|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2015年11月4日/702円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|アドベンチャーゲーム史上有数のヒットシリーズ&br()ムジュンを指摘し無罪を勝ち取る法廷バトル&br()濃すぎるキャラやギャグ満載のテキストも魅力|~| |>|>|CENTER:''[[逆転裁判シリーズ]]''| ---- **概要 弁護士「成歩堂龍一(なるほどう りゅういち)」となって、殺人容疑をかけられた被告人の無実を証明し、事件の裏に隠された真実を暴いていくアドベンチャーゲーム。~ 「''法廷バトル''」というジャンル名のとおり、それまでのアドベンチャーゲームにはあまりなかった「対決」の要素を取り入れて独特のゲームシステムを築き上げた。 **主要キャラクター #region() -成歩堂龍一(なるほどう りゅういち) --本シリーズの主人公で、トンガリ頭の弁護士。人呼んで「ナルホドくん」。 ---とはいえ作中では綾里千尋・真宵姉妹、『2』以降に登場する綾里春美以外には呼ばれていなかったりする。更に続編の『[[5>逆転裁判5]]』には弟子の希月心音に「ナルホドさん」と呼ばれているが。 --「最後まで依頼人の無実を信じる」をモットーに、どんな絶望的な状況にも立ち向かう熱い青年。 --周りが揃いも揃って変人揃いなため、ツッコミに回ることが多いがたまにボケも行う。時折おっちょこちょいな一面や、真犯人に対して皮肉たっぷりな一面も。 --弁護士という文系の職業のためか、機械や理系の話題には疎い。 -綾里真宵(あやさと まよい) --ヒロインもとい助手の少女。自称「成歩堂法律事務所影の所長」。霊媒師見習いだが、とあるシーンにおいて職業を尋ねられた際は「事務所の副所長」と名乗っていた。 --天真爛漫な明るい性格で、ラーメンと特撮ヒーロー『大江戸戦士トノサマン』が大好き。成歩堂との会話はもはや夫婦漫才の域。 --探偵パートや法廷パートでは時折ヒントでプレイヤーをサポートしてくれる。また、『3』を除いて''被告人として法廷に立っている''。 -綾里春美(あやさと はるみ) --『2』から登場した真宵の従妹。真宵とは実の姉妹のように仲が良い。 --年齢の割に言動が落ち着いているが、端々で年齢相応の無邪気さや天真爛漫さを見せる。 ---成歩堂を「真宵の運命の人」と思い込んでおり、(強引に)くっつけようとしたり成歩堂が他の女性と仲良くしているのを見るとビンタをお見舞いしたりしている(無論理由は存在する)。 --真宵と同じく強い霊力を持ち、霊媒もできる。サイコロック解除も彼女がキーとなって可能となる。さらに真宵の不在時には彼女が千尋を霊媒してサポートしてくれることもある。 -御剣怜侍(みつるぎ れいじ) --親友であり、法廷ではライバルとなる天才検事。熱血な成歩堂と対照的にクールでスタイリッシュな青年。 --最初期こそは冷酷かつ嫌味な人物として描かれているが、とあるエピソードを境に成歩堂との過去が判明、親友ポジションが板に付く。 --『2』以降は初期の頃の冷酷さがほとんど無くなり「真実を追究する」姿勢に変化。また、天然ボケやヒーロー好き((『1』のとあるシーンで主役の俳優に「いつも活躍を拝見しております」等の要素はある((その際成歩堂に「嘘つけ!」と突っ込まれているが。))。ただし、ヒーロー好きという特徴は『1』では明かされず、攻略本等の資料集や続編によって初めて確認出来る設定である(その為、予備知識無しで『1』からプレイしているプレイヤーも成歩堂同様「嘘つけ!」と思ってしまうことも)。))などの一面も見せる。とはいえ法廷で成歩堂にヒントを与えたりするようなことはせず((立場上成歩堂とは基本敵対するが、相手が真犯人だと確信した場合には成歩堂にヒントや発言の機会を与え、共闘して追い詰めるような熱い展開も時にある。))、ライバルであり強敵であることに揺るぎは無い。 --後にスピンオフとして『[[逆転検事]]』では主役を務めることとなる。 -綾里千尋(あやさと ちひろ) --成歩堂の上司であり、弁護士の師匠。真宵の姉でもある。 --「発想の逆転」「ピンチのときこそふてぶてしく笑え」等、法廷でのテクニックを伝授してくれる。 --師匠ポジションでありながら、序盤で''事件に巻き込まれて殺害されてしまう''。その後は真宵の身体を借りて登場、成歩堂のピンチを助けてくれる。 --『3』過去編では若き日の千尋を操作するパートも。 -矢張 政志(やはり まさし) --成歩堂と御剣の幼馴染で、記念すべき成歩堂の初の依頼人。職業はフリーター→警備員→絵本作家見習い。 --軽い性格の女好き。だがあまりナンパの成果は上がっておらず、付き合っても長続きしない。「もう女なんて信じねぇ!」とのことだが、真宵は別らしい。 --小学生の頃から「事件のカゲに、ヤッパリ矢張」と言われるほどのトラブルメーカー。そもそも成歩堂の初弁護も彼が''女性関係のトラブルに巻き込まれた''のが一因である。一方で巻き込まれた事件において重要な証言や証拠を残す等、事件解決に活躍することも多い。 -糸鋸圭介(いとのこぎり けいすけ) --捜査課の刑事で、成歩堂が弁護を依頼される事件では大抵捜査担当として顔を合わせる。通称「イトノコ刑事」で、探偵パートは現場で彼の話を聞くことから始まるパターンが大半。 --刑事の割にはそそっかしいところが多く、証拠を見落としたりしては法廷で成歩堂にやり込められている。反面、近しい人間が事件に巻き込まれて窮地に陥った時には自身のクビも覚悟で成歩堂に協力するなど人間味溢れる人物。 --また、成歩堂とは逆で機械に強く、機械絡みのことは彼に相談することで活路が開けることがある。 --『[[逆転検事]]』シリーズでも御剣の部下として登場する。 -裁判長(サイバンチョ) --呼んで字の如く裁判長、立派な白髭を蓄えた老人。本名は成歩堂曰く''名刺が達筆過ぎて読めない''とのこと。 --その場の状況に流されやすく、頼りない一面もあるが、なんだかんだで毎回正しい判決を下してくれる愛すべき爺さん。 --孫煩悩だったり%%無駄に%%趣味が多彩だったりと、コミカルな面が多い。緊迫した法廷におけるある種の癒し系キャラ。 --ちなみに無印(DS版以降の移植をすべて含めて)のみ「サイバンカン」表記。『3』には弟の「サイバンカン」が登場する。 ---サイバンチョ「ウ」が無いのは文字数制限のためだが、どうしてわざわざ文字数制限に引っかかる名前に変更されたかは謎。文字数制限が解消されてからもサイバンチョ表記で統一されており、逆転裁判シリーズの裁判長という固有名詞として定着している。 -亜内武文(あうち たけふみ) --妙に甲高い声が特徴のベテラン検事。良く言えば自信満々、悪く言えば自信過剰な言動が目立つ。 --『1』~『3』までの全ての作品で第1話の相手検事を務めており、ゲームを始めたばかりのプレイヤー(と成歩堂)に%%嚙ませ犬%%アグレッサーとして法廷パートのイロハを叩き込んでくれる。 ---『大逆転裁判』シリーズでも彼の先祖が第1話の相手検事として登場する。 #endregion **特徴 2つのゲームパートで構成されている。~ 1つは現場を調査して情報を集めていく「''探偵パート''」で、もう1つは法廷で被告人の無罪を証明していく「''法廷パート''」である。 ''探偵パート'' -ストーリーを読み進めるとともに犯行現場などに足を運んで怪しい箇所を調べたり関係者への聞き込みを行ったり証拠品を「つきつけ」(見せ)たりすることで情報を集めていく。 --普通のコマンド選択型のアドベンチャーと同じシステムでほぼ総あたりで調べなくてはならないが、ストーリーとは無関係の箇所にもコミカルな掛け合いや小ネタが仕込まれている。 --法廷パートや後半のエピソードへの伏線が張られていることもあるので、メッセージをしっかり読んでおくことが重要である。 ---なお、全ての情報や証拠が揃わない限り法廷パートには進まないため、証拠を集め損ねて法廷パートで詰むという事態はまず起こらない。逆に、法廷パートに進まないということはどこかに見落としている証拠や情報があるということでもある。 ''法廷パート'' -このパートではまず、検察側が被告人の有罪を裏づけるために複数の証人を証言台に上げていく。~ 証言は基本的に被告人への嫌疑の理由を証明するものであり、プレイヤーはこの証言への「尋問」を通じて矛盾を指摘していく。 --プレイヤーの主な武器は証言の詳細を求める「''ゆさぶる''」と、証言と証拠品の矛盾を指摘する「''つきつける''」の2つ。~ 特に「ゆさぶる」は新たな情報を引き出したり発言を訂正させたりするなど事件の突破口になるため、初めはすべての証言を「ゆさぶる」のが基本だが、「ゆさぶる」箇所を間違えると発言が元に戻ったりペナルティ(ダメージ)を食らったりすることもある。~ また、状況によっては証拠品を出すかどうかを選択させられるが、「あえて証拠品を出さない」ことが必要な場合もある。 --尋問が一巡するとパートナーが話しかけてくる。このときの会話に「ゆさぶる」「つきつける」ポイントのヒントが隠されているので、分からないときは尋問を一巡させるのも一つの手である。 --証言の矛盾を指摘するとストーリーが進行する。 ---このとき、裁判官や検察側から発せられた質問などにも選択肢での回答や証拠品の提示が必要となる場合がある。 -法廷パートでは選択肢を間違えたり間違った証拠品をつきつけたりするとペナルティを受けポイント(最大5ポイント)が減っていき、すべて無くなるとゲームオーバーになる。ポイントは法廷パートをクリアすれば全回復する。 --法廷パートにはポイントを回復する機会がなく、証拠品も後半のシナリオではかなりの数になるので、法廷パートでの総当りは現実的とはいえない。 -第1話はシステム周りに慣れるためのチュートリアルとして法廷パートのみで構成されている。 --チュートリアルとしての役目を持つ1話では基本的に''真犯人はオープニングの映像で明かされている''。2話以降でも犯人候補となり得る人物が極めて少ない為、犯人当ては容易と言っていい。 --「誰が犯人か」ではなく「どうやって犯行を遂行したか」を暴き、立証することが目的となるのも推理要素のある作品としては特徴と言える。 -ゲーム販売時より未来の設定((『1』で15年前に起きた事件が2001年のこととゲーム中の資料で記述されており、ここからゲームの年代は2016年以降の設定とファンには認識されている。ただし、劇中に登場する携帯電話などの技術関係はほぼ発売当時の水準で描かれている。))であり、現実の裁判とは少々違う部分がある。 --例を挙げると「殺人事件が発覚して容疑者が逮捕されてから''1、2日後には裁判が始まり、そこから数日で必ず判決が出る''」という現実から見れば異常な速度で裁かれる制度である。 ---現実のように何年も裁判を続けていてはゲームとして成り立たないための作劇の都合のようなもので、作中でもこの制度には問題があると認識されているが成歩堂(プレイヤー)はこのルールで戦っていくことになる。&br()また短期間で決着を付ける関係で後から(下手をすると審議をしている最中に)とんでもない新事実が明らかになることも珍しくないため弁護側や被告だけではなく検察側にも牙を向くことがある。 ---最長で3回の法廷審議で必ず判決が出され、判決の直後にそれを否定する新事実が発見されても決して判決は覆らない。&br()そして期限が終了しても「有罪か無罪かどちらとも判断ができない」場合は''有罪''という「疑わしきは検察側の利益」という恐ろしい制度である。この制度は作中世界でも「粗が多いので改良すべき」とされているが、逆に言えば改良すべきだが撤廃までは望まれていないということである。&br()弁護側を主人公として成立させるための「ゲーム上の都合」と割り切ってプレイヤーは遊ぶべきだろう。 ---- **評価点 ''シナリオ'' -依頼人はいずれも殺人の罪を着せられ、有罪証拠も揃った絶体絶命の大ピンチ。 --開始当初はプレイヤーから見ても依頼人が犯人としか思えないような場合もある。しかし、そんな崖っぷちの状況は捜査を進めるうちに二転三転していく。~ 意外な証拠によって徐々に窮地を脱し、最後は暴かれた真実をもとに真犯人を告発し、一気に追い詰めてゆく。 ---本シリーズの魅力は痛快で爽快な展開にあるが、中には一抹の寂しさや悲しさを残したまま終わる「単純なハッピーエンドではない話」も用意されている。 #region(シナリオについての補足(※軽いネタバレを含みます)) ''成歩堂が弁護する依頼人は実際には殺人を犯していない''。これは本シリーズの大前提である。~ 現実の裁判ではなかなかこのような構図にはならず、無罪になる確率がとてつもなく低いこともあって、有罪判決を前提として「いかに量刑を減らすか」という法廷戦略になることも多い((日本の刑事裁判における有罪率は99%を超える。驚くべき数値だが、これは「疑わしきは罰せず」の理念のもと検察が確実に有罪にできる案件しか起訴しない(裁判に至らない)という事情があるためである。そのため実際の法廷では、「有罪か無罪か」よりも「量刑が正当なものかどうか」を争うことが多くなる(その中に冤罪事件・冤罪が疑われている事件が含まれることがあるのは言うまでもない)))。~ しかし、成歩堂はあくまでも''「依頼人は無実である」と信じて戦う''。依頼人が無罪ということは検察の立証には必ず穴があり、証人は「真実」を語っていない。言いがかりでも何でもいいから食い下がり、どんな小さな矛盾も見逃してはならない。そこに逆転の突破口がある。~ 最初は針の穴のような小さな嘘や間違いだったとしても、それを取り繕おうとする度により大きな矛盾が発生し、誤魔化しが効かなくなってくる。やがてその波は真犯人の手により覆い隠されていたヴェールを剥ぎ取り、最後には一つだけの真実を曝け出すことになる。~ 主人公は最後まで被告人を信じ、真犯人を熱く真っ直ぐ、時には冷ややかに追い詰めていく。この主人公の一途な姿勢からくる「熱さ」が本作の隠れた魅力となっている。また、冤罪事件に立ち向かうというプレイヤーに意欲も非常に沸かせてくれる。 #endregion -裁判、法廷という一見すると難しく思えてしまう題材であるが、専門的知識を必要とせず気軽にプレイすることが出来る。 --たまに何かしらの専門的知識や専門用語が出ることがあるが、法廷内に知らない者がいるため仕方なく説明される、という展開になる。裁判に関する内容だと新米の成歩堂やパートナーの真宵がよく分からず、デジカメや車のマフラーといったやや専門的な物は年輩者の裁判長が知識に乏しい等、自然な形に割り振られている。 -法廷再現の面白さ --上記のように実際の日本の法律と異なる部分は多いものの、法廷の基本的な部分は変わらない。 --証人や被告の矛盾を発見して、嘘を見抜き、真実へ到達し、被告を無罪に導くという内容は、当時としてはかなり斬新な推理ゲームであり、法廷劇シミュレーションとしても楽しめる。 -オカルトと推理の融合 --通常、推理物(特に現実の現代を舞台にした作品)ではリアリティの観点からオカルト要素を核心的な要素に絡めることはタブーとされている、本作ではそのタブーを真っ向から否定しており、霊媒と言う要素を推理要素の一環として絡めることでオリジナリティを作り出している、 -矛盾を突っ込まれてショックを受けたときの表情やリアクションも派手で個性的なものばかり。このオーバーリアクションが相手をやっつける快感にも結びついている。 --特に真犯人を追い詰めた時のリアクションは、「ブレイクモーション」と呼ばれそれまでのリアクションをさらに肥大化したものとなっている。この真犯人のブレイクモーションもこのシリーズにおける見どころの一つである。 -また、本シリーズのシナリオは各話の内容が独立したオムニバス形式になっているが、シナリオの中には細かな伏線が張られており、最終話まで進めることで1つのストーリーが浮かび上がる構成になっている。 --元々『1』の時点で続編の構成は無かったが、最終的には初代から『3』までが1つの大きなストーリーになるという壮大なものになった。 ''笑いの要素に溢れたテキスト'' -登場人物は見た目だけでなく中身も個性派ばかり。証拠品の突きつけに失敗したときは証人・裁判官・検事・果てはパートナーからも軽妙な突っ込みを浴びせられる。 --掛け合いは種類が豊富で、時にはそれぞれが息の合った連携を見せることも。ゲームクリア後はわざと間違えて失敗時のメッセージを確かめたくなるほどである。 --このユーモアあるテキストのおかげで殺人事件などだと重くなるシナリオが軽く読めるメリットでもある。 -探偵パートも小ネタの宝庫で、事件の背景や人物・世界観についての小ネタも気が利いていて面白い。 --特に「''脚立とハシゴ''」をめぐるやり取りは、後にシリーズ恒例のネタとなった。 ---脚立を調べた際に「脚立」と呼ぶか「ハシゴ」と呼ぶかで意見が分かれる。たったそれだけの話なのだが何故かスタッフに受けたようで、以降のシリーズでも必ずどこかに脚立が置かれ、調べることで必ず議論されることになる。 ''BGM・SE'' -BGMはハード音源の関係もあってやや地味に感じられるが、1つ1つが状況によく合っており、無音状態も含め場面ごとのメリハリをつけるのに一役買っている。 --中でも真犯人を追い詰めるときに流れるBGM「追求」シリーズは人気が高い。 --証言中のBGMも矛盾を指摘するなどして話を進めていくと徐々にテンポが上がっていく。これにより証人の焦りをわかりやすく表している。 -SEも効果的に使われている。論理でダメージを与えたときの斬撃音は「法廷バトル」という本シリーズのコンセプトを象徴するものと言っても過言ではないだろう。 -本作の代名詞と言えるSEが、尋問で証拠品を突きつけたときに発せられる''「異議あり!」''の音声である。 --本作における音声はほぼこれだけであるが、弁護人((こちらはゆさぶりの「待った!」と尋問以外での証拠品提出時の「くらえ!」もある。))と検事には全員ボイスが用意されている。画面に表示される吹き出しと赤い文字もあってインパクト抜群。 --声は全てプロの声優ではなくカプコン社員が担当。主人公の成歩堂はディレクターの巧舟氏、御剣はキャラデザイナーとグラフィックの岩元辰郎氏が演じている。巧氏の声はハマリ役とファンからの評価が高い。 ---以降ナンバリングでは『4』まで、シリーズ全体としては『検事2』まで継続するが、各種PVや『5』以降の作品ではボイス付きの台詞の分量が増加したこともありプロの声優が採用されている。 ---- **賛否両論点 ''キャラクター'' -シリーズ最初の事件の犯人が「''名前からして犯人そのもの''((一応、エピローグで犯行している最中が描かれるため今更感も皆無ではない。))」であったり、人騒がせな証言を繰り返す証人の名前が「''大沢木(おおさわぎ)ナツミ''」であったりと名前からして遊んでおり、言葉遊びのネーミングはシリーズの特徴の1つとなっている(このような個性的な名前になったのは「名前を聞くだけでどんな人なのかが一発で覚えられるようにしたから」だそうだ)。 --同時に、個性がやたら強い人物が多いため、プレイヤーによっては苦手意識を抱くことも。殺人事件の裁判という状況でありながらギャグ的なノリを挟まれるのも不快に感じるプレイヤーも居る模様。このキャラクターの強すぎる個性は、シリーズを重ねる毎にさらに強くなっていく。 //#region(ネタバレ注意) //-『1』の第1話の犯人は嘘を暴かれると激昂して''ヅラを成歩堂に投げつける''。その後の審理は犯人がヅラが外れてハゲを晒した状態のグラフィックで進行する。この時点でシリーズのノリは決まっていたと言っていい。 //-『2』の第1話の犯人は自分で自分のマフラーを締めることで、白目を剥きながらチアノーゼを起こしてぶっ倒れるというこれまた強烈なインパクトの最期となる。 //-『3』の第1話の犯人のリアクションは薄いが、代わりに敗北した検事が絶叫しながら毛髪が抜け落ちるというギャグ全開のリアクションを行う。 //#endregion //真犯人のブレイクモーションを細かく書く必要性が薄いと感じたのでCOしました。ダメージモーション自体は評価点になると思うのでそちらは移動させました。 -話によっては真犯人でなくとも犯罪行為(窃盗や暴行など)を取る人物や、法廷でわざと虚偽の証言をする人物、裁判官や検事のアウトに近い会話や仕事しろと言わんばかりの怠慢も見受けられる。 --単なるギャグ、あるいは事情があるとはいえ、それらの行いを許容できるかはプレイヤー次第となる。 --これらは主人公のナルホドも例外ではなく、時には証拠品を窃盗まがいの方法で入手して証拠として提出することもある。 ---- **問題点 ''システム'' -証拠品は1画面に1種類までしか表示できないので、数多くの証拠品を扱うようになる後半のシナリオでは検索・閲覧が面倒になる。 --DS版では下画面の存在により改善されている。HD版も解像度の進化によって、大きく表示されている証拠品の下に、それ以外の証拠品が10個まで表示されるよう改善された。 -法廷パートで矛盾を指摘するときは基本的に、特定の証拠品を特定の順序でつきつけなければ正解と見なされない。 --裁判のルールとしては正しいのだが、ときどき別の証拠品でも説明できるのに正解にならなかったり、こちらが一足飛びで正解に気づいてしまったりすることがあり、「なぜこの証拠品ではダメなんだ!」と詰まったり、先に気づいたのになかなか正解を示せなくてイラついたりする場面がある。 -探偵パートでは離れた場所に一発で移動することができない。例えば廊下を渡った先にある部屋へ行きたければきちんと廊下を挟む必要がある。経由する必要がある場所は全てきっちり通らなければ移動できない。 --ストーリー進行のうえで有効利用((別の部屋に移動する途中の渡り廊下で特定の人物に出会うなど。))してはいるのだが、少々不便である。 --またこの仕様のため、移動出来る場所が追加されたことが告知されてもその場からは直接行けないことがあり、何処を経由すれば行けるのかがわかりづらいことも。 -一度クリアするまで既読スキップ・早送りができない。初めて読む場合はまだいいのだが、ゲームオーバーになってやり直すときは戻し作業に時間がかかり、わずらわしく感じてしまう。 --こちらもDS版では改善されている。 -バックログ機能がない。尋問では何度も読み返せるが、それ以外の場面ではボタン連打などで飛ばしてしまうと読み返すことができない。 --メッセージの送り速度も変更できないので、読む速度が速い人ほど陥りやすい。 --プレイに間が空くと話の内容を忘れてしまうこともあり、その際にここまでのあらすじを確認できないのはきつい。カンニング防止策とも言えるが、後述するようにシナリオが長期化していく次作以降は特に難易度上昇の原因の一端となっている。 ''シナリオ'' -トリックや場面設定に荒唐無稽なところや致命的な欠陥があるエピソードが存在する。この他にも「冷静に考えるとスッキリしない点」がいくつかある。 //他のサイトに丸投げしないで、具体的にどの話のどの場面がおかしいかを書く必要がある。 //あんまり書きすぎるとキリがないので、特におかしいところだけを抜粋して記述しました。ただ、書かなければならない情報が多すぎてまとまりがない文になってしまったので、どなたか整理を希望します。 #region(その一例(ネタバレを含みます)) -よく例として挙げられるのが、''「霊媒」などのオカルト要素''。ただし、本シリーズに登場する「霊媒」はあくまでも世界観の1つに過ぎない。シナリオを担当した巧舟氏も「霊媒が実在する世界で成立するミステリーを描いた」と述べている。 --一見チートに見える要素だが、第4話ではそれを逆手に取った弱点を用意することで、霊媒一辺倒にならないよう配慮されている。 -シリーズ全体を通じて、ゲームとして成立させる(ツッコミどころを持たせる)ためか、警察の捜査が杜撰な場面が散見される。 --明確な現場の矛盾点に気付かず放置することや、証拠品の重要な部分を調べないまま証拠能力なしとして主人公に引き渡すなど。さらに捜査済みの現場に、重要な遺留品が普通に落ちていることも。 --科学捜査についてもエピソードで行われる・行われないの差がまちまち。 ---特に取沙汰されるのは「硝煙反応((銃を発砲した際に出る硝煙が衣服や手についているかどうかを検査するもの。))を調べない」という点で、第4話は硝煙反応の調査で状況が大きく変化ないし解決するのではということが指摘されている。 --あくまでエピソードに登場する設定以外の科学的描写や警察の捜査以外は存在しない設定と割り切って読んだ方がよいだろう。 --警察の杜撰さは作中でギャグとしても表現されており、劇中では(特にメインで登場する糸鋸が)ほぼ無能の扱いをされてちょくちょく減給されている。スタッフも『4』当時に法務省へ取材に行った際に「警察はこんな杜撰な捜査はしない」とツッコまれたという。 ---作中の裁判制度の影響で、事件発生後即時に容疑者を逮捕しその2日後から裁判開始、捜査を裁判とほぼ同時進行で行うという体制になっており、これが捜査の杜撰さに繋がっていて作中世界の法曹界における社会問題の1つとなっているような描写も見受けられる((『1』では序審法廷の有罪率が非常に高く、第4話で検事が「誤認逮捕を減らす努力をしろ」と苦言を呈する場面がある。また、『5』ではこの環境から産まれた「ユガミ」を正すために戦うことになる。))。 --これらの指摘に対してか、『検事2』では(主役が検事と刑事の側なので事情が異なるものの)硝煙反応を調査し重要な証拠として扱う展開などが描かれている。 -第1話では、アメリカで合わせた時計の時刻が帰国後も直されておらず、日本とアメリカの時差が決定的な証拠になる。 --しかし事件が起こった時期のアメリカでは、実際にはサマータイムによる時間のズレがあるため、辻褄が合わなくなってしまう。 --これはただ時期が悪かっただけなので、アニメでは日付けのみ直された。 -成歩堂が弁護士を目指すきっかけになった「学級裁判」。 --小学生のとき、同じクラスの御剣の給食費が盗まれ学級裁判が行われたが、体育を休んだ成歩堂が問答無用で犯人扱いされてしまう。このとき無実なのに犯人として責められる孤独を感じたことと、自分を庇ってくれた御剣と矢張に救われたこと、それが成歩堂が弁護士を目指すきっかけとなった。 --このエピソードは序盤から終盤まで断片的に展開していき、最後は感涙ものである。…しかし最終的にあきらかになるのは、''給食費を盗んだのは矢張という事実''。盗んだ理由も「ついなんとなく」でしかない上に、それでいて成歩堂と御剣とは何食わぬ顔で親友として付き合っており、小学生とはいえあんまりである。矢張は「アホだけどなんだかんだ憎めないし良い奴」といったポジションのキャラであるが、最後の最後で一気に印象が悪くなってしまう。 ---本人も一応後ろめたいという自覚はあったらしく((そもそも成歩堂の弁護に回ったのもその後ろめたさ故で、御剣からは「いつもならここぞとばかり責め立てただろう」とも評されている。))、学級裁判の話題になると反応が渋くなりがちであり、最終的に最終話の無罪判決の祝いのついでで返却はしている。が、15年も前のことなので時効だと法的な裁きは受けておらず、直接の謝罪はないばかりか本件をきっかけに弁護士になった成歩堂を茶化す始末で、これを見過ごせるかどうかは評価が分かれるところ。当の被害者である御剣本人は軽く流してしまっているのだが…。 ---ファンブックでのスタッフの対談でも「あのオチはあんまりだ」とツッコまれており、公式にも酷い内容だと認識はされているようである。 --実写映画版でもこの顛末はほぼそのままで、被害者も別人に設定された上に返還の描写もないためますます悪質化している。さすがにアニメでは納得のいく理由付けが追加されており((裸で拾った御剣の金を誰の物かもわからず警察に届け、一定期間経過の後に拾得物としてちゃんと貰い、そのお金で3人で買い食いするという素敵な思い出エピソードになった。))、悪印象を持つようなこともなくなった。 -最終話で登場する「DL6号事件」のシチュエーション。 --大地震によって裁判所が停電、これによってエレベーターが停止して御剣信・怜侍の親子と法廷係官の灰根が閉じ込められ、そのまま酸欠状態となってパニックを起こした灰根が信に襲い掛かり、復旧後に外部の者が入ってきたときには気絶した怜侍と灰根、そして信の銃殺された死体があった……という流れ。 ---エレベーター自体が埋まったのなら別だが、幾ら機密性が高いとはいえ、現実では''エレベーターが停電で停止したところで窒息状態に陥ることはあり得ない''。仮にこれを作中のエレベーターでは窒息するものとみなしても、このエレベーターには''扉にガラスの窓があり、これを割れば解決する''という問題がある(実際、事件の中で穴が開いている)。そして、灰根はそのガラスを割る手段になり得る拳銃を持ち合わせており、脱出できる、あるいは酸欠を回避できる可能性は十分にあった((しかしながら、当然弾が貫通するのでエレベーターの前にいる人に当たる可能性もあるし、階に到着しているとは限らないので逆に危険になる場合も考えられる。実際にエレベーターの前にいた人物に当たっていた))。 ---これに関してはファンからの指摘があまりに多かったとのことで、実写映画版では全く違うシチュエーションに変更され、アニメ版では扉のガラスの窓がなくなっている。 -15年前の「DL6号事件」の判決について --15年前に行われたDL6号事件の判決で灰根は無罪となったが、無罪判決となった理由については、御剣が「証拠不十分のため(=そもそも犯人ではない)」と言うシーンと、「心神喪失状態であったため(=犯人ではあるが、責任能力がない)」と言うシーンがあり((どちらも第4話 3日目 探偵パート))、矛盾していてどちらが正しいのかハッキリしない。 --前者であれば、灰根が心神喪失状態を装い続ける理由が無くなってしまう。後者であれば、犯人が分からないため警察が霊媒を使った話や、御剣の「どう考えてたって、犯人はあいつしかいない(=犯人が確定していない)」という台詞と矛盾してしまう。 ---一応、真犯人が「被害者も完璧に欺いてやった」と話はしたが。 -15年前に当時9歳だった子供の犯罪を大真面目に裁判にかけようとする法曹関係者たちというのもよくよく考えるとかなりおかしい。 --本人が罪を認めているのが大きいのだが、犯人が9歳ではそもそも刑法41条があるので起訴にならない、作中での本人の証言に従う限り第38条であっさり無罪になる、故意とも過失とも言えないかもしれないし、過失致死にしても時効は3年((罰金が最高刑の為である。他には過失致傷、賭博などが該当))なので、「作中世界に刑法41条がない((もちろん少年法によって補導されたりはするが、これは故意犯に限られるし、そもそも法的措置がないまま成人している。))」「過失致死の時効が長い」などかなり無理のある設定が重ならないとそもそも裁判にかけられていること自体がおかしな話になる。 ---作中の証言通りに事件が成立したと仮定しても、どう考えても一番責任が重いのは、警察官でもないのに証拠品だからと実弾の入った拳銃を裁判所内で持ち歩いていた人物である。%%証拠品の扱いが雑なのはこのシリーズではお馴染みのことになっていくのだが……%% -そもそもの世界観の根底である「序審法廷制度」自体が冷静に考えるとまず可決しない。 --大量の犯罪に対応すべく、犯行から数日の内に犯人の有罪と無罪だけを決める裁判を行う(有罪だった場合は、量刑を決める高裁に送られる)という仕組みなのだが、たった数日しか行われないので十分な捜査も審理も行われず、裁判官の心証だけで有罪無罪が決まってしまうなど、かなり強引。探偵パートと法廷パートを両立させるために必要な設定とはいえ、あまりに杜撰すぎる。 ---他にも現行犯ですらない、単に現場に居合わせただけの人間を逮捕状もなし((緊急逮捕という制度は実在するが、これは逮捕状を後回しに出来るだけで降りなかったらすぐ釈放する事になる))に拘束できてしまう描写もある。こんな制度がまかり通る未来の日本の司法制度はどうなっているのか、という方向でツッコミが入ることも。 #endregion //-一部のキャラが偽証罪に問われない //--法廷で偽りの証言をすると「偽証罪」という罪に問われるが、成歩堂の味方が嘘の証言をしている時は問われる描写が無い。 //少なくとも『1』では弁護側の証人に偽証する者はいないし、被告人が嘘の証言をしても偽証罪に問われることはない。『2』では華宮霧緒が偽証しているが、彼女は捜査の攪乱や死体損壊なども含めきちんと追及されている。 -『1』は1話がチュートリアル扱いで短い裁判パートしかなく、2話も最初ということもあって簡単な作りになっており、シリーズ全体で見るとややボリューム不足。 --そのためかDS移植版では『1』のみ完全新作のシナリオが追加された。詳細は後述の『蘇る逆転』で。 ---- **総評 絶体絶命の土壇場から始まり何度も窮地に追い込まれながらも、最終的に大逆転を収めるというシナリオと自然と笑いが生じるようなユーモア溢れるテキストでまとめられたシンプルな「法廷バトル」は「裁判」というもともとのテーマが持っていた取っつきにくさを解消し、誰でも接しやすい作品にしている。~ また、個性豊かなキャラクターたちは見た目も言動も印象に残りやすく、それぞれが数多くのファンを生んだ。~ アドベンチャーゲームとしてはごく普通の作りだが、シナリオ・キャラクター・演出などが渾然一体となった完成度の高い作品であり、それまで比較的ニッチなジャンルであった推理ゲームにライトユーザーを取り込んだ功績は計り知れない。 ---- *逆転裁判 蘇る逆転 【ぎゃくてんさいばん よみがえるぎゃくてん】 |対応機種|ニンテンドーDS|&amazon(B0002FQD86)| |メディア|512MbitDSカード|~| |発売日|2005年9月15日|~| |定価|5,040円|~| |廉価版|Best Price!&br;2006年6月15日/3,129円&br;NEW Best Price! 2000&br;2008年4月17日/2,100円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|追加エピソードを含む移植|~| **概要(DS) 『1』のDS移植版。DSに合わせたUIの変更や誤字の修正の他、追加エピソードとして「蘇る逆転」が追加されている。以降の初代の移植は全て本作を基準としている。 -英語版が同時収録。独特のネーミングやテキストは単なる直訳ではなくしっかり英語風にアレンジされており、日本語版と見比べてみるのも面白い。 --シリーズ恒例の「異議あり!」等の吹き出しは、GBAの作品では画面3分の1ほどの大きさで縦書きだったが、本作以降は英語版と合わせるため画面全体を覆い尽くす大きさで横書きに変更となった。 -『1』の裁判所の背景は簡素だったのだが、本作では『2』以降の書き込みの細かい物に変更された。 -追加エピソード「蘇る逆転」 --本編の第4話をクリア後に解放される追加エピソード。『1』と『2』の間の、失踪するまでの御剣関連を補完している。 ---DSのハードの機能を活かしたタッチ操作やマイクに息を吹きかけることによる「''カガク捜査''」や、3Dモデルの証拠品の捜査、暗証番号の入力、''映像の矛盾を指摘する''などの新要素が多く盛り込まれている。 --内容は''(探偵パート+法廷パート×2)が3セット''、手早く解いても数時間はかかるというシリーズ最長のボリュームとなっている。 --このエピソードで真宵の代わりに成歩堂の助手をつとめた宝月茜(ほうづき あかね)は本作以降でも準レギュラーと化し、''本来のヒロインである真宵を差し置いて''『逆転検事』シリーズや『4』以降にも登場している((『検事』を含むシリーズの時系列における真宵の再登場は2016年発売の『6』までお預けだが、その間に出た作品には茜がほぼ毎回登場している。))。 ---他にこのエピソードのためだけにもかかわらず(後に再登場した者もいるが)、数多くの新キャラが追加されている。立ち絵やアニメーションのパターンも豊富で、真犯人の迫真のブレイクモーションや、とある人物がことある毎に差し出す弁当のパターン数は必見である。 --また本作が完結編である『3』よりも後に発売されたこともあって、「蘇る逆転」は『2』に登場する須々木マコの写真や『3』に登場するフランス料理店「吐麗美庵」のチラシといった後続作品の小ネタが多く登場する((割合で言うならケチャップや上級執務室の御剣の衣装等『3』のネタがかなり多い。))。 ---『2』の問題点項目で記述されている通り、「蘇る逆転」では御剣がどのような心境の変化を経て『2』直前に失踪し己の検事価値観を改めるに至ったかの補完的な説明がなされており、実質的な『2』前日譚とも言える。 --キャラクターデザインは『4』を担当する塗和也氏に交代しており、新キャラも何人か『4』に登場する者もいる。「カガク捜査」が『4』でも続投しているという事もあり、『4』の布石的な役割もあった模様である。 ---- **評価点(DS) -移植前の内容は一部の誤植等の修正を除き、ほぼそのままなので原作の評価点はそのまま引き継がれている。 -UI変更による多くの仕様の改善 --証拠品ファイルがサムネイル画像によるリスト化をされるようになり、一つずつページ送りして探さなければならない原作よりも非常に扱いやすくなった。この利便性向上はPVでもアピールされていたほど。 --『2』以降標準搭載となった既読箇所の早送り機能が搭載された。 --コンバータ機能に対応しており、GBA版をDSに挿したままプレイするとクリアした話を引き継ぐことができる(DSi以降では不可能)。原作を遊んだ人が第5話だけすぐに遊びたいという場合には手軽。 --「調べる」などのカーソルが指さす手のマークから十字線の交差部分に四角の照準型へと変更された。機械的な雰囲気になった点は好みが分かれるが、視認性ではこちらの方が高い。 --これらの操作がタッチペン・ボタン操作のどちらでも可能。遊びやすい方を選べる。 -好評な「カガク捜査」 --3D証拠品で証拠品に仕込まれたネタを探したり、ルミノール試薬を事件と無関係の場所で使うと笑えるネタが出てきたりと、笑いに満ちたテキストはこれらにも存在。 --指紋検出はやや作業感があるが、アルミの粉を撒いてから飛ばして指紋を浮き上がらせるという、刑事ドラマの鑑識のような動作がDSの機能を生かしてできるのは楽しい。 --いずれもタッチ必須の動作であるが、DSのタッチ操作必須のゲームにありがちな「認識がシビアで成功させにくい」「他で代用できる操作を無理やりタッチ操作でやらせている」という要素がほぼない。明確にDSの機能を活かした好例と言って過言ではないだろう。 ---- **賛否両論点(DS) -追加された第5話が極端に長く、他話の1.5~2倍程度の時間がかかる。追加シナリオとしてのボリュームは充分であり、原作を遊んだ人が第5話だけを遊んでも存分に楽しめる反面、途中で疲れる・だれる・飽きる恐れもある。 //--第5話をプレイしてしまうと、「もうお腹いっぱい」と『2』以降をやる気力がなくなる事も。 -また後付けという事情もあり、第5話から『2』に直接繋げても「『1』と『2』の間が補完されて『2』の不自然さが解消された」とは言い切れず、違和感はやや残る。第5話は、現実の発売時期や登場キャラなどを見ても「『1』の第4話を終わらせた後」よりも「『3』をクリアした後、『4』をプレイする前」に向いているかもしれない。 -BGMはGBAのハードの特徴を残しつつ音質アップがされている。 --開発意図としてあえてレトロな雰囲気を出そうとした故らしいが、純粋な高音質を期待した人には少々残念。 --ちなみに第4話(『1』最終話)で流れるスタッフロールの曲は『1』時点では未完成だったが本作では完成版になっているとのこと。 ---- **問題点(DS) -過去の事件でいるはずのないマスコットが見えたという証言に対して、3Dモデルの壺を操作してどう見えたかを示すパートがあるが、正解になる判定がかなり厳しい。 --人間が目視して納得できるような形でもまだ正解にならず、画面に表示されたマス目に先端をしっかり合わせるようにしないと正解にならない。 ---それを見越してか、このパートに関してはペナルティが存在せず何度でもやり直せるようになっている。 -細かなバグ --あるタイミングで別の場所に移動して、とあるポイントを調べるだけで発生してしまうバグがある。 ---その場にはいないはずのキャラが登場し、行動する内容によって背景やBGMが変化するだけ、というものではあるが、簡単な操作で確定で起こってしまうのは問題である。このタイミングで別の場所に移動する必要は無いのだが、ここでは任意の7桁の番号を入力して((この時点でおおよその推測が出来るものだがノーヒント。))正解しなければ先に進めることが出来ないため、人によっては先に詰まって手当たり次第に調べているうちに、意図せず起こしてしまう可能性もある。その場から移動するだけでバグは終了し、フリーズやデータ消去、攻略不能に陥るといった致命的なものではないのが救い。 --また、証拠品の中に現場の状況を書き記した図面があるのだが、ある程度物語が進行すると、この図面に新たな情報が書き込まれる。しかし後半の法廷パートでゲームを中断するだけで、この新しく書き込まれた情報が一部クリアされてしまうというバグもある。この証拠品は前半で使い終えたら以降必要無い物のため、進行には一切問題は無いが、中断セーブしただけで発生してしまうという性質上、おそらく全プレイヤーが遭遇していると言っても過言ではない。 ---これらのバグはその後の移植版で修正された。 -ハードの変化に伴いセーブに掛かる時間が1回5秒程度と長くなった(GBA版は1秒と掛からない)。選択肢を誤った際の台詞を楽しむ、と言った目的で頻繁にセーブをする人には気になりやすい点である。 -ゲーム中の証拠品突き付けやゆさぶりに対し、マイクに音声入力で該当する言葉を叫ぶことでゲームを進行させることも可能だが、はっきり言ってイマイチ。 --マイクが認識しやすいかどうかは個人差がある上、&b(){このゲームのプレイ中にリアルにその声を上げたいか}という点は疑問符がつく。 --原作同様に使用しなくても進めることは可能だが、つまりは無くても困らないシステムであり、こればかりは「DSの機能を無理に使用した」と言われても仕方ないだろう。 ---- **総評(DS) 単なる第1作の焼き直しにとどまらず、追加要素や新ハードに対応した調整などが行われた良質な移植・リメイクと呼べる作品。~ 元々がシンプルなアドベンチャーゲームなだけあって、DSの仕様との相性は抜群に噛み合っており、DSのゲーム全体としてもこれほどにハード性能を生かした作品は珍しいと言えるだろう。 ---- **その他の移植 『蘇る逆転』はWiiウェアにも移植されている。 -ゲームの仕様はDS版と同じだが、Wii版では証拠品を突き付ける際はリモコンで指さす動作をする、証人をゆさぶる際にリモコンを振るとコマンドが実行されるようになっている。 --また、成歩堂の声がリモコンのスピーカーから流れ、臨場感を高めてくれる。 -第5話がDLCとなっており、遊ぶには別途購入が必要。その分本体は『2』『3』の移植版よりやや安価になっており、DLC込みで同額になる。また、いきなり第5話から始めることが可能。 -セーブデータの数が3つに増加。 -BGMが''完全に高音質''に。後にWii版のBGMを音源化した『逆転裁判 サウンドBOX』も発売された。 -Wiiショッピングチャンネル終了に伴い、現在は購入できない。 ---- *余談 -開発当初のタイトルは「''サバイバン~弁護士探偵なるほどくん~''」というものであった。さすがにそれはないだろうということで、その後何回かの変更を経て現タイトルに落ち着いた。 -第1作『逆転裁判』を作るにあたって実際に裁判所に行って法廷を見学したところ、「審議は意外と静かに進む」「意外と木槌は叩かない」と本作のイメージとはだいぶ違っていたという(巧氏のコラムによる)。 --ちなみに、本シリーズの決め台詞であり、ドラマなどでもよく出る((『スーパーマリオサンシャイン』では裁判中にピーチが言っていた。もっとも、裁判官にあっさり却下され、えらく一方的な裁判だったようだが。))「異議あり!」という台詞は実際の裁判では滅多に使われないし、使われる時も「相手側の弁護士/検事が法に反した追及(誘導尋問、威圧など)を行った場合」のようなもので、被告人や証人に使うものではない((言うまでもないが、ゲーム中の弁護人・検察官の行動や法廷における立証責任の描き方は現実の裁判とは大きく異なる。例えばゲーム中では成歩堂が真犯人まで告発しなければ無罪を勝ち取れないように描かれているが、実際は検察が提出した証拠の問題点を指摘し、検察がその問題点を説明できなければ十分であり、真犯人の告発までする必要はない。))。 -『蘇る逆転』のエンディングでは、エンディング中の各所で本体に息を吹き掛けることで指紋採取と同じ演出が起こり、下からイラストが出てくるニクい隠し要素がある。 -『蘇る逆転』追加エピソードクリア後の選択画面にはイラストが無い。エピソード自体はかなり手が込んでいるだけに、抜けているものがあるのは残念である。だか後の2012年配信の『逆転裁判123HD ~成歩堂 龍一編』に向けエピソードイラストが作られた -裁判を題材としたゲームは本作以前の1995年時点で『殺意の証明』が存在している。 -海外では『Phoenix Wright: Ace Attorney』としてローカライズされている。Phoenix Wright(フェニックス・ライト)とは成歩堂の海外版の名前であり、以降は『Ace Attorney』を冠してシリーズ化した。 --成歩堂の名前が変わっている事から分かる通り、舞台は日本からアメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスに変更されており、キャラ名や台詞が欧米風に置き換えられている。 --しかし変わっているのは台詞の上と一部演出(トノサマンのロゴなど)だけで、基本は日本版のまま。流石に向こうでもツッコミ所らしく、[[ネタにされる>http://i0.kym-cdn.com/photos/images/original/000/658/335/3ca.png]]こともあるようだ。 ---似た例では『[[クロックタワー ゴーストヘッド]]』などもあり、奇しくも同作も舞台がカリフォルニア州(という名の日本)にされていた。 --そもそも日本語だからこそ成立する設定や言葉遊びなどが大量に盛り込まれた作品なので、ローカライズも相当苦労したことがうかがえる([[英語リンク>https://www.usgamer.net/articles/expert-witness-an-interview-with-alex-smith-the-writer-behind-ace-attorneys-english-debut]])。 ---尚、舞台をアメリカに選んだのは第一話にある「日本とアメリカの時差によるトリック」を見て「あまり考えず」やったことらしく((オリジナルでは登場人物はアメリカ旅行に行っていたが、北米版では逆に日本旅行に行っている。))、その後でどんどん不都合が出てきて後悔したとか。 --ちなみに主人公名であるPhoenix Wrightの「Wright」は日本の「なるほど」に相当する言葉遊びとして「right」を捩ったものらしく、一応はオリジナルに即した面はある。 ---ローカライズ担当は元々「Roger Wright」を考えて「Phoenix」は候補の最下位であったが、日本の開発チームから「これが良い」と言われて決めたという。恐らく、オリジナルの名前にある「龍」に匹敵するようなものとして選ばれたのだろう。 -特徴でも述べた通り、逆転裁判シリーズの世界では最長で3日まで法廷審議が行われ有罪か無罪かを決める序審法廷制度という法制度が存在する。しかし実際に最長の3日まで行われたのは初代である本作とそのリメイク版である『蘇る逆転』の追加エピソードだけであり、『2』以降は長くても2日目まで行われるようになっている。 ---- *その後の展開 ''ゲーム'' -『3』でシリーズは一端完結。続編の『[[逆転裁判4]]』では「新章開廷」として主人公を交代しメインキャラを一新。2013年にはその流れを汲んだ続編『[[逆転裁判5]]』が発売され、2016年の『[[逆転裁判6]]』でストーリーにまた一区切りが付いた。 --その後『1』〜『3』をカップリングした『逆転裁判123HD』がスマートフォンアプリとして配信されたほか、それに調整を加えた『逆転裁判123 成歩堂セレクション』 も発売されている。 -スピンオフとして御剣怜侍を主人公に据えた『[[逆転検事]]』『[[2>逆転検事2]]』が制作された。こちらは一般的な推理アドベンチャーに近いつくりになっているが、矛盾を指摘して反論するスタイルやキャラクター同士の掛け合いなど、シリーズらしさは随所にあらわれている。『逆転裁判』シリーズの登場人物も何人か登場している。 -2023年12月31日時点でシリーズの総販売本数が1,100万本を突破している。([[カプコン発表>https://www.capcom.co.jp/ir/business/salesdata.html]]) -2011年に発売された『[[ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3>MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds#id_29c9ae2c]]』では成歩堂が衝撃の参戦((元々は『タツノコ VS. CAPCOM』の続編での参戦が検討されていたが、原作でのアクションが格ゲー向きではないという理由で不採用となっていた。))。並いる超人やヒーロー・ヴィラン・怪物たちを相手に一般人である「なるほどくん」がいつものノリと法廷パートで立ち向かい、逆転パートで一気に勝負をキメる勇姿は必見。 --ただし、「通常時弱すぎ・運要素絡みすぎ」というギャンブルタイプのキャラで、ランク的には最下位。''一般人なのである意味正しいが。'' --ちなみに、無印『MVC3』の時点でMARVELコミックの弁護士であるシーハルクのEDにて法廷で顔を合わせている。 -クロスオーバー作品として『[[レイトン教授VS逆転裁判]]』が3DS専用ソフトとして発売。成歩堂と真宵の声を後述の実写映画版のキャストが演じる。 -『[[PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』に成歩堂と真宵がソロユニットとして参戦。『UMVC3』よろしく、超人や怪物たちに交じって戦う弁護士として活躍する。 --ただし、今回は成歩堂と真宵がなぜ超人的な力を発揮出来るのかがシナリオ上で理由付けされている。イベントでも法廷で培った洞察力と論理展開で敵の企みを看破するなど、パーティーのブレインとしても活躍する。 --また、物語開始前に『[[龍が如く]]』シリーズの真島悟朗の弁護を担当して無罪を勝ち取っており、彼から「センセ」と呼ばれ一目置かれているというクロスオーバーがある。イベント専用キャラとして御剣も登場する。 -iOSの音ゲーアプリ『CROSSxBEATS』及びナムコの音ゲー『[[太鼓の達人シリーズ]]』に『1』『2』『3』楽曲のアレンジメドレーが収録されている。 --ただし、AC版『[[crossbeats REV.]][[シリーズ>crossbeats REV. SUNRISE]]』には未収録。 ''書籍'' -前川かずお氏が絵を、黒田研二氏が原作を務める形で漫画版が『別冊ヤングマガジン』で連載されていた。単行本全5巻。ゲームとは異なる事件を成歩堂が解決していくオリジナルな内容。また後に同じ作者による『逆転検事』の漫画版も同誌で連載された。 --その後、後述のアニメ版に並行する形で、影山なおゆき氏作の新漫画版が『Vジャンプ』にて連載開始。こちらは基本的にアニメ(原作)に則った展開になっている。 ''実写'' -2009年に''宝塚歌劇団によって舞台化された。''本シリーズのようなゲームを原作にドラマや映画や宝塚の舞台が作られるのはかなり珍しい例だと言える(宝塚がゲームを舞台化するのはもちろんこれが初めて)。なお、宝塚版の登場人物の名前は海外版のものが使われており、舞台もアメリカとなっている。 --全三作の舞台公演がなされており、1作目、2作目をフェニックス・ライト(成歩堂)、3作目はマイルズ・エッジワース(御剣)が主人公を務める。 ---宝塚歌劇団は同じカプコン原作の作品として『[[戦国BASARA]]』も公演しており、両作品(逆転裁判3は除く)とも蘭寿とむが主人公を演じている。 ---どちらも「原作愛を感じる」としてゲームファンからの評価も高い。興味がある人は見て損はないだろう。 -2012年に成宮寛貴氏主演で映画化がされた。『1』のシナリオを第4章中心にまとめたようなあらすじ。どちらかといえば''手を抜かない出演者の徹底したコスプレ''が評価されているとか。 --なお、主演の成宮氏は『[[レイトン教授VS逆転裁判]]』でも成歩堂役を担当した。 -2013年から数回舞台化もされている。こちらは上記宝塚版と違い、日本版をベースとした舞台化である。 ''アニメ'' -東京ゲームショウ2015のシリーズ最新作『逆転裁判6』のスペシャルステージにてTVアニメ化『逆転裁判 ~その「真実」、異議あり!~』が発表された。 --奇しくも第1作目の舞台と同じ2016年4月から放送されている(以下「Season1」)。 --キャストはそれまでゲームやムービー等から一新され、成歩堂を梶裕貴氏、真宵を悠木碧氏が担当。悠木氏は『レイトン教授VS逆転裁判』でキーキャラクターのマホーネを演じた経験がある。 --ストーリーは『1』『2』が展開され原作ゲームとほぼ同じだが、30分の枠に収めるためか、話の展開が多少変わっている((例えば「逆転のトノサマン」の回では真宵が九太を必要以上に子ども扱いしたり、千尋に霊媒して話を聞きだすシーンがカットされている。))ほか、ゲームでの矛盾、不可解な部分などが修正されている。 --『1』のエピソード終了時に成歩堂達3人の少年時代のエピソードを挟み『2』の''2話''からスタート。『2』1話がまるまるカットされていたり、重要なファクターだった「サイコロック」が無かったりと大きな改変が見られる。成歩堂達3人が少年時代に憧れていたヒーロー「シグナル侍」なるオリジナル要素も。 ---ちなみにオリジナルエピソード及び後期EDには『[[ゴースト トリック]]』に登場したポメラニアンのミサイルがゲスト出演して、警察犬のミサイルと共演を果たしている。 -2018年10月からはSeason2が放送開始。 --こちらは主に『3』のエピソードを中心に構成されているが、第1話がSeason1でカットされた『2』第1話になるなどSeason1の補足的な内容も含まれている((そもそも該当話が『3』第3話や『逆転検事』などに繋がる内容なので無視も出来ないのだが。))。 --本作も尺に収めるためか、原作ゲームとの相違点が多い。 --オリジナルエピソードとして、中学時代の成歩堂・御剣・矢張のエピソードも描かれている。また、後述の「逆転特急、北へ」もアニメ化された。 --声優はSeason1同様にゲーム版・ムービー版などから一新されており、キーキャラクターのゴドー検事は平田広明氏(『ONE PEACE』のサンジ等)が担当している。 ---他、『6』でレイファ姫を演じた早見沙織氏が「逆転のレシピ」のゲストキャラクター・鹿羽うらみ役で出演している。 -アニメ版はVジャンプでコミカライズされている。 --Vジャンプ版はゲーム原作シナリオの他にも後にアニメ化されたオリジナルエピソード「逆転特急、北へ」も掲載された。 --「逆転特急、北へ」ではオリジナルキャラクター中心の物語ではあるが、その数名が[[かつてタクシューがPSで手掛けていた某ゲーム>ディノクライシス]]の主要登場人物を彷彿させるキャラクターとして、そのゲームを知るファンの話題になった。 ---アニメ版の際には例によってそのキャラクター達にも声が付いている。ただし、[[外部出演時>NAMCOxCAPCOM]]とは別人。 -TVアニメSeason1,2を経て成歩堂編はGBA版『3』までの全エピソードがアニメ化されたのだが、『蘇る逆転』の追加エピソードのみアニメ化が行われなかった。 --同エピソードはDSへの移植時に追加された物で、シリーズ中でも屈指の長さなのが問題かと思われる。ただし単独の作品として十分に成り立つ内容ではあるので、OVAや劇場版といった形態でのアニメ化が期待されている。 ''パチンコ・パチスロ'' -2016年に平和から『CR逆転裁判』としてパチンコ化され全国のホールに導入された。 --奇しくも初作の作中の年に現実でも初のパチンコ化と、シリーズの新しい歴史が刻まれる運命的なことになった。 --パチスロはその翌年2017年にカプコン系のパチスロ販社エンターライズから販売され、開発はカプコンが直々に行っている。
''本項では『逆転裁判』と移植版『逆転裁判 蘇る逆転』について記述します。'' ---- #contents ---- *逆転裁判 【ぎゃくてんさいばん】 |ジャンル|法廷バトル|&amazon(B00005QF5O,image)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|2001年10月12日|~| |定価|5,040円|~| |廉価版|Best Price!&br;2002年10月18日/3,129円|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2015年11月4日/702円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|アドベンチャーゲーム史上有数のヒットシリーズ&br()ムジュンを指摘し無罪を勝ち取る法廷バトル&br()濃すぎるキャラやギャグ満載のテキストも魅力|~| |>|>|CENTER:''[[逆転裁判シリーズ]]''| ---- **概要 弁護士「成歩堂龍一(なるほどう りゅういち)」となって、殺人容疑をかけられた被告人の無実を証明し、事件の裏に隠された真実を暴いていくアドベンチャーゲーム。~ 「''法廷バトル''」というジャンル名のとおり、それまでのアドベンチャーゲームにはあまりなかった「対決」の要素を取り入れて独特のゲームシステムを築き上げた。 **主要キャラクター #region() -成歩堂龍一(なるほどう りゅういち) --本シリーズの主人公で、トンガリ頭の弁護士。人呼んで「ナルホドくん」。 ---とはいえ作中では綾里千尋・真宵姉妹、『2』以降に登場する綾里春美以外には呼ばれていなかったりする。更に続編の『[[5>逆転裁判5]]』には弟子の希月心音に「ナルホドさん」と呼ばれているが。 --「最後まで依頼人の無実を信じる」をモットーに、どんな絶望的な状況にも立ち向かう熱い青年。 --周りが揃いも揃って変人揃いなため、ツッコミに回ることが多いがたまにボケも行う。時折おっちょこちょいな一面や、真犯人に対して皮肉たっぷりな一面も。 --弁護士という文系の職業のためか、機械や理系の話題には疎い。 -綾里真宵(あやさと まよい) --ヒロインもとい助手の少女。自称「成歩堂法律事務所影の所長」。霊媒師見習いだが、とあるシーンにおいて職業を尋ねられた際は「事務所の副所長」と名乗っていた。 --天真爛漫な明るい性格で、ラーメンと特撮ヒーロー『大江戸戦士トノサマン』が大好き。成歩堂との会話はもはや夫婦漫才の域。 --探偵パートや法廷パートでは時折ヒントでプレイヤーをサポートしてくれる。また、『3』を除いて''被告人として法廷に立っている''。 -綾里春美(あやさと はるみ) --『2』から登場した真宵の従妹。真宵とは実の姉妹のように仲が良い。 --年齢の割に言動が落ち着いているが、端々で年齢相応の無邪気さや天真爛漫さを見せる。 ---成歩堂を「真宵の運命の人」と思い込んでおり、(強引に)くっつけようとしたり成歩堂が他の女性と仲良くしているのを見るとビンタをお見舞いしたりしている(無論理由は存在する)。 --真宵と同じく強い霊力を持ち、霊媒もできる。サイコロック解除も彼女がキーとなって可能となる。さらに真宵の不在時には彼女が千尋を霊媒してサポートしてくれることもある。 -御剣怜侍(みつるぎ れいじ) --親友であり、法廷ではライバルとなる天才検事。熱血な成歩堂と対照的にクールでスタイリッシュな青年。 --最初期こそは冷酷かつ嫌味な人物として描かれているが、とあるエピソードを境に成歩堂との過去が判明、親友ポジションが板に付く。 --『2』以降は初期の頃の冷酷さがほとんど無くなり「真実を追究する」姿勢に変化。また、天然ボケやヒーロー好き((『1』のとあるシーンで主役の俳優に「いつも活躍を拝見しております」等の要素はある((その際成歩堂に「嘘つけ!」と突っ込まれているが。))。ただし、ヒーロー好きという特徴は『1』では明かされず、攻略本等の資料集や続編によって初めて確認出来る設定である(その為、予備知識無しで『1』からプレイしているプレイヤーも成歩堂同様「嘘つけ!」と思ってしまうことも)。))などの一面も見せる。とはいえ法廷で成歩堂にヒントを与えたりするようなことはせず((立場上成歩堂とは基本敵対するが、相手が真犯人だと確信した場合には成歩堂にヒントや発言の機会を与え、共闘して追い詰めるような熱い展開も時にある。))、ライバルであり強敵であることに揺るぎは無い。 --後にスピンオフとして『[[逆転検事]]』では主役を務めることとなる。 -綾里千尋(あやさと ちひろ) --成歩堂の上司であり、弁護士の師匠。真宵の姉でもある。 --「発想の逆転」「ピンチのときこそふてぶてしく笑え」等、法廷でのテクニックを伝授してくれる。 --師匠ポジションでありながら、序盤で''事件に巻き込まれて殺害されてしまう''。その後は真宵の身体を借りて登場、成歩堂のピンチを助けてくれる。 --『3』過去編では若き日の千尋を操作するパートも。 -矢張 政志(やはり まさし) --成歩堂と御剣の幼馴染で、記念すべき成歩堂の初の依頼人。職業はフリーター→警備員→絵本作家見習い。 --軽い性格の女好き。だがあまりナンパの成果は上がっておらず、付き合っても長続きしない。「もう女なんて信じねぇ!」とのことだが、真宵は別らしい。 --小学生の頃から「事件のカゲに、ヤッパリ矢張」と言われるほどのトラブルメーカー。そもそも成歩堂の初弁護も彼が''女性関係のトラブルに巻き込まれた''のが一因である。一方で巻き込まれた事件において重要な証言や証拠を残す等、事件解決に活躍することも多い。 -糸鋸圭介(いとのこぎり けいすけ) --捜査課の刑事で、成歩堂が弁護を依頼される事件では大抵捜査担当として顔を合わせる。通称「イトノコ刑事」で、探偵パートは現場で彼の話を聞くことから始まるパターンが大半。 --刑事の割にはそそっかしいところが多く、証拠を見落としたりしては法廷で成歩堂にやり込められている。反面、近しい人間が事件に巻き込まれて窮地に陥った時には自身のクビも覚悟で成歩堂に協力するなど人間味溢れる人物。 --また、成歩堂とは逆で機械に強く、機械絡みのことは彼に相談することで活路が開けることがある。 --『[[逆転検事]]』シリーズでも御剣の部下として登場する。 -裁判長(サイバンチョ) --呼んで字の如く裁判長、立派な白髭を蓄えた老人。本名は成歩堂曰く''名刺が達筆過ぎて読めない''とのこと。 --その場の状況に流されやすく、頼りない一面もあるが、なんだかんだで毎回正しい判決を下してくれる愛すべき爺さん。 --孫煩悩だったり%%無駄に%%趣味が多彩だったりと、コミカルな面が多い。緊迫した法廷におけるある種の癒し系キャラ。 --ちなみに無印(DS版以降の移植をすべて含めて)のみ「サイバンカン」表記。『3』には弟の「サイバンカン」が登場する。 ---サイバンチョ「ウ」が無いのは文字数制限のためだが、どうしてわざわざ文字数制限に引っかかる名前に変更されたかは謎。文字数制限が解消されてからもサイバンチョ表記で統一されており、逆転裁判シリーズの裁判長という固有名詞として定着している。 -亜内武文(あうち たけふみ) --妙に甲高い声が特徴のベテラン検事。良く言えば自信満々、悪く言えば自信過剰な言動が目立つ。 --『1』~『3』までの全ての作品で第1話の相手検事を務めており、ゲームを始めたばかりのプレイヤー(と成歩堂)に%%嚙ませ犬%%アグレッサーとして法廷パートのイロハを叩き込んでくれる。 ---『大逆転裁判』シリーズでも彼の先祖が第1話の相手検事として登場する。 #endregion **特徴 2つのゲームパートで構成されている。~ 1つは現場を調査して情報を集めていく「''探偵パート''」で、もう1つは法廷で被告人の無罪を証明していく「''法廷パート''」である。 ''探偵パート'' -ストーリーを読み進めるとともに犯行現場などに足を運んで怪しい箇所を調べたり関係者への聞き込みを行ったり証拠品を「つきつけ」(見せ)たりすることで情報を集めていく。 --普通のコマンド選択型のアドベンチャーと同じシステムでほぼ総あたりで調べなくてはならないが、ストーリーとは無関係の箇所にもコミカルな掛け合いや小ネタが仕込まれている。 --法廷パートや後半のエピソードへの伏線が張られていることもあるので、メッセージをしっかり読んでおくことが重要である。 ---なお、全ての情報や証拠が揃わない限り法廷パートには進まないため、証拠を集め損ねて法廷パートで詰むという事態はまず起こらない。逆に、法廷パートに進まないということはどこかに見落としている証拠や情報があるということでもある。 ''法廷パート'' -このパートではまず、検察側が被告人の有罪を裏づけるために複数の証人を証言台に上げていく。~ 証言は基本的に被告人への嫌疑の理由を証明するものであり、プレイヤーはこの証言への「尋問」を通じて矛盾を指摘していく。 --プレイヤーの主な武器は証言の詳細を求める「''ゆさぶる''」と、証言と証拠品の矛盾を指摘する「''つきつける''」の2つ。~ 特に「ゆさぶる」は新たな情報を引き出したり発言を訂正させたりするなど事件の突破口になるため、初めはすべての証言を「ゆさぶる」のが基本だが、「ゆさぶる」箇所を間違えると発言が元に戻ったりペナルティ(ダメージ)を食らったりすることもある。~ また、状況によっては証拠品を出すかどうかを選択させられるが、「あえて証拠品を出さない」ことが必要な場合もある。 --尋問が一巡するとパートナーが話しかけてくる。このときの会話に「ゆさぶる」「つきつける」ポイントのヒントが隠されているので、分からないときは尋問を一巡させるのも一つの手である。 --証言の矛盾を指摘するとストーリーが進行する。 ---このとき、裁判官や検察側から発せられた質問などにも選択肢での回答や証拠品の提示が必要となる場合がある。 -法廷パートでは選択肢を間違えたり間違った証拠品をつきつけたりするとペナルティを受けポイント(最大5ポイント)が減っていき、すべて無くなるとゲームオーバーになる。ポイントは法廷パートをクリアすれば全回復する。 --法廷パートにはポイントを回復する機会がなく、証拠品も後半のシナリオではかなりの数になるので、法廷パートでの総当りは現実的とはいえない。 -第1話はシステム周りに慣れるためのチュートリアルとして法廷パートのみで構成されている。 --チュートリアルとしての役目を持つ1話では基本的に''真犯人はオープニングの映像で明かされている''。2話以降でも犯人候補となり得る人物が極めて少ない為、犯人当ては容易と言っていい。 --「誰が犯人か」ではなく「どうやって犯行を遂行したか」を暴き、立証することが目的となるのも推理要素のある作品としては特徴と言える。 -ゲーム販売時より未来の設定((『1』で15年前に起きた事件が2001年のこととゲーム中の資料で記述されており、ここからゲームの年代は2016年以降の設定とファンには認識されている。ただし、劇中に登場する携帯電話などの技術関係はほぼ発売当時の水準で描かれている。))であり、現実の裁判とは少々違う部分がある。 --例を挙げると「殺人事件が発覚して容疑者が逮捕されてから''1、2日後には裁判が始まり、そこから数日で必ず判決が出る''」という現実から見れば異常な速度で裁かれる制度である。 ---現実のように何年も裁判を続けていてはゲームとして成り立たないための作劇の都合のようなもので、作中でもこの制度には問題があると認識されているが成歩堂(プレイヤー)はこのルールで戦っていくことになる。&br()また短期間で決着を付ける関係で後から(下手をすると審議をしている最中に)とんでもない新事実が明らかになることも珍しくないため弁護側や被告だけではなく検察側にも牙を向くことがある。 ---最長で3回の法廷審議で必ず判決が出され、判決の直後にそれを否定する新事実が発見されても決して判決は覆らない。&br()そして期限が終了しても「有罪か無罪かどちらとも判断ができない」場合は''有罪''という「疑わしきは検察側の利益」という恐ろしい制度である。この制度は作中世界でも「粗が多いので改良すべき」とされているが、逆に言えば改良すべきだが撤廃までは望まれていないということである。&br()弁護側を主人公として成立させるための「ゲーム上の都合」と割り切ってプレイヤーは遊ぶべきだろう。 ---- **評価点 ''シナリオ'' -依頼人はいずれも殺人の罪を着せられ、有罪証拠も揃った絶体絶命の大ピンチ。 --開始当初はプレイヤーから見ても依頼人が犯人としか思えないような場合もある。しかし、そんな崖っぷちの状況は捜査を進めるうちに二転三転していく。~ 意外な証拠によって徐々に窮地を脱し、最後は暴かれた真実をもとに真犯人を告発し、一気に追い詰めてゆく。 ---本シリーズの魅力は痛快で爽快な展開にあるが、中には一抹の寂しさや悲しさを残したまま終わる「単純なハッピーエンドではない話」も用意されている。 #region(シナリオについての補足(※軽いネタバレを含みます)) ''成歩堂が弁護する依頼人は実際には殺人を犯していない''。これは本シリーズの大前提である。~ 現実の裁判ではなかなかこのような構図にはならず、無罪になる確率がとてつもなく低いこともあって、有罪判決を前提として「いかに量刑を減らすか」という法廷戦略になることも多い((日本の刑事裁判における有罪率は99%を超える。驚くべき数値だが、これは「疑わしきは罰せず」の理念のもと検察が確実に有罪にできる案件しか起訴しない(裁判に至らない)という事情があるためである。そのため実際の法廷では、「有罪か無罪か」よりも「量刑が正当なものかどうか」を争うことが多くなる(その中に冤罪事件・冤罪が疑われている事件が含まれることがあるのは言うまでもない)))。~ しかし、成歩堂はあくまでも''「依頼人は無実である」と信じて戦う''。依頼人が無罪ということは検察の立証には必ず穴があり、証人は「真実」を語っていない。言いがかりでも何でもいいから食い下がり、どんな小さな矛盾も見逃してはならない。そこに逆転の突破口がある。~ 最初は針の穴のような小さな嘘や間違いだったとしても、それを取り繕おうとする度により大きな矛盾が発生し、誤魔化しが効かなくなってくる。やがてその波は真犯人の手により覆い隠されていたヴェールを剥ぎ取り、最後には一つだけの真実を曝け出すことになる。~ 主人公は最後まで被告人を信じ、真犯人を熱く真っ直ぐ、時には冷ややかに追い詰めていく。この主人公の一途な姿勢からくる「熱さ」が本作の隠れた魅力となっている。また、冤罪事件に立ち向かうというプレイヤーに意欲も非常に沸かせてくれる。 #endregion -裁判、法廷という一見すると難しく思えてしまう題材であるが、専門的知識を必要とせず気軽にプレイすることが出来る。 --たまに何かしらの専門的知識や専門用語が出ることがあるが、法廷内に知らない者がいるため仕方なく説明される、という展開になる。裁判に関する内容だと新米の成歩堂やパートナーの真宵がよく分からず、デジカメや車のマフラーといったやや専門的な物は年輩者の裁判長が知識に乏しい等、自然な形に割り振られている。 -法廷再現の面白さ --上記のように実際の日本の法律と異なる部分は多いものの、法廷の基本的な部分は変わらない。 --証人や被告の矛盾を発見して、嘘を見抜き、真実へ到達し、被告を無罪に導くという内容は、当時としてはかなり斬新な推理ゲームであり、法廷劇シミュレーションとしても楽しめる。 -オカルトと推理の融合 --通常、推理物(特に現実の現代を舞台にした作品)ではリアリティの観点からオカルト要素を核心的な要素に絡めることはタブーとされている、本作ではそのタブーを真っ向から否定しており、霊媒と言う要素を推理要素の一環として絡めることでオリジナリティを作り出している、 -矛盾を突っ込まれてショックを受けたときの表情やリアクションも派手で個性的なものばかり。このオーバーリアクションが相手をやっつける快感にも結びついている。 --特に真犯人を追い詰めた時のリアクションは、「ブレイクモーション」と呼ばれそれまでのリアクションをさらに肥大化したものとなっている。この真犯人のブレイクモーションもこのシリーズにおける見どころの一つである。 -また、本シリーズのシナリオは各話の内容が独立したオムニバス形式になっているが、シナリオの中には細かな伏線が張られており、最終話まで進めることで1つのストーリーが浮かび上がる構成になっている。 --元々『1』の時点で続編の構成は無かったが、最終的には初代から『3』までが1つの大きなストーリーになるという壮大なものになった。 ''笑いの要素に溢れたテキスト'' -登場人物は見た目だけでなく中身も個性派ばかり。証拠品の突きつけに失敗したときは証人・裁判官・検事・果てはパートナーからも軽妙な突っ込みを浴びせられる。 --掛け合いは種類が豊富で、時にはそれぞれが息の合った連携を見せることも。ゲームクリア後はわざと間違えて失敗時のメッセージを確かめたくなるほどである。 --このユーモアあるテキストのおかげで殺人事件などだと重くなるシナリオが軽く読めるメリットでもある。 -探偵パートも小ネタの宝庫で、事件の背景や人物・世界観についての小ネタも気が利いていて面白い。 --特に「''脚立とハシゴ''」をめぐるやり取りは、後にシリーズ恒例のネタとなった。 ---脚立を調べた際に「脚立」と呼ぶか「ハシゴ」と呼ぶかで意見が分かれる。たったそれだけの話なのだが何故かスタッフに受けたようで、以降のシリーズでも必ずどこかに脚立が置かれ、調べることで必ず議論されることになる。 ''BGM・SE'' -BGMはハード音源の関係もあってやや地味に感じられるが、1つ1つが状況によく合っており、無音状態も含め場面ごとのメリハリをつけるのに一役買っている。 --中でも真犯人を追い詰めるときに流れるBGM「追求」シリーズは人気が高い。 --証言中のBGMも矛盾を指摘するなどして話を進めていくと徐々にテンポが上がっていく。これにより証人の焦りをわかりやすく表している。 -SEも効果的に使われている。論理でダメージを与えたときの斬撃音は「法廷バトル」という本シリーズのコンセプトを象徴するものと言っても過言ではないだろう。 -本作の代名詞と言えるSEが、尋問で証拠品を突きつけたときに発せられる''「異議あり!」''の音声である。 --本作における音声はほぼこれだけであるが、弁護人((こちらはゆさぶりの「待った!」と尋問以外での証拠品提出時の「くらえ!」もある。))と検事には全員ボイスが用意されている。画面に表示される吹き出しと赤い文字もあってインパクト抜群。 --声は全てプロの声優ではなくカプコン社員が担当。主人公の成歩堂はディレクターの巧舟氏、御剣はキャラデザイナーとグラフィックの岩元辰郎氏が演じている。巧氏の声はハマリ役とファンからの評価が高い。 ---以降ナンバリングでは『4』まで、シリーズ全体としては『検事2』まで継続するが、各種PVや『5』以降の作品ではボイス付きの台詞の分量が増加したこともありプロの声優が採用されている。 ---- **賛否両論点 ''キャラクター'' -シリーズ最初の事件の犯人が「''名前からして犯人そのもの''((一応、エピローグで犯行している最中が描かれるため今更感も皆無ではない。))」であったり、人騒がせな証言を繰り返す証人の名前が「''大沢木(おおさわぎ)ナツミ''」であったりと名前からして遊んでおり、言葉遊びのネーミングはシリーズの特徴の1つとなっている(このような個性的な名前になったのは「名前を聞くだけでどんな人なのかが一発で覚えられるようにしたから」だそうだ)。 --同時に、個性がやたら強い人物が多いため、殺人事件の裁判という状況でありながらギャグ的なノリを挟まれる点も含めて好みは分かれるところではある。このキャラクターの強すぎる個性は、シリーズを重ねる毎にさらに強くなっていく。 //#region(ネタバレ注意) //-『1』の第1話の犯人は嘘を暴かれると激昂して''ヅラを成歩堂に投げつける''。その後の審理は犯人がヅラが外れてハゲを晒した状態のグラフィックで進行する。この時点でシリーズのノリは決まっていたと言っていい。 //-『2』の第1話の犯人は自分で自分のマフラーを締めることで、白目を剥きながらチアノーゼを起こしてぶっ倒れるというこれまた強烈なインパクトの最期となる。 //-『3』の第1話の犯人のリアクションは薄いが、代わりに敗北した検事が絶叫しながら毛髪が抜け落ちるというギャグ全開のリアクションを行う。 //#endregion //真犯人のブレイクモーションを細かく書く必要性が薄いと感じたのでCOしました。ダメージモーション自体は評価点になると思うのでそちらは移動させました。 -話によっては真犯人でなくとも犯罪行為(窃盗や暴行など)を取る人物や、法廷でわざと虚偽の証言をする人物、裁判官や検事のアウトに近い会話や仕事しろと言わんばかりの怠慢も見受けられる。 --単なるギャグ、あるいは事情があるとはいえ、それらの行いを許容できるかはプレイヤー次第となる。 --これらは主人公のナルホドも例外ではなく、時には証拠品を窃盗まがいの方法で入手して証拠として提出することもある。 ---- **問題点 ''システム'' -証拠品は1画面に1種類までしか表示できないので、数多くの証拠品を扱うようになる後半のシナリオでは検索・閲覧が面倒になる。 --DS版では下画面の存在により改善されている。HD版も解像度の進化によって、大きく表示されている証拠品の下に、それ以外の証拠品が10個まで表示されるよう改善された。 -法廷パートで矛盾を指摘するときは基本的に、特定の証拠品を特定の順序でつきつけなければ正解と見なされない。 --裁判のルールとしては正しいのだが、ときどき別の証拠品でも説明できるのに正解にならなかったり、こちらが一足飛びで正解に気づいてしまったりすることがあり、「なぜこの証拠品ではダメなんだ!」と詰まったり、先に気づいたのになかなか正解を示せなくてイラついたりする場面がある。 -探偵パートでは離れた場所に一発で移動することができない。例えば廊下を渡った先にある部屋へ行きたければきちんと廊下を挟む必要がある。経由する必要がある場所は全てきっちり通らなければ移動できない。 --ストーリー進行のうえで有効利用((別の部屋に移動する途中の渡り廊下で特定の人物に出会うなど。))してはいるのだが、少々不便である。 --またこの仕様のため、移動出来る場所が追加されたことが告知されてもその場からは直接行けないことがあり、何処を経由すれば行けるのかがわかりづらいことも。 -一度クリアするまで既読スキップ・早送りができない。初めて読む場合はまだいいのだが、ゲームオーバーになってやり直すときは戻し作業に時間がかかり、わずらわしく感じてしまう。 --こちらもDS版では改善されている。 -バックログ機能がない。尋問では何度も読み返せるが、それ以外の場面ではボタン連打などで飛ばしてしまうと読み返すことができない。 --メッセージの送り速度も変更できないので、読む速度が速い人ほど陥りやすい。 --プレイに間が空くと話の内容を忘れてしまうこともあり、その際にここまでのあらすじを確認できないのはきつい。カンニング防止策とも言えるが、後述するようにシナリオが長期化していく次作以降は特に難易度上昇の原因の一端となっている。 ''シナリオ'' -トリックや場面設定に荒唐無稽なところや致命的な欠陥があるエピソードが存在する。この他にも「冷静に考えるとスッキリしない点」がいくつかある。 //他のサイトに丸投げしないで、具体的にどの話のどの場面がおかしいかを書く必要がある。 //あんまり書きすぎるとキリがないので、特におかしいところだけを抜粋して記述しました。ただ、書かなければならない情報が多すぎてまとまりがない文になってしまったので、どなたか整理を希望します。 #region(その一例(ネタバレを含みます)) -よく例として挙げられるのが、''「霊媒」などのオカルト要素''。ただし、本シリーズに登場する「霊媒」はあくまでも世界観の1つに過ぎない。シナリオを担当した巧舟氏も「霊媒が実在する世界で成立するミステリーを描いた」と述べている。 --一見チートに見える要素だが、第4話ではそれを逆手に取った弱点を用意することで、霊媒一辺倒にならないよう配慮されている。 -シリーズ全体を通じて、ゲームとして成立させる(ツッコミどころを持たせる)ためか、警察の捜査が杜撰な場面が散見される。 --明確な現場の矛盾点に気付かず放置することや、証拠品の重要な部分を調べないまま証拠能力なしとして主人公に引き渡すなど。さらに捜査済みの現場に、重要な遺留品が普通に落ちていることも。 --科学捜査についてもエピソードで行われる・行われないの差がまちまち。 ---特に取沙汰されるのは「硝煙反応((銃を発砲した際に出る硝煙が衣服や手についているかどうかを検査するもの。))を調べない」という点で、第4話は硝煙反応の調査で状況が大きく変化ないし解決するのではということが指摘されている。 --あくまでエピソードに登場する設定以外の科学的描写や警察の捜査以外は存在しない設定と割り切って読んだ方がよいだろう。 --警察の杜撰さは作中でギャグとしても表現されており、劇中では(特にメインで登場する糸鋸が)ほぼ無能の扱いをされてちょくちょく減給されている。スタッフも『4』当時に法務省へ取材に行った際に「警察はこんな杜撰な捜査はしない」とツッコまれたという。 ---作中の裁判制度の影響で、事件発生後即時に容疑者を逮捕しその2日後から裁判開始、捜査を裁判とほぼ同時進行で行うという体制になっており、これが捜査の杜撰さに繋がっていて作中世界の法曹界における社会問題の1つとなっているような描写も見受けられる((『1』では序審法廷の有罪率が非常に高く、第4話で検事が「誤認逮捕を減らす努力をしろ」と苦言を呈する場面がある。また、『5』ではこの環境から産まれた「ユガミ」を正すために戦うことになる。))。 --これらの指摘に対してか、『検事2』では(主役が検事と刑事の側なので事情が異なるものの)硝煙反応を調査し重要な証拠として扱う展開などが描かれている。 -第1話では、アメリカで合わせた時計の時刻が帰国後も直されておらず、日本とアメリカの時差が決定的な証拠になる。 --しかし事件が起こった時期のアメリカでは、実際にはサマータイムによる時間のズレがあるため、辻褄が合わなくなってしまう。 --これはただ時期が悪かっただけなので、アニメでは日付けのみ直された。 -成歩堂が弁護士を目指すきっかけになった「学級裁判」。 --小学生のとき、同じクラスの御剣の給食費が盗まれ学級裁判が行われたが、体育を休んだ成歩堂が問答無用で犯人扱いされてしまう。このとき無実なのに犯人として責められる孤独を感じたことと、自分を庇ってくれた御剣と矢張に救われたこと、それが成歩堂が弁護士を目指すきっかけとなった。 --このエピソードは序盤から終盤まで断片的に展開していき、最後は感涙ものである。…しかし最終的にあきらかになるのは、''給食費を盗んだのは矢張という事実''。盗んだ理由も「ついなんとなく」でしかない上に、それでいて成歩堂と御剣とは何食わぬ顔で親友として付き合っており、小学生とはいえあんまりである。矢張は「アホだけどなんだかんだ憎めないし良い奴」といったポジションのキャラであるが、最後の最後で一気に印象が悪くなってしまう。 ---本人も一応後ろめたいという自覚はあったらしく((そもそも成歩堂の弁護に回ったのもその後ろめたさ故で、御剣からは「いつもならここぞとばかり責め立てただろう」とも評されている。))、学級裁判の話題になると反応が渋くなりがちであり、最終的に最終話の無罪判決の祝いのついでで返却はしている。が、15年も前のことなので時効だと法的な裁きは受けておらず、直接の謝罪はないばかりか本件をきっかけに弁護士になった成歩堂を茶化す始末で、これを見過ごせるかどうかは評価が分かれるところ。当の被害者である御剣本人は軽く流してしまっているのだが…。 ---ファンブックでのスタッフの対談でも「あのオチはあんまりだ」とツッコまれており、公式にも酷い内容だと認識はされているようである。 --実写映画版でもこの顛末はほぼそのままで、被害者も別人に設定された上に返還の描写もないためますます悪質化している。さすがにアニメでは納得のいく理由付けが追加されており((裸で拾った御剣の金を誰の物かもわからず警察に届け、一定期間経過の後に拾得物としてちゃんと貰い、そのお金で3人で買い食いするという素敵な思い出エピソードになった。))、悪印象を持つようなこともなくなった。 -最終話で登場する「DL6号事件」のシチュエーション。 --大地震によって裁判所が停電、これによってエレベーターが停止して御剣信・怜侍の親子と法廷係官の灰根が閉じ込められ、そのまま酸欠状態となってパニックを起こした灰根が信に襲い掛かり、復旧後に外部の者が入ってきたときには気絶した怜侍と灰根、そして信の銃殺された死体があった……という流れ。 ---エレベーター自体が埋まったのなら別だが、幾ら機密性が高いとはいえ、現実では''エレベーターが停電で停止したところで窒息状態に陥ることはあり得ない''。仮にこれを作中のエレベーターでは窒息するものとみなしても、このエレベーターには''扉にガラスの窓があり、これを割れば解決する''という問題がある(実際、事件の中で穴が開いている)。そして、灰根はそのガラスを割る手段になり得る拳銃を持ち合わせており、脱出できる、あるいは酸欠を回避できる可能性は十分にあった((しかしながら、当然弾が貫通するのでエレベーターの前にいる人に当たる可能性もあるし、階に到着しているとは限らないので逆に危険になる場合も考えられる。実際にエレベーターの前にいた人物に当たっていた))。 ---これに関してはファンからの指摘があまりに多かったとのことで、実写映画版では全く違うシチュエーションに変更され、アニメ版では扉のガラスの窓がなくなっている。 -15年前の「DL6号事件」の判決について --15年前に行われたDL6号事件の判決で灰根は無罪となったが、無罪判決となった理由については、御剣が「証拠不十分のため(=そもそも犯人ではない)」と言うシーンと、「心神喪失状態であったため(=犯人ではあるが、責任能力がない)」と言うシーンがあり((どちらも第4話 3日目 探偵パート))、矛盾していてどちらが正しいのかハッキリしない。 --前者であれば、灰根が心神喪失状態を装い続ける理由が無くなってしまう。後者であれば、犯人が分からないため警察が霊媒を使った話や、御剣の「どう考えてたって、犯人はあいつしかいない(=犯人が確定していない)」という台詞と矛盾してしまう。 ---一応、真犯人が「被害者も完璧に欺いてやった」と話はしたが。 -15年前に当時9歳だった子供の犯罪を大真面目に裁判にかけようとする法曹関係者たちというのもよくよく考えるとかなりおかしい。 --本人が罪を認めているのが大きいのだが、犯人が9歳ではそもそも刑法41条があるので起訴にならない、作中での本人の証言に従う限り第38条であっさり無罪になる、故意とも過失とも言えないかもしれないし、過失致死にしても時効は3年((罰金が最高刑の為である。他には過失致傷、賭博などが該当))なので、「作中世界に刑法41条がない((もちろん少年法によって補導されたりはするが、これは故意犯に限られるし、そもそも法的措置がないまま成人している。))」「過失致死の時効が長い」などかなり無理のある設定が重ならないとそもそも裁判にかけられていること自体がおかしな話になる。 ---作中の証言通りに事件が成立したと仮定しても、どう考えても一番責任が重いのは、警察官でもないのに証拠品だからと実弾の入った拳銃を裁判所内で持ち歩いていた人物である。%%証拠品の扱いが雑なのはこのシリーズではお馴染みのことになっていくのだが……%% -そもそもの世界観の根底である「序審法廷制度」自体が冷静に考えるとまず可決しない。 --大量の犯罪に対応すべく、犯行から数日の内に犯人の有罪と無罪だけを決める裁判を行う(有罪だった場合は、量刑を決める高裁に送られる)という仕組みなのだが、たった数日しか行われないので十分な捜査も審理も行われず、裁判官の心証だけで有罪無罪が決まってしまうなど、かなり強引。探偵パートと法廷パートを両立させるために必要な設定とはいえ、あまりに杜撰すぎる。 ---他にも現行犯ですらない、単に現場に居合わせただけの人間を逮捕状もなし((緊急逮捕という制度は実在するが、これは逮捕状を後回しに出来るだけで降りなかったらすぐ釈放する事になる))に拘束できてしまう描写もある。こんな制度がまかり通る未来の日本の司法制度はどうなっているのか、という方向でツッコミが入ることも。 #endregion //-一部のキャラが偽証罪に問われない //--法廷で偽りの証言をすると「偽証罪」という罪に問われるが、成歩堂の味方が嘘の証言をしている時は問われる描写が無い。 //少なくとも『1』では弁護側の証人に偽証する者はいないし、被告人が嘘の証言をしても偽証罪に問われることはない。『2』では華宮霧緒が偽証しているが、彼女は捜査の攪乱や死体損壊なども含めきちんと追及されている。 -『1』は1話がチュートリアル扱いで短い裁判パートしかなく、2話も最初ということもあって簡単な作りになっており、シリーズ全体で見るとややボリューム不足。 --そのためかDS移植版では『1』のみ完全新作のシナリオが追加された。詳細は後述の『蘇る逆転』で。 ---- **総評 絶体絶命の土壇場から始まり何度も窮地に追い込まれながらも、最終的に大逆転を収めるというシナリオと自然と笑いが生じるようなユーモア溢れるテキストでまとめられたシンプルな「法廷バトル」は「裁判」というもともとのテーマが持っていた取っつきにくさを解消し、誰でも接しやすい作品にしている。~ また、個性豊かなキャラクターたちは見た目も言動も印象に残りやすく、それぞれが数多くのファンを生んだ。~ アドベンチャーゲームとしてはごく普通の作りだが、シナリオ・キャラクター・演出などが渾然一体となった完成度の高い作品であり、それまで比較的ニッチなジャンルであった推理ゲームにライトユーザーを取り込んだ功績は計り知れない。 ---- *逆転裁判 蘇る逆転 【ぎゃくてんさいばん よみがえるぎゃくてん】 |対応機種|ニンテンドーDS|&amazon(B0002FQD86)| |メディア|512MbitDSカード|~| |発売日|2005年9月15日|~| |定価|5,040円|~| |廉価版|Best Price!&br;2006年6月15日/3,129円&br;NEW Best Price! 2000&br;2008年4月17日/2,100円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|追加エピソードを含む移植|~| **概要(DS) 『1』のDS移植版。DSに合わせたUIの変更や誤字の修正の他、追加エピソードとして「蘇る逆転」が追加されている。以降の初代の移植は全て本作を基準としている。 -英語版が同時収録。独特のネーミングやテキストは単なる直訳ではなくしっかり英語風にアレンジされており、日本語版と見比べてみるのも面白い。 --シリーズ恒例の「異議あり!」等の吹き出しは、GBAの作品では画面3分の1ほどの大きさで縦書きだったが、本作以降は英語版と合わせるため画面全体を覆い尽くす大きさで横書きに変更となった。 -『1』の裁判所の背景は簡素だったのだが、本作では『2』以降の書き込みの細かい物に変更された。 -追加エピソード「蘇る逆転」 --本編の第4話をクリア後に解放される追加エピソード。『1』と『2』の間の、失踪するまでの御剣関連を補完している。 ---DSのハードの機能を活かしたタッチ操作やマイクに息を吹きかけることによる「''カガク捜査''」や、3Dモデルの証拠品の捜査、暗証番号の入力、''映像の矛盾を指摘する''などの新要素が多く盛り込まれている。 --内容は''(探偵パート+法廷パート×2)が3セット''、手早く解いても数時間はかかるというシリーズ最長のボリュームとなっている。 --このエピソードで真宵の代わりに成歩堂の助手をつとめた宝月茜(ほうづき あかね)は本作以降でも準レギュラーと化し、''本来のヒロインである真宵を差し置いて''『逆転検事』シリーズや『4』以降にも登場している((『検事』を含むシリーズの時系列における真宵の再登場は2016年発売の『6』までお預けだが、その間に出た作品には茜がほぼ毎回登場している。))。 ---他にこのエピソードのためだけにもかかわらず(後に再登場した者もいるが)、数多くの新キャラが追加されている。立ち絵やアニメーションのパターンも豊富で、真犯人の迫真のブレイクモーションや、とある人物がことある毎に差し出す弁当のパターン数は必見である。 --また本作が完結編である『3』よりも後に発売されたこともあって、「蘇る逆転」は『2』に登場する須々木マコの写真や『3』に登場するフランス料理店「吐麗美庵」のチラシといった後続作品の小ネタが多く登場する((割合で言うならケチャップや上級執務室の御剣の衣装等『3』のネタがかなり多い。))。 ---『2』の問題点項目で記述されている通り、「蘇る逆転」では御剣がどのような心境の変化を経て『2』直前に失踪し己の検事価値観を改めるに至ったかの補完的な説明がなされており、実質的な『2』前日譚とも言える。 --キャラクターデザインは『4』を担当する塗和也氏に交代しており、新キャラも何人か『4』に登場する者もいる。「カガク捜査」が『4』でも続投しているという事もあり、『4』の布石的な役割もあった模様である。 ---- **評価点(DS) -移植前の内容は一部の誤植等の修正を除き、ほぼそのままなので原作の評価点はそのまま引き継がれている。 -UI変更による多くの仕様の改善 --証拠品ファイルがサムネイル画像によるリスト化をされるようになり、一つずつページ送りして探さなければならない原作よりも非常に扱いやすくなった。この利便性向上はPVでもアピールされていたほど。 --『2』以降標準搭載となった既読箇所の早送り機能が搭載された。 --コンバータ機能に対応しており、GBA版をDSに挿したままプレイするとクリアした話を引き継ぐことができる(DSi以降では不可能)。原作を遊んだ人が第5話だけすぐに遊びたいという場合には手軽。 --「調べる」などのカーソルが指さす手のマークから十字線の交差部分に四角の照準型へと変更された。機械的な雰囲気になった点は好みが分かれるが、視認性ではこちらの方が高い。 --これらの操作がタッチペン・ボタン操作のどちらでも可能。遊びやすい方を選べる。 -好評な「カガク捜査」 --3D証拠品で証拠品に仕込まれたネタを探したり、ルミノール試薬を事件と無関係の場所で使うと笑えるネタが出てきたりと、笑いに満ちたテキストはこれらにも存在。 --指紋検出はやや作業感があるが、アルミの粉を撒いてから飛ばして指紋を浮き上がらせるという、刑事ドラマの鑑識のような動作がDSの機能を生かしてできるのは楽しい。 --いずれもタッチ必須の動作であるが、DSのタッチ操作必須のゲームにありがちな「認識がシビアで成功させにくい」「他で代用できる操作を無理やりタッチ操作でやらせている」という要素がほぼない。明確にDSの機能を活かした好例と言って過言ではないだろう。 ---- **賛否両論点(DS) -追加された第5話が極端に長く、他話の1.5~2倍程度の時間がかかる。追加シナリオとしてのボリュームは充分であり、原作を遊んだ人が第5話だけを遊んでも存分に楽しめる反面、途中で疲れる・だれる・飽きる恐れもある。 //--第5話をプレイしてしまうと、「もうお腹いっぱい」と『2』以降をやる気力がなくなる事も。 -また後付けという事情もあり、第5話から『2』に直接繋げても「『1』と『2』の間が補完されて『2』の不自然さが解消された」とは言い切れず、違和感はやや残る。第5話は、現実の発売時期や登場キャラなどを見ても「『1』の第4話を終わらせた後」よりも「『3』をクリアした後、『4』をプレイする前」に向いているかもしれない。 -BGMはGBAのハードの特徴を残しつつ音質アップがされている。 --開発意図としてあえてレトロな雰囲気を出そうとした故らしいが、純粋な高音質を期待した人には少々残念。 --ちなみに第4話(『1』最終話)で流れるスタッフロールの曲は『1』時点では未完成だったが本作では完成版になっているとのこと。 ---- **問題点(DS) -過去の事件でいるはずのないマスコットが見えたという証言に対して、3Dモデルの壺を操作してどう見えたかを示すパートがあるが、正解になる判定がかなり厳しい。 --人間が目視して納得できるような形でもまだ正解にならず、画面に表示されたマス目に先端をしっかり合わせるようにしないと正解にならない。 ---それを見越してか、このパートに関してはペナルティが存在せず何度でもやり直せるようになっている。 -細かなバグ --あるタイミングで別の場所に移動して、とあるポイントを調べるだけで発生してしまうバグがある。 ---その場にはいないはずのキャラが登場し、行動する内容によって背景やBGMが変化するだけ、というものではあるが、簡単な操作で確定で起こってしまうのは問題である。このタイミングで別の場所に移動する必要は無いのだが、ここでは任意の7桁の番号を入力して((この時点でおおよその推測が出来るものだがノーヒント。))正解しなければ先に進めることが出来ないため、人によっては先に詰まって手当たり次第に調べているうちに、意図せず起こしてしまう可能性もある。その場から移動するだけでバグは終了し、フリーズやデータ消去、攻略不能に陥るといった致命的なものではないのが救い。 --また、証拠品の中に現場の状況を書き記した図面があるのだが、ある程度物語が進行すると、この図面に新たな情報が書き込まれる。しかし後半の法廷パートでゲームを中断するだけで、この新しく書き込まれた情報が一部クリアされてしまうというバグもある。この証拠品は前半で使い終えたら以降必要無い物のため、進行には一切問題は無いが、中断セーブしただけで発生してしまうという性質上、おそらく全プレイヤーが遭遇していると言っても過言ではない。 ---これらのバグはその後の移植版で修正された。 -ハードの変化に伴いセーブに掛かる時間が1回5秒程度と長くなった(GBA版は1秒と掛からない)。選択肢を誤った際の台詞を楽しむ、と言った目的で頻繁にセーブをする人には気になりやすい点である。 -ゲーム中の証拠品突き付けやゆさぶりに対し、マイクに音声入力で該当する言葉を叫ぶことでゲームを進行させることも可能だが、はっきり言ってイマイチ。 --マイクが認識しやすいかどうかは個人差がある上、&b(){このゲームのプレイ中にリアルにその声を上げたいか}という点は疑問符がつく。 --原作同様に使用しなくても進めることは可能だが、つまりは無くても困らないシステムであり、こればかりは「DSの機能を無理に使用した」と言われても仕方ないだろう。 ---- **総評(DS) 単なる第1作の焼き直しにとどまらず、追加要素や新ハードに対応した調整などが行われた良質な移植・リメイクと呼べる作品。~ 元々がシンプルなアドベンチャーゲームなだけあって、DSの仕様との相性は抜群に噛み合っており、DSのゲーム全体としてもこれほどにハード性能を生かした作品は珍しいと言えるだろう。 ---- **その他の移植 『蘇る逆転』はWiiウェアにも移植されている。 -ゲームの仕様はDS版と同じだが、Wii版では証拠品を突き付ける際はリモコンで指さす動作をする、証人をゆさぶる際にリモコンを振るとコマンドが実行されるようになっている。 --また、成歩堂の声がリモコンのスピーカーから流れ、臨場感を高めてくれる。 -第5話がDLCとなっており、遊ぶには別途購入が必要。その分本体は『2』『3』の移植版よりやや安価になっており、DLC込みで同額になる。また、いきなり第5話から始めることが可能。 -セーブデータの数が3つに増加。 -BGMが''完全に高音質''に。後にWii版のBGMを音源化した『逆転裁判 サウンドBOX』も発売された。 -Wiiショッピングチャンネル終了に伴い、現在は購入できない。 ---- *余談 -開発当初のタイトルは「''サバイバン~弁護士探偵なるほどくん~''」というものであった。さすがにそれはないだろうということで、その後何回かの変更を経て現タイトルに落ち着いた。 -第1作『逆転裁判』を作るにあたって実際に裁判所に行って法廷を見学したところ、「審議は意外と静かに進む」「意外と木槌は叩かない」と本作のイメージとはだいぶ違っていたという(巧氏のコラムによる)。 --ちなみに、本シリーズの決め台詞であり、ドラマなどでもよく出る((『スーパーマリオサンシャイン』では裁判中にピーチが言っていた。もっとも、裁判官にあっさり却下され、えらく一方的な裁判だったようだが。))「異議あり!」という台詞は実際の裁判では滅多に使われないし、使われる時も「相手側の弁護士/検事が法に反した追及(誘導尋問、威圧など)を行った場合」のようなもので、被告人や証人に使うものではない((言うまでもないが、ゲーム中の弁護人・検察官の行動や法廷における立証責任の描き方は現実の裁判とは大きく異なる。例えばゲーム中では成歩堂が真犯人まで告発しなければ無罪を勝ち取れないように描かれているが、実際は検察が提出した証拠の問題点を指摘し、検察がその問題点を説明できなければ十分であり、真犯人の告発までする必要はない。))。 -『蘇る逆転』のエンディングでは、エンディング中の各所で本体に息を吹き掛けることで指紋採取と同じ演出が起こり、下からイラストが出てくるニクい隠し要素がある。 -『蘇る逆転』追加エピソードクリア後の選択画面にはイラストが無い。エピソード自体はかなり手が込んでいるだけに、抜けているものがあるのは残念である。だか後の2012年配信の『逆転裁判123HD ~成歩堂 龍一編』に向けエピソードイラストが作られた -裁判を題材としたゲームは本作以前の1995年時点で『殺意の証明』が存在している。 -海外では『Phoenix Wright: Ace Attorney』としてローカライズされている。Phoenix Wright(フェニックス・ライト)とは成歩堂の海外版の名前であり、以降は『Ace Attorney』を冠してシリーズ化した。 --成歩堂の名前が変わっている事から分かる通り、舞台は日本からアメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスに変更されており、キャラ名や台詞が欧米風に置き換えられている。 --しかし変わっているのは台詞の上と一部演出(トノサマンのロゴなど)だけで、基本は日本版のまま。流石に向こうでもツッコミ所らしく、[[ネタにされる>http://i0.kym-cdn.com/photos/images/original/000/658/335/3ca.png]]こともあるようだ。 ---似た例では『[[クロックタワー ゴーストヘッド]]』などもあり、奇しくも同作も舞台がカリフォルニア州(という名の日本)にされていた。 --そもそも日本語だからこそ成立する設定や言葉遊びなどが大量に盛り込まれた作品なので、ローカライズも相当苦労したことがうかがえる([[英語リンク>https://www.usgamer.net/articles/expert-witness-an-interview-with-alex-smith-the-writer-behind-ace-attorneys-english-debut]])。 ---尚、舞台をアメリカに選んだのは第一話にある「日本とアメリカの時差によるトリック」を見て「あまり考えず」やったことらしく((オリジナルでは登場人物はアメリカ旅行に行っていたが、北米版では逆に日本旅行に行っている。))、その後でどんどん不都合が出てきて後悔したとか。 --ちなみに主人公名であるPhoenix Wrightの「Wright」は日本の「なるほど」に相当する言葉遊びとして「right」を捩ったものらしく、一応はオリジナルに即した面はある。 ---ローカライズ担当は元々「Roger Wright」を考えて「Phoenix」は候補の最下位であったが、日本の開発チームから「これが良い」と言われて決めたという。恐らく、オリジナルの名前にある「龍」に匹敵するようなものとして選ばれたのだろう。 -特徴でも述べた通り、逆転裁判シリーズの世界では最長で3日まで法廷審議が行われ有罪か無罪かを決める序審法廷制度という法制度が存在する。しかし実際に最長の3日まで行われたのは初代である本作とそのリメイク版である『蘇る逆転』の追加エピソードだけであり、『2』以降は長くても2日目まで行われるようになっている。 ---- *その後の展開 ''ゲーム'' -『3』でシリーズは一端完結。続編の『[[逆転裁判4]]』では「新章開廷」として主人公を交代しメインキャラを一新。2013年にはその流れを汲んだ続編『[[逆転裁判5]]』が発売され、2016年の『[[逆転裁判6]]』でストーリーにまた一区切りが付いた。 --その後『1』〜『3』をカップリングした『逆転裁判123HD』がスマートフォンアプリとして配信されたほか、それに調整を加えた『逆転裁判123 成歩堂セレクション』 も発売されている。 -スピンオフとして御剣怜侍を主人公に据えた『[[逆転検事]]』『[[2>逆転検事2]]』が制作された。こちらは一般的な推理アドベンチャーに近いつくりになっているが、矛盾を指摘して反論するスタイルやキャラクター同士の掛け合いなど、シリーズらしさは随所にあらわれている。『逆転裁判』シリーズの登場人物も何人か登場している。 -2023年12月31日時点でシリーズの総販売本数が1,100万本を突破している。([[カプコン発表>https://www.capcom.co.jp/ir/business/salesdata.html]]) -2011年に発売された『[[ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3>MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds#id_29c9ae2c]]』では成歩堂が衝撃の参戦((元々は『タツノコ VS. CAPCOM』の続編での参戦が検討されていたが、原作でのアクションが格ゲー向きではないという理由で不採用となっていた。))。並いる超人やヒーロー・ヴィラン・怪物たちを相手に一般人である「なるほどくん」がいつものノリと法廷パートで立ち向かい、逆転パートで一気に勝負をキメる勇姿は必見。 --ただし、「通常時弱すぎ・運要素絡みすぎ」というギャンブルタイプのキャラで、ランク的には最下位。''一般人なのである意味正しいが。'' --ちなみに、無印『MVC3』の時点でMARVELコミックの弁護士であるシーハルクのEDにて法廷で顔を合わせている。 -クロスオーバー作品として『[[レイトン教授VS逆転裁判]]』が3DS専用ソフトとして発売。成歩堂と真宵の声を後述の実写映画版のキャストが演じる。 -『[[PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』に成歩堂と真宵がソロユニットとして参戦。『UMVC3』よろしく、超人や怪物たちに交じって戦う弁護士として活躍する。 --ただし、今回は成歩堂と真宵がなぜ超人的な力を発揮出来るのかがシナリオ上で理由付けされている。イベントでも法廷で培った洞察力と論理展開で敵の企みを看破するなど、パーティーのブレインとしても活躍する。 --また、物語開始前に『[[龍が如く]]』シリーズの真島悟朗の弁護を担当して無罪を勝ち取っており、彼から「センセ」と呼ばれ一目置かれているというクロスオーバーがある。イベント専用キャラとして御剣も登場する。 -iOSの音ゲーアプリ『CROSSxBEATS』及びナムコの音ゲー『[[太鼓の達人シリーズ]]』に『1』『2』『3』楽曲のアレンジメドレーが収録されている。 --ただし、AC版『[[crossbeats REV.]][[シリーズ>crossbeats REV. SUNRISE]]』には未収録。 ''書籍'' -前川かずお氏が絵を、黒田研二氏が原作を務める形で漫画版が『別冊ヤングマガジン』で連載されていた。単行本全5巻。ゲームとは異なる事件を成歩堂が解決していくオリジナルな内容。また後に同じ作者による『逆転検事』の漫画版も同誌で連載された。 --その後、後述のアニメ版に並行する形で、影山なおゆき氏作の新漫画版が『Vジャンプ』にて連載開始。こちらは基本的にアニメ(原作)に則った展開になっている。 ''実写'' -2009年に''宝塚歌劇団によって舞台化された。''本シリーズのようなゲームを原作にドラマや映画や宝塚の舞台が作られるのはかなり珍しい例だと言える(宝塚がゲームを舞台化するのはもちろんこれが初めて)。なお、宝塚版の登場人物の名前は海外版のものが使われており、舞台もアメリカとなっている。 --全三作の舞台公演がなされており、1作目、2作目をフェニックス・ライト(成歩堂)、3作目はマイルズ・エッジワース(御剣)が主人公を務める。 ---宝塚歌劇団は同じカプコン原作の作品として『[[戦国BASARA]]』も公演しており、両作品(逆転裁判3は除く)とも蘭寿とむが主人公を演じている。 ---どちらも「原作愛を感じる」としてゲームファンからの評価も高い。興味がある人は見て損はないだろう。 -2012年に成宮寛貴氏主演で映画化がされた。『1』のシナリオを第4章中心にまとめたようなあらすじ。どちらかといえば''手を抜かない出演者の徹底したコスプレ''が評価されているとか。 --なお、主演の成宮氏は『[[レイトン教授VS逆転裁判]]』でも成歩堂役を担当した。 -2013年から数回舞台化もされている。こちらは上記宝塚版と違い、日本版をベースとした舞台化である。 ''アニメ'' -東京ゲームショウ2015のシリーズ最新作『逆転裁判6』のスペシャルステージにてTVアニメ化『逆転裁判 ~その「真実」、異議あり!~』が発表された。 --奇しくも第1作目の舞台と同じ2016年4月から放送されている(以下「Season1」)。 --キャストはそれまでゲームやムービー等から一新され、成歩堂を梶裕貴氏、真宵を悠木碧氏が担当。悠木氏は『レイトン教授VS逆転裁判』でキーキャラクターのマホーネを演じた経験がある。 --ストーリーは『1』『2』が展開され原作ゲームとほぼ同じだが、30分の枠に収めるためか、話の展開が多少変わっている((例えば「逆転のトノサマン」の回では真宵が九太を必要以上に子ども扱いしたり、千尋に霊媒して話を聞きだすシーンがカットされている。))ほか、ゲームでの矛盾、不可解な部分などが修正されている。 --『1』のエピソード終了時に成歩堂達3人の少年時代のエピソードを挟み『2』の''2話''からスタート。『2』1話がまるまるカットされていたり、重要なファクターだった「サイコロック」が無かったりと大きな改変が見られる。成歩堂達3人が少年時代に憧れていたヒーロー「シグナル侍」なるオリジナル要素も。 ---ちなみにオリジナルエピソード及び後期EDには『[[ゴースト トリック]]』に登場したポメラニアンのミサイルがゲスト出演して、警察犬のミサイルと共演を果たしている。 -2018年10月からはSeason2が放送開始。 --こちらは主に『3』のエピソードを中心に構成されているが、第1話がSeason1でカットされた『2』第1話になるなどSeason1の補足的な内容も含まれている((そもそも該当話が『3』第3話や『逆転検事』などに繋がる内容なので無視も出来ないのだが。))。 --本作も尺に収めるためか、原作ゲームとの相違点が多い。 --オリジナルエピソードとして、中学時代の成歩堂・御剣・矢張のエピソードも描かれている。また、後述の「逆転特急、北へ」もアニメ化された。 --声優はSeason1同様にゲーム版・ムービー版などから一新されており、キーキャラクターのゴドー検事は平田広明氏(『ONE PEACE』のサンジ等)が担当している。 ---他、『6』でレイファ姫を演じた早見沙織氏が「逆転のレシピ」のゲストキャラクター・鹿羽うらみ役で出演している。 -アニメ版はVジャンプでコミカライズされている。 --Vジャンプ版はゲーム原作シナリオの他にも後にアニメ化されたオリジナルエピソード「逆転特急、北へ」も掲載された。 --「逆転特急、北へ」ではオリジナルキャラクター中心の物語ではあるが、その数名が[[かつてタクシューがPSで手掛けていた某ゲーム>ディノクライシス]]の主要登場人物を彷彿させるキャラクターとして、そのゲームを知るファンの話題になった。 ---アニメ版の際には例によってそのキャラクター達にも声が付いている。ただし、[[外部出演時>NAMCOxCAPCOM]]とは別人。 -TVアニメSeason1,2を経て成歩堂編はGBA版『3』までの全エピソードがアニメ化されたのだが、『蘇る逆転』の追加エピソードのみアニメ化が行われなかった。 --同エピソードはDSへの移植時に追加された物で、シリーズ中でも屈指の長さなのが問題かと思われる。ただし単独の作品として十分に成り立つ内容ではあるので、OVAや劇場版といった形態でのアニメ化が期待されている。 ''パチンコ・パチスロ'' -2016年に平和から『CR逆転裁判』としてパチンコ化され全国のホールに導入された。 --奇しくも初作の作中の年に現実でも初のパチンコ化と、シリーズの新しい歴史が刻まれる運命的なことになった。 --パチスロはその翌年2017年にカプコン系のパチスロ販社エンターライズから販売され、開発はカプコンが直々に行っている。

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