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---ロールマーカーはとにかくタッチペンを回そう。背景のメーターが満タンになれば成功となる。 -ステージはいずれも、街で困っている人の元に「応援団」がどこからともなく現れ、彼・彼女らを「応援」するという設定になっている。 --うまくマーカーをタッチできれば応援団が格好良く演舞を決めるが、失敗するとずっこけて「気合値」が下がる。気合値がゼロになるとゲームオーバー。 --プレイ中は上画面で応援されている人の現在の状況を表したアニメーションが表示されており、応援の成功具合で3段階に変化する。 ---また曲の合間にはいくつかインターバルが挟まり、そこまでのスコアによって物語の展開の成功/失敗が変化する。 -難易度は隠しも含め4つ。 --最高難易度である「華麗に応援」では応援団の代わりに「チアガールズ」を使用する。譜面自体は基本的に「激烈に応援」の左右上下逆番だが、マーカーが小さくなり表示される時間も短くなっているので難易度が高い。 ---また一部ステージでは、「激烈に応援」に大幅にマーカーが加えられ、難易度が急上昇している。 **評価点 ''独特のゲーム性'' -本作は数あるDSタイトルの中でも、特にタッチパネル機能を十二分に活かしたゲームとして評価されている。 -また、本作は昨今の音楽ゲームにおける主要形式である「タッチパネル式」を確立させた先駆者でもある((ちなみに本作以前に発売された『大合奏!バンドブラザーズ』でもタッチパネルを用いていたのだが、こちらの場合はあくまで「演奏の補助」という形で使用していて、実質的にボタン操作がメインなのは変わりない。))。 --それまでの音ゲーにおける演奏方法は「指定のコントローラーを用い画面の指示に従ってボタンを入力していく」物が大半を占めているが、本作の場合は「画面に映し出されるオブジェクトを直接タッチしていく」という直感力がものを言うシステムのため取っつき易い。 ---現在では『[[REFLEC BEAT]]』などのアーケード作品や、スマホ・タブレット向け作品などタッチパネルを用いた音ゲーは枚挙に暇がない。 ''絶妙なゲームバランス''~ -音ゲー初心者でも「気楽に応援」ならエンディングまでたどり着ける難易度。一方で「華麗に応援」は上級者でも歯ごたえがある難易度になっており、幅広いプレイヤーが楽しめるバランスになっている。 --また、回数をこなせば難易度の高い譜面もほぼ確実にクリアできるようになる、というゲームバランスの設定も魅力。''どんなに難しくても決してあきらめるな。何回もプレイすればいつかきっとクリアできる''。 ''独特の世界観'' -世の中の困っている人が助けを求めると、応援団がどこからともなくかけつけて応援する、というシナリオの展開は面白おかしく熱い。 --基本的に困っている人が「おうえんだーん」と叫ぶと応援団が駆けつけるという流れになっているが、''どう考えてもあらかじめそこにいたとしか思えない''登場のしかたをする事も多く((女子校の教師が助けを求める→なぜか団員が授業を受けている、料理店の店長が助けを求める→店内で料理を食べている、など))、このギャグ演出は続編でより顕著になっている。 --おバカな演出に溢れたステージがほとんどだが、感動系のステージもあり、ラストステージに至っては特に燃えるシナリオになっている。 -登場キャラクターは応援団のリーダーである一本木龍太を始め、多くは語られずとも個性的なキャラクターが多い。 --応援団団長やチアガールズたちも条件を満たせば使えるようになる。 --応援対象となる人物や、その周辺の人物も個性豊かで、応援の結果によって様々な行動や反応を見せる。 ---応援対象は人ばかりではない。意外な人物や人外を応援することにもなる。 #region(応援対象やその内容の一例。ネタバレ注意) -競馬レース中に泥棒が侵入し、アナウンサーが「おうえんだーん」と叫ぶ。観客に紛れ込んだ応援団が、負けたら引退することになる万年ビリの競走馬を応援。レースでゴールした後も応援を続け、''競走馬が''外に飛び出して泥棒を追うことに。 --応援団を呼んだ張本人のアナウンサーも、ノリノリで馬の泥棒チェイスを実況し始める。 -大事な発表会があるというのに電車の中で腹痛に見舞われるバイオリニスト。お腹に負担をかけないように応援団を呼び、応援することになるのはバイオリニスト…ではなく、''彼のお腹の中の善玉菌''。善玉菌はモリモリのマッチョマンに擬人化されており、悪玉菌を倒すために闘う。 --このステージの途中経過(後述)に、好転すると電車の中の空調が暖房に切り替わりお腹が落ち着き、悪化すると冷房に切り替わりお腹にダメージ、というものがある。応援の成果じゃないだろう、と突っ込みたくなるが、気にしてはいけない。 --擬人化はシリーズのお約束になっており、『Elite Beat Agents』では白血球、『応援団2』では携帯電話の電波を擬人化した人物が登場する。 -クレオパトラがいる時代のエジプト。''太ってしまったクレオパトラ''が10日後に来る恋人アントニーに顔向けできるように、''雑誌で紹介されていた、「ピラミッドから放たれるピラミッドパワーを受け、美貌を取り戻す」''というダイエットを実践することに。クレオパトラはありったけの大声で応援団を呼び、応援団は''時空間を越えながら''登場。エールを受けて、10日以内にピラミッドを完成させるべく、クレオパトラと召使いが奮い立つ。 --突っ込みどころ満載である。因みにこのステージの曲『狙いうち』は、エジプト調の編曲がされているというニクい演出がされていたりする。 #endregion -この他にもステージがあり、ほぼ全てにおバカ要素が含まれている。 -しかし1つだけおバカ要素の全く無い感動的なストーリーのステージが存在する。 --このステージでは曲開始時や曲途中の掛け声が無く、一部区間ではマーカーのタッチ音も他のステージとは異なるなど、ストーリーを邪魔しない配慮が成されている。~ 曲も他のステージのノリの良い曲と違いバラード((矢井田瞳の『Over The Distance』。ちなみに『2』でも矢井田の『Go my way』が収録されている。))がチョイスされており、ストーリーと相まって非常に胸を熱くさせてくれる。~ この「バラードを据えた感動的なステージ」は『2』、『EBA』にもシリーズの恒例として設定されている((『2』はAIの『Believe』、『EBA』はシカゴの『You're the Inspiration』))。 ''バラエティ豊かな楽曲群''~ -収録曲は発売当時のJ-POPが中心だが、『リンダ リンダ』や『狙いうち』といった往年の定番ヒット曲も収録されており、最近の流行曲には疎くて……という人でも十分楽しめる。 --全ての楽曲にボーカルが収録されているが、タイアップ曲であった175Rの『メロディー』以外は全て別人が歌ったカバー曲である。 --曲の歌詞とステージの内容は今ひとつマッチしていないこともあるが、ノリは大体合っているので、そこまで気にならずにノってプレイできる。 **賛否両論点 -収録曲の長さ --ほぼ全ての楽曲がフルサイズで収録されている為、他の音楽ゲームと比べると1プレイがやや長め。 ---特に初代は復習機能が実装されてなかった関係で顕著に見られていて、長い曲の尺から失敗した部分まで辿り着くのに時間が掛かってしまう。 --また曲中に楽曲の要所で途中経過の寸劇が挟まれる。 ---休憩や飽きを起こさせない工夫ではあるものの、インターバル中は操作できずスキップもできないため、繰り返しプレイしているとやや間延びしていまう点でもある。 **問題点 ''シリーズ共通の問題点'' -タッチパネルを最大限活用するゲームであるがゆえ、激しくこすったり回したりした際にはタッチパネルが傷ついたり調子が悪くなってしまうことがある。 --特にロールマーカー部分はスコアを稼ぐチャンスである上に、一定数は回さないとミス扱いになってしまうため、パネルに過度な負担がかかりやすい。''液晶画面保護シートを貼るなどして予防する事をオススメする''。 -DSゲームの中でも特に忙しくタッチペンを働かせるゲームなので、使用するタッチペンによって難易度が左右される面がある。 --DS本体付属のタッチペンは少々短いため、このゲームで使いこむには少し力不足。自分に合った市販のタッチペンやタッチペンの代わりとなるものでプレイしたい。 --また、''自分の手でマーカーが見えなくなる''、という意見もある。~ もっとも、これについては応援団をはじめをするタッチパネル式音楽ゲーム全体の課題として現在に至るまで受け継がれている点でもある。 -HP代わりの気合値は他音楽ゲームの同様のものとは違い、”何もしなくても減っていく”独特のもので、それゆえにミス時には自然減少分+ミス減少分で一気にゲージが削られるため場合によっては立て直しが厳しい。 --もちろん少々のミスはちゃんと取り返せるように調整はされている。 -難易度が高いステージでは、半拍子ずれた裏拍子をとる、所謂「裏打ち」を前触れなく要求されることがある。 --マーカーの表示や色が変わるといった合図もないので、音ゲー初心者は戸惑いやすく、経験がある人でも初見殺しになりやすい。「裏打ち」についてはチュートリアルでも説明書でも解説されていない。音ゲーの経験が多少あれば問題ないだろうが。 -プレイ中は上画面でストーリーが展開し、スコアによってイラストが変化するなど作り込まれているのだが、プレイ中は下画面を注視するため眺めている隙がない。 --じっくり眺めるにはリプレイを使う必要がある。 ''続編で改善された欠点'' -応援に失敗したときにリトライができるのだが、ステージ開始時のデモをスキップできないので繰り返しプレイすると時間がかかる。 --ラストステージで顕著で、リトライしてから最初のマーカーが出るまで''約30秒''もかかる。 -気合値をキープできれば「応援大成功」となるが、途中経過がいくら悪化していても最終結果のストーリーは全て同じ。 --好転のストーリーと悪化のストーリーの落差が激しいので、ちぐはぐに感じられる。家族に冷たい態度を取られ続けた受験生も、行動が空回りして生徒に嫌われた教師も、最後まで気合値をキープできれば大団円である。 -特定の条件を満たすことで見られるイラストがあるのだが、セーブデータをリセットしなければ再び見ることができない。 --データが一つしかないので、クリアした・ハイスコアを出したデータを残したままイラストを見直すことは不可能となっている。 -通信対戦ができるが、カートリッジが2つ必要。通信対戦専用のステージが5つも用意されているのに((曲がそれぞれのステージに1曲ずつ、計5曲あるわけではない。1人プレイで遊べる15曲が各ステージに3曲ずつ割り振られており、それから1曲を選んでプレイする。))、一度も見たことのない人も多い。もったいない。 **総評 DSのタッチパネルをこれ以上なくフル活用したゲームの一つ。~ 操作が複雑で初心者にとっては手を出しづらいことが多い音ゲーにおいて、シンプルで直感的な操作と、上級者も満足させる骨のある難易度を両立させた良作でもある。~ また音ゲー以外の部分も、応援団を題材にした異色のノリ・作品全体に漂う熱さとおバカさ、そして感動といった独自の世界観を構築することに成功しており、カルト的なファンを獲得するに至った。 ---- *Elite Beat Agents 【えりーと びーと えーじぇんつ】 |ジャンル|音楽ゲーム|&amazon(B000HE9LL8)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|イニス|~| |発売日|2006年11月6日(アメリカ)&br()2007年5月3日(オセアニア)&br()2007年7月13日(ヨーロッパ)&br()2007年10月11日(韓国)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(EBA) 『押忍!闘え!応援団』の海外版。略称は『EBA』。~ 『応援団』が海外でも輸入され人気を誇ったことから、システムはそのまま、内容を海外向けにアレンジした上で発売された新作。''けっして海賊版やパクリではない''。~ 韓国では和訳で『助けて!リズムヒーロー』というタイトルで発売されている。~ 北米ではTouch! Generationsのラインナップである。 **変更点・評価点(EBA) -本作の主人公は『Elite Beat Agents』という政府の秘密機関のエージェントたち。 --『応援団』との違いは素性がはっきりしていることとエージェントたちの上司がいるということである。 --元CIAエージェントであるコマンダー・カーンが世間に困っている人がいないか日々目を光らせ、困っている人を発見したらEBAの精鋭たちを派遣し「応援」を指示する。そのときのコマンダー・カーンのセリフ「Agents are… GO!!」は印象的。特撮人形劇の名作『サンダーバード』のオマージュと思われる((オープニングで「Thunderbirds are GO!!」の台詞が入る。))。 --一本木龍太の位置づけであるJなど、基本的な人物構成は『応援団』と一緒。 --チアガールズに相当するキャラクターももちろん登場する。「Elite Beat Divas」という別働隊として登場し、最高難易度で使用可能。 --全難易度のステージをボーナスステージ含めクリアするとコマンダー・カーンが使えるようになるが…。その勇姿はぜひ自分の目で見て欲しい。 --『応援団』と同じで、EBAのエージェントたちのほかにも、応援の対象となる人物たちもそれに負けず劣らずのキャラ付けである。アメフト馬鹿のボーイフレンド、野生動物を手懐けるアメリカンセレブの姉妹、レオナルド・ダヴィンチ、ナースのお姉さんに擬人化された白血球などが登場。 --『応援団』をプレイした人がニヤリとできるようなキャラも登場する。 -収録曲は幅広い年代の洋楽ヒット曲中心で構成されており、「Y.M.C.A.」や「September」といった誰もが一度は聞いたことがある名曲も多数収録されている。 --特にラストステージはロックの古典的名曲『Jumpin' Jack Flash』(The Rolling Stones)という渋い選曲。 --ボーカルは『応援団』とは違い、全て別人が歌っているが、特に違和感のない曲ばかりである。 -基本システムやユーザーインターフェースは『応援団』シリーズとほぼ同じだが、いくつかの部分で変更がなされている。 --マーカーのサイズが『応援団』と比べ少し大きくなっている。アメリカンサイズである。 --マーカーをタッチしたときの音も、『応援団』と異なりドラムのようなクールなSEになっている。 --ステージのイントロをスキップできるようになった。 --ゲームオーバーになった際、失敗した直前のプレイを確認することができるようになった。 --前作はステージクリア後にリプレイを再生することができたが、本作ではリプレイを保存していつでも見られるようになった。 ---リプレイデータは1ステージごとに1つずつ保存できる。またWi-Fiを通じてネットにアップロード・ダウンロードすることもできた。 --スコアを稼いでランクが上がると、ボーナスステージが追加されるようになった。 --ゲーム中のデモやイラストをオプションでいつでも自由に閲覧可能になった。 -各ステージがマルチエンディングになった。 --全部が好転(○)の場合はグッドエンドで一枚絵付き。一つでも悪化(×)があるとグッドエンドと展開は同じだが一枚絵が無し。全部悪化の場合はバッドエンド(一応クリア扱いで次には進める)となる。 --バッドエンドは応援失敗スレスレを低空飛行で維持する必要があるため、狙って出そうとするとなかなか難しかったりする。しかし''バッドエンドのみ登場するキャラもいる''など芸が細かく、内容もこれはこれで面白いので挑戦する価値はある。 -『応援団』シリーズの団員は曲中汎用モーションを組み合わせた演舞を行なっていたが、本作のエージェントたちは各曲のサビで固有の専用モーションによるダンスを行う。 --きちんと全ステージ分のダンスが用意されており、「Y.M.C.A.」中はちゃんとYMCAの人文字を作ったりと、楽しい振り付けを見せてくれる。 **賛否両論点(EBA) -本作の作風は、『応援団』シリーズに比べるとやや「熱さ」や「おバカさ」は抑えめになっている。 --代わりに全体的にエージェントたちの''COOL''が強調されている……とはいえ基本的にコミカルで賑やかなノリは健在である。 -前述の曲中の固有ダンスが見られるのは男性エージェント時のみであり、Divas使用時は汎用モーションでチアリーディングを行う。 --固有ダンスの振り付けはほぼ男性ベースなので仕方ない部分ではあるが(なぜか一部妙に女っぽい動きをする箇所もある)、ある男性エージェント一名だけは逆に全力でチアリーディングの振り付けで踊るというシュールな行動を見せてくれる。 -背景のボルテージ上昇演出の削除。 --『応援団』シリーズにおけるステージ背景はコンボを繋いでいくと背景が燃え上がってプレヤーを盛り上げる演出が存在しているが、EBAとして発売されるにあたり、COOLさを強調させるためか削除されてしまった。 --ただ、キャラクターのカットイン演出自体は『応援団』から継続しているため、演奏の盛り上がり自体はプレイヤーが分かるようになっている。 **問題点(EBA) -1ステージに一つだけしかリプレイデータを保存できないため、1ステージのリプレイデータをいくつも保存することは出来ない。 **総評(EBA) 『応援団』の海外版・洋楽版として、やや作風の違いこそあるものの順当な出来になっている。~ システム的にも一作目から細かい改善もあり遊びやすくなっている。日本語版は発売されていないが、ゲームのジャンル上、外国語を読めなくてもプレイ自体にはそれほど支障も無いため、シリーズファンなら是非手にとってもらいたい。~ ---- *燃えろ!熱血リズム魂 押忍!闘え!応援団2 【もえろ ねっけつりずむだましい おす たたかえ おうえんだんつー】 |ジャンル|応援リズムアクション|&amazon(B000NWAU64)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|イニス|~| |発売日|2007年5月17日|~| |定価|4,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |~|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| **概要(2) 『押忍!闘え!応援団』の続編。~ 前作のタイトルが音ゲーであることがわかり辛かったためか、今作では「燃えろ!熱血リズム魂」がタイトルの頭につき、「押忍!闘え!応援団2」がサブタイトルとなっている。 **変更点・評価点(2) -前作・EBAからの改善点 --ステージクリア後のデモが飛ばせるようになった。 --リプレイデータはステージ問わず20個まで保存できるようになった。更にリプレイデータを用いる事によってCPUと対戦プレーが出来、これにより通信対戦専用ステージをソフト・DS単体でも見られる様になった。 -前作に負けないシナリオ展開、濃いキャラクター達 --前作に登場した応援団は「孤高の応援団」として登場し、デザインが細かく変更されている。 --新たに登場した「高潔の応援団」も個性的で「孤高の応援団」に負けてはいない。 --チアガールズたちも孤高のチアガールズとして登場し、高潔のチアガールズも新たに登場している。 --前作をプレイした人がニヤリとできる小ネタやキャラクターも登場している。 --アイドルのファンであるおばさんたち、バリカンで角刈りしかできない理髪店の男と前作に負けない個性的なキャラも。 ---前作に比べ破天荒すぎる設定も散見されるが、「気にならない人は気にならない」レベルである。 //地球では売れないから宇宙人に靴を売りに行く。携帯電話から飛び出した謎の飛脚がメールを運ぶ。年老いた桃太郎が市役所から鬼退治を依頼される。など、どうやったら考え付くのか判らないような超展開が目白押し。前作以上に予想の斜め上を行くステージばかりである。 --シリーズお約束のシリアスなステージも健在。 ---ラストステージは前作に負けない熱い展開。2つのステージで構成されており手に汗握る演出となっている。 #region(ラストステージの内容(ネタバレ注意)) -前半は、地球に無償の愛を提供し続けていた太陽が活動を停止し始め、凍りついていく地球で足掻く人々と応援団を描くが、最後はまさかの結末。後半は孤高の応援団と高潔の応援団、そして今まで応援してきた人々が心を一つに最後の応援に臨む。エンディングに到るまでのストーリー、一連の演出は感動的ですらある。 --チュートリアルでの団長の台詞はネタでもなんでもなく、このラストステージの伏線である。 --ちなみにこのステージは前半がHYDEの『COUNTDOWN』、後半がサンボマスターの『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』からなる二部構成となっているが、後者はラストの「LOVE & PEACE!」というシャウトが音質の悪さによって「頑張って!」に聞こえる空耳ネタが存在する。 #endregion -基本システム難易度は変わらず前作と同じ感覚で遊べる。 --加えて、「熱烈に応援」の難易度は前作よりも下がっている為、初心者のステップアップにはもってこい。 -収録曲は今作発売当時の人気曲を中心に構成されており、曲数が増加している。 --EBAと同じく一定のスコアを稼ぐとプレイ可能となるボーナスステージも存在。 --今作でもボーカルは基本別人だが、『VISTA』と『サムライブルー』の2曲はアーティスト本人による歌唱となっている。また、『BANG! BANG! バカンス!』はSMAPの曲だが、本作では女性ボーカルの大胆なアレンジになっている。 -Hiddenモード --累計スコアを稼いで格付けを「救世主」まで上げると「Hiddenモード」という隠しモードが出現する。このモードではマーカーのサークルが表示されず、代わりにマーカーがゆっくり消えていく形式になる。譜面自体は変わらないが、獲得スコアは通常の1.5倍になる。 --目押しが難しいので基本的にマーカーのタイミングを把握していることが前提の上級者向けモードである。 -期間限定で現在は終了しているが、海外版『Elite Beat Agents』のキャラクターたちと応援団シリーズで存在感を放つ「猫」がダウンロードできた。 --『Elite Beat Agents』や「猫」はシナリオに大きく関わるわけではなく、応援団たちの代わりに下画面で応援団やチアガールズの演舞を踊るだけであり、ファンサービスに近い。 --また、対戦で使用できる『Elite Beat Agents』のキャラクターは「J」だけである。 **賛否両論点(2) -収録曲について --前作は比較的古めの有名曲や定番曲が多かったが、本作は新しいJ-Pop曲の比率が増えているためやや好みが分かれやすい。 **問題点(2) -合図無く裏打ちやタイミングをズラしたタッチを要求される場面が前作から増え、初見殺し的な難易度が上がっている。 --特に『少年ハート』や『ミュージック・アワー』(の高難易度)はボーカルではなくバックの楽器に合わせてマーカーが現れる場面がある。オートモードやお手本演奏などは無いため、正しいリズムが分からないとそのまま詰ってしまうことも。 **総評(2) システムやノリはそのまま、過去作の欠点を修正して更に完成度が高くなっている。~ 最後に言っておく。''このゲームをプレイするうえで大切なのは愛だ!'' ---- *余談 -[[1作目のCM・PVはこちら(YouTube):https://www.youtube.com/watch?v=7eDT5iMVIKw]]は、どちらもプレイ中のシーンはあるにはあるが、曲に合わせられていないどころか、シーンの切り貼りで実際にはない三三七拍子を作られたりしている有様で、「曲にあわせてタッチする音ゲー」であることがほとんど認識できない。「宣伝今一歩」とファンから揶揄されるほど。 --この反省を活かしてか、『2』の[[店頭用PV(YouTube):https://www.youtube.com/watch?v=iEH46pR_mm0]]、[[およびCM(YouTube):https://www.youtube.com/watch?v=VBDLgvNTBKU]]ではゲーム内容がよくわかる内容になり、公式サイトでも特定の1曲分のプレイ動画をフルで見られた(発売当初の期間限定で現在は見られない)など、前作の「まず音ゲーだと気づいてもらえなかった」という問題への対策が徹底的に行われている。 -前述の宣伝のマズさもあってか、『1』の発売直後は売り上げに苦戦したが、ゲームの完成度が口コミによって広まり高い評価を受け、着実に売り上げを伸ばしていった。最終的には海外でも輸入してプレイする人が現れる人気となった。そのため、設定を海外に向けてローカライズした『Elite Beat Agents』がアメリカ・オセアニア・ヨーロッパ・韓国で発売され((『EBA』は海外では高く評価され、北米では数々の賞を受賞した。実写マリオや実写ストIIで有名な海外のテレビ番組『mega64』でもネタにされている。))、日本でも続編『燃えろ!熱血リズム魂 押忍!闘え!応援団2』が発売された。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズX]]』では収集要素のフィギュアとシールで登場した。 --『1』からはフィギュアで一本木龍太と西園寺隼人が、シールで一本木龍太、田中一、百目鬼魁、雨宮沙耶花、西園寺隼人が登場。 --『EBA』からはフィギュアでJ、モリス、デレックが、シールでJ、モリス、デレック、コマンダー・カーンが登場。 -『EBA』は『応援団』のカルト的な人気もあってか、完全な海外向けソフトとしては珍しくゲームショップでも輸入・販売されることが多かった。そのため国内での流通も比較的多く、現在でも中古で探しやすい部類である。 -2016年に本作開発のイニス副社長矢野慶一氏が[[インタビュー>http://jp.automaton.am/articles/newsjp/osu-tatakae-ouendan-creater-imply-the-another-game/]]で「最適なプラットフォームが出れば続編の可能性がある」という趣旨の回答をしている。 --2017年にスピカ(旧:イニス)が破産。版権については同社が破産した前年に後継企業として設立された株式会社LIONA(旧:イニスジェイ)が引き継いでいる。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』でも収集要素のスピリッツで、Xのフィギュアだった一本木たちが登場した。 チアガールズたちもスピリッツ化しており、おそらくはスカートの中がスパッツではないからかフィギュア化NGだったのかもしれない。
//掲示板の「ゲームカタログ良作専用意見箱3」(https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/51440/1491648404/)にて、『2』単独記事を本記事に統合する合意を得られました。 本項ではニンテンドーDS用ソフト『押忍!闘え!応援団』、海外版『Elite Beat Agents』、続編『燃えろ!熱血リズム魂 押忍!闘え!応援団2』を紹介しています。 ---- #contents() ---- *押忍!闘え!応援団 【おす たたかえ おうえんだん】 |ジャンル|応援リズムアクション|&amazon(B0009WO762)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|イニス|~| |発売日|2005年7月28日|~| |定価|4,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |~|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|タッチパネルをフル活用したリズムゲーの嚆矢&br;熱さあり・おバカあり・感動ありのストーリー|~| **概要 PS2/PSPにて『ギタルマン』を手掛けたイニスと任天堂のタッグによって生まれたリズムアクションゲーム。~ DSのタッチパネルを活用した音ゲーであり、「応援団」を題材とした珍しいゲームでもある。 **特徴 -基本システムはボーカル付きの曲に合わせてタッチパネルに現れるマーカーをタイミングよくタッチする音ゲー。 --マーカーは単にタッチするものだけでなく、動きに合わせてスライドさせたり、円を描くように回転させるものもある。 ---マーカーは出現すると周囲から円が少しずつ狭まって迫ってくるようになっており、円がマーカーとちょうど重なるタイミングでタッチすると300点が入るが、タイミングがずれるごとに100点、50点と減っていく。 ---全てのマーカーにタッチすれば気合ボーナスが入る。全てタイミングよく300点でタッチすると激と表示され高い気合ボーナスが加算される。1つでも100点が入ると喝と表示され気合ボーナスは低くなる。ただし、50点を出してしまうと気合ボーナスは加算されない。 ---先のマーカーにUターンの矢印が表示されていたら折り返して再び同じ軌跡をなぞろう。 ---ロールマーカーはとにかくタッチペンを回そう。背景のメーターが満タンになれば成功となる。 -ステージはいずれも、街で困っている人の元に「応援団」がどこからともなく現れ、彼・彼女らを「応援」するという設定になっている。 --うまくマーカーをタッチできれば応援団が格好良く演舞を決めるが、失敗するとずっこけて「気合値」が下がる。気合値がゼロになるとゲームオーバー。 --プレイ中は上画面で応援されている人の現在の状況を表したアニメーションが表示されており、応援の成功具合で3段階に変化する。 ---また曲の合間にはいくつかインターバルが挟まり、そこまでのスコアによって物語の展開の成功/失敗が変化する。 -難易度は隠しも含め4つ。 --最高難易度である「華麗に応援」では応援団の代わりに「チアガールズ」を使用する。譜面自体は基本的に「激烈に応援」の左右上下逆番だが、マーカーが小さくなり表示される時間も短くなっているので難易度が高い。 ---また一部ステージでは、「激烈に応援」に大幅にマーカーが加えられ、難易度が急上昇している。 **評価点 ''独特のゲーム性'' -本作は数あるDSタイトルの中でも、特にタッチパネル機能を十二分に活かしたゲームとして評価されている。 -また、本作は昨今の音楽ゲームにおける主要形式である「タッチパネル式」を確立させた先駆者でもある((ちなみに本作以前に発売された『大合奏!バンドブラザーズ』でもタッチパネルを用いていたのだが、こちらの場合はあくまで「演奏の補助」という形で使用していて、実質的にボタン操作がメインなのは変わりない。))。 --それまでの音ゲーにおける演奏方法は「指定のコントローラーを用い画面の指示に従ってボタンを入力していく」物が大半を占めているが、本作の場合は「画面に映し出されるオブジェクトを直接タッチしていく」という直感力がものを言うシステムのため取っつき易い。 ---現在では『[[REFLEC BEAT]]』などのアーケード作品や、スマホ・タブレット向け作品などタッチパネルを用いた音ゲーは枚挙に暇がない。 ''絶妙なゲームバランス''~ -音ゲー初心者でも「気楽に応援」ならエンディングまでたどり着ける難易度。一方で「華麗に応援」は上級者でも歯ごたえがある難易度になっており、幅広いプレイヤーが楽しめるバランスになっている。 --また、回数をこなせば難易度の高い譜面もほぼ確実にクリアできるようになる、というゲームバランスの設定も魅力。''どんなに難しくても決してあきらめるな。何回もプレイすればいつかきっとクリアできる''。 ''独特の世界観'' -世の中の困っている人が助けを求めると、応援団がどこからともなくかけつけて応援する、というシナリオの展開は面白おかしく熱い。 --基本的に困っている人が「おうえんだーん」と叫ぶと応援団が駆けつけるという流れになっているが、''どう考えてもあらかじめそこにいたとしか思えない''登場のしかたをする事も多く((女子校の教師が助けを求める→なぜか団員が授業を受けている、料理店の店長が助けを求める→店内で料理を食べている、など))、このギャグ演出は続編でより顕著になっている。 --おバカな演出に溢れたステージがほとんどだが、感動系のステージもあり、ラストステージに至っては特に燃えるシナリオになっている。 -登場キャラクターは応援団のリーダーである一本木龍太を始め、多くは語られずとも個性的なキャラクターが多い。 --応援団団長やチアガールズたちも条件を満たせば使えるようになる。 --応援対象となる人物や、その周辺の人物も個性豊かで、応援の結果によって様々な行動や反応を見せる。 ---応援対象は人ばかりではない。意外な人物や人外を応援することにもなる。 #region(応援対象やその内容の一例。ネタバレ注意) -競馬レース中に泥棒が侵入し、アナウンサーが「おうえんだーん」と叫ぶ。観客に紛れ込んだ応援団が、負けたら引退することになる万年ビリの競走馬を応援。レースでゴールした後も応援を続け、''競走馬が''外に飛び出して泥棒を追うことに。 --応援団を呼んだ張本人のアナウンサーも、ノリノリで馬の泥棒チェイスを実況し始める。 -大事な発表会があるというのに電車の中で腹痛に見舞われるバイオリニスト。お腹に負担をかけないように応援団を呼び、応援することになるのはバイオリニスト…ではなく、''彼のお腹の中の善玉菌''。善玉菌はモリモリのマッチョマンに擬人化されており、悪玉菌を倒すために闘う。 --このステージの途中経過(後述)に、好転すると電車の中の空調が暖房に切り替わりお腹が落ち着き、悪化すると冷房に切り替わりお腹にダメージ、というものがある。応援の成果じゃないだろう、と突っ込みたくなるが、気にしてはいけない。 --擬人化はシリーズのお約束になっており、『Elite Beat Agents』では白血球、『応援団2』では携帯電話の電波を擬人化した人物が登場する。 -クレオパトラがいる時代のエジプト。''太ってしまったクレオパトラ''が10日後に来る恋人アントニーに顔向けできるように、''雑誌で紹介されていた、「ピラミッドから放たれるピラミッドパワーを受け、美貌を取り戻す」''というダイエットを実践することに。クレオパトラはありったけの大声で応援団を呼び、応援団は''時空間を越えながら''登場。エールを受けて、10日以内にピラミッドを完成させるべく、クレオパトラと召使いが奮い立つ。 --突っ込みどころ満載である。因みにこのステージの曲『狙いうち』は、エジプト調の編曲がされているというニクい演出がされていたりする。 #endregion -この他にもステージがあり、ほぼ全てにおバカ要素が含まれている。 -しかし1つだけおバカ要素の全く無い感動的なストーリーのステージが存在する。 --このステージでは曲開始時や曲途中の掛け声が無く、一部区間ではマーカーのタッチ音も他のステージとは異なるなど、ストーリーを邪魔しない配慮が成されている。~ 曲も他のステージのノリの良い曲と違いバラード((矢井田瞳の『Over The Distance』。ちなみに『2』でも矢井田の『Go my way』が収録されている。))がチョイスされており、ストーリーと相まって非常に胸を熱くさせてくれる。~ この「バラードを据えた感動的なステージ」は『2』、『EBA』にもシリーズの恒例として設定されている((『2』はAIの『Believe』、『EBA』はシカゴの『You're the Inspiration』))。 ''バラエティ豊かな楽曲群''~ -収録曲は発売当時のJ-POPが中心だが、『リンダ リンダ』や『狙いうち』といった往年の定番ヒット曲も収録されており、最近の流行曲には疎くて……という人でも十分楽しめる。 --全ての楽曲にボーカルが収録されているが、タイアップ曲であった175Rの『メロディー』以外は全て別人が歌ったカバー曲である。 --曲の歌詞とステージの内容は今ひとつマッチしていないこともあるが、ノリは大体合っているので、そこまで気にならずにノってプレイできる。 **賛否両論点 -収録曲の長さ --ほぼ全ての楽曲がフルサイズで収録されている為、他の音楽ゲームと比べると1プレイがやや長め。 ---特に初代は復習機能が実装されてなかった関係で顕著に見られていて、長い曲の尺から失敗した部分まで辿り着くのに時間が掛かってしまう。 --また曲中に楽曲の要所で途中経過の寸劇が挟まれる。 ---休憩や飽きを起こさせない工夫ではあるものの、インターバル中は操作できずスキップもできないため、繰り返しプレイしているとやや間延びしていまう点でもある。 **問題点 ''シリーズ共通の問題点'' -タッチパネルを最大限活用するゲームであるがゆえ、激しくこすったり回したりした際にはタッチパネルが傷ついたり調子が悪くなってしまうことがある。 --特にロールマーカー部分はスコアを稼ぐチャンスである上に、一定数は回さないとミス扱いになってしまうため、パネルに過度な負担がかかりやすい。''液晶画面保護シートを貼るなどして予防する事をオススメする''。 -DSゲームの中でも特に忙しくタッチペンを働かせるゲームなので、使用するタッチペンによって難易度が左右される面がある。 --DS本体付属のタッチペンは少々短いため、このゲームで使いこむには少し力不足。自分に合った市販のタッチペンやタッチペンの代わりとなるものでプレイしたい。 --また、''自分の手でマーカーが見えなくなる''、という意見もある。~ もっとも、これについては応援団をはじめをするタッチパネル式音楽ゲーム全体の課題として現在に至るまで受け継がれている点でもある。 -HP代わりの気合値は他音楽ゲームの同様のものとは違い、”何もしなくても減っていく”独特のもので、それゆえにミス時には自然減少分+ミス減少分で一気にゲージが削られるため場合によっては立て直しが厳しい。 --もちろん少々のミスはちゃんと取り返せるように調整はされている。 -難易度が高いステージでは、半拍子ずれた裏拍子をとる、所謂「裏打ち」を前触れなく要求されることがある。 --マーカーの表示や色が変わるといった合図もないので、音ゲー初心者は戸惑いやすく、経験がある人でも初見殺しになりやすい。「裏打ち」についてはチュートリアルでも説明書でも解説されていない。音ゲーの経験が多少あれば問題ないだろうが。 -プレイ中は上画面でストーリーが展開し、スコアによってイラストが変化するなど作り込まれているのだが、プレイ中は下画面を注視するため眺めている隙がない。 --じっくり眺めるにはリプレイを使う必要がある。 ''続編で改善された欠点'' -応援に失敗したときにリトライができるのだが、ステージ開始時のデモをスキップできないので繰り返しプレイすると時間がかかる。 --ラストステージで顕著で、リトライしてから最初のマーカーが出るまで''約30秒''もかかる。 -気合値をキープできれば「応援大成功」となるが、途中経過がいくら悪化していても最終結果のストーリーは全て同じ。 --好転のストーリーと悪化のストーリーの落差が激しいので、ちぐはぐに感じられる。家族に冷たい態度を取られ続けた受験生も、行動が空回りして生徒に嫌われた教師も、最後まで気合値をキープできれば大団円である。 -特定の条件を満たすことで見られるイラストがあるのだが、セーブデータをリセットしなければ再び見ることができない。 --データが一つしかないので、クリアした・ハイスコアを出したデータを残したままイラストを見直すことは不可能となっている。 -通信対戦ができるが、カートリッジが2つ必要。通信対戦専用のステージが5つも用意されているのに((曲がそれぞれのステージに1曲ずつ、計5曲あるわけではない。1人プレイで遊べる15曲が各ステージに3曲ずつ割り振られており、それから1曲を選んでプレイする。))、一度も見たことのない人も多い。もったいない。 **総評 DSのタッチパネルをこれ以上なくフル活用したゲームの一つ。~ 操作が複雑で初心者にとっては手を出しづらいことが多い音ゲーにおいて、シンプルで直感的な操作と、上級者も満足させる骨のある難易度を両立させた良作でもある。~ また音ゲー以外の部分も、応援団を題材にした異色のノリ・作品全体に漂う熱さとおバカさ、そして感動といった独自の世界観を構築することに成功しており、カルト的なファンを獲得するに至った。 ---- *Elite Beat Agents 【えりーと びーと えーじぇんつ】 |ジャンル|音楽ゲーム|&amazon(B000HE9LL8)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|イニス|~| |発売日|2006年11月6日(アメリカ)&br()2007年5月3日(オセアニア)&br()2007年7月13日(ヨーロッパ)&br()2007年10月11日(韓国)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(EBA) 『押忍!闘え!応援団』の海外版。略称は『EBA』。~ 『応援団』が海外でも輸入され人気を誇ったことから、システムはそのまま、内容を海外向けにアレンジした上で発売された新作。''けっして海賊版やパクリではない''。~ 韓国では和訳で『助けて!リズムヒーロー』というタイトルで発売されている。~ 北米ではTouch! Generationsのラインナップである。 **変更点・評価点(EBA) -本作の主人公は『Elite Beat Agents』という政府の秘密機関のエージェントたち。 --『応援団』との違いは素性がはっきりしていることとエージェントたちの上司がいるということである。 --元CIAエージェントであるコマンダー・カーンが世間に困っている人がいないか日々目を光らせ、困っている人を発見したらEBAの精鋭たちを派遣し「応援」を指示する。そのときのコマンダー・カーンのセリフ「Agents are… GO!!」は印象的。特撮人形劇の名作『サンダーバード』のオマージュと思われる((オープニングで「Thunderbirds are GO!!」の台詞が入る。))。 --一本木龍太の位置づけであるJなど、基本的な人物構成は『応援団』と一緒。 --チアガールズに相当するキャラクターももちろん登場する。「Elite Beat Divas」という別働隊として登場し、最高難易度で使用可能。 --全難易度のステージをボーナスステージ含めクリアするとコマンダー・カーンが使えるようになるが…。その勇姿はぜひ自分の目で見て欲しい。 --『応援団』と同じで、EBAのエージェントたちのほかにも、応援の対象となる人物たちもそれに負けず劣らずのキャラ付けである。アメフト馬鹿のボーイフレンド、野生動物を手懐けるアメリカンセレブの姉妹、レオナルド・ダヴィンチ、ナースのお姉さんに擬人化された白血球などが登場。 --『応援団』をプレイした人がニヤリとできるようなキャラも登場する。 -収録曲は幅広い年代の洋楽ヒット曲中心で構成されており、「Y.M.C.A.」や「September」といった誰もが一度は聞いたことがある名曲も多数収録されている。 --特にラストステージはロックの古典的名曲『Jumpin' Jack Flash』(The Rolling Stones)という渋い選曲。 --ボーカルは『応援団』とは違い、全て別人が歌っているが、特に違和感のない曲ばかりである。 -基本システムやユーザーインターフェースは『応援団』シリーズとほぼ同じだが、いくつかの部分で変更がなされている。 --マーカーのサイズが『応援団』と比べ少し大きくなっている。アメリカンサイズである。 --マーカーをタッチしたときの音も、『応援団』と異なりドラムのようなクールなSEになっている。 --ステージのイントロをスキップできるようになった。 --ゲームオーバーになった際、失敗した直前のプレイを確認することができるようになった。 --前作はステージクリア後にリプレイを再生することができたが、本作ではリプレイを保存していつでも見られるようになった。 ---リプレイデータは1ステージごとに1つずつ保存できる。またWi-Fiを通じてネットにアップロード・ダウンロードすることもできた。 --スコアを稼いでランクが上がると、ボーナスステージが追加されるようになった。 --ゲーム中のデモやイラストをオプションでいつでも自由に閲覧可能になった。 -各ステージがマルチエンディングになった。 --全部が好転(○)の場合はグッドエンドで一枚絵付き。一つでも悪化(×)があるとグッドエンドと展開は同じだが一枚絵が無し。全部悪化の場合はバッドエンド(一応クリア扱いで次には進める)となる。 --バッドエンドは応援失敗スレスレを低空飛行で維持する必要があるため、狙って出そうとするとなかなか難しかったりする。しかし''バッドエンドのみ登場するキャラもいる''など芸が細かく、内容もこれはこれで面白いので挑戦する価値はある。 -『応援団』シリーズの団員は曲中汎用モーションを組み合わせた演舞を行なっていたが、本作のエージェントたちは各曲のサビで固有の専用モーションによるダンスを行う。 --きちんと全ステージ分のダンスが用意されており、「Y.M.C.A.」中はちゃんとYMCAの人文字を作ったりと、楽しい振り付けを見せてくれる。 **賛否両論点(EBA) -本作の作風は、『応援団』シリーズに比べるとやや「熱さ」や「おバカさ」は抑えめになっている。 --代わりに全体的にエージェントたちの''COOL''が強調されている……とはいえ基本的にコミカルで賑やかなノリは健在である。 -前述の曲中の固有ダンスが見られるのは男性エージェント時のみであり、Divas使用時は汎用モーションでチアリーディングを行う。 --固有ダンスの振り付けはほぼ男性ベースなので仕方ない部分ではあるが(なぜか一部妙に女っぽい動きをする箇所もある)、ある男性エージェント一名だけは逆に全力でチアリーディングの振り付けで踊るというシュールな行動を見せてくれる。 -背景のボルテージ上昇演出の削除。 --『応援団』シリーズにおけるステージ背景はコンボを繋いでいくと背景が燃え上がってプレヤーを盛り上げる演出が存在しているが、EBAとして発売されるにあたり、COOLさを強調させるためか削除されてしまった。 --ただ、キャラクターのカットイン演出自体は『応援団』から継続しているため、演奏の盛り上がり自体はプレイヤーが分かるようになっている。 **問題点(EBA) -1ステージに一つだけしかリプレイデータを保存できないため、1ステージのリプレイデータをいくつも保存することは出来ない。 **総評(EBA) 『応援団』の海外版・洋楽版として、やや作風の違いこそあるものの順当な出来になっている。~ システム的にも一作目から細かい改善もあり遊びやすくなっている。日本語版は発売されていないが、ゲームのジャンル上、外国語を読めなくてもプレイ自体にはそれほど支障も無いため、シリーズファンなら是非手にとってもらいたい。~ ---- *燃えろ!熱血リズム魂 押忍!闘え!応援団2 【もえろ ねっけつりずむだましい おす たたかえ おうえんだんつー】 |ジャンル|応援リズムアクション|&amazon(B000NWAU64)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|イニス|~| |発売日|2007年5月17日|~| |定価|4,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |~|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| **概要(2) 『押忍!闘え!応援団』の続編。~ 前作のタイトルが音ゲーであることがわかり辛かったためか、今作では「燃えろ!熱血リズム魂」がタイトルの頭につき、「押忍!闘え!応援団2」がサブタイトルとなっている。 **変更点・評価点(2) -前作・EBAからの改善点 --ステージクリア後のデモが飛ばせるようになった。 --リプレイデータはステージ問わず20個まで保存できるようになった。更にリプレイデータを用いる事によってCPUと対戦プレーが出来、これにより通信対戦専用ステージをソフト・DS単体でも見られる様になった。 -前作に負けないシナリオ展開、濃いキャラクター達 --前作に登場した応援団は「孤高の応援団」として登場し、デザインが細かく変更されている。 --新たに登場した「高潔の応援団」も個性的で「孤高の応援団」に負けてはいない。 --チアガールズたちも孤高のチアガールズとして登場し、高潔のチアガールズも新たに登場している。 --前作をプレイした人がニヤリとできる小ネタやキャラクターも登場している。 --アイドルのファンであるおばさんたち、バリカンで角刈りしかできない理髪店の男と前作に負けない個性的なキャラも。 ---前作に比べ破天荒すぎる設定も散見されるが、「気にならない人は気にならない」レベルである。 //地球では売れないから宇宙人に靴を売りに行く。携帯電話から飛び出した謎の飛脚がメールを運ぶ。年老いた桃太郎が市役所から鬼退治を依頼される。など、どうやったら考え付くのか判らないような超展開が目白押し。前作以上に予想の斜め上を行くステージばかりである。 --シリーズお約束のシリアスなステージも健在。 ---ラストステージは前作に負けない熱い展開。2つのステージで構成されており手に汗握る演出となっている。 #region(ラストステージの内容(ネタバレ注意)) -前半は、地球に無償の愛を提供し続けていた太陽が活動を停止し始め、凍りついていく地球で足掻く人々と応援団を描くが、最後はまさかの結末。後半は孤高の応援団と高潔の応援団、そして今まで応援してきた人々が心を一つに最後の応援に臨む。エンディングに到るまでのストーリー、一連の演出は感動的ですらある。 --チュートリアルでの団長の台詞はネタでもなんでもなく、このラストステージの伏線である。 --ちなみにこのステージは前半がHYDEの『COUNTDOWN』、後半がサンボマスターの『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』からなる二部構成となっているが、後者はラストの「LOVE & PEACE!」というシャウトが音質の悪さによって「頑張って!」に聞こえる空耳ネタが存在する。 #endregion -基本システム難易度は変わらず前作と同じ感覚で遊べる。 --加えて、「熱烈に応援」の難易度は前作よりも下がっている為、初心者のステップアップにはもってこい。 -収録曲は今作発売当時の人気曲を中心に構成されており、曲数が増加している。 --EBAと同じく一定のスコアを稼ぐとプレイ可能となるボーナスステージも存在。 --今作でもボーカルは基本別人だが、『VISTA』と『サムライブルー』の2曲はアーティスト本人による歌唱となっている。また、『BANG! BANG! バカンス!』はSMAPの曲だが、本作では女性ボーカルの大胆なアレンジになっている。 -Hiddenモード --累計スコアを稼いで格付けを「救世主」まで上げると「Hiddenモード」という隠しモードが出現する。このモードではマーカーのサークルが表示されず、代わりにマーカーがゆっくり消えていく形式になる。譜面自体は変わらないが、獲得スコアは通常の1.5倍になる。 --目押しが難しいので基本的にマーカーのタイミングを把握していることが前提の上級者向けモードである。 -期間限定で現在は終了しているが、海外版『Elite Beat Agents』のキャラクターたちと応援団シリーズで存在感を放つ「猫」がダウンロードできた。 --『Elite Beat Agents』や「猫」はシナリオに大きく関わるわけではなく、応援団たちの代わりに下画面で応援団やチアガールズの演舞を踊るだけであり、ファンサービスに近い。 --また、対戦で使用できる『Elite Beat Agents』のキャラクターは「J」だけである。 **賛否両論点(2) -収録曲について --前作は比較的古めの有名曲や定番曲が多かったが、本作は新しいJ-Pop曲の比率が増えているためやや好みが分かれやすい。 **問題点(2) -合図無く裏打ちやタイミングをズラしたタッチを要求される場面が前作から増え、初見殺し的な難易度が上がっている。 --特に『少年ハート』や『ミュージック・アワー』(の高難易度)はボーカルではなくバックの楽器に合わせてマーカーが現れる場面がある。オートモードやお手本演奏などは無いため、正しいリズムが分からないとそのまま詰ってしまうことも。 **総評(2) システムやノリはそのまま、過去作の欠点を修正して更に完成度が高くなっている。~ 最後に言っておく。''このゲームをプレイするうえで大切なのは愛だ!'' ---- *余談 -[[1作目のCM・PVはこちら(YouTube):https://www.youtube.com/watch?v=7eDT5iMVIKw]]は、どちらもプレイ中のシーンはあるにはあるが、曲に合わせられていないどころか、シーンの切り貼りで実際にはない三三七拍子を作られたりしている有様で、「曲にあわせてタッチする音ゲー」であることがほとんど認識できない。「宣伝今一歩」とファンから揶揄されるほど。 --この反省を活かしてか、『2』の[[店頭用PV(YouTube):https://www.youtube.com/watch?v=iEH46pR_mm0]]、[[およびCM(YouTube):https://www.youtube.com/watch?v=VBDLgvNTBKU]]ではゲーム内容がよくわかる内容になり、公式サイトでも特定の1曲分のプレイ動画をフルで見られた(発売当初の期間限定で現在は見られない)など、前作の「まず音ゲーだと気づいてもらえなかった」という問題への対策が徹底的に行われている。 -前述の宣伝のマズさもあってか、『1』の発売直後は売り上げに苦戦したが、ゲームの完成度が口コミによって広まり高い評価を受け、着実に売り上げを伸ばしていった。最終的には海外でも輸入してプレイする人が現れる人気となった。そのため、設定を海外に向けてローカライズした『Elite Beat Agents』がアメリカ・オセアニア・ヨーロッパ・韓国で発売され((『EBA』は海外では高く評価され、北米では数々の賞を受賞した。実写マリオや実写ストIIで有名な海外のテレビ番組『mega64』でもネタにされている。))、日本でも続編『燃えろ!熱血リズム魂 押忍!闘え!応援団2』が発売された。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズX]]』では収集要素のフィギュアとシールで登場した。 --『1』からはフィギュアで一本木龍太と西園寺隼人が、シールで一本木龍太、田中一、百目鬼魁、雨宮沙耶花、西園寺隼人が登場。 --『EBA』からはフィギュアでJ、モリス、デレックが、シールでJ、モリス、デレック、コマンダー・カーンが登場。 -『EBA』は『応援団』のカルト的な人気もあってか、完全な海外向けソフトとしては珍しくゲームショップでも輸入・販売されることが多かった。そのため国内での流通も比較的多く、現在でも中古で探しやすい部類である。 -2016年に本作開発のイニス副社長矢野慶一氏が[[インタビュー>http://jp.automaton.am/articles/newsjp/osu-tatakae-ouendan-creater-imply-the-another-game/]]で「最適なプラットフォームが出れば続編の可能性がある」という趣旨の回答をしている。 --2017年にスピカ(旧:イニス)が破産。版権については同社が破産した前年に後継企業として設立された株式会社LIONA(旧:イニスジェイ)が引き継いでいる。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』でも収集要素のスピリッツで、Xのフィギュアだった一本木たちが登場した。 チアガールズたちもスピリッツ化しており、おそらくはスカートの中がスパッツではないからかフィギュア化NGだったのかもしれない。

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