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「ヘルファイアー」(2024/02/10 (土) 21:41:27) の最新版変更点
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*ヘルファイアー
【へるふぁいあー】
|ジャンル|シューティング|CENTER:&amazon(B000148IX6)|&amazon(B0000ZPRJY)|
|対応機種|アーケード|~|~|
|発売・開発元|東亜プラン|~|~|
|稼動開始日|1989年4月|~|~|
|判定|なし|~|~|
|ポイント|東亜プラン初の自社発売&br()方向の違う4種類のショット切り替え&br()大きく賛否が分かれるPCエンジン版|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[東亜プランSTGリンク>東亜プランSTGシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-かつてはタイトーを発売元としてアーケードゲームを開発していた今は亡き東亜プランが、初めて自社ブランドとしてリリースした横スクロールシューティングゲーム。
--販売自体は今まで通りタイトーが担当しており、タイトルロゴ表示前にタイトーの社名ロゴも表示される。
-1~2人プレイが可能だが、「2人交互プレイによる1人用バージョン」と「2人同時プレイバージョン」の2バージョンの基板が存在する(双方とも日本国内で正式出荷されているが前者の出回りは極めて少ない)。
-全6ステージ構成のループ制。
**主なルール
-操作系統。
--本作はレバーと2ボタン(ショット・切り替え)を使用する。
---レバーで自機の八方向移動操作。
---ショットボタンでメインショットを放つ。
---切り替えボタンで自機のショット方向を4種類から選択(下記)。
-ショットの切り替えについて。
--本作の自機は4種類のショットを持っており、切り替えボタンで使用したいショットを常時選択できる。
---ボタン1つでショットを切り替えなければならない為、状況によっては迅速に複数回のボタンを押さなければ危険を伴ってしまう。
--ショットの種類に関しては以下の通り。()内は選択中のショットの色。1PVer.では自機の色も切り替わる。
---「前方ショット(赤)」…自機前方のみの攻撃。ゲーム開始時は必ずこのショットで固定されている。
---「後方ショット(黄)」…自機後方のみの攻撃。また、レーザーになっていない状態のこのショットで特定の敵を撃破するとアイテムが3個出現する。
---「上下ショット(緑)」…自機上側・下側の同時二方向攻撃。
---「斜めショット(青)」…自機の右上斜め・左上斜め・右下斜め・左下斜めの同時四方向攻撃。カバー範囲が非常に広い代わり、ショットそれぞれは狭くなる。
-アイテムについて。
--特定の敵や障害物を倒すと以下のアイテムを落とす。
---「パワーアップ (P)」…各ショットの一括パワーアップ効果。2個目からはショットがレーザーに変化し、威力・貫通力が上がるが連射性が一気に落ちる。
---「スピードアップ (S)」…自機のスピードアップ効果。
---「ボーナス (B)」…スコアアップの効果。
---「1UP」…その名の通りの1UP効果。1プレイ2回まで獲得可能だが、出現条件が非常に特殊。
-自機が敵・敵弾・地形に触れるとミス。
--本作は基板のバージョンによって復活形式が違う。残機制なのは両者共通。
---一人プレイバージョンは戻り復活形式、二人同時プレイVerは途中復活形式となっている。
---各バージョン共通で、ミス後の復活は一切のパワー・スピードアップの効力が失われる。
---初回はスコア7万点、以降は20万点獲得毎に残機がエクステンドする。
//基板設定によってコンティニューの事情が違うかもしれないのでコンティニューに関しては省略。
**特徴
-数少ない東亜製横スクロールシューティング。
--本作は縦スクロールシューティング主流の東亜プラン製としては珍しい横シューティングであり、東亜の定番であるボンバーに該当するシステムも存在しない。
---ちなみに東亜製の強制スクロール型横シューティングは本作と『ゼロウイング』のみである(横スクロールアクションシューティングとしては『[[ホラーストーリー>ホラーストーリー (AC)]]』がある)。
-ショットを撃ち分けていく「パズル的要素」。
--本作の敵配置は全編通して「ショットの切り替えを使いこなす事を前提とした」構造になっている配置が多い。
---例えば、「敵の主砲が斜め型に入り組んでおり、破壊するには斜めショットで攻撃する必要がある」「ステージ1ボスの弱点方向が常時変化し、その都度ショットを切り替える必要あり」といった具合。
---よって、本作は単純に撃てばいいというものではなく、ショット切り替えをいかに効率良く行えるかといったパズル的要素も含んでいると解釈できる。&br()この「パズルシューティング」というべきゲーム性は、当時のシューティングジャンルの方向性に一つの息吹を吹き込んだといっても過言ではないだろう((ただ、ショット種類のボタン切り替えは後に『アンドロデュノス』『クライシスフォース』等でも採用されたが、ステージ構成にその活用を組み込まれたゲームというとどれだけあったか疑問ではある))。
**評価点
-グラフィック・BGM周りは優秀。
--やや地味寄りではあるものの、グラフィックは丁寧に描かれている。
---『ロストワールド』(カプコン)を彷彿とさせる「(エジプト風)遺跡とメカが同居したデザイン」がミステリアスでいい感じ。
--東亜製ゲームの例に漏れず、BGMは聴き応えのある名曲揃いとなっている。
---東亜節全快のハードでありながらも哀愁漂うビートが、怪しげなデザインと上手くマッチしており、さらにいい感じ。
**問題点
-東亜製らしい高難易度。
--後の凶悪無慈悲な東亜系縦STGや弾幕シューティング程ではないにしろ、その難易度は相当高い傾向にある。
---「常にショット切り替えを行う的確性が必要不可欠」「敵の耐久力が全体的に高い」「ミス後の復活が(戻り、途中に関わらず)やや困難」なところも相まって、クリアへの道は厳しい。
---とはいえ、敵配置のパターンを把握してしまえばある程度クリアが容易となる。やはり東亜シューティングとパターン把握は切り離せない関係なのか…。
---なお難易度調整は戻り復活の1Pバージョンがベースなので、その場復活に変更された2Pバージョンは多少難易度が軽減されている。
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**総評
ゲームの出来は決して悪くはないものの、すでに同社が製作した『[[究極タイガー]]』や『[[TATSUJIN]]』といった派手路線のゲームの影に埋もれてしまい、あまり人気を得られなかった模様。~
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**余談
-同社が同年にリリースしたシューティングは他に『[[大旋風]]』『ゼロウイング』『鮫!鮫!鮫!』がある。
--後に東亜は派手路線のシューティングに再着手する事となるが同時に難易度高騰の客離れに繋がり、東亜の寿命を縮める結果となるのは皮肉としかいい様がない。
----
**家庭用移植
-マイナー気味なゲームではあったが、CS機移植には比較的恵まれ((というより横スクロール作品にしたのは元から家庭用移植を視野に入れた旨の発言が当時のスタッフインタビューの中で言及されている))、後にメガドライブとPCエンジンにて移植された。しかし、双方共色んな意味で賛否両論な移植となり、物議を醸している。
--特にPCE版はただのアレンジ移植では済まされない程の大胆な作りとなっている。詳細は下記にて。
-メガドライブ版(1990年9月28日発売、メサイヤ(日本コンピューターシステム))
--何故か東亜とはあまり関係がなさそうなメサイヤが販売元だが、移植自体はMD市場に正規参入前の東亜プランが手掛けている。((これより前にセガから発売されたMD版の『TATSUJIN』も東亜プラン自身が移植を手がけている))
--容量の関係上なのか一人プレイ専用となり、二人プレイは廃止されミス後は戻り復活形式(原作における一人プレイバージョン基準)である。
---ゲーメストの記事によるとアーケード版は戻り復活の一人プレイバージョンが本来の仕様で、難易度もそれで調整されているとのこと。
--外見上はAC基準だが、一部の敵のグラフィックが変更、中には攻撃そのものが変更されていたり、一部のボス戦で高速スクロールになる、AC版で部位破壊のみ可能だった敵が部位破壊が出来なくなっている代わりに完全破壊可能になっていたりする他、ボンバーに近い強力攻撃「ハイパーカノン」、敵攻撃を1回だけ防ぐ「シールド」、周囲の敵を体当たりで破壊する「専用オプション」などのオリジナル要素が多く追加された。また、スコアによるエクステンドが初回7万/10万エブリになっており、残機が増えやすくなっている。
--一人プレイバージョンを基準にアレンジ移植されたと考えるのが妥当だろうか。遊びやすくなったものの、背景グラフィックのドットが粗くなり、BGMの質が低下している劣化面もある。
---BGMについてはアーケード基板のFM音源が2オペのYM3812だったのに対してメガドラのFM音源はYM2612と4オペなので音源のスペックは上がっている。メガドラ版はBGMがステレオ化されているなどの要素もある。
--AC版と比べてレーザーの長さが半減したのとトレードオフで連射性能が倍増されている。斜め方向はアーケード版が単発だったのに対して2連射、それ以外の方向はアーケード版が2連射だったのに対して4連射できる。
--縦の表示領域がAC版よりも狭いため、自機の上下移動に合わせて画面が上下に若干スクロールする。これが横スクロールシーンだけなら問題ないが、何故かステージ5の縦スクロールシーンにもこれが適用されていて、上下に移動するとスクロールがカクついてしまう。
--また、一部のメガドライブ本体でプレイすると時折背景が崩れるバグがある。ちなみにMD版『ゼロウィング』でも同じバグが発生する。
--GENESIS(海外)版では隠し難易度「YEA RIGHT」の追加や、エクステンドスコアがAC版と同じ7万/20万エブリになっていたり、エンディングが変更されているといった違いがある。
--2022年10月27日に発売されたメガドライブミニ2の海外版であるSEGA Genesis Mini 2に収録されている。本体の言語設定を切り替えることで日本版/海外版の双方をプレイ可能。
-PCエンジン CD-ROM2版(1991年4月12日発売、NECアベニュー)
--ゲームタイトルが『ヘルファイアーS』と変更され、サブタイトルに「THE ANOTHER STORY」と表記されている。移植担当はオフィスK。
---原作と並行して話が進むパラレルストーリーであり、自機パイロットが女性二人に変更されている(原作のパイロットは紛れもなく男性)。
--CD-ROM2のお得意技であるビジュアルシーンがオープニング、ステージ前後、エンディングに挟まれる演出が付いた。
---パイロット2人のやたらとエロいコスチュームや、紳士タイムなオープニングデモが導入される事から「''『ヘルファイアーS』のSはスケベのS''」と揶揄されている(本来は「スペシャル」のS)。
---PCEがギャルゲー色に染まったからこういう路線になったとよく誤解されがちだが、それとは無関係で元々からそういう企画がされていた((当時(1991年)のPCEはギャルゲーと呼ばれるソフトがさほどリリースされていない。というかギャルゲーという用語自体が先ず使われ始めてすらいない))。
--アナザーストーリーという関係上、エンディングが大きく変更されているが、これが''PCE屈指の欝END''と評され、当時のプレイヤーにトラウマを植え付けた。
---周囲の物全てを破壊するほどの爆発を起こす((半径11キロものビームを放つ敵の要塞を消し飛ばした))「アインシュタインクラック」に巻き込まれながらも、形を維持して漂うリボンについて、「最強のリボン」としてネタにされていた。
//ネタバレなので隠しで書くが「特攻END」である。
--ゲーム自体は「シールド」(MD版とは違い2回まで耐えられる)が追加された以外は、二人同時プレイができる原作寄りに近い移植となっている。
--原作と比較すると、難度は大幅に下がっている。ただし、的確なショットの切り替えが要求されるゲーム性は維持されており、何も考えずに撃ち続けていてはクリアできない。
--当時のCD-ROM2のお約束として、すべてのBGMがCD音源によるゴージャスアレンジとなっている。
---新規の楽曲としては良曲の部類だが、キラキラにゴージャス化がされすぎて原作における東亜節が大分薄らいでおり、このアレンジには評価が分かれる。
---アレンジ演奏はPCEではお馴染みの実力派コンポーザーであるT's Musicが担当している。
--ビジュアルシーンを削除し、原作に近いBGMを再現したHuカード版の発売も予定していたが、こちらは発売中止になっている。
-Nintendo Switch・PS4版『ゼロファイアー』(2023年7月20日発売、M2)
--『ゼロウィング』とのカップリング移植。本作は『AC1P版』と『AC2P版』・『メガドライブ版』と『GENESIS版』・PCE版の『ヘルファイアーS』を収録((MD・GENESIS・PCE版については、DLCによるアペンドとなっている。パッケージ版はDLコード同梱で、DL版は別途購入が必要))。
---M2ガジェットおよびスーパーイージーモードはAC2P版のみ対応。また、同バージョンではショット方向の切り替えを8種類から選択可能となっている。なお、オンラインランキングはAC版と同仕様のAタイプ(ショット連射中に切り替えボタンを押すと方向切り替えまで連射される)と、デフォルト設定のBタイプ(基本はAC版と同じだが、ショット連射中に切り替えボタンを押しても方向が切り替わらない)以外は「ALL-MIX」部門で集計される。
--本作発売に際し、PCE版で声を当てた冬馬由美氏と原えりこ氏による製品紹介PVがyoutubeにて公開された。両氏とも、まさか30年以上経って再び本作に関わる事になろうとは思っても見なかったであろう。
---発売当日にはNECアベニュー作品の版権をM2が引き継いだ事が発表されている。
*ヘルファイアー
【へるふぁいあー】
|ジャンル|シューティング|CENTER:&amazon(B000148IX6)|&amazon(B0000ZPRJY)|
|対応機種|アーケード|~|~|
|発売・開発元|東亜プラン|~|~|
|稼動開始日|1989年4月|~|~|
|判定|なし|~|~|
|ポイント|東亜プラン初の自社発売&br()方向の違う4種類のショット切り替え&br()大きく賛否が分かれるPCエンジン版|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[東亜プランSTGリンク>東亜プランSTGシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-かつてはタイトーを発売元としてアーケードゲームを開発していた今は亡き東亜プランが、初めて自社ブランドとしてリリースした横スクロールシューティングゲーム。
--販売自体は今まで通りタイトーが担当しており、タイトルロゴ表示前にタイトーの社名ロゴも表示される。
-1~2人プレイが可能だが、「2人交互プレイによる1人用バージョン」と「2人同時プレイバージョン」の2バージョンの基板が存在する(双方とも日本国内で正式出荷されているが前者の出回りは極めて少ない)。
-全6ステージ構成のループ制。
**主なルール
-操作系統。
--本作はレバーと2ボタン(ショット・切り替え)を使用する。
---レバーで自機の八方向移動操作。
---ショットボタンでメインショットを放つ。
---切り替えボタンで自機のショット方向を4種類から選択(下記)。
-ショットの切り替えについて。
--本作の自機は4種類のショットを持っており、切り替えボタンで使用したいショットを常時選択できる。
---ボタン1つでショットを切り替えなければならない為、状況によっては迅速に複数回のボタンを押さなければ危険を伴ってしまう。
--ショットの種類に関しては以下の通り。()内は選択中のショットの色。1PVer.では自機の色も切り替わる。
---「前方ショット(赤)」…自機前方のみの攻撃。ゲーム開始時は必ずこのショットで固定されている。
---「後方ショット(黄)」…自機後方のみの攻撃。また、レーザーになっていない状態のこのショットで特定の敵を撃破するとアイテムが3個出現する。
---「上下ショット(緑)」…自機上側・下側の同時二方向攻撃。
---「斜めショット(青)」…自機の右上斜め・左上斜め・右下斜め・左下斜めの同時四方向攻撃。カバー範囲が非常に広い代わり、ショットそれぞれは狭くなる。
-アイテムについて。
--特定の敵や障害物を倒すと以下のアイテムを落とす。
---「パワーアップ (P)」…各ショットの一括パワーアップ効果。2個目からはショットがレーザーに変化し、威力・貫通力が上がるが連射性が一気に落ちる。
---「スピードアップ (S)」…自機のスピードアップ効果。
---「ボーナス (B)」…スコアアップの効果。
---「1UP」…その名の通りの1UP効果。1プレイ2回まで獲得可能だが、出現条件が非常に特殊。
-自機が敵・敵弾・地形に触れるとミス。
--本作は基板のバージョンによって復活形式が違う。残機制なのは両者共通。
---一人プレイバージョンは戻り復活形式、二人同時プレイVerは途中復活形式となっている。
---各バージョン共通で、ミス後の復活は一切のパワー・スピードアップの効力が失われる。
---初回はスコア7万点、以降は20万点獲得毎に残機がエクステンドする。
//基板設定によってコンティニューの事情が違うかもしれないのでコンティニューに関しては省略。
**特徴
-数少ない東亜製横スクロールシューティング。
--本作は縦スクロールシューティング主流の東亜プラン製としては珍しい横シューティングであり、東亜の定番であるボンバーに該当するシステムも存在しない。
---ちなみに東亜製の強制スクロール型横シューティングは本作と『ゼロウイング』のみである(横スクロールアクションシューティングとしては『[[ホラーストーリー>ホラーストーリー (AC)]]』がある)。
-ショットを撃ち分けていく「パズル的要素」。
--本作の敵配置は全編通して「ショットの切り替えを使いこなす事を前提とした」構造になっている配置が多い。
---例えば、「敵の主砲が斜め型に入り組んでおり、破壊するには斜めショットで攻撃する必要がある」「ステージ1ボスの弱点方向が常時変化し、その都度ショットを切り替える必要あり」といった具合。
---よって、本作は単純に撃てばいいというものではなく、ショット切り替えをいかに効率良く行えるかといったパズル的要素も含んでいると解釈できる。&br()この「パズルシューティング」というべきゲーム性は、当時のシューティングジャンルの方向性に一つの息吹を吹き込んだといっても過言ではないだろう((ただ、ショット種類のボタン切り替えは後に『アンドロデュノス』『クライシスフォース』等でも採用されたが、ステージ構成にその活用を組み込まれたゲームというとどれだけあったか疑問ではある))。
**評価点
-グラフィック・BGM周りは優秀。
--やや地味寄りではあるものの、グラフィックは丁寧に描かれている。
---『ロストワールド』(カプコン)を彷彿とさせる「(エジプト風)遺跡とメカが同居したデザイン」がミステリアスでいい感じ。
--東亜製ゲームの例に漏れず、BGMは聴き応えのある名曲揃いとなっている。
---東亜節全快のハードでありながらも哀愁漂うビートが、怪しげなデザインと上手くマッチしており、さらにいい感じ。
**問題点
-東亜製らしい高難易度。
--後の凶悪無慈悲な東亜系縦STGや弾幕シューティング程ではないにしろ、その難易度は相当高い傾向にある。
---「常にショット切り替えを行う的確性が必要不可欠」「敵の耐久力が全体的に高い」「ミス後の復活が(戻り、途中に関わらず)やや困難」なところも相まって、クリアへの道は厳しい。
---とはいえ、敵配置のパターンを把握してしまえばある程度クリアが容易となる。やはり東亜シューティングとパターン把握は切り離せない関係なのか…。
---なお難易度調整は戻り復活の1Pバージョンがベースなので、その場復活に変更された2Pバージョンは多少難易度が軽減されている。
----
**総評
ゲームの出来は決して悪くはないものの、すでに同社が製作した『[[究極タイガー]]』や『[[TATSUJIN]]』といった派手路線のゲームの影に埋もれてしまい、あまり人気を得られなかった模様。~
----
**余談
-同社が同年にリリースしたシューティングは他に『[[大旋風]]』『ゼロウイング』『鮫!鮫!鮫!』がある。
--後に東亜は派手路線のシューティングに再着手する事となるが同時に難易度高騰の客離れに繋がり、東亜の寿命を縮める結果となるのは皮肉としかいい様がない。
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**家庭用移植
-マイナー気味なゲームではあったが、CS機移植には比較的恵まれ((というより横スクロール作品にしたのは元から家庭用移植を視野に入れた旨の発言が当時のスタッフインタビューの中で言及されている))、後にメガドライブとPCエンジンにて移植された。しかし、双方共色んな意味で賛否両論な移植となり、物議を醸している。
--特にPCE版はただのアレンジ移植では済まされない程の大胆な作りとなっている。詳細は下記にて。
-メガドライブ版(1990年9月28日発売、メサイヤ(日本コンピューターシステム))
--何故か東亜とはあまり関係がなさそうなメサイヤが販売元だが、移植自体はMD市場に正規参入前の東亜プランが手掛けている。((これより前にセガから発売されたMD版の『TATSUJIN』も東亜プラン自身が移植を手がけている))
--容量の関係上なのか一人プレイ専用となり、二人プレイは廃止されミス後は戻り復活形式(原作における一人プレイバージョン基準)である。
---ゲーメストの記事によるとアーケード版は戻り復活の一人プレイバージョンが本来の仕様で、難易度もそれで調整されているとのこと。
--外見上はAC基準だが、一部の敵のグラフィックが変更、中には攻撃そのものが変更されていたり、一部のボス戦で高速スクロールになる、AC版で部位破壊のみ可能だった敵が部位破壊が出来なくなっている代わりに完全破壊可能になっていたりする他、ボンバーに近い強力攻撃「ハイパーカノン」、敵攻撃を1回だけ防ぐ「シールド」、周囲の敵を体当たりで破壊する「専用オプション」などのオリジナル要素が多く追加された。また、スコアによるエクステンドが初回7万/10万エブリになっており、残機が増えやすくなっている。
--一人プレイバージョンを基準にアレンジ移植されたと考えるのが妥当だろうか。遊びやすくなったものの、背景グラフィックのドットが粗くなり、BGMの質が低下している劣化面もある。
---BGMについてはアーケード基板のFM音源が2オペのYM3812だったのに対してメガドラのFM音源はYM2612と4オペなので音源のスペックは上がっている。メガドラ版はBGMがステレオ化されているなどの要素もある。
--AC版と比べてレーザーの長さが半減したのとトレードオフで連射性能が倍増されている。斜め方向はアーケード版が単発だったのに対して2連射、それ以外の方向はアーケード版が2連射だったのに対して4連射できる。
--縦の表示領域がAC版よりも狭いため、自機の上下移動に合わせて画面が上下に若干スクロールする。これが横スクロールシーンだけなら問題ないが、何故かステージ5の縦スクロールシーンにもこれが適用されていて、上下に移動するとスクロールがカクついてしまう。
--また、一部のメガドライブ本体でプレイすると時折背景が崩れるバグがある。ちなみにMD版『ゼロウィング』でも同じバグが発生する。
--GENESIS(海外)版では隠し難易度「YEA RIGHT」の追加や、エクステンドスコアがAC版と同じ7万/20万エブリになっていたり、エンディングが変更されているといった違いがある。
--2022年10月27日に発売されたメガドライブミニ2の海外版であるSEGA Genesis Mini 2に収録されている。本体の言語設定を切り替えることで日本版/海外版の双方をプレイ可能。
-PCエンジン CD-ROM2版(1991年4月12日発売、NECアベニュー)
--ゲームタイトルが『ヘルファイアーS』と変更され、サブタイトルに「THE ANOTHER STORY」と表記されている。移植担当はオフィスK。
---原作と並行して話が進むパラレルストーリーであり、自機パイロットが女性二人に変更されている(原作のパイロットは紛れもなく男性)。
--CD-ROM2のお得意技であるビジュアルシーンがオープニング、ステージ前後、エンディングに挟まれる演出が付いた。
---パイロット2人のやたらとエロいコスチュームや、紳士タイムなオープニングデモが導入される事から「''『ヘルファイアーS』のSはスケベのS''」と揶揄されている(本来は「スペシャル」のS)。
---PCEがギャルゲー色に染まったからこういう路線になったとよく誤解されがちだが、それとは無関係で元々からそういう企画がされていた((当時(1991年)のPCEはギャルゲーと呼ばれるソフトがさほどリリースされていない。というかギャルゲーという用語自体が先ず使われ始めてすらいない))。
--アナザーストーリーという関係上、エンディングが大きく変更されているが、これが''PCE屈指の欝END''と評され、当時のプレイヤーにトラウマを植え付けた。
---周囲の物全てを破壊するほどの爆発を起こす((半径11キロものビームを放つ敵の要塞を消し飛ばした))「アインシュタインクラック」に巻き込まれながらも、形を維持して漂うリボンについて、「最強のリボン」としてネタにされていた。
//ネタバレなので隠しで書くが「特攻END」である。
--ゲーム自体は「シールド」(MD版とは違い2回まで耐えられる)が追加された以外は、二人同時プレイができる原作寄りに近い移植となっている。
--原作と比較すると、難度は大幅に下がっている。ただし、的確なショットの切り替えが要求されるゲーム性は維持されており、何も考えずに撃ち続けていてはクリアできない。
--当時のCD-ROM2のお約束として、すべてのBGMがCD音源によるゴージャスアレンジとなっている。
---新規の楽曲としては良曲の部類だが、キラキラにゴージャス化がされすぎて原作における東亜節が大分薄らいでおり、このアレンジには評価が分かれる。
---アレンジ演奏はPCEではお馴染みの実力派コンポーザーであるT's Musicが担当している。
--ビジュアルシーンを削除し、原作に近いBGMを再現したHuカード版の発売も予定していたが、こちらは発売中止になっている。
-Nintendo Switch・PS4版『ゼロファイアー』(2023年7月20日発売、M2)
--『ゼロウィング』とのカップリング移植。本作は『AC1P版』と『AC2P版』・『メガドライブ版』と『GENESIS版』・PCE版の『ヘルファイアーS』を収録((MD・GENESIS・PCE版については、DLCによるアペンドとなっている。パッケージ版はDLコード同梱で、DL版は別途購入が必要))。
---M2ガジェットおよびスーパーイージーモードはAC2P版のみ対応。また、同バージョンではショット方向の切り替えを8種類から選択可能となっている。なお、オンラインランキングはAC版と同仕様のAタイプ(ショット連射中に切り替えボタンを押すと方向切り替えまで連射される)と、デフォルト設定のBタイプ(基本はAC版と同じだが、ショット連射中に切り替えボタンを押しても方向が切り替わらない)以外は「ALL-MIX」部門で集計される。
--本作発売に際し、PCE版で声を当てた冬馬由美氏と原えりこ氏による製品紹介PVがyoutubeにて公開された。両氏とも、まさか30年以上経って再び本作に関わる事になろうとは思っても見なかったであろう。
---発売当日にはNECアベニュー作品の版権をM2が引き継いだ事が発表されている。
-Windows/Mac/Linux版『HELLFIRE』(2023年8月24日、Bitwave Games)
--Steam/GOG.comで『Toaplan Arcade Shoot'em Ups 2』の1本として配信が開始された。AC1P版とAC2P版の両方を収録。第1弾(『Toaplan Arcade Shoot'em Ups 1』)同様、プレイアシスト機能やステートセーブなどの各種オプション設定が充実している。
--同時配信された『スラップファイト』、『飛翔鮫』、『鮫!鮫!鮫!』とのバンドルセットも販売されている。