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*攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL
【こうかくきどうたい ごーすと いん ざ しぇる】
|ジャンル|アクション・シューティング|&amazon(B00005OVML)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|開発元|エグザクト|~|
|発売日|1997年7月17日|~|
|定価|5,800円(税抜)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|フチコマに乗って自由自在に移動&br()美麗なアニメムービー&br()テクノ界のスター達が楽曲を提供&br()&bold(){酔う}|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
-『[[JumpingFlash!>JumpingFlash! アロハ男爵ファンキー大作戦の巻]]』シリーズを手がけたエグザクトによるTPS。
-プレイヤーは「フチコマ乗り」としての能力を強化された、公安9課の新人という設定。
-原作の漫画におけるコミカルな雰囲気そのままに、少佐(草薙素子)を初めとするおなじみの9課メンバーが武装したテロリスト達に挑む。
CENTER:&font(130%){''サイトー『じゃあ犯人はてめえの女房に違いねえ』''}
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**システム
-操作系は攻撃、ジャンプ、LRボタンで左右並行移動など、『JumpingFlash!』シリーズや『アーマード・コア』シリーズに類似している。
-フチコマは壁や天井に張り付き、そのまま走行することが可能((この仕様により視界の自由度が高いためか、視界の上下操作は無い。))。
-攻撃は、1ボタンで通常ショット(単発押し)とホーミングミサイル(溜め撃ち)の2種類を使い分ける。
-ボムに相当するグレネード弾を、最大3発所持できる。
-内容はミッションモード(本編)とトレーニングモードの2つ。
--ミッションモード:
---ムービーや荒巻部長からのブリーフィングでストーリーが進行していく。
---プレイヤーは少佐・バトー・トグサと同行しているが、彼らがプレイ中に出てくることは無い。敵は全てプレイヤーが排除する。
---ステージは広範囲に設置された時限爆弾の破壊、強制スクロールする高速道路での追撃戦など多岐にわたる。
---全12ステージで、クリア済ステージは任意に選択してプレイが可能。
--トレーニングモード
---敵配置固定の射撃訓練場にて、規定の数だけ敵を倒すとゲートが開き次のエリアへ進める。全6エリアで、時間切れかライフが0になると強制終了。
---倒した敵の得点と、残りのライフ・時間・グレネード数から総スコアを算出。
---さらに命中率・倒した敵の総数から総合評価が下される。
---終了後、総合評価に基づいた9課メンバーの「新人評」が聞ける。少佐に褒めてもらいたくてやり込んだプレイヤーも多いと思われる。
CENTER:&font(130%){''フチコマ『さっき壊した戦車のAIにこのデータ入ってたよ、起動まであと4時間かかるって』''}
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**評価点
-フチコマの高い機動力に基づいた攻略
--「壁に張り付き、敵の死角から蜂の巣にする」「狭い廊下に多数の敵が配置されている中、悠々と天井を走り抜ける」等、本作独特のシステムが可能にする攻略法多数。また、ホーミングミサイルの追尾性能は強力で、通常ショットも敵を凡そ視界の正面に捉えていれば自動で狙ってくれる。この仕様により、攻撃において緻密な操作が要求されるシーンは少なく、縦横無尽に動き回れる爽快感を存分に楽しめる。
--ニコニコ動画には「全編ノーダメージクリア」も投稿されている。
-BGM
--本作のOP曲を担当した石野卓球の呼びかけにより、マイク・ヴァン・ダイク、デリック・メイ、HARDFLOORなどテクノ界の著名アーティスト達が集結。原作の退廃感、ゲーム内の疾走感と非常に良くマッチしている。サントラCDは、オムニバス作品としてもテクノファンに好評。
-高品質なアニメムービー
--特に、フルデジタルで製作されたOPアニメムービーは賞賛された。原作ファンはニヤリとさせられるシーンも。
--一部ムービーが任意で飛ばせるためテンポがよい。まだムービースキップ機能があるソフトも多くなかった時期である。
--一度見たムービーはあとから自由に見ることができる。
-ムービーだけに限らず、原作の雰囲気を損なわない9課のやり取り。
CENTER:&font(130%){''バトー『なんだ、デカ上がりでも派手に戦える奴がいるんだな』''}
CENTER:&font(130%){''トグサ『悪かったね、派手じゃなくて』''}
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**賛否両論点
-攻略が一本道
--「あの機動力を生かしたショートカットや別ルートがあっても良かったのでは」という一方、「只でさえ、あれだけ自由度の高い動きができるのだから十分」という人も。
-終盤のボス戦の難易度が高い
--LRボタンでの平行移動、LRボタン両方押しながらの高速前後移動など、敵の攻撃を避けるのに必要な操作は忙しい。原作やアニメから入ったライトユーザーは投げる可能性大。
--しかしながら終盤まで進行できたプレイヤーは概ねの操作を習得しているため、極端に難しすぎるということはない。
CENTER:&font(130%){''イシカワ『しかし、ウチに声明文を流したのはやり過ぎだったな』''}
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**問題点
-酔う
--前述の機動力を生かした移動が必須なステージ構成のため、一般的な3Dアクションゲームより遥かに画面がグリグリ動く。
-自機の位置関係が分かり難い
--通常の移動操作中に自動で壁に張り付くため、人によっては「今いるのは床?天井?」と混乱する。
--また、進むべき方向を示すレーダーが表示されるが、上下方向については分かり難い。最終面はビルからせり出した足場の裏を進む(=ジャンプすると落下死)ような初見殺しも。
-序盤であるステージ3の難易度が非常に高い。
--ステージ3はマップ内の時限爆弾を全て見つけて破壊する、というミッションで時間制限もある。
--しかし「全ての爆弾位置を把握し、時間効率のいいルートで回る」必要があるため、それまでのステージと比べるとかなり難易度が上昇している。制限時間のため、落ち着いて状況を見ながら作戦を練る余裕もない。
--アクションゲームに腕のあるプレイヤーでも、初見ノーヒントではまず失敗するだろう。
--ステージ1、2と順々に操作を覚えさせるステージ構成だったがゆえに、余計ステージ3の難易度の高さが際立つ。
CENTER:&font(130%){''荒巻部長『炉心が崩壊したらチェルノブイリでは済まんのだぞ!!』''}
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**総評
1995年に公開されたアニメ映画『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』の世界的ヒットの流れを受け、本作も大きな話題となった。後作のアニメ『S.A.C.』『ARISE』シリーズではシリアス路線に転換した今、原作そのままのコミカル路線で進行していくストーリーと声優陣の熱演は貴重。原作ファン・アクションゲームファンに是非プレイしてもらいたい作品である。
CENTER:&font(130%){''少佐『新人、任せるわよ!』''}
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**余談
-上記映画のヒットにより、本作も企画当初は映画版((1995年公開の押井守監督によるアニメ映画の方))の雰囲気で製作される予定だったが、原作者である士郎正宗氏からの「映画とは違う形でやってほしい」という要望から、キャラクターデザイン・キャスティングとも原作版寄りに変更されている((「攻殻機動隊オフィシャルアートブック」(1997年、講談社刊)より))。
--特に出番の多い少佐(田中敦子→鶴ひろみ)・バトー(大塚明夫→小川真司)・トグサ(山寺宏一→鈴置洋孝)については「軽すぎる。こんなおちゃらけた連中は9課じゃない」「原作はこれくらい軽い。あの雰囲気を映像で楽しめるのは至高」と未だに賛否両論である。
-アニメ『S.A.C.』シリーズのTV放映後に発売された『[[攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX]]』は、アニメと同じシリアスな世界観の中で少佐とバトーを操作するTPSとなっている。
-本作のデベロッパーであるエグザクトは、本作発売の翌年にSCEJの制作部門(サテライトカンパニー)の1つであったシュガーアンドロケッツ((実開発は主に外部デベロッパーではあるが『ポポロクロイス物語シリーズ』や『やるドラシリーズ』、『びっくりマウス』等の制作を手掛けていた。))に吸収合併される形で消滅している。((一方、シュガーアンドロケッツ自体も2000年8月に公示されたSCEの組織改正に伴い、「SCEJ制作1部」としてにSCEJ社内部門に再編される形で消滅した。))
*攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL
【こうかくきどうたい ごーすと いん ざ しぇる】
|ジャンル|アクション・シューティング|&amazon(B00005OVML)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|開発元|エグザクト|~|
|発売日|1997年7月17日|~|
|定価|5,800円(税抜)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|フチコマに乗って自由自在に移動&br()美麗なアニメムービー&br()テクノ界のスター達が楽曲を提供&br()&bold(){酔う}|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
-『[[JumpingFlash!>JumpingFlash! アロハ男爵ファンキー大作戦の巻]]』シリーズを手がけたエグザクトによるTPS。
-プレイヤーは「フチコマ乗り」としての能力を強化された、公安9課の新人という設定。
-原作の漫画におけるコミカルな雰囲気そのままに、少佐(草薙素子)を初めとするおなじみの9課メンバーが武装したテロリスト達に挑む。
CENTER:&font(130%){''サイトー『じゃあ犯人はてめえの女房に違いねえ』''}
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**システム
-操作系は攻撃、ジャンプ、LRボタンで左右並行移動など、『JumpingFlash!』シリーズや『アーマード・コア』シリーズに類似している。
-フチコマは壁や天井に張り付き、そのまま走行することが可能((この仕様により視界の自由度が高いためか、視界の上下操作は無い。))。
-攻撃は、1ボタンで通常ショット(単発押し)とホーミングミサイル(溜め撃ち)の2種類を使い分ける。
-ボムに相当するグレネード弾を、最大3発所持できる。
-内容はミッションモード(本編)とトレーニングモードの2つ。
--ミッションモード:
---ムービーや荒巻部長からのブリーフィングでストーリーが進行していく。
---プレイヤーは少佐・バトー・トグサと同行しているが、彼らがプレイ中に出てくることは無い。敵は全てプレイヤーが排除する。
---ステージは広範囲に設置された時限爆弾の破壊、強制スクロールする高速道路での追撃戦など多岐にわたる。
---全12ステージで、クリア済ステージは任意に選択してプレイが可能。
--トレーニングモード
---敵配置固定の射撃訓練場にて、規定の数だけ敵を倒すとゲートが開き次のエリアへ進める。全6エリアで、時間切れかライフが0になると強制終了。
---倒した敵の得点と、残りのライフ・時間・グレネード数から総スコアを算出。
---さらに命中率・倒した敵の総数から総合評価が下される。
---終了後、総合評価に基づいた9課メンバーの「新人評」が聞ける。少佐に褒めてもらいたくてやり込んだプレイヤーも多いと思われる。
CENTER:&font(130%){''フチコマ『さっき壊した戦車のAIにこのデータ入ってたよ、起動まであと4時間かかるって』''}
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**評価点
-フチコマの高い機動力に基づいた攻略
--「壁に張り付き、敵の死角から蜂の巣にする」「狭い廊下に多数の敵が配置されている中、悠々と天井を走り抜ける」等、本作独特のシステムが可能にする攻略法多数。また、ホーミングミサイルの追尾性能は強力で、通常ショットも敵を凡そ視界の正面に捉えていれば自動で狙ってくれる。この仕様により、攻撃において緻密な操作が要求されるシーンは少なく、縦横無尽に動き回れる爽快感を存分に楽しめる。
--ニコニコ動画には「全編ノーダメージクリア」も投稿されている。
-BGM
--本作のOP曲を担当した石野卓球の呼びかけにより、マイク・ヴァン・ダイク、デリック・メイ、HARDFLOORなどテクノ界の著名アーティスト達が集結。原作の退廃感、ゲーム内の疾走感と非常に良くマッチしている。サントラCDは、オムニバス作品としてもテクノファンに好評。
-高品質なアニメムービー
--特に、フルデジタルで製作されたOPアニメムービーは賞賛された。原作ファンはニヤリとさせられるシーンも。
--一部ムービーが任意で飛ばせるためテンポがよい。まだムービースキップ機能があるソフトも多くなかった時期である。
--一度見たムービーはあとから自由に見ることができる。
-ムービーだけに限らず、原作の雰囲気を損なわない9課のやり取り。
CENTER:&font(130%){''バトー『なんだ、デカ上がりでも派手に戦える奴がいるんだな』''}
CENTER:&font(130%){''トグサ『悪かったね、派手じゃなくて』''}
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**賛否両論点
-攻略が一本道
--「あの機動力を生かしたショートカットや別ルートがあっても良かったのでは」という一方、「只でさえ、あれだけ自由度の高い動きができるのだから十分」という人も。
-終盤のボス戦の難易度が高い
--LRボタンでの平行移動、LRボタン両方押しながらの高速前後移動など、敵の攻撃を避けるのに必要な操作は忙しい。原作やアニメから入ったライトユーザーは投げる可能性大。
--しかしながら終盤まで進行できたプレイヤーは概ねの操作を習得しているため、極端に難しすぎるということはない。
CENTER:&font(130%){''イシカワ『しかし、ウチに声明文を流したのはやり過ぎだったな』''}
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**問題点
-酔う
--前述の機動力を生かした移動が必須なステージ構成のため、一般的な3Dアクションゲームより遥かに画面がグリグリ動く。
-自機の位置関係が分かり難い
--通常の移動操作中に自動で壁に張り付くため、人によっては「今いるのは床?天井?」と混乱する。
--また、進むべき方向を示すレーダーが表示されるが、上下方向については分かり難い。最終面はビルからせり出した足場の裏を進む(=ジャンプすると落下死)ような初見殺しも。
-序盤であるステージ3の難易度が非常に高い。
--ステージ3はマップ内の時限爆弾を全て見つけて破壊する、というミッションで時間制限もある。
--しかし「全ての爆弾位置を把握し、時間効率のいいルートで回る」必要があるため、それまでのステージと比べるとかなり難易度が上昇している。制限時間のため、落ち着いて状況を見ながら作戦を練る余裕もない。
--アクションゲームに腕のあるプレイヤーでも、初見ノーヒントではまず失敗するだろう。
--ステージ1、2と順々に操作を覚えさせるステージ構成だったがゆえに、余計ステージ3の難易度の高さが際立つ。
CENTER:&font(130%){''荒巻部長『炉心が崩壊したらチェルノブイリでは済まんのだぞ!!』''}
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**総評
1995年に公開されたアニメ映画『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』の世界的ヒットの流れを受け、本作も大きな話題となった。後作のアニメ『S.A.C.』『ARISE』シリーズではシリアス路線に転換した今、原作そのままのコミカル路線で進行していくストーリーと声優陣の熱演は貴重。原作ファン・アクションゲームファンに是非プレイしてもらいたい作品である。
CENTER:&font(130%){''少佐『新人、任せるわよ!』''}
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**余談
-上記映画のヒットにより、本作も企画当初は映画版((1995年公開の押井守監督によるアニメ映画の方))の雰囲気で製作される予定だったが、原作者である士郎正宗氏からの「映画とは違う形でやってほしい」という要望から、キャラクターデザイン・キャスティングとも原作版寄りに変更されている((「攻殻機動隊オフィシャルアートブック」(1997年、講談社刊)より))。
--特に出番の多い少佐(田中敦子→鶴ひろみ)・バトー(大塚明夫→小川真司)・トグサ(山寺宏一→鈴置洋孝)については「軽すぎる。こんなおちゃらけた連中は9課じゃない」「原作はこれくらい軽い。あの雰囲気を映像で楽しめるのは至高」と未だに賛否両論である。
-アニメ『S.A.C.』シリーズのTV放映後に発売された『[[攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX]]』は、アニメと同じシリアスな世界観の中で少佐とバトーを操作するTPSとなっている。
-本作のデベロッパーであるエグザクトは、本作発売の翌年にSCEJの制作部門(サテライトカンパニー)の1つであったシュガーアンドロケッツ((実開発は主に外部デベロッパーではあるが『ポポロクロイス物語シリーズ』や『やるドラシリーズ』、『びっくりマウス』等の制作を手掛けていた。))に吸収合併される形で消滅している。((一方、シュガーアンドロケッツ自体も2000年8月に公示されたSCEの組織改正に伴い、「SCEJ制作1部」としてにSCEJ社内部門に再編される形で消滅した。))