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*ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔
【ろーど・おぶ・ざ・りんぐ ふたつのとう】
|ジャンル|アクション|&amazon(B00006D2DU,image)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|メディア|DVD-ROM 1枚|~|
|発売元|エレクトロニック・アーツ・スクウェア|~|
|開発元|Stormfront Studios|~|
|発売日|2003年2月13日|~|
|定価|6,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|廉価版|EA BEST HITS&br;2004年3月4日/2,980円(税別)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|全体のボリュームがやや不足&br;ストーリーを端折りすぎて意味不明&br;映画シーンの再現性は高い|~|
|>|>|CENTER:''指輪物語シリーズ''&br;''旅の仲間・二つの塔'' / [[王の帰還>ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 (PS2)]] / 中つ国第三紀 / ホビットの冒険 / ゴラム|
//本シリーズは複数機種に複数の派生作品がありますが、現在(16/4/17)作られている記事が2つのみなので便宜上シリーズリンクをこの形にします。
本項ではPS2版の『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』について記述する。Windows版やGBA版は割愛。
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#contents(fromhere)
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**概要
J.R.R.トールキン作のファンタジー小説『指輪物語』を原作とする映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作を、洋ゲーの大手たる米国エレクトロニック・アーツがゲーム化。タイトルは第2部のものだが、本作では第1部『旅の仲間』のシナリオも含む。
万能型のアラゴルン、弓が得意で接近戦の苦手なレゴラス、攻撃力が高く機動力の低いギムリの3人を経験値で成長させながら10以上あるステージをクリアしていく事が目標。誰か一人でもステージクリアすれば次のステージに挑戦できる。言語は日本語と英語の2つに切り替えが可能で、難易度も3段階に調節可能。
//**あらすじ
//必要とあれば追記お願いします。
**操作方法
敵は1ステージに数多く登場するがそれぞれが意外と打たれ強いので、無双シリーズのように爽快に切り倒せるわけではなく堅実な対応が求められる。いかにダメージを受けずに素早く倒すかが本ゲーム攻略のカギとなっている。~
-敵の倒し方によって出される4段階判定に応じてもらえる経験値の高さが決定し、上述のようにダメージを受けず素早く倒すほど判定は高くなる。
--最高判定は判定の高さを最大限に引き上げると一定時間もらうことができる、ボーナスのような立ち位置。回数制限は無し。
-攻撃手段は「弱攻撃」と「強攻撃」、「飛び道具」の3種類。
--敵には弱攻撃などを無効化する盾を持っているタイプがいる。強攻撃は隙が大きいが盾破壊できる。飛び道具も力をフルまで溜めれば敵の盾を破壊できる。
-防御手段は「防御」による受けと「バックステップ」による回避の2種類。
-その他に倒れている敵を一撃死させる「トドメ」と間合いを取る「蹴り」がある。
-これらのアクションを組み合わせて繰り出すコンボが決まると評価が高くなりやすい。
-体力ゲージが0になるとステージクリア失敗となる。自力で回復する手段はないが、敵や宝箱がたまにドロップする回復薬を拾うことで可能。
--何かを守らなくてはならないステージもあり、操作キャラが元気でもゲームオーバーになる事もある。
----
**評価点
-映画さながらの臨場感が楽しめる
--BGMは映画に用いられた楽曲をふんだんに使っている。
--声優が映画のキャストと同じである。これは映画シーンをいくつか集めて流用したなどではなく、(細かい掛け声などの例外はあるが)ゲームオリジナルのセリフにもちゃんと吹き替えされている。
--ステージのポリゴン設計に関しては当時の技術なので粗等はあるものの、原作映画の雰囲気を壊すどころか存分に引き立てている。映画のワンシーンからゲームのポリゴン風景に切り替わるという手法を多用しているが、この切り替えが非常に自然。
---特に水面の反射など、妙に細かい所の表現まで丁寧に作り込まれている事もある。
--映画のワンシーンをそのままステージとしてポリゴンでオマージュ再現しているところもある。
--ストーリーモードの最終ステージである「ヘルム峡谷」での敵味方入り乱れた大乱闘はワンシーンだけでなく、ゲームに見事に落とし込んでいる。プレイヤーの周囲で大量のNPCを同時に動かしているにもかかわらず処理落ちが殆ど発生しない。
---ただし自爆する敵が大量に発生するステージやカタパルトによる爆弾投下があるステージでは、爆発エフェクトのせいで処理がやや重くなることはある。
-戦闘操作時
--敵味方のモーションがかなり自然。素早さも力強さも感じられる仕上がりになっている。
---特に返し技による一撃必殺が決まった時のアクションはスタイリッシュ。またただ敵を切り捨てるのではなく、本来はダメージを与えられない「蹴り」で崖から転落させて倒すという方法もある。
---強化すれば様々なコンボが使えるようになるほか飛び道具を強化すると特殊なエフェクトがつくように。
-特典
--俳優や映画演出スタッフへインタビューをするという内容の特典映像がいくつも挿入されており、映画ファンからはうれしい物。
--ゲームの最後に配置される隠しステージをクリアすると、隠しコマンドが解放される。
---敵を小さくするといったネタや、ダメージを受けないというバランス崩壊を招くものまで様々。
**賛否両論点
-コンボが招く難易度
--本ゲーム攻略の要である「コンボ」を上手に使うハードルが高い。
---コンボを練習する場が無いので、どうしても本編のステージ中に練習することになる。
---しかし1度クリアしたステージは最後のステージをクリアするまで遊べない。~
やり直しをすればもう一度遊べるがそこまでするほどの事でもなく、また最後のステージをした頃にはこれといったゲーム目標が無い。
---コンボの最後の一撃のモーションが隙が大きいので、敵が大勢いると中断されやすい。~
またコンボをかけたい敵そのものが大きくひるみ2段目以降の攻撃を当てられないこともある。
---低難易度モードだと、逆にコンボが決まりすぎるとヌルゲー化を招くうえ、コンボができなくとも最低限基本的な動きさえできていればクリアできるよう調整はされている。
---決して作り込みが浅いわけではないのだが、コンボ練習ができずに(難易度調整を含めても)ゲームそのもののボリュームが少ないことも併せてやりこみの余地が見出しにくい。
--ガードはその場で硬直する、バックステップはやや出が遅いという弱点があるので全体的に防御行為が弱い。(ゲームバランス調整の一環ではあるのだが)ずっとガードしていると敵に特殊な技を叩き込まれるケースもある。
--またガードがアクションゲームにしては珍しく□(四角)ボタン対応なので混乱する。
--アクションゲームに慣れていない人にとっては、ややハードルの高いゲームバランス。
-全年齢対象
--もともと原作に血なまぐさい要素があるので仕方のないことだが、人型の敵の首を明確に斬りつけていたり、立っている敵を剣で貫いたりする描写があるので残酷とする声も。
--一応、出血や人体破壊の表現は一切存在しないが、逆にこれがないと映画の雰囲気が出ないという意見もある。
**問題点
-ボリュームの少なさ
--ステージ数は14と少ないとする声が多い。
--キャラクターが事実上3人しか使えず、しかも殆ど全てのステージを3人で共有するので、それぞれ固有のシナリオをもう少し用意しても良かったのではという意見も。
---またキャラは変えてもステージで起こる内容は大して変わらない(とはいっても映画本編で登場する大規模な戦闘は殆ど全て登場させている)。~
また映画では数分で終わってしまう、もしくは存在しなかったような戦闘を1ステージに引き延ばすような措置も見られるので、仕方が無かったと言えばそうかもしれない。
---戦闘描写の少ないフロドや途中退場してしまうボロミアの戦闘シーンも無理矢理作れなくはなかっただろうが、レベル成長システムもあるこのゲームに溶け込めるものになったかどうかは不明。
-シナリオ改変
--ゲームシナリオは映画の本当に最低限の要点を詰め込んであるだけなので、このゲームだけプレイしても話の流れが意味不明。
--特に原作や映画を知らない人からすれば、とりあえず指輪を捨てに行かねばならない、それを邪魔する敵と戦わなければならないという話ぐらいしつかめない。
#region(close,具体例(ネタバレ))
--原作映画でも少し難解だったシーンだが、アラゴルンがアルウェンに今までの出来事を回想するシーンのウェイトを増して使用しているので、人によってはますます意味不明に。
--実写パートには登場するものの、ゲーム内にサム、メリーとピピンが存在しない。
--アモン・ヘンでフロドを単独行動させた理由について説明無し(ボロミアが指輪の誘惑に負ける描写もカット)。
--ボロミアは原作および映画通り殺されるが、ゲームではそれ以前の描写がほとんどないに等しい。
#endregion
-一部のムービーがスキップできない
--ゲームのメインシナリオ中に出てくる1周目のムービーは必ず見ることになる。これは2周目以降であればスキップ可能。
--しかし、操作キャラの体力が0になる以外の理由でステージクリアを失敗した時に見られる特殊ムービーは、2回目以降もスキップできない、内容も操作キャラや民間人が敵に殺される…といったものが大半なので、何度もゲームオーバーになるとその度に特殊ムービーを見せつけられて精神的に負担になる。
-グラフィック
--キャラの顔や服装などの細かい所はあまり再現できていない。
--データが膨大になるためできなかった可能性が高いが、原作では敵がバリエーションに富んでいたにもかかわらず、皆同じ姿なので違和感を覚えることも。~
特に混戦時は全く同じような敵であふれかえるので、操作キャラや敵の配置がつかめず不意打ちを食らいやすい。
-操作時の不満
--アラゴルン以外の癖が強い。
---動きの速いレゴラスはまだ良いが、動きの遅いギムリは特に操作しづらい。飛び道具でないと攻撃できない敵との戦いは非常に辛い。
**総評
基本的な作り込みは万全で軽い処理のまま合戦を再現し、敵を倒す戦略性や達成感は十分に味わうことが出来るという長所は大きい。~
しかしアクションゲームとしてはあまり初心者向けではないので、映画から参入したアクションライト層にはハードルが高く、戦闘のボリューム不足やシナリオのやや強引な省略もあり、ロード・オブ・ザ・リングのお話を楽しみたいヘビー層にも十分に満足が得られない惜しい作品といえる。
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**余談
-発売当時の日本法人であるエレクトロニック・アーツ・スクウェアは、本作発売からいくばくして、スクウェア・エニックスの合併による資本撤退に伴いエレクトロニック・アーツに社名変更された(正しくはEAVとEAスクウェアの間の時期の社名に戻った)。
*ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔
【ろーど・おぶ・ざ・りんぐ ふたつのとう】
|ジャンル|アクション|&amazon(B00006D2DU,image)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|メディア|DVD-ROM 1枚|~|
|発売元|エレクトロニック・アーツ・スクウェア|~|
|開発元|Stormfront Studios|~|
|発売日|2003年2月13日|~|
|定価|6,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|廉価版|EA BEST HITS&br;2004年3月4日/2,980円(税別)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|全体のボリュームがやや不足&br;ストーリーを端折りすぎて意味不明&br;映画シーンの再現性は高い|~|
|>|>|CENTER:''指輪物語シリーズ''&br;''旅の仲間・二つの塔'' / [[王の帰還>ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 (PS2)]] / 中つ国第三紀 / ホビットの冒険 / ゴラム|
//本シリーズは複数機種に複数の派生作品がありますが、現在(16/4/17)作られている記事が2つのみなので便宜上シリーズリンクをこの形にします。
本項ではPS2版の『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』について記述する。Windows版やGBA版は割愛。
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#contents(fromhere)
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**概要
J.R.R.トールキン作のファンタジー小説『指輪物語』を原作とする映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作を、洋ゲーの大手たる米国エレクトロニック・アーツがゲーム化。タイトルは第2部のものだが、本作では第1部『旅の仲間』のシナリオも含む。
万能型のアラゴルン、弓が得意で接近戦の苦手なレゴラス、攻撃力が高く機動力の低いギムリの3人を経験値で成長させながら10以上あるステージをクリアしていく事が目標。誰か一人でもステージクリアすれば次のステージに挑戦できる。言語は日本語と英語の2つに切り替えが可能で、難易度も3段階に調節可能。
//**あらすじ
//必要とあれば追記お願いします。
**操作方法
敵は1ステージに数多く登場するがそれぞれが意外と打たれ強いので、無双シリーズのように爽快に切り倒せるわけではなく堅実な対応が求められる。いかにダメージを受けずに素早く倒すかが本ゲーム攻略のカギとなっている。~
-敵の倒し方によって出される4段階判定に応じてもらえる経験値の高さが決定し、上述のようにダメージを受けず素早く倒すほど判定は高くなる。
--最高判定は判定の高さを最大限に引き上げると一定時間もらうことができる、ボーナスのような立ち位置。回数制限は無し。
-攻撃手段は「弱攻撃」と「強攻撃」、「飛び道具」の3種類。
--敵には弱攻撃などを無効化する盾を持っているタイプがいる。強攻撃は隙が大きいが盾破壊できる。飛び道具も力をフルまで溜めれば敵の盾を破壊できる。
-防御手段は「防御」による受けと「バックステップ」による回避の2種類。
-その他に倒れている敵を一撃死させる「トドメ」と間合いを取る「蹴り」がある。
-これらのアクションを組み合わせて繰り出すコンボが決まると評価が高くなりやすい。
-体力ゲージが0になるとステージクリア失敗となる。自力で回復する手段はないが、敵や宝箱がたまにドロップする回復薬を拾うことで可能。
--何かを守らなくてはならないステージもあり、操作キャラが元気でもゲームオーバーになる事もある。
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**評価点
-映画さながらの臨場感が楽しめる
--BGMは映画に用いられた楽曲をふんだんに使っている。
--声優が映画のキャストと同じである。これは映画シーンをいくつか集めて流用したなどではなく、(細かい掛け声などの例外はあるが)ゲームオリジナルのセリフにもちゃんと吹き替えされている。
--ステージのポリゴン設計に関しては当時の技術なので粗等はあるものの、原作映画の雰囲気を壊すどころか存分に引き立てている。映画のワンシーンからゲームのポリゴン風景に切り替わるという手法を多用しているが、この切り替えが非常に自然。
---特に水面の反射など、妙に細かい所の表現まで丁寧に作り込まれている事もある。
--映画のワンシーンをそのままステージとしてポリゴンでオマージュ再現しているところもある。
--ストーリーモードの最終ステージである「ヘルム峡谷」での敵味方入り乱れた大乱闘はワンシーンだけでなく、ゲームに見事に落とし込んでいる。プレイヤーの周囲で大量のNPCを同時に動かしているにもかかわらず処理落ちが殆ど発生しない。
---ただし自爆する敵が大量に発生するステージやカタパルトによる爆弾投下があるステージでは、爆発エフェクトのせいで処理がやや重くなることはある。
-戦闘操作時
--敵味方のモーションがかなり自然。素早さも力強さも感じられる仕上がりになっている。
---特に返し技による一撃必殺が決まった時のアクションはスタイリッシュ。またただ敵を切り捨てるのではなく、本来はダメージを与えられない「蹴り」で崖から転落させて倒すという方法もある。
---強化すれば様々なコンボが使えるようになるほか飛び道具を強化すると特殊なエフェクトがつくように。
-特典
--俳優や映画演出スタッフへインタビューをするという内容の特典映像がいくつも挿入されており、映画ファンからはうれしい物。
--ゲームの最後に配置される隠しステージをクリアすると、隠しコマンドが解放される。
---敵を小さくするといったネタや、ダメージを受けないというバランス崩壊を招くものまで様々。
**賛否両論点
-コンボが招く難易度
--本ゲーム攻略の要である「コンボ」を上手に使うハードルが高い。
---コンボを練習する場が無いので、どうしても本編のステージ中に練習することになる。
---しかし1度クリアしたステージは最後のステージをクリアするまで遊べない。~
やり直しをすればもう一度遊べるがそこまでするほどの事でもなく、また最後のステージをした頃にはこれといったゲーム目標が無い。
---コンボの最後の一撃のモーションが隙が大きいので、敵が大勢いると中断されやすい。~
またコンボをかけたい敵そのものが大きくひるみ2段目以降の攻撃を当てられないこともある。
---低難易度モードだと、逆にコンボが決まりすぎるとヌルゲー化を招くうえ、コンボができなくとも最低限基本的な動きさえできていればクリアできるよう調整はされている。
---決して作り込みが浅いわけではないのだが、コンボ練習ができずに(難易度調整を含めても)ゲームそのもののボリュームが少ないことも併せてやりこみの余地が見出しにくい。
--ガードはその場で硬直する、バックステップはやや出が遅いという弱点があるので全体的に防御行為が弱い。(ゲームバランス調整の一環ではあるのだが)ずっとガードしていると敵に特殊な技を叩き込まれるケースもある。
--またガードがアクションゲームにしては珍しく□(四角)ボタン対応なので混乱する。
--アクションゲームに慣れていない人にとっては、ややハードルの高いゲームバランス。
-全年齢対象
--もともと原作に血なまぐさい要素があるので仕方のないことだが、人型の敵の首を明確に斬りつけていたり、立っている敵を剣で貫いたりする描写があるので残酷とする声も。
--一応、出血や人体破壊の表現は一切存在しないが、逆にこれがないと映画の雰囲気が出ないという意見もある。
**問題点
-ボリュームの少なさ
--ステージ数は14と少ないとする声が多い。
--キャラクターが事実上3人しか使えず、しかも殆ど全てのステージを3人で共有するので、それぞれ固有のシナリオをもう少し用意しても良かったのではという意見も。
---またキャラは変えてもステージで起こる内容は大して変わらない(とはいっても映画本編で登場する大規模な戦闘は殆ど全て登場させている)。~
また映画では数分で終わってしまう、もしくは存在しなかったような戦闘を1ステージに引き延ばすような措置も見られるので、仕方が無かったと言えばそうかもしれない。
---戦闘描写の少ないフロドや途中退場してしまうボロミアの戦闘シーンも無理矢理作れなくはなかっただろうが、レベル成長システムもあるこのゲームに溶け込めるものになったかどうかは不明。
-シナリオ改変
--ゲームシナリオは映画の本当に最低限の要点を詰め込んであるだけなので、このゲームだけプレイしても話の流れが意味不明。
--特に原作や映画を知らない人からすれば、とりあえず指輪を捨てに行かねばならない、それを邪魔する敵と戦わなければならないという話ぐらいしつかめない。
#region(close,具体例(ネタバレ))
--原作映画でも少し難解だったシーンだが、アラゴルンがアルウェンに今までの出来事を回想するシーンのウェイトを増して使用しているので、人によってはますます意味不明に。
--実写パートには登場するものの、ゲーム内にサム、メリーとピピンが存在しない。
--アモン・ヘンでフロドを単独行動させた理由について説明無し(ボロミアが指輪の誘惑に負ける描写もカット)。
--ボロミアは原作および映画通り殺されるが、ゲームではそれ以前の描写がほとんどないに等しい。
#endregion
-一部のムービーがスキップできない
--ゲームのメインシナリオ中に出てくる1周目のムービーは必ず見ることになる。これは2周目以降であればスキップ可能。
--しかし、操作キャラの体力が0になる以外の理由でステージクリアを失敗した時に見られる特殊ムービーは、2回目以降もスキップできない、内容も操作キャラや民間人が敵に殺される…といったものが大半なので、何度もゲームオーバーになるとその度に特殊ムービーを見せつけられて精神的に負担になる。
-グラフィック
--キャラの顔や服装などの細かい所はあまり再現できていない。
--データが膨大になるためできなかった可能性が高いが、原作では敵がバリエーションに富んでいたにもかかわらず、皆同じ姿なので違和感を覚えることも。~
特に混戦時は全く同じような敵であふれかえるので、操作キャラや敵の配置がつかめず不意打ちを食らいやすい。
-操作時の不満
--アラゴルン以外の癖が強い。
---動きの速いレゴラスはまだ良いが、動きの遅いギムリは特に操作しづらい。飛び道具でないと攻撃できない敵との戦いは非常に辛い。
**総評
基本的な作り込みは万全で軽い処理のまま合戦を再現し、敵を倒す戦略性や達成感は十分に味わうことが出来るという長所は大きい。~
しかしアクションゲームとしてはあまり初心者向けではないので、映画から参入したアクションライト層にはハードルが高く、戦闘のボリューム不足やシナリオのやや強引な省略もあり、ロード・オブ・ザ・リングのお話を楽しみたいヘビー層にも十分に満足が得られない惜しい作品といえる。
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**余談
-発売当時の日本法人であるエレクトロニック・アーツ・スクウェアは、本作発売からいくばくして、スクウェア・エニックスの合併による資本撤退に伴いエレクトロニック・アーツに社名変更された(正しくはEAVとEAスクウェアの間の時期の社名に戻った)。