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*ラチェット&クランク FUTURE2
【らちぇっと あんど くらんく ふゅーちゃーつー】
|ジャンル|アクション|&amazon(B002C1ARH6)|
|対応機種|プレイステーション3|~|
|メディア|BD-ROM 1枚|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|開発元|Insomniac Games|~|
|発売日|2009年11月19日|~|
|定価|5,980円(税5%込)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|本来のアクション性はやや弱いか&br;代わりに新要素は人を選ぶが高水準|~|
|>|>|CENTER:''[[ラチェット&クランクシリーズ]]''|
|>|>|CENTER:''[[SIEワールドワイド・スタジオ作品]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要・あらすじ
『[[ラチェット&クランク フューチャー]]』の正式な続編。謎の機械生命体ゾニーに連れ去られてしまった相棒のロボット「クランク」を探すところから物語は始まり、ラチェットの一族「ロンバックス」の滅亡の謎と、時空をつかさどる巨大時計「グレート・クロック」がおりなす銀河の危機に挑む。
***設定
-ロンバックス族
--高度な科学技術を有していたトラのような2足歩行の種族。敵の勢力によって主人公ラチェットを残して殆どが滅亡してしまっている。
-グレート・クロック
--クランクが連れ去られた先にある巨大施設。周辺の銀河全体の時空を管理しており、歪みを治すことができる。
--時空操作は時空の破壊にも転用できる強大な力なので、本作ではこれを利用した世界征服を目論む悪者と、仲間を時間遡行でよみがえらそうとするロンバックス族が登場する。
--クランクを連れ去ったロボットのような生命体「ゾニー」はここを末端的に管理している存在であり、世界征服のためにグレート・クロックの略奪を試みた悪者にそそのかされてクランクを拉致している。本編では自分たちが騙されていたことに気づき、純粋な協力者として手伝ってくれる。ラチェットパートでは彼の宇宙船「アフィリオン」の性能をアップグレードしてくれる。
***シリーズにおける本作品の特色
-ラチェットとクランクの別行動
--クランクは『FUTURE』のラスボス撃破後、謎の生命体「ゾニー」によってラチェットのもとから連れ去られており、2人をシナリオに応じて視点を切り替えて操作することに。
--直接ではないが、クランクの行動がラチェットの攻略する惑星に生じる時空の歪みの解決につながっている。
-銀河系の配置方法
--全部で12ほどあるステージ惑星および宇宙戦艦が5セクターに分割されるようになった。
--同セクター内にある惑星や小惑星・人工物に着陸したいときはラチェットの宇宙船「アフィリオン」を操作し、セクターをまたいで移動したいときはセクターの端へ移動することでワープを行う。
--銀河内部では、依頼を受けてステージにある物を破壊したり、不時着した宇宙船を目的地にまで運ぶといったおつかい要素も実装されている。
--また銀河移動中は宇宙船をフライトシューティングのようにして操作し、邪魔な隕石や襲ってくる敵を攻撃することができる。
-新アクション
--盾装備している敵をオムレンチでつかんで、防具解除できるようになった。
--小さなロボットをオムレンチのブーメランで捕獲し、鍵穴に投げつけられる。
**評価点
-登場アイテムの斬新さ
--ガラメカのつくりが従来作にはなかった挙動をするものが多い。それでいて露骨に使えない性能を持ったということもなく無難に使用可能。
---4であったような性能を着せ替えできるシステムを搭載した武器がある。
---前作では補助アイテムとして微妙な立ち位置だった「Mr.ズーコン」と「グルーブトロン」が正式にガラメカとして昇格。
--ホバーブーツは常に使用できるわけではないが、グラインドとダッシュブーツを組み合わせたような作りでありまた空中浮遊もできるので、クランク不在によるアクション性の低下の阻止に繋がっている。
---平地でもカーブのしやすいダッシュ移動として応用できるので、移動がものすごく快適になっている。
--『FUTURE』における補助ガラメカは乗り物系が主だったが、本作では従来シリーズらしくステージ攻略をパズルの要領で補助するアイテムが復活した。
---吸い取った液体を内部で量産して無制限に打ち出せる「オムニソーカー」のアクションが、従来作に対してひけをとらないパズル性をもつ((蜜を吸い取って危険な敵を関係のないところにおびき寄せる、油を吸い取って火をつける、錆を解除するなど。))。
-謎解き要素の復活
--同一惑星でも攻略時期に応じて、過去版と未来版に分かれているときがあり、どちらかでのみ手に入るアイテム・いける場所などの差別化、2版の連動要素も追加され謎解きに新しい要素が加わった。
-クランクのアクションの改良
--前作であった時間干渉能力に大幅に新要素を追加され、周囲の時間の流れを遅くするだけでなく、時の管理者の杖で「空間の一部の時の流れを遅くする」タイムボムや、敵の飛び道具を「時間遡行によって打ち返す」アクションができるように。
--リスタート地点が増えたほか、上記のアクション面の強化のため死ぬ回数が減った。
--クランクの行動そのものを「実体を持った分身」として記録して「別々に再生」することで、数人のクランクが同時に行動し仕掛けを解除していくという、他ゲームでも中々見られないパズルアクションが随所に登場する。
---パズルが苦手な人が困らないように、自動でクリアしてくれるモードも搭載されている。また周回プレイ時にもう一度やりたくない人のためにスキップも可能。逆に、クリア後に挑戦できる高難易度のアクションパズルのステージもある。
-会話
--ラチェットとクランクが離れ離れにはなっているが、ラチェット・クランクそれぞれのパートでは話し相手がおり、物寂しくなることはない。
--宇宙空間飛行中にラチェットの宇宙船はラジオをかけることができ、クランクにはシグマンドというお供がいる。戦闘中も(敵を含めた)小さな会話がある。
-やりこみ要素
--やりこみによる特典要素の充実が設計されている。ラスボス撃破後に周回プレイするか、撃破前をやりなおすか選択できるが、後者を選んだ時用にやりこみ要素を追加したのはシリーズ初の出来事。
---ゲームプレイ中で特定の条件を満たすことで手に入るスキルポイントを集めていくことで、ゲーム内の左右対称や弾道のグラフィックの操作、原案のスクラップブックを眺めることができる。
---ステージ中に散らばるゴールデンボルトは、ラチェットの外見や持っているオムレンチのグラフィックを変えられる。
---ゾニーを回収しきると宇宙戦艦との戦いが解放される。
**賛否両論点
-傾向を変えたシナリオ
--本作のシナリオは、前作のストーリーの知識が若干前提となっている節があり、銀河全体の時を操る「グレート・クロック」というタイムリープものの要素まで登場するため、かなり難解な部類。
--今回は勧善懲悪ものではなくラチェクラシリーズには目新しい鬱展開がある。単に暗いというものでもなくプレイヤーにいろいろと考えさせる内容に仕上がっている。
---ラチェットの一族が滅んでしまった理由と前作のキーパーソン「アジマス将軍」の行動理念が本作のメインテーマになっており、本作で倒さねばならない敵の一部は悪とは断じることができず後味の悪さが残る。
--これ自体は問題ではないが、ラチェクラシリーズでおなじみのコミカルな展開は全体的に控えめになっている。
//以下やや詳細なネタバレなので参考までにCO
//#region(close,ネタバレ)
//-鬱展開の代表例として前作でも名前が出ていた「アジマス将軍」だが、自分の過ちでロンバックスの虐殺を招いておりそれを償うために行動していたのだが、結局その行動も銀河を危険に脅かすことに繋がっており、止めようとするラチェットとの戦いの末息絶えてしまう。アジマスの立場が人によってはいたたまれなく感じられる。
//---彼自身は無能といった類ではなくひたすら融通か聞かない真面目な人物として描かれている。時間を巻き戻して「銀河を危険に脅かす」か「ロンバックスを復活させるか」というのも彼なりの苦渋の決断であった模様。
//---余談だがに、『2』に出てくるアンジェラも実はロンバックス族である一方、本編に絡むことはなく消息不明になっているので扱いの悪さを否めない。
//#endregion
-クォークに対する扱い
--「味方」のクォークに対するラチェット達の扱いがやや酷い。
--彼は過去作『[[1>ラチェット&クランク]]』,『[[2>ラチェット&クランク2 ガガガ!銀河のコマンドーっす]]』ではヒーローとうたわれながらも金と名声に汚い宿敵として登場しているので、今までの行いに対して至極当然な反応なのかもしれないが、『[[3>ラチェット&クランク3 突撃!ガラクチック★レンジャーズ]]』では最終決戦で助けに来てくれたほか、本作では邪魔になる事なくかなり働いてくれる。
--逆に言えば、クォークの存在(および彼に対する扱い)が本作では一種の清涼剤となっているかもしれない。
**問題点
-説明不足な点
--前作ラストでクランクを拉致した「ゾニー」がゲームのかなり最初の方であっさり寝返ってくる。またこれには『3』のラスボスが少しからんでいるが、彼について知らない人には少し超展開に感じるかもしれない。
-自由度があまり高くない
--従来のステージとして機能していた惑星の数が決して多くはない。
--銀河一帯を宇宙船でクルージングし、名もなき小惑星に上陸してさらには攻略できる。これ自体は斬新な要素だったのだが、この小惑星のステージ構造がスタートからゴールまで基本的に一本道なので作りこみが弱く感じる。
--またシナリオはクランクとの入れ替わりになるので、プレイヤーの好きなテンポでの攻略はできない。
--クランクのパズル色の強いパートが苦手だとゲームそのもののテンポがだれがち。また相対的にラチェットのアクションパートの割合も食われてしまっている。
---中盤までクランクと一緒にいられないことを残念に思うプレイヤーもいる。もちろん、上記のホバーブーツなどのおかげでアクション面で不便に感じることは少なく、シナリオ終盤となればクランクとも合流しステージを自由に行き来できるようにはなる。
--しかし従来作はミニゲームのような要素を随所に入れるにしても、物語の大筋はステージを移動してクリアしてまた移動し…の繰り返しだったため、こういった流れにマンネリを感じていたプレイヤーにとっては新鮮。
---単にモノや敵を破壊するのではなく、時空の歪みの修繕や人助けといったプレイもすることになる。後述のバトル面の大味化は避けられないが、誰かのために行動したという達成感は得られるのではないか。
-ガラメカについて
--武器ガラメカもシリーズ全体としても多いレベルではないほか、武器間の性能バランスもやや悪化している。
--デザインもどちらかというと「かっこいい」のではなく「面白い」感じに仕上がっているのでその点では人を選ぶかもしれない。
-ステージ設計についての問題点
--ステージ攻略・ボス攻略にしても、ギミックや演出、ひいては頭を使うかどうかがシリーズとしての目玉要素でもあったが、マップ攻略の仕掛けによるオドロキは減り、ボスも一発死ギミックによる初見殺しを除けば極悪な攻撃は特にせず、堅実に戦えば負けないことが多くなった。
--ホバーブーツに関しては終盤に戦うボスでは戦場を移す際のアクション要素になっているのだが、この場面での難易度が他のホバーブーツ使用場面に対して高い。またリスタート地点も少ないので、ここで失敗すると戦場を移す前の第1ラウンドからやりなおしになる。
--演出やステージ構成に工夫を入れすぎた弊害か、ややロードが長い。
--ラスボス撃破後に、チャレンジモードに行くかラスボス撃破前の自由時間をやりなおすかの選択肢が迫られるが、チャレンジモードに行く際ゲームの進行不能になるバグが時折発生してしまう。PSストアでパッチが配信されているが、入手できない場合の対策はセーブデータの予備を取ることである。
-その他
--サウンドのテイストが変化した。攻略に影響を与えないように配慮してか、あまり印象に残らないBGMになっている。
--クランクパートで、惑星に起こる時空の歪みを修正するミニゲームがある。これは内容は惑星のモデルを眺めて、各地で生じる「時空の歪み」を破壊し、逆に破壊してはいけない正常な時空を避けながら、時空修正レーザーを照射するという内容だが、露骨に壊してはいけない時空を狙ったりしなければ、しらみ潰しに問題箇所を照射しているだけでいつかはクリアできてしまうので、パズル好きには物足りず作業に感じられると思われる。
--2周目にみるムービーがスキップできない。
**総評
シリーズにみられる豪快さと圧倒的な自由度は鳴りを潜めてしまったが、探索要素を大幅に残しながらも、従来のシステムが作り上げていた一種のマンネリを打破することへの努力が認められる。~
本作はそのためにいくつもの新要素を導入しているが、クランクのアクションパズル、銀河をとびまわってのおつかいの楽しさが見いだせれば、別の要素を開拓した名作に感じられるかもしれない。
**備考
-タイトルに関して、前作の商品名は片仮名で『フューチャー』だったが、本作では英語で『FUTURE2』となっている。
*ラチェット&クランク FUTURE2
【らちぇっと あんど くらんく ふゅーちゃーつー】
|ジャンル|アクション|&amazon(B002C1ARH6)|
|対応機種|プレイステーション3|~|
|メディア|BD-ROM 1枚|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|開発元|Insomniac Games|~|
|発売日|2009年11月19日|~|
|定価|5,980円(税5%込)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|本来のアクション性はやや弱いか&br;代わりに新要素は人を選ぶが高水準|~|
|>|>|CENTER:''[[ラチェット&クランクシリーズ]]''|
|>|>|CENTER:''[[SIEワールドワイド・スタジオ作品]]''|
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**概要・あらすじ
『[[ラチェット&クランク フューチャー]]』の正式な続編。謎の機械生命体ゾニーに連れ去られてしまった相棒のロボット「クランク」を探すところから物語は始まり、ラチェットの一族「ロンバックス」の滅亡の謎と、時空をつかさどる巨大時計「グレート・クロック」がおりなす銀河の危機に挑む。
***設定
-ロンバックス族
--高度な科学技術を有していたトラのような2足歩行の種族。敵の勢力によって主人公ラチェットを残して殆どが滅亡してしまっている。
-グレート・クロック
--クランクが連れ去られた先にある巨大施設。周辺の銀河全体の時空を管理しており、歪みを治すことができる。
--時空操作は時空の破壊にも転用できる強大な力なので、本作ではこれを利用した世界征服を目論む悪者と、仲間を時間遡行でよみがえらそうとするロンバックス族が登場する。
--クランクを連れ去ったロボットのような生命体「ゾニー」はここを末端的に管理している存在であり、世界征服のためにグレート・クロックの略奪を試みた悪者にそそのかされてクランクを拉致している。本編では自分たちが騙されていたことに気づき、純粋な協力者として手伝ってくれる。ラチェットパートでは彼の宇宙船「アフィリオン」の性能をアップグレードしてくれる。
***シリーズにおける本作品の特色
-ラチェットとクランクの別行動
--クランクは『FUTURE』のラスボス撃破後、謎の生命体「ゾニー」によってラチェットのもとから連れ去られており、2人をシナリオに応じて視点を切り替えて操作することに。
--直接ではないが、クランクの行動がラチェットの攻略する惑星に生じる時空の歪みの解決につながっている。
-銀河系の配置方法
--全部で12ほどあるステージ惑星および宇宙戦艦が5セクターに分割されるようになった。
--同セクター内にある惑星や小惑星・人工物に着陸したいときはラチェットの宇宙船「アフィリオン」を操作し、セクターをまたいで移動したいときはセクターの端へ移動することでワープを行う。
--銀河内部では、依頼を受けてステージにある物を破壊したり、不時着した宇宙船を目的地にまで運ぶといったおつかい要素も実装されている。
--また銀河移動中は宇宙船をフライトシューティングのようにして操作し、邪魔な隕石や襲ってくる敵を攻撃することができる。
-新アクション
--盾装備している敵をオムレンチでつかんで、防具解除できるようになった。
--小さなロボットをオムレンチのブーメランで捕獲し、鍵穴に投げつけられる。
**評価点
-登場アイテムの斬新さ
--ガラメカのつくりが従来作にはなかった挙動をするものが多い。それでいて露骨に使えない性能を持ったということもなく無難に使用可能。
---4であったような性能を着せ替えできるシステムを搭載した武器がある。
---前作では補助アイテムとして微妙な立ち位置だった「Mr.ズーコン」と「グルーブトロン」が正式にガラメカとして昇格。
--ホバーブーツは常に使用できるわけではないが、グラインドとダッシュブーツを組み合わせたような作りでありまた空中浮遊もできるので、クランク不在によるアクション性の低下の阻止に繋がっている。
---平地でもカーブのしやすいダッシュ移動として応用できるので、移動がものすごく快適になっている。
--『FUTURE』における補助ガラメカは乗り物系が主だったが、本作では従来シリーズらしくステージ攻略をパズルの要領で補助するアイテムが復活した。
---吸い取った液体を内部で量産して無制限に打ち出せる「オムニソーカー」のアクションが、従来作に対してひけをとらないパズル性をもつ((蜜を吸い取って危険な敵を関係のないところにおびき寄せる、油を吸い取って火をつける、錆を解除するなど。))。
-謎解き要素の復活
--同一惑星でも攻略時期に応じて、過去版と未来版に分かれているときがあり、どちらかでのみ手に入るアイテム・いける場所などの差別化、2版の連動要素も追加され謎解きに新しい要素が加わった。
-クランクのアクションの改良
--前作であった時間干渉能力に大幅に新要素を追加され、周囲の時間の流れを遅くするだけでなく、時の管理者の杖で「空間の一部の時の流れを遅くする」タイムボムや、敵の飛び道具を「時間遡行によって打ち返す」アクションができるように。
--リスタート地点が増えたほか、上記のアクション面の強化のため死ぬ回数が減った。
--クランクの行動そのものを「実体を持った分身」として記録して「別々に再生」することで、数人のクランクが同時に行動し仕掛けを解除していくという、他ゲームでも中々見られないパズルアクションが随所に登場する。
---パズルが苦手な人が困らないように、自動でクリアしてくれるモードも搭載されている。また周回プレイ時にもう一度やりたくない人のためにスキップも可能。逆に、クリア後に挑戦できる高難易度のアクションパズルのステージもある。
-会話
--ラチェットとクランクが離れ離れにはなっているが、ラチェット・クランクそれぞれのパートでは話し相手がおり、物寂しくなることはない。
--宇宙空間飛行中にラチェットの宇宙船はラジオをかけることができ、クランクにはシグマンドというお供がいる。戦闘中も(敵を含めた)小さな会話がある。
-やりこみ要素
--やりこみによる特典要素の充実が設計されている。ラスボス撃破後に周回プレイするか、撃破前をやりなおすか選択できるが、後者を選んだ時用にやりこみ要素を追加したのはシリーズ初の出来事。
---ゲームプレイ中で特定の条件を満たすことで手に入るスキルポイントを集めていくことで、ゲーム内の左右対称や弾道のグラフィックの操作、原案のスクラップブックを眺めることができる。
---ステージ中に散らばるゴールデンボルトは、ラチェットの外見や持っているオムレンチのグラフィックを変えられる。
---ゾニーを回収しきると宇宙戦艦との戦いが解放される。
**賛否両論点
-傾向を変えたシナリオ
--本作のシナリオは、前作のストーリーの知識が若干前提となっている節があり、銀河全体の時を操る「グレート・クロック」というタイムリープものの要素まで登場するため、かなり難解な部類。
--今回は勧善懲悪ものではなくラチェクラシリーズには目新しい鬱展開がある。単に暗いというものでもなくプレイヤーにいろいろと考えさせる内容に仕上がっている。
---ラチェットの一族が滅んでしまった理由と前作のキーパーソン「アジマス将軍」の行動理念が本作のメインテーマになっており、本作で倒さねばならない敵の一部は悪とは断じることができず後味の悪さが残る。
--これ自体は問題ではないが、ラチェクラシリーズでおなじみのコミカルな展開は全体的に控えめになっている。
//以下やや詳細なネタバレなので参考までにCO
//#region(close,ネタバレ)
//-鬱展開の代表例として前作でも名前が出ていた「アジマス将軍」だが、自分の過ちでロンバックスの虐殺を招いておりそれを償うために行動していたのだが、結局その行動も銀河を危険に脅かすことに繋がっており、止めようとするラチェットとの戦いの末息絶えてしまう。アジマスの立場が人によってはいたたまれなく感じられる。
//---彼自身は無能といった類ではなくひたすら融通か聞かない真面目な人物として描かれている。時間を巻き戻して「銀河を危険に脅かす」か「ロンバックスを復活させるか」というのも彼なりの苦渋の決断であった模様。
//---余談だがに、『2』に出てくるアンジェラも実はロンバックス族である一方、本編に絡むことはなく消息不明になっているので扱いの悪さを否めない。
//#endregion
-クォークに対する扱い
--「味方」のクォークに対するラチェット達の扱いがやや酷い。
--彼は過去作『[[1>ラチェット&クランク]]』,『[[2>ラチェット&クランク2 ガガガ!銀河のコマンドーっす]]』ではヒーローとうたわれながらも金と名声に汚い宿敵として登場しているので、今までの行いに対して至極当然な反応なのかもしれないが、『[[3>ラチェット&クランク3 突撃!ガラクチック★レンジャーズ]]』では最終決戦で助けに来てくれたほか、本作では邪魔になる事なくかなり働いてくれる。
--逆に言えば、クォークの存在(および彼に対する扱い)が本作では一種の清涼剤となっているかもしれない。
**問題点
-説明不足な点
--前作ラストでクランクを拉致した「ゾニー」がゲームのかなり最初の方であっさり寝返ってくる。またこれには『3』のラスボスが少しからんでいるが、彼について知らない人には少し超展開に感じるかもしれない。
-自由度があまり高くない
--従来のステージとして機能していた惑星の数が決して多くはない。
--銀河一帯を宇宙船でクルージングし、名もなき小惑星に上陸してさらには攻略できる。これ自体は斬新な要素だったのだが、この小惑星のステージ構造がスタートからゴールまで基本的に一本道なので作りこみが弱く感じる。
--またシナリオはクランクとの入れ替わりになるので、プレイヤーの好きなテンポでの攻略はできない。
--クランクのパズル色の強いパートが苦手だとゲームそのもののテンポがだれがち。また相対的にラチェットのアクションパートの割合も食われてしまっている。
---中盤までクランクと一緒にいられないことを残念に思うプレイヤーもいる。もちろん、上記のホバーブーツなどのおかげでアクション面で不便に感じることは少なく、シナリオ終盤となればクランクとも合流しステージを自由に行き来できるようにはなる。
--しかし従来作はミニゲームのような要素を随所に入れるにしても、物語の大筋はステージを移動してクリアしてまた移動し…の繰り返しだったため、こういった流れにマンネリを感じていたプレイヤーにとっては新鮮。
---単にモノや敵を破壊するのではなく、時空の歪みの修繕や人助けといったプレイもすることになる。後述のバトル面の大味化は避けられないが、誰かのために行動したという達成感は得られるのではないか。
-ガラメカについて
--武器ガラメカもシリーズ全体としても多いレベルではないほか、武器間の性能バランスもやや悪化している。
--デザインもどちらかというと「かっこいい」のではなく「面白い」感じに仕上がっているのでその点では人を選ぶかもしれない。
-ステージ設計についての問題点
--ステージ攻略・ボス攻略にしても、ギミックや演出、ひいては頭を使うかどうかがシリーズとしての目玉要素でもあったが、マップ攻略の仕掛けによるオドロキは減り、ボスも一発死ギミックによる初見殺しを除けば極悪な攻撃は特にせず、堅実に戦えば負けないことが多くなった。
--ホバーブーツに関しては終盤に戦うボスでは戦場を移す際のアクション要素になっているのだが、この場面での難易度が他のホバーブーツ使用場面に対して高い。またリスタート地点も少ないので、ここで失敗すると戦場を移す前の第1ラウンドからやりなおしになる。
--演出やステージ構成に工夫を入れすぎた弊害か、ややロードが長い。
--ラスボス撃破後に、チャレンジモードに行くかラスボス撃破前の自由時間をやりなおすかの選択肢が迫られるが、チャレンジモードに行く際ゲームの進行不能になるバグが時折発生してしまう。PSストアでパッチが配信されているが、入手できない場合の対策はセーブデータの予備を取ることである。
-その他
--サウンドのテイストが変化した。攻略に影響を与えないように配慮してか、あまり印象に残らないBGMになっている。
--クランクパートで、惑星に起こる時空の歪みを修正するミニゲームがある。これは内容は惑星のモデルを眺めて、各地で生じる「時空の歪み」を破壊し、逆に破壊してはいけない正常な時空を避けながら、時空修正レーザーを照射するという内容だが、露骨に壊してはいけない時空を狙ったりしなければ、しらみ潰しに問題箇所を照射しているだけでいつかはクリアできてしまうので、パズル好きには物足りず作業に感じられると思われる。
--2周目にみるムービーがスキップできない。
**総評
シリーズにみられる豪快さと圧倒的な自由度は鳴りを潜めてしまったが、探索要素を大幅に残しながらも、従来のシステムが作り上げていた一種のマンネリを打破することへの努力が認められる。~
本作はそのためにいくつもの新要素を導入しているが、クランクのアクションパズル、銀河をとびまわってのおつかいの楽しさが見いだせれば、別の要素を開拓した名作に感じられるかもしれない。
**備考
-タイトルに関して、前作の商品名は片仮名で『フューチャー』だったが、本作では英語で『FUTURE2』となっている。