Strange Telephone

【すとれんじてれふぉん】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 Windows(Steam)
Nintendo Switch
発売元 PLAYISM
開発元 HZ3 Software
発売日 【Steam】2019年1月21日
【Switch】2019年11月7日
定価 【Steam】498円(税込)
【Switch】980円(税込)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A (全年齢対象)
判定 なし
ポイント ゆめにっきライクなADV
電話をかけて異世界を探検
リスペクト元が元だけに内容は人を選ぶ


概要

元々はLove2Dというツールで作成されてスマホ向けにリリースされていたゲームであったが、本作は大型アップデートと称しゲームエンジンをUnityに変更し、多くの追加・変更点を加えてPCなどへと移植したものである。
作者のyuta氏はインタビューなどで有名フリーゲーム『ゆめにっき』から大きな影響を受けたと発言している。
本項では大型アップデートのされたVer2.0.0以降のバージョンの情報を基準として紹介する。
なお、個人発売のスマホ版の詳細についてはルール上割愛する。

ストーリー

主人公の女の子「ジル」は、目覚めると目の前に大きな扉が浮く奇妙で暗い世界に閉じ込められていました。
横を見ると電話の姿をした「グラハム」が無表情でこちらを向いています。
近くにあったランタンを手に取り、辺りを見渡しても闇は深く続いていました。
ふとグラハムの受話器を手に取り電話をかけてみると、奇妙なことに別の世界が脳裏に浮かび、その中を自由に歩くことができました。深い夢の中にいる感覚です。
ジルはこの世界から抜け出すためにグラハムと共に「鍵」を探す旅に出ました…。
(公式サイトより引用)

特徴

  • 6桁の電話番号をかけて様々な世界を探検していき、世界からの脱出を目指す。
    • 使用できる番号は0~9の数字の他に#と*を加えた計12種類。
    • 左右に移動すれば番号が1つずつずれて別の世界へと移動することができる。
    • 世界を探検していると「グリッチ」が段々と溜まっていき、画面が乱れていく。グリッチが5に達するとゲームオーバーとなる。
  • エンディングは全部で11種類。

評価点

  • 電話番号をかけて探検するというアイデア
    • 番号が同じならば基本的に同じ世界へ行けるため、番号をメモなりスクショなりして記録しておけば攻略の助けになる。
    • 番号も444444など不吉な数字を入力すると左右への移動もできず、唯一の敵が出てくる世界に飛ばされるといった演出も悪くない。
    • またSNSなどで番号を共有することもできる。
  • 奇妙な世界観
    • 『ゆめにっき』をリスペクトしただけあって世界観は奇妙であり、それ系統の作品が好きな人には魅力的に感じるだろう。

賛否両論点

  • ホラー要素は控えめ
    • 本作のレーティングがCERO:A (全年齢対象)となっていることから察することができるかもしれないが、本作ではホラー要素は控えめとなっている。
    • ホラー的な演出が皆無ということではないのだが『ゆめにっき』や『LSD』のような作品と比べると物足りなく感じるかもしれない。
      • ホラーが苦手な人からは評価点かもしれないが。
  • 意味があるようでないオブジェクト
    • 夢を題材にしているためゲーム内のオブジェクトは一見意味がありそうだがほぼ大半が無意味である。
    • 何かあるのかと思い周囲を探索してもイベントは存在せず意味ありげなままエンディングを迎えゲームが終了するため不完全燃焼感が強い。
    • リスペクト元である『ゆめにっき』自体がこのような要素を含むゲームであるため、製作者の意図通りとも受け取れる。この辺はプレイヤーの感性に委ねられる部分とも言える。

問題点

  • 世界の種類はそこまで多くない
    • 番号の組み合わせこそ膨大ではあるが、それに対して世界の種類は多くないので見飽きてしまいやすい。
    • 同価格帯のゲームに比べコンテンツ量が明らかに少ない。一つのエンディングに辿り着くのに数十分程度しかかからない。
  • 一部わかりづらい謎解き
    • 奇妙な世界観もあって、使い方がわかりづらいアイテムやオブジェクトがいくつか存在する。
    • アイテムやオブジェクトも一回使ったら終わり、ということもなく複数回使用するものもあり攻略のわかりづらさに影響している。
  • とあるエンディングへの到達方法が人によっては理不尽と感じる可能性がある
    + 一応ネタバレ注意
  • エンディングの一つの内、ゲーム内ではヒントが全く得られず、ゲーム外で電話番号を知らなくては到達できないものがある
  • そのため、実質ノーヒントのエンディングがあると言っても過言ではない。
    • Steam版ではストアページから、Switch版ではニュースでヒントとなる動画が見れるため、辿り着くのは不可能とは言い切れないが、その動画がエンディングへのヒントであることに全員が気づけるかと言われると、ちょっと厳しい。
  • Switch版の値段が高い上にメリットが少ない
    • Steam版が498円なのに対して、Switch版は980円と倍近い値段となっている。
    • Switch版独自の特徴と言えば極一部にHD振動があるくらいなので、かなり割高に感じてしまう。
    • Switch版なら携帯できると思うかもしれないが、携帯性を重視するのであれば原作のスマホアプリ版を買った方が価格的にも良い。

総評

ゆめにっきをリスペクトした奇妙な世界観や電話をかけて探検するというアイデアはなかなか良かったのだが、ADVとして見た場合のゲーム部分の出来がやや粗めなのが残念なところ。特にコンテンツ量の少なさは致命的。
リスペクト元であるゆめにっきが雰囲気重視の人を選ぶゲームであるため、その影響を受けた本作も多少だが人を選ぶ作品となっている。
価格も安価で雰囲気ゲーとしては上々なので、世界観に魅力を感じることができるのなら購入を検討してもよいかもしれない。

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最終更新:2021年10月10日 21:05