ブレインロード

【ぶれいんろーど】

ジャンル アクションRPG
対応機種 スーパーファミコン
メディア 12MbitROMカートリッジ
発売元 エニックス
開発元 プロデュース!
オーパス
発売日 1994年1月29日
定価 9,600円
プレイ人数 1人
セーブデータ 2個
判定 良作
ポイント シルバー殿堂入り
頭を使うゲーム
ある意味ドラゴンクエスト
鍵ゲー
ダークゾーン


概要

行方不明の父と絶滅寸前のドラゴンを探す戦士レミールを操作し、複数の広大なダンジョンの制覇を目指すアクションRPG。
アランドラ』ばりにアクションと謎解きを要求され、難易度は高い。

ファンの間では、『エルナード』『ブレインロード』『ミスティックアーク』この3作を合わせて「アーク三部作」と呼ばれている。非公式な呼称であり、正式にシリーズ作品とされている訳ではないが、色々な共通点も多かったりする。本作のみRPGではなくアクションRPGであり、シナリオもゲーム性もド直球に仕上がっており、本作単品でも遊べるようになっている。
ファミコン通信では見事、シルバー殿堂入りを果たした作品である。

特徴

登場人物

レミール
  • 本作の主人公。多彩な武器と攻撃魔法を使いこなす万能戦士。
  • カタカナで8文字までで名前の変更も可能。濁点は1マス消費で「!」も使える。
  • 数百年前から受け継がれる、ドラゴンを手なづけパートナーとして従えて共に戦う戦士の血筋、「竜の戦士」の末裔。
  • 消息不明の父と同じく、自身のパートナーたり得るドラゴンを求め、ドラゴンがいるという「光の塔」を目指して旅を続けており、アークス村で仲間たちと知り合う。
    • 他所の解説記事には旅の動機はドラゴン討伐と、まるでドラゴンと敵対するかのような記述があるが誤解のないよう気を付けたい。『エルナード』ではドラゴンは討伐されてしまう存在のため間違えるのも仕方のない所である。
  • 4人の仲間たち
    • レミールがアークス村で会ってから行動を共にするようになる冒険者。彼らは直接的にレミールと同伴する事は無いが、別行動という形で冒険の先々で遭遇し、回復、アイテム販売、助言といった形で様々な手助けをしてくれる。
      • 本作の仲間たちは概ね友好的であり、『エルナード』のように互いに争うような事にはならない。
バーニス
  • 初老の男性、戦闘面は不得意だが、博識でアイテムを売ってくれたり回復してくれたりする。フェリスによると光の塔のセーブ像もバーニスの先祖が作ったものらしい。
レイン
  • 整った容姿の男性賞金稼ぎ。バネッサという婚約者との結婚を控えており、稼ぐために冒険に勤しむ。やや短絡的なところがある。
    俺、この旅が終わったら結婚するんだ。
カシアン
  • 十代の少女。バーニスと行動をとる事が多い。壁を掘ったり行動力のある面を見せる。屋根裏のネズミ退治を放置しておくと乱暴な方法でやってしまい指名手配されたり、たまに焼きサソリをすすめられて毒にかかるのはご愛敬。
フェリス
  • 魔法使いの女性。大のネズミ嫌い。後に意外な正体を見せることになる。

ゲーム仕様

  • HPが0になると所持金が半減し、直近にセーブした宿屋・セーブ彫像から再開する。
    • 本作はダンジョン内にも複数のセーブポイントや回復の泉が配置されている。
  • 地形効果
    • 本作には、落とし穴、ダメージ床、出没床、水中、氷、流砂、ダークゾーンなど色々な地形が用意されている。
    • 穴だらけのフロアの限られた足場をジャンプで渡っていくアクション地形も多く登場する。穴に落ちると直前の足場ではなく小ダメージを受けたのち部屋の入口に戻されるため、手に汗握ること必至。
    • 歩行する雑魚敵は穴の位置を正確に把握し立ち入らないので落下死は期待出来ないものの、そこが安全な床と判断できる。
      • 落とし穴からの復帰の際は、画面上から落ちて来る仕様。この演出は後のミスティックアークで移動魔法を使った際にも採用されている。

魔法

  • 基本、攻撃用のものばかり。MPの概念はなく、チャージが必要なものの際限なく撃てる。上位の魔法ほどチャージタイムは長い。
    • 魔法屋で購入も出来るが、看板が出ている訳ではなくテーブル越しに話しかけないと買い物メニューにならないのは分かり辛い。
    • 魔法によっては攻撃手段としてだけではなく、専用の追加効果もあり、ストーリーでは特殊な魔法で状況を打開する場面も存在する。単なるサブウェポンでは終わらない。
    • 魔法はアイテム扱いではなく、専用のメニューが用意。魔法を選択した際の効果音は、アイテム選択の効果音と異なっているのも雰囲気作りに一役買っている。
    • 一部のダンジョンにはアンチマジックフィールドがあり魔法が封じられる状況で戦う事も求められる。

アイテム

  • 一口にアイテムと言っても、回復から装備品にイベントアイテムなど種類が多い。それら全てが同じ鞄で管理され、所持上限は48種だがすぐに埋まってしまうと考えて間違いない。
    このため、常にアイテムの取捨選択を迫られるゲームデザインといえる。
  • リンゴ、チーズといった食品でHP回復。また、ドラクエにおけるキメラの翼のような転移アイテム「ワープゲート」はダンジョン脱出手段として非常に有用。
    • ダンジョンの1フロアが全体図で見渡せる「透視メガネ」といった便利アイテムも存在し、表示に時間は少々かかるもののダンジョンの広大さが伝わってくる。
      • 余談だが、データ上にはチートアイテムもあり、何度でも使えるうえに行先も多いデバッグワープゲート、落とし穴に落ちなくなる風の靴などが内部データに存在する*1
  • 装備品
    • 武器、鎧、兜、盾に大別。
    • 盾は敵の攻撃をかなり防ぐのだが、耐久力に回数がある。修理は出来ずに使い切ると消失。ちなみに残り回数に応じて売値も下がる。
    • しかし、吸引攻撃など盾では防げない攻撃も多数あり過信は禁物。
      • 鞄の空きのためにも、型落ちの装備は処分して上位品に乗り換えていくのがセオリーである。
  • 翡翠妖精
    • 旅の商人マイスターから購入。宝箱からの入手。といったアイテムのような扱われ方をする妖精であり、展開するとレミールの傍に付き従い共に行動する。妖精自体は無敵で、『R-TYPE』や、のちの『魔獣王』、『ロックマン ゼロ』でみられるオプションのような存在といえば伝わるだろうか。
    • 単騎で行動するレミールに随行する心強い存在であり、最大2体まで展開できる。例えば、序盤で手に入るイフリーは敵を火球で攻撃したり、光の翡翠のパーズンは暗闇を照らしてくれるようになる。
    • デフォルトネームも各自用意されておりプレイヤーの好みに応じて名前を付ける事も出来る。
    • 成長要素もある
      • 敵を倒すと青い玉を落とす事があるがそれを妖精に取らせると経験値が入りそれに応じてレベルが上がりより強力な存在となる。例えばパーズンは照らす範囲が更に明るくなるなど。
      • 翡翠妖精が必要ない場面でも常駐させて青い玉を取らせて成長させるのが良いだろう。
    • なお、翡翠を誤って処分してしまった際は、マイスターから再び販売してもらえる。
  • カギ
    • ゼルダの伝説よろしく、ダンジョンの中の仕掛けを乗り越えていくと鍵が手に入り先へ進めるようになる。
    • 1ダンジョンあたり10本ほどの鍵が登場するが、手に入れたそばから開錠で消費されるためアイテム欄を圧迫する事はない。
    • 解説文で対応する扉の情報も書かれている場合もあり、古代遺跡までは次の行先も分かり易い。更に最終ダンジョンでは闇の力に汚染されたカギが不安を煽る文章で解説されているなど、雰囲気作りに一役買っている。
  • 「リターン」コマンド
    • このコマンドには部屋の入口まで戻る機能が搭載されている。使用の際のリソース消費やペナルティは全く無し。これは岩や鉄球などでプレーヤーの手詰まりへの対策と思われる。
      • ちなみに、本当に本当に極めて稀であるが、転がる鉄球を利用して扉のスイッチを押させる箇所で、扉に入った瞬間と同時に鉄球が離れて扉が閉まった場合、まったくもって身動きできなくなる事がある。こうなると、その場で方向転換とジャンプしか行えなくなってしまう。
      • 早い時期では古代遺跡2Fで起こりうる、場所は3Fから階段を降りて左下に向かうと3つのスイッチがある場所である。こういう際にもリターンが役に立つ。(場合によっては光の塔でもハマりは起こり得る)
    • リターンと聞くと『ファイナルファンタジーV』が有名であるが、本作のそれは使用時の部屋のギミック状態は保持される仕様であり、そちらとは全くの別物であることに注意。
    • 気軽に多用できる時短テクニックとしても有用である。

評価点

ゲーム性

  • 高低差における立体感
    • マップは高低差の概念が取り入れられており、ジャンプで行き交う仕様は立体感が表現されており見栄えも良い。更に流れる雲の影まで表現されて質感も良い。
  • 多彩なダンジョン
    • 光の塔、古代遺跡、氷の城、ドルーガ火山、プラチナム。各地のダンジョンは複雑に構成されており、あらゆる謎解きアクションが用意されておりブレインロードのタイトルにふさわしい。
    • 最初から難しいわけではなく、登場人物達が随所で説明をしてくれるので少しずつ慣れていけるようになっている。
  • ダンジョン内部への転移も可能
    • ダンジョン脱出にも使える転移アイテム「ワープゲート」は、厳密には「セーブしたことのあるセーブポイント」であれば基本的にどこへでも飛ぶことができる。
    • その上で本作には、ダンジョン内部にもセーブポイントが複数配置されており、ダンジョン内部のセーブポイントへ飛ぶことも可能となっている。補給のために村へ帰還した際に二度目の道中は省略できるなどアクセスが良く、攻略に専念し易いと言える。
  • HPが低下した際はアラームで知らせてくれる。
  • 謎解き要素
    • 床にはスイッチが配置されており、岩を倉庫番よろしく押したり、鉄球を転がしたりして押せば道が開かれるというパズル要素が多い。時には仲間を連れてきて協力する個所も一部あり。
    • 壁紙の文章から数字を特定して、それに応じてスイッチを踏んでいくというものも。
  • アイテム・装備品
    • 全てのアイテムに、アイコンと解説が用意されている。ただし、アイコンは簡素なもので色数も少なくてファミコンレベルだったり、解説も漢字が少ないのは残念なところである。
    • 武器防具は数字が振ってあるので攻撃力・防御力・使用回数が分かり易い。
      • よく見ると分かるのだが、武器の種類に応じてレミールの動作が異なるというのも実に細かいところである。
    • デモでも実演されているが、斧を使うと色々なオブジェの破壊、更に壊された後のドット絵も描き込まれており、たまにアイテムも出現する。
    • 基本は数値上の性能ばかりだが、マントは鎧防御が0の代わりに足が速くなったり、スパイクブーツは滑りにくいなど特殊性能アイテムも散見される。
    • 装備品の中には透視メガネなどの重要アイテムも含まれており、そういった物品は仲間の解説も織り交ぜつつ入手されるため使い方や使い道の見当はつけやすい。そして、必ず手に入るようになっている。

音楽

  • 赤堀正直氏による音楽であり、各地域のフィールドやダンジョンごとに専用の曲が用意されている。
    • フィールドの広大さ、古代文明の静寂なれど重厚なる雰囲気、トリッキーな氷のギミック、ラストダンジョンは難関に立ち向かっていく勢いの良さが伝わって来る。

賛否両論点

  • 難易度は高い
    • 序盤からして容赦なく、壁には長く辛い道のりに耐えてこそ真の戦士とある通りかなりかなり辛口。
    • ジャンプを多用する穴だらけの部屋で落下した場合は入口からやり直しとなるのだが、出入口が複数ある場合は直前に入場した入口側まで戻される。つまり、行きと帰りでそういった穴部屋を二度通過する場合、帰りでもミスなく渡っていく技術が求められて難儀である。
    • ダンジョン自体は5つしか無いがどれも長丁場。最初の光の塔からして攻略に数十分はかかるだろう。以降も大掛かりなダンジョンが用意されている。
  • 主人公はレベルアップしない
    • 本作の主人公に経験値・EXPという概念はなく、どれだけモンスターを倒してもレミールは一切レベルが上がらない。
    • 消耗品の能力アップアイテムの「ハート」で最大HP、「力のもと」「まもりのもと」で攻防が上昇する以外に基礎ステータスが成長する要素は皆無であり、敵を倒すことによる稼ぎ行為は基本的に金策か翡翠のレベリングにしかならない点は評価が分かれる。
      • なお、ハートが20,000G、力・守りのもとが各12,500Gで売れるが希少品なので売らない事を強く薦める。
      • 屋根裏のネズミ退治はやっておくと後にハートが1つ手に入るといった、入手時期限定のものもある。カシアンが牙を剥いて来る前に…
  • 操作性
    • デフォルトがBボタンで決定、Aボタンでキャンセルと少々変則的なボタン配置のため一般的ではない。ただ、ゲーム中にコンフィグでボタン配置を変更する事は可能なため配慮はされている。なお、ロード画面ではBボタン決定のままなのでやや不便。
    • こういった仕様はあまりないだろうが『ウォーリーをさがせ! 絵本の国の大冒険』という作品でも同じ仕様があったりする。
  • セーブ周りの不便
    • 「はじめから」を選択したい際は、空のセーブデータが必要。『エルナード』や『ミスティックアーク』と違いセーブスロットは2つしか用意されていないため新規プレイ時の敷居が高い。
    • セーブする際は現在セーブスロットへの上書きで行われ、他のセーブスロットに別途記録はできない。このあたりは初期のドラクエを意識したものであろう。
    • プレイ時間を確認するにはセーブする間際にしか見ることが出来ない。さほど気にしないプレイヤーが大半と思われるが、ゲームを久々に起動した際にゲーム進行度確認の目安にするには少々手間となる。
    • プレイ時間を気にするプレイヤーはRTA走者などが考えられるが、後述する岩場やダークゾーンなどで不安定な要素があるため、本作を走るにはかなり過酷なものがある。

問題点

  • フォント
    • 文章の漢字の量が少ない。このため興を削がれる事もしばしば。
    • メニューの文章はファミコン時代のカタカナレベルのため、この時期のゲームにしては安っぽい印象を受ける。
  • 敵が大量に配置されているエリアでは処理落ちが発生しやすい。
  • G(お金)が貯まらない
    • 序盤では回復手段も乏しくリンゴは500Gで3HP回復、チーズは1000Gで6HP回復とコストが良いとは言い難い。ワープゲートで回復の泉・バーニスのもとまで回復に飛ぶという手もあるがワープゲートそのものが1500Gするので気軽には使い難い。
    • 数千~1万で売れる換金アイテムもあるものの個数が有限。
    • 物価は高い。終盤になっても敵の落とすGは300あたりと厳しい。死亡の度に所持金半減なので状況によってはリセットする方が損失軽微となる場合も多い。
  • 状態異常が鬱陶しい
    • 麻痺状態になると定期的に行動不能に陥ってしまう。行動不能時間そのものは短いが魔法チャージもキャンセルされるため、状況次第では厄介な要素となる。
      • 扱う敵は浮遊するクラゲのみだが、全身が反撃バリアの如く剣でとどめを刺しても麻痺を貰ってしまう。
      • とはいえ、麻痺の方は時間経過で治るので安全を確保できればそれほど脅威にはならない。また、麻痺の治療アイテム「ケープ草」ですぐに治るが500Gするので常備するほどでもない。
    • 半面、毒はHP減少効果は無いものの攻撃・防御が半減する上に効果が永続する。治療には宿に泊まるか、毒消しを使う必要に迫られる。そのため麻痺より遥かに危険度は高く厄介である。
      • 扱う敵はサソリのみ。また、砂漠で毒状態になると見た目、分かり辛い。
      • 毒消しは常備していないと危険なのだが500Gと高めであり資金とアイテム欄を圧迫するストレス要因となる。
    • 状態異常は複合する上に、予防する装備品等も存在しない。しかも、サソリの毒攻撃はかなり素早いうえに間合いが非常にわかりづらく、クラゲの方も同様に間合がわかりづらいため、どちらも気づかないうちに貰っているケースも多い。
  • 魔法のメダリオン
    • ここでダークゾーンの攻略が楽になる魔法もあるが、知らずに苦労したプレーヤーも多数。
    • 魔法に関してはアイテムとは別に項目が用意されているのは良いが、手に入れた順番に並ぶのみで、手動で並べる事も出来ない。

アイテム回り

  • 整頓する機能がない
    • まず、自動で整頓する機能がないので手動で並べるのが大変である。「魔法のサイフ」など意味の薄いアイテムがあるとアイテム欄を圧迫。換金アイテムもあり全滅しても残るという面はあるが、こちらもアイテム欄と相談。
    • 後発RPGの『ミスティックアーク』では、アイテム上限に悩む仕様であるが、整頓機能が搭載されるようになった。
  • ステータスアップアイテム
    • ライフの最大値が上がるハート、攻撃力・防御力が上がる力・守りのもとは、長く持ち歩くものではないのに、他のアイテム同様アイテム欄に入るため、いちいち使用する一手間を要求する。取得と同時に自動的に効果を発揮するデザインでも問題は無かったと思われる。
      • もっとも、ハートは使用時に最大値アップとともにライフが全回復するため、すぐに使わず回復アイテムとして持ち歩くという用途には悪くない。
  • 武器について
    • ブーメランは、攻撃力がそこそこあり、遠距離から攻撃でき、当たれば連続ダメージも可能と、かなりの高性能。ただし、レミールはななめ移動できるのに、なぜかブーメランをななめに投げることは出来ず、他の武器も斜めに攻撃は出来ない(ただ、剣は振ればななめ方向の敵にも当たるし、ブーメランもある程度の範囲内なら戻ってきた時などに当たる)
    • 逆に、斧系は、攻撃力はダントツだが、リーチが極端に短く、非常に使い勝手が悪い。
  • 重要アイテムの売却
    • イベントアイテムやカギは売れないようになっているのは良いが、能力アップや最強装備まで売る事が出来てしまう。
    • 王家の鎧は高く売れるとあり実際に27,500Gで売れるのだが、非売品の最強防具なので売ってしまうとその後の攻略難度に大きく響くため、不慣れなプレイヤーにとっては少々不親切な設計といえる。
  • ワープゲートの不親切設計
    • 上記の通り冒険の基盤アイテムなのだが、消費アイテムのため一回で使い切りの上1500Gと高価。気軽には使えない。
    • ワープ先に登録するには宿屋に泊まったり彫像を調べるだけでは足りず、セーブの一手間をかけなければ登録されないため注意が必要。
    • ワープ先はフロア単位でリストアップされており、細かい範囲で移動出来るメリットがある反面、1F・2F・3Fと選択肢が膨らみ続けるため選択の度に手間がかかり冗長で不便である。
      • 後に再訪する事もないので尚更であろう。
    • 同社が後に発売するRPG『ミスティックアーク』では、アイテムではなくルーラのような魔法という扱いになり、扱いやすくなっている。
  • 「ダンジョン内でセーブ可能」と「死亡時の復活地点更新にセーブが必須」の仕様で起こるトラブル
    • 例えば光の塔の上階でセーブしてボスを倒し、村まで帰還し宿で一泊した後にそのままノーセーブ状態で冒険し倒れてしまった場合、再開地点が村の宿屋ではなく光の塔の上階からになってしまう。
      もしここでワープゲートを持っていない際は自力でダンジョンから脱出するしかないのが辛いところ。
    • ただし、氷の城クリアの直後は、復活地点はトロントの宿屋に更新されている。
  • 翡翠妖精
    • 青い玉
      • 妖精を2つ従えている際、プレーヤーの意志とは関係なく勝手に取ってしまうため、どちらに取らせるのかを選べない。だからと言って、妖精の出し入れも面倒な話である。
      • ただし、アークス~トロントを結ぶ街道に1匹だけ、青い玉を100%落とす敵がいるので、見つけたら絶好の稼ぎポイントになる。
    • 選択肢は多いようで少ない
      • 暗い所を照らすパーズンと、コンスタントにHPを回復してくれるアノンがセオリーとされている。
      • 他には、見つかりにくい場所にあったり、高価かつ種類も多くアイテム欄も考えると気軽に買うわけにもいかないのが難儀なところである。
      • 高価な割に能力が微妙で元が取れるかは疑問が残る。
    • 旅の商人マイスターから買える。序盤のアークスで「もうすぐ俺は旅に出る」と言い、実際にトロントに旅立っているが、トロントでも俺は旅に出ると言われると、もう会えなくなるのではないかと不安になる。
    • このようにゲームでは大きく活躍するのは良いのだが、レミール以外の人が妖精を従えている描写は一切なく、ストーリーではイベントアイテムとアノンの交換くらいで殆ど触れられないのは残念である。

ストーリーは薄い

  • 町はそれぞれ違ったBGMが用意されているものの、ゲーム内に用意されている町村が2つしかなくしかも近いため世界観の広がりを感じづらい。(このあたりは『イース』におけるミネアの町とゼピック村のように例えられる。)
  • 移動手段もワープゲートで事足りるもので、船や飛行船といった長距離移動要素も一切出てこない。
  • ボス敵は4種類のみ。しかも虫やゴーストといったビジュアル面で秀でているとは言いづらいものが多く、ラスボスやその前後のイベントもクライマックスにしては盛り上がりに欠ける。

謎解きに不便な点がある

  • カギが各ダンジョンにたくさんあるのは前述の通りだが、ダンジョンが広いこともあって、ただ新しい扉が見つかるたびにカギを探すだけの、単調な冒険になりがち。
+ 攻略情報が含まれます
  • 光の塔
    • トゲ床ではかなり短い間隔で連続ダメージをもらう。慣れない序盤ではあっという間に力尽きるだろう。
    • 壁の文章には「石像を攻撃してはいけない」とあるが押しただけでも襲って来るし、翡翠妖精を常駐させていると勝手に攻撃するので、この文章にあまり意味はないと言える。
    • 鉄球と岩
      6つの仕掛けで 2つの扉が開く
      まずは2つの鉄球を前に押し考えろ
      
    • とあるが、右側の扉はそれで合っているが、帰りの左の扉はそれではダメである、まず鉄球を1つ左上隅に置いてから岩を3ずつ押し出すのが手順。
  • 古代遺跡
    • 高圧電流に乗ると早いペースでHPを削られる。更に暗い場所にあるのでより危険である。翡翠妖精パーズンも手に入るのだがレベルが低いうちは照らす範囲が狭いので心細い。
    • 3Fに分かり辛い落とし穴がある。スティールバスターの張り紙の部屋から西に灰色に赤線の扉があり、その1つだけが下階に行けるというもの、非常に分かり辛いが、灰色に赤線の扉のすぐそこ、出没床と通常床で1マス挟んだ穴に落ちればよい。
      • このダンジョンでは、2Fと3Fで、落ちると1つ下の階の宝箱がある部屋に行ける場所が計4ヶ所あるが、穴自体がそこら中にあるうえに、目印など一切無し。どうやって探せというのか?落ちるポイントは攻略本にすら記されていないため、攻略サイトでも見なければ、まずわからない。
  • 氷の城
    • 一度クリアすると再訪できない。色々と楽しいし、おいしいアイテムもあるので再訪させて欲しかった。シナリオ上では二度と来れなくする理由はないはずだが。
    • 「こおりの中のカギ」でカシアンを助けて「ヘビーモール」を手に入れる個所があるがそれを忘れたまま進めてしまえる。カシアンは助かっているのは良いのだが、カギはアイテム欄を圧迫して、武器も手に入らないというダブルパンチになる。
    • 氷の床。よくあるアクションゲームだと、壁にぶつかれば止まれるのだが、このゲームでは、ぶつかると その勢いではね返される 。ただでさえやたら滑るのに、壁すらもストッパーにならないため、かなり極悪。
    • ここにもいきなり出現するトゲ床の仕掛けがあるが、光の塔と違い、どの床がそうなのか、見分けるのはほぼ不可能。光の塔ではいちおうはっきりとした違いがあるので、よく見ればわかったのだが、こちらはあまりにも不親切過ぎ。トゲ以外でも、踏むと仕掛けが作動する床はあるが、そちらもやはり見分けられない。
    • そして滑り止めのスパイクブーツだが、以降は氷の床はないので不要なアイテムになりがち。
      • 一応、ドルーガでは溶岩の上をアイス魔法で凍らせる際に滑らずに歩けるという使い道があるが、必須ではない上に誰も教えてくれない。
  • ドルーガ
    • 岩の迷路が厄介
      道を塞がれた者よ
      諦めず何度でも挑むが良い
      岩は一途な者には道を開く
      
    • 岩の迷路があるのだが、右往左往しているといつの間にか岩がなくなって先へ進めるというもので非常に分かり辛い。シナリオ上は寿命が迫っているドラゴンに一刻も早く会いに行かなくてはならないのに、急いでる中で変な時間稼ぎをされている印象で、違和感の強い演出といえる。
    • 危険度は無いのだが歩き回っているうちに越せたという規則性も全く理解できず、後のダークゾーンの方が簡単というプレイヤーも少なくない。*2

終盤の構成が悪い

+ トロント襲撃~ラスボス
  • トロントの街が襲撃されている
    • レミールがドラゴンに使命を託された後に戻ってみると、BGMが変わっておりモンスターが街中に現れて、人々は恐れている。こう書くと深刻な事態に思えるが、実際のところ自粛している店はなく通常営業。闘技場は休みとなっており闘士達がモンスター退治に出ているとの事。
    • 被害と言えば至る所に穴が開いているくらいで、雑魚敵ワームも適当に突進して来るのみで大したことはなく、街中が襲撃されているという実感は無い。
      • 器物破損しているのは、斧で色々壊してアイテムを探すレミールの方である。
      • トロントの曲が聞けなくなるのも被害の一つと言えよう。
  • その後は穴から本拠地へ向かう。
    • 道中は暗い迷路になっているので、翡翠妖精パーズンのレベルが足りないと思った場合はトロント北の街道で青い玉を稼ぐと良い。

プラチナム

この神殿 プラチナムより
いずれ 闇の領域が
広がり 全てを
吸い尽くであろう・・・・・
全てが 滅んだのち
そこには 時も空間もなく
死だけが 渦巻いているのである

*3

  • レミールたちが向かったプラチナムでは、雑魚敵が姑息な戦い方で迎え撃ってくる。
    • 石像に擬態して不意を突いてきたり、足場の悪い場所でパチンコ玉みたいな敵が引力で穴に落とそうとしてきたり、別な場所では電気クラゲが麻痺を持っていたり厄介である。
    • まともな敵は、移動速度・攻撃力が高い白い剣士くらいであろうが、特に中ボスも出てこないため、難所を乗り越えて来たプレーヤーにとって戦闘面の方で苦労する事はまずないだろう。
    • バーニスが満身創痍になっていたが、それは凶悪な怪物たちとの死闘ではなく騙し討ちやパチンコ玉に何度も引きずり降ろされたからではないのかと思われる。

ある意味、本作の最難関

  • みんな大好き。ダークゾーン
+ 長いのでまとめる
これより先は
ダークゾーン
闇の領域である
闇の空間の 源である
エントロピーの力は
全ての 光の存在を
否定し 無き物とする
  • 入ってみると、真っ暗であり見えない壁の迷路になっている。
    • 光の翡翠パーズンも無効化、ワープゲートも使えない、アンチマジックフィールドでも使えていた「リターン」は出ない、壁もただの壁ではなく「透視メガネ」でも検知されないと徹底に封じ込まれている。
  • 何とか先へ進んでみると、フェリスと合流。黒いフロアは気味が悪く物質の存在自体が感じられないとの事。
エントロピーとは 闇の力
全てを 死に追いやるものである
  • そもそも、エントロピーは闇の力ではなく、熱力学あたりで使われている乱雑さの数値を指す。専門的な事はともかく、ダークゾーンはまだまだ続く…
    • ザコ敵も出て来るが、適当に配置されているのみであり、特に能力が倍増するという事もなく、レミールが倒れるという事だけはないだろう。
    • 動画的にも地味で見ている分にも面白くはない、まあ当時はニコ動もYouTubeも無かったのだが。
無力な 人間よ……
広がり行く ダークゾーンに
飲み込まれ かわしようのない
絶望の中で 滅ぶがいい
  • これらの文章は全て壁に掲示されているのみであり、恐怖感の演出は完全に滑ってしまっている。
    • それよりも、どこからともなく聞こえて来るようにすれば、恐怖が倍増されたと思われる。
+ 対策
  • 弓を撃ちながら進む方法もあるが斜めに撃てない事が難儀なところである。そこで斜めに撃てる魔法などを購入しておくと良い。
    • 魔法は、アークス村の北西の家、トロント町の北東隅の建物があるが、そこでテーブル越しに話しかけると売ってもらえる。
    • バウンドは斜め撃ちという唯一の特性に加え画面内をバウンドするので広範囲を把握出来る。ゴーストも見えない壁で跳ね返って留まったりするので相対座標をつかみやすいなどのメリットがある。
  • あとは、透視メガネでちょくちょく位置確認も有効。ちなみに、斜めジャンプをしながら進んで行けば壁沿いに移動してくれると思いきや実は壁で止まっているので効率が悪い。こちらも検証しておくと良いだろう。
  • 本作道中最後の難所
+ 3Fのパチンコ玉のいるダークゾーン
  • ここではレミールがパチンコ玉の吸引に流されるように思えるが、実は動く床もある。
    • プラチナムでは動く床は出てきていないと思っているプレーヤーも多いが、ここだけ、こっそり組み込まれている。
    • 遺跡のベルトコンベヤー、氷の城の水流、ドルーガの流砂と全く同じ効果であり、プレーヤーが気が付かないうちに流されているのだ。
    • ここの構造は中央に「己」という文字でルートが構成されているような感じで、右行って、左行って、右行ってというイメージで行かなくてはならない。しかも、流体は逆流しているので余計に質が悪い。
  • 翡翠妖精で流されている方向を把握しよう
    • 古代遺跡のベルトコンベアあたりで実証すると分かるのだが、空中リフトや移動地形では翡翠妖精だけはしっかりと流されている方向を向いているのである。これによりダークゾーンでも流されている方向だけは知る事が出来る。それに抗っていけば良い。
    • 勿論、魔法を併用すると更に分かり易い。バウンドよりもゴーストの方が相対座標をつかめるので良い。
  • ここを抜けた後も、カギも2種類とってこないとならない点に注意。下手をすると二度手間になる。
  • まあ、構造さえ分かっていれば本作で最も簡単なエリアではあるのだが……
  • ラスボス
+ 伏せておく
  • パチンコ玉とダークゾーンを乗り越えて来たが、ラスボスも盛り上がらない。
    • まず部屋の内装がここまでのマップの使い回し、BGMも2回目ボスの使い回しであり雰囲気は出ない。仲間たちも満身創痍のバーニスは仕方のないところであるが、他の仲間はどこかへいってレミール単独で挑む形である。
    • 形態が多いのは良い事だが、投擲弾で床を壊してきたりして、更に進むとワームと翼竜を放ちそちらは引力でレミールを引き寄せるというもので、とにかく突き落とそうというやり方である。
    • ちなみに、穴に落ちると退場扱いで、再訪した際の台詞もあるのだが、リセマラの一択である。
  • ここまで振り返ってみると、古の世界を滅ぼした魔王とはとても思えず、ただの迷惑集団と言っても過言ではないだろう。
  • エンディングでは、父には結局会ってないどころか触れられてすらいないのは残念。仲間たちも死亡フラグみたいなセリフを吐いたが元気にやっている。
  • ゲーム難易度はアランドラばりに牙を剥いてきたが、ストーリーは爽やかだった。
  • 俺たちの冒険はこれからだ。
  • エンディングが終わった後に暗転するのだが、データ上ではその場所が何故か光の塔1Fに入ってすぐ右に進んだところになっている。

総評

本作は素材も良く、多彩なギミックによる良質なアクションゲームとして仕上がっている。 だが、問題点も多く終盤のプラチナムで竜頭蛇尾になりかけているのが勿体ないところ。
3部作とあるが、エルナードやミスティックアークを知らなくても単品でも遊べるようにはなっている、ただし、難易度が高いアクションゲームなのでそこは覚悟されたし。


余談

  • パッケージデザインはアニメーターの神村幸子氏によるものであり、ゲームとしては他にも『デッドフォース』『ミスティックドラグーン』を手掛けている。

シルバー殿堂入り

  • 当時のゲーム雑誌『ファミコン通信』のクロスレビューで30点のシルバー殿堂入りを果たしている。
  • 翌年に『ミスティックアーク』が発売される。
    • 本作を手掛けたゲームプランナー今田信二、シナリオライター鈴木敏行を始め十数名のスタッフも参加されている。
    • そちらもまたプラチナ殿堂入りを果たしている。
    • 色々と設定も引き継がれているようである。
      • 本作の主人公のデフォルト名「レミール」は、『ミスティックアーク』の男主人公と同じ名前であり、『エルナード』のスタート地点となる街の名前と同一でもある。
      • エルナードにあったラムスやカシアンという名前のキャラが役割こそ全く違えど本作にも登場していたり、滅びた古代文明と関わったりと何かと共通点を感じさせる。
      • 本作には、フェリスという仲間がいるが、『ミスティックアーク』の女主人公のデフォルト名「フェリス」と同じキャラ名である。
      • 最初の街の名前は「アークス」である。
      • 猫のフック*4、主人公は毎度落下してきたり、"リンゴかい?そいつは今ならたったの500Gだ!"、"おいおい なんだそれは?_そんな物 うちじゃ かいとれないよ"、他にも、カタバンチという子供まで登場したりする。内部データには何度でも使えて行先も多いデバッグクリスタルなどのアイテムも存在している。
      • 闇の世界については『ブレインロード』ではgdgdだったのに対して非常に力が入っており特に第4世界や第6世界各地で強烈な恐怖を味わう事になるだろう……
  • 本作は外国でも発売されている。
    • 英語版『エルナード』は『The 7th saga』として発売され、『ミスティックアーク』はその続編『The 7th saga II』となる予定だった(発売中止)が、本作には7人の仲間はないのでそのまま『BRAIN LORD』のタイトルで発売されている。外国でも好評で現在ではレアものとなっており、数十ドルで取引されている。
    • ちなみにゲーム開始直後に「Dragon Warriors」というワードが出るが、『ドラゴンクエスト』シリーズの初期の海外名も『Dragon Warriors』である。
  • 現在ではスーパーファミコン Nintendo Switch Online、バーチャルコンソール、プロジェクトEGG等といったレトロゲーム配信サービスで配信されていないため、プレイは困難。
    • ただ、現在の中古相場は高い方ではなく入手はし易いと思われる。ただ25年以上前のゲームなのでセーブデータのバッテリーが機能するのかは怪しい所ではあるが。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年03月15日 07:35

*1 チート書き換えで所持すると、一例として、いきなり、光の塔3Fから引き返して透視メガネや、プラチナムで最強兜を入手可能と、ゲームバランスは勿論崩壊する

*2 ここだけ仲間たちが来ないのも寂しい。アイスの魔法で溶岩の上を凍らせる事が出来るといった展開でも違和感なく登場できたと思われる。

*3 なおこのテキストは実機では平仮名ばかりである

*4 本作のリターンと同等の効果で何度も使えるが、その場所を解いたらすぐに返す。